JPH08325672A - 高温での耐割れ性と耐応力腐食割れ性の優れた高温用ベローズ - Google Patents

高温での耐割れ性と耐応力腐食割れ性の優れた高温用ベローズ

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JPH08325672A
JPH08325672A JP7126890A JP12689095A JPH08325672A JP H08325672 A JPH08325672 A JP H08325672A JP 7126890 A JP7126890 A JP 7126890A JP 12689095 A JP12689095 A JP 12689095A JP H08325672 A JPH08325672 A JP H08325672A
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JP
Japan
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bellows
less
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high temperature
stress corrosion
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JP7126890A
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Akio Yamamoto
章夫 山本
Takeshi Takada
健 高田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L27/00Adjustable joints, Joints allowing movement
    • F16L27/12Adjustable joints, Joints allowing movement allowing substantial longitudinal adjustment or movement

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Joints Allowing Movement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温での耐割れ性と耐応力腐食割れ性の優れ
た高温用ベローズ 【構成】 重量%で、C:0.02%以下、Cr:11.0〜23.0
%、N:0.015%以下、Ti:C含有量とN含有量の和の4
倍以上でかつ 0.6%以下、Nb:C含有量とN含有量の和
の8倍以上でかつ 1.2%以下の1種または2種を含むフ
ェライト系ステンレス鋼からなる高温での耐割れ性と耐
応力腐食割れ性に優れた高温用ベローズ。さらに、Si:
1.5%以下の含有は耐溶融塩腐食性に有効であり、ま
た、Mo:2%以下、Cu:1.5%以下、Ni:1.5%以下の1種以
上の含有は高い耐食性に有効である。 【効果】 高温での割れや応力腐食割れの発生がなく、
高価なNiを含まないために安価な高温用ベローズが得ら
れる。この際、装置のメンテナンスが極めて簡略化さ
れ、装置全体の寿命が伸びる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温での耐割れ性と耐
応力腐食割れ性に優れた高温用ベローズに関するもので
ある。特に、自動車の排気管のつなぎ部分などの高温部
分に用いられるフレキシブルチューブや、高温溶液用配
管のつなぎ部分などの耐食性を要求される部分に用いら
れるベローズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体や液体あるいは粉体を扱う種々の機
械装置では、それらの移動を金属配管を介して行なうこ
とが大半である。そして、その配管の途中には熱膨脹に
よる歪を吸収したり、振動を吸収して伝達を防止するた
めにベローズが用いられている。従来このベローズには
銅やオーステナイト系ステンレス鋼などが用いられてき
た。この理由は、ベローズ構造への加工が他の金属では
困難であったためである。すなわち、銅やオーステナイ
ト系ステンレス鋼は冷間での伸びが大きく、伸びによっ
て成形されるバルジ加工の適用が可能である。これに対
して、炭素鋼やフェライト系ステンレス鋼などの体心立
方の金属は延性が不足するためバルジ加工ができない。
【0003】一方、オーステナイト系ステンレス鋼製の
ベローズは、製造は容易であるものの、自動車排気系に
使用した場合、外部から融雪用などの塩類が付着して応
力腐食割れが発生しやすいという欠点がった。これは、
ベローズは管の凸部分の山と凹部分の谷の曲げによって
歪や振動を吸収するために、凸部分と凹部分には必ず応
力が掛かる。すなわち、応力の除去は不可能な構造、部
品である。それにもかかわらずオーステナイト系ステン
レス鋼は、応力腐食割れ感受性の高い合金である。この
ため、オーステナイト系ステンレス鋼製のベローズは応
力腐食割れが極めて発生しやすいという欠点があった。
【0004】応力腐食割れを回避するために、応力腐食
割れ感受性の低い材料を用いるか、構造的に応力腐食割
れを起きにくい構造すなわち応力不可が残らない構造と
するか、あるいは応力腐食割れの原因となる融雪用など
の塩類との接触を断つかのどれかである。しかし、応力
腐食割れを起きにくい構造としたり、融雪塩との接触を
断つことは事実上不可能である。このため、従来は応力
腐食割れ感受性の低い素材を用いることおよび構造的に
残留応力が小さくなる様工夫することで対処してきた。
【0005】すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼
でその応力腐食割れ感受性を低減するためには、例えば
特開昭49−107915号公報に記載されているよう
に、Ni含有量を増加させ、Cr,N,Mo,Pを低減
することが提案されている。しかしこのような鋼を用い
ても応力腐食割れ発生までの時間が相応に伸びるだけで
応力腐食割れの発生を防止するまでには至らなかった。
一方、構造的にはベローズの凹凸の数を増やしたり凹部
や凸部の曲げ角度を小さくすることで、応力を分散して
ひとつひとつの凹部ないし凸部に掛かる応力を低下させ
ることが考えられている。しかし、この方法はベローズ
が大きくなったり長くなってその結果装置も大きくする
必要があるなど、コストが高くなる欠点があった。しか
も、それでも応力腐食割れの感受性は解消せず、環境に
よっては応力腐食割れに悩まされてきた。
【0006】他方、フェライト系ステンレス鋼は、従来
より応力腐食割れが起きにくいことが良く知られている
が、ベローズへの加工が不可能であったため、適用でき
なかった。これに対して、本発明者らは、バルジ加工に
より、ベローズへの加工を行う際、金型の一部が拡管時
に可動となる金型を発明し、拡管と同時に素管の長手方
向に圧縮を加えることで、フェライト系ステンレス鋼の
ベローズ加工を行う方法を発明し(特願平7−6659
3号参照)、そして該発明方法により、フェライト系ス
テンレス鋼からなる応力腐食割れ性の優れたベローズを
発明した(特願平6−63980号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの発明した
前記フェライト系ステンレス鋼のベローズは、塩類との
接触による応力腐食割れの発生がほぼ解消されたため
に、自動車排気系での部品劣化の懸念のひとつは解消し
た。
【0008】しかし、前記ベローズは、500℃以上の
高温雰囲気に晒される場合、耐高温酸化性を考慮してC
rやSiの高い素材を用いても、常温での使用に比べて
短期間の使用で割れを発生する場合が認められた。従来
から用いられているオーステナイト系ステンレス鋼製の
ベローズの場合、この割れの発生より短時間で応力腐食
割れによる破断が起るため、この様な経験はなされてい
なかった。また、フェライト系ステンレス鋼のベローズ
は従来加工が不可能なために、このような現象は認めら
れてはいなかった。このため、割れ発生原因の解明と対
応は従来知見では全く不可能であった。本発明は、この
高温での耐割れ性を改善しかつ応力腐食割れ感受性を事
実上解消したベローズを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この割れ
の原因について種々検討した結果、破面にはわずかでは
あるが疲労破壊特有のストライエーション模様が認めら
れたことから、高温での疲労破壊と推定した。しかし、
破壊の起点は明瞭ではなかった。このため、疲労破壊に
対する従来知見に基づいて介在物の低減を図ったり、高
温強度を高めるべくMoの添加を試みた。これらの効果
は認められたものの、それでも高温での疲労と推定され
る割れの発生は防止できなかった。
【0010】そこで、フェライト系ステンレス鋼のベロ
ーズの金属組織を詳細に観察したところ、高温で割れを
発生したものには、比較的粗大な析出物が多く認められ
ることが判明した。この析出物は高温での使用前には認
められないことから、高温で析出したものと考えられ
た。さらにこの析出物の組成を調査したところ、Crを
主体とする炭化物であることがわかった。すなわち、フ
ェライト系ステンレス鋼のベローズは高温での使用中に
Crの炭窒化物が析出し、さらに粗大化し、それが疲労
亀裂の起点となるものと推定された。
【0011】一般に、フェライト系ステンレス鋼では、
素材の焼鈍時の冷却中に炭窒化物が析出するものと考え
られている。従って、Cr炭窒化物析出に伴って生ずる
Cr欠乏層に起因する粒界腐食は、通常の焼鈍材では6
00〜700℃の鋭敏化処理を行なっても起きない。そ
れにもかかわらず、ベローズでは600〜700℃で使
用するとCrの炭窒化物が粗大析出するのである。この
理由は鋭意検討中で必ずしも明確ではないが、使用によ
って生ずる転位にそって平衡的に存在する固溶CやNが
拡散移動し一部の炭窒化物を核に析出することが積み重
なって生ずるのではないかと予測している。
【0012】上記知見に基づいて、素材のC,N量の一
層の低減を図った、しかし、現行の精練で可能な0.0
03%程度に低減しても、高温での疲労と推定される割
れは解消しなかった。そこで、鋼中にTiやNbを添加
して、それらの炭窒化物としてC,Nの固定を図ったと
ころ、疲労と推定される割れ発生を大幅に低減できるこ
とを見出した。
【0013】本発明はこの知見に基づいてなされたもの
であり、 (1) 重量%で、C:0.02%以下、Cr:11.0〜
23.0%、N:0.015%以下を含有し、さらにT
i:C含有量とN含有量の和の4倍以上でかつ0.6%
以下、Nb:C含有量とN含有量の和の8倍以上でかつ
1.2%以下のうちの1種または2種を含み、常温から
融点までの安定固相が体心立方であるフェライト系ステ
ンレス鋼からなる高温での耐割れ性と耐応力腐食割れ性
に優れた高温用ベローズを第1の発明とする。
【0014】自動車の排気系に用いられるベローズの場
合、耐高温酸化性が不可欠である上に、環境中に存在す
る種々の塩が付着溶融して起こる溶融塩腐食に対するい
わゆる耐溶融塩腐食性が要求される。溶融塩腐食に対し
ては、Siを適量添加し安定なSiの酸化物皮膜を形成
することが有効であることがわかった。また、Siは、
耐高温酸化性に対しても効果がある。この知見に基づい
て、溶接方法を厳密に限定する必要のない実施態様を発
明した。すなわち、 (2) 重量%で、C:0.02%以下、Si:0.1〜
1.5%、Mn:1.0%以下、Cr:11.0〜2
3.0%、N:0.015%以下を含有し、さらにT
i:C含有量とN含有量の和の4倍以上でかつ0.6%
以下、Nb:C含有量とN含有量の和の8倍以上でかつ
1.2%以下の1種または2種を含み、その他脱酸用添
加元素、不可避不純物およびFeであるフェライト系ス
テンレス鋼からなる高温での耐割れ性と耐応力腐食割れ
性に優れた高温用ベローズを第2の発明とする。
【0015】さらに、走行環境によっては高い耐食性、
耐溶融塩腐食性が要求される場合、要求される耐食性に
応じて従来から認められている耐食性向上元素を添加す
ることが可能である。この考えに従って、高い耐食性を
要求される用途を狙った実施態様を発明した。すなわ
ち、 (3) 重量%で、C:0.02%以下、Si:0.1〜
1.5%、Mn:1.0%以下、Cr:11.0〜2
3.0%、N:0.015%以下を含有し、さらにT
i:C含有量とN含有量の和の4倍以上でかつ0.6%
以下、Nb:C含有量とN含有量の和の8倍以上でかつ
1.2%以下の1種または2種を含み、またMo:2%
以下、Cu:1.5%以下、Ni:1.5%以下の1種
以上を含みその他脱酸用添加元素、不可避不純物および
Feであるフェライト系ステンレス鋼からなる高温での
耐割れ性と耐応力腐食割れ性に優れた高温用ベローズを
第3の発明とする。
【0016】
【作用】次に、本発明の限定条件を示す。各元素の含有
量は重量%表示である。ベローズに用いる素材は、Cを
0.02%以下およびNを0.015%以下に低減し、
さらにTiおよび/ないしNbを添加したフェライト系
ステンレス鋼に限定する。フェライト系ステンレス鋼は
ベローズではCr量にかかわらず耐応力腐食割れ性がオ
ーステナイト系ステンレス鋼に比べて圧倒的に優れてい
る。従って、Cr量は使用する環境に応じて選択し得る
ので限定しない。
【0017】素材のC含有量は、0.02%を超えると
ベローズ加工が困難となる上に、例え加工できたとして
も素材中にTi炭化物Nb炭化物が多量に析出すること
になり、高温での疲労だけでなく常温や中高温での疲労
特性が劣化するために0.02%を上限とする。
【0018】素材のN含有量は、0.015%を超える
とCの場合と同様にベローズ加工が困難となる上に、例
え加工できたとしても素材中にTi窒化物Nb窒化物が
多量に析出することになり、高温での疲労だけでなく常
温や中高温での疲労特性が劣化するために0.015%
を上限とする。
【0019】Crは、600〜900℃の温度域で耐酸
化性を維持するために不可欠である。11%未満では、
耐酸化性が極めて劣るために下限とした。しかし、多量
に添加すると加工性が劣化するので23%を上限とし
た。
【0020】Tiは、CとNを固定し高温での使用中に
Crの炭化物としての析出を防止するために、C含有重
量とN含有重量の和の4倍以上が必要である。しかし、
多量に添加しても効果は変わらず単にコスト的に不利と
なるために、0.6%を上限とした。
【0021】Nbは、CとNを固定し高温での使用中に
Crの炭化物としての析出を防止するために、C含有重
量とN含有重量の和の8倍以上が必要である。しかし、
多量に添加しても効果は変わらないものの、高温での強
度が高くなり疲労特性に有利であるので、必要とする強
度に応じて添加することは問題がない。しかし、1.2
%を超えるとFe2 Nbが析出して靭性が著しく低下す
る懸念が生ずるために、1.2%を上限とした。
【0022】さらに、耐高温腐食性と耐溶融塩腐食に対
する耐食性向上を狙った実施態様である第2の発明にお
いては、CrとMnを限定し、Siを添加することが特
徴である。Crを主体とした酸化皮膜に加えて安定なS
iの酸化物皮膜が形成することから、耐酸化性が向上
し、環境中に存在する種々の塩が付着溶融して起こる溶
融塩腐食に対するいわゆる耐溶融塩腐食性が向上する。
【0023】Siは上記考えに従って耐溶融塩腐食性を
確保するためには、500℃以上の温度域でSiの安定
な酸化皮膜を形成させることが必要であり、そのために
は0.1%以上の添加が必要である。しかし、多量に添
加するとベローズへの加工が極めて困難となり、例え加
工ができても凸部と凹部の径の差が小さくベローズの機
能を確保するためには非常に長い構造にする必要が生ず
る。このために1.5%を上限とした。
【0024】Mnは、ベローズへの加工のためには素材
の加工性を確保する必要があるにもかかわらず、耐溶融
塩腐食性のためにSiを添加したことから、Mnを限定
して加工性を確保することとし、上限を1.0%とし
た。
【0025】高い耐食性を要求される用途に適用される
部品を狙った実施態様である第3の発明においては、M
o,Cu,Niの1種以上を添加することが特徴であ
る。Moは、特に塩素イオンに対して有効であるが、2
%を超えて添加すると加工性が劣化して、ベローズへの
加工が困難となるため2%を上限とした。Cuは、特に
硫酸などのpHの低い環境での耐食性を改善するが、1.
5%を超えて添加すると溶接部粒界に未固溶のCuが析
出し、ベローズへの加工が困難となるため1.5%を上
限とした。Niは、pHの低い環境での耐食性を改善する
が、1.5%を超えて添加すると溶接部にマルテンサイ
ト相を生じ、ベローズへの加工が困難となるため1.5
%を上限とした。
【0026】この他、介在物の低減のために脱酸を強化
することは本発明を何等阻害しない。このために、有効
なAlを0.1%以下添加することは何等差し支えな
い。
【0027】
【実施例】表1に示した鋼の0.5mm厚の冷延板(焼鈍
ないし溶体化材)を用いて外径φ50の溶接鋼管を作成
した。この溶接鋼管を図1に示した金型中に挿入し、素
管の長手方向に圧縮を加えると同時に金型のばね部分を
縮め、さらに同時に素管内部に油圧オイルを圧入してバ
ルジ加工を行ない、凸部数19、径ピッチ6mm、凸部径
φ70、凹部径φ52のベローズに加工した。
【0028】応力腐食割れ試験は、ベローズの全長さに
対して10%の伸びを加えた状態で、ガーゼを被せ、そ
のガーゼの両端を0.5%NaCl溶液に浸し、全体を
80℃の恒温室に保持する方法で行なった。NaCl溶
液は毛管現象によりガーゼを伝い、ベローズの表面(外
面)に接した。この方法では、ベローズの表面近傍で水
分が蒸発し、その結果時間と共にNaClの結晶が析出
する現象が見られた。また、高温疲労試験としては、7
00℃の大気中でベローズの全長さに対して10%の伸
びを10Hzの周期で加え、破断発生の有無を調査した。
【0029】表2に各種ベローズの応力腐食割れ、高温
疲労による割れ発生までの繰り返し時間と繰り返し数お
よび高温酸化試験による重量増の値をまとめた。本発明
のフェライト系ステンレス鋼のベローズは、240h以
上割れがなく応力腐食割れの発生がなかった。一方、比
較のSUS304鋼のベローズは、早いものでは約20
hで割れが発生した。破面やその近傍の断面の観察結果
から、Cl- イオンに起因する応力腐食割れと断定し
た。また、高温疲労試験の結果、TiやNbを添加しな
いフェライト系ステンレス鋼のベローズは、約34h
(106 回)で亀裂を発生した。Siを添加したNo.
3の本発明鋼は、酸化増量がSUS304鋼と同レベル
であり、優れた耐酸化性を示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明により、安価で応力腐食割れや高
温で疲労に起因すると推定される亀裂の発生がほとんど
解消した自動車排気系用ベローズの提供が可能となっ
た。また、母材の組成を限定することで、素材の管の製
造に用いる溶接に厳しい限定を行なう必要がなくなっ
た。
【0033】この結果、自動車排気系のベローズの幅広
い使用が可能となり、ベローズのメンテナンスが極めて
簡略化される。また、フレキシブルジョイントに代えて
長期間割れの発生しないベローズを使用することで、排
気ガスの漏洩の懸念が解消でき、環境改善に対する効果
も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例でベローズの加工用に用いた金型の断面
図である。
【符号の説明】 :金型本体部分 :金型の凸部をつなぐバネ材 :金型本体を支える押さえ管 :金型本体が縮む際のガイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.02%以下、 Cr:11.0〜23.0%、 N :0.015%以下を含有し、さらにTi:C含有
    量とN含有量の和の4倍以上でかつ0.6%以下、およ
    びNb:C含有量とN含有量の和の8倍以上でかつ1.
    2%以下の1種または2種を含み、常温から融点までの
    安定固相が体心立方であるフェライト系ステンレス鋼か
    らなることを特徴とする高温での耐割れ性と耐応力腐食
    割れ性に優れた高温用ベローズ。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.02%以下、 Si:0.1〜1.5%、 Mn:1.0%以下、 Cr:11.0〜23.0%、 N :0.015%以下を含有し、さらにTi:C含有
    量とN含有量の和の4倍以上でかつ0.6%以下、 Nb:C含有量とN含有量の和の8倍以上でかつ1.2
    %以下の1種または2種を含み、その他脱酸用添加元
    素、不可避不純物およびFeであるフェライト系ステン
    レス鋼からなることを特徴とする高温での耐割れ性と耐
    応力腐食割れ性に優れた高温用ベローズ。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.02%以下、 Si:0.1〜1.5%、 Mn:1.0%以下、 Cr:11.0〜23.0%、 N :0.015%以下を含有し、さらにTi:C含有
    量とN含有量の和の4倍以上でかつ0.6%以下、 Nb:C含有量とN含有量の和の8倍以上でかつ1.2
    %以下の1種または2種を含み、またMo:2%以下、 Cu:1.5%以下、 Ni:1.5%以下の1種以上を含み、その他脱酸用添
    加元素、不可避不純物およびFeであるフェライト系ス
    テンレス鋼からなることを特徴とする高温での耐割れ性
    と耐応力腐食割れ性に優れた高温用ベローズ。
JP7126890A 1995-05-25 1995-05-25 高温での耐割れ性と耐応力腐食割れ性の優れた高温用ベローズ Pending JPH08325672A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2010010916A1 (ja) * 2008-07-23 2012-01-05 新日鐵住金ステンレス株式会社 尿素水タンク用フェライト系ステンレス鋼

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2010010916A1 (ja) * 2008-07-23 2012-01-05 新日鐵住金ステンレス株式会社 尿素水タンク用フェライト系ステンレス鋼
JP5588868B2 (ja) * 2008-07-23 2014-09-10 新日鐵住金ステンレス株式会社 尿素水タンク用フェライト系ステンレス鋼

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