JPH08325699A - シリカ保護膜の作成方法および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

シリカ保護膜の作成方法および磁気記録媒体の製造方法

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JPH08325699A
JPH08325699A JP13078895A JP13078895A JPH08325699A JP H08325699 A JPH08325699 A JP H08325699A JP 13078895 A JP13078895 A JP 13078895A JP 13078895 A JP13078895 A JP 13078895A JP H08325699 A JPH08325699 A JP H08325699A
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JP
Japan
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film
protective film
magnetic
polysilazane
silica
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JP13078895A
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English (en)
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Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化することによってシリカに転化するポリ
シラザンを用い、塗膜法によってシリカ保護膜を形成す
るについて、低温条件で成膜可能とする。 【構成】 基板上にポリシラザンの塗膜を形成した後、
この塗膜に活性酸素もしくはオゾンを接触させて酸化を
行い、シリカ保護膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、素材表面の機械特性や
耐食性を改良する保護膜を作成するについて、低温処理
で皮膜性が高くかつ機械強度に優れるシリカ保護膜を作
成する方法に関する。またこのシリカ保護膜を用いた磁
気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、ハードディスク等の磁気記
録媒体においては高密度記録に適した強磁性金属薄膜を
磁性膜とする磁気記録媒体が実用化されている。このよ
うな強磁性金属薄膜を磁性膜とする磁気記録媒体は、高
い磁気エネルギーを容易に達成できると同時に、非常に
平滑な表面性を達成できるため磁気ヘッドとの間隙が小
さくできてスペーシングロスが少なく、高い電磁変換特
性を有する特徴がある。
【0003】しかし、これらの強磁性金属薄膜型の磁性
膜は従来の塗布型の磁性膜と比較して耐磨耗性が低く、
磁気ヘッド等との摺接による磨耗が大きく走行耐久性に
問題があった。そこで、この磁性膜の上にシリカ、ジル
コニア等の無機酸化物や炭素の保護膜を形成し、耐磨耗
性を向上させる方法が一般的に用いられている。
【0004】上記のような保護膜において、最近最も注
目されている炭素保護膜はスパッタリング法や化学気相
反応法(CVD)などの真空成膜法で作成するため、成
膜速度が遅く、かつ量産性に欠けるという問題がある。
【0005】さらに真空成膜法で作成された保護膜は被
覆性が十分とはいえず、基板が複雑な凹凸を有する形状
である場合にはピンホールを生じることが多い。特にこ
の傾向は保護膜の厚みが薄いほど顕著となり、磁気記録
媒体の保護膜のように20nm以下の膜厚による保護膜
の場合には耐食性の改善度合いが低くなるなどの問題が
ある。
【0006】また無機酸化物による保護膜も真空成膜法
で作成する場合には、上記の炭素保護膜と同様の問題が
ある。この問題を解決する方法として、無機酸化物保護
膜をゾルゲル法で作成する方法がある。この手法では生
産性が改善され、適切な塗布方法を選択することによっ
て基板の形状に関わらず、薄膜においてもピンホールの
ない保護膜を作成することができる。さらに、上記ゾル
ゲル法ではシリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニアや
これらの複合酸化物など様々な組成の無機酸化物保護膜
を作成することが可能である。
【0007】しかるに、ゾルゲル法の場合、ゾル溶液を
塗布し乾燥した後の塗膜(乾燥ゲル膜)がポーラスであ
るために、十分に緻密な膜を得るためにはある程度高温
で焼成しなければならず、好ましくは500℃以上の加
熱が必要となる。従って、このような手法は金属やガラ
ス基板上に作成されたハードディスクにおいても熱的に
厳しい処理が必要となり、特にプラスチック支持体上に
作成されたフレキシブル媒体に応用することはかなり困
難である。
【0008】また、ゾルゲル法においては良好なシリカ
皮膜を作成するためにはアルコキシドなどの出発原料の
加水分解速度と重合速度を調整するための酸触媒が必要
となるが、これは磁性膜の耐食性を劣化させたり、製造
装置の腐食を生じる問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
酸化することによってシリカに転化するポリシラザンを
用い、塗膜法によってシリカ保護膜を形成せんとするも
のであるが、このポリシラザンの加熱酸化によるシリカ
への転化温度は400℃以上と高く、低温化された分解
タイプのものでも転化温度は250℃以上であり、プラ
スチック基板などの熱の影響を受けやすいものについて
はその応用が困難であった。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あって、低温条件で成膜可能でかつ機械特性や耐食性に
優れるシリカ保護膜の作成方法およびこれを用いた磁気
記録媒体の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のシリカ保護膜の作成方法は、基板上にポリシラザン
の塗膜を形成した後、この塗膜に活性酸素もしくはオゾ
ンを接触させて酸化を行い、シリカ保護膜を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に磁性膜を有
し、該磁性膜上にポリシラザンの塗膜を形成した後、こ
の塗膜に活性酸素もしくはオゾンを接触させて酸化を行
い、シリカ保護膜を形成することを特徴とするものであ
る。
【0013】このように、本発明は、シリカ保護膜を作
成する際の出発原料としてポリシラザンを用い、これを
溶液に溶解したポリシラザン溶液を基板または磁性膜上
に塗布乾燥した後、活性酸素もしくはオゾンを接触させ
て酸化を行い、シリカ保護膜とするものである。
【0014】ポリシラザンは、 (−SiH2 −NH−)n の主鎖構造を有する含珪素ポリマーであり、実際の構造
例としては下記に示すものが挙げられる。このようなポ
リシラザンは、例えば、特公昭63−16325号公報
に記載された方法で合成することができる。
【0015】
【化1】
【0016】このポリシラザンは空気中で酸化するとシ
リカになるため、シリカ作成の出発原料として使用でき
る。そして、シリカ保護膜の前駆体であるポリシラザン
塗膜の密度が、ゾルゲル法での前駆体である乾燥ゲル膜
と比較して高いため、分解したときの体積変化が少な
く、クラックを生じにくい。従って一回の塗布で作成で
きるシリカ膜の臨界膜厚が厚いこと、低温でも比較的緻
密なシリカ膜が得られるなどの特徴を有する。
【0017】特に、本発明ではポリシラザン塗膜に活性
酸素もしくはオゾンを接触させることによって酸化反応
を行い、シリカへの転化温度が低く、室温に近い低温で
も良好なシリカ保護膜が得られる。これに伴い、シリカ
保護膜を形成し得る素材としては、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレンナフタレートのように比較的低
温で変形するような素材のほか、金属、ガラス等の種々
の素材に作成可能である。
【0018】作成するシリカ保護膜の厚みは3nm以上
が好ましく、2μm以上のシリカ保護膜を作成する場合
には、1μm程度のシリカ保護膜を複数回積層する方法
で作成するのが好ましい。このようにする事によって均
一な膜厚のシリカ保護膜が容易に作成でき、また乾燥後
のクラックも防止できる。
【0019】また、磁気記録媒体のシリカ保護膜を作成
する場合には、このシリカ保護膜の厚みは3nm〜30
nmが好ましく、さらに好ましくは5nm〜20nmで
ある。これより薄いと保護膜としての機能が十分に発揮
されず、逆にこれよりも厚いと、ヘッド−磁性膜間のス
ペーシングが増大し、再生出力の低下を招く。
【0020】本発明においてポリシラザン塗膜を作成す
る方法としては、前記原料を有機溶剤に溶解した溶液を
ワイヤーバー法、グラビア法、スプレー法、ディップコ
ート法、スピンコート法等の手法によって磁性膜上に塗
布した後、乾燥すればよい。このときの塗布液濃度、溶
液の塗布量を調整することでポリシラザンの膜厚を調整
することができる。
【0021】ポリシラザンを溶解する溶剤はキシレン、
トルエン、ベンゼン、THFなどが使用できるが、エタ
ノール等のアルコール類はポリシラザンと反応してしま
うため、使用できない。
【0022】本発明において活性酸素とは酸素ラジカ
ル、酸素イオン等を指し、ポリシラザン塗膜に活性酸素
を接触させる方法としては、真空中で酸素プラズマ処理
を施す方法、大気中でコロナ放電処理を施す方法、大気
中でガスバーナー等で表面をあぶる火炎処理を施す方法
などによって行えるものである。
【0023】また、本発明でポリシラザンに接触させる
オゾンは放電法、紫外線照射法、放射線照射法を応用し
た一般的な発生装置によって作成できる。
【0024】酸化処理にオゾンを使用する場合のオゾン
の濃度は特に限定されないが、酸化処理を効率的に行う
ためには1〜100g/m3 (500〜50000ppm
)、好ましくは5〜50g/m3 (2500〜250
00ppm )である。またオゾンとの接触時間は数秒から
数分で酸化処理が可能である。
【0025】酸化処理に活性酸素を使用する場合には、
その適性濃度は活性酸素の作成方法やその接触方法に依
存する。
【0026】酸化処理時のポリシラザン塗膜温度(基板
温度)は室温でもかまわないが、処理速度を改善するた
めには加熱を行うことが好ましく、その加熱温度は基板
等に変形などの影響を与えない範囲で設定する。たとえ
ば基板(非磁性支持体)にポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンナフタレートを用い、この基板裏面を加
熱ローラに密着させながら、基板表面または磁性膜表面
に設けたポリシラザン塗膜を酸化処理する場合において
は、100℃前後に加熱すると基板に影響を与えず、処
理速度を速めることができる。
【0027】また、本発明においてはオゾンをポリシラ
ザン塗膜に接触させることで、その酸化処理が可能であ
るが、このとき同時に、ポリシラザン塗膜に紫外線を照
射する処理を併用すると、さらに処理速度の向上と緻密
なシリカ保護膜の作成が可能となる。つまり、オゾンを
導入した雰囲気において254nmの波長成分を有する
紫外線(例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ)を照
射することによってオゾンの分解が促進され、酸化反応
が促進される。
【0028】その際、185nmと254nmの両方の
波長成分を有する紫外線( 例えば高圧水銀ランプ) を用
いる場合にはオゾンを故意に導入しなくとも、酸素を存
在させることによって185nmの光によってオゾンが
生成するため、オゾンを導入したときとほぼ同様の酸化
作用が得られる。
【0029】本発明の磁気記録媒体の製造方法で使用す
る非磁性支持体としては、フレキシブル媒体の場合には
高分子フィルム、リジット媒体の場合にはガラス基板や
アルミ基板が使用できる。フレキシブル媒体の場合には
厚さ3〜75μmのポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アミドイミド等のフィルムが好ましい。また、支持体の
内部または表面に微粉体(フィラー)を含有し、この支
持体の表面に凹凸を形成したものでも良い。
【0030】ここで、ポリエチレンテレフタレート等を
非磁性支持体とした磁気テープや磁気ディスク等の磁気
記録媒体の磁性膜の保護膜としてシリカ保護膜を作成す
る磁気記録媒体の製造方法について説明する。
【0031】本発明の磁気記録媒体における磁性膜とな
る強磁性金属薄膜は、従来より公知の真空成膜法、例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法等が使用できる。斜
め真空蒸着法における走行速度は通常、20m/分以
上、好ましくは50〜200m/分の範囲である。ま
た、この斜め真空蒸着法の場合は、蒸着室の真空度は通
常、5×10-5torr以下、好ましくは1×10-6torr以
下である。その、強磁性金属の加熱手段は特に制限はな
いが電子ビーム、誘導加熱等が挙げられる。
【0032】前記磁性膜を高速成膜が可能な連続巻き取
り式の真空蒸着法で作成する場合、組成としてはコバル
トを主体とした従来より公知の金属または合金が挙げら
れ、具体的にはCo、CoNi、CoFeなどを酸素雰
囲気中で蒸着し、膜中に酸素を含んだものが使用でき
る。特に電磁変換特性を改善するため磁性膜を構成する
金属原子の90%以上、さらに好ましくは95%以上は
コバルトであるCo−O、またはCo−Oを含有するC
o−Fe等が好ましい。磁性膜の厚みは、100〜30
0nmとするのが望ましく、さらに望ましくは120〜
200nmである。また磁性膜を重層構成にすることに
よってさらに電磁変換特性を改善できる。
【0033】蒸着中の酸素ガスは磁性膜の抗磁力(H
c)を高めるために必要である。1200Oe〜200
0Oeになるように酸素量を調整することが好ましい。
磁性膜中の酸素量は10〜30%、好ましくは15〜2
5%、蒸着中の酸素の導入量は蒸着する幅、搬送速度に
依存する。例えば、100mm幅の非磁性支持体、20
m/分の速度でHcが1600Oeの条件で磁性膜を作
る場合、最低入射角の近傍から、250cc/分であ
る。また、この場合、酸素分圧は通常、1×10-5torr
〜5×10-4torrである。
【0034】一方、磁性膜をスパッタリング法で作成す
る場合、組成としてはコバルトを主体とした従来より公
知の金属または合金が挙げられ、具体的にはCo−C
r、Co−Ni−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr
−Pt、Co−Cr−Ta−Pt、Co−Cr−Pt−
Si、Co−Cr−Pt−B等が使用できる。特に電磁
変換特性を改善するためにCo−Cr−Ta、Co−C
r−Ptが好ましい。磁性膜の厚みは10〜300nm
とするのが望ましい。
【0035】また、この場合も電磁変換特性を改善する
ため重層構成としたり、下地層、中間層を有していても
良い。下地層としてCrまたはこの合金を使用すること
で特に電磁変換特性を改善することができる。この膜厚
は通常30〜300nmである。
【0036】また本発明による磁気記録媒体は、そのシ
リカ保護膜上に摩擦特性を改善するための潤滑剤や耐食
性を改善するための防錆剤を含有したトップコート膜が
存在することが好ましい。上記潤滑剤としては公知の炭
化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使
用できる。
【0037】炭化水素系潤滑剤としてはステアリン酸、
オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等の
エステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸
類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ス
テアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコー
ル類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ス
テアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
【0038】フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤
滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑
剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基として
は、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオ
ロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピ
レンオキシド重合体{(CF2 CF2 CF2 O)n }、
パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体{(CF
(CF3 )CF2 O)n }またはこれらの共重合体等が
挙げられる。
【0039】極圧添加剤としてはリン酸トリラウリル等
のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン
酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ
亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベ
ンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
【0040】上記潤滑剤は単独もしくは複数を併用して
使用される。これらの潤滑剤をシリカ保護膜上に付与す
る方法としては潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワイヤーバ
ー法、グラビア法、スピンコート法、ディップコート法
等で塗布するか、真空蒸着法によって付着させればよ
い。潤滑剤の塗布量としては1〜30mg/m2 が好ま
しく、2〜20mg/m2 が特に好ましい。
【0041】前記防錆剤としてはベンゾトリアゾール、
ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有
複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入し
た誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾ
チアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル
化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導
体等が挙げられる。
【0042】このような目的で使用可能なテトラザイン
デン環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
【0043】
【化2】
【0044】ここで、Rは、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
特に好ましくは、炭素数3以上20以下であり、アルコ
キシの場合にはROCOCH2 −のRは、C3 7 −、
6 13−、フェニルが挙げられ、また、アルキル基の
場合には、C6 13−、C9 19−、C1735−が挙げ
られ、アルキルアミドの場合にはRNHCOCH2 −の
Rは、フェニル、C3 7 −が挙げられる。
【0045】また、チオウラシル環化合物には、下記に
示すものが挙げられる。
【0046】
【化3】
【0047】
【作用および発明の効果】上記のような本発明によれ
ば、基板または磁性膜上に形成したポリシラザン塗膜に
活性酸素もしくはオゾンを接触させて酸化を行い、シリ
カに転化させてシリカ保護膜を形成するものであり、ス
パッタリング法などの真空成膜法よりも優れた生産性お
よび耐食性を達成し、さらにアルコキシシラン等を出発
原料としたゾルゲル法よりも低温で緻密で高い機械強度
を有するシリカ保護膜を作成することができる。
【0048】また、ポリシラザンを出発原料として用い
ることで、ゾルゲル法の様に酸触媒を不要としたため、
磁気記録媒体の耐食性を損なったり、製造装置の腐食が
防止できる。
【0049】特に、ポリシラザンからシリカへの転化を
活性酸素もしくはオゾンとの接触によって行い、その処
理温度が低くなることから、ポリエチレンテレフタレー
トやポリエチレンナフタレートのように比較的低温で変
形するような基板または非磁性支持体を用いた場合で
も、良好なシリカ保護膜が作成可能となった。
【0050】これによりガラス、金属はもとよりポリエ
チレンテレフタレート等のプラスチック基板、非磁性支
持体や高分子塗膜、磁性膜などの熱を加えることによっ
て変形や分解が生ずるおそれのある素材上にシリカ保護
膜を作成することが可能となる。このようにして作成さ
れたシリカ保護膜は、機械強度、ガスの遮蔽性に優れる
ため、ハードコート、防食皮膜、ブロッキング防止皮
膜、絶縁皮膜、凹凸面平滑化皮膜など様々な用途に使用
することができる。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0052】<実施例1>非磁性支持体として、厚さ1
0μmのポリエステルフィルムを使用し、このフィルム
上に平均粒子径30nmの球状シリカ粒子およびテトラ
エトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、塩酸、
水、シクロヘキサノンを含む溶液をワイヤーバー法で塗
布して高さ約10nmの突起を1mm2 当たり3×10
6 個有する下塗層を作成した。
【0053】次に、0℃に冷却した回転キャンに上記非
磁性支持体を密着させて搬送し、下塗層上にコバルトを
酸素含有雰囲気中で、磁性金属蒸気流の前記フイルムに
対する入射角が45°となるように設定して、70nm
の厚さで2回斜め蒸着を施し、全厚140nmの2層構
成の強磁性金属膜による磁性膜を作成した。なお、2層
とも薄膜を構成する磁性金属の柱状結晶の傾きは同じ向
きとなるようにした。
【0054】その後、上記磁性膜上にポリシラザン(東
燃株式会社製)のm−キシレン溶液をワイヤーバー法で
塗布し、100℃で乾燥した。続いて、前記非磁性支持
体の裏面を100℃に加熱したローラーに密着させ、表
面のポリシラザン塗膜に放電法で作成したオゾンガスを
濃度50g/m3 で吹き付け、ポリシラザン塗膜の分
解、酸化、重合を行い、シリカに転化させてシリカ保護
膜を形成した。得られたシリカ保護膜の膜厚を、TEM
の超薄切片観察によって測定したところ層厚約17nm
であった。
【0055】さらに、前記非磁性支持体の裏面にカーボ
ンブラックと樹脂結合剤からなるバックコートをワイヤ
ーバー法にて作成し、その後、前記シリカ保護膜上に両
末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑
剤(モンテフルオス社製FOMBLIN Z−DOL)を
フッ素系溶剤(同社製ZS−100)に溶解してワイヤ
ーバー法で塗布量20mg/m2 となるように塗布し、
乾燥した。この原反を幅8mmに裁断して試料としての
磁気記録媒体(磁気テープ)を得た。
【0056】<実施例2>本例は酸化時の加熱温度条件
が低い例であり、ポリシラザンの塗膜をオゾンによって
酸化する際の加熱ローラーの温度を50℃とした以外は
実施例1と同様の方法で試料を作成した。
【0057】<実施例3>本例は実施例1においてポリ
シラザンの塗膜を形成した後、オゾン処理の代わりに以
下の酸素プラズマ処理を施した例である。その試料を真
空槽内に放置し、真空槽内を排気して真空とした後に、
高周波励起コイルを有する直径100mmの石英トーチに
800WのRF電力を投入し、このトーチに酸素ガスを
200cc/分の流量で導入し、酸素プラズマを発生させ
た。このプラズマに前記試料が30秒間接するよう処理
した。
【0058】<比較例1>本例はオゾンによる酸化処理
を施さない例であり、実施例1においてポリシラザン塗
膜をオゾン酸化する工程を省略した以外は、実施例1と
同様に試料を作成した。
【0059】<比較例2>本例はポリシラザンを使用せ
ずゾルゲル法により保護膜を形成し、その加熱条件が1
00℃の例である。実施例1においてポリシラザン溶液
の代わりにテトラエトキシシランのエタノール溶液に塩
酸を添加して10時間攪拌した後、この溶液を磁性膜上
に塗布し乾燥するゾルゲル法によってシリカの前駆体と
なる乾燥ゲル膜を作成したものであり、これ以外は実施
例1と同様に試料を作成した。
【0060】<比較例3>本例は同様にゾルゲル法によ
り保護膜を形成し、その加熱条件が50℃の例である。
実施例2においてポリシラザン溶液の代わりにテトラエ
トキシシランのエタノール溶液に塩酸を添加して10時
間攪拌した後、この溶液を磁性膜上に塗布し乾燥するゾ
ルゲル法によってシリカの前駆体となる乾燥ゲル膜を作
成したものであり、これ以外は実施例2と同様に試料を
作成した。
【0061】<比較例4>本例は保護膜を形成しない例
であり、実施例1においてポリシラザンを塗布せずにシ
リカ保護膜を持たない磁性膜上に実施例1と同様に潤滑
剤を塗布して試料を作成した。
【0062】以上の様にして作成した各試料(実施例1
〜3、比較例1〜4)について次に示す耐磨耗試験、耐
食試験による評価を行った。評価結果は表1に示す。
【0063】(1)引っかき強度試験 直径4mmのスチールボールに10gの荷重を加え、この
スチールボールを試料に10mm/secの速度で30mm往復
摺動させた後、光学顕微鏡で試料の摺動部を観察した。
そして荷重を10gずつ増加させ、スクラッチが発生し
た荷重を引っかき強度とした。評価は荷重120gを最
大とした。
【0064】(2)スチル耐久性試験 8mmVTR(富士フイルム社製)を改造したVTRを使
用してカラーバーを録画した後、スチルモードで再生を
行い、出力が3dB低下するまでの耐久性をスチル耐久
性とした。環境は23℃、湿度5%RHとし、荷重は2
0g/8mmとした。また評価は30分を最大とした。
【0065】(3)亜硫酸ガス耐食性試験 試料を亜硫酸ガス1ppm を含んだ空気中に72時間保持
し、試験後試料表面を観察した。このときの環境条件は
27℃、湿度80%RHとした。試験後に極僅かな腐食
はあるもののほぼ全面に磁性膜が残存しているものを
○、磁性膜が完全に溶解してしまったものを×、両者の
中間のものを△と評価した。
【0066】
【表1】
【0067】上記表1から分かるようにポリシラザン塗
膜による保護膜を形成した実施例1〜3、比較例1にお
いて良好な耐食性を示しているが、比較例1の本発明の
酸化処理を施していないものは、シリカへの転化が不十
分で耐磨耗性が実施例1〜3より低下している。これに
より、低温処理によって良好なシリカ保護膜が形成でき
ているのが確認できた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にポリシラザンの塗膜を形成した
    後、この塗膜に活性酸素もしくはオゾンを接触させて酸
    化を行い、シリカ保護膜を形成することを特徴とするシ
    リカ保護膜の作成方法。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に磁
    性膜を有する磁気記録媒体において、該磁性膜上にポリ
    シラザンの塗膜を形成した後、この塗膜に活性酸素もし
    くはオゾンを接触させて酸化を行い、シリカ保護膜を形
    成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP13078895A 1995-05-29 1995-05-29 シリカ保護膜の作成方法および磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH08325699A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009503157A (ja) * 2005-07-26 2009-01-29 クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド ガスの透過を減少させるために基材上に薄いガラス様の被膜を形成する方法
JP2016024998A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 江東電気株式会社 水銀ランプ

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