JPH08323898A - 架橋ポリエチレン管 - Google Patents
架橋ポリエチレン管Info
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- JPH08323898A JPH08323898A JP7138258A JP13825895A JPH08323898A JP H08323898 A JPH08323898 A JP H08323898A JP 7138258 A JP7138258 A JP 7138258A JP 13825895 A JP13825895 A JP 13825895A JP H08323898 A JPH08323898 A JP H08323898A
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- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 内層がエンゲル架橋高密度ポリエチレンから
なり、外層がシラン架橋低密度ポリエチレンからなるこ
とを特徴とする架橋ポリエチレン管。 【効果】 本発明の架橋ポリエチレン管は、水道水など
と接触する内層が、低密度ポリエチレンに比べ耐塩素水
性に優れる高密度ポリエチレンより成り、しかもシラン
架橋によるものよりも高い架橋度が得られるエンゲル架
橋により架橋されているので、高い架橋度を有してお
り、高温クリープ特性、耐薬品性、可撓性に優れたもの
になっている。特に、ポリエチレン管内を伝搬する衝撃
（例えばウオーターハンマー現象）に対して、優れた耐
衝撃性を有している。また、曲げによりより多くの歪み
を受ける管の外層が高密度ポリエチレンに比べて可撓性
がよい低密度ポリエチレンよりなるために施工性に優れ
ている。すなわち、本発明のポリエチレン管は施工性と
耐衝撃性という相反する特性を同時に満足しており、水
道水用、給湯用などの配管として好適に用いることがで
きる。
なり、外層がシラン架橋低密度ポリエチレンからなるこ
とを特徴とする架橋ポリエチレン管。 【効果】 本発明の架橋ポリエチレン管は、水道水など
と接触する内層が、低密度ポリエチレンに比べ耐塩素水
性に優れる高密度ポリエチレンより成り、しかもシラン
架橋によるものよりも高い架橋度が得られるエンゲル架
橋により架橋されているので、高い架橋度を有してお
り、高温クリープ特性、耐薬品性、可撓性に優れたもの
になっている。特に、ポリエチレン管内を伝搬する衝撃
（例えばウオーターハンマー現象）に対して、優れた耐
衝撃性を有している。また、曲げによりより多くの歪み
を受ける管の外層が高密度ポリエチレンに比べて可撓性
がよい低密度ポリエチレンよりなるために施工性に優れ
ている。すなわち、本発明のポリエチレン管は施工性と
耐衝撃性という相反する特性を同時に満足しており、水
道水用、給湯用などの配管として好適に用いることがで
きる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は流体輸送用パイプに関す
るものであり、さらに詳しくは、耐衝撃性、耐薬品性、
耐クリープ性などの特性に優れ、水道水用、給湯用など
の配管として好適に用いることのできる架橋ポリエチレ
ン管に関するものである。
るものであり、さらに詳しくは、耐衝撃性、耐薬品性、
耐クリープ性などの特性に優れ、水道水用、給湯用など
の配管として好適に用いることのできる架橋ポリエチレ
ン管に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、水道水用、給湯用のパイプ材とし
てポリエチレンが用いられている。水道水用の配管の場
合には、水道水に含まれる殺菌、浄水成分のためにパイ
プの内側が劣化するという問題があった。このような問
題を解決するために、内層が耐薬品性に優れた高密度ポ
リエチレンからなり、外層が低密度ポリエチレンからな
るパイプが提案されている。しかし、これらのパイプは
耐熱性に劣り、６０〜１２０℃の高温でのクリープ特
性、耐衝撃性が不十分であるために給湯用配管として使
用することはできない。
てポリエチレンが用いられている。水道水用の配管の場
合には、水道水に含まれる殺菌、浄水成分のためにパイ
プの内側が劣化するという問題があった。このような問
題を解決するために、内層が耐薬品性に優れた高密度ポ
リエチレンからなり、外層が低密度ポリエチレンからな
るパイプが提案されている。しかし、これらのパイプは
耐熱性に劣り、６０〜１２０℃の高温でのクリープ特
性、耐衝撃性が不十分であるために給湯用配管として使
用することはできない。
【０００３】一方、架橋ポリエチレンは、未架橋ポリエ
チレンに比べて、高温クリープ特性、耐衝撃性が著しく
向上している。そのため、この架橋ポリエチレンからな
る管は、給湯用、暖房用の配管材として有用であるとさ
れている。
チレンに比べて、高温クリープ特性、耐衝撃性が著しく
向上している。そのため、この架橋ポリエチレンからな
る管は、給湯用、暖房用の配管材として有用であるとさ
れている。
【０００４】架橋ポリエチレン管を製造する方法として
は、各種の方法が提案されているが、それらのうち、次
の２つの方法が一般によく知られている。すなわち、特
公昭４５−３５６５８号公報に記載されているエンゲル
架橋と特公昭４８−１７１１号公報に記載されているシ
ラン架橋である。このうち、前者のエンゲル架橋はポリ
エチレンにジクミルパーオキサイドのような有機過酸化
物を配合してなる樹脂組成物を架橋した後または架橋と
同時に管状に押出成形し、あるいは、押出成形後架橋す
る方法である。後者のシラン架橋は、ポリエチレンに例
えばビニルトリエトキシシランのようなシラン化合物
と、例えば過酸化ベンゾイルのような有機過酸化物と例
えばジブチルスズジラウレートのようなシラノール縮合
触媒とを配合し、得られた樹脂組成物を加熱しながら管
状に押出成形し、その成形管を水分を含む雰囲気に曝し
てシラン架橋を進めるという方法である。
は、各種の方法が提案されているが、それらのうち、次
の２つの方法が一般によく知られている。すなわち、特
公昭４５−３５６５８号公報に記載されているエンゲル
架橋と特公昭４８−１７１１号公報に記載されているシ
ラン架橋である。このうち、前者のエンゲル架橋はポリ
エチレンにジクミルパーオキサイドのような有機過酸化
物を配合してなる樹脂組成物を架橋した後または架橋と
同時に管状に押出成形し、あるいは、押出成形後架橋す
る方法である。後者のシラン架橋は、ポリエチレンに例
えばビニルトリエトキシシランのようなシラン化合物
と、例えば過酸化ベンゾイルのような有機過酸化物と例
えばジブチルスズジラウレートのようなシラノール縮合
触媒とを配合し、得られた樹脂組成物を加熱しながら管
状に押出成形し、その成形管を水分を含む雰囲気に曝し
てシラン架橋を進めるという方法である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前者のエンゲル架橋に
よって得られる架橋ポリエチレン管は、後者のシラン架
橋によって得られるものよりも高い架橋度を有し、高温
クリープ特性、耐衝撃性などに優れている。しかし、こ
のエンゲル架橋による架橋ポリエチレン管は、可撓性が
劣り、配管する際施工性が悪い。また、後者のシラン架
橋で架橋ポリエチレン管を製造するには、パイプ肉厚方
向に均一な架橋度を達成するために、数十時間にもわた
って水分を含む雰囲気に曝さなければならず、工業的に
量産を考えた場合に生産性に問題がある。本発明は、耐
薬品性に優れ、高温クリープ性、耐衝撃性、可撓性に優
れ、生産性にも優れた架橋ポリエチレン管の提供を目的
とする。
よって得られる架橋ポリエチレン管は、後者のシラン架
橋によって得られるものよりも高い架橋度を有し、高温
クリープ特性、耐衝撃性などに優れている。しかし、こ
のエンゲル架橋による架橋ポリエチレン管は、可撓性が
劣り、配管する際施工性が悪い。また、後者のシラン架
橋で架橋ポリエチレン管を製造するには、パイプ肉厚方
向に均一な架橋度を達成するために、数十時間にもわた
って水分を含む雰囲気に曝さなければならず、工業的に
量産を考えた場合に生産性に問題がある。本発明は、耐
薬品性に優れ、高温クリープ性、耐衝撃性、可撓性に優
れ、生産性にも優れた架橋ポリエチレン管の提供を目的
とする。
【０００６】
【発明を解決するための手段】即ち、本発明において
は、内層がエンゲル架橋高密度ポリエチレンからなり、
外層がシラン架橋低密度ポリエチレンからなることを特
徴とする架橋ポリエチレン管を提供する。
は、内層がエンゲル架橋高密度ポリエチレンからなり、
外層がシラン架橋低密度ポリエチレンからなることを特
徴とする架橋ポリエチレン管を提供する。
【０００７】本発明の架橋ポリエチレン管の内層は、ベ
ース樹脂である高密度ポリエチレンに有機過酸化物が混
合されてなる樹脂組成物の加熱架橋体である。架橋高密
度ポリエチレンのゲル分率は４０〜９５％、好ましくは
５０〜９５％である。内層のゲル分率が４０％を下回る
場合、架橋ポリエチレン管の耐薬品性、高温クリープ特
性、耐衝撃性が低下する。
ース樹脂である高密度ポリエチレンに有機過酸化物が混
合されてなる樹脂組成物の加熱架橋体である。架橋高密
度ポリエチレンのゲル分率は４０〜９５％、好ましくは
５０〜９５％である。内層のゲル分率が４０％を下回る
場合、架橋ポリエチレン管の耐薬品性、高温クリープ特
性、耐衝撃性が低下する。
【０００８】有機過酸化物としては、ジクミルパーオキ
サイド、ｔ−ブチルパーオキサイド、１，１−ビス（ｔ
−ブチルパーオキシ）３，３，５−トリメチルシクロヘ
キサン、２，５−ジメチル−２，５−ジ（ｔ−ブチルパ
ーオキシ）ヘキサン、２，５−ジメチル−２，５−ジ
（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキサン−３などがあげら
れ、成形加工時のダイスの温度、滞在時間に応じて適宜
選択される。有機過酸化物の配合量は所望の架橋度に応
じて調整されるが、高密度ポリエチレン１００重量部に
対して、０．１〜１重量部、好ましくは０．１〜０．７
重量部が適当である。配合量が０．１重量部未満では、
十分に満足すべき架橋体が得られないというおそれがあ
り、また１重量部を越えると、架橋が進みすぎて、得ら
れる架橋ポリエチレン管の内層の可撓性が低下すること
がある。
サイド、ｔ−ブチルパーオキサイド、１，１−ビス（ｔ
−ブチルパーオキシ）３，３，５−トリメチルシクロヘ
キサン、２，５−ジメチル−２，５−ジ（ｔ−ブチルパ
ーオキシ）ヘキサン、２，５−ジメチル−２，５−ジ
（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキサン−３などがあげら
れ、成形加工時のダイスの温度、滞在時間に応じて適宜
選択される。有機過酸化物の配合量は所望の架橋度に応
じて調整されるが、高密度ポリエチレン１００重量部に
対して、０．１〜１重量部、好ましくは０．１〜０．７
重量部が適当である。配合量が０．１重量部未満では、
十分に満足すべき架橋体が得られないというおそれがあ
り、また１重量部を越えると、架橋が進みすぎて、得ら
れる架橋ポリエチレン管の内層の可撓性が低下すること
がある。
【０００９】本発明の架橋ポリエチレン管の外層は、ベ
ース樹脂である低密度ポリエチレンにシラン化合物、有
機過酸化物、シラノール縮合触媒が混合された樹脂組成
物のシラン架橋体である。架橋低密度ポリエチレンのゲ
ル分率は１０％以上、好ましくは２０％以上である。ゲ
ル分率が１０％を下回る場合、耐薬品性、高温クリープ
特性、耐衝撃性に劣る架橋ポリエチレン管となる可能性
がある。
ース樹脂である低密度ポリエチレンにシラン化合物、有
機過酸化物、シラノール縮合触媒が混合された樹脂組成
物のシラン架橋体である。架橋低密度ポリエチレンのゲ
ル分率は１０％以上、好ましくは２０％以上である。ゲ
ル分率が１０％を下回る場合、耐薬品性、高温クリープ
特性、耐衝撃性に劣る架橋ポリエチレン管となる可能性
がある。
【００１０】シラン化合物としては、シラン架橋し得る
ものであれば何であってもよく、例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリス（β−メトキシエト
キシ）シランなどを挙げることができる。このシラン化
合物は、後述する有機過酸化物の作用により発生したポ
リエチレン内のラジカルとグラフト重合してそのポリエ
チレンに結合する成分である。このシラン化合物の配合
量は、低密度ポリエチレン１００重量部に対して０．５
〜１０重量部、好ましくは１〜５重量部である。０．１
重量部よりも少ない場合は、十分に満足すべき架橋体が
得られないという問題が発生し、また１０重量部よりも
多い場合は、気泡が生じて得られる架橋ポリエチレン管
の加工性が悪くなるおそれがある。
ものであれば何であってもよく、例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリス（β−メトキシエト
キシ）シランなどを挙げることができる。このシラン化
合物は、後述する有機過酸化物の作用により発生したポ
リエチレン内のラジカルとグラフト重合してそのポリエ
チレンに結合する成分である。このシラン化合物の配合
量は、低密度ポリエチレン１００重量部に対して０．５
〜１０重量部、好ましくは１〜５重量部である。０．１
重量部よりも少ない場合は、十分に満足すべき架橋体が
得られないという問題が発生し、また１０重量部よりも
多い場合は、気泡が生じて得られる架橋ポリエチレン管
の加工性が悪くなるおそれがある。
【００１１】有機過酸化物としては、グラフト反応条件
下で低密度ポリエチレンにラジカルを発生させるもので
あればよく、例としては、ジクミルパーオキサイド、ｔ
−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドな
どの有機過酸化物が挙げられる。その配合量は低密度ポ
リエチレン１００重量部に対して０．０１〜５重量部、
好ましくは０．０１〜１重量部である。
下で低密度ポリエチレンにラジカルを発生させるもので
あればよく、例としては、ジクミルパーオキサイド、ｔ
−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドな
どの有機過酸化物が挙げられる。その配合量は低密度ポ
リエチレン１００重量部に対して０．０１〜５重量部、
好ましくは０．０１〜１重量部である。
【００１２】また、シラノール縮合触媒としては、シラ
ン化合物の架橋に用いられているものであれば何であっ
てもよく、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチ
ルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、酢
酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、カプ
リン酸亜鉛、２−エチルヘキサン鉄、ナフテン酸コバル
トのようなカルボン酸塩；チタン酸テトラブチルエステ
ル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス（アセチルア
セトニトリル）ジイソプロピルチタネートのようなチタ
ン酸エステルなどを挙げることができる。その配合量は
低密度ポリエチレン１００重量部に対して０．００１〜
５重量部、好ましくは０．１〜３重量部である。
ン化合物の架橋に用いられているものであれば何であっ
てもよく、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチ
ルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、酢
酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、カプ
リン酸亜鉛、２−エチルヘキサン鉄、ナフテン酸コバル
トのようなカルボン酸塩；チタン酸テトラブチルエステ
ル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス（アセチルア
セトニトリル）ジイソプロピルチタネートのようなチタ
ン酸エステルなどを挙げることができる。その配合量は
低密度ポリエチレン１００重量部に対して０．００１〜
５重量部、好ましくは０．１〜３重量部である。
【００１３】さらに内層、外層のベース樹脂には、耐候
安定剤、滑剤などの添加物を適量混合してもよい。特
に、酸化防止剤、例えばヒンダードフェノール系または
ホスファイト系の酸化防止剤をベース樹脂１００重量部
に対して０．１〜１．０重量部、好ましくは０．１〜
０．７重量部添加すると、熱老化防止、銅害防止、耐薬
品性の向上という点で優れた効果があり、架橋ポリエチ
レン管の経年劣化に対する耐久性が増す。
安定剤、滑剤などの添加物を適量混合してもよい。特
に、酸化防止剤、例えばヒンダードフェノール系または
ホスファイト系の酸化防止剤をベース樹脂１００重量部
に対して０．１〜１．０重量部、好ましくは０．１〜
０．７重量部添加すると、熱老化防止、銅害防止、耐薬
品性の向上という点で優れた効果があり、架橋ポリエチ
レン管の経年劣化に対する耐久性が増す。
【００１４】本発明の架橋ポリエチレン管の径は用途に
応じて適宜選択することができるが、強度等を考慮する
と一般に内径４〜４７ｍｍ、外径７〜７０ｍｍ程度であ
る。また架橋ポリエチレン管の内層の厚みは、架橋ポリ
エチレン管の総厚みの１０〜６０％、特に１０〜５０％
が好ましい。内層厚みの割合が１０％未満の場合、高温
クリープ特性、耐衝撃性に劣るパイプとなり、内層厚み
が６０％を越える場合には、架橋ポリエチレン管の可撓
性が低下する傾向がある。
応じて適宜選択することができるが、強度等を考慮する
と一般に内径４〜４７ｍｍ、外径７〜７０ｍｍ程度であ
る。また架橋ポリエチレン管の内層の厚みは、架橋ポリ
エチレン管の総厚みの１０〜６０％、特に１０〜５０％
が好ましい。内層厚みの割合が１０％未満の場合、高温
クリープ特性、耐衝撃性に劣るパイプとなり、内層厚み
が６０％を越える場合には、架橋ポリエチレン管の可撓
性が低下する傾向がある。
【００１５】以下、本発明の架橋ポリエチレン管を製造
する場合について説明する。まず、架橋ポリエチレン管
の内層のベース樹脂である高密度ポリエチレンに有機過
酸化物が混合された樹脂組成物を架橋した後または架橋
と同時に管状に押出成形し、あるいは、押出成形後架橋
し、内層を作製する。続いて、外層のベース樹脂である
低密度ポリエチレンにシラン化合物、有機過酸化物、シ
ラノール縮合触媒が混合された樹脂組成物をその有機過
酸化物の分解温度以下の温度で、内層の上に押出成形
し、その後、有機過酸化物の分解温度以上に加熱して成
形管とする。その後、水分の存在下で架橋処理を施し、
本発明の架橋ポリエチレン管を得る。架橋がすべてエン
ゲル架橋で行われた架橋ポリエチレン管は可撓性に劣
り、その結果施工性に劣る。また、架橋ポリエチレン管
の架橋をすべてシラン架橋で行う場合、管の厚さ方向に
均一に架橋を施すために水分の存在下での架橋処理に数
十時間も要し、生産性の点から好ましくない。本発明の
架橋ポリエチレン管は、内層がエンゲル架橋で、外層の
みがシラン架橋であるため、可撓性に優れており、ま
た、シラン架橋処理に要する時間を大幅に短縮すること
ができ、生産性の向上の点からも優れている。
する場合について説明する。まず、架橋ポリエチレン管
の内層のベース樹脂である高密度ポリエチレンに有機過
酸化物が混合された樹脂組成物を架橋した後または架橋
と同時に管状に押出成形し、あるいは、押出成形後架橋
し、内層を作製する。続いて、外層のベース樹脂である
低密度ポリエチレンにシラン化合物、有機過酸化物、シ
ラノール縮合触媒が混合された樹脂組成物をその有機過
酸化物の分解温度以下の温度で、内層の上に押出成形
し、その後、有機過酸化物の分解温度以上に加熱して成
形管とする。その後、水分の存在下で架橋処理を施し、
本発明の架橋ポリエチレン管を得る。架橋がすべてエン
ゲル架橋で行われた架橋ポリエチレン管は可撓性に劣
り、その結果施工性に劣る。また、架橋ポリエチレン管
の架橋をすべてシラン架橋で行う場合、管の厚さ方向に
均一に架橋を施すために水分の存在下での架橋処理に数
十時間も要し、生産性の点から好ましくない。本発明の
架橋ポリエチレン管は、内層がエンゲル架橋で、外層の
みがシラン架橋であるため、可撓性に優れており、ま
た、シラン架橋処理に要する時間を大幅に短縮すること
ができ、生産性の向上の点からも優れている。
【００１６】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例１、２及び４ 高密度ポリエチレン（密度０．９５２ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ
＝０．１）１００重量部に対して、ｔ−ブチルパーオキ
サイドを１重量部混合した樹脂組成物を２２０℃で管状
に押出成形し、架橋ポリエチレン管の内層を作製する。
その上に連続して、外層のベース樹脂である低密度ポリ
エチレン（密度０．９２１ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ＝３）１０
０重量部に対してビニルトリメトキシシラン２重量部、
ジクミルパーオキサイド０．２重量部を混合した樹脂組
成物を２００℃で押出成形した後、９０℃に設定した温
水槽に５時間浸漬してシラン架橋処理を行い、表１に示
すようなゲル分率及び厚みを有する架橋ポリエチレン管
を得た。 実施例３ ｔ−ブチルパーオキサイドを０．５重量部、ビニルトリ
メトキシシランを１．５重量部とした以外は、実施例１
と同様にして表１に示すような架橋ポリエチレン管を得
た。 実施例５ ｔ−ブチルパーオキサイドを０．２重量部、ビニルトリ
メトキシシランを０．１重量部とした以外は、実施例１
と同様にして表１に示すような架橋ポリエチレン管を得
た。 比較例１ 低密度ポリエチレン（密度０．９２１ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ
＝３）１００重量部に対してビニルトリメトキシシラン
２重量部、ジクミルパーオキサイド０．２重量部を混合
した組成物を２００℃で管状に押出成形した後、９０℃
に設定した温水槽に５時間浸漬してシラン架橋処理を行
い、表１に示すような単層架橋ポリエチレン管を得た。 比較例２ 高密度ポリエチレン（密度０．９５２ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ
＝０．１）１００重量部対して、ｔ−ブチルパーオキサ
イドを１重量部を混合した組成物を２２０℃で管状に押
出成形し、表１に示すような単層架橋ポリエチレン管を
得た。
に説明する。 実施例１、２及び４ 高密度ポリエチレン（密度０．９５２ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ
＝０．１）１００重量部に対して、ｔ−ブチルパーオキ
サイドを１重量部混合した樹脂組成物を２２０℃で管状
に押出成形し、架橋ポリエチレン管の内層を作製する。
その上に連続して、外層のベース樹脂である低密度ポリ
エチレン（密度０．９２１ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ＝３）１０
０重量部に対してビニルトリメトキシシラン２重量部、
ジクミルパーオキサイド０．２重量部を混合した樹脂組
成物を２００℃で押出成形した後、９０℃に設定した温
水槽に５時間浸漬してシラン架橋処理を行い、表１に示
すようなゲル分率及び厚みを有する架橋ポリエチレン管
を得た。 実施例３ ｔ−ブチルパーオキサイドを０．５重量部、ビニルトリ
メトキシシランを１．５重量部とした以外は、実施例１
と同様にして表１に示すような架橋ポリエチレン管を得
た。 実施例５ ｔ−ブチルパーオキサイドを０．２重量部、ビニルトリ
メトキシシランを０．１重量部とした以外は、実施例１
と同様にして表１に示すような架橋ポリエチレン管を得
た。 比較例１ 低密度ポリエチレン（密度０．９２１ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ
＝３）１００重量部に対してビニルトリメトキシシラン
２重量部、ジクミルパーオキサイド０．２重量部を混合
した組成物を２００℃で管状に押出成形した後、９０℃
に設定した温水槽に５時間浸漬してシラン架橋処理を行
い、表１に示すような単層架橋ポリエチレン管を得た。 比較例２ 高密度ポリエチレン（密度０．９５２ｇ／ｃｍ3、ＭＦＲ
＝０．１）１００重量部対して、ｔ−ブチルパーオキサ
イドを１重量部を混合した組成物を２２０℃で管状に押
出成形し、表１に示すような単層架橋ポリエチレン管を
得た。
【００１７】実施例１〜５及び比較例１、２の架橋ポリ
エチレン管を以下の項目で評価、測定した。結果を表１
に示す。 ・ゲル分率：試料を１９０℃に加熱したキシレン溶剤中
に２４時間浸漬後、１８時間真空乾燥し、浸漬前後の試
料の質量から次式によりゲル分率を求めた。 ゲル分率(%) ＝（浸漬乾燥後の試料の質量）／（浸漬前
の試料の質量）×１００ ・高温クリープ特性：ＪＩＳ Ｋ６７６９に準拠する。
きわめて良好なものを◎、良好なものを○、不良なもの
を×とした。 ・耐薬品性：５０℃、２０００ｐｐｍの塩素水に浸漬、
２４時間ごとに表面状態を観察した。表面に全く変化が
ないものを◎、ほとんど変化がないものを○、気泡が生
成したものを×とした。 ・耐衝撃性：ＪＩＳ Ｋ６７６９に準拠する耐水圧を測
定した。きわめて良好なものを◎、良好なものを○、不
良なものを×とした。 ・可撓性：パイプを１ｍの長さに切断し人の両手にて曲
げ、弱い力で良好に曲げられ施工性がきわめて優れるも
のを◎、施工性が優れるものを○、ふつうであるものを
△、強い力をかけなければ曲がらず、施工に適さないも
のを×とした。
エチレン管を以下の項目で評価、測定した。結果を表１
に示す。 ・ゲル分率：試料を１９０℃に加熱したキシレン溶剤中
に２４時間浸漬後、１８時間真空乾燥し、浸漬前後の試
料の質量から次式によりゲル分率を求めた。 ゲル分率(%) ＝（浸漬乾燥後の試料の質量）／（浸漬前
の試料の質量）×１００ ・高温クリープ特性：ＪＩＳ Ｋ６７６９に準拠する。
きわめて良好なものを◎、良好なものを○、不良なもの
を×とした。 ・耐薬品性：５０℃、２０００ｐｐｍの塩素水に浸漬、
２４時間ごとに表面状態を観察した。表面に全く変化が
ないものを◎、ほとんど変化がないものを○、気泡が生
成したものを×とした。 ・耐衝撃性：ＪＩＳ Ｋ６７６９に準拠する耐水圧を測
定した。きわめて良好なものを◎、良好なものを○、不
良なものを×とした。 ・可撓性：パイプを１ｍの長さに切断し人の両手にて曲
げ、弱い力で良好に曲げられ施工性がきわめて優れるも
のを◎、施工性が優れるものを○、ふつうであるものを
△、強い力をかけなければ曲がらず、施工に適さないも
のを×とした。
【００１８】
【表１】
【００１９】実施例１〜５の架橋ポリエチレン管は、内
層が架橋高密度ポリエチレン、外層が架橋低密度ポリエ
チレンからなり、いずれの評価項目においても優れた架
橋ポリエチレン管となっている。それに対して、比較例
１はシラン架橋低密度ポリエチレンみからなる単層架橋
ポリエチレン管であるため、高温クリープ特性、耐薬品
性、耐衝撃性に劣っている。比較例２はエンゲル架橋に
よる架橋高密度ポリエチレンの単層管であるため、可撓
性の点で劣っている。
層が架橋高密度ポリエチレン、外層が架橋低密度ポリエ
チレンからなり、いずれの評価項目においても優れた架
橋ポリエチレン管となっている。それに対して、比較例
１はシラン架橋低密度ポリエチレンみからなる単層架橋
ポリエチレン管であるため、高温クリープ特性、耐薬品
性、耐衝撃性に劣っている。比較例２はエンゲル架橋に
よる架橋高密度ポリエチレンの単層管であるため、可撓
性の点で劣っている。
【００２０】
【発明の効果】本発明の架橋ポリエチレン管は、水道水
などと接触する内層が、低密度ポリエチレンに比べ耐塩
素水性に優れる高密度ポリエチレンより成り、しかもシ
ラン架橋によるものよりも高い架橋度が得られるエンゲ
ル架橋により架橋されているので、高い架橋度を有して
おり、高温クリープ特性、耐薬品性、可撓性に優れたも
のになっている。特に、架橋ポリエチレン管内を伝搬す
る衝撃（例えばウオーターハンマー現象）に対して、優
れた耐衝撃性を有している。また、曲げによりより多く
の歪みを受ける管の外層が高密度ポリエチレンに比べて
可撓性がよい低密度ポリエチレンよりなるために施工性
に優れている。すなわち、本発明の架橋ポリエチレン管
は施工性と耐衝撃性という相反する特性を同時に満足し
ており、水道水用、給湯用などの配管として好適に用い
ることができる。
などと接触する内層が、低密度ポリエチレンに比べ耐塩
素水性に優れる高密度ポリエチレンより成り、しかもシ
ラン架橋によるものよりも高い架橋度が得られるエンゲ
ル架橋により架橋されているので、高い架橋度を有して
おり、高温クリープ特性、耐薬品性、可撓性に優れたも
のになっている。特に、架橋ポリエチレン管内を伝搬す
る衝撃（例えばウオーターハンマー現象）に対して、優
れた耐衝撃性を有している。また、曲げによりより多く
の歪みを受ける管の外層が高密度ポリエチレンに比べて
可撓性がよい低密度ポリエチレンよりなるために施工性
に優れている。すなわち、本発明の架橋ポリエチレン管
は施工性と耐衝撃性という相反する特性を同時に満足し
ており、水道水用、給湯用などの配管として好適に用い
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ２４Ｄ 3/16 Ｆ２４Ｄ 3/16 Ｂ // Ｃ０８Ｌ 23/04 Ｃ０８Ｌ 23/04
Claims (1)
- 【請求項１】 内層がエンゲル架橋高密度ポリエチレン
からなり、外層がシラン架橋低密度ポリエチレンからな
ることを特徴とする架橋ポリエチレン管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7138258A JPH08323898A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 架橋ポリエチレン管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7138258A JPH08323898A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 架橋ポリエチレン管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08323898A true JPH08323898A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15217745
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7138258A Pending JPH08323898A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 架橋ポリエチレン管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08323898A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1069361A1 (de) * | 1999-03-25 | 2001-01-17 | Hewing GmbH | Kunststoffrohr aus Polyethylen |
| US7108362B2 (en) | 1998-03-30 | 2006-09-19 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink cartridge and remaining ink volume detection method |
| JP2007253423A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp | 給水給湯用樹脂管 |
| JP2007253424A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp | 暖房用途の樹脂管 |
| CN103756088A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-04-30 | 宁波波尔管业开发有限公司 | 高强度耐温耐磨的聚乙烯管材 |
| CN118359863A (zh) * | 2024-06-20 | 2024-07-19 | 山东博雄建设工程有限公司 | 一种水暖用高导热高耐热交联聚乙烯管材及其制备方法 |
-
1995
- 1995-06-05 JP JP7138258A patent/JPH08323898A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7108362B2 (en) | 1998-03-30 | 2006-09-19 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink cartridge and remaining ink volume detection method |
| EP1069361A1 (de) * | 1999-03-25 | 2001-01-17 | Hewing GmbH | Kunststoffrohr aus Polyethylen |
| JP2007253423A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp | 給水給湯用樹脂管 |
| JP2007253424A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp | 暖房用途の樹脂管 |
| CN103756088A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-04-30 | 宁波波尔管业开发有限公司 | 高强度耐温耐磨的聚乙烯管材 |
| CN103756088B (zh) * | 2013-12-26 | 2016-09-07 | 宁波波尔管业开发有限公司 | 高强度耐温耐磨的聚乙烯管材 |
| CN118359863A (zh) * | 2024-06-20 | 2024-07-19 | 山东博雄建设工程有限公司 | 一种水暖用高导热高耐热交联聚乙烯管材及其制备方法 |
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