JPH08325334A - 不飽和性エチレン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

不飽和性エチレン系共重合体およびその製造方法

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JPH08325334A
JPH08325334A JP7170839A JP17083995A JPH08325334A JP H08325334 A JPH08325334 A JP H08325334A JP 7170839 A JP7170839 A JP 7170839A JP 17083995 A JP17083995 A JP 17083995A JP H08325334 A JPH08325334 A JP H08325334A
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根 敏 裕 相
Masaaki Kawasaki
崎 雅 昭 川
Hidenari Nakahama
濱 秀 斉 仲
Tatsukazu Ishida
田 達 麗 石
Katsuya Takahashi
橋 克 也 高
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Hitoshi Onishi
西 仁 志 大
Masaaki Yasuda
田 昌 明 安
Noriaki Kihara
原 則 昭 木
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα
−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を有
する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非共役ト
リエンまたはテトラエンとのランダム共重合体であり、
(i) エチレンから誘導される構成単位が30〜92モル%で
あり、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導され
る構成単位が6〜70モル%であり、(iii) 上記非共役ト
リエンまたはテトラエンから誘導される構成単位が0.1
〜30モル%であり、かつ(i) エチレンから誘導される構
成単位/(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導さ
れる構成単位が、モル比で40/60〜92/8であり、135
℃、デカリン中で測定した極限粘度[η] が、0.05〜10
dl/gである新規な不飽和性エチレン系共重合体。 【効果】 この新規な不飽和性エチレン系共重合体は、
耐候性、耐熱性および耐オゾン性に優れており、かつ加
硫速度が速い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、不飽和性エチレン系共重
合体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは耐候
性、耐熱性、耐オゾン性に優れしかも加硫速度の速い新
規な不飽和性エチレン系共重合体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】不飽和性エチレン系共重合体は、
加硫可能なポリマーであって、耐候性、耐熱性、耐オゾ
ン性に優れており、自動車工業部品、工業用ゴム製品、
電気絶縁材、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品とし
て用いられており、またポリプロピレン、ポリスチレン
等へのプラスチックブレンド用材料として広く用いられ
ている。
【0003】このような不飽和性エチレン系共重合体と
しては、従来エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシク
ロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4-
ヘキサジエン共重合体などが知られている。これらのう
ちでもエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボ
ルネン共重合体は、他の不飽和性エチレン系共重合体に
比べ、加硫速度が速く特に広く用いられている。
【0004】しかしながらこれら従来の不飽和性エチレ
ン系共重合体には、加硫速度のさらなる向上が望まれて
いるのが実情である。すなわち不飽和性エチレン系共重
合体は、たとえばエチレン・プロピレン・5-エチリデン
-2- ノルボルネン共重合体であっても天然ゴム、スチレ
ン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴムなどのジエン系ゴムに比べると加硫速
度が遅く、ジエン系ゴムとの共加硫性に劣っていた。
【0005】また不飽和性エチレン系共重合体は、加硫
速度が遅いため、加硫時間を短くしたり、あるいは加硫
温度を低下させることにより加硫時の消費エネルギー量
を減少させて、加硫ゴムを生産性よく製造することが困
難であった。
【0006】この不飽和性エチレン系共重合体の加硫速
度を上げるには加硫剤を多量に用いればよいが、加硫剤
を多量に用いて加硫しようとすると、得られる加硫ゴム
の表面に加硫剤がブルーミングしてくることがあり、外
観上好ましくない他、加硫ゴム使用時にブルームによる
汚染の可能性があった。
【0007】このため耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優
れ、しかも加硫速度が速い不飽和性エチレン系共重合体
の出現が望まれていた。本発明者は、上記のような従来
技術に鑑みて不飽和性エチレン系共重合体について鋭意
研究した結果、エチレン、α−オレフィンおよび特定の
(分岐)鎖状ポリエンから導かれる構成単位を有し、か
つ不飽和性結合を有する不飽和性エチレン系共重合体
は、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、しかも加硫速
度が速いことを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、耐候性、耐熱
性、耐オゾン性に優れしかも加硫速度の速い不飽和性エ
チレン系共重合体およびその製造方法を提供することを
目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合
体は、 [A](i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレ
フィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、
少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非共役トリエン
またはテトラエンとのランダム共重合体であり、 [B](i) エチレンから誘導される構成単位が30〜9
2モル%であり、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィン
から誘導される構成単位が6〜70モル%であり、(ii
i)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される
構成単位が0.1〜30モル%であり、かつ(iv) (i)エ
チレンから誘導される構成単位/(ii)炭素数3〜20の
α−オレフィンから誘導される構成単位がモル比で40
/60〜92/8であり、 [C]135℃、デカリン(デカヒドロナフタレン/デ
ュポン社)中で測定した極限粘度[η]が0.05〜1
0dl/gであることを特徴としている。
【0010】本発明の好ましい態様においては、上記
[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンは、ビニ
ル基に隣接した炭素原子に、1個の直鎖状または分岐鎖
状炭化水素基と、2個の水素原子と、が結合したもので
あることが望ましい。
【0011】本発明の特に好ましい態様においては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記
式[H−1]で表され、上記[B](iii)非共役トリエ
ンまたはテトラエンから誘導される構成単位が下記式
[H−2]で表されることが望ましい。
【0012】
【化11】
【0013】・・・・[H−1] [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
(但しpとqが1の場合fは0ではない)、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
=CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である(但し、pとqが1の場合、R9は水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基である)。]
【0014】
【化12】
【0015】・・・・[H−2] [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
式[H−1]の場合と同じ意味である。] また、本発明の別の好ましい態様の1つにおいては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記
式[Ia]で表され、上記[B](iii)非共役トリエン
またはテトラエンから誘導される構成単位が下記式[I
Ia]で表されることが望ましい。
【0016】
【化13】
【0017】・・・・[Ia] [式[Ia]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
=CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である。]
【0018】
【化14】
【0019】・・・・[IIa] [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
a]の場合と同じ意味である。] この内でも、上記式[Ia]および式[IIa]におい
て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望
ましい。
【0020】本発明の別の好ましい態様においては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記
式[Ib]で表され、上記[B](iii)非共役トリエン
またはテトラエンから誘導される構成単位が下記式[I
Ib]で表されることが望ましい。
【0021】
【化15】
【0022】・・・・[Ib] [式[Ib]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R5,R6,R7は水素原子または
炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1〜5
のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基または−(CH2n−CR10=CR1112
表される基(ここで、nは1〜5の整数であり、R10,
11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
り、R12は炭素数1〜5のアルキル基である)であ
る。]
【0023】
【化16】
【0024】・・・・[IIb] [式[IIb]中、f、g、R1〜R9は式[Ib]の場
合と同じ意味である。]より好ましくは、上記[A](i
ii)非共役テトラエンが下記式[Ib']で表され、 上記[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成
単位が下記式[IIb']で表されることが望ましい。
【0025】
【化17】
【0026】・・・・[Ib'] [式[Ib']中、fは0〜5の整数であり、gは1〜
6の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数
1〜5のアルキル基であり、nは1〜5の整数であり、
10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基である。]
【0027】
【化18】
【0028】・・・・[IIb'] [式[IIb']中、f、g、R1、R2、R5〜R8
n、R10〜R12は式[Ib']の場合と同じである。] 本発明のさらに好ましい態様においては、上記式[I
b]、式[IIb]、式[Ib']および式[IIb']
において、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であること
が望ましい。
【0029】その内でも、上記[A](iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンが下記式[Ic]で表され、上記
[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導
される構成単位が下記式[IIc]で表されることが望
ましい。
【0030】
【化19】
【0031】・・・・[Ic] [式[Ic]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子ま
たは炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1
〜5のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基である。]
【0032】
【化20】
【0033】・・・・[IIc] [式[IIc]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、式
[Ic]の場合と同じ意味である。] 本発明おいては、上記式[Ic]および式[IIc]中
のR1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望まし
い。
【0034】本発明の特に好ましい態様においては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエン中の全
ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子に直接結合
した水素原子の総数が、9〜33個、さらには12〜3
3個、特に14〜33個であることが望ましい。
【0035】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
の製造方法は、(i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20の
α−オレフィンと、(iii)1分子中に1個のビニル基を
有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非共役
トリエンまたはテトラエンとを、遷移金属化合物と、有
機アルミニウム化合物および/またはイオン化イオン性
化合物とから形成される触媒の存在下に共重合させて、 [A](i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレ
フィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、
少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非共役トリエン
またはテトラエンとのランダム共重合体であり、 [B](i) エチレンから誘導される構成単位が30〜9
2モル%であり、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィン
から誘導される構成単位が6〜70モル%であり、(ii
i)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される
構成単位が0.1〜30モル%であり、かつ(iv) (i)エ
チレンから誘導される構成単位/(ii)炭素数3〜20の
α−オレフィンから誘導される構成単位がモル比で40
/60〜92/8であり、 [C]135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.05〜10dl/gである不飽和性エチレン系共重
合体を製造することを特徴としている。
【0036】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
の好ましい製造方法においては、上記[A](iii)非共
役トリエンまたはテトラエンが、ビニル基に隣接した炭
素原子に1個のビニル基以外の直鎖状または分岐鎖状炭
化水素基と、2個の水素原子が結合したものであり、上
記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘
導される構成単位が、ポリマー主鎖中の炭素原子に隣接
した炭素原子に、1個の直鎖状または分岐鎖状炭化水素
基と、2個の水素原子とが結合したものであることが望
ましい。
【0037】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
のさらに好ましい製造方法においては、上記[A](ii
i)非共役トリエンまたはテトラエンが上記式[H−1]
で表され、上記[B](iii)非共役トリエンまたはテト
ラエンから誘導される構成単位が上記式[H−2]で表
されることが望ましい。
【0038】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
のより好ましい製造方法の1つにおいては、上記[A]
(iii)非共役トリエンまたはテトラエンが上記式[I
a]で表され、上記[B](iii)非共役トリエンまたは
テトラエンから誘導される構成単位が上記式[IIa]
で表されることが望ましく、さらには、上記式[Ia]
および式[IIa]において、R1,R2,R5,R6が全
て水素原子であることが望ましい。
【0039】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
の別のより好ましい製造方法においては、上記[A](i
ii)非共役トリエンまたはテトラエンが上記式[Ib]
で表され、上記[B](iii)非共役トリエンまたはテト
ラエンから誘導される構成単位が上記式[IIb]で表
されることが望ましく、さらには、上記[A](iii)
非共役テトラエンが上記式[Ib']で表され、上記
[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成単
位が上記式[IIb']で表されることが望ましく、特
に、上記式[Ib]、式[IIb]、式[Ib']およ
び式[IIb']において、R1,R2,R5,R6が全て水素
原子であることが望ましい。
【0040】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
の好ましい製造方法においては、上記[A](iii)非共
役トリエンまたはテトラエンが上記式[Ic]で表さ
れ、上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエン
から誘導される構成単位が上記式[IIc]で表される
ことが望ましく、さらには、上記式[Ic]および式
[IIc]において、R1,R2,R5,R6が全て水素原子
であることが望ましい。
【0041】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
の好ましい製造方法においては、上記[A](iii)非共
役トリエンまたはテトラエン中の全ての炭素−炭素二重
結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の総数
が、9〜33個、さらには12〜33個、特に14〜3
3個であることが望ましい。
【0042】本発明に係るゴム組成物は、上記記載の不
飽和性エチレン系共重合体と、下記(a)、(b)、(c)の内
の少なくとも1種以上の成分と、を含むことを特徴して
いる。 (a)該不飽和性エチレン系共重合体100重量部に対し
て300重量部以下の量の補強剤、(b)該不飽和性エチ
レン系共重合体100重量部に対して200重量部以下
の量の軟化剤、(c)加硫剤。
【0043】上記のような本発明に係る不飽和性エチレ
ン系共重合体は、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れし
かも加硫速度が速い。
【0044】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る不飽和性エチ
レン系共重合体およびその製造方法について具体的に説
明する。[不飽和性エチレン系共重合体] 本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体は、 [A](i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレ
フィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、
少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非共役トリエン
またはテトラエン(トリエンとテトラエンとを併せて
「ポリエン」とも言う)と、のランダム共重合体であ
る。
【0045】このような(ii)炭素数3〜20のα−オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチ
ル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペ
ンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、
3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデ
セン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセンなどが挙げられ、好ましくはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが用いら
れる。これらのα-オレフィンは、単独であるいは2種
以上組み合わせて用いられる。
【0046】本発明においては、上記[A](iii) 非共
役トリエンまたはテトラエンは、炭化水素化合物であ
る。この炭化水素化合物1個当たりの総炭素数(2種以
上の炭化水素化合物の場合にはその平均炭素数で示す)
は、通常特に限定されないが、好ましくは9〜30個、
さらに好ましくは10〜25個、特に好ましくは10〜
22個であることが望ましい。炭素数がこれらの範囲に
ある化合物は、精製などの取扱いが容易であるので有利
である。なお、「トリエン」とは、1分子中に3個の炭
素−炭素二重結合(C=C)を有する化合物を意味し、
また「テトラエン」とは1分子中に4個の炭素−炭素二
重結合を有する化合物(炭化水素化合物)を意味する。
この炭素−炭素二重結合には、当然、ビニル基(CH2
=CH−)の炭素−炭素二重結合も含まれる。
【0047】この[A](iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンは、1個の分子中にただ1個のビニル基(CH
2=CH−)を有している。本発明におけるこの[A]
(iii)非共役トリエンまたはテトラエンには、ビニル基
を含めて3個(トリエンの場合)あるいは4個(テトラ
エンの場合)の炭素−炭素二重結合(C=C)が含まれ
ているが、この非共役トリエンまたはテトラエン1分子
中に含まれる全ての炭素−炭素二重結合に隣接した炭素
原子に直接結合している水素原子の総数は、通常特に限
定されないが、好ましくは9〜33個、好ましくは12
〜33個、さらに好ましくは14〜33個であることが
望ましい。水素原子の総数がこのような範囲にあると、
加硫速度の速い共重合体が得られるので好ましい。
【0048】本発明においては、このような非共役トリ
エンまたはテトラエンの内でも、該非共役トリエンまた
はテトラエン中のビニル基にはメチレン基(−CH
2−)が隣接しているものであることが好ましい。な
お、この水素原子数は、用いられる非共役トリエンまた
はテトラエンが2種以上の場合にはこれらの水素原子数
の平均で示す。
【0049】ここで、この「水素原子数の数え方」につ
いて、さらに具体的に詳説すると、下記化合物では、炭
素−炭素二重結合は、1−2炭素(:ビニル基のも
の)、4−5炭素、12−14炭素、16−17炭素に
存在し、炭素−炭素二重結合に隣接する炭素は、付番
3、6、7、11、13、15、18となる(付番8、
9、10、19の炭素はこれに含まれない)。従って炭
素−炭素二重結合に隣接する炭素に結合している水素原
子数の合計は、付番:3番に2個、6番に3個、7番に
2個、11番に2個、13番に3個、15番に2個、1
8番に2個であるから、16個となる。
【0050】
【化21】
【0051】また、後述する本願発明に対する比較例に
て用いられる下記の化合物(5-エチリデン−2−ノル
ボルネン)を例に採って説明すると、この化合物では、
下記式に示すように炭素−炭素二重結合は、2−3炭素
と、5−8炭素に存在し、炭素−炭素二重結合に隣接す
る炭素は、付番1、4、6、9となる(付番7の炭素は
これに含まれない)。従って炭素−炭素二重結合に隣接
する炭素に結合している水素原子数の合計は、付番:1
番に1個、4番に1個、6番に2個、9番に3個である
から、7個となる。
【0052】
【化22】
【0053】本発明では、このような直鎖状または分岐
鎖状の非共役トリエンまたはテトラエンは、少なくとも
1種以上用いられる。このような(iii)非共役トリエン
またはテトラエンは、好ましくは下記式[H−1]で表
される。
【0054】
【化23】
【0055】・・・・[H−1] [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
(但しpとqが1の場合fは0でない)、gは1〜6の
整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水素
原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭
素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素
数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数で
あり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアル
キル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である。ただし、pとqとが共に1の場合、R9
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。] このような式[H−1]で表される非共役トリエンまた
はテトラエンの内で、好ましくは下記式[Ia]および
式[Ib]で表される非共役トリエンまたはテトラエン
(非共役ポリエンともいう)などが挙げられる。また、
非共役ポリエン[Ib]の内では、式[Ib']の非共
役テトラエンおよび式[Ic]の非共役トリエンがより
好ましい。
【0056】以下、これらの好ましい(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンについて順次詳細に説明する。非共役トリエンまたはテトラエン[Ia] 上記の化合物[H−1]の内で好ましい(iii)非共役ト
リエンまたはテトラエンは、下記式[Ia]で表される
直鎖状トリエンまたはテトラエン(直鎖状ポリエンとも
いう)である。
【0057】
【化24】
【0058】・・・・[Ia] すなわちこの非共役トリエンまたはテトラエン[Ia]
は、前記式[H−1]において、pが0であり、qが1
であり、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
あり、その他は上記[H−1]と同様である。
【0059】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ia]の内で、上記R1,R2,R 3,R4,R5,R6は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水
素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好
ましくはR1,R2,R5,R6は水素原子であることが望ま
しい。
【0060】しかもR7は水素原子または炭素数1〜5
のアルキル基、好ましくは水素原子または炭素数1〜3
のアルキル基であることが望ましい。しかもR8は炭素
数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基であることが望
ましい。
【0061】さらにR9は水素原子、炭素数1〜5のア
ルキル基(好ましくは1〜3のアルキル基)または −
(CH2n−CR10=CR1112で表される基[ここ
で、nは1〜5好ましくは1〜3の整数であり、R10
11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ま
しくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であ
り、R12は炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基
である]であることが望ましい。
【0062】上記式[Ia]において、炭素数1〜5の
アルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基などが挙げ
られる。
【0063】このような(iii) 直鎖状トリエンまたはテ
トラエンとしては、具体的に下記のような化合物が挙げ
られ、好ましくは、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリ
エン(DMUT)、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMD
T)、および化合物番号(17)、(26)、(58)、
(78)が用いられる。
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化32】
【0072】
【化33】
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。上記(iii)直鎖状トリエンまたはテ
トラエンは、例えば、従来公知の方法によって調製する
ことができる。
【0076】例えば、ビニル基含有ハロゲン化物(例:
ハロゲン化アリル、ハロゲン化ビニル)と金属Mgとを
反応させてグリニヤール試薬(アリル−MgXまたはビ
ニル−MgX)を調製する。次いで、このグリニヤール
試薬と、非共役二重結合含有直鎖状炭化水素のハロゲン
化物(例:ハロゲン化ゲラニル)とを反応させると遊離
基反応により、上記のような(iii)直鎖状ポリエンを製
造することができる。非共役トリエンまたはテトラエン[Ib] 上記化合物[H−1]の内で好ましい(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンは、下記式[Ib]で表される分
岐鎖状トリエンまたはテトラエン(分岐鎖状ポリエンと
もいう)である。
【0077】
【化36】
【0078】・・・・[Ib] すなわちこの非共役トリエンまたはテトラエン[Ib]
は、前記式[H−1]において、pが1であり、qが0
であり、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
あり、その他は上記式[H−1]と同様である。
【0079】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ib]の内で、上記R1,R2,R 5,R6,R7は水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原
子または炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好まし
くはR1,R2,R5,R6は全て水素原子であることが望ま
しい。
【0080】しかもR8は炭素数1〜5好ましくは1〜
3のアルキル基であることが望ましい。しかもR9は水
素原子、炭素数1〜5のアルキル基(好ましくは1〜3
のアルキル基)、または−(CH2n−CR10=CR11
12で表される基[ここで、nは1〜5好ましくは1〜
3の整数であり、R10は水素原子または炭素数1〜5好
ましくは1〜3のアルキル基であり、R11は水素原子ま
たは炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基である
ことが望ましい。
【0081】R12は炭素数1〜5好ましくは1〜3のア
ルキル基である]であることが望ましい。これらのうち
でR9としては、最も好ましくは上記炭素数のアルキル
基であることが望ましい。
【0082】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ib]の内でも、式[Ic]で表される非共役トリ
エンまたは式[Ib']で表される非共役テトラエンが
好ましく用いられ、特にそのうち、R1,R2,R5,R6
が共に水素原子である式[Ib]のもの、すなわち下記
式[Ib−1]で表される非共役トリエン(分岐鎖状ト
リエン)または非共役テトラエン[Ib’](分岐鎖状
テトラエン)が好ましく用いられ、さらに好ましくは、
下記式[Ib−1]で示される非共役トリエンが望まし
く用いられる。
【0083】
【化37】
【0084】・・・・[Ib−1] [式[Ib−1]中、f、g、R7、R8はいずれも上記
式[Ib]の場合と同じであり、R9が水素原子または
炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基のもので
ある。これらのf、g、R7、R8の内で好ましいものも
上記[Ib]と同じである。]このような(iii)分岐鎖
状ポリエン[Ib−1]としては、具体的に下記(1)
〜(24)に例示するような化合物が挙げられ、好まし
くは、(5)、(6)、(9)、(11)、(14)、
(19)、(20)が用いられる。 (1):4-エチリデン-1,6-オクタジエン、(2):7-
メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、(3):7-メ
チル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、(4):7-エチル
--4-エチリデン-1,6-ノナジエン、(5):6,7-ジメチ
ル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、(6):6,7-ジメ
チル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、(7):4-エチリ
デン-1,6-デカジエン、(8):7-メチル-4-エチリデン
-1,6-デカジエン、(9):7-メチル-6-プロピル-4-エ
チリデン-1,6-オクタジエン、(10):4-エチリデン-
1,7-ノナジエン、(11):8-メチル-4-エチリデン-1,
7-ノナジエン(EMN)、(12):4-エチリデン-1,7
-ウンデカジエン、(13):8-メチル-4-エチリデン-
1,7-ウンデカジエン、(14):7,8-ジメチル-4-エチ
リデン-1,7-ノナジエン、(15):7,8-ジメチル-4-エ
チリデン-1,7-デカジエン、(16):7,8-ジメチル-4-
エチリデン-1,7-ウンデカジエン、(17):8-メチル-
7-エチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、(1
8):7,8-ジエチル-4-エチリデン-1,7-デカジエン、
(19):9-メチル-4-エチリデン-1,8-デカジエン、
(20):8,9-ジメチル-4-エチリデン-1,8-デカジエ
ン、(21):10-メチル-4-エチリデン-1,9-ウンデカ
ジエン、(22):9,10-ジメチル-4-エチリデン-1,9-
ウンデカジエン、(23):11-メチル-4-エチリデン-
1,10-ドデカジエン、(24):10,11-ジメチル-4-エチ
リデン-1,10-ドデカジエン。
【0085】上記化合物(1)〜(24)の化学式をま
とめて以下に示す。
【0086】
【化38】
【0087】
【化39】
【0088】
【化40】
【0089】
【化41】
【0090】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。本発明で用いられる上記した分岐鎖
状トリエンまたはテトラエン[Ib−1]は、トランス
体およびシス体の混合物であってもよく、トランス体単
独またはシス体単独であってもよい。
【0091】上記(iii)分岐鎖状トリエン[Ib]は、
本願出願人の出願に係る特願平6-154952号明細
書に記載の方法によって調製することができる。すなわ
ち、例えば下記[I-a]で示される共役ジエンを有する
化合物とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アル
ミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させること
により製造することができる。
【0092】
【化42】
【0093】・・・・[I-a] (式[I-a]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R9は炭素数1〜5のアルキル基であ
り、R7およびR8はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数1〜5のアルキル基である。)。
【0094】このような式[Ib−1]で示される分岐
鎖状ポリエンの詳細な調製法については後述する。(ii
i)非共役ポリエン[Ib]の内で、さらに好ましいもの
は、下記式[Ib’]で表される。
【0095】
【化43】
【0096】・・・・[Ib’] [式[Ib’]中において、f、g、n、R1、R2、R
5〜R8およびR10〜R12は前記[Ib]の場合と同様で
あり、好ましいものも前記[Ib]と同様である。]す
なわち、この非共役テトラエン(分岐鎖状テトラエン)
は、前記式[Ib]において、特に、R9が前記「−
(CH2n−CR10=CR1112」で表される化合物
(ここで、n、R10、R11、R12は前記[Ib]の場合
と同様である)である。
【0097】このような式[Ib’]で表される非共役
テトラエン[Ib’]としては、具体的には、例えば下
記付番(1)〜(154)に示すようなものが挙げら
れ、好ましくは、4-エチリデン-8,12-ジメチル-
1,7,11-トリデカトリエン(EDT、化合物番号
47)が用いられる。
【0098】
【化44】
【0099】
【化45】
【0100】
【化46】
【0101】
【化47】
【0102】
【化48】
【0103】
【化49】
【0104】
【化50】
【0105】
【化51】
【0106】
【化52】
【0107】
【化53】
【0108】
【化54】
【0109】
【化55】
【0110】
【化56】
【0111】
【化57】
【0112】
【化58】
【0113】
【化59】
【0114】
【化60】
【0115】
【化61】
【0116】
【化62】
【0117】
【化63】
【0118】本発明においては、このような非共役ポリ
エンを1種または2種以上組み合わせて用いることがで
き、例えば、分岐鎖状の非共役トリエン[Ic]、好ま
しくは[Ib−1]と、分岐鎖状の非共役テトラエン
[Ib’]とを組み合わせて用いてもよく、前記直鎖状
の非共役トリエンまたはテトラエン[Ia]と、分岐鎖
状ポリエン[Ib]とを組み合わせて用いてもよい。
【0119】このような分岐鎖状テトラエン[Ib’]
の構造は、質量分析、赤外線吸収スペクトル、プロトン
NMRスペクトル等を測定することにより決定すること
ができる。このような分岐鎖状テトラエン[Ib’]
は、通常、立体異性構造(トランス体とシス体)を有す
る。本発明においては、上記立体異性体の混合物であっ
てもよく、また、いずれかの幾何異性体単独であっても
よい。
【0120】このような分岐鎖状テトラエン[Ib’]
の合成法については、前記[Ib−1]の場合と同様で
あり、後述する。本発明に係る不飽和性エチレン系共重
合体は、上記のような(i) エチレン、(ii)α−オレフィ
ンおよび(iii) 非共役トリエンまたはテトラエン(ポリ
エンともいう)の単量体から誘導される構成単位が、そ
れぞれランダムに配列して結合し、(iii)非共役トリエ
ンまたはテトラエン(ポリエン)に起因する分岐構造を
有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となってい
る。この共重合体が実質的に線状構造を有しており実質
的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、該共重合体
が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことに
より確認することができる。たとえば極限粘度[η]を
測定する際に、該共重合体が135℃、デカリンに完全
に溶解することにより確認することができる。
【0121】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
は、上記(i) エチレンから誘導される構成単位を、30
〜92モル%、好ましくは40〜90モル%、さらに好
ましくは45〜90モル%の量で、(ii)炭素数3〜20
のα−オレフィンから誘導される構成単位を、6〜70
モル%、好ましくは8〜60モル%、さらに好ましくは
10〜55モル%の量で、また(iii)非共役トリエンま
たはテトラエン(非共役ポリエン)から誘導される構成
単位を0.1〜30モル%、好ましくは0.1〜20モ
ル%、さらに好ましくは0.2〜10モル%の量で含有
している。(iii)非共役ポリエン成分がこのような範
囲にあると、得られるゴム組成物の加硫速度は向上し、
しかも該ゴム組成物を加硫すると、特に優れた物性の加
硫ゴム組成物が得られるので好ましい。
【0122】特に本発明に係る不飽和性エチレン系共重
合体では、この(i) エチレンから誘導される構成単位と
(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される構
成単位とは、モル比((i) エチレン/(ii)α−オレフィ
ン)で、40/60〜92/8、好ましくは45/55
〜90/10、さらに好ましくは50/50〜88/1
2の量で存在している。(i)成分と(ii)成分とがこのよ
うな範囲にあると、加硫物性に優れ、低温特性に優れた
加硫ゴム組成物が得られる。
【0123】このような本発明に係る不飽和性エチレン
系共重合体において[A](iii)非共役トリエンまたは
テトラエンが前記式[H−1]で表される場合には、不
飽和性エチレン系共重合体中においては[B](iii)非
共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単位
は、実質的に下記式[H−2]で表される構造を有して
いる。
【0124】
【化64】
【0125】・・・・[H−2] [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
式[H−1]の場合と同じ意味である。] 特に、このような[A](iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンが前記式[Ia]で表される場合には、不飽和
性エチレン系共重合体中においては[B](iii)非共役
トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単位は、
実質的に下記式[IIa]で表される構造を有してい
る。
【0126】
【化65】
【0127】・・・・[IIa] [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
a]の場合と同じ意味である。] また、このような[A](iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンが前記式[Ib]で表される場合には、不飽和
性エチレン系共重合体中においては[B](iii)非共役
トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単位は、
実質的に下記式[IIb]で表される構造を有してい
る。
【0128】
【化66】
【0129】・・・・[IIb] [式[IIb]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、上
記式[Ib]の場合と同じ意味である。]なお非共役ト
リエンまたはテトラエン(非共役ポリエン)から誘導さ
れる構成単位が上記各構造を有していることは、その共
重合体の13C−NMRスペクトルを測定することによっ
て確認することができる。
【0130】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.05〜10dl/g、好ましくは0.1〜7dl/g、
さらに好ましくは0.2〜5dl/gである。
【0131】上記のような本発明に係る不飽和性エチレ
ン系共重合体は、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れる
とともに加硫速度が速い。本発明に係る不飽和性エチレ
ン系共重合体は、未加硫のまま用いられてもよく、また
後述するような加硫方法により加硫して加硫状態で用い
られてもよいが、加硫状態で用いられるとその特性が一
層発揮される。
【0132】このような不飽和性エチレン系共重合体
は、樹脂改質剤として、また各種ゴム製品として特に好
ましく用いられる。具体的には、本発明に係る不飽和性
エチレン系共重合体を樹脂改質剤として、たとえばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリスチレン
などに添加すると、その耐衝撃性、耐ストレスクラック
性が飛躍的に向上する。
【0133】また本発明に係る不飽和性エチレン系共重
合体は、単独で加硫されて用いられてもよく、また他の
ゴム材料と共加硫されて用いられてもよい。この不飽和
性エチレン系共重合体は、加硫速度が速いため加硫剤を
多量に用いなくても従来の不飽和性エチレン系共重合体
に比べて短い時間であるいは低温で加硫することがで
き、加硫ゴムを生産性よく製造することができる。
【0134】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
は、特に、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプ
レンゴムなどのジエン系ゴムとの共加硫性に優れてお
り、不飽和性エチレン系共重合体とジエン系ゴムとの共
加硫物は、ジエン系ゴムが本来有する優れた機械的特
性、耐摩耗性、耐動的疲労性、耐油性を有するとともに
耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性などにも優れている。
【0135】具体的には、たとえば本発明に係る不飽和
性エチレン系共重合体と天然ゴムとの共加硫物は、強
度、耐候性、耐オゾン性および動的特性に優れている。
本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体とニトリルゴ
ムとの共加硫物は、耐候性、耐オゾン性および耐油性に
優れている。
【0136】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
とブタジエンゴムとの共加硫物は、耐候性、耐オゾン性
および耐摩耗性に優れている。 [不飽和性エチレン系共重合体の製造] 上記のような本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体
は、(i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレフ
ィンと、(iii) 上記非共役トリエンまたはテトラエン
{好ましくは上記式[H−1]さらに好ましくは[I
a]、[Ib]、より好ましくは[Ia]、[Ib−
1]、または[Ib’]で表される、非共役トリエンま
たはテトラエン}とを、触媒の存在下に共重合させて得
られる。
【0137】このような触媒としては、バナジウム
(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)な
どの遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物(有機
アルミニウムオキシ化合物)および/またはイオン化イ
オン性化合物とからなる触媒が使用できるが、本発明で
は、これらの内、 [a]可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物とからなる触媒、あるいは [b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロ
セン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/
またはイオン化イオン性化合物と、からなる触媒が特に
好ましく用いられる。
【0138】このような触媒[a]を形成する可溶性バ
ナジウム化合物は、具体的には、下記一般式で表され
る。 VO(OR)ab または V(OR)cd 式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、a、b、c、dはそれぞれ0≦a≦3、0≦b≦
3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c
+d≦4を満たす。
【0139】上記式で表される可溶性バナジウム化合物
としては、具体的には、VOCl3、VO(OCH3)C
2、VO(OC25)Cl2、VO(OC251.5
1.5 、VO(OC252Cl、VO(O-n-C37
Cl2、VO(O-iso-C37)Cl2、VO(O-n-C4
9)Cl2、VO(O-iso-C49)Cl2、VO(O-s
ec-C49)Cl2、VO(O-t-C49)Cl2、VO
(OC253、VOBr2、VCl4、VOCl2 VO(O-n-C493、VOCl3・2OC817OHな
どが挙げられる。
【0140】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。また上記可溶性バナジウム化合物
は、以下に示すような電子供与体を接触させて得られ
る、これらの可溶性バナジウム化合物の電子供与体付加
物として用いることもできる。
【0141】このような電子供与体としては、アルコー
ル類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボ
ン酸類、有機酸ハライド類、有機酸または無機酸のエス
テル類、エーテル類、ジエーテル類、酸アミド類、酸無
水物類、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、ア
ンモニア類、アミン類、ニトリル類、ピリジン類、イソ
シアネート類などの含窒素電子供与体を挙げることがで
きる。
【0142】より具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカ
ノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコー
ル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、
クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロ
ピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコ
ール類、トリクロロメタノール、トリクロロエタノー
ル、トリクロロヘキサノールなどの炭素数1〜18のハ
ロゲン含有アルコール類、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、
ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなど
のアルキル基を有してもよい炭素数6〜20のフェノー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキ
ノンなどの炭素数3〜15のケトン類、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなど
の炭素数2〜15のアルデヒド類、ギ酸メチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オ
クチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪
酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル
酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイ
ル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチ
ル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香
酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ク
マリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素数2〜18の
有機酸エステル類、アセチルクロリド、ベンゾイルクロ
リド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭
素数2〜15の酸ハライド類、メチルエーテル、エチル
エーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ア
ミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフ
ェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類、無
水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物、
ケイ酸エチル、ジフェニルジメトキシシランなどのアル
コキシシラン、酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-
ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの
酸アミド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチルエ
チレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル、ベン
ゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、ピリジ
ン、メチルピリジン、エチルピリジン、ジメチルピリジ
ンなどのピリジン類などが挙げられる。
【0143】可溶性バナジウム化合物の電子供与体付加
物を調製する際には、これら電子供与体を単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で
触媒[a]を形成する際に用いられる有機アルミニウム
化合物は、下記式[III]で表される。
【0144】 R1 nAlX3-n …[III] 式中、R1 は炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化
水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であ
り、nは1〜3である。
【0145】このような炭素数1〜15の炭化水素基と
しては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリ−ル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などが挙
げられる。
【0146】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には以下のような化合物が挙げられる。トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニム、一般式
(i-C49xAly(C510z [式中、x、y、z
は正の数であり、z≧2xである。]で表わされるイソ
プレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、
トリイソプロペニルアルミニウムなどのトリアルケニル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウム
クロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチ
ルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウム
ハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アウミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキル
アルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ドなどのアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルア
ルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドな
どのジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニ
ウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなど
のアルキルアルミニウムジヒドリドなどが挙げられる。
【0147】また有機アルミニウム化合物として、下記
式[IV]で表される化合物を挙げることもできる。 R1 nAlY3-n …[IV] 式中、R1 は上記式[III]と同様であり、Yは−OR
10基、−OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2
基、−SiR14 3基または−N(R15)AlR16 2基であ
る。R10、R11、R12およびR16はメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R13は水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基などであり、R14およびR15はメチル基、エチル基
などである。nは1〜2である。
【0148】このような式[IV]で表される有機アルミ
ニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合
物が挙げられる。但し、Meはメチル基、Etはエチル
基、Buはブチル基であり、R116は[IV]と同様であ
る。 (1) R1 nAl(OR103-nで表される化合物、たと
えば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキ
シドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド、エチ
ルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウム
セスキブトキシドおよびR1 2.5Al(OR20.5などで
表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化され
たアルキルアルミニウム、エチルアルミニウムエトキシ
クロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチ
ルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコ
キシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムが
挙げられる。 (2) R1 nAl(OSi R11 33-nで表される化合物、
たとえば、 Et2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Et3)など、 (3) R1 nAl(OAlR12 23-nで表される化合物、
たとえば、 Et2AlOAlEt2 (iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など、 (4) R1 nAl(NR13 23-nで表される化合物、たと
えば、 Me2AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Si Me32 (iso-Bu)2AlN(SiMe32など、 (5) R1 nAl(Si R14 33-nで表される化合物、た
とえば、 (iso-Bu)2AlSi Me3など、 (6) R1 nAl[N(R13)AlR16 23-nで表される
化合物、たとえば Et2AlN(Me)AlEt2 、(iso-Bu)2AlN
(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0149】これらの中では、とくにアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムジハライドまたは
これらの組み合わせが好ましい。なお本発明で用いられ
る有機アルミニウム化合物は、アルミニウム以外の金属
の有機化合物成分を少量含有していてもよい。
【0150】次に、本発明で用いられる[b]メタロセ
ン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン
化イオン性化合物とからなる触媒について説明する。こ
のような周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタ
ロセン化合物は、具体的には、次式[V]で表される。
【0151】MLx …[V] 式[V]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属であり、具体的にジルコニウム、チタンまたはハフニ
ウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0152】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0153】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、
i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシ
ルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチル
シクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジ
エニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチ
ルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシク
ロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチル
ベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基な
どのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジ
エニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0154】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。
【0155】式[V]で示される化合物が配位子Lとし
てシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有す
る場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキ
レン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン
基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基
などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。
【0156】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO
3 a )、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Ra
はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、
アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換
されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0157】炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのア
ルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの
シクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリー
ル基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基が
挙げられる。
【0158】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。
【0159】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a )とし
ては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、
トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンス
ルホナト基などが挙げられる。
【0160】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。上記式で表されるメタロセン
化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、
より具体的には下記式[VI]で表される。
【0161】 R2 k3 l4 m5 nM …[VI] 式[VI]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3
4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基または上記一般式[V]中のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様であ
る。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。
【0162】以下に、Mがジルコニウムであり、かつシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2
個含むメタロセン化合物を例示する。ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブ
ロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムフェノキシモノクロリド、ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(t-ブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(sec-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(オクチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7-テト
ラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリ
ド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタン
スルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3-エチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3-プロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロ
メタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-エ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-
メチル-3-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(1-メチル-3-オクチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル
-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドな
どを例示することができる。
【0163】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を本発明で用いることもできる。また上記式
[VI]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少な
くとも2個、例えばR2およびR3 がシクロペンタジエ
ニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも
2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン
基または置換シリレン基などを介して結合されているブ
リッジタイプのメタロセン化合物を例示することもでき
る。このときR4 およびR5 はそれぞれ独立に式[V]
中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLと同様である。
【0164】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジク ロリド、ジ
フェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0165】さらに、下記式[A]で示される特開平4
-268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げ
られる。 メタロセンが式[A]:
【0166】
【化67】
【0167】・・・・[A] [式[A]中、M1は周期律表の第IVB族の金属であ
り、具体的には、例えば、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムを挙げることができる。
【0168】R1およびR2は、互いに同じでも異なって
いてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10好ましくは
1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜10好ましくは1
〜3のアルコキシ基、炭素原子数6〜10好ましくは6
〜8のアリール基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜
8のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10好ましくは
2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40好ましくは
7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40好
ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8
〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、ま
たはハロゲン原子好ましくは塩素原子である。
【0169】R3およびR4は、互いに同じでも異なって
いても良く、水素原子、ハロゲン原子好ましくは弗素原
子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10好ましくは1〜4のアルキル
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、−NR10 2、−SR10、−OSiR10 3、−SiR10
3または−PR10 2基であり、その際R10はハロゲン原子
好ましくは塩素原子、または、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10
好ましくは6〜8のアリール基である。
【0170】R3およびR4は特に水素原子であることが
好ましい。R5およびR6は互いに同じでも異なっていて
もよく、好ましくは同じであり、R5およびR6は水素原
子でないという条件のもとでR3およびR4について記載
した意味を有する。R5およびR6は、好ましくはハロゲ
ン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはト
リフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好まし
い。
【0171】R7は、下記:
【0172】
【化68】
【0173】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR11、=
CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際R
11、R1 2およびR13は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10好ましく
は1〜4のアルキル基さらに好ましくはメチル基、炭素
原子数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基好ましく
はペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜4のアルコキシ基特に好ましくはメトキシ
基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル
基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリール
アルキル基、炭素原子数8〜40好ましくは8〜12の
アリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40好ま
しくは7〜12のアルキルアリール基であり、また「R
11とR12」または「R11とR13」とは、それぞれそれら
が結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0174】M2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ま
しくは珪素またはゲルマニウムである。R7は、=CR
1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−
S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であるこ
とが好ましい。
【0175】R8およびR9は互いに同じであっても異な
っていてもよく、R11について記載したと同じ意味を有
する。mおよびnは互いに同じであっても異なっていて
もよく、0、1または2、好ましくは0または1であ
り、m+nは0、1または2、好ましくは0または1で
ある。
【0176】上記条件を充たす特に好ましいメタロセン
を下記(i)〜(iii)に示す。
【0177】
【化69】
【0178】[上記式(i)、(ii)及び(iii)中、M1
ZrまたはHfであり、R1およびR2はメチル基または
塩素原子であり、R5およびR6はメチル基、エチル基ま
たはトリフルオロメチル基であり、R8、R9、R10およ
びR12が上記の意味を有する。] このような式(i)、(ii)及び(iii)で示される化合
物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0179】rac-エチレン(2-メチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシ
リレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジ
クロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-
インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、rac-エチレ
ン-(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメ
チル、rac-フェニル(メチル)シリレン-(2ーメチ
ル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、r
ac-ジフェニル-シリレン-(2ーメチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-メチルエチ
レン-(2ーメチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジ
クロライド、rac-ジメチルシリレン-(2ーエチル-1
-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド。このよう
なメタロセンの製造方法については、従来より公知の方
法にて製造することができる(例:特開平4-2683
07号公報参照)。
【0180】本発明では、下記式[B]で示される遷移
金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもでき
る。
【0181】
【化70】
【0182】・・・・[B] 式[B]中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子を示
し、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウ
ムである。
【0183】R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、
酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有
基を示し、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
どのハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ド
デシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなど
のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル
などのアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェ
ニルプロピルなどのアリールアルキル基、フェニル、ト
リル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチル
フェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、
メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリルなど
のアリール基などの炭素数1から20の炭化水素基;前
記炭化水素基にハロゲン原子が置換したハロゲン化炭化
水素基;メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化
水素置換シリル、ジメチルシリル、ジフェニルシリルな
どのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシリル、トリエ
チルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシル
シリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリ
ル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリ
ナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル、トリメ
チルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリル
エーテル、トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換ア
ルキル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換
アリール基、などのケイ素含有基;ヒドロオキシ基、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコ
キシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェ
ノキシ、ナフトキシなどのアリロ−キシ基、フェニルメ
トキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基
などの酸素含有基;前記酸素含有基の酸素がイオウに置
換した置換基などのイオウ含有基;アミノ基、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどの
アルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミ
ノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニ
ルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリー
ルアミノ基などの窒素含有基;ジメチルフォスフィノ、
ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基などのリ
ン含有基である。
【0184】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1
〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水
素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メチ
ル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であ
ることが好ましい。
【0185】R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示
し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水
素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5
5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合して
いる炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成し
ていてもよい。
【0186】また芳香族環を形成する基以外の基は、炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場
合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0187】ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具
体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なく
とも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含
む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなもの
が挙げられる。
【0188】
【化71】
【0189】これらのうち上記式(1)で示されるもの
が好ましい。前記芳香族環はハロゲン原子、炭素数1〜
20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水
素基で置換されていてもよい。
【0190】前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭
素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン
化炭化水素基としては、前記R1 およびR2 と同様の基
が例示できる。
【0191】X1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基また
はイオウ含有基を示し、具体的には、前記R1 およびR
2 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基が例示できる。
【0192】イオウ含有基としては、前記R1 、R2
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例
示できる。
【0193】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P(O)
(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[ただし、
7は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化
水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示
し、具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エ
チレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、
1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シク
ロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレ
ン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレ
ン基などの炭素数1から20の2価の炭化水素基;クロ
ロメチレンなどの上記炭素数1から20の2価の炭化水
素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチルシ
リレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-
プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ
(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ
(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレ
ン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、
テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2-
ジシリレンなどのアルキルジシリレン、アルキルアリー
ルジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ
素含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニ
ウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;上記2価の
ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有
基置換基などであり、R7 は、前記R1 、R2 と同様の
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0194】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0195】以下に上記式[B]で表される遷移金属化
合物の具体的な例を示す。
【0196】
【化72】
【0197】
【化73】
【0198】
【化74】
【0199】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。前
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重
合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用
いることもできる。
【0200】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機
合成手法を用いて合成することができる。
【0201】
【化75】
【0202】本発明で用いられるこの遷移金属化合物
は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特
開平4−268307号公報に記載されている方法によ
り合成することができる。
【0203】本発明においては、また下記式[C]で示
される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いるこ
ともできる。
【0204】
【化76】
【0205】・・・・[C] 式[C]中、M、R1、R2、 R3 、R4 、R5 および
6としては、前記式[B]の場合と同様なものが挙げ
られる。
【0206】R3 、R4 、R5 およびR6 のうち、R3
を含む2個の基が、アルキル基であることが好ましく、
3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル基であること
が好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキ
ル基であることが好ましい。また、このアルキル基は、
ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、
ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2 で例
示した置換基が挙げられる。
【0207】R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基
のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが
好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブ
チル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ド
デシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなど
の鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジル、フ
ェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどの
アリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結
合を含んでいてもよい。
【0208】またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ば
れる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環ある
いは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子として、
具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。
【0209】X1 、X2、YおよびR7としては、前記式
[B]の場合と同様のものが挙げられる。以下に上記式
[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)
の具体的な例を示す。
【0210】rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロ リド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジ クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ ク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,5,6-トリメチル
-1- インデニル)ジルコニウムジ クロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- インデニ
ル)ジルコニウ ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-i-プロ
ピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ ウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- メチル-6
-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i-
プロピル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピ
ル)-7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- ブチル
-7- メチル-1- インデニル) ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-sec- ブチル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(sec- ブチ
ル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4-tert-ブチル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- シクロヘキシル-7- メチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4- ベンジル-7- メチル-1
- インデニル) ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルエチル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルジクロルメチル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- クロロメチル-
7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリメチルシリ
ルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリ
メチルシロキシメチル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジ(i- プロピル) シリレン-ビ
ス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(n- ブチル) シリレン
-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ( シクロヘキシル)
シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-1-
インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、rac-ジ(p- トリ
ル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-
クロロフェニル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7-
メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-ビス(メタンス
ルホナト)、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-ビ
ス(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチルシリレン
-ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-エチル-4-i- プロピル-6- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-6- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド。
【0211】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。上
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。
【0212】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常
の有機合成手法を用いて合成することができる。また上
記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化
合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たと
えば特開平4−268307号公報に記載の方法により
合成することができる。
【0213】本発明では、また下記の式[D]で示され
る遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いこともで
きる。
【0214】
【化77】
【0215】・・・・[D] 式[D]中、M、R1、X1 、X2およびYとしては、前
記式[B]あるいは前記式[C]の場合と同様のものが
挙げられる。
【0216】このうち、R1としては、炭化水素基であ
ることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブ
チルの炭素数1〜4の炭化水素基であることが好まし
い。また、X1 、X2としては、ハロゲン原子、炭素数
1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0217】R2 は、炭素数6〜16のアリール基を示
し、具体的には、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチ
ル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセ
ナフチル、フェナレニル(ペリナフテニル)、アセアン
トリレニルなどである。これらのうちフェニル、ナフチ
ルであることが好ましい。これらのアリール基は、前記
1 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換され
ていてもよい。
【0218】以下に上記式[D]で示される遷移金属化
合物(メタロセン化合物)の具体的な例を示す。rac-ジ
メチルシリレン-ビス(4-フェニル-1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロ リド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4−フェニル-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナ
フチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニ
ル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4-(2-アントラセニル)-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-4-(9-アントラセニル)-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビ
ス(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)-1-インデ ニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビ
ス(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2
-メチル-4-(m-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-(o-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
(o,p-ジクロロフェニル) フェニル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-
メチル-4-(p-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-(p-トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-ト
リル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o-トリル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-
インデニル) ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)-1-イン
デニ ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)-1-インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-(p-ビフェニル)-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-
メチル-4-(m-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
(p-トリメチルシリルフェニル)-1-イ ンデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-(m-トリメチルシリルフェニル)-1-イ ンデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-エチル−4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウ ム
ジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-エチル-4
-フェニル-1-インデニル)ジルコニウ ムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2-フェニル-4-フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-n-プロピル-4- フェニル-1- インデニ
ル)ジルコ ニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-
ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジ-(i-プロピル)シリレン-ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジ-(n-ブチル)シリレン-ビス(2-メ
チル-4- フェニル-1- インデニル)ジ ルコニウムジクロ
リド、rac-ジシクロヘキシルシリレン-ビス(2-メチル-
4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェ
ニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
フェニルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリ
ル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェ
ニル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デ ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチレン-ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-エチレン-ビス(2-メチル-4- フェニ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルゲルミレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルスズ-ビ
ス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-
4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジル
コニウムメチルクロリド、rac−ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニ
ウムクロリドSO2Me、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
クロリドOSO2Meなど。
【0219】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。こ
のような式[D]で示される遷移金属化合物は、Journa
l of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨ
ーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書および実施
例に準じて、たとえば下記のようにして製造することが
できる。
【0220】
【化78】
【0221】このような遷移金属化合物[D]は、通常
ラセミ体として用いられるが、R体またはS体を用いる
こともできる。また本発明では、下記式[E−1]で示
されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0222】LaMX2 ・・・・[E−1] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケ
イ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル
基またはゲルミル基である。) このような式[E−1]で示される化合物のうちでも、
具体的に、下記式[E−2]で示される化合物が好まし
い。
【0223】
【化79】
【0224】・・・・[E−2] 式中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであ
り、Xは、上記と同様である。
【0225】CpはMにπ結合しており、かつ置換基Z
を有する置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸
素、イオウ、ホウ素または周期率表第IVA族の元素(た
とえばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)であり、Yは窒
素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、Zと
Yとで縮合環を形成してもよい。
【0226】このような式[E−2]で示される化合物
としては、具体的に、(ジメチル(t−ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメ
チル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2−エタンジイ
ル)チタンジクロリド、(ジベンジル(t−ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン)チタンジクロリド、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
ジベンジルチタン、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジメ
チルチタン、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5
-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジベンジ
ルチタン、((メチルアミド)(テトラメチル-η5-シ
クロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジネオペン
チルチタン、((フェニルホスフィド)(テトラメチル
5-シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチ
タン、(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル
5-シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタ
ジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-
η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、((テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,
2-エタンジイル)ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラ
メチル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレー
ト(2-))ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメチル-
シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-))
ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フル
オレン-9-イル)シクロヘキサノレート(2-))ジメチル
チタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-
イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジルジルチタ
ンなどが挙げられる。
【0227】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物は、2種以上組合わせて用いることもできる。上記説
明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物に
ついて例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフ
ニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
【0228】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、上
記メタロセン化合物[E−1]および[E−2]として
は、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも
2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有する
ジルコノセン化合物が好ましく用いられる。なお前記の
メタロセン化合物[VI]では、中心の金属原子がチタ
ンであることが好ましい。
【0229】これらメタロセン化合物は、炭化水素ある
いはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。また
上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体化合物と
接触させて用いることもできる。
【0230】担体化合物としては、Si O2 、Al2
3 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、TiO2 、Zn
O、SnO2 、BaO、ThOなどの無機担体化合物、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-
メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合
体などの樹脂を用いることができる。これらの担体化合
物は、二種以上組み合わせて用いることもできる。
【0231】次に、本発明で触媒[b](周期律表第IV
族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アル
ミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物と
からなる触媒)を形成する際に用いられる有機アルミニ
ウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物につい
て説明する。
【0232】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよ
く、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物であってもよい。
【0233】このような従来公知のアルミノオキサン
は、具体的には、下記一般式で表される。
【0234】
【化80】
【0235】(上記一般式において、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくは
メチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整
数である。) ここで、このアルミノオキサンは式(OAl(R1))で
表わされるアルキルオキシアルミニウム単位および式
(OAl(R2))で表わされるアルキルオキシアルミニ
ウム単位[ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭化水
素基を例示することができ、R1 およびR2 は相異なる
基を表わす]からなる混合アルキルオキシアルミニウム
単位から形成されていてもよい。
【0236】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造され、通常、芳香族炭化
水素溶媒の溶液として回収される。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などを懸濁した芳香族炭化水素溶
媒に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウ
ム化合物を添加して反応させて芳香族炭化水素溶媒の溶
液として回収する方法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなど
の有機アルミニウム化合物に直接水(水、氷または水蒸
気)を作用させて芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収
する方法。
【0237】これらの方法のうちでは、(1) の方法を採
用するのが好ましい。アルミノオキサンの溶液を製造す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、前
述したような有機アルミニウム化合物が挙げられ、具体
的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリte
rt- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、
トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、トリデシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアル
ミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリ
アルキルアルミニウム、一般式(i-C49xAl
y(C510z [式中、x、y、zは正の数であり、z
≧2xである。]で表わされるイソプレニルアルミニウ
ムなどのアルケニルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロ
リドなどのジアルキルアルミニウムハライド、ジエチル
アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライ
ド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコ
キシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0238】これらのうちでは、トリアルキルアルミニ
ウムが特に好ましい。上記のような有機アルミニウム化
合物は、単独であるいは組合せて用いられる。
【0239】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、たとえば、アルミノオキ
サンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを接触さ
せる方法、あるいは上記のような有機アルミニウム化合
物と水とを接触させる方法などによって得ることができ
る。
【0240】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物では、該化合物を赤外分光法
(IR)によって解析して、1220cm-1付近におけ
る吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における吸
光度(D1260)との比(D12 60/D1220)が、0.09
以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.04
〜0.07の範囲にあることが望ましい。
【0241】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、下記式で表されるアルキルオキ
シアルミニウム単位を有すると推定される。
【0242】
【化81】
【0243】式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基として、具体的には、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基などを例示することができる。これらの中でメチル
基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0244】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、上記式で表わされるアルキルオキシアル
ミニウム単位の他に、下記式で表わされるオキシアルミ
ニウム単位を含有していてよい。
【0245】
【化82】
【0246】式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子であ
る。また該R8 および上記式中のR7 は互いに異なる基
を表わす。
【0247】オキシアルミニウム単位を含有する場合に
は、アルキルオキシアルミニウム単位を30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウム単位
を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望ましい。
【0248】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機
化合物成分を含有していてもよい。イオン化イオン性化
合物としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合
物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0249】ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ
素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有
していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示
される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロ
ン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0250】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。
【0251】具体的に、トリアルキル置換アンモニウム
塩としては、たとえば トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,
p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウム
テトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素などが挙げられる。
【0252】N,N-ジアルキルアニリニウム塩としては、
たとえば N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、
N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、
N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素などが挙げられる。
【0253】ジアルキルアンモニウム塩としては、たと
えば ジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0254】さらにイオン性化合物として、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げること
もできる。
【0255】さらに、ボラン化合物としては、下記のよ
うな化合物を挙げることもできる。即ち、具体的には、
ボラン化合物としては、デカボラン(14);ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス
〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビ
ス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボ
レート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカ
クロロドデカボレートなどのアニオンの塩;およびトリ
(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドド
デカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカ
ボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオ
ンの塩などが挙げられる。
【0256】また、カルボラン化合物としては、4-カル
バノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(1
3)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイド
ライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、ドデカハ
イドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラン、ウンデ
カハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバノナボラ
ン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,7-ジカル
バウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド-7,8
-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデカハイド
ライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラン、トリ
(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレート、トリ
(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチルシリル
-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウ
ムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)
アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、トリ(n-
ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレー
ト(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカル
バウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ
(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-メチ
ル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)
アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウンデカ
ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイ
ドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレート、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9-
トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレート、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6
-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニオンの
塩;およびトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハ
イドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバル
ト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウ
ンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)
ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウン
デカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカ
ルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライ
ド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(II
I)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウ
ンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロ
ム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕
ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレー
ト)マンガン酸塩(IV) 、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウン
デカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-
カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金
属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0257】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
2種以上組合わせて用いてもよい。本発明においては、
有機アルミニウムオキシ化合物または上記イオン化イオ
ン性化合物は、上述した担体化合物に担持させて用いる
こともできる。
【0258】また触媒[b]を形成するに際しては、有
機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化
合物とともに前述した有機アルミニウム化合物を用いて
もよい。
【0259】本発明では、上記のような触媒[a](可
溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオ
キシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触
媒)の存在下に(i) エチレン、(ii)α−オレフィンおよ
び(iii)上記非共役トリエンまたはテトラエン(非共役
ポリエン)を、通常液相で共重合させる。この際、一般
に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレン等のα-オ
レフィンを溶媒として用いてもよい。
【0260】このような炭化水素溶媒としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導
体、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシ
クロヘキサンなどの脂環族炭化水素およびそのハロゲン
誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素およびクロロベンゼンなどのハロゲン誘導体など
が用いられる。これら溶媒は組み合わせて用いてもよ
い。
【0261】(i) エチレンと(ii)α−オレフィンと(ii
i)上記非共役ポリエンとは、バッチ法、あるいは連続法
いずれの方法で共重合されてもよい。共重合を連続法で
実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で用
いられる。
【0262】本発明において上記触媒[a]、すなわち
可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とか
らなる触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性バ
ナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモル
/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリ
モル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物
は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度
の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは
1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。また有機
アルミニウム化合物は、重合系内のバナジウム原子に対
するアルミニウム原子のモル比(Al /V)で、2以
上、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20の
量で供給される。
【0263】可溶性バナジウム化合物および有機アルミ
ニウム化合物は、通常、上述の炭化水素溶媒および/ま
たは液状の(ii)α−オレフィンおよび(iii)上記非共役
トリエンまたはテトラエン(非共役ポリエン)で希釈さ
れて供給される。この際、該可溶性バナジウム化合物は
上述した濃度に希釈されることが望ましいが、有機アル
ミニウム化合物は重合系内における濃度のたとえば50
倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されるこ
とが望ましい。
【0264】またメタロセン化合物と有機アルミニウム
オキシ化合物またはイオン化イオン性化合物(イオン性
イオン化化合物、イオン性化合物ともいう。)とからな
る触媒[b]が用いられる場合には、重合系内のメタロ
セン化合物の濃度は、通常、0.00005〜0.1ミ
リモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.000
1〜0.05ミリモル/リットルである。また有機アル
ミニウムオキシ化合物は、重合系内の遷移金属であるメ
タロセン化合物に対するアルミニウム原子のモル比(A
l/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜
5000の量で供給される。
【0265】イオン化イオン性化合物の場合は、重合系
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。また有機アルミニウム化合物が用いられる場合
には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合度
積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるよ
うな量で用いられる。
【0266】本発明において、(i) エチレンと(ii)α−
オレフィンと(iii)上記非共役ポリエンとを可溶性バナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
[a]の存在下に共重合させる場合には、共重合反応
は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ましくは−3
0℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃で、
圧力が0を超えて〜50Kg/cm2 、好ましくは0を超え
て〜20Kg/cm2 の条件下に行われる。
【0267】また本発明において、(i) エチレンと(ii)
α−オレフィンと(iii)上記非共役ポリエンとをメタロ
セン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオ
ン化イオン性化合物とからなる触媒[b]の存在下に共
重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−2
0℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好
ましくは0℃〜100℃で、圧力が0を超えて〜80Kg
/cm2 、好ましくは0を超えて〜50Kg/cm2 の条件下
に行なわれる。
【0268】また反応時間(共重合が連続法で実施され
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ま
しくは10分〜3時間である。
【0269】本発明では、(i) エチレン、(ii)α−オレ
フィンおよび(iii)上記非共役ポリエンは、上述のよう
な特定組成の不飽和性エチレン系共重合体が得られるよ
うな量で重合系に供給される。さらに共重合に際して
は、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0270】上記のようにして(i) エチレン、(ii)α−
オレフィンおよび(iii)上記非共役ポリエンを共重合さ
せると、不飽和性エチレン系共重合体は通常これを含む
重合液として得られる。この重合液は、常法により処理
され、不飽和性エチレン系共重合体が得られる。
【0271】[不飽和性エチレン系共重合体のグラフト
変性物]本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体は、
該不飽和性エチレン系共重合体に極性モノマーをグラフ
ト重合させることにより、変性して用いることができ
る。
【0272】本発明のグラフト変性された不飽和性エチ
レン系共重合体(グラフト変性不飽和性エチレン系共重
合体ともいう)は、ラジカル開始剤の存在下あるいは不
存在下に、上記のような不飽和性エチレン系共重合体
と、後述するような極性モノマーとを反応させることに
より得ることができる。
【0273】極性モノマーとしては、水酸基含有エチレ
ン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合
物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビ
ニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビ
ニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
【0274】具体的には、水酸基含有エチレン性不飽和
化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
-3-フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3-ク
ロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタン
モノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキ
シ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オー
ル、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メ
タ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、
グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、ア
リロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセ
リンモノアルコールなどが挙げられる。
【0275】アミノ基含有エチレン性不飽和化合物は、
エチレン性二重結合とアミノ基を有する化合物であり、
このような化合物としては、次式で表わされるアミノ基
または置換アミノ基を少なくとも1種類有するビニル系
単量体を挙げることができる。
【0276】
【化83】
【0277】式中、R1は水素原子、メチル基またはエ
チル基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜12、好
ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12、
好ましくは6〜8のシクロアルキル基である。なお上記
のアルキル基、シクロアルキル基は、さらに置換基を有
してもよい。
【0278】このようなアミノ基含有エチレン性不飽和
化合物としては、具体的には、(メタ)アクリル酸アミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル
およびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどの
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘
導体類;N-ビニルジエチルアミンおよびN-アセチルビニ
ルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;アリルアミ
ン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-
ジメチルアクリルアミン、およびN,N-ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミンなどのアリルアミン系誘導体;ア
クリルアミドおよびN-メチルアクリルアミドなどのアク
リルアミド系誘導体;p-アミノスチレンなどのアミノス
チレン類;6-アミノヘキシルコハク酸イミド、2-アミノ
エチルコハク酸イミドなどが用いられる。
【0279】エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物
は、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキシ基
を少なくとも1個以上有するモノマーであり、このよう
なエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具
体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエ
ステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、
クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イ
タコン酸のモノおよびグリシジルエステル、ブテントリ
カルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラ
コン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シ
ス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸
(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、
エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メチ
ル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノお
よびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよ
びジグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよび
ジアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエステ
ルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p-スチレン
カルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリ
シジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、
スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテ
ン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1
-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-
エポキシ-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキ
シドなどを例示することができる。
【0280】芳香族ビニル化合物としては、下記式で表
わされる化合物が挙げられる。
【0281】
【化84】
【0282】上記式において、R1およびR2は、それぞ
れ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
基を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基およびイソプロピル基を挙げることができる。ま
た、R3は炭素原子数1〜3の炭化水素基またはハロゲ
ン原子を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基およびイソプロピル基並びに塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子などを挙げることができる。また、
nは通常は0〜5、好ましくは1〜5の整数を表す。
【0283】このような芳香族ビニル化合物の具体的な
例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-ク
ロロスチレン、m-クロロスチレンおよびp-クロロメチル
スチレンが挙げられる。複素環芳香族ビニル化合物も使
用することができ、たとえば4-ビニルピリジン、2-ビニ
ルピリジン、5-エチル-2-ビニルピリジン、2-メチル-5-
ビニルピリジン、2-イソプロペニルピリジン、2-ビニル
キノリン、3-ビニルイソキノリン、N-ビニルカルバゾー
ル、N-ビニルピロリドンなどを挙げることができる。
【0284】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフ
タル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘
導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルな
ど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化
マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン
酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン
酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタ
ル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-
ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノ
エチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げる
ことができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、
無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプ
ロピルが好ましい。
【0285】ビニルエステル化合物の例としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、イソ酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、サ
リチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなど
を挙げることができる。
【0286】上記極性モノマーは、上記不飽和性エチレ
ン系共重合体100重量部に対して、通常は、0.1〜
100重量部、好ましくは0.5〜80重量部の量で使
用される。
【0287】ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あ
るいはアゾ化合物などを挙げることができる。有機過酸
化物の具体的な例としては、ジクミルパーオキサイド、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t
-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス
(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチル
パーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t
-ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイドおよび2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
m-トルイルパーオキサイドなどを挙げることができる。
また、アゾ化合物としてはアゾイソブチロニトリル、ジ
メチルアゾイソブチロニトリルなどを挙げることができ
る。
【0288】このようなラジカル開始剤は、上記不飽和
性エチレン系共重合体100重量部に対して、一般に
は、0.001〜10重量部の量で使用されることが望
ましい。
【0289】ラジカル開始剤は、そのまま不飽和性エチ
レン系共重合体および極性モノマーと混合して使用する
こともできるが、このラジカル開始剤を少量の有機溶媒
に溶解して使用することもできる。ここで使用される有
機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒
であれば特に限定することなく使用することができる。
このような有機溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよ
びキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカンなどの
脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのようなの脂環族
炭化水素系溶媒;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、
トリクロルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素およびテトラクロルエチレンなどの塩素化炭化
水素;メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-
プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびte
rt-ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メ
チルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどの
ケトン系溶媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレートな
どのエステル系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよ
びジオキシアニソールのようなエーテル系溶媒を挙げる
ことができる。
【0290】また本発明において、不飽和性エチレン系
共重合体をグラフト変性するに際して、還元性物質を用
いてもよい。還元性物質は、得られるグラフト変性不飽
和性エチレン系共重合体におけるグラフト量を向上させ
る作用を有する。
【0291】還元性物質としては、鉄(II)イオン、ク
ロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、パラジ
ウムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ンなどのほか、−SH、SO3H、−NHNH2、−CO
CH(OH)−などの基を含む化合物が挙げられる。
【0292】このような還元性物質としては、具体的に
は、塩化第一鉄、重クロム酸カリウム、塩化コバルト、
ナフテン酸コバルト、塩化パラジウム、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、ヒド
ラジン、エチルメルカプタン、ベンゼンスルホン酸、p-
トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0293】上記の還元性物質は、上記の不飽和性エチ
レン系共重合体100重量部に対して、通常は、0.0
01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の量で使
用される。
【0294】不飽和性エチレン系共重合体のグラフト変
性は、従来公知の方法で行うことができ、例えば不飽和
性エチレン系共重合体を有機溶媒に溶解し、次いで極性
モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、70
〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.
5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させること
により行われる。
【0295】不飽和性エチレン系共重合体をグラフト変
性する際に用いられる有機溶媒は、不飽和性エチレン系
共重合体を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定するこ
となく使用することができる。
【0296】このような有機溶媒としては、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒
などが挙げられる。
【0297】また、押出機などを使用して、無溶媒で、
不飽和性エチレン系共重合体と極性モノマーとを反応さ
せて、グラフト変性不飽和性エチレン系共重合体を製造
することができる。反応温度は、通常不飽和性エチレン
系共重合体の融点以上、具体的には120〜250℃の
範囲である。このような温度条件下における反応時間
は、通常0.5〜10分間である。
【0298】このようにして調製されたグラフト変性不
飽和性エチレン系共重合体中における極性モノマーから
誘導されるグラフト基のグラフト量は、通常は0.1〜
50重量%、好ましくは0.2〜30重量%の範囲内に
ある。
【0299】このようにして得られた変性不飽和性エチ
レン系共重合体は、金属および極性樹脂との接着性に優
れる。また、該変性不飽和性エチレン系共重合体を極性
樹脂とブレンドすることにより、その耐衝撃性、低温耐
衝撃性を改良することができる。
【0300】また変性不飽和性エチレン系共重合体を
(変性エチレン系ランダム共重合体)成型して得られた
成形体では、その成形体表面への印刷性、塗装性に優れ
ている。また、ポリオレフィンにガラス繊維、無機化合
物などの充填剤と共に該変性不飽和性エチレン系共重合
体(変性エチレン系ランダム共重合体)をブレンドする
ことにより、充填剤の分散性が改良された樹脂組成物を
得ることができる。このようにすれば、充填剤を配合す
る場合の利点が保持され、しかも機械強度が向上した樹
脂組成物を得ることができる。
【0301】[加硫可能なゴム組成物]上記のような不
飽和性エチレン系共重合体を含有する本発明に係るゴム
組成物は、加硫可能なゴム組成物であり(以下、加硫可
能なゴム組成物ともいう)、未加硫のままでも用いるこ
ともできるが、加硫物として用いるとより一層優れた特
性を発現することができる。
【0302】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、加
硫剤を使用して加熱する方法、あるいは加硫剤を用いず
に電子線を照射する方法により加硫することができる。
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、不飽和性エチレ
ン系共重合体とともに目的に応じて他の成分を適宜含有
することができるが、不飽和性エチレン系共重合体を、
全ゴム組成物中20重量%以上好ましくは25重量%以
上の量で含有していることが望ましい。ゴム組成物中に
おける不飽和性エチレン系共重合体の含有量がこの範囲
にある場合に、ゴム組成物としての良好な物性が発現す
る。
【0303】また他の成分としては、たとえば補強剤、
無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤(安定剤)、加工助
剤、さらには発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する
化合物、可塑剤、着色剤、発泡剤、他のゴム配合剤など
の種々の薬剤などを挙げることができる。他の成分は、
用途に応じてその種類、含有量が適宜選択されるが、こ
れらのうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを
用いることが好ましく、以下に、より具体的に示す。
【0304】補強剤および無機充填剤 補強剤としては、具体的に、SRF、GPF、FEF、
MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの
カーボンブラック、これらカーボンブラックをシランカ
ップリング剤などで表面処理したもの、シリカ、活性化
炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げら
れる。
【0305】無機充填剤としては、具体的に、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなど
が挙げられる。本発明に係るゴム組成物は、補強剤およ
び/または無機充填剤を、不飽和性エチレン系共重合体
100重量部に対して、通常300重量部以下、好まし
くは10〜300重量部、さらに好ましくは10〜20
0重量部の量で含有することができる。
【0306】このような量の補強剤を含有するゴム組成
物からは、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的
性質が向上された加硫ゴムが得られる。また無機充填剤
を上記のような量で配合すると、加硫ゴムの他の物性を
損なうことなく硬度を高くすることができ、またコスト
を引き下げることができる。
【0307】軟化剤 軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広
く用られ、具体的に、プロセスオイル、潤滑油、パラフ
ィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンな
どの石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ
などのコールタール系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナ
タネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サ
ブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸
および脂肪酸塩、石油樹脂、アタクチックポリプロピレ
ン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質などが
用いられる。
【0308】これらのうちでも石油系軟化剤が好まし
く、特にプロセスオイルが好ましい。本発明に係るゴム
組成物は、上記のような軟化剤を、不飽和性エチレン系
共重合体100重量部に対して通常200重量部以下、
好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは10
〜150重量部、特に好ましくは10〜100重量部の
量で含有することができる。
【0309】酸化防止剤 本発明に係るゴム組成物は、酸化防止剤を含有している
と材料寿命を長くすることができて好ましい。この酸化
防止剤としては、具体的に、フェニルナフチルアミン、
4,4'-(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンなどの
芳香族第二アミン系安定剤、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェノール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブ
チル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
などのフェノール系安定剤、ビス[2-メチル-4-(3-n-ア
ルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]
スルフィドなどのチオエーテル系安定剤、2-メルカプト
ベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系安定
剤、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオ
カルバミン酸塩系安定剤、2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒ
ドロキノリンの重合物などのキノリン系安定剤などが挙
げられる。これらは2種以上併用することもできる。
【0310】このような酸化防止剤は、不飽和性エチレ
ン系共重合体100重量部に対して、5重量部以下好ま
しくは3重量部以下の量で適宜用いることができる。加工助剤 加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合
されるものを広く使用することができる。具体的には、
リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン
酸などの酸、これら高級脂肪酸の塩たとえばステアリン
酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ムまたはエステル類などが挙げられる。
【0311】加工助剤は、不飽和性エチレン系共重合体
100重量部に対して、10重量部以下好ましくは5重
量部以下の量で適宜用いることができる。加硫剤 また本発明に係るゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、ゴム組成物中に通常加硫剤、加硫促進剤、加硫助
剤などの加硫系を構成する化合物を配合する。
【0312】加硫剤としては、イオウ、イオウ系化合物
および有機過酸化物などを用いることができる。イオウ
の形態は特に限定されず、たとえば粉末イオウ、沈降イ
オウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ
などを用いるこができる。
【0313】イオウ系化合物としては、具体的には、塩
化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリン
ジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバ
ミン酸セレンなどが挙げられる。
【0314】また有機過酸化物としては、具体的には、
ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミル
パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパー
オキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-
ブチルパーオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチ
ルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルヒ
ドロパーオキサイドなどのアルキルパーオキサイド類、
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイ
ソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチ
ルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカ
ノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t-ブ
チルパーオキシフタレートなどのパーオキシエステル
類、ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパ
ーオキサイド類が挙げられる。これらは2種以上組合わ
せて用いてもよい。
【0315】これらのうちでは、1分半減期温度が13
0℃〜200℃である有機過酸化物が好ましく、具体的
にジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミル
パーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどが
好ましい。
【0316】本発明では、上記のような各種加硫剤のう
ちでも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用
いると優れた特性のゴム組成物を得ることができるため
好ましい。
【0317】加硫剤がイオウまたはイオウ系化合物であ
るときには、不飽和性エチレン系共重合体100重量部
に対して、0.1〜10重量部好ましくは0.5〜5重量
部の量で用いることができる。
【0318】また加硫剤が有機過酸化物であるときに
は、不飽和性エチレン系共重合体100グラムに対し
て、0.0003〜0.05モル好ましくは0.001〜
0.03モルの量で用いることができる。
【0319】加硫促進剤 また加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を用いる場
合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
【0320】加硫促進剤としては、具体的に、N-シクロ
ヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CB
S)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾール
スルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、2-
メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-(2,4-ジニ
トロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-
ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベ
ンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系化合物、
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオ
ルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイ
ド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン
化合物、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルア
ルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミ
ン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミ
ンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物、2-メルカプ
トイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物、チオカル
バニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、
トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリアなど
のチオユリア系化合物、テトラメチルチウラムモノスル
フィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテト
ラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
ィド(DPTT)などのチウラム系化合物、ジメチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェ
ニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチ
オカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系化合物、ジブ
チルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系化合物、亜
鉛華などが挙げられる。
【0321】上記のような加硫促進剤は、不飽和性エチ
レン系共重合体100重量部に対して、0.1〜20重
量部好ましくは0.2〜10重量部の量で用いることが
望ましい。
【0322】加硫助剤 また加硫剤として有機過酸化物を用いる場合には、加硫
助剤を有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル好ま
しくはほぼ等モルの量で併用することが好ましい。
【0323】加硫助剤としては、具体的には、イオウ、
p-キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物、
および特に多官能性モノマー、たとえばトリメチロール
プロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレートなどの(メタ)アクリレート系化合物、
ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのア
リル系化合物、m-フェニレンビスマレイミドなどのマレ
イミド系化合物、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0324】発泡剤 本発明に係るゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発
泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形す
ることができる。
【0325】発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形
する際に用いられる発泡剤を広く使用することができ、
具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウ
ムなどの無機発泡剤、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソ
テレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテ
トラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカル
ボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニル
スルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニ
ルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4-ジフェニ
ルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド
などのアジド化合物が挙げられる。
【0326】これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ
化合物、アジド化合物が好ましい。発泡剤は、不飽和性
エチレン系共重合体100重量部に対して、0.5〜3
0重量部好ましくは1〜20重量部の量で用いることが
できる。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物か
らは、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3 の発泡体を製
造することができる。
【0327】また発泡剤とともに発泡助剤を用いること
もでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低
下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このよ
うな発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステア
リン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体
などが挙げられる。
【0328】発泡助剤は、不飽和性エチレン系共重合体
100重量部に対して0.01〜10重量部好ましくは
0.1〜5重量部の量で用いることができる。他のゴム 本発明に係るゴム組成物は、本発明の目的を損なわない
範囲で、公知の他のゴムを含んでいてもよい。
【0329】このような他のゴムとしては、天然ゴム
(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系
ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジエン
ゴム(SBR)、アクリロニトリル- ブタジエンゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエ
ン系ゴムを挙げることができる。
【0330】さらに従来公知のエチレン・α−オレフィ
ン系共重合ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン
・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記の不飽
和性エチレン系共重合体以外のエチレン・α-オレフィ
ン・ポリエン共重合体、例えばEPDMなどを用いるこ
とができる。
【0331】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、不
飽和性エチレン系共重合体および上記のような他の成分
から、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製する
ことができる。たとえばバンバリーミキサー、ニーダ
ー、インターミックスのようなインターナルミキサー類
を用いて、不飽和性エチレン系共重合体および他の成分
を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、
必要に応じて加硫剤、加硫促進剤または加硫助剤などを
加えて、オープンロールなどのロ−ル類あるいはニーダ
ーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混
練した後、分出しすることにより調製することができ
る。このようにして通常リボン状またはシート状のゴム
組成物(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミ
キサー類での混練温度が低い場合には、加硫剤、加硫促
進剤、発泡剤などを同時に混練することもできる。
【0332】[加硫ゴム]本発明に係るゴム組成物の加
硫物(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物
を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、イ
ンジェクション成形機、トランスファー成形機など種々
の成形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にま
たは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは
電子線を照射することにより加硫して得ることができ
る。
【0333】上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波
電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱
形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜
30分間加熱することが好ましい。
【0334】また加硫剤を使用せずに電子線照射により
加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1
〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギ
ーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mra
d、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射
すればよい。
【0335】成形・加硫に際しては、金型を用いてもよ
く、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合
には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。上
記のように成形・加硫された加硫ゴムは、ウェザースト
リップ、ドアーグラスランチャンネル、窓枠、ラジエー
タホース、ブレーキ部品、ワイパーブレードなどの自動
車工業部品、ゴムロール、ベルト、パッキン、ホースな
どの工業用ゴム製品、アノ−ドキャップ、グロメットな
どの電気絶縁材、建築用ガスケット、土木用シートなど
の土木建材用品、ゴム引布などの用途に用いることがで
きる。
【0336】また発泡剤を含有するゴム配合物を加熱発
泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッション
材、シーリング材などの用途に用いることができる。以
下に前記の分岐鎖状ポリエン[Ib](分岐鎖状トリエ
ンまたはテトラエン[Ib])の製造方法について詳説
する。
【0337】分岐鎖状ポリエン[Ib]の製造方法 本発明で用いられる上記式[H−1]で表されるポリエ
ンの内で、p=1、q=0である分岐鎖状トリエンまた
はテトラエン[Ib]は、通常、エチレンと下記式[H
−1a]で示される共役ジエン化合物[H−1a]とを反
応させることにより合成される。
【0338】
【化85】
【0339】・・・・[H−1a] (式[H−1a]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、
前記式[H−1]の場合に同じ。) なおエチレンと上記式[H−1a]で示される共役ジエ
ン化合物との反応の際に副生することのある下記式[H
−1b]で示される鎖状ポリエンは、通常、蒸留によっ
て分離することができる。ただし、両者を分離すること
なく、重合に供することもできる。
【0340】
【化86】
【0341】・・・・[H−1b] (式[H−1b]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、
前記式[H−1a]の場合に同じ。) さらに具体的に説明すると、本発明で用いられる分岐鎖
状ポリエン[Ib]は、例えば、下記式[I-a]で示さ
れる共役ジエンを有する化合物(以下共役ジエン化合物
[I-a]ともいう)とエチレンとを反応させることによ
り製造することができる。
【0342】
【化87】
【0343】・・・・[I-a] (式中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
あり、R7は炭素数1〜5のアルキル基であり、R8およ
びR9はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5
のアルキル基である。) 上記のような炭素数1〜5のアルキル基としては、メチ
ル基など前記式[Ib]の場合と同様な基が挙げられ
る。
【0344】このような式[I-a]で示される共役ジエ
ン化合物としては、具体的にたとえば、下記(1)〜
(24)に例示するような化合物が挙げられる。 (1):3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、(2):6-メ
チル-3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、(3):6-メチル
-3-メチレン-1,5-オクタジエン、(4):6-エチル-3-
メチレン-1,5-オクタジエン、(5):5,6-ジメチル-3-
メチレン-1,5-ヘプタジエン、(6):5,6-ジメチル-3-
メチレン-1,5-オクタジエン、(7):3-メチレン-1,5-
ノナジエン、(8):6-メチル-3-メチレン-1,5-ノナジ
エン、(9):6-メチル-5-プロピル-3-メチレン-1,5-
ヘプタジエン、(10):3-メチレン-1,6-オクタジエ
ン、(11):7-メチル-3-メチレン-1,6-オクタジエ
ン、(12):3-メチレン-1,6-デカジエン、(1
3):7-メチル-3-メチレン-1,6-デカジエン、(1
4):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-オクタジエン、
(15):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-ノナジエン、
(16):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-デカジエン、
(17):7-メチル-6-エチル-3-メチレン-1,6-デカジ
エン、(18):6,7-ジエチル-3-メチレン-1,6-ノナジ
エン、(19):8-メチル-3-メチレン-1,7-ノナジエ
ン、(20):7,8-ジメチル-3-メチレン-1,7-ノナジエ
ン、(21):9-メチル-3-メチレン-1,8-デカジエン、
(22):8,9-ジメチル-3-メチレン-1,8-デカジエン、
(23):10-メチル-3-メチレン-1,9-ウンデカジエ
ン、(24):9,10-ジメチル-3-メチレン-1,9-ウンデ
カジエン。
【0345】上記反応によると、分岐鎖状ポリエン[I
b]は、通常、トランス体とシス体との混合物として得
られるが、一方の立体異性体が単一物として得られるこ
ともある。分岐鎖状ポリエン[Ib]の構造によって
は、蒸留によってトランス体とシス体とを分離すること
ができる。ただし、両者を分離することなく重合に供す
ることもできる。
【0346】また上記反応によれば、分岐鎖状ポリエン
とともに一般式[I-b]で示される下記のような鎖状ポ
リエン化合物も副生することがある。
【0347】
【化88】
【0348】・・・・[I-b] (式[I-b]中、f、g、R7、R8およびR9は式[I-
a]の場合に同じ。) この副生物は、通常、蒸留によって分離することができ
る。ただし、副生物を分離することなく、重合に供する
こともできる。
【0349】上記のような共役ジエン化合物[I-a]と
エチレンとの反応は、共役ジエンを有する化合物[I-
a]によっても異なるが、通常50〜200℃好ましく
70〜150℃の温度で、エチレン圧0.5〜100kg
/cm2、好ましくは1〜100kg/cm2さらに好ましくは
5〜70kg/cm2 の圧力下に、0.5〜30時間行われ
る。エチレンは、反応容器に連続して加えてもよく、ま
た、間欠的に加えてもよい。
【0350】この反応は、窒素、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気下で行ってもよい。また溶媒を使用しないで
この反応を行なうことができるが、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、トルエン、キシレンなどの不活性な炭
化水素系溶媒の共存下にこの反応を行なうこともでき
る。
【0351】この反応は、通常触媒の存在下に行なわれ
る。特にこの反応を、遷移金属化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒の存在下に行なうと、分岐鎖状
ポリエン[Ib]が効率よく得られる。
【0352】このような遷移金属化合物としては、具体
的に、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウ
ム、ニッケル、パラジウムなどの周期律表第VIII族から
選ばれる遷移金属の塩化物、臭化物、アセチルアセトナ
ート塩、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトナ
ート塩、ジピバロイルメタン塩などが挙げられる。これ
らのうち、コバルト、鉄、ニッケル、ロジウム、パラジ
ウムの化合物(塩化物)が好ましく、特にコバルト化合
物(塩化物)が好ましく、最も好ましくは塩化コバルト
を挙げることができる。
【0353】このような遷移金属化合物(たとえば遷移
金属塩化物)は、そのままでも触媒の調製のための反応
に用いることができるが、触媒の調製に際しては、この
遷移金属化合物に有機配位子が配位した遷移金属錯体と
して用いることが好ましい。すなわちこの遷移金属化合
物とともに遷移金属の配位子となりうる有機化合物(配
位化合物)を反応系に共存させるか、あるいは予め遷移
金属化合物と上記のような配位化合物とから遷移金属錯
体を形成して、触媒調製反応に使用するのが好ましい。
【0354】このような配位子となりうる化合物として
は、たとえば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスフィン、トリ
ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、シクロオ
クタジエン、シクロオクタテトラエンなどが挙げられ
る。
【0355】また予め遷移金属化合物に有機配位子が配
位された錯体としては、[1,2-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]コバルト(II)クロリド、[1,2-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)クロリド、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド
などが好ましく用いられる。
【0356】また有機アルミニウム化合物としては、前
述したようなものを用いることができ、トリエチルアル
ミニウムが好ましく用いられる。有機アルミニウム化合
物は、そのまま用いてもよく、またトルエン溶液あるい
はヘキサン溶液にして用いることもできる。
【0357】上記の共役ジエンを有する化合物[I-a]
とエチレンとの反応においては、遷移金属化合物は、共
役ジエンを有する化合物[I-a]に対して、好ましくは
0.001〜10モル%の量で、特に好ましくは0.01
〜1モル%の量で用いられる。 また配位化合物は、遷
移金属化合物に対して、0〜20モル倍の量で用いられ
ることが好ましく、特に0.1〜5モル倍の量で用いら
れることが好ましい。
【0358】有機アルミニウム化合物は、遷移金属化合
物に対して、1〜200モル倍の量で用いられることが
好ましく、特に3〜100モル倍の量で用いられること
が好ましい。
【0359】本発明では、上記の共役ジエンを有する化
合物[I-a]とエチレンとを含む反応系において、上記
のような遷移金属化合物(または遷移金属錯体)と有機
アルミニウム化合物とをその場で反応させて調製しても
よいが、予め遷移金属化合物(または遷移金属錯体)と
有機アルミニウム化合物とを接触させて得られた反応生
成物を、触媒として用いることが好ましい。
【0360】すなわち、触媒は、例えば、不活性雰囲気
下、前記反応溶剤と同じ溶剤中、例えばデカン中で遷移
金属化合物と配位化合物とを室温で混合した後、これに
有機アルミニウム化合物を加え、室温で攪拌することに
よって調製することができる。
【0361】特に、上記式[H−1]において炭素炭素
二重結合が4個[換言すれば、式[H−1]においてR
9が−(CH2n-CR10=R1112のもの]である、本
発明で用いられる分岐鎖状テトラエン[Ib’](分岐
鎖状ポリエン[Ib’])は、例えば、上記エチレンと
式[I-a]で示される共役ジエン化合物との反応で、こ
の式[I-a]で示される共役ジエン化合物に代えて、例
えば、下記式[I-aa]で示される共役ジエン化合物を用
いればよい。
【0362】
【化89】
【0363】・・・・[I-aa] (式[I-aa]中、fは0〜5、gは1〜6好ましくは1
〜3の整数を示し、nは1〜5の整数を示し、R7〜R
11は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5、
好ましくは1〜3のアルキル基を示し、R12は、炭素数
1〜5のアルキル基を示す。) なお、この反応の際には、特にエチレンを通常0.5〜
100kg/cm2、好ましくは1〜50kg/cm2
圧力下に反応容器に加えることが望ましい。その他の条
件はエチレンと上記式[I-a]で示される共役ジエン化
合物との反応の場合と同様である。
【0364】なお、エチレンとこの共役ジエン化合物
[I-aa]との反応で、分岐鎖状ポリエン[Ib’]と共
に、下記式[I-bb]で示される鎖状ポリエン化合物が副
生することがある。この場合には、該副生物は前記と同
様にして分離除去すればよい。ただし、副生物を分離せ
ずに、重合に供することもできる。
【0365】
【化90】
【0366】・・・・[I-bb] (式[I-bb]中、f、g、n、R7〜R12は上記式[I-a
a]の場合に同じ。)
【0367】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性、耐熱性、耐オ
ゾン性に優れしかも加硫速度の速い不飽和性エチレン系
共重合体が得られる。
【0368】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限
定されるものではない。
【0369】
【参考例1】6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン
(DMUT)の合成 [p=0,q=1,f=1,g=2、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:17個]
【0370】
【化91】
【0371】スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロー
ト及び温度計を備えた容量1リットルの三口フラスコの
中に、窒素雰囲気下で攪拌しながら、削り状マグネシウ
ム金属25.5g(1.05グラム原子)、無水ジエチ
ルエーテル200mlおよび200mgの1,2−ジブ
ロモエタンを入れ、その中に臭化アリル127g(1.
05モル)の無水ジエチルエーテル(200ml)溶液
を少量滴下した。
【0372】フラスコ内容物の発熱が始まり臭化アリル
マグネシウム(グリニアール試薬)が生成し始めた後
に、無水ジエチルエーテル400mlをフラスコ内に追
加し、さらに残りの臭化アリルの無水ジエチルエーテル
溶液を氷浴下、5時間かけてフラスコ内に滴下し(フラ
スコ内部温度5℃以下)した。この臭化アリルの無水ジ
エチルエーテル溶液の滴下終了後、さらに0.5時間攪
拌を続けて、臭化アリルマグネシウム溶液を得た。
【0373】得られた臭化アリルマグネシウム溶液中に
残存する不溶物をデカンテーションして除去し、窒素雰
囲気下の2リットル容量三口フラスコに移液した。この
ように臭化アリルマグネシウム溶液が入れられた三口フ
ラスコを氷浴で冷却しながら、このフラスコ内に、臭化
ゲラニル150g(0.69モル)の無水ジエチルエー
テル200ml溶液をフラスコ内部温度5℃以下に保持
しつつ2時間かけて滴下した。
【0374】臭化ゲラニルの無水ジエチルエーテル溶液
の滴下終了後、さらに室温で8時間攪拌した。得られた
反応混合物を氷浴で冷やしながら、この反応混合物内に
飽和塩化アンモニウム水溶液を徐々に滴下し、さらにジ
エチルエーテルおよび水を加えて有機層と水層とに分液
した。
【0375】有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた乾燥物
から溶媒を留去し、残査を減圧蒸留すると、目的物であ
る6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン
(DMUT)が104g得られた(収率85%、臭化ゲ
ラニル基準)。
【0376】得られた6,10−ジメチル−1,5,9
−ウンデカトリエン(DMUT)の性状、および物性を
以下に示す。 (i) 性状:無色油状。 (ii) 沸 点:58−60℃/2mmHg。 (iii) MSスペクトル: 178(M+:分子イオンピー
ク)。 (iv) 1HNMRスペクトル(CDCl3溶液): δ1.64(6H,singlet) 1.70(3H,singlet) 2.1 (8H,multiplet) 5.0 (4H,multiplet) 5.8 (1H,multiplet)。 (v) IRスペクトル(neat, cm-1): 3075, 2970, 2920, 2850, 1640, 1440, 1380, 1105, 99
5, 905。
【0377】
【参考例2】5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMD
T)の合成 [p=0,q=1,f=0,g=2、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:15個]
【0378】
【化92】
【0379】スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロー
ト及び温度計を備えた容量1リットルの三口フラスコの
中に、窒素雰囲気下、0.87モル/リットルのビニル
マグネシウムブロミドの無水テトラヒドロフラン溶液5
00ml(0.435モル)を入れ、フラスコ内容物を
氷浴で冷却した。
【0380】次に、フラスコ内容物を攪拌しながら、こ
のフラスコ内に臭化ゲラニル75g(0.346モル)
の無水テトラヒドロフラン溶液100mlを30分間か
けて滴下し、さらに8時間室温で攪拌した。
【0381】得られた反応混合物を氷浴で冷やしなが
ら、このフラスコ内に飽和塩化アンモニウム水溶液を徐
々に滴下し、さらにジエチルエーテルおよび水を加えて
有機層と水層とに分液した。
【0382】分取された有機層を飽和重曹水、飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られ
た乾燥物中の溶媒を留去し、残査を減圧蒸留すると、目
的物である5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエ
ン(DMDT)が21.9g得られた(収率39%、臭
化ゲラニル基準)。
【0383】得られた5,9−ジメチル−1,4,8−
デカトリエン(DMDT)の性状、および物性を以下に
示す。 (i) 性状:無色油状。 (ii) 沸 点:56−58℃/2mmHg。 (iii) MSスペクトル: 164(M+)。 (iv) 1HNMRスペクトル(CDCl3溶液): δ1.64(6H,singlet) 1.70(3H,singlet) 2.04(4H,singlet) 2.76(2H,multiplet) 5.0 (4H,multiplet) 5.8 (1H,multiplet)。 (v) IRスペクトル(neat): 3075, 2970, 2920, 2850, 1640, 1440, 1380, 1105, 99
5, 905。
【0384】
【実施例1】攪拌翼を備えた容量2リットルの重合器を
用いて、エチレンとプロピレンと参考例1で合成した
6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン
(DMUT)との三元共重合反応を連続的に行った。
【0385】この共重合反応は、以下のようにして行っ
た。すなわち、重合器上部からDMUTのトルエン溶液
を重合器内での濃度が80ミリモル/リットルとなるよ
うに毎時0.5リットルの量で、触媒としてビス(1,
3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドのトルエン溶液を重合器内でのジルコニウム濃度
が0.02ミリモル/リットルとなるように毎時0.5
リットルの量で、助触媒としてのメチルアルミノキサン
[ −Al(Me)−O− ]のトルエン溶液を重合器内で
のアルミニウム濃度が10.0ミリモル/リットルとな
るように毎時0.5リットルの量で、およびトルエンを
毎時0.5リットルの量で、それぞれ重合器内に連続的
に供給した。
【0386】一方、重合器上部から、重合器内の重合液
の量が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜
き出しその平均滞留時間が30分となるようにした。ま
た重合系にバブリング管を用いてエチレンを毎時100
リットル、プロピレンを毎時140リットルの速度で供
給した。共重合反応は、重合器外部にとりつけられたジ
ャケットに冷媒を循環させることにより20℃の温度で
行った。
【0387】上記条件で共重合反応を行ったところ、エ
チレン・プロピレン・DMUT共重合体が含まれた重合
溶液が得られた。得られた重合溶液については、塩酸を
用いて脱灰した後、得られた脱灰処理済みの重合液を大
量のメタノール中に投入して、ポリマー(エチレン・プ
ロピレン・DMUT共重合体)を析出させた。その後、
100℃の温度で24時間減圧乾燥を行なった。
【0388】以上のようにしてエチレン・プロピレン・
DMUT共重合体を毎時123gの量(すなわち、ポリ
マー濃度61.5g/リットル)で得た。得られたエチ
レン・プロピレン・DMUT共重合体には、エチレン単
位が71.3モル%の量で、プロピレン単位が27.6
モル%の量で、DMUT単位が1.1モル%の量で含有
されており、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比
(エチレン単位/プロピレン単位)は72/28(モル
比)であった。また、このエチレン・プロピレン・DM
UT共重合体の極限粘度[η](デカリン中、135℃
で測定。以下同じ。)は1.5dl/gであった。
【0389】次いで、得られたこのエチレン・プロピレ
ン・DMUT共重合体100重量部と、亜鉛華1号5重
量部と、ステアリン酸1重量部と、N330[商品名:
シースト3,東海カーボン(株)製]80重量部と、オ
イル[商品名:サンセン4240,サンオイル(株)
製]50重量部と、加硫促進剤A[商品名:ノクセラー
TT,大内新興化学(株)製]1.0重量部と、加硫促
進剤B[商品名:ノクセラーM,大内新興化学(株)
製]0.5重量部と、硫黄1.5重量部とを含む表1に
示す組成物を、6インチオープンロールにより混練し、
未加硫の配合ゴムを得た。
【0390】この配合ゴムの加硫速度を評価したとこ
ろ、T90(分)は、4.7となった。結果をあわせて表
2に示す。なお、加硫速度は、JSRキュラストメータ
ー3型(日本合成ゴム(株)社製)を用いて測定し、加
硫曲線から得られるトルクの最低値MLと最高値MHの
差をME(MH−ML=ME)とし、90%MEに到達
する時間:T90(分)を以て評価した。
【0391】また、表1に示す配合組成で配合して得ら
れた未加硫の配合ゴムを160℃でT90(分)+5分の
条件でプレス成形した。未加硫配合ゴムのT90(分)お
よび得られた加硫ゴムの物性としての100%、200
%、300%モジュラス(M100、M200、M30
0)、引張強度(TB)、伸び(EB)、硬度(HS)を
測定し、表2にまとめた。
【0392】測定法はJIS K 6301に準拠し
た。
【0393】
【表1】
【0394】
【実施例2】実施例1において、DMUTに代えて参考
例2で合成したDMDTを用いた以外は、実施例1と同
様にして、エチレン・プロピレン・DMDT共重合体を
毎時110gの量(すなわち、ポリマー濃度55.0g
/リットル)で得た。
【0395】得られたエチレン・プロピレン・DMDT
共重合体には、エチレン単位は69.0モル%の量で、
プロピレン単位は28.5モル%の量で、DMDT単位
は2.5モル%の量で含有されており、エチレン単位と
プロピレン単位とのモル比(エチレン単位/プロピレン
単位)は、71/29(モル比)であった。また、この
エチレン・プロピレン・DMDT共重合体の極限粘度
[η]は、1.42dl/gであった。
【0396】ついで、実施例1におけるエチレン・プロ
ピレン・DMUT共重合体に代えて、上記のエチレン・
プロピレン・DMDT共重合体を用いた以外は実施例1
と同様にして、未加硫の配合ゴムを得た。
【0397】この配合ゴムの加硫速度を評価したとこ
ろ、T90(分)は、5.2となった。また、表1におい
て、実施例1におけるエチレン・プロピレン・DMUT
共重合体に代えて、上記のエチレン・プロピレン・DM
DT共重合体を用いた以外は実施例1と同様の配合組成
で配合して得られた未加硫の配合ゴムを160℃でT90
(分)+5分の条件でプレス成形した。未加硫配合ゴム
のT90(分)および得られた加硫ゴムの物性としてのモ
ジュラス(M)、引張強度(TB)、伸び(EB)、硬度
(HS)を測定し、表2にまとめた。
【0398】結果をあわせて表2に示す。
【0399】
【比較例1】5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB) [全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子に直接
結合した水素原子の総数:7個]攪拌翼を備えた容量2
リットルの重合器を用いて、連続的にエチレンとプロピ
レンと5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)との共
重合反応を行った。
【0400】この共重合反応は、以下のようにして行っ
た。すなわち、重合器上部からENBのヘキサン溶液
(7.1g/リットル)を毎時0.5リットルの量で、
触媒としてVO(OC25)Cl2のヘキサン溶液
(0.8ミリモル/リットル)を毎時0.5リットルの
量で、助触媒としてエチルアルミニウムセスキクロリド
(Al(C251.5Cl1.5)のヘキサン溶液(8.0
ミリモル/リットル)を毎時0.5リットルの量で、お
よびヘキサンを毎時0.5リットルの量で、それぞれ重
合器内に連続的に供給した。
【0401】一方、重合器上部から、重合器内の重合液
の量が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜
き出した。また重合系にバブリング管を用いてエチレン
を毎時120リットルの量で、プロピレンを毎時180
リットルの量で、水素を毎時5リットルの量(速度)で
供給した。共重合反応は、重合器外部にとりつけられた
ジャケットに冷媒を循環させることにより30℃の温度
で行った。
【0402】上記条件で共重合反応を行うと、エチレン
・プロピレン・ENB共重合体を含む重合溶液が得られ
た。得られた重合溶液については、塩酸にて脱灰した後
に、大量のメタノールに投入して、ポリマー(エチレン
・プロピレン・ENB共重合体)を析出させた後、10
0℃の温度で24時間減圧乾燥を行なった。
【0403】以上のようにしてエチレン・プロピレン・
ENB共重合体を毎時、64.8gの量で得た。得られ
たエチレン・プロピレン・ENB共重合体には、エチレ
ン単位含量が66.8モル%の量で、プロピレン単位含
量が31.4モル%の量で、ENB単位含量が1.8モ
ル%で含有されており、エチレン単位とプロピレン単位
とのモル比(エチレン単位/プロピレン単位)は68/
32(モル比)であった。また、エチレン・プロピレン
・ENB共重合体の極限粘度[η]は、2.2dl/g
であった。
【0404】得られたエチレン・プロピレン・ENB共
重合体を用いて、実施例1と同様にして加硫速度を評価
したところ、T90(分)は、11.2となった。結果を
あわせて表2に示す。
【0405】
【実施例3】攪拌翼、ガス吹き込み管を備えた容量2.
0リットルの重合器を用いて、エチレンとプロピレンと
参考例1で得られたDMUTとの三元共重合反応を行っ
た。
【0406】この共重合反応は、以下のようにして行っ
た。すなわち、窒素流通下、重合器に脱水乾燥したトル
エン800ミリリットル、DMUTを系内の濃度で12
0ミリモル/リットルとなるように装入した。この重合
器内溶液の温度を20℃に保ち、エチレンを毎時100
リットルの量で、プロピレンを毎時140リットルの量
でそれぞれ連続的に導入した。
【0407】メチルアルモキサンのトルエン溶液(アル
ミニウム原子に換算して0.72ミリモル/ミリリット
ル)を11.1ミリリットル、ビス(1,3-ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン
溶液(0.005ミリモル/ミリリットル)を3.2ミ
リリットル装入して重合を開始した。
【0408】20℃で80分間重合を行なった後、少量
のイソブチルアルコールを重合器内に添加して重合を停
止した。得られた重合溶液を塩酸で洗浄(脱灰)したの
ち、大量のメタノール中に投入し、エチレン・プロピレ
ン・DMUT共重合体を析出させた。
【0409】ついで析出したエチレン・プロピレン・DM
UT共重合体を回収し、100℃で一昼夜減圧乾燥し
た。以上のようにしてエチレン・プロピレン・DMUT
共重合体が、64.6g得られた。
【0410】得られたエチレン・プロピレン・DMUT
共重合体には、エチレン単位が68.5モル%の量で、
プロピレン単位が28.3モル%の量で、DMUT単位
が3.2モル%の量で含有されており、エチレン単位と
プロピレン単位とのモル比(エチレン単位/プロピレン
単位)は71/29(モル比)であった。このエチレン
・プロピレン・DMUT共重合体の極限粘度[η]は、
1.35dl/gであった。
【0411】実施例1で用いたエチレン・プロピレン・
DMUT共重合体に代えて、上記したようにして得られ
たエチレン・プロピレン・DMUT共重合体を用いた以
外は、実施例1と同様にして未加硫の配合ゴムを調製
し、この配合ゴムの加硫速度を評価したところ、T90
(分)は、4.1となった。
【0412】また、表1において、実施例1におけるエ
チレン・プロピレン・DMUT共重合体に代えて、上記
のエチレン・プロピレン・DMUT共重合体を用いた以
外は実施例1と同様の配合組成で配合して得られた未加
硫の配合ゴムを160℃でT90(分)+5分の条件でプ
レス成形した。未加硫配合ゴムのT90(分)および得ら
れた加硫ゴムの物性としてのモジュラス(M)、引張強
度(TB)、伸び(EB)、硬度(HS)を測定し、表2
にまとめた。
【0413】結果を表2にあわせて示す。
【0414】
【表2】
【0415】
【参考例3】 [触媒の調製]アルゴン雰囲気下、スターラー攪拌子を
入れた50mlフラスコ中に、無水塩化コバルト(II)4
3mg(0.33ミリモル)、1,2-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン263mg(0.66ミリモル)およ
び無水デカン23mlを入れ、25℃で2時間攪拌し
た。次いで25℃で、濃度1モル/リットルのトリエチ
ルアルミニウム/トルエン溶液 17ml(トリエチル
アルミニウム17ミリモル)を加えて2時間攪拌するこ
とにより触媒を調製した。
【0416】[4-エチリデン-8-メチル-1,7- ノナジエ
ン(EMN)の合成] [p=1,q=0,f=1,g=1、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:15個]
【0417】
【化93】
【0418】300mlステンレス(SUS316)製
オートクレーブ中に、アルゴン雰囲気下、7-メチル-3-
メチレン-1,6- オクタジエン(β−ミルセン)100g
(734ミリモル)と上記のように調製された触媒を全
量加えて密閉した。次いでオートクレーブにエチレンボ
ンベを直結して、エチレンを導入して、オートクレーブ
内を35kg/cm2 まで加圧した。次いで95℃に加熱し
て、消費されたエチレンを間欠的に5回追加して、合計
で15時間反応を行った。
【0419】反応終了後にオートクレーブを冷却してか
ら開放し、得られた反応混合物を100mlの水中に注
いで有機層と水層とに分離した。分離された有機層を、
エバポレータで低沸点物を除去した後、20段の精密減
圧蒸留を行った。
【0420】目的物であるEMNが83g得られた(収
率69%)。また反応副生物として、5,9-ジメチル-1,
4,8- デカトリエンが16g生成した(収率13%)。
上記で得られた4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン
(EMN)の分析結果を以下に示す。
【0421】(i) 沸 点:103〜105℃/30mm
Hg (ii) GC−MS(ガスクロマトグラフィ−質量分
析): m/z 164(M+分子イオンピーク)、149、1
23、95、69、41、27 (iii) 赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1) 吸収ピーク:3080、2975、2925、285
0、1670、1640、1440、1380、123
5、1110、995、910、830 (iv) 1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3 ) 吸収ピークを下記に示す。
【0422】
【表3】
【0423】
【実施例4】攪拌翼を備えた容量2リットルの重合器を
用いて、エチレンとプロピレンと参考例3で合成した4-
エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMN)を主に
含むEMN混合物(以下EMNと記す)との三元共重合
反応を連続的に行った。
【0424】この共重合反応は、以下のようにして行っ
た。すなわち、重合器上部からEMNのトルエン溶液を
重合器内での濃度が180ミリモル/リットルとなるよ
うに毎時0.2リットルの量で、触媒としてビス(1,
3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドのトルエン溶液を重合器内でのジルコニウム濃度
が0.02ミリモル/リットルとなるように毎時0.1
リットルの量で、助触媒としてのメチルアルミノキサン
[ −Al(Me)−O− ]のトルエン溶液を重合器内で
のアルミニウム濃度が10.0ミリモル/リットルとな
るように毎時0.2リットルの量で、およびトルエンを
毎時0.5リットルの量で、それぞれ重合器内に連続的
に供給した。
【0425】一方、重合器上部から、重合器内の重合液
の量が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜
き出しその平均滞留時間が60分となるようにした。ま
た重合系にバブリング管を用いてエチレンを毎時100
リットル、プロピレンを毎時140リットルの速度で供
給した。共重合反応は、重合器外部にとりつけられたジ
ャケットに冷媒を循環させることにより20℃の温度で
行った。
【0426】上記条件で共重合反応を行ったところ、エ
チレン・プロピレン・EMN共重合体が含まれた重合溶
液が得られた。得られた重合溶液については、塩酸を用
いて脱灰した後、得られた脱灰処理済みの重合液を大量
のメタノール中に投入して、ポリマー(エチレン・プロ
ピレン・EMN共重合体)を析出させた。その後、10
0℃の温度で24時間減圧乾燥を行なった。
【0427】以上のようにしてエチレン・プロピレン・
EMN共重合体が毎時32gの量で得られた。得られた
エチレン・プロピレン・EMN共重合体には、エチレン
単位が72.9モル%の量で、プロピレン単位が26.
2モル%の量で、EMN単位が0.9モル%の量で含有
されており、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比
(エチレン単位/プロピレン単位)は74/26(モル
比)であった。また、このエチレン・プロピレン・EM
N共重合体の極限粘度[η](デカリン中、135℃で
測定。以下同じ。)は1.7dl/gであった。
【0428】次いで、得られたこのエチレン・プロピレ
ン・EMN共重合体100重量部と、亜鉛華1号5重量
部と、ステアリン酸1重量部と、N330[商品名:シ
ースト3,東海カーボン(株)製]80重量部と、オイ
ル[商品名:サンセン4240,サンイル(株)製]5
0重量部と、加硫促進剤A[商品名:ノクセラーTT,
大内新興化学(株)製]1.0重量部と、加硫促進剤B
[商品名:ノクセラーM,大内新興化学(株)製]0.
5重量部と、硫黄1.5重量部とを含む下記表4に示す
組成物を、6インチオープンロールにより混練し、未加
硫の配合ゴムを得た。
【0429】この配合ゴムの加硫速度を実施例1と同様
にして評価したところ、T90(分)は、6.3となっ
た。また、表4に示す配合組成で配合して得られた未加
硫の配合ゴムを160℃でT90(分)+5分の条件でプ
レス成形した。未加硫配合ゴムのT90(分)および得ら
れた加硫ゴムの物性としてのモジュラス(M)、引張強
度(TB)、伸び(EB)、硬度(HS)を実施例1と同
様にして測定し、表5にまとめた。
【0430】
【表4】
【0431】
【実施例5】実施例4の重合において、EMNの濃度が
250ミリモル/リットル、ビス(1,3−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドをそのジ
ルコニウム濃度が0.04ミリモル/リットル、および
メチルアルミノキサンをそのアルミニウム濃度が20ミ
リモル/リットルとなるように各成分を重合器内に連続
的に供給し、かつ、エチレンとプロピレンの供給量をぞ
れぞれ毎時120リットル、120リットルに変更し、
重合温度を10℃とした以外は実施例4と同様に行い、
エチレン・プロピレン・EMN共重合体を毎時62gの
量で得た。
【0432】得られた共重合体には、エチレン単位が6
5.6モル%の量で、プロピレン単位が33.0モル%
の量で、EMN単位が1.4モル%の量で含有されてお
り、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレ
ン単位/プロピレン単位)は、67/33(モル比)で
あった。また、この共重合体の極限粘度[η]は、1.
7dl/gであった。
【0433】次いで、実施例4で得られたエチレン・プ
ロピレン・EMN共重合体に代えて、上記したようにし
て得られたエチレン・プロピレン・EMN共重合体を用
いた以外は、実施例4と同様にして、配合ゴム(ゴム組
成物)を製造し、その加硫速度および加硫物性を評価し
た。
【0434】結果を表5にまとめて示した。
【0435】
【実施例6】触媒溶液の調製 充分に窒素置換したガラス製フラスコにrac−ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリドを5.6mg加
え、そこへ、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(A
l=1.12mol/リットル)2.6mlを添加する
ことにより触媒溶液を得た。
【0436】重合 充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オ
ートクレーブにヘプタン900mlおよびEMN(4-
エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン)25mlを
装入し、さらに系内の圧力が50℃で3.4kg/cm
2−Gになるようにプロピレンを導入した。次いで、エ
チレンを8kg/cm2−Gになるまで導入した。その
後、トリイソブチルアルミニウム1ミリモルおよび上記
で調製した触媒成分0.54ml(Zrとして0.00
2ミリモル)を窒素で圧入することにより重合を開始し
た。その後、エチレンのみを連続的に供給することによ
り全圧を8kg/cm2−Gに保ち、50℃で15分間
重合を行った。少量のエタノールを系内に添加すること
により重合を停止した後、未反応のモノマーをパージし
た。得られたポリマー溶液を大過剰のメタノール中に投
入することにより、ポリマーを析出させた。ポリマーを
濾過により回収し、安定剤[Irganox 1010(チバガイギ
ー製)30mgおよびMark 329K(旭電化製)60m
g]を混合した後、120℃で減圧下に一晩乾燥した。
その結果、エチレン単位が61.8モル%の量で、プロ
ピレン単位が36.6モル%の量で、EMN単位が1.
6モル%の量で含有されており、エチレン単位とプロピ
レン単位とのモル比(エチレン単位/プロピレン単位)
は62.8/37.2(モル比)であり、極限粘度
[η]が2.1dl/gであるエチレン・プロピレン・
EMN共重合体を57g得た。
【0437】次いで、実施例4で得られたエチレン・プ
ロピレン・EMN共重合体に代えて、上記したようにし
て得られたエチレン・プロピレン・EMN共重合体を用
いた以外は、実施例4と同様にして、配合ゴム(ゴム組
成物)を製造し、その加硫速度および加硫物性を評価し
た。
【0438】結果を表5にまとめて示した。
【0439】
【実施例7】実施例6において、プロピレンの替わりに
1−ブテンを50℃で3.5kg/cm2−Gになるよ
うに導入し、重合時間を30分とした以外は実施例6と
同様に重合を行った。その結果、エチレン単位が66.
5モル%の量で、1−ブテン単位が31.9モル%の量
で、EMN単位が1.5モル%の量で含有されており、
エチレン単位と1−ブテン単位とのモル比(エチレン単
位/1−ブテン単位)は67.6/32.4(モル比)
であり、極限粘度[η]が1.6dl/gであるエチレ
ン・1−ブテン・EMN共重合体を48g得た。
【0440】次いで、実施例4で得られたエチレン・プ
ロピレン・EMN共重合体に代えて、上記したようにし
て得られたエチレン・1ーブテン・EMN共重合体を用い
た以外は、実施例4と同様にして、配合ゴム(ゴム組成
物)を製造し、その加硫速度および加硫物性を評価し
た。
【0441】結果を表5にまとめて示した。
【0442】
【実施例8】実施例6において、ヘプタンの使用量を5
00mlとし、プロピレンの替わりに1−オクテンを5
00ml導入し、重合時間を30分とした以外は実施例
6と同様に重合を行った。その結果、エチレン単位が6
4.3モル%の量で、1−オクテン単位が33.6モル
%の量で、EMN単位が2.1モル%の量で含有されて
おり、エチレン単位と1−オクテン単位とのモル比(エ
チレン単位/1−オクテン単位)は65.7/34.3
(モル比)であり、極限粘度[η]が1.5dl/gで
あるエチレン・1−オクテン・EMN共重合体を45g
得た。
【0443】次いで、実施例4で得られたエチレン・プ
ロピレン・EMN共重合体に代えて、上記したようにし
て得られたエチレン・1-オクテン・EMN共重合体を用
いた以外は、実施例4と同様にして、配合ゴム(ゴム組
成物)を製造し、その加硫速度および加硫物性を評価し
た。
【0444】結果を表5にまとめて示した。
【0445】
【実施例9】触媒溶液の調製 充分に窒素置換したガラス製フラスコにrac−ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリドを6.5mg加
え、そこへ、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(A
l=1.12mol/リットル)3.1mlを添加する
ことにより触媒溶液を得た。
【0446】重合 実施例6において、EMNの使用量を20mlに変更
し、プロピレンの圧力を2.3kg/cm2−Gとし、
上記で調製した触媒溶液を0.60ml(Zrとして
0.002ミリモル)用い、重合時間を10分とした以
外は実施例7と同様に重合を行った。その結果、エチレ
ン単位が64.8モル%の量で、プロピレン単位が3
3.9モル%の量で、EMN単位が1.3モル%の量で
含有されており、エチレン単位とプロピレン単位とのモ
ル比(エチレン単位/プロピレン単位)は65.7/3
4.3(モル比)であり、極限粘度[η]が1.8dl
/gであるエチレン・プロピレン・EMN共重合体を6
1g得た。
【0447】次いで、実施例4で得られたエチレン・プ
ロピレン・EMN共重合体に代えて、上記したようにし
て得られたエチレン・プロピレンEMN共重合体を用い
た以外は、実施例4と同様にして、配合ゴム(ゴム組成
物)を製造し、その加硫速度および加硫物性を評価し
た。
【0448】結果を表5にまとめて示した。
【0449】
【比較例2】攪拌翼を備えた容量2リットルの重合器を
用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-エチリデン
-2-ノルボルネン(ENB)との共重合反応を行った。
【0450】この共重合反応は、以下のようにして行っ
た。すなわち、重合器上部からENBのヘキサン溶液
(7.1g/リットル)を毎時0.5リットルの量で、
触媒としてVO(OC25)Cl2のヘキサン溶液
(0.8ミリモル/リットル)を毎時0.5リットルの
量で、助触媒としてエチルアルミニウムセスキクロリド
(Al(C251.5Cl1.5)のヘキサン溶液(8.0
ミリモル/リットル)を毎時0.5リットルの量で、お
よびヘキサンを毎時0.5リットルの量で、それぞれ重
合器内に連続的に供給した。
【0451】一方、重合器上部から、重合器内の重合液
の量が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜
き出した。また重合系にバブリング管を用いてエチレン
を毎時120リットルの量で、プロピレンを毎時180
リットルの量で、水素を毎時5リットルの量(速度)で
供給した。共重合反応は、重合器外部にとりつけられた
ジャケットに冷媒を循環させることにより30℃の温度
で行った。
【0452】上記条件で共重合反応を行うと、エチレン
・プロピレン・ENB共重合体を含む重合溶液が得られ
た。得られた重合溶液については、塩酸にて脱灰した後
に、大量のメタノールに投入して、ポリマー(エチレン
・プロピレン・ENB共重合体)を析出させた後、10
0℃の温度で24時間減圧乾燥を行なった。
【0453】以上のようにしてエチレン・プロピレン・
ENB共重合体を毎時、64.8gの量で得た。得られ
たエチレン・プロピレン・ENB共重合体には、エチレ
ン単位含量が66.8モル%の量で、プロピレン単位含
量が31.4モル%の量で、ENB単位含量が1.8モ
ル%で含有されており、エチレン単位とプロピレン単位
とのモル比(エチレン単位/プロピレン単位)は68/
32(モル比)であった。また、エチレン・プロピレン
・ENB共重合体の極限粘度[η]は、2.2dl/g
であった。
【0454】次いで、実施例4で得られたエチレン・プ
ロピレンEMN共重合体に代えて、上記したように得ら
れたエチレン・プロピレン・ENB共重合体を用いた以
外は、実施例4と同様にして配合ゴムを製造し、その加
硫速度および加硫物性を評価した。
【0455】結果を表5にまとめて示した。
【0456】
【表5】
【0457】
【実施例10】充分に窒素置換された内容積2リットル
のステンレス製オートクレーブにヘプタン900mlお
よびEMN(4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジ
エン)20mlを装入し、さらに、系内の圧力が80℃
で3.5kg/cm2-Gになるようにプロピレンを導入
した。次いで、エチレンを8kg/cm2-Gになるまで
導入した。
【0458】その後、トリイソブチルアルミニウムを1
ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレートを0.004ミリモルお
よび(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチルシ
クロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド:0.
001ミリモルを窒素で圧入することにより重合開始し
た。その後、エチレンのみを連続的に供給することによ
り全圧を8kg/cm 2-Gに保ち、80℃で10分間重
合を行った。
【0459】その後の操作は、実施例6と同様に行うこ
とにより、エチレン単位が63.5モル%の量で、プロ
ピレン単位が35.0モル%の量で、EMN単位が1.
5モル%の量で含有されており、エチレン単位とプロピ
レン単位とのモル比(エチレン単位/プロピレン単位)
は、64.5/35.5(モル比)であり、極限粘度
[η]が、3.1dl/gであるエチレン・プロピレン
・EMN共重合体を55g得た。
【0460】加硫速度の評価を実施例4と同様にして行
ったところ、T90(分)は、5.0となった。
【0461】
【参考例4】 [13-エチル-9-メチル-1,9,12-ペンタデカトリエン(E
MPDT)の合成] [p=0,q=1,f=5,g=1、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:13個]
【0462】
【化94】
【0463】:(EMPDT) スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロート及び温度計
を備えた1リットル三口フラスコの中に、窒素雰囲気下
攪拌しながら、削り状マグネシウム金属24g(1.0グ
ラム原子)、無水ジエチルエーテル200ml及び20
0mgの1,2-ジブロモエタンを入れ、その中に臭化アリ
ル127g(1.05モル)の無水ジエチルエーテル
(200ml)溶液を少量滴下した。発熱が始まり臭化
アリルマグネシウムが生成し始めた後、無水ジエチルエ
ーテルを300ml追加し、さらに残りの臭化アリルの
無水ジエチルエーテル溶液を氷浴下、1.5時間かけて
滴下し(内部温度5℃以下)、さらに0.5時間攪拌を
続けた。得られた臭化アリルマグネシウム溶液中に残存
する不溶物をデカンテーションして除去し、窒素雰囲気
下の2リットル三口フラスコに移液した。その三口フラ
スコを氷浴で冷却しながら1-ブロモ-10-エチル-6-メチ
ル-6,9-ドデカジエン201g(0.70モル)の無水ジ
エチルエーテル200ml溶液を内部温度5℃以下で2
時間かけて滴下した。滴下終了後さらに室温で6時間攪
拌した。反応混合物を氷浴で冷やしながら飽和塩化アン
モニウム水溶液を徐々に滴下し、さらにジエチルエーテ
ル及び水を加えて分液した。有機層を飽和重曹水、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を留去し、残査を減圧蒸留すると、目的物である13-
エチル-9-メチル-1,9,12-ペンタデカトリエンが134
g得られた(収率77%、1-ブロモ-10-エチル-6-メチ
ル-6,9-ドデカジエンを基準)。 (i)性状:無色油状 (ii)沸点:125−127℃/1mmHg (iii)FD−MS:m/z 248(M+) (iv)1H−NMRスペクトル(CDCl3溶液) 1.05 (6H、triplet、J=7Hz) 1.60 (3H、singlet) 1.2〜1.5 (8H、multiplet) 2.0〜2.2 (8H、multiplet) 2.75 (2H、triplet、J=7Hz) 4.95 (1H、doublet、J=10Hz) 5.00 (1H、doublet、J=17Hz) 5.10 (2H、multiplet) 5.80 (1H、multiplet) 上記反応式を以下に示す。
【0464】
【化95】
【0465】
【実施例11】実施例6の重合において、EMNの替わ
りに上記EMPDT(13-エチル-9-メチル-1,9,12-ペン
タデカトリエン)35mlを用いた以外は、実施例6と
同様に重合を行った。
【0466】その結果、エチレン単位が62.8モル%
の量で、プロピレン単位が35.9モル%の量で、EM
PDT単位が1.3モル%の量で含有されており、エチ
レン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン単位/
プロピレン単位)は、63.6/36.4(モル比)であ
り、極限粘度[η]が1.9dl/gであるエチレン・
プロピレン・EMPDT共重合体を45g得た。
【0467】実施例4と同様にして加硫速度を評価した
ところ、T90(分)は、6.2となった。
【0468】
【参考例5】[5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テトラデカテトラエン
(MTDT)の合成] [p=0,q=1,f=0,g=2、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:22個]
【0469】
【化96】
【0470】:(MTDT) スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロート及び温度計
を備えた1リットル三口フラスコの中に、窒素雰囲気
下、0.87モル/リットルのビニルマグネシウム無水
テトラヒドロフラン溶液500ml(0.435モル)
を入れ、氷浴で冷却した。次に、攪拌しながら臭化ファ
ルネシル100g(0.35モル)の無水テトラヒドロ
フラン溶液100mlを30分間かけて滴下し、さらに
5時間室温で攪拌した。反応混合物を氷浴で冷やしなが
ら飽和塩化アンモニウム水溶液を徐々に滴下し、さらに
ジエチルエーテル及び水を加えて分液した。有機層を飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を留去し、残査を減圧蒸留すると、目
的物である5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テトラデカテ
トラエンが26g得られた(収率32%、臭化ファルネ
シル基準)。 (i)性状:無色油状 (ii)沸点:117−120℃/1mmHg (iii)FD−MSスペクトル:232(M+) (iv)1H−NMRスペクトル(CDCl3溶液) 1.60 (6H、singlet) 1.68 (6H、singlet) 2.05 (8H、multiplet) 2.75 (2H、triplet、J=7Hz) 4.96 (1H、doublet、J=10Hz) 5.01 (1H、doublet、J=17Hz) 5.10 (3H、multiplet) 5.80 (1H、multiplet) 上記反応式を以下に示す。
【0471】
【化97】
【0472】
【実施例12】実施例6の重合において、EMNの替わ
りに上記MTDT(5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テト
ラデカテトラエン)35mlを用いた以外は、実施例6
と同様に重合を行った。
【0473】その結果、エチレン単位が61.0モル%
の量で、プロピレン単位が37.6モル%の量で、MT
DT単位が1.4モル%の量で含有されており、エチレ
ン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン単位/プ
ロピレン単位)は、61.9/38.1(モル比)であ
り、極限粘度[η]が2.0dl/gであるエチレン・
プロピレン・MTDT共重合体を42g得た。
【0474】実施例4と同様にして加硫速度を評価した
ところ、T90(分)は、5.8となった。
【0475】
【参考例6】[8,14,15-トリメチル-1,7,14-ヘキサデカトリエン(M
HDT)の合成] [p=0,q=1,f=3,g=5、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:20個]
【0476】
【化98】
【0477】:(MHDT) スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロート及び温度計
を備えた1リットル三口フラスコの中に、窒素雰囲気下
攪拌しながら、削り状マグネシウム金属24g(1.0グ
ラム原子)、無水ジエチルエーテル200ml及び20
0mgの1,2-ジブロモエタンを入れ、その中に臭化アリ
ル127g(1.05モル)の無水ジエチルエーテル
(200ml)溶液を少量滴下した。発熱が始まり臭化
アリルマグネシウムが生成し始めた後、無水ジエチルエ
ーテルを370ml追加し、さらに残りの臭化アリルの
無水ジエチルエーテル溶液を氷浴下、2時間かけて滴下
し(内部温度5℃以下)、さらに0.5時間攪拌を続け
た。得られた臭化アリルマグネシウム溶液中に残存する
不溶物をデカンテーションして除去し、窒素雰囲気下の
2リットル三口フラスコに移液した。その三口フラスコ
を氷浴で冷却しながら1-ブロモ-5,11,12-トリメチル-4,
11-トリデカジエン211g(0.70モル)の無水ジエ
チルエーテル200ml溶液を内部温度5℃以下で2時
間かけて滴下した。滴下終了後さらに室温で6時間攪拌
した。反応混合物を氷浴で冷やしながら飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を徐々に滴下し、さらにジエチルエーテル
及び水を加えて分液した。有機層を飽和重曹水、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去し、残査を減圧蒸留すると、目的物である8,14,1
5-トリメチル-1,7,14-ヘキサデカトリエンが130g得
られた(収率71%、1-ブロモ-5,11,12-トリメチル-4,
11-トリデカジエンを基準)。
【0478】(i)性状:無色油状 (ii)沸点:130−133℃/1mmHg (iii)FD−MS:m/z 262(M+) (iv)1H−NMRスペクトル(CDCl3溶液) 1.60 (3H、singlet) 1.61 (3H、singlet) 1.65 (3H、singlet) 1.68 (3H、singlet) 1.2〜1.5 (10H、multiplet) 2.0 (8H、multiplet) 4.95 (1H、doublet、J=10Hz) 5.02 (1H、doublet、J=17Hz) 5.17 (1H、multiplet) 5.80 (1H、multiplet) 上記反応式を以下に示す。
【0479】
【化99】
【0480】
【実施例13】実施例6の重合において、EMNの替わ
りにMHDT(8,14,15-トリメチル-1,7,14-ヘキサデカ
トリエン)35mlを用いた以外は、実施例6と同様に
重合を行った。
【0481】その結果、エチレン単位が63.0モル%
の量で、プロピレン単位が35.8モル%の量でMHD
T単位が1.2モル%の量で含有されており、エチレン
単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン単位/プロ
ピレン単位)は63.8/36.2(モル比)であり、
極限粘度[η]が1.8dl/gであるエチレン・プロ
ピレン・MHDT共重合体を49g得た。
【0482】実施例4と同様にして加硫速度を評価した
ところ、T90(分)は、6.0となった。
【0483】
【参考例7】[4-エチリデン-12-メチル-1,11-ペンタデカジエン(E
MPD)の合成] [p=1,q=0,f=1,g=5、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:14個]
【0484】
【化100】
【0485】:(EMPD) 窒素雰囲気下、300mlステンレス(SUS316)
製オートクレーブの中に11-メチル-3-メチレン-1,10-テ
トラデカジエン110g(0.5モル)、[1,2-ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]コバルト(II)クロ
リドとしてあらかじめ単離した錯体264mg(0.5
ミリモル)及びトリエチルアルミニウムの1(モル/リ
ットル)トルエン溶液10ml(トリエチルアルミニウ
ム10ミリモル)を加え、室温で30分間攪拌した。
【0486】密閉したのちエチレンボンベと直結し、1
0kg/cm2まで加圧し、徐々に昇温して、90℃ま
で加熱し、消費されたエチレンは間欠的に2回追加しな
がら、90℃で合計4時間反応を行った。
【0487】冷却後オートクレーブを開放し、得られた
反応混合物を水100mlの中に注ぎ分液を行った。有
機層を分離し、低沸点物をエバポレーターで除去後、2
0段の精密減圧蒸留を行い、目的物である4-エチリデン
-12-メチル-1,11-ペンタデカジエンが88g得られた
(収率71%)。また、反応副生物としての異性体であ
る5,13-ジメチル-1,4,12-ヘキサデカトリエンが22g
得られた(収率18%)。
【0488】このようにして得られた4-エチリデン-12-
メチル-1,11-ペンタデカジエンの物理化学的データを以
下に示す。 (i)性状:無色油状 (ii)沸点:120〜125℃/1mmHg (iii)FD−MS分析結果:m/z 248(M+:分子
イオンピーク) (iv)1H−NMRスペクトル(CDCl3溶液) 0.90 (3H、triplet、J=7Hz) 1.2〜1.5 (10H、multiplet) 1.60 (3H、doublet、J=7Hz) 1.70 (3H、triplet、J=7Hz) 2.0 (6H、multiplet) 2.80 (2H、doublet、J=7Hz) 4.9〜5.2 (3H、multiplet) 5.28 (1H、quartet、J=7Hz) 5.77 (1H、multiplet) 上記反応式を以下に示す。
【0489】
【化101】
【0490】
【実施例14】実施例6の重合において、EMNの替わ
りに上記EMPD(4-エチリデン-12-メチル-1,11-ペン
タデカジエン)35mlを用いた以外は、実施例6と同
様に重合を行った。
【0491】その結果、エチレン単位が60.9モル%
の量で、プロピレン単位が37.6モル%の量で、EM
PD単位が1.5モル%の量で含有されており、エチレ
ン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン単位/プ
ロピレン単位)は61.8/38.2(モル比)であり、
極限粘度[η]が1.9dl/gであるエチレン・プロ
ピレン・EMPD共重合体を47g得た。
【0492】実施例4と同様にして加硫速度を評価した
ところ、T90(分)は、5.7となった。
【0493】
【参考例8】 (触媒の調製)アルゴン雰囲気下、磁気攪拌子を入れた
300ml容量のフラスコ中に、予め調製した[1,2-ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタン]コバルト(II)ク
ロリド1.05g(2.00ミリモル)と無水デカン10
0mlとを仕込み、25℃で30分間、攪拌した。次い
で、この温度において、濃度1モル/Lのトリエチルア
ルミニウムのヘキサン溶液100ml(トリエチルアル
ミニウム100ミリモル)を加え、更に、2時間攪拌し
て、触媒を調製した。(4-エチリデン-8,12-ジメチル-1,7,11-トリデカトリエ
ン(EDT、先に記載した(47))の合成) [p=1,q=1,f=2,g=2、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:22個] 1リットル容量のステンレス(SUS316)製オート
クレーブにアルゴン雰囲気下、7,11-ジメチル-3-メチレ
ン-1,6,10-ドデカトリエン(β-ファルネセン、東京化
成工業(株)製)204.3g(1.00モル)と上記触
媒全量を仕込み、密閉した。次いで、オートクレーブ内
に圧力が10kg/cm2になるまでエチレンを導入し、こ
の後、95℃に加熱して、反応を行った。この間、消費
されたエチレンを間欠的に8回補充して、合計で15時
間、反応を行った。
【0494】反応終了後、オートクレーブ内を冷却した
後、開放し、得られた反応混合物を水300ml中に注
いで、有機層と水層とを分離させた。そこで、この有機
層を分液し、エバポレータにて低沸点成分を除去した
後、20段の充填塔で減圧蒸留を行って、目的とするE
DT153gを無色液体として得た(収率66%)。反
応副生物として、5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テトラ
デカトリエン26gが得られた(収率11%)。 (i)沸点:116〜125℃/2mmHg (4-エチリデン-8,12-ジメチル-1,7,11-トリデカトリエ
ンと5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テトラデカトリエン
の混合物としての沸点) (ii)GC−MS 232(M+:分子イオンピーク)、217、189、
163、148、121、107、95、81、69 (iii)赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1) 3070、2960、2920、2850、1670、
1640、1440、1380、1235、1150、
1105、995、960、910、830 (iv)プロトンNMRスペクトル(90MHz、重クロロ
ホルム溶液、ppm) 1.58(3H,doublet,J=7Hz) 1.60(6H,singlet) 1.69(3H,singlet) 2.01(8H,multiplet) 2.78(2H,doublet,J=7Hz) 4.9〜6.0(6H,multiplet)
【0495】
【参考例9】参考例8において、触媒として、予め調製
した[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]コバ
ルト(II)クロリドを用いる代わりに、無水塩化(II)
コバルト0.26g(2.00ミリモル)を無水デカン1
00ml中に25℃で懸濁させ、これに1,2-ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)エタン1.59g(4.00ミリモ
ル)を加え、25℃で2時間攪拌し、次いで、これにト
リエチルアルミニウムの1モル/リットル濃度のヘキサ
ン溶液100ml(トリエチルアルミニウム100ミリ
モル)を25℃で加え、更に、2時間攪拌して、触媒を
調製した以外は、参考例8と同様に反応を行った。
【0496】その結果、4-エチリデン-8,12-ジメチル-
1,7,11-トリデカトリエンを収率60%にて得ると共
に、副生物として、5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テト
ラデカトリエンを収率8%で得た。
【0497】
【参考例10】参考例8において、予め調製した[1,2-
ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]コバルト(II)
クロリドを用いる代わりに、予め調製した[1,2-ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)クロ
リド1.05g(2.00ミリモル)を用いた以外は、参
考例8と同様に反応を行った。
【0498】その結果、4-エチリデン-8,12-ジメチル-
1,7,11-トリデカトリエンを収率43%にて得ると共
に、副生物として、5,9,13-トリメチル-1,4,8,12-テト
ラデカトリエンを収率7%で得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−75289 (32)優先日 平7(1995)3月31日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 石 田 達 麗 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 高 橋 克 也 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 筒 井 俊 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 大 西 仁 志 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 安 田 昌 明 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 木 原 則 昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](i) エチレンと、(ii)炭素数3〜2
    0のα−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル
    基を有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非
    共役トリエンまたはテトラエンとのランダム共重合体で
    あり、 [B](i) エチレンから誘導される構成単位が30〜9
    2モル%であり、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィン
    から誘導される構成単位が6〜70モル%であり、(ii
    i)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される
    構成単位が0.1〜30モル%であり、かつ(iv) (i)エ
    チレンから誘導される構成単位/(ii)炭素数3〜20の
    α−オレフィンから誘導される構成単位がモル比で40
    /60〜92/8であり、 [C]135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.05〜10dl/gであることを特徴とする不飽和
    性エチレン系共重合体。
  2. 【請求項2】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが、ビニル基に隣接した炭素原子に、1個の直
    鎖状または分岐鎖状炭化水素基と2個の水素原子とが結
    合したものであることを特徴とする請求項1に記載の不
    飽和性エチレン系共重合体。
  3. 【請求項3】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが下記式[H−1]で表され、上記[B](ii
    i)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成
    単位が下記式[H−2]で表されることを特徴とする請
    求項2に記載の不飽和性エチレン系共重合体: 【化1】 [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
    pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
    (但しpとqが1の場合fは0ではない)、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
    素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
    素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
    =CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
    であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
    る)である(但し、pとqが1の場合、R9は水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基である)。] 【化2】 [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
    式[H−1]の場合と同じ意味である。]
  4. 【請求項4】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが下記式[Ia]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が下記式[IIa]で表されること
    を特徴とする請求項3に記載の不飽和性エチレン系共重
    合体: 【化3】 [式[Ia]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
    素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
    素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
    =CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
    であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
    る)である。] 【化4】 [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
    a]の場合と同じ意味である。]
  5. 【請求項5】上記式[Ia]および式[IIa]におい
    て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項4に記載の不飽和性エチレン系共重合
    体。
  6. 【請求項6】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが下記式[Ib]で表され、上記[B](iii)
    非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単
    位が下記式[IIb]で表されることを特徴とする請求
    項3に記載の不飽和性エチレン系共重合体: 【化5】 [式[Ib]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R5,R6,R7は水素原子または
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1〜5
    のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素数1〜5の
    アルキル基または−(CH2n−CR10=CR1112
    表される基(ここで、nは1〜5の整数であり、R10,
    11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
    り、R12は炭素数1〜5のアルキル基である)であ
    る。] 【化6】 [式[IIb]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は式
    [Ib]の場合と同じ意味である。]
  7. 【請求項7】上記式[Ib]および式[IIb]におい
    て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特徴
    とする請求項6に記載の不飽和性エチレン系共重合体。
  8. 【請求項8】上記[A](iii)非共役テトラエンが下記
    式[Ib']で表され、 上記[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成
    単位が下記式[IIb']で表されることを特徴とする
    請求項6に記載の不飽和性エチレン系共重合体。 【化7】 [式[Ib']中、fは0〜5の整数であり、gは1〜
    6の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数
    1〜5のアルキル基であり、nは1〜5の整数であり、
    10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
    であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基である。] 【化8】 [式[IIb']中、f、g、R1、R2、R5〜R8
    n、R10〜R12は式[Ib']の場合と同じである。]
  9. 【請求項9】上記式[Ib']および式[IIb']にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項8に記載の不飽和性エチレン系共重合
    体。
  10. 【請求項10】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが下記式[Ic]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が下記式[IIc]で表されること
    を特徴とする請求項6に記載の不飽和性エチレン系共重
    合体: 【化9】 [式[Ic]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子ま
    たは炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1
    〜5のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数
    1〜5のアルキル基である。] 【化10】 [式[IIc]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、式
    [Ic]の場合と同じ意味である。]
  11. 【請求項11】上記式[Ic]および式[IIc]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項10に記載の不飽和性エチレン系共重合
    体。
  12. 【請求項12】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭
    素原子に直接結合した水素原子の総数が、9〜33個で
    あることを特徴とする請求項1〜11の何れかの項に記
    載の不飽和性エチレン系共重合体。
  13. 【請求項13】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭
    素原子に直接結合した水素原子の総数が、12〜33個
    であることを特徴とする請求項1〜11の何れかの項に
    記載の不飽和性エチレン系共重合体。
  14. 【請求項14】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭
    素原子に直接結合した水素原子の総数が、14〜33個
    であることを特徴とする請求項1〜11の何れかの項に
    記載の不飽和性エチレン系共重合体。
  15. 【請求項15】(i) エチレンと、 (ii)炭素数3〜20のα−オレフィンと、 (iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも
    1種の直鎖状または分岐鎖状非共役トリエンまたはテト
    ラエンとを、遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合
    物および/またはイオン化イオン性化合物とから形成さ
    れる触媒の存在下に共重合させて、 [A](i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレ
    フィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、
    少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖状非共役トリエン
    またはテトラエンとの、ランダム共重合体であり、 [B](i) エチレンから誘導される構成単位が30〜9
    2モル%であり、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィン
    から誘導される構成単位が6〜70モル%であり、(ii
    i)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される
    構成単位が0.1〜30モル%であり、かつ(iv) (i)エ
    チレンから誘導される構成単位/(ii)炭素数3〜20の
    α−オレフィンから誘導される構成単位がモル比で40
    /60〜92/8であり、 [C]135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.05〜10dl/gである不飽和性エチレン系共重
    合体を得ることを特徴とする不飽和性エチレン系共重合
    体の製造方法。
  16. 【請求項16】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが、ビニル基に隣接した炭素原子に、1個の
    ビニル基以外の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基と2個
    の水素原子とが結合したものであり、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が、ポリマー主鎖に隣接した炭素原
    子に、1個の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基と、2個
    の水素原子とが結合したものであることを特徴とする請
    求項15に記載の不飽和性エチレン系共重合体の製造方
    法。
  17. 【請求項17】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[H−1]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が上記式[H−2]で表されること
    を特徴とする請求項16に記載の不飽和性エチレン系共
    重合体の製造方法。
  18. 【請求項18】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[Ia]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が上記式[IIa]で表されること
    を特徴とする請求項16に記載の不飽和性エチレン系共
    重合体の製造方法。
  19. 【請求項19】上記式[Ia]および式[IIa]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを
    特徴とする請求項18に記載の不飽和性エチレン系共重
    合体の製造方法。
  20. 【請求項20】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[Ib]で表され、上記[B](ii
    i)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成
    単位が上記式[IIb]で表されることを特徴とする請
    求項16に記載の不飽和性エチレン系共重合体の製造方
    法。
  21. 【請求項21】上記式[Ib]および式[IIb]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項20に記載の不飽和性エチレン系共重合
    体の製造方法。
  22. 【請求項22】上記[A](iii)非共役テトラエンが上
    記式[Ib']で表され、 上記[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成
    単位が上記式[IIb']で表されることを特徴とする
    請求項16に記載の不飽和性エチレン系共重合体の製造
    方法。
  23. 【請求項23】上記式[Ib']および式[IIb']に
    おいて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを
    特徴とする請求項22に記載の不飽和性エチレン系共重
    合体の製造方法。
  24. 【請求項24】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[Ic]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が上記式[IIc]で表されること
    を特徴とする請求項16に記載の不飽和性エチレン系共
    重合体の製造方法。
  25. 【請求項25】上記式[Ic]および式[IIc]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項24に記載の不飽和性エチレン系共重合
    体の製造方法。
  26. 【請求項26】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭
    素原子に直接結合した水素原子の総数が、9〜33個で
    あることを特徴とする請求項15〜25の何れかの項に
    記載の不飽和性エチレン系共重合体の製造方法。
  27. 【請求項27】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭
    素原子に直接結合した水素原子の総数が、12〜33個
    であることを特徴とする請求項15〜25の何れかの項
    に記載の不飽和性エチレン系共重合体の製造方法。
  28. 【請求項28】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭
    素原子に直接結合した水素原子の総数が、14〜33個
    であることを特徴とする請求項15〜25の何れかの項
    に記載の不飽和性エチレン系共重合体の製造方法。
  29. 【請求項29】請求項1〜14のいずれかに記載の不飽
    和性エチレン系共重合体と、 下記(a)、(b)、(c)の内の少なくとも1種以上の成分
    と、 が含まれていることを特徴とするゴム組成物: (a)該不飽和性エチレン系共重合体100重量部に対し
    て300重量部以下の量の補強剤、(b)該不飽和性エチ
    レン系共重合体100重量部に対して200重量部以下
    の量の軟化剤、(c)加硫剤。
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