JPH08325498A - 記録液 - Google Patents

記録液

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JPH08325498A
JPH08325498A JP13625995A JP13625995A JPH08325498A JP H08325498 A JPH08325498 A JP H08325498A JP 13625995 A JP13625995 A JP 13625995A JP 13625995 A JP13625995 A JP 13625995A JP H08325498 A JPH08325498 A JP H08325498A
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雅弘 藤井
Yasuharu Iida
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクジェットインキとしての優れた物性を有
し、特に耐水性、耐光性、解像度に優れ、ノズルでの目
詰まりのしない水系顔料タイプ記録液の提供。 【構成】アニオン性基含有モノマー1〜10重量%、非イ
オン性水溶性モノマー 0.5〜5重量%および他のモノマ
ー85〜98.5重量%を含む重合性モノマー 100重量部を、
アニオン性界面活性剤 0.1〜10重量部およびコロイダル
シリカ固形分で 0.1〜5重量部の存在下、乳化重合して
得られる水分散型樹脂組成物(A)および顔料(B)を
含むことを特徴とする記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録液に関する。さら
に詳しくは、安定性、印字特性に優れたインクジェット
印刷用水系顔料タイプ記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水系インクジェットインキとして
は、各種の水溶性染料を水性媒体中に溶解させ、必要に
応じて各種添加剤を添加したものが用いられている。イ
ンクジェットインキに要求される項目としては、特に下
記のものが重要である。 (1)にじみがなく高品位な記録画像が得られること。 (2)インキの乾燥、定着速度が速いこと。 (3)ノズルやインキ流通経路で目詰まりせず、安定して
インキが吐出すること。 (4)インキの保存安定性がよいこと。 (5)記録濃度が高いこと。 (6)印刷物の耐候性、耐水性がよいこと。
【0003】具体的には、従来、特開昭53-61412号公
報、特開昭54-89811号公報、特開昭55-65269号公報等に
開示されるように、酸性染料、直接染料、塩基性染料等
の水溶性染料を水性溶剤に溶解したインキがよく用いら
れていた。しかし、水溶性染料としては、記録液の安定
性を得るために、水に対する溶解性の高いものが用いら
れており、インクジェット記録物の耐水性が悪いという
問題点があった。これに対し、耐水性を改良するため、
特開昭56-57862号公報に開示されるように、染料の構造
を変えたり塩基性の強い記録液を調製することが試みら
れている。また、特開昭50-49004号公報、特開昭57-366
92号公報、特開昭59-20696号公報、特開昭 59-146889号
公報に開示されるように、記録紙と記録液との反応を利
用して記録物の耐水性の向上を図る試みがなされてい
る。
【0004】これらの方法は、ある種の記録紙について
は効果を上げているが、インクジェット方式においては
種々の記録紙を用いるため、全ての記録紙について充分
な耐水性は得られず、にじみ、インキ乾燥性に関しても
満足するものではなかった。にじみや耐水性を改良する
目的で、インキにポリマーエマルジョンを添加する試み
がなされている。例えば、特開昭54-58504号公報および
特開昭 54-146109号公報には油性染料をポリマーエマル
ジョンに膨潤、含浸させたもの、特開昭55-18412号公報
にはポリマーエマルジョンを含有させるもの、特開昭 6
2-184072号公報には架橋エマルジョンに染料を反応させ
るもの、特開平3-6270号公報には架橋エマルジョンを含
有させるもの、特開平3-160068号公報にはMFT40℃以
上のエマルジョンを含有させるもの、特開平3-250069号
公報には染料により染色されたエマルジョンを用いるも
のが開示されている。
【0005】しかしながら、これらのインキは、基本的
には染料を用いているため、耐水性、耐光性においてあ
る程度の効果はあげているものの、満足するものではな
かった。また、一般にポリマーエマルジョンは、インク
ジェット印刷機のインキ経路、ノズル部分で目詰まりし
やすいという問題があった。以上のことから、耐水性、
耐光性に優れた着色成分として、顔料を用いたインキが
有望視され種々検討されているが、顔料は単独では記録
紙やOHPシートへの定着性が無く、バインダー樹脂を
用いる必要があった。しかし、目詰まりがなく、耐水
性、耐光性が良好で、印字物に高解像度を与えるポリマ
ーエマルジョンはなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェットインキとしての優れた物性を有し、特に耐水
性、耐光性、解像度に優れ、ノズルでの目詰まりのしな
い水系顔料タイプ記録液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ニオン性基含有モノマー1〜10重量%、非イオン性水溶
性モノマー 0.5〜5重量%および他のモノマー85〜98.5
重量%を含む重合性モノマー 100重量部を、アニオン性
界面活性剤 0.1〜10重量部およびコロイダルシリカ固形
分で 0.1〜5重量部の存在下、乳化重合して得られる水
分散型樹脂組成物(A)および顔料(B)を含むことを
特徴とする記録液を提供する。
【0008】アニオン性基含有モノマーとは、エチレン
性不飽和二重結合と、アニオン性基、例えばカルボキシ
ル基、スルホン酸基とを合わせ持つ化合物であり、具体
的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、3−スルホプロピルアクリレート等
が挙げられる。アニオン性基含有モノマーは、重合性モ
ノマー中に1〜10重量%含まれる。1重量%を下回って
も、10重量%を上回っても共に得られる水分散型樹脂組
成物(A)の安定性を損ない、記録液のヘッド部分での
目詰まりにつながる恐れがある。
【0009】非イオン性水溶性モノマーとしては、例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマ
ー、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、ジN−メチロール(メタ)アクリルア
ミド等のアクリルアミドや、その誘導体、ポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。非イ
オン性水溶性モノマーは、重合性モノマー中に 0.5〜5
重量%含まれる。 0.5重量%を下回っても、5重量%を
上回っても共に得られる水分散型樹脂組成物(A)の安
定性を損ない、記録液のヘッド部分での目詰まりにつな
がる恐れがある。
【0010】他のモノマーとしては、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル、スチレン、メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等
が挙げられる。また、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アクロレイン等の反応性モノマー、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
等の多官能モノマーが挙げられる。
【0011】アニオン性界面活性剤としては、例えば、
ラウリル硫酸ナトリウム(花王社製「エマールO」、
「エマール10」等)、高級アルコール硫酸ナトリウム
(花王社製「エマール40」等)、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム(花王社製「ネオペレックスNo.6」、
「ネオペレックスF-65」等)、アルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム(花王社製「ペレックスNB-L」等)、
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王社製「ペレ
ックスOT-P」、「ペレックスCS」等)、アルキルジフェ
ニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム(花王社製「ペ
レックスSS-L」等)、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸ナトリウム(花王社製「エマール20C 」、「レ
ベノールWX」等)、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマ
リン縮合物のナトリウム塩(花王社製「デモールRN」
等)が挙げられる。
【0012】コロイダルシリカとしては、水分散タイプ
のものを用いることが好ましい。乾燥した固形のコロイ
ダルシリカは、水に再分散し安定に存在させることが困
難であり、使用に適さない。水分散タイプのコロイダル
シリカとしては、例えば、デュポン社製「ルドックスA
M」、日産化学社製「スノーテックスO」、「スノーテ
ックスN」、「スノーテックスC」、「スノーテックス
20」等が挙げられる。なかでも、コロイダルシリカの粒
径が 0.4μm以下、さらには 0.1μm以下のものが好ま
しい。粒径が大きいと、ノズルでの目詰まりを起こす恐
れがある。
【0013】水分散型樹脂組成物(A)は、水系媒体中
で上記重合性モノマー 100重量部、アニオン性界面活性
剤 0.1〜10重量部、コロイダルシリカ固形分で 0.1〜5
重量部および必要に応じて非イオン性界面活性剤、消泡
剤等を乳化、懸濁させた後、水溶性の熱重合開始剤を加
熱下、添加して熱重合することにより得られる。アニオ
ン性界面活性剤の使用量が 0.1重量部より少ないと、得
られる水分散型樹脂組成物(A)の安定性が悪くなるた
め、記録液の保存安定性が悪く、ヘッドの目詰まりを起
こす恐れがある。また、10重量部を超えると、得られる
記録液の表面張力が著しく低下し、ノズルから吐出する
記録液滴がミストになり、解像度の低下、ヘッド汚れを
引き起こす。
【0014】コロイダルシリカの使用量が固形分で 0.1
重量部より少ないと、記録物の解像度が悪くなる。ま
た、5重量部を越えると、得られる水分散型樹脂組成物
(A)の安定性を欠くため、記録液の保存安定性が悪く
なったり、目詰まりをおこす恐れがある。水分散型樹脂
組成物(A)の粒子形状および粒径は、重合操作や活性
剤等により種々変えることができるが、通常、数十nm
〜数μmの粒径のものが得られる。粒径は、記録液のノ
ズルでの目詰まりを無くすためには 0.4μm以下、さら
には 0.2μm以下が好ましい。
【0015】水分散型樹脂組成物(A)は、記録液中に
固形分で 0.2〜10重量%、より好ましくは 0.5〜5重量
%配合することが好適である。 0.2重量部未満である
と、顔料の、紙やOHPシートへの定着性が悪くなり、
10重量%を超えると、記録液の保存安定性が悪くなり、
ヘッドの目詰まりも起こすようになる。
【0016】顔料(B)としては、印刷インキ、塗料等
に使用される種々の顔料が使用できる。このような顔料
としては、C.I.黄色顔料20、24、86、93、10
9、110、117、125、137、138、14
7、148、153、154、166、168、C.I.オ
レンジ顔料36、43、51、55、59、61、C.I.
赤色顔料9、97、122、123、149、168、
177、180、192、215、216、217、2
20、223、224、226、227、228、24
0、C.I.バイオレット顔料19、23、29、30、3
7、40、50、C.I.青色顔料15、15:1、15:
4、15:6、22、60、64、C.I.緑色顔料7、3
6、C.I.ブラウン顔料23、25、26、C.I.黒色顔料
7およびチタンブラック等が例示できる(カラーインデ
ックス(C.I.)ナンバーで示す)。
【0017】顔料は、顔料生成後の水性スラリーの状態
で用いてもよく、また、このスラリーをスプレードライ
等の乾燥により粉末化したものでもよい。しかしなが
ら、記録液の製造にあたっては、顔料の粒子径が小さい
ほうが記録液としての飛翔安定性が良好なため、粒子径
を微細化したものが好ましい。あるいは、分散の工程で
微細化できる顔料を選択することが好ましい。好ましい
顔料の粒子径は、遠心沈降法による平均粒径において
0.2μ以下、さらに好ましくは0.1μ以下である。このよ
うな粒径であると、記録液の製造においての濾過操作が
容易であり、記録液の経時での沈降も少なくなる。ま
た、顔料の表面に官能基を付加させた表面処理顔料を用
いても良い。
【0018】水分散型樹脂組成物(A)および顔料
(B)は、水に分散させて記録液とするが、記録液を調
製する際、必要に応じて染料、水性溶剤、浸透剤、防黴
剤、キレート剤、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤等を
添加することができる。
【0019】染料は、色相の調整、濃度の付与等を目的
として、耐水性、耐光性に問題の無いような形で用いら
れる。ただし、染料の使用によって顔料の分散の安定性
を悪くすることもあるので、その使用量は、顔料の40重
量%以下、好ましくは25重量%以下に止める必要があ
る。染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、
反応性染料、分散染料、含金属染料等が用いられる。染
料は、無機塩の除去された精製染料が好ましい。
【0020】染料としては、C.I.ダイレクトブラック1
7、19、32、51、71、108、146、15
4、166、C.I.アシッドブラック2、7、24、2
6、31、52、63、112、118、C.I.ベーシッ
クブラック2、C.I.ダイレクトブルー6、22、25、
71、90、106、C.I.アシッドブルー9、22、4
0、59、93、102、104、113、117、1
20、167、229、234、C.I.ベーシックブルー
1、3、5、7、9、24、25、26、28、29、
C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83、C.I.
アシッドレッド1、6、32、37、51、52、8
0、85、87、92、94、115、180、25
6、315、317、C.I.ベーシックレッド1、2、
9、12、13、14、37、C.I.ダイレクトエロー1
2、24、26、98、C.I.アシッドエロー11、1
7、23、25、29、42、61、71、C.I.ベーシ
ックエロー11、28、C.I.ダイレクトオレンジ34、
39、44、46、60、C.I.ダイレクトバイオレット
47、48、C.I.ダイレクトブラウン109、C.I.ダイ
レクトグリーン59、C.I.アシッドオレンジ7、19、
C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベーシックバイオ
レット7、14、27等を例示できる。
【0021】水性溶剤は、記録液のノズル部分での乾
燥、記録液の固化を防止し、安定な記録液の噴射および
ノズルの経時での乾燥を防止するものである。このよう
な水性溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ケトン
アルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、1,2-ヘキサンジオー
ル、N-メチル -2-ピロリドン、置換ピロリドン、2,4,6-
ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4-
メトキシ-4メチルペンタノン等を例示できる。また、記
録液の紙での乾燥を速めることを目的として、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類も用いることができる。水性溶剤は、単独ないし混
合して、記録液の2〜50重量%の範囲で用いる。記録液
の媒体である水としては、金属イオン等を除去したイオ
ン交換水ないし蒸留水を用いる。
【0022】記録液の被印刷体が紙のような浸透性のあ
る材料のときには、紙への記録液の浸透をはやめ見掛け
の乾燥性を早くするため、浸透剤を加えることができ
る。このような浸透剤としては、水性溶剤として例示し
たジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコ
ールエーテル、アルキレングリコール、ポリエチレング
リコールモノラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン
酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等
を用いることができる。これらは、記録液の5重量%以
下の使用量で十分な効果があり、これよりも多いと印字
の滲み,紙抜け(プリントスルー)を起こし好ましくな
くなる。
【0023】防黴剤は、記録液への黴の発生を防止する
ものであり、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリ
ウム、ソジウムピリジンチオン -1-オキサイド、ジンク
ピリジンチオン -1-オキサイド、1,2-ベンズイソチアゾ
リン -3-オン、1-ベンズイソチアゾリン -3-オンのアミ
ン塩等が用いられる。これらは、記録液の0.05〜1.0重
量%程度の範囲で用いる。
【0024】キレート剤は、記録液中の金属イオンを封
鎖し、ノズル部での金属の析出や記録液中で不溶解性物
の析出等を防止するものであり、エチレンジアミンテト
ラアセティックアシド、エチレンジアミンテトラアセテ
ィックアシドのナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ
アセティックアシドのジアンモニウム塩、エチレンジア
ミンテトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩
等が用いられる。これらは、記録液の 0.005〜0.5 重量
%の範囲で用いる。また、記録液のpHを調整し、記録
液の安定ないし記録装置中の記録液配管との安定性を得
るため、アミン、無機塩、アンモニア等のpH調整剤、
リン酸等の緩衝液を用いることができる。また、記録液
の循環、移動、あるいは記録液の製造時の泡の発生を防
止するため、消泡剤を添加することもできる。
【0025】さらに、顔料の分散を良くするため、アニ
オン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤等
の界面活性剤を用いることができる。アニオン性活性剤
としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、
アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセ
ロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレング
リセロール脂肪酸エステル等を例示できる。
【0026】非イオン性活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン
系等の非イオン性活性剤を例示できる。カチオン性活性
剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム
塩等を例示できる。両イオン性活性剤としては、アルキ
ルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジル
コリン等を例示できる。
【0027】その他の添加剤として、尿素、ジメチル尿
素等を加えることもできる。記録液の製造については、
水分散型樹脂組成物(A)と顔料(B)、水、および必
要に応じて水性溶剤等の添加剤を混合し、サンドミル、
ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカー、超
音波分散機等にて分散する。あるいは、水分散型樹脂組
成物(A)と顔料(B)とをニーダー、二本ロールミル
にてあらかじめ良く混練したのち、上記サンドミル等に
てさらに分散し、適宜水にて希釈、他の添加剤を混合し
て記録液を製造する。混合攪拌は、通常の羽を用いた攪
拌機による攪拌のほか、高速の分散機、乳化機等により
行うことができる。
【0028】混合された記録液は、希釈の前あるいは後
に、孔径0.65μ以下、さらに好ましくは孔径0.45μ以下
のフィルターにて十分濾過することが好ましい。フィル
ター濾過に先立って、遠心分離による濾過を行うことも
でき、これによりフィルター濾過における目詰まりを少
なくし、フィルター交換が容易となる。記録液は、記録
装置の方式にもよるが、粘度 0.8〜15cps(25℃)に調整
する。表面張力は、25〜60dyn/cmである。pHは、特に
制約されないが4〜12の範囲であり、7〜9の弱アルカ
リ性が好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明は、実施例に特に限定されるもの
ではない。実施例中、部および%は、それぞれ重量部お
よび重量%をそれぞれ表す。 (製造例1)表1に示す原料を、表1に示す割合で、予
めN2 ガスで飽和された反応釜および滴下槽に仕込ん
だ。重合反応は55〜57℃で開始し、反応釜の温度が59℃
となったとき、滴下を開始した。滴下時間は 100分とし
た。重合は、60〜65℃の温度範囲内で行い、約3時間で
反応は終結した。その後、25%アンモニア水でpH8〜
9に調整し、固形分20%の水分散型樹脂組成物を得た。
得られた水分散型樹脂組成物の平均粒径は、レーザー光
散乱法による測定値で 120nmであった。
【0030】
【表1】 *1 デュポン社製「ルドックスAM」(固形分30%)
【0031】(製造例2〜3および比較製造例1〜5)
表2に示す原料を用い、製造例1と同様にして固形分20
%の水分散型樹脂組成物を得た。重合進行性、得られた
水分散型樹脂組成物中の凝集物の有無および平均粒径を
表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】〔実施例1〕カーボンブラック(三菱化成
社製「MA-7」)15部、アクリル樹脂系顔料分散剤(日本
ポリマー工業社製「F-157 」)1.3部、ポリエチレンオキ
サイド系顔料分散剤(花王社製「エマルゲン420 」)1.5
部、ジエチルエタノールアミン 0.1部、グリセリン3
部、精製水69.1部をサンドミルにて2時間分散し、水系
顔料分散体を得た。得られた水系顔料分散体25部、製造
例1で得られた水分散型樹脂組成物10部、グリセリン10
部、防黴剤(オーリンケミカル社製「ソジウムオマジ
ン」)0.15部、精製水 54.85部をディスパーで撹拌、混
合した後、 0.5μmのニトロセルロース製メンブランフ
ィルターで濾過し、黒色記録液を得た。得られた記録液
をインクジェットプリンター(ヒューレットパッカード
社製「THINKJET」)のカートリッジに入れ、記録を行っ
たところ、ヘッドの目詰まりもなく、良好な印字物が得
られた。また、印字面に水を垂らしてインキの滲みを調
べたところ、滲み、インキの流れだしは無く充分な耐水
性を有していた。さらに、得られた記録液は、室温にお
いて2年間、また、60℃において3カ月の保存後も、印
字特性において何等変化しなかった。
【0034】(実施例2)シアン顔料(東洋インキ製造
社製「リオノールブルーFG7351」)15部、アクリル樹脂
系顔料分散剤(ジョンソンポリマー社製「PDX-6101」)
1.5部、グリセリン5.0部、精製水78.5部をサンドミルに
て2時間分散し、水系顔料分散体を得た。得られた水系
顔料分散体20部、製造例2で得られた水分散型樹脂組成
物10部、グリセリン10部、防黴剤(オーリンケミカル社
製「ソジウムオマジン」)0.15部、精製水 59.85部をデ
ィスパーで撹拌、混合した後、 0.5μmのニトロセルロ
ース製メンブランフィルターで濾過し、青色記録液を得
た。得られた記録液をインクジェットプリンター(セイ
コーエプソン社製「インクジェットプリンター HG-513
0」)のカートリッジに入れ、記録を行ったところ、ヘ
ッドの目詰まりもなく、良好な印字物が得られた。ま
た、印字面に水を垂らしてインキの滲みを調べたとこ
ろ、滲み、インキの流れだしは無く充分な耐水性を有し
ていた。さらに、得られた記録液は、室温において2年
間、また、60℃において3カ月の保存後も、印字特性に
おいて何等変化しなかった。
【0035】(実施例3)エロー顔料(東洋インキ製造
社製「リオノールエロー 22-2845」)15部、アクリル樹
脂系顔料分散剤(ジョンソンポリマー社製「PDX-610
1」)1.5部、ポリエチレンオキサイド系顔料分散剤(花
王社製「エマルゲン920 」)1.5部、グリセリン5.0部、
精製水77.0部をサンドミルにて2時間分散し、水系顔料
分散体を得た。得られた水系顔料分散体20部、製造例3
で得られた水分散型樹脂組成物10部、グリセリン10部、
防黴剤(オーリンケミカル社製「ソジウムオマジン」)
0.15部、精製水 59.85部をディスパーで撹拌、混合した
後、 0.5μmのニトロセルロース製メンブランフィルタ
ーで濾過し、黄色記録液を得た。得られた記録液を用
い、実施例2と同様にして記録を行ったところ、ヘッド
の目詰まりもなく、良好な印字物が得られた。また、印
字面に水を垂らしてインキの滲みを調べたところ、滲
み、インキの流れだしは無く充分な耐水性を有してい
た。さらに、得られた記録液は、室温において2年間、
また、60℃において3カ月の保存後も、印字特性におい
て何等変化しなかった。
【0036】(実施例4)マゼンタ顔料(ヘキスト社製
「ポスタパームピンクE-02」)15部、アクリル樹脂系顔
料分散剤(日本ポリマー工業社製「F-157 」)1.5部、ポ
リエチレンオキサイド系顔料分散剤(花王社製「エマル
ゲン920 」)1.5部、グリセリン 5.0部、精製水77.0部を
サンドミルにて2時間分散し、水系顔料分散体を得た。
得られた水系顔料分散体20部、製造例1で得られた水分
散型樹脂組成物10部、グリセリン10部、防黴剤(オーリ
ンケミカル社製「ソジウムオマジン」)0.15部、精製水
59.85部をディスパーで撹拌、混合した後、 0.5μmの
ニトロセルロース製メンブランフィルターで濾過し、赤
色記録液を得た。得られた記録液を用い、実施例2と同
様にして記録を行ったところ、ヘッドの目詰まりもな
く、良好な印字物が得られた。また、印字面に水を垂ら
してインキの滲みを調べたところ、滲み、インキの流れ
だしは無く充分な耐水性を有していた。さらに、得られ
た記録液は、室温において2年間、また、60℃において
3カ月の保存後も、印字特性において何等変化しなかっ
た。
【0037】(比較例1)実施例1と同様にして得られ
た水系顔料分散体25部、比較製造例1で得られた水分散
型樹脂組成物10部、グリセリン10部、防黴剤(オーリン
ケミカル社製「ソジウムオマジン」)0.15部、精製水 5
4.85部をディスパーで撹拌、混合した後、0.5μmのニ
トロセルロース製メンブランフィルターにより濾過を試
みたが、メンブランフィルターに樹脂が詰まって濾過で
きなかった。
【0038】(比較例2)製造例3で得られた水分散型
樹脂組成物を比較製造例4で得られた水分散型樹脂組成
物に代えた以外は、実施例3と同様にして黄色記録液を
得た。得られた記録液を用い、実施例2と同様にして記
録を行ったところ、10分間の連続印刷を行ったところ
で、48点あるノズルのうち30点が詰まってしまった。ま
た、ヘッドを開放して1時間の後印字を行ったところ、
ノズル部分が乾燥して、印字できなかった。
【0039】(比較例3)製造例1で得られた水分散型
樹脂組成物を比較製造例5で得られた水分散型樹脂組成
物に代えた以外は、実施例4と同様にして赤色記録液を
得た。得られた記録液を用い、実施例2と同様にして記
録を行ったところ、ヘッドを開放して1時間後に、ノズ
ル部分に樹脂が付着し、記録できなかった。また、60℃
において1カ月の保存後に、記録液に沈殿物を生じた。
【0040】
【発明の効果】本発明の記録液は、水性でありながら耐
水性が著しく良好であるのでインクジェット用記録液と
して好適に用いられ、オフィスにおける書類の作成をは
じめ、郵便物の宛名書き、ダンボールのマーキング、ナ
ンバリング、バーコード等の分野にて利用することがで
きる。また、染料タイプの記録液に較べ耐光性も良好で
あり、記録物の保存性の優位なカラー画像を形成するこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 飯田 保春 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン性基含有モノマー1〜10重量%、
    非イオン性水溶性モノマー 0.5〜5重量%および他のモ
    ノマー85〜98.5重量%を含む重合性モノマー 100重量部
    を、アニオン性界面活性剤 0.1〜10重量部およびコロイ
    ダルシリカ固形分で 0.1〜5重量部の存在下、乳化重合
    して得られる水分散型樹脂組成物(A)および顔料
    (B)を含むことを特徴とする記録液。
  2. 【請求項2】アニオン性基含有モノマーのアニオン性基
    が、カルボキシル基またはスルホン酸基である請求項1
    記載の記録液。
  3. 【請求項3】非イオン性水溶性モノマーが、水酸基含有
    モノマーである請求項1または2記載の記録液
  4. 【請求項4】非イオン性水溶性モノマーが、アクリルア
    ミド、メタクリルアミド、N−置換メチロール基含有ア
    クリルアミド誘導体、N−置換メチロール基含有メタク
    リルアミド誘導体から選ばれる1種または2種以上の混
    合物である請求項1または2記載の記録液。
  5. 【請求項5】非イオン性水溶性モノマーが、(メタ)ア
    クリレート末端ポリエチレングリコールである請求項1
    または2記載の記録液。
  6. 【請求項6】コロイダルシリカが、粒径 0.4μm以下の
    水分散体である請求項1ないし5いずれか記載の記録
    液。
  7. 【請求項7】水分散型樹脂組成物(A)を固形分で 0.2
    〜10重量%含むことを特徴とする請求項1ないし6いず
    れか記載の記録液。
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