JPH08324298A - 自動変速機付き車両の駆動力制御装置 - Google Patents

自動変速機付き車両の駆動力制御装置

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Publication number
JPH08324298A
JPH08324298A JP13436695A JP13436695A JPH08324298A JP H08324298 A JPH08324298 A JP H08324298A JP 13436695 A JP13436695 A JP 13436695A JP 13436695 A JP13436695 A JP 13436695A JP H08324298 A JPH08324298 A JP H08324298A
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JP
Japan
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automatic transmission
output
control
driving force
vehicle
Prior art date
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Application number
JP13436695A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Fukumura
友博 福村
Hitoshi Ono
仁 小野
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP13436695A priority Critical patent/JPH08324298A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機関出力の低減制御中に自動変速機の減速比
(ギヤ比)が大きく変更制御されるとき,所謂ダウンシ
フト時に発生する加速性の低下を抑制防止する。 【構成】自動変速機のギヤ比変更制御タイミングを司る
シフトソレノイド信号Sa,Sbからダウンシフト開始
を検出し、それ以後は、それまで小さく設定されていた
目標サブスロットル開度の前回値θ* (n-1) に所定値β
を加えた大きな目標サブスロットル開度の今回値θ*
(n) に保持して、エンジン回転速度Neを増加させてダ
ウンシフト終了を早め、エンジン回転速度Neから車両
減速比i(G)と駆動輪速VwR との積値を減じた値が所
定値αより小さくなった時点で、当該ダウンシフトが終
了したものとして、それ以後は速やかに通常の機関出力
低減制御に移行して、駆動輪のスリップ量を目標値に収
束して走行安定性や操縦性を確保できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪に係る駆動力を
制御する車両の駆動力制御装置に関し、特に内燃機関
(エンジン)と駆動輪との間に自動変速機を介装し、当
該エンジンの出力を制御することによって当該各駆動輪
への駆動力を制御可能とする自動変速機付き車両の駆動
力制御装置に適する。
【0002】
【従来の技術】運転者がアクセルペダルを踏込んで車両
を加速しようとするとき、当該路面の摩擦係数状態(以
下,単にμとも記す)が運転者の想定しているμよりも
小さい(低い)場合には、駆動輪が必要以上にスリップ
して十分な加速性や走行安定性が得られないことがあ
る。このような状態を回避するために、駆動輪に伝達さ
れる駆動トルクを制御することによって、当該駆動輪の
タイヤと路面との間に作用する駆動力を当該路面μに応
じたものとして当該駆動輪のスリップを抑制し、車両の
加速性や走行安定性を確保しようとする駆動力制御装置
が種々に開発されている。
【0003】このような駆動力制御装置の制御対象機構
若しくはその制御量は様々であるが、その一つに機関
(エンジン)の出力を制御しようとするものもある。具
体的には、例えばエンジンの吸気系に、アクセルペダル
によって直接的又は間接的に開度制御されるメインスロ
ットルバルブとは個別に、アクチュエータによって開度
制御可能なサブスロットルバルブを設け、一方、車体速
と等価な又はほぼ等価な非駆動輪(以下、「従動輪」と
も記す)の車輪速と駆動輪の車輪速とから当該駆動輪の
スリップ量やスリップ率等のスリップ状態を検出又は算
出し、この駆動輪のスリップ状態検出値が予め設定され
たスリップ状態よりも大きくなった場合に、常時開のサ
ブスロットルバルブの開度を閉じ方向に開度制御してエ
ンジンの出力トルクを低減し、これにより前記駆動輪の
スリップ状態を小さくしようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、既存の自動
変速機における自動変速制御は、(自動変速機の出力軸
回転速度として代用される)車速と、前記メインスロッ
トルバルブの開度(又はアクセル開度)とを変数とし
て、ギヤ比(減速比)を選択或いは変更する。ちなみ
に、十分に周知ではあるが、自動変速機の減速比(ギヤ
比)は、直列に配設された遊星歯車機構の動力伝達経路
を,作動流体圧(ライン圧と称される)によって駆動さ
れるクラッチやブレーキ等の係合手段で変更設定するこ
とによって制御されており、このライン圧はポンプ損失
を考慮して、前記クラッチやブレーキ等の係合手段を締
結するのに必要最低限の圧力に調整するために、エンジ
ン負荷,即ちアクセル開度とエンジンの回転状態とから
推定されるエンジン出力トルクに応じて設定制御されて
いる。
【0005】このような自動変速機及びその自動変速制
御装置を搭載した車両にあって、前述のような駆動力制
御装置がエンジンの出力を低減制御しているときに、例
えばアクセルペダルが踏込まれるなどした結果、当該自
動変速制御装置が自動変速機のギヤ比をダウンシフト、
つまり減速比を大きくする方向に変更制御する場合につ
いて考察する。こうした状況下では、前述のようにサブ
スロットルバルブ開度を閉方向に制御してエンジンの出
力トルクを低減制御しているにも係わらず、前記自動変
速制御装置で前記ライン圧制御に用いられるエンジン出
力トルクは単にアクセル開度から推定されるために、当
該推定エンジン出力トルクは実際のエンジン出力トルク
よりも大きくなり、自動変速機内で達成されるライン圧
は、前記前提則を越えた過剰なものとなってしまうか
ら、この状態でダウンシフトが実行されると、エンジン
の回転速度がダウンシフト後のギヤ比(減速比)に応じ
た回転速度まで上昇する間もなく、前記係合手段が急激
に係合されて低速側の動力伝達経路が閉じられ、エンジ
ンブレーキ力によるスリップが発生したり、或いは出力
側にワンウエイクラッチを介装した既存の自動変速機で
はスリップこそ発生しないものの駆動トルクが“0”と
なる時間が継続したりすることになる。このため、路面
μが高いときには所謂減速ショック又は加速不良が発生
し、路面μが低いときには制動スリップ又はそれに伴う
車両安定性の劣化が発生するといった問題がある。
【0006】このような問題を回避するために、前述の
ような駆動力低減制御中におけるエンジンの出力トルク
はサブスロットル開度によって決定されるから、前記自
動変速制御装置では自動変速機内のライン圧を、このサ
ブスロットル開度から推定される実質的なエンジン出力
トルクによって設定制御することが提案されている。こ
のようにライン圧を実質的なエンジン出力トルクに応じ
たものとすれば、前記駆動力低減制御中のダウンシフト
時にも、前記急激な係合手段が係合されることやそれに
よる低速側の動力伝達経路への急激な移行が回避される
から、前記高μ路面における減速ショックや低μ路面に
おける制動スリップという問題は抑制防止することがで
きる。しかしながら、前記駆動力制御装置によって出力
トルクが低減されているエンジンは、凡そその回転速度
も低下しているために、ダウンシフトに要求されるエン
ジン出力トルクが発生する回転速度までの所要時間が長
くなり、結果的に当該ダウンシフト完了までの所要時間
が長くなり、その間の車両加速性が低下するという問題
がある。
【0007】更に言及するならば、前述のように駆動力
制御装置がエンジンの出力トルクを低減して駆動力を小
さくしなければならないということは、当該路面μがそ
の分だけ低いことを意味しており、こうした低μ路面で
自動変速機は、本来、ダウンシフトしてまで駆動トルク
を増加させる必要はないことになるから、例えば駆動力
制御装置と自動変速制御装置とを相互通信させ、当該駆
動力制御装置が駆動力低減制御を実行しているときに
は、自動変速制御装置が自動変速機でのダウンシフトを
禁止してしまうことも考えられる。このようにすれば、
エンジンの出力トルク及び回転速度の低減制御中にダウ
ンシフトすることがないから、前述のような問題は発生
し得ない。しかしながら、例えばこうした低μ路面で駆
動力低減制御が実行されているときに、運転者がアクセ
ルペダルを、例えば所謂キックダウンレベルまで踏込ん
だときには、運転者の意思を尊重してダウンシフトでき
る余地を残しておかなければならないという現実があ
る。
【0008】本発明は、これらの諸問題に鑑みて開発さ
れたものであり、前述のような自動変速制御のダウンシ
フト中も加速性の損なわれない駆動力制御を可能とする
自動変速機付き車両の駆動力制御装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る車両の駆動力制御装置
は、図1の基本構成図に示すように、駆動輪のスリップ
状態を検出する駆動輪スリップ状態検出手段と、当該駆
動輪スリップ状態検出手段で検出された駆動輪のスリッ
プ状態検出値が所定のスリップ状態値より大きいとき
に、運転者のアクセル操作とは無関係に内燃機関の出力
を低減制御する内燃機関出力制御手段と、前記内燃機関
の出力を駆動輪に伝達する自動変速機の減速比を制御す
る自動変速制御手段とを備えた自動変速機付き車両の駆
動力制御装置において、前記内燃機関出力制御手段は、
前記自動変速制御手段が自動変速機の減速比を大きく変
更制御しているときに、前記内燃機関の出力低減量を小
さくする出力低減量補正手段を備えたことを特徴とする
ものである。
【0010】本発明のうち請求項2に係る自動変速機付
き車両の駆動力制御装置は、前記出力低減量補正手段
が、前記自動変速制御手段が出力するシフトソレノイド
信号によって前記大きい減速比への変更制御開始を検出
し、その減速比変更制御開始から所定時間、前記エンジ
ンの出力低減量を一時的に小さくすることを特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明のうち請求項3に係る自動変
速機付き車両の駆動力制御装置は、前記出力低減量補正
手段が、内燃機関の出力軸回転速度と駆動輪回転速度と
減速比とから前記大きい減速比への変更制御終了を検出
し、その減速比変更制御終了に応じて、前記エンジンの
出力低減量を小さくする制御を終了することを特徴とす
るものである。
【0012】
【作用】上記構成とした本発明のうち請求項1に係る自
動変速機付き車両の駆動力制御装置では、前述のような
ダウンシフトにおいて減速比を大きく変更制御するとき
には、内燃機関(エンジン)の出力低減制御中であって
も、前記出力低減量補正手段がそのエンジン出力低減量
を小さく補正してしまうので、エンジンの回転速度は速
やかに増加して前記目標入力軸回転速度に到達するた
め、当該ダウンシフト,即ち減速比を大きく変更する制
御は速やかに完了し、その後の加速性が維持される。
【0013】また、本発明のうち請求項2に係る自動変
速機付き車両の駆動力制御装置では、前述のように減速
比の変更制御タイミングを司るシフトソレノイドへの制
御信号を用いることで、前述の大きい減速比への変更制
御開始を確実且つ迅速に検出することができるから、前
記出力低減制御中のダウンシフトに係る加速性は速やか
に補償される。
【0014】また、本発明のうち請求項3に係る自動変
速機付き車両の駆動力制御装置では、駆動輪回転速度に
車両減速比を乗じ、その値と内燃機関の出力軸回転速度
との偏差が或る所定値より小さくなれば、前記ダウンシ
フトに係る大きな減速比への変更制御が完了したと見な
せるから、その後は通常の出力低減制御に速やかに移行
することができ、駆動輪のスリップ状態を所定の状態に
維持して走行安定性や操縦性を速やかに確保することが
できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明に係る駆動力制御装置の一実施例
が適用された車両を示す概略構成図であって、後輪駆動
車である場合を示している。図中、10FL,10FR
は、非駆動輪となる前左輪,前右輪を、10RL,10
RRは、駆動輪となる後左輪,後右輪を示す。つまり、
エンジン(内燃機関)20の出力は、既存のトルクコン
バータ18を介して自動変速機14に伝達され、この自
動変速機14で自動的に選択されたギヤ比で減速される
ことにより駆動トルクが調整され、更にプロペラシャフ
ト22、ディファレンシャルギヤ24を介して後左右車
軸12L,12Rに分岐され、その回転駆動力が両後輪
10RL,10RRから路面に伝達される。
【0016】前記エンジン20の吸気管路36には、ア
クセルペダル46の踏込み量に応じて可動されるメイン
スロットルバルブ48と、ステップモータ45をアクチ
ュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により、
常時開から閉方向への開度が調整制御されるサブスロッ
トルバルブ44とが備えられている。前記メインスロッ
トルバルブ48は、アクセルペダル46の踏込み量に機
械的に連動するか、或いは当該アクセルペダル46の踏
込み量を検出するアクセルセンサ47の踏込み量検出値
に応じて、図示されないエンジンコントローラが電気的
に調整制御して、その開方向へのスロットル開度が調整
される。また、前記サブスロットルバルブ44は、後述
するコントローラ30からの駆動信号によってステップ
モータ45のステップ数(回転角)が調整制御され、こ
の回転角に応じてスロットル開度が調整される。なお、
このサブスロットルバルブ44にはスロットルセンサ4
2が設けられており、このスロットルセンサ42で検出
されるスロットル開度検出値(以下,単にスロットル開
度と記す)θに基づいて、前記ステップモータ45のス
テップ数はフィードバック制御される。また、前記アク
セルセンサ47の踏込み量検出値Aもコントローラ30
に向けて出力される。
【0017】前記トルクコンバータ18は、既存のもの
と同等又はほぼ同等の構成となっている。前記自動変速
機14は、自動変速機制御装置34からの制御信号又は
駆動信号によってアクチュエータユニット32を駆動す
る。この自動変速機制御装置34,アクチュエータユニ
ット32を含む自動変速機14は、「フルレンジ電子制
御オートマチックミッション整備要領書」(日産自動車
株式会社 昭和62年3月発行)に記載されるものと同等
又はほぼ同等である。これにより自動変速機14内のギ
ヤ比は、出力軸回転速度として代用される車速と前記メ
インスロットル開度とを変数として、運転状態に応じた
最適な駆動トルクが得られる車両減速比となるように制
御される。
【0018】より詳細には前記引用文献を参照されると
して、その具体的な構成及び自動変速制御の作用につい
て簡潔に説明すると、前述と同様にこの自動変速機14
のギヤ比も、直列に配設された図示されない遊星歯車機
構の動力伝達経路を,作動流体のライン圧によって駆動
される同じく図示されないクラッチやブレーキ等の係合
手段で変更設定することによって制御されている。そし
て、これらの係合手段への供給ライン圧特性,より具体
的には供給されるライン圧の立上り及び立下り特性は図
示されない各シフトバルブ等の動力伝達経路変更設定手
段へのパイロット圧によって制御され、これらのパイロ
ット圧の供給タイミング,つまり減速比変更制御タイミ
ングやその特性は、前記車速−メインスロットル開度
(≒アクセル開度)をマップ化した制御マップに従っ
て、当該パイロット圧を調整する二つの図示されないシ
フトソレノイドへの変速指令信号(以下,シフトソレノ
イド制御信号とも記す)Sa,Sbによってデューティ
制御されている。また、ちなみに前記各係合手段による
係合力,即ち遊星歯車機構の動力伝達経路の耐久力は、
各ギヤ比に応じてアクセル開度を変数とするライン圧制
御マップに従って、ライン圧を調整するライン圧調整弁
への指令信号によって制御されている。なお、変速速度
に関連する各係合手段の係合所要時間は、ライン圧調整
弁からのライン圧特性を含んだシフトバルブからのライ
ン圧特性による。
【0019】また、本実施例の前記自動変速機制御装置
34は、前記図示されないエンジンコントローラと相互
に情報の授受を行って前記エンジン20及び自動変速機
14の通常走行時における最適化制御を実施しており、
この自動変速機制御装置34からは、後述するコントロ
ーラ30に向けて、エンジン回転速度Ne及び前記シフ
トソレノイド制御信号Sa,Sbが出力される。なお、
前記シフトソレノイド制御信号Sa,Sbは、所謂ON
−OFF信号,即ち論理値“0”か“1”のディジタル
値であるものとする。
【0020】また、前記各車輪10FL〜10RRには
車輪速センサ28FL〜28RRが設けられており、各
車輪速センサ28FL〜28RRからは、当該車輪10
FL〜10RRの回転速度に応じたパルス信号が、その
車輪速Vwj (j=FL〜RR)として後述するコント
ローラ30に向けて出力される。前記コントローラ30
は、図3に示すように、前記各車輪速センサ28FL〜
28RRからの車輪速に応じたパルス信号VwFL〜Vw
RRを電圧に変換する周波数−電圧変換器81FL〜81
RRと、これら変換器81FL〜81RRの変換出力を
ディジタル信号に変換するA/D変換器82FL〜82
RRと、アクセルセンサ47及びスロットルセンサ42
のアクセル踏込み量A及びスロットル開度θを夫々ディ
ジタル値に変換するA/D変換器83B,83Cと、前
記各A/D変換器82FL〜82RR,83B,83C
の変換出力信号、および自動変速機制御装置34からの
信号が入力されるマイクロコンピュータ84と、このマ
イクロコンピュータ84から出力されるモータ駆動信号
に応じてステップモータ45をそれぞれ回転駆動するモ
ータ駆動回路89とを備えている。
【0021】ここで、マイクロコンピュータ84は、入
力インタフェース回路84a、出力インタフェース回路
84b、演算処理装置84c、及び記憶装置84dを備
えており、前記演算処理装置84cは、前記各センサ2
8FL〜28RR,47,42および自動変速機制御装
置34からの各信号値に応じて、前記モータ駆動回路8
9への出力値を算出する等の演算処理を実行する。
【0022】前記記憶装置84dは、演算処理装置84
cの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶してい
ると共に、当該演算処理装置84cの処理結果を逐次記
憶する。それでは次に、前記サブスロットルバルブ44
のスロットル開度制御を実行するための演算処理を図4
に基づいて説明する。なお、この演算処理における駆動
力制御フラグFt は、“1”のセット状態で駆動力制御
を行うべき駆動輪スリップ状態にあることを示すもので
ある。また、ダウンシフトフラグFd は、“1”のセッ
ト状態で前記自動変速機14においてダウンシフトが実
行されていることを示すものである。
【0023】この演算処理は、例えば前記マイクロコン
ピュータ84の演算処理装置84cにおいて、例えば5
msec. 程度の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込
み処理によって実行され、先ず、ステップS1で、各車
輪速センサ28FL〜28RRからの車輪速Vwj (j
=FL〜RR)を読込む。次にステップS2に移行し
て、スロットルセンサ42からのスロットル開度θと、
前回の演算処理で前記記憶装置84dに更新記憶されて
いる目標スロットル開度の前回値θ* (n-1) とを読込
む。
【0024】次にステップS3に移行して、前記記憶装
置84dに更新記憶されている駆動輪スリップ量偏差の
前回値ΔS(n-1) を読込む。次にステップS4に移行し
て、駆動輪である平均後輪速の比較対象となる車体速
を、非駆動輪である前左右輪10FL,10FRの車輪
速検出値VwFL,Vw FRの平均値と等価であるとして、
その平均前輪速VwF を下記6式に従って算出する。
【0025】 VwF =(VwFL+VwFR)/2 ……… (6) 次にステップS5に移行して、駆動輪である後左右輪1
0RL,10RRの車輪速検出値VwRL,VwRRから、
平均後輪速VwR を下記5式に従って算出する。 VwR =(VwRL+VwRR)/2 ……… (5) 次にステップS6に移行して、前記平均後輪速VwR
平均前輪速VwF との偏差から、当該後輪10RL,1
0RRの平均的なスリップ速度を、駆動輪スリップ量の
今回値S(n) として,下記7式に従って算出する。
【0026】 S(n) =VwR −VwF ……… (7) 次にステップS7に移行して、前記ステップS6で算出
された駆動輪スリップ量の今回値S(n) が予め設定され
た制御開始閾値Sbsより大きいか否かを判定し、当該駆
動輪スリップ量の今回値S(n) が閾値Sbsより大きい場
合にはステップS8に移行し、そうでない場合にはステ
ップS9に移行する。
【0027】前記ステップS9では、前記駆動輪スリッ
プ量の今回値S(n) が予め設定された制御終了閾値Sbe
より小さいか否かを判定し、当該駆動輪スリップ量の今
回値S(n) が閾値Sbeより小さい場合にはステップS1
0に移行し、そうでない場合にはステップS11に移行
する。前記ステップS8では、駆動力制御フラグFt
“1”にセットして、前記ステップS11に移行する。
【0028】一方、前記ステップS10では、駆動力制
御フラグFt を“0”にリセットして、前記ステップS
11に移行する。前記ステップS11では、前記シフト
ソレノイド制御信号Sa,Sb及びエンジン回転速度N
eを読込む。次にステップS12に移行して、前記ステ
ップS11で読込まれたシフトソレノイド制御信号S
a,Sbの組合せから、下記1表に従って自動変速機1
4に指令されている現在のギヤ位置G(n) を検出する。
【0029】
【表1】
【0030】次にステップS13に移行して、前記ステ
ップS12で検出された現在のギヤ位置G(n) に基づい
て、車両減速比i(G(n))を算出設定する。次にステップ
S14に移行して、前記ダウンシフトフラグFd
“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該ダウン
シフトフラグFd が“1”のセット状態である場合には
ステップS15に移行し、そうでない場合にはステップ
S16に移行する。
【0031】前記ステップS15では、下記8式に従っ
て算出される自動変速機14の入出力軸回転速度差ΔN
が予め設定された所定値αより小さいか否かを判定し、
当該入出力軸回転速度差ΔNが所定値αより小さい場合
にはステップS17に移行し、そうでない場合にはステ
ップS18に移行する。 ΔN=|Ne−i(G(n))・VwR |<α ……… (8) また、前記ステップS16では、前記ステップS12で
検出された現在のギヤ位置G(n) が、前記記憶装置84
dに記憶されている前回のギヤ位置G(n-1) より小さい
か否かを判定し、現在のギヤ位置G(n) が前回のギヤ位
置G(n-1) より小さい場合にはステップS19に移行
し、そうでない場合には前記ステップS18に移行す
る。
【0032】前記ステップS17では、ダウンシフトフ
ラグFd を“0”にリセットして、前記ステップS18
に移行する。また、前記ステップS19では、ダウンシ
フトフラグFd を“1”にセットして、前記ステップS
18に移行する。前記ステップS18では、駆動力制御
フラグFt が“1”のセット状態であるか否かを判定
し、当該駆動力制御フラグFt が“1”のセット状態で
ある場合にはステップS20に移行し、そうでない場合
にはステップS21に移行する。
【0033】このうち、前記ステップS20では、前記
ダウンシフトフラグFd が“0”のリセット状態である
か否かを判定し、当該ダウンシフトフラグFd が“0”
のリセット状態である場合にはステップS22に移行
し、そうでない場合にはステップS23に移行する。そ
して、前記ステップS22では、予め設定されている目
標スリップ量S* と、前記ステップS6で算出された駆
動輪スリップ量の今回値S(n) とから、下記11式に従
って、駆動輪スリップ量偏差の今回値ΔS(n) を算出
し、次いでステップS25に移行して、下記12式に従
って駆動輪スリップ量の比例・積分(PI)制御量から
なるスリップ制御用目標スロットル開度の今回値θ*
S(n)を算出設定してから、ステップS26に移行する。
【0034】 ΔS(n) =S(n) −S* ………(11) θ* S(n)=θ* S(n-1)−KI ・ΔS(n) −KP ・(ΔS(n) −ΔS(n-1) ) ………(12) 但し、KP は比例制御ゲイン、KI は積分制御ゲインで
あって、ここでは予め設定された値とする。
【0035】また、前記ステップS21では、前記スリ
ップ制御用目標スロットル開度の前回値θ* S(n-1)に予
め設定されたサブスロットル開速度Δθ0 を加算した値
を、スリップ制御用目標スロットル開度の今回値θ*
S(n)に設定してから前記ステップS26に移行する。そ
して、前記ステップS26では、前記ステップS25又
はステップS21で設定されたスリップ制御用目標スロ
ットル開度の今回値θ* S(n)と、100(%)とのうち
の小さい方の値を、目標スロットル開度の今回値θ*
(n) に設定してから、ステップS27に移行する。
【0036】一方、前記ステップS23では、前記記憶
装置84dに更新記憶されている前記スリップ制御用目
標スロットル開度の前回値θ* S(n-1)を、スリップ制御
用目標スロットル開度の今回値θ* S(n)に設定してか
ら、ステップS24に移行する。そして、前記ステップ
S24では、前記ステップS23で設定されたスリップ
制御用目標スロットル開度の今回値θ* S(n)に、予め設
定されたサブスロットル開度補正値βを加算した値と、
100(%)とのうちの小さい方の値を、目標スロット
ル開度の今回値θ* (n) に設定してから、前記ステップ
S27に移行する。
【0037】前記ステップS27では、前記ステップS
24又はステップS26で設定された目標スロットル開
度の今回値θ* (n) と検出されたスロットル開度θとを
比較して、両者が等しい場合にはステップS28に移行
し、前者が大きい場合はステップS29に移行し、後者
が大きい場合にはステップS30に移行する。前記ステ
ップS29では、サブスロットルバルブ44のスロット
ル開度を今回の目標値まで増加するために、前記スロッ
トル開度θと、前記目標スロットル開度の今回値θ*
(n) との偏差に応じた正転信号を、前記ステップモータ
45に向けて出力してから、前記ステップS28に移行
する。
【0038】前記ステップS30では、サブスロットル
バルブ44のスロットル開度を今回の目標値まで減少す
るために、前記スロットル開度θと、前記目標スロット
ル開度の今回値θ* (n) との偏差に応じた逆転信号を、
前記ステップモータ45に向けて出力してから、前記ス
テップS28に移行する。前記ステップS28では、前
記目標スロットル開度の今回値θ* (n) を前回値θ*
(n-1) として、また駆動輪スリップ量偏差の今回値ΔS
(n) を前回値ΔS(n -1) として、夫々前記記憶装置84
dに更新記憶してから、メインプログラムに復帰する。
【0039】次に、前記図4の演算処理によるスロット
ル開度制御の作用について、図5のタイミングチャート
を用いて説明する。このタイミングチャートは、この実
施例の車両が、やや路面μが低い路面を定速走行中であ
って、駆動力制御により当該路面μに凡そ見合った駆動
力が得られている状態から、ある時刻t1 で、例えばア
クセルペダルの操作量が前記一定レベルを越えたために
前述のように自動変速機がシフトダウンされた場合をシ
ミュレートしたものである。
【0040】そして、図5aにはエンジン回転速度Ne
の経時変化を、同図bにはサブスロットル開度θ
(θ* )の経時変化を、同図cには実際の駆動輪スリッ
プ量Sの経時変化を夫々示す。また、本実施例の演算処
理によるスロットル開度制御の制御曲線を夫々実線で、
従来の駆動力制御による制御曲線を夫々破線で且つ添字
(P)を添えて示す。
【0041】先ず、時刻t1 以前は、駆動力制御により
走行中の当該路面μに凡そ見合った駆動力が得られてい
る状態にあり、実際にはアクセルペダルの踏込みに関係
なく、サブスロットルバルブ開度が閉方向に制御され
て、当該アクセルペダルの踏込み量,即ちメインスロッ
トル開度に応じたエンジン出力トルクよりも、実際のエ
ンジン出力トルクは低減され、結果的にエンジンの回転
速度も低下している。なお、このときのギヤ位置はG
(K) であり、それに伴う車両減速比はi(G(K))である。
また、この時刻t1 以前では、閉方向に制御されている
サブスロットル開度θは、この低μ路面でスリップ量S
を前記目標スリップ量S* に維持しながら、当該車速
(=駆動後輪速VwR )を維持するために必要なスリッ
プ制御用目標スロットル開度θ* S に維持されている。
また、エンジン回転速度Neは、前記スリップ量Sを除
いた後輪速VwR と車両減速比はi(G(K))との積値にほ
ぼ一致している。
【0042】一方、前述のようなアクセルペダルの操作
によって、前記時刻t1 で、ギヤ位置がG(K-1) に一速
分ダウンシフトされると、このダウンシフトを司るシフ
トソレノイド信号Sa,Sbが出力された直後の図4の
演算処理のステップS12で現在のギヤ比G(n) (=G
(K-1) )が検出され、このときはダウンシフトフラグF
d が“0”にリセットされているために、同ステップS
13からステップS16に移行し、前回よりもギヤ位置
が低くなっているためにステップS19に移行してダウ
ンシフトフラグFd が“1”にセットされ、これらによ
ってステップS18,ステップS20を経てステップS
23に移行して、スリップ制御用スロットル開度の今回
値θ* S(n)は、同じくスリップ制御用目標スロットル開
度の前回値θ* S(n-1)に維持され、次いでステップS2
4でこのスリップ制御用スロットル開度の今回値θ*
S(n)に所定値βを和した値が目標スロットル開度の今回
値θ * (n) に設定されるから、前記時刻t1 の直後から
本実施例のサブスロットル開度θは図5bに示すように
一時的に大きくなり、その後も前記ステップS23から
ステップS24に移行して、一定に保持されたスリップ
制御用スロットル開度の今回値θ* S(n)に所定値βを和
した値が目標スロットル開度の今回値θ* (n)に設定さ
れ続ける。
【0043】これによりエンジン回転速度Neは速やか
に増加し始めるが、これに先んじて減速比i(G) が大き
くなるために駆動輪スリップ量Sは一時的に減少する。
しかし、エンジン回転速度Neが速やかに増加すること
によって、駆動輪スリップ量Sも前記目標スリップ量S
* に向けて速やかに増加し始める。やがて、時刻t2
当該ダウンシフト後の車両減速比i(G(K-1))と後輪速V
R との積値i(G(K-1))・VwR と、エンジン回転速度
Neとの偏差が、前記微小所定値αより小さくなると、
本実施例の駆動輪スリップ量Sも目標スリップ量S *
一致する程度まで増加しており、従って図4の演算処理
のステップS15では、ダウンシフトが終了又はほぼ終
了しているものとしてステップS17に移行し、ダウン
シフトフラグFd を“0”にリセットし、その後はステ
ップS14からステップS16,ステップS18,次い
でステップS20からステップS22を経てステップS
25に移行するフローを繰り返すことになる。ここで、
前述のように時刻t2 で既に駆動輪スリップ量Sが目標
スリップ量S* に一致しており、且つスリップ制御用目
標スロットル開度の前回値θ* S(n-1)が、前記時刻t1
以前の値に維持されているから、当該ステップS25で
算出設定され、次いで目標スロットル開度の今回値θ*
(n) に設定されるスリップ制御用目標スロットル開度の
今回値θ* S(n)も、前記時刻t1 以前の値に維持される
ことになる。従って、この時刻t2 以後も、当該路面μ
及び車両減速比i(G) に見合った駆動輪の駆動力が得ら
れるように、サブスロットル開度θが制御される。勿
論、実際のダウンシフトも前記時刻t2 で終了するか
ら、当該ダウンシフト中を含んで、大幅な加速性の低下
は発生しない。即ち、本実施例の駆動力制御装置によれ
ば、ダウンシフト時にサブスロットル開度を強制的に増
加することで、手動変速機を搭載した車両で運転者が行
うように、エンジンの回転数を高めて当該ダウンシフト
が滑らかに且つ速やかに終了するようにすると共に、当
該ダウンシフト後に速やかに駆動力が得られる状態に移
行することができるから、減速ショックや制動スリップ
を発生させることなく、ダウンシフトを速やかに終了し
て加速力を維持することができる。
【0044】一方、従来の駆動力制御装置,具体的には
前記図4の演算処理のステップS11からステップS1
7及びステップS20,ステップS23及びステップS
24のない駆動力制御では、前述のダウンシフト中も、
単に駆動輪スリップ量Sを目標スリップ量S* に一致さ
せるフィードバック制御が継続されるだけであるから、
先行するダウンシフトに対してエンジン回転速度が増加
せず、図5の各分図に示すように駆動輪のスリップ量S
が低下し、この低下するスリップ量Sに対して、サブス
ロットル開度θがゆっくりと増加され、これに先立って
車両減速比i(G ) を大きくしようとしてもエンジン回転
速度Neはゆっくりとしか増加せず、更にこのエンジン
回転速度Neの増加に伴って駆動輪スリップ量Sが目標
スリップ量S* に漸近すると、サブスロットル開度θも
小さくなってゆくから、ますますエンジン回転速度Ne
の増加率が低下し、これらの相互作用によってダウンシ
フトの完了時刻は、前記時刻t2 よりも大幅に遅い時刻
3 まで延びてしまう。この間、エンジン回転速度Ne
は強制的に小さく抑制され、当然その出力も低減された
ままであるから、十分な加速力が得られず、場合によっ
ては当該車速を満足する駆動力も得られなくなることが
あり、これが前記高μ路面での減速ショックや低μ路面
での制動スリップとなる可能性もある。
【0045】以上より、前記実施例は本発明のうち請求
項1乃至3に係る自動変速機付き車両の駆動力制御装置
を実施化したものであり、前記図4の演算処理のステッ
プS6が本発明の自動変速機付き車両の駆動力制御装置
の駆動輪スリップ状態検出手段に相当し、以下同様に、
図4の演算処理のステップS11〜ステップS17及び
ステップS20,ステップS23及びステップS24が
出力低減量補正手段に相当し、図4の演算処理全体、コ
ントローラ30、ステップモータ45、およびサブスロ
ットルバルブ44が内燃機関出力制御手段に相当する。
【0046】なお、前記実施例ではダウンシフトに係る
大きな車両減速比への変更制御の開始をシフトソレノイ
ド信号で,またその終了を入力軸回転速度(=エンジン
回転速度)及び車両減速比及び駆動輪速で検出する構成
としたが、このような車両減速比の変更制御の開始及び
終了は、前記自動変速機制御装置による自動変速機への
作動流体圧(ライン圧)変化によっても検出することが
でき、その具体的な開始閾値及び終了閾値の設定につい
ては前記引用文献を参照すればよく、その開始判定を前
記図4の演算処理のステップS16に,その終了判定を
同じくステップS15に代替えすればよい。
【0047】また、上記実施例においては、ダウンシフ
トに係るサブスロットル開度増加制御の前後で、路面μ
の変動がない場合には、それまでのスリップ制御用サブ
スロットル開度の前回値を維持する場合について説明し
たが、これは通常の自動変速制御装置によるダウンシフ
ト(アップシフトも同様の原理)制御のタイミングが、
当該ダウンシフトの前後でエンジンの出力トルク(駆動
トルクと等価)に大きな変動がないポイントに設定され
ており、結果的にダウンシフトの前後でスロットル開度
を大きく変更する必要がないという原理に基づくもので
あって、実際の車両に適用してもさほど問題はない。但
し、厳密に考えるならば、ダウンシフト前後の夫々で必
要な駆動トルクを算出し、各ギヤ比でこの駆動トルクを
満足するエンジンの回転速度或いは出力トルクが得られ
るようにサブスロットル開度を算出設定すべきである。
【0048】また、上記実施例においては、駆動力制御
装置として、スロットル開度を制御する場合について説
明したが、駆動輪の制動力の制御装置を併設することも
可能である。また、上記実施例においては、スリップ率
やスリップ量を算出するにあたり、非駆動輪、つまり従
動輪の車輪速検出値と駆動輪の車輪速検出値とを用いた
が、これに限定されるものではなく、例えばアンチスキ
ッド制御装置に使用する擬似車速演算手段を適用して擬
似車速を算出し、この擬似車速を車輪速に変換して従動
輪の車輪速、即ち車体速として使用するようにしてもよ
い。
【0049】また、上記実施例においては、後輪駆動車
に本発明の駆動力制御装置を適用した場合について説明
したが、前輪駆動車や四輪駆動車にも本発明を適用する
ことができる。但し、四輪駆動車の場合には、非駆動輪
すなわち従動輪が原則的に存在しないので、前述したよ
うにアンチスキッド制御装置に使用する擬似車速演算手
段を適用するようにすればよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の自動変速機
付き車両の駆動力制御装置によれば、ダウンシフトにお
いて減速比を大きく変更制御するときには、内燃機関の
出力低減制御中の低減量を小さく補正してしまうので、
前記目標入力軸回転速度に向けて当該内燃機関の回転速
度が速やかに増加して、当該減速比を大きく変更する制
御は速やかに完了し、その後の加速性が維持される。
【0051】また、シフトソレノイドへの制御信号や、
自動変速機の作動流体圧を用いて、前記大きい減速比へ
の変更制御開始を確実且つ迅速に検出すれば、前記出力
低減制御中のダウンシフトに係る加速性が速やかに補償
される。また、駆動輪回転速度及び車両減速比及び内燃
機関の出力軸回転速度や、同じく自動変速機の作動流体
圧を用いて、前記大きな減速比への変更制御終了を確実
且つ迅速に検出すれば、当該減速比変更制御が完了した
後は通常の出力低減制御に速やかに移行して、駆動輪の
スリップ状態を所定の状態に維持して走行安定性や操縦
性を速やかに確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の駆動力制御装置の概要を示す基
本構成図である。
【図2】本発明の車両の駆動力制御装置を適用した車両
の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示すコントロータの一例を示すブロック
図である。
【図4】図3のコントローラで実行される駆動力制御の
演算処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】図4の演算処理で実行された駆動力制御の作用
を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
10FL,10FRは前左右輪 10RL,10RRは後左右輪(駆動輪) 14は自動変速機 18はトルクコンバータ 20はエンジン(内燃機関) 28FL〜28RRは車輪速センサ 30はコントローラ(内燃機関出力制御手段) 34は自動変速機制御装置 42はスロットル開度センサ 44はサブスロットルバルブ(内燃機関出力制御手段) 45はステップモータ(内燃機関出力制御手段) 46はアクセルペダル 47はアクセルセンサ 48はメインスロットルバルブ 84はマイクロコンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪のスリップ状態を検出する駆動輪
    スリップ状態検出手段と、当該駆動輪スリップ状態検出
    手段で検出された駆動輪のスリップ状態検出値が所定の
    スリップ状態値より大きいときに、運転者のアクセル操
    作とは無関係に内燃機関の出力を低減制御する内燃機関
    出力制御手段と、前記内燃機関の出力を駆動輪に伝達す
    る自動変速機の減速比を制御する自動変速制御手段とを
    備えた自動変速機付き車両の駆動力制御装置において、
    前記内燃機関出力制御手段は、前記自動変速制御手段が
    自動変速機の減速比を大きく変更制御しているときに、
    前記内燃機関の出力低減量を小さくする出力低減量補正
    手段を備えたことを特徴とする自動変速機付き車両の駆
    動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記出力低減量補正手段は、前記自動変
    速制御手段が出力するシフトソレノイド信号によって前
    記大きい減速比への変更制御開始を検出し、その減速比
    変更制御開始から所定時間、前記エンジンの出力低減量
    を一時的に小さくすることを特徴とする請求項1に記載
    の自動変速機付き車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記出力低減量補正手段は、内燃機関の
    出力軸回転速度と駆動輪回転速度と減速比とから前記大
    きい減速比への変更制御終了を検出し、その減速比変更
    制御終了に応じて、前記エンジンの出力低減量を小さく
    する制御を終了することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の自動変速機付き車両の駆動力制御装置。
JP13436695A 1995-05-31 1995-05-31 自動変速機付き車両の駆動力制御装置 Pending JPH08324298A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017533384A (ja) * 2014-09-05 2017-11-09 ボルボトラックコーポレーション マルチクラッチトランスミッションを備えた車両の動力伝達装置を制御するための方法、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能媒体及び制御装置。

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017533384A (ja) * 2014-09-05 2017-11-09 ボルボトラックコーポレーション マルチクラッチトランスミッションを備えた車両の動力伝達装置を制御するための方法、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能媒体及び制御装置。
US10377384B2 (en) 2014-09-05 2019-08-13 Volvo Truck Corporation Method for controlling a drivetrain of a vehicle comprising a multi-clutch transmission

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