JPH08325427A - 成形物 - Google Patents

成形物

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JPH08325427A
JPH08325427A JP15516195A JP15516195A JPH08325427A JP H08325427 A JPH08325427 A JP H08325427A JP 15516195 A JP15516195 A JP 15516195A JP 15516195 A JP15516195 A JP 15516195A JP H08325427 A JPH08325427 A JP H08325427A
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JP
Japan
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pva
molded product
acetic acid
weight
alkali metal
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JP15516195A
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English (en)
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Masahiro Saito
昌宏 斎藤
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形物製造の原液となる水溶液の保存安定性
が向上し、かつ機械的強度に優れると共に、他の疎水性
樹脂と併用した場合にも、他の疎水性樹脂の機械的強度
を低下させることなく、成形加工性にも優れた成形物を
提供すること。 【構成】 アルカリ金属の酢酸塩を2重量%以下、酢酸
を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩/酢
酸の重量比が0.01〜100であるアセト酢酸エステ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有してなる成
形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセト酢酸エステル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVA
と略記する)を含有する成形物に関し、更に詳しくは、
成形用水溶液の保存安定性に優れ、機械的強度にも優れ
た成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリビニルアルコール系樹脂
(以下、PVAと略記する)は、繊維、フィルム、シー
ト、パイプ、チューブ、防滴皮膜、暫定皮膜、ケミカル
レース用水溶性繊維等の成形物用途に幅広く利用されて
いるが、該PVAは水溶性であるため、該成形物の耐水
性や機械的強度等の物性を低下させるという欠点も有し
ており、該欠点を解消すべくPVAの変性が試みられて
おり、その一つとしてPVAをアセト酢酸エステル化し
たAA化PVAが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
AA化PVAは、成形物の物性の改善効果は認められる
ものの、その成形に用いられるAA化PVAの水溶液の
保存安定性には余り考慮されておらず、該水溶液の安定
性の悪化が成形された成形物の物性低下につながる恐れ
があるので、成形物の機械的強度を低下させないため、
ドープ液の保存安定性の向上したAA化PVAが望まれ
ているのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明者は、驚くべきことにアルカ
リ金属の酢酸塩を2重量%以下、酢酸を5重量%以下含
有し、かつアルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.
01〜100であるAA化PVAの水溶液の保存安定性
に優れ、該水溶液を用いて得られた成形物は、従来のA
A化PVAの成形物に比べて機械的強度の低下も認めら
れず、更には従来のAA化PVAに用いられている架橋
剤を併用すると耐水性等の成形物の物性が一段と向上す
る上、架橋剤を含む水溶液の粘度変化が実用上トラブル
を起こすようなこともなく保存安定性が良好であること
を見いだし本発明に至った。以下、本発明について詳述
する。
【0005】本発明におけるAA化PVAの製造方法は
特に限定されるものではなく、任意の方法で製造される
が、好ましくはPVAとジケテンとを反応して得られ
る。例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させておき、これ
にジケテンを添加する方法、PVAをジメチルホルムア
ミド、またはジオキサンなどの溶媒にあらかじめ溶解し
ておき、これにジケテンを添加する方法である。また、
酢酸等を吸収させたPVAにジケテンガスまたは液状ジ
ケテンを直接接触させてAA化PVAを得る方法も採り
得る。
【0006】AA化PVAを得る際に用いられるPVA
は特に限定されないが、残存酢酸基0.1〜30モル
%、平均重合度50〜6000(より好ましくは300
〜3000)、平均ケン化度70〜99.9モル%の範
囲が好ましい。また、AA化PVAのAA化度(アセト
酢酸エステル基含有量)は0.1〜30モル%、より好
ましくは0.2〜20モル%の範囲である。AA化度が
0.1モル%未満のAA化PVAでは成形物の耐水性や
機械的強度の向上が期待できず、逆にAA化度が30モ
ル%を越えたAA化PVAでは水溶性を有しなくなり好
ましくない。
【0007】本発明では、上記の如き従来のAA化PV
Aにアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)の酢酸塩
を2重量%以下(好ましくは0.01〜0.3重量
%)、酢酸を5重量%以下(好ましくは0.001〜3
重量部)含有させて、かつ該アルカリ金属の酢酸塩と酢
酸の重量比(アルカリ金属の酢酸塩/酢酸)を0.01
〜100(好ましくは0.01〜10)の範囲にコント
ロールされたAA化PVAを用いることを最大の特徴と
するもので、アルカリ金属の酢酸塩が2重量%を越える
と、成形物に用いる水溶液の安定性が得られず、酢酸が
5重量%を越えると、成形物に酢酸臭が発生して好まし
くない。また、アルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が
0.01より小さいときは、成形物に用いる水溶液の安
定性が得られず、逆に該重量比が100を越えると、成
形物の耐水性や機械的強度の向上が期待できず好ましく
ない。なお、上記のアルカリ金属の酢酸塩の定量は、A
A化PVAを灰化した後、灰分を塩酸水溶液に加温下に
溶解した溶液について原子吸光法による。また、酢酸の
定量法としては、試料を水溶液として、ガスクロマトグ
ラフィー/質量分析法(GC/MS法)によって求め
る。
【0008】本発明では、用いられるAA化PVA中に
含有されるアルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の量が上記の
如くコントロールされていればよく、そのコントロール
の方法は任意である。例えば、原末のPVAを製造する
時のケン化時のアルカリ触媒の量を調節したり、PVA
製造後アルカリ金属の酢酸塩を追加したり、除去したり
いずれも任意である。酢酸量もPVA製造後に酢酸を添
加したり、又多量に酢酸が含まれるPVAを洗浄、乾燥
したりしても良い。又原末処理にとどまらず、AA化P
VAの製造中又は製造後で、アルカリ金属の酢酸塩を添
加したり、除去したり、酢酸を除去したり添加して、コ
ントロールを行っても良い。工業的にはAA化PVA製
造後、アルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の除去を行う方法
が実用的で、該アルカリ金属の酢酸塩を取り除くには、
具体的にはアルコール洗浄が採用され、該アルコールと
してはメタノール、エタノール、n−プロパノール,イ
ソプロパノール等が挙げられるが、好ましくはメタノー
ルが用いられる。このアルコール洗浄は、通常PVAの
1〜15倍重量のアルコールを使用し、5〜60℃で
0.5〜2時間の条件で1〜3回程度洗浄される。
【0009】また、酢酸を取り除くには、減圧留去、メ
タノール洗浄、乾燥処理、濾過、遠心分離等の方法でA
A化PVAを処理する方法が挙げられ、これらの処理は
同時又は別々のいずれでも良いが、好ましくは、乾燥処
理が採用される。該乾燥処理の条件は装置により異なり
一概に言えないが、30〜80℃で10時間程度行えば
良く、好ましくは、40〜70℃で6時間程度行う。
【0010】本発明においては、かかるAA化PVAの
4重量%水溶液のpHを3〜6.5、好ましくは4〜5
に調整することにより、更に水溶液の安定性が向上し
て、良好な成形物を得ることが可能となる。該pHを調
節する方法としては、特に限定されず、例えば、原末の
PVAを製造する時のケン化時のアルカリ触媒の量を調
節したり、PVA製造後酢酸を追加したり、除去したり
いずれも任意である。また必要に応じ塩酸、硫酸、リン
酸等の鉱酸又は、プロピオン酸、マレイン酸等の有機酸
又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、第一アミン、第二アミン、第三アミン、第四級
アンモニウム塩等の添加によりpHの調整を行っても良
い。
【0011】又原末処理にとどまらず、AA化PVAの
製造中又は製造後で、上記のようなpH調整を行っても
良く、工業的にはAA化PVA製造後、酢酸の除去を行
う方法が実用的である。次に得られたAA化PVAを用
いた成形物の製造法について説明する。
【0012】該AA化PVAを成形する方法としては、
公知のPVAの成形方法を採用することができる。例え
ば、流延法、キャスト法等の方法が採用でき、これらの
成形方法を行うとき該AA化PVAは、1〜50重量%
の水溶液として成形に供され、フィルム、シート、繊維
等の成形物が得られるのである。
【0013】また、本発明では、該AA化PVAに架橋
剤を配合して耐水性や機械的強度の更なる向上を目指す
ことも可能で、該架橋剤としては、ホルムアルデヒド,
アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ブチルアル
デヒド等のモノアルデヒド、グリオキザール,グルタン
ジアルデヒド,マロンジアルデヒド,スクシンジアルデ
ヒド,マレインジアルデヒド,フタルジアルデヒド等の
ジアルデヒドなどのアルデヒド系化合物、メラミン,ア
セトグアナミン,ベンゾグアナミン,尿素,アルキル化
メチロール尿素,アルキル化メチロールメラミン,アセ
トグアナミンやベンゾグアナミンとホルムアルデヒドと
の縮合物などのアミン系化合物、トリレンジイソシアネ
ート,水素化トリレンジイソシアネート,トリメチロー
ルプロパン−トリレンジイソシアネートの付加物,トリ
フェニルメタントリイソシアネート,メチレンビス−4
−フェニルメタントリイソシアネート,メチレンビスイ
ソホロンジイソシアネート,メチレンビス−4−フェニ
ルメタントリイソシアネートやメチレンビスイソホロン
ジイソシアネートのケトオキシムブロック物などのイソ
シアネート系化合物、エチレングリコール,ヘキサメチ
レングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレン
グリコール,グリセリン,ジグリセリン,トリメチロー
ルプロパン,ペンタエリスリトール,キシリット,アラ
ビット,アドニット,マドニット,マンニット,ソルビ
ット,ダルシットなどの多価アルコール、フタル酸,フ
マル酸,マレイン酸などの多塩基酸、酢酸アルミニウ
ム,酢酸銅,塩化アルミニウム,塩化銅,塩化鉛,塩化
コバルト,塩化鉄(III),硫酸アルミニウム,硫酸鉄
(III)などの多価金属イオン、フェノール系樹脂初期
縮合物、ポリエポキシ系化合物、ベントナイトなどが挙
げられる。
【0014】該架橋剤の配合量は、その目的、種類によ
って多少変動するが、通常はAA化PVA100重量部
に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜3
0重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部の範囲で
ある。該架橋剤を配合した成形物用配合物は、各種の用
途においてその成形時にAA化PVAと該架橋剤を混合
するのが普通であるが、用途によっては一旦AA化PV
Aのみを塗被したり或いは成形した後、該架橋剤で後処
理をしても差し支えない。
【0015】更に、本発明のAA化PVAは、他の樹脂
と併用して成形に供することもでき、流延法等のときは
澱粉粒、セルロース粒、アクリル系樹脂等の水と相溶或
いは溶解したりする樹脂が用いられる。また、AA化P
VAの帯電防止性や親水性付与等の効果を期待して、本
発明のAA化PVAをポリアミド系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂等の疎水性樹脂と併用して成形物
とすることができる。
【0016】該AA化PVAと該疎水性樹脂の配合割合
は、該疎水性樹脂の種類により一概に言えないが、通常
は該AA化PVA100重量部に対して該疎水性樹脂が
50〜100000重量部の範囲から選択される。該A
A化PVAと疎水性樹脂とのブレンドに当たっては、そ
れぞれの所定量をドライブレンドする方法や溶融ブレン
ドする方法が可能である。上記の如き疎水(熱可塑)性
樹脂を併用するときは、溶融成形が可能で、溶融成形法
としては、射出成形法、押出成形法、トランスファー成
形法等が挙げられる。尚、上記の押出成形法にはブロー
成形、インフレーション成形、共押出成形、押出コーテ
ィング等も含まれる。
【0017】射出条件としては、例えばシリンダー温度
150〜250℃、金型温度10〜100℃、射出圧力
500〜2000kg/cm2程度の範囲から好適に条
件設定され、又押出条件としては、例えばダイ温度を1
50〜250℃程度に設定して、スクリュー圧縮部温度
を吐出部温度より5〜30℃程度高い温度に設定して行
うことが好ましい。
【0018】
【作 用】本発明の成形物は、特定のAA化PVAを主
成分としているため、成形物製造用の水溶液(ドープ
液)は保存安定性に優れ、該水溶液を用いて得られた成
形物は、従来のAA化PVAの成形物に比べて機械的強
度の低下も認められず、成形加工性にも優れており、繊
維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防滴膜、暫
定皮膜、ケミカルレース用水溶性繊維等の成形物や更に
は疎水性樹脂の帯電防止剤及び親水性付与剤、複合繊
維、フィルムその他成形物用添加剤としても大変有用で
ある。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断り
のない限り重量基準を意味する。 (AA化PVAの製造)下記の方法によって、AA化P
VA(PVA−I〜VIII)を製造した。 [PVA−I]酢酸ナトリウムを0.3%含有するPV
A粉末(ケン化度99.4モル%、重合度1200、平
均粒径100メッシュ)をニーダーに100部仕込み、
これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20rpm
で撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン25部と酢
酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分間反
応させた。反応終了後の反応分散液をメタノール500
部のメタノールで洗浄した後70℃で、6時間乾燥し、
酢酸ナトリウム0.05%、酢酸0.1%を含有する
(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.5)AA化度
6.0モル%のAA化PVAを得た。また、かかるAA
化PVAの4%水溶液のpHは4.5であった。
【0020】[PVA−II]酢酸ナトリウムを0.3%
含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、重合度13
00、平均粒径200メッシュ)をニーダーに100部
仕込み、回転数60rpmで撹拌しながら、液状ジケテ
ン15部を室温で30分間にわたって噴霧添加した後、
60℃に昇温して3時間反応させた。反応後、50部の
メタノールで3回洗浄してから、酢酸ナトリウムを0.
05部添加した後、60℃で、8時間乾燥し、酢酸ナト
リウムを0.05%、酢酸0.01%を含有する(酢酸
ナトリウム/酢酸の重量比=5)AA化度3.3モル%
のAA化PVA組成物を得た。また、かかるAA化PV
Aの4%水溶液のpHは4.8であった。
【0021】[PVA−III]酢酸ナトリウムを0.3
%含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、重合度1
300、平均粒径100メッシュ)をニーダーに100
部仕込み、回転数 20rpmで撹拌しながら、1時間
にわたって90℃に昇温しながら、蒸発器で発生させた
ジケテンガス8部を反応器内に流入させた。90℃に昇
温後、さらに30分間撹拌後、水5部と酢酸10部を噴
霧して混合し、減圧下(100mmHg)60℃で8時
間乾燥させ、酢酸ナトリウムを0.1%、酢酸2%を含
有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.05)A
A化度3.1モル%のAA化PVAを得た。また、かか
るAA化PVAの4%水溶液のpHは3.5であった。
【0022】[PVA−IV]上記のPVA−Iの製造に
おいて、メタノール500部での洗浄をさらに1回追加
し、乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃で6時
間に変更した他は同様に製造し、酢酸ナトリウムを0.
0075%、酢酸0.001%を含有する(酢酸ナトリ
ウム/酢酸の重量比=7.5)AA化度3.1モル%の
AA化PVAを得た。また、かかるAA化PVAの4%
水溶液のpHは5.8であった。
【0023】[PVA−V]上記のPVA−Iの製造にお
いて、メタノール量を100部に変更し、乾燥条件を4
0℃で6時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナト
リウム0.2%、酢酸5.3%を含有する(酢酸ナトリ
ウム/酢酸の重量比=0.04)AA化度6.0モル
%、4%水溶液のpHが2.8のAA化PVAを得た。 [PVA−VI]上記のPVA−IのAA化PVAの製造
において、乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃
で6時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナトリウ
ム0.2%、酢酸0.001%を含有する(酢酸ナトリ
ウム/酢酸の重量比=200)AA化度6.0モル%、
4%水溶液のpHが5.8のAA化PVAを得た。
【0024】[PVA−VII]上記のPVA−IのAA化
PVAの製造において、(AA化)反応終了時に酢酸ナ
トリウム1.7部を加えて撹拌し、その後の乾燥条件を
減圧下(100mmHg)70℃で4時間に変更した以
外は同様に行って、酢酸ナトリウム2.2%、酢酸0.
25%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=
8.8)AA化度6.0モル%、4%水溶液のpHが
5.3のAA化PVAを得た。 [PVA−VIII]酢酸ナトリウムを0.1%含有するP
VA粉末(ケン化度99.5%、重合度1200、平均
粒径200メッシュ)をニーダーに100部仕込み、こ
れに酢酸30部、アセト酢酸メチル30部及び硫酸2部
を加え80℃にて撹拌しながら8時間反応し、反応終了
後メタノール50部で洗浄し、60℃、4時間乾燥し、
酢酸ナトリウム0.02%、酢酸4%を含む(酢酸ナト
リウム/酢酸の重量比=0.005)AA化度6.0モ
ル%、4%水溶液のpHが2.5のAA化PVAを得
た。
【0025】実施例1 上記のPVA−Iの10%水溶液を調製後、該水溶液の
保存安定性を調べるために、25℃における粘度(a)
をブルックフィールド型粘度計[ローター(No.1)
の回転数5rpm]で測定後、該水溶液を60℃の恒温
槽に1ケ月放置し、再度該水溶液の粘度(b)を測定し
て、(b)/(a)の粘度比を求めた。更に、粉末での
保存安定性を調べるために上記のPVA−Iの粉末を6
0℃、65%RHの恒温室で3ケ月放置後、該粉末の1
0%水溶液の粘度(c)を上記と同様に測定して、
(c)/(a)の粘度比を求めた。また、上記の放置処
理前及び60℃、1ケ月放置後のそれぞれのPVA−I
の10%水溶液をガラス板上に流して乾燥厚みが100
μmのフィルムを作製し、該フィルムを20mm×5m
mの短冊形に裁断して20℃,65%RH下で(株)島
津製作所製オートグラフS−100型(ロードセル20
kg,引張速度40mm/min)にて、機械的強度
(引張り強度、伸び)を測定した。更に、上記のPVA
−Iの10%水溶液に架橋剤として、グリオキザールを
PVA−I100部に対して5部となるように配合して
上記と同様にフィルムの機械的強度(引張り強度、伸
び)を測定した。
【0026】実施例2〜4、比較例1〜4 表1に示したAA化PVAを用いて実施例1と同様に粘
度比及び機械的強度を測定した。実施例及び比較例の測
定結果を表1及び2に示す。
【0027】
【表1】 AA化PVA (a)の粘度 保存安定性 の種類 (cps) (b)/(a) (c)/(a) の粘度比 の粘度比 実施例1 PVA−I 250 2.0 1.1 〃 2 PVA−II 260 2.5 1.1 〃 3 PVA−III 260 3.0 1.2 〃 4 PVA−IV 260 2.0 1.2 比較例1 PVA−V 250 * ** 〃 2 PVA−VI 250 * ** 〃 3 PVA−VII 250 * ** 〃 4 PVA−VIII 250 * ** *60℃、1ケ月放置後の水溶液がゲル化したため、(b)を測定せず。 **60℃、65%RH、3ケ月放置後の粉末が完全に水に完全溶解しなかった め、(c)を測定せず。
【0028】
【表2】 フィルムの機械的強度(前) フィルムの機械的強度(後) 引張り強度 伸び 引張り強度 伸び (kg/cm2) (%) (kg/cm2) (%) 実施例1 300/660 250/ 80 330/670 240/ 80 〃 2 340/820 215/100 350/830 210/100 〃 3 350/850 205/110 360/860 200/100 〃 4 350/850 205/110 370/860 200/110 比較例1 300/500 250/120 水溶液がゲル化して製膜不能 〃 2 300/680 250/ 80 同 上 〃 3 300/670 250/ 80 同 上 〃 4 310/520 240/100 同 上 註)フィルムの機械的強度(前)は、放置処理前のAA化PVAを用いたフィル ムの機械的強度で、フィルムの機械的強度(後)は、60℃、1ケ月放置後の AA化PVAを用いたフィルムの機械的強度をそれぞれ表す。 また、それぞれの値は、(架橋剤無添加時の測定値)/(架橋剤添加時の測 定値)を表す。
【0029】実施例5〜8 実施例1のPVA−Iを用いて、硬質ポリ塩化ビニル及
びナイロン12に表3に示す如くそれぞれブレンドし、
溶融成形により厚さ100μmのフィルムを作製して、
同様に該フィルムの機械的強度(引張り強度、伸び)及
び成形性を調べた。評価結果を表3に併せて示す。ま
た、硬質ポリ塩化ビニル及びナイロン12それぞれを単
独で用いた場合の機械的強度(引張り強度、伸び)及び
成形性を参考例1及び2として表3に併せて示す。尚、
機械的強度の測定方法は実施例1の方法に準じ、成形性
については、200〜210℃でTダイでの溶融押出に
おいて、厚さ30μmのフィルム成形が可能かどうかを
調べた。
【0030】
【表4】 ブレンド組成物 フィルムの機械的強度 成形性 疎水性樹脂 ブレンド比 引張り強度 伸び (重量比) (kg/cm2) (%) 参考例1 PVC 100/ 0 520 10 成形可能 実施例5 PVC 100/10 500 9 成形可能 〃 6 PVC 100/20 485 8 成形可能 参考例2 NY12 100/ 0 480 210 成形可能 実施例7 NY12 100/10 450 195 成形可能 〃 8 NY12 100/20 435 180 成形可能 注)PVCは硬質ポリ塩化ビニルを、NY12はナイロン12をそれぞれ表し、 ブレンド比は疎水性樹脂/変性PVA系樹脂を示す。
【0031】
【発明の効果】本発明の成形物は、特定のAA化PVA
を主成分としているため、成形物製造用の水溶液は保存
安定性に優れ、該水溶液を用いて得られた成形物は、従
来のAA化PVAの成形物に比べて機械的強度の低下も
認められず、更には従来のAA化PVAに用いられてい
た架橋剤を併用してもその水溶液の粘度変化も少なく保
存安定性が良好で、成形加工性にも優れており、繊維、
フィルム、シート、パイプ、チューブ、防滴膜、暫定皮
膜、ケミカルレース用水溶性繊維等の成形物や更には疎
水性樹脂の帯電防止剤及び親水性付与剤、複合繊維、フ
ィルムその他成形物用添加剤としても大変有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/09 C08K 5/09 5/098 5/098 C08L 29/04 C08L 29/04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属の酢酸塩を2重量%以下、
    酢酸を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩
    /酢酸の重量比が0.01〜100であるアセト酢酸エ
    ステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有してな
    ることを特徴とする成形物。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属の酢酸塩を0.01〜0.
    3重量%、酢酸を0.001〜3重量%含有し、かつア
    ルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.1〜10であ
    るアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹
    脂を含有してなることを特徴とする成形物。
  3. 【請求項3】 更に架橋剤を配合または架橋剤で処理し
    たことを特徴とする請求項1または2記載の成形物。
  4. 【請求項4】 架橋剤がアルデヒド系化合物、アミン系
    化合物、フェノール系樹脂初期縮合物、ポリエポキシ系
    化合物、イソシアネート系化合物、多価アルコール、多
    塩基酸、多価金属イオン、ベントナイトから選ばれる1
    種以上であることを特徴とする請求項3記載の成形物。
  5. 【請求項5】 架橋剤の配合量または処理量がアセト酢
    酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂100重
    量部に対して0.1〜100重量部であることを特徴と
    する請求項3または4記載の成形物。
  6. 【請求項6】 更に疎水性樹脂を配合したことを特徴と
    する請求項1〜5いずれか記載の成形物。
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