JPS6325053B2 - - Google Patents

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JPS6325053B2
JPS6325053B2 JP16372081A JP16372081A JPS6325053B2 JP S6325053 B2 JPS6325053 B2 JP S6325053B2 JP 16372081 A JP16372081 A JP 16372081A JP 16372081 A JP16372081 A JP 16372081A JP S6325053 B2 JPS6325053 B2 JP S6325053B2
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JP
Japan
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ferrite
temperature
less
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present
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JP16372081A
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English (en)
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JPS5864356A (ja
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Arata Komitsu
Toshiaki Ishii
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高温用二相ステンレス鋼の熱処理方
法に関し、特に高温強度、耐応力腐食割れ性、溶
接性等と共に、耐衝撃性を改善するものである。 重油脱硫装置用配管材料は、温度約400℃を越
え、圧力約200Kg/cm2という高温・高圧下で使用
され、しかもそのシヤツトダウンの際にはポリチ
オン酸などの腐食物質と接触する厳しい応力腐食
割れ(以下、「SCC」と称する)条件下にさらさ
れる。従つて、その配管材料は、高温強度が高
く、かつ耐SCC性にすぐれたものでなければなら
ない。むろん、構造用材料として、溶接性も良好
であることが必要である。 従来、かかる用途の管材料として、JIS
SUS304(SCS13)、SUS347あるいはSUS321など
のステンレス鋼が用いられている。しかしなが
ら、これらの従来材は、いづれも上記諸特性のす
べてを満たすものではなく、例えばSCS13、
SUS304は、強度や耐SCC性が十分でなく、
SUS347は溶接性や溶接部の耐SCC性に問題があ
り、またSUS321は溶接部の耐SCC性に劣るほ
か、強度が不足するという欠点がある。高温強
度、耐SCC性、並びに溶接性のいづれにもすぐれ
た新たな材料の開発が要請される所以である。ま
た、上記高温・高圧の使用条件に一そう適合する
ためには、高温長時間の使用においても高度の靭
性が保持されることが望まれる。 本発明は上記要請に応えた高温用二相ステンレ
ス鋼の材質改善のための熱処理方法を提供するも
のであり、その特徴とするところは、C0.20%
(重量%、以下同じ)以下、Si3.0%以下、Mn3.0
%以下、Cr20%を越え、30%以下、Ni6〜12%、
残部Feおよび不可避の不純物からなり、かつそ
の金属組織が面積率5〜30%のフエライトと残部
オーステナイトの2相組織を有するステンレス鋼
を、温度1130〜1250℃で加熱保持後、急冷するこ
とにある。 以下、本発明ステンレス鋼の熱処理方法につい
て詳しく説明する。 本発明の熱処理対象合金の化学成分限定理由は
次のとおりである。 C:0.20%以下 Cは強度向上に有効な元素であり、本発明が指
向する約400℃前後の高温用途において高い高温
強度を得るには、できるだけ含有量を多くするこ
とが好ましい。しかし、その反面、耐SCC性や一
般耐食性並びに溶接性の低下を伴ない、約0.20%
をこえると耐SCC性の低下が著しくなり、また長
時間使用後の靭性劣化が顕著となる。よつて、
0.20%を上限とする。もつとも、耐SCC性は、後
記のように鋼組織のフエライト量との関連性をも
有するのであつて、上記C量(0.20%以下)であ
れば、本発明のフエライト量の規定によつて良好
な耐SCC性を確保することができる。なお、耐
SCC性を重視すれば、C量は低い程よく、約0.08
%以下、特に約0.03%以下が望ましいが、高温用
途での実用上の強度を確保するためには、約0.05
%を下限とするのがよい。 Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下 SiおよびMnは特に本発明合金を特徴づけるも
のではないが、合金溶製時の脱酸(Mnについて
は、脱酸のほかに脱硫)および鋳造性確保を目的
として通常、それぞれ約0.2%以上加えられる。
しかし、3.0%をこえてもそれらの効果の増加は
殆んどないばかりか、特にSiについては、長時間
使用後の靭性の低下を助長し、好ましくない。よ
つて、それぞれ3.0%を上限とする。 Cr:20%を越え、30%以下 Crは高温使用に必要な耐酸化性の確保のみな
らず、フエライトフオーマとして、後記Ni量と
の関係において、オーステナイト/フエライト組
織における所要量のフエライトを形成するのに必
要である。特に、本発明では、前記のように高温
強度を考慮してC量の上限を比較的高い値に設定
しているので、Cによる耐SCCの低下傾向を補償
するために、通常のステンレス鋼よりも高いレベ
ルのCr量が望まれる。この点より、20%を越え
る含有量とする。但し、その量が多すぎると、か
えつて靭性の低下、並びに過剰のフエライト量の
生成を招来するので、30%を上限とする。 Ni:6〜12% Niは一般耐食性の向上、並びにフエライトフ
オーマである前記Crに対するオーステナイトフ
オーマとしてフエライト/オーステナイト組織の
形成に必要な元素である。その含有量は、耐食性
の確保、および前記Cr量とのバランスの点より、
少くとも6%を必要とする。しかし、Niは高価
な元素であり、多量の使用は不経済であるばかり
か、12%をこえると、オーステナイト量が過度に
増加し、必要なフエライト量が得られなくなるの
で、12%を上限とする。 P、S、その他の不可避的に混入する不純物は
可及的に低いことが望ましいが、この種の鋼に通
常許容される範囲内であれば存在してかまわな
い。例えばPは約0.04%以下、Sは約0.04%以下
であれば、特に支障はない。 本発明の熱処理対象合金はオーステナイト/フ
エライトの2相組織を有し、そのフエライト量は
面積率で5〜30%であることを要する。フエライ
ト相は耐SCC性および溶接性の向上に寄与する。
高温強度を犠性にしてC量を低く、例えば0.05%
以下に制限すれば、特にフエライト相の助けをか
りずとも、耐SCC性や溶接性を一定のレベルに保
つことも可能であるが、本発明では前記のごと
く、高温強度確保のため、C量上限を比較的高く
設定しているので、C量に伴なう耐SCC性、溶接
性の低下を防止するために、フエライト量の下限
を5%とするのである。ただし、このように有効
なフエライトも、30%をこえると、靭性の低下が
著しくなり、特に鋭敏化処理や高温長時間使用に
おける靭性の劣化が大きくなる。よつてその上限
を30%とするのである。むろん、この2相組織に
おけるフエライト量5〜30%の制御は、上記各元
素、特にCrとNiの含有量を前記規定の範囲で適
宜バランスさせることにより行なわれる。 本発明においては、これに高温度域での加熱保
持ののち急冷(水冷でよい)する熱処理が施こさ
れることを要する。その熱処理における加熱温度
は、少くとも1130℃でなければならない。これ
を、もし通常のステンレス鋼に適用される温度
1100℃±25℃程度の固溶化処理に従つたのでは、
目的を達成し得ないばかりか、かえつて高温長時
間使用後の靭性が極端に劣化するのであり、上記
のように1130℃以上の加熱保持後、急冷すること
によつて、はじめて各合金元素の機能が発揮さ
れ、上記靭性の劣化を生ずることなく、所期の材
料特性を得ることができる。これを金属組織にて
比較すると第1図〜第5図のごとくである(いづ
れも倍率:200倍、腐食:10%しゆう酸にて電解
エツチング)。第1図は、鋳放し組織(鋳造ま
ま)、第2図は加熱温度1100℃、第3図は同1130
℃、第4図は同1200℃、第5図は同1250℃であ
り、いづれも3時間の加熱保持後、水冷して得ら
れた組織である。すなわち、鋳放し組織(第1
図)ではネツトワーク状であるフエライト相が、
熱処理により分断され、加熱温度の上昇とともに
丸味を帯びた形状に変化している。その丸味の程
度は、従来の固溶化処理に相当する加熱温度(第
2図)では十分でない。本発明合金は分断された
フエライト相が第3図〜第5図に示される程度に
丸味を帯びていることを要するのであり、このた
め、加熱温度は少くとも1130℃でなければならな
い。ただし、加熱温度が1250℃をこえると、高温
度の割には効果の向上はなく、熱経済上不利であ
るばかりか、本来5〜30%の範囲にあつたフエラ
イト量が大きく変化し、本発明の目的が達成され
なくなる。よつて、1250℃を上限とする。 次に、実施例を挙げて本発明について具体的に
説明する。 実施例 各種化学成分組成の合金を溶製し、遠心力鋳造
管(外径200mm×肉厚20mm×長さ4000mm)を鋳造
した。各供試管材の成分組成およびフエライト量
を第1表に示す。供試No.1〜4は本発明規定の化
学成分組成およびフエライト量を有するもの、供
試No.11〜16は比較材である。比較材のうち、No.11
はJIS SCS13相当材である。
【表】 上記各供試管材より試験片を採取し、供試No.1
〜4および12〜16については、本発明に従い、温
度1150℃に加熱保持(保持時間3Hr)したのち水
冷する熱処理を施した。No.11(JIS SCS13相当)
に対しては、この合金に行なわれる通常の固溶化
処理(但し、1100℃×3Hr・水冷)を行なつた。 各試験片について、450℃高温引張試験による
高温強度の測定、並びに耐SCC性の評価を行なつ
た。結果を第2表に示す。 ただし、耐SCC性評価は粒界腐食試験にて行な
つた(耐SCC性は、ほぼ耐粒界腐食性に対応し、
その良否で評価することができる)。なお、その
粒界腐食試験は、予め試験片を650℃に2時間加
熱保持後、徐冷する鋭敏化処理に付したのち、
ASTM A262E法の規定に準拠して行なつた。表
中、「〇」はその曲げ試験で異常がなかつたこと、
「×」はクラツクが発生したことを表わす。 更に、供試材No.1〜4およびNo.11(SCS13相当)
について、熱処理温度が靭性に及ぼす影響を第3
表に示す。いづれも、熱処理の加熱保持時間は
3Hrで、加熱後ろ急冷は水冷によつた。表中の数
値は、400℃に1000時間加熱保持する時効を与え
たのち、温度0℃で測定された衝撃値(Kg m/
cm2)である(試片:2mmVノツチ付き)。
【表】
【表】 前記第2表に示されるように、本発明例では、
耐SCC性に何ら問題はなく、かつ高温強度にもす
ぐれている。これに対し、比較材No.11〜16は、高
温強度と耐SCC性の両者を共に満たすことができ
ない。すなわち、No.11(SCS13相当)は、高温強
度が低く、またフエライト量が少いため耐SCC性
も良くない。No.12は、Cr量、フエライト量が低
いため、高温強度、耐SCC性のいづれにも問題が
ある。No.13は、C量が比較的高いので強度は良好
であるが、耐SCC性が悪い。No.14は、Ni量は本
発明規定の上限を大きくこえないが、Cr量が多
すぎるため、フエライト量が過剰となつて、強度
は高いものの、耐SCC性が悪い。また、別途行な
つた試験によれば靭性にも劣る。No.15は、Ni量
が下限値に満たないため、フエライト量が過剰と
なり、耐SCC性が悪く、また靭性も良くない。No.
16は、Ni量が上限値をこえるにもかかわらず耐
SCC性はよい。しかし、高温強度が低く、本発明
によるものに及ばない。 更に、上記第3表から明らかなように、本発明
の処理対象合金は所定の熱処理をうけることによ
り良好な靭性を具備する。すなわち、本発明合金
は、1100℃程度の温度に加熱保持する従来一般の
固溶化処理を適用したのでは、靭性の改善を期待
することはできず、本発明の規定により1130〜
1250℃の高温での熱処理を経てはじめて高度の靭
性が得られることがわかる。しかも、高温高圧下
で長時間使用されても、なお十分な靭性が保た
れ、工業材料として極めてすぐれている。 なお、本発明合金は、前記のごとく溶接性をも
考慮して化学成分組成を定めたものであるから、
溶接性も問題はなく、別途行なつた溶接性試験に
おいて従来材と同等もしくはそれ以上の好結果を
確認することができた。 以上のように本発明により得られる高温用ステ
ンレス鋼は、高温強度、耐SCC性、並びに溶接性
のいづれにもすぐれ、かつ高温長時間使用後にも
十分な靭性を失なわないので、重油脱硫装置用配
管材料をはじめ、高温・高圧下で用いられ、かつ
耐SCC性が要求される各種装置用材料として極め
て好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は合金の金属組織を示す図面代
用写真(倍率:200)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 C0.20%以下、Si3.0%以下、Mn3.0%以下、
    Cr20%をこえ、30%以下、Ni6〜12%、残部Feお
    よび不可避の不純物からなり、5〜30%(面積
    率)のフエライトとオーステナイトの2相組織を
    有する二相ステンレス鋼を温度1130〜1250℃で加
    熱保持後、急冷することを特徴とする高温用二相
    ステンレス鋼の熱処理方法。
JP16372081A 1981-10-14 1981-10-14 高温用二相ステンレス鋼の熱処理方法 Granted JPS5864356A (ja)

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JP16372081A JPS5864356A (ja) 1981-10-14 1981-10-14 高温用二相ステンレス鋼の熱処理方法

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JP2668113B2 (ja) * 1986-08-04 1997-10-27 日新製鋼株式会社 加工性に優れた高強度非磁性ステンレス鋼材料の製造方法
KR100381521B1 (ko) * 1998-12-29 2003-07-16 주식회사 포스코 대입열량용접이가능한이상스테인레스강

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