JPH08323771A - タイヤ成形用金型 - Google Patents

タイヤ成形用金型

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JPH08323771A
JPH08323771A JP7136893A JP13689395A JPH08323771A JP H08323771 A JPH08323771 A JP H08323771A JP 7136893 A JP7136893 A JP 7136893A JP 13689395 A JP13689395 A JP 13689395A JP H08323771 A JPH08323771 A JP H08323771A
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tire
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laminated
laminated blade
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Hiroshi Nakamura
博司 中村
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/0601Vulcanising tyres; Vulcanising presses for tyres
    • B29D30/0606Vulcanising moulds not integral with vulcanising presses
    • B29D2030/0607Constructional features of the moulds
    • B29D2030/0613Means, e.g. sipes or blade-like elements, for forming narrow recesses in the tyres, e.g. cuts or incisions for winter tyres

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  • Tires In General (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤの加硫成形時の空気排出を確実にな
し、しかもベントスピューを発生させることがなく、仕
上げ工数の削減、タイヤ外観の改善を図ることができる
タイヤ成形用金型を提供する。 【構成】 トレッド踏面部に、溝により区画されるブロ
ックやリブまたはその両者の組合せによる陸部を有する
タイヤを成形するタイヤ成形用金型であり、トレッド踏
面部を成形する金型1のセグメント1aの内面に、複数
枚の金属の薄板を重ね合せてなる積層ブレード5を、タ
イヤの溝を形成する凸部12,13を除く凹所14にお
いて一側端5cが金型内面1cに略面一あるいは僅かに
突出して露出するように埋設し、この積層ブレード5を
金型内面1cに沿って金型分割面にまで延ばし、少なく
とも一端部5dを該分割面に露出させ、空気を該積層ブ
レード5の合せ面の間隙を通じて排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてタイヤのトレ
ッド踏面部のパターンが、タイヤ周方向の縦溝とこれと
は交差する横溝との組合せにより多数のブロックを有す
るいわゆるブロックパターンよりなる重荷重用タイヤの
加硫成形に用いられるタイヤ成形用金型に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】タイヤを
加硫成形する際、タイヤ踏面部に相当する金型内面のタ
イヤの溝を形成する凸部で区分されるブロック形成用の
凹所、前記凸部と金型内面とが交差形成するコーナー部
等に空気が残留すると、成形したタイヤの表面に凹みが
生じ成形不良となるため、タイヤ成形用金型としては、
金型内に残留する空気を排出する手段が必要となる。
【0003】この空気排出の手段として、一般には、図
9(d)にしめすように金型内面の各凹所毎に、金型内
面から外部に通ずる少なくとも1本(通常1〜3本)の
孔、すなわちベントホール(50)を設け、前記の残留
空気を金型外部に排出する方法が多く採用されている。
【0004】しかし、このベントホールによる場合、タ
イヤの加硫成形時に、ゴムがベントホールに侵入するた
め、成形された製品タイヤのトレッド表面には多数のベ
ントスピューが生じることになる。
【0005】そのため、成形後にはベントスピュー(以
下、スピューという)を切除するきわめて煩雑な作業工
程が必要で、これが仕上げ工数の増大につながり、また
スピュー分のゴム材料が無駄にもなり、パターンによっ
ては、これらに要する費用はタイヤコストの1%にもな
っている。
【0006】しかも、成形後の型抜きの際にスピュー切
れが発生することがあり、仮にスピュー切れが生じる
と、残存したスピューが次に成形されるタイヤに異物と
して混入したり、空気排出性を阻害することがあり、ま
たスピュー切れによってタイヤ表面の一部が欠ける等の
不良が生じるおそれもあった。
【0007】さらに上記のほか、一般のベントホールに
比べて径小(0.4〜0.6mm)のベントホールを設
けておくことも考えられているが、この場合、スピュー
がごく細いもので、このスピューを切除する工程は不要
にはなるとはいうものの、外観が劣ることになり不体裁
である。
【0008】さらにトレッド踏面部を成形する金型を周
方向複数に分割したセグメントモールドにより構成した
ものにおいて、このセグメントモールドをさらに小さ
い、例えばタイヤパターンの1ピッチ毎の小セグメント
に分割形成し、これを一つのセグメントモールドにまと
め、隣接する小セグメント同士の分割面の間隙を利用し
て空気を排出する方法や、金型内部のキャビティを真空
状態にして空気を排出した後に成形する方法もあるが、
これらいずれの場合にも、ベントホールが不要で、スピ
ューを切除する作業も不要になるものの、金型の製作に
手数がかかったり、特殊な設備が必要になる等、金型コ
スト及びタイヤの生産コストが増大することになる。
【0009】そこで、複数枚の薄板を重ね合せた積層ブ
レードを金型のキャビティ側から外部に連通させように
金型に埋設したベント構造をなすものが提案されたが
(特開平4−338512号公報)、これはブレード埋
設部分が鋳造により製作された金型であって、金型を鋳
造する鋳型の構造上、金型を内外に貫通させて埋設する
加工が難しく、その実施が容易でなく、また仮に実施で
きたとしても、ベントホールと同数の加工が必要とな
り、かなりコスト高なものとなった。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなしたもので、空
気排出のための積層ブレードを金型内面に沿って配設し
て、タイヤの加硫成形時の空気排出を確実になし、仕上
げ工数の削減、タイヤ外観の改善を図ることができ、し
かもコスト安価に容易に実施できるタイヤ成形用金型を
提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、トレッド踏面部に、溝により区画されるブロッ
クやリブのいずれかまたはその双方の組合せによる陸部
を有するタイヤを成形する金型であって、トレッド踏面
部を成形する金型の内面には、複数枚の金属の薄板を重
ね合せてなる積層ブレードが、タイヤの溝を形成する凸
部を除く凹所において一側端が金型内面に露出するよう
に埋設されるとともに、該積層ブレードが金型内面に沿
って金型分割面にまで延びて少なくとも一端部が該分割
面に露出してなることを特徴とする。
【0012】前記において、積層ブレードの端部が露出
する金型分割面としては、トレッド踏面部を成形する金
型を周方向複数に分割されたセグメントよりなる場合の
セグメント同士間の分割面である場合が、実施容易であ
り好ましいが、他の例えばセグメントとセグメントが接
する金型の他の部品との分割面であってもよい。
【0013】前記の積層ブレードは、金型のブレード埋
設部分が鋳造で製作される場合、金型内面に露出する部
分で金型鋳造用の鋳型に支持させておくことにより、金
型鋳造と同時に金型内面に前記のように埋設しておくこ
とができる。この場合、この積層ブレードとしては、融
点が鋳造母材よりも高くかつ線膨脹係数が金型を構成す
る材料とほぼ同等の高強度の金属の薄板を重ね合せてな
るものが好ましい。
【0014】例えば、金型の鋳造材料はアルミ合金の場
合、ブレードの材料は融点が900℃以上のものである
こと、また線膨脹係数が異なると、鋳造時の熱膨脹の差
から、積層ブレードに歪みや曲りが生じ、主にキャビテ
ィ側の石膏や砂の硬化物等よりなる鋳型を損傷すること
があるので、前記のように線膨脹係数を同等のものにし
ておくのがよいことから、材質は銅合金が好ましい。ブ
レード母材に溝をきって嵌込みカシメ、接着によって取
付けるタイプでは、線膨脹係数を母材と同系統のもの、
例えば母材が軟鋼の場合に、ブレードにはステンレス
鋼、クローム鋼等を用いる。
【0015】前記の積層フレードの金型内面からの露出
形態としては、該ブレードの側端面を金型内面と面一の
状態で露出させることも、また金型内面より僅かに突出
させて露出させることもできる。
【0016】積層ブレードの側端が金型内面から突出し
ている場合において、突出寸法が2mmを越えると、空
気残留によるタイヤの成形不良の問題が生じるおそれが
あるので、2mmを越えて突出させておく場合は、ブレ
ード突出部分における少なくとも一方側の薄板に、側端
面からの切込み等による切欠を、金型内面から該切欠の
縁までの最短距離が2mm以内となるように、各凹所毎
に1〜数個設けておくのが好ましい。
【0017】また、前記同様に積層フレードの側端が金
型内面より2mmを越えて突出している場合、このブレ
ード突出部分における少なくとも一方の薄板に、直径
0.5〜3.0mmの小孔を、金型内面から該小孔の縁
までの最短距離が2mm以内となるように、ブロック成
形用の凹所毎に1〜数個設けておくこともできる。
【0018】
【作用】上記した本発明のタイヤ成形用金型によれば、
金型内面の凹所において一側端が露出するように埋設さ
れた積層ブレードを有し、該積層ブレードの一端部が金
型分割面にまで延びて露出しているので、タイヤの加硫
成形時に、トレッド踏面部を成形する金型内のキャビテ
ィに残留する空気は、前記凹所内面に露出している積層
ブレードの側端から薄板間の合せ面の微小間隙を通じ
て、金型分割面間に排出されるとともに、この分割面間
の間隙を通じて金型外部に排出される。
【0019】特に、前記の積層ブレードは、金属の薄板
を複数枚重ね合せてなるもので、その薄板間の合せ面に
は、粘性の差から空気は通すが加熱され軟化したゴムは
通さない程度の微小間隙が存在し、この微小間隙を通じ
て金型内部の残留空気のみを確実に排出することがで
き、ベントホールを金型に設けた場合に生ずるゴムのス
ピューが生じることがない。
【0020】それゆえ、従来のような空気抜きのための
ベントホールを不要にでき、しかもスピューが生じない
ために、成形後にスピューを切除する煩雑な作業は不要
になり、仕上げ工数を大幅に削減できる。またスピュー
切れが原因の加硫成形工程上の成形品の不具合問題も生
じない。
【0021】また、前記の積層ブレードが金型内面に突
出する場合、ブレードと金型内面によって凹所即ち空気
溜りを作ることになるが、凹所の空気はゴムの流入によ
って大部分、ブレードその他の部分を介して排出され、
最終的にブレードと金型内面との交差点にそれらとゴム
とで形成される小さな断面3角形状の空隙となるので、
この突出寸法が2mm以内であれば、そこに残留する空
気は拡散あるいはゴムに吸収されて空気溜り跡等が生じ
ることはない。また突出寸法が2mmを越える場合で
も、ブレード突出部分に、請求項2のように切欠を設け
るか、あるいは請求項3のように小孔を設けておくこと
により、ブレード突出部分による空気溜りの空気が、前
記切欠あるいは小孔の部分から積層ブレードの合せ面の
微小間隙に流れ込んで、該合せ面の微小間隙を通じて型
同士の接合面に排出され、金型外部に排出されるので、
空気溜りが生じることはない。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0023】図1はこの発明に係るタイヤ成形用金型
(A)の1実施例を示す概略断面図であり、同図におい
て、(1a)はトレッド踏面部を成形するアルミ合金鋳
物製セグメント、(1b)はセグメントを保持するセグ
メントコンテナー、(2)は上型、(3)は下型を示
し、これら両型にリング状ビード部用モールド(図示省
略)が装着される。トレッド踏面部を成形するセグメン
ト(1a)とセグメントコンテナー(1b)は、周方向
複数(通常8〜12個)に分割されている。(4)はセ
グメントコンテナー(1b)の外周を保持するアウター
リング、(10)は金型内部のキャビティを示す。タイ
ヤを加硫成形する場合、未加硫タイヤはこの成形用金型
のキャビティ(10)内に装填される。
【0024】図2は、前記セグメント(1a)の金型内
面側からの正面図と分割面の側面図を示している。
【0025】前記のタイヤ踏面部を成形するセグメント
(1a)の内面には、複数のタイヤ周方向の縦溝を形成
する凸部(12)と、横溝を形成する凸部(13)が設
けられており、これらの凸部(12)(13)に区画さ
れる凹所が、タイヤ周方向の縦溝とこれに交差する横溝
とにより区画されたブロック等の陸部成形用の凹所(1
4)として形成されている。さらに必要に応じて、陸部
成形用の凹所(14)には、サイプ形成用のブレードが
突設されるが、この図面では該ブレードを省略して示し
ている。
【0026】前記セグメント(1a)の内面には、複数
枚(通常は図のように2枚)の燐青銅帯板状薄板(5
a)(5b)を重ね合せてなる積層ブレード(5)が、
溝形成用の凸部(12)(13)を除く陸部成形用の凹
所(14)において、一側端(5c)が金型内面(1
a)と面一になるように埋設されている。さらにこの積
層ブレード(5)は、金型内面(1c)に沿って連続し
てセグメント(1a)の分割面にまで延びて端部(5
d)が該分割面に露出しており、これにより、各凹所
(14)から該部に露出する積層ブレード(5)の薄板
(5a)(5b)間の合せ面による微小間隙を通じて前
記分割面まで連通させている。
【0027】図の場合、積層ブレード(5)は、金型の
内面すなわちセグメント(1a)の内面に沿ってタイヤ
周方向に対応する縦方向に連続して配設され、その両端
部(5d)(5d)が隣接するセグメント(1a)との
分割面に露出せしめられているが、一方の端部(5d)
のみを分割面に露出させるようにしてもよい。このほ
か、縦溝形成用の凸部(12)と交差する横方向に積層
ブレードを配して、その端部を、上型(2)や下型
(3)との間の金型分割面に露出させるようにして実施
することもできる。いずれにしても、陸部形成用の各凹
所(14)に少なくとも1つの積層ブレードの側端が露
出するように埋設して実施するのがよい。
【0028】前記の積層ブレード(5)は、空気溜りが
陸部成形用の凹所(14)の隅部に生じ易いことから、
通常、図のように凹所(14)を区画する溝形成用の凸
部(12)または(13)の近傍に配設される。また積
層ブレード(5)が溝形成用の凸部(12)または(1
3)を横切る部分では、図3および図4のように埋設部
において連続させる。図示していないが、積層ブレード
同士が交差する部分では、双方のブレードに1/2幅程
度の切込み溝を形成して相互に嵌合することにより、双
方とも切断することなく連続させる。
【0029】積層ブレード(5)の内側端(5c)の金
型内面における露出形態として、図示するように、金型
内面より突出している場合、この積層フレード(5)の
突出寸法(h)が2mmを越えると空気溜りを作ること
になるので、突出寸法(h)は2mm以内とするのがよ
い。
【0030】前記突出寸法(h)が2mmを越える場合
は、図5に示すように、積層ブレード(5)のブレード
突出部分における少なくとも一方側の薄板(5a)(5
b)に、側端面からの切込み等による切欠(6)を、金
型内面から該切欠(6)の縁までの最短距離が2mm以
内となるように設けるか、あるいは図6のように、直径
0.5〜3.0mmの小孔(7)を、金型内面から該小
孔(7)の縁までの最短距離が2mm以内となるように
設けて、空気を排出できるように設ける。この切欠
(6)あるいは小孔(7)は各凹所(14)毎に1〜数
個設けておくのがよい。これにより空気排出を確実にな
すことができる。
【0031】前記の切欠(6)あるいは小孔(7)は、
重ね合せた薄板(5a)(5b)の一方側だけに設けた
場合、他方側に空気溜りを作るおそれがあるので、図5
あるいは図6のように、両側の薄板(5a)(5b)に
それぞれ互い違いに、あるいは同じ位置に切欠(6)や
小孔(7)を形成しておくのが望ましい。
【0032】なお前記のように積層ブレード(5)が金
型内面に突出していると、成形されるタイヤの表面に
は、ブレードに対応した細溝が形成されることになる。
【0033】図7に示すように、前記の積層ブレード
(5)がタイヤ外周のブロック等の陸部に設けられるサ
イプ形成用ブレードを兼ねる構成とすることもできる。
この場合、積層ブレード(5)はサイプとして必要な高
さ及び必要な長さの範囲分突出するように設けられ、サ
イプ形成部以外の部分を金型内面と略面一になるように
切除することにより、側端(5c)が金型内面に露出せ
しめられる。これにより加硫成形時の凹所(14)内の
空気排出をスムーズに行なえ、しかもサイプも同時に形
成することができる。
【0034】上記の積層ブレード(5)は、金型(1)
の各セグメント(1a)をアルミニウム合金のように鋳
造で製作する場合、同時に埋設することができる。
【0035】すなわち、帯状の薄板(5a)(5b)を
重ね合せた積層ブレード(5)の前記金型内面に露出さ
せる内側端(5c)の部分が突出している場合、この突
出した側端(5c)部分で金型鋳造用の内側の鋳型に支
持させておいて、鋳造を行なってセグメント内部に埋設
する。この際、積層ブレード(5)は片持ちで支持され
ることになるが、積層ブレード(5)は比較的細幅であ
って、鋳造材料に埋設される寸法がそれほど大きくない
ため、前記のように片持ちであっても安定性よく支持さ
れ、鋳造が問題なく可能になる。なお、積層ブレード
(5)の埋設寸法は、前記の鋳造時の支持安定性や合せ
面の間隙による通気性等の点から、5〜15mmが好適
である。また積層ブレード(5)総厚みは、強度等の点
から0.5〜1.5mm程度、好ましくは0.8〜1.
0mmの範囲とするのがよい。
【0036】また前記のように金型鋳造によって埋設す
る場合、積層ブレード(5)を構成する薄板(5a)
(5b)は、セグメント材料(鋳造材料)の融点を越え
かつ線膨脹係数が金型材料と略同じで高強度の金属材を
用いる。例えば、セグメント材料がアルミニウム合金の
場合、ブレードの材質は燐青銅を、セグメント材料が鋳
鋼ではブレードにはクローム鋼、ステンレス鋼を用い
る。
【0037】このように積層ブレード(5)を金型鋳造
によって埋設するが、積層ブレード(5)の側端(5
c)を図9(a)のように金型内面と略面一にして露出
させる場合は、前記の突出部分を部分的とし鋳造後切除
すればよい。なお、他の支持部材を連結しておいて、鋳
型に支持させることも可能である。
【0038】上記したように積層ブレード(5)を設け
た成形用金型によれば、図8(a)に示すように、タイ
ヤの加硫成形時、トレッド踏面部を成形するセグメント
(1a)内の凹所(14)に生じる空気溜り(20)の
空気が、凹所(14)の金型内面(1c)に露出してい
る積層ブレード(5)の内側端(5c)から薄板(5
a)(5b)間の合せ面の微小間隙を通じて一端部(5
d)が露出している金型分割面の部分に排出されるとと
もに、この分割面間の間隙(21)を通じて金型外部に
排出される。しかも軟化し凹所(14)侵入するゴム
(22)は、薄板(5a)(5b)間の合せ面には侵入
せず、したがってベントホールのごとくスピューを生じ
させることなくタイヤを加硫成形できる。
【0039】また前記積層ブレード(5)が金型内面よ
り2mmを越えて突出している場合は、図5または図6
のように、切欠(6)あるいは小孔(7)を設けておく
ことにより、空気はこれらの切欠(6)や小孔(7)か
ら両薄板(5a)(5b)の合せ面に入り、該合せ面の
間隙を通じて外部に排出される。ブレードの突出が2m
m以下または2mm以内の部分の空気溜り(23)は、
図8(b)のように極くわずかな範囲となるので、加硫
中に吸収あるいは拡散して消滅する。
【0040】下記の表1は、図9の(a)〜(d)の構
造によるベント形式を、周方向9分割のセグメントモー
ルドよりなる金型における各セグメントモールドに1つ
づつ応用して、タイヤを加硫成形した場合のベアーによ
る不良タイヤの発生率を示している。実施例1は、積層
ブレードの側端を金型内面と略面一にして露出させた場
合を示し、実施例2〜7は、それぞれ積層ブレードの側
端を金型内面より突出させて、切欠あるいは小孔を金型
内面からの最短距離が2mm以内となるように設けた場
合を示している。比較例1および2は積層ブレードの側
端を金型内面より突出させ、切欠もしくは小孔を金型内
面からの最短距離が2mmを越える位置に設けた場合を
示し、比較例3は従来のベントホールの場合を示してい
る。
【0041】なお、成形したタイヤは、サイズ11R2
2.5で図2に示すパターンのタイヤとした。
【0042】
【表1】 上記から明らかなように、本発明の積層ブレードによる
ベント構造によれば、従来のベントホールによる場合と
不良発生率では遜色のないものとなり、しかもベントホ
ールの場合のようなスピューが発生しないため、仕上げ
工程でのスピューを切除する作業が不要となった。
【0043】
【発明の効果】上記したように本発明のタイヤ成形用金
型によれば、金型内に残留する空気を積層ブレードの薄
板間の合せ面の微小間隙を通じて金型分割面に排出で
き、この分割面の間隙より金型外部に確実に排出でき
る。しかも前記積層ブレードの合せ面の微小間隙にはゴ
ムが侵入することがないので、従来のようなスピューを
生じさせることなく、外観の良好なタイヤを成形でき
る。
【0044】したがって、タイヤの加硫成形後にスピュ
ーを取り除く煩雑な作業を不要にでき、仕上げ工程の大
幅な工数削減を図ることができ、しかもベント構造が原
因の成形工程での不良発生を防止でき、またスピュー切
除に伴う不良も生じない。
【0045】また前記の積層ブレードを金型鋳造と同時
に埋設することができるので、金型に複雑な加工を加え
る必要もなく、モールドコストが増大することもなく、
容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1実施例に係るタイヤ成形用金型の概略
を示す断面図である。
【図2】トレッド踏面部を成形する金型の1セグメント
モールドの内面側からの正面図と分割面の側面図であ
る。
【図3】図2のX−X線の拡大断面図である。
【図4】図3のY−Y線の断面図である。
【図5】積層ブレードを金型内面より突出させた場合の
ブレード突出部分に切欠を設けた実施例を示す一部の断
面斜視図である。
【図6】積層ブレードを金型内面より突出させた場合の
ブレード突出部分に小孔を設けた実施例を示す一部の断
面斜視図である。
【図7】積層ブレードをサイプ形成用ブレードと兼用す
る場合の1例を示す一部の断面斜視図である。
【図8】(a)(b)それぞれタイヤの加硫成形時の空
気の排出状態を示す作用説明図である。
【図9】積層ブレードによるベント構造とベントホール
によるベント構造を示す略示断面図である。
【符号の説明】
(1) トレッド踏面部を成形する金型 (2) 上型 (3) 下型 (4) キャビティ (5) 積層ブレード (5a)(5b) 薄板 (5c) 内側端 (5d) 端部 (6) 切欠 (7) 小孔 (11) セグメント (12) 縦溝形成用の凸部 (13) 横溝形成用の凸部 (14) 陸部成形用の凹所

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド踏面部に、溝により区画されるブ
    ロックやリブのいずれかまたは双方の組合せによる陸部
    を有するタイヤを成形するタイヤ成形用金型であって、 トレッド踏面部を成形する金型の内面には、複数枚の金
    属の薄板を重ね合せてなる積層ブレードが、タイヤの溝
    を形成する凸部を除く凹所において一側端が金型内面に
    露出するように埋設されるとともに、該積層ブレードが
    金型内面に沿って金型分割面にまで延びて少なくとも一
    端部が該分割面に露出していることを特徴とするタイヤ
    成形用金型。
  2. 【請求項2】積層ブレードの一側端が金型内面より2m
    mを越えて突出しており、このブレード突出部分におけ
    る少なくとも一方側の薄板に、側端面からの切込み等に
    よる切欠が、金型内面から該切欠の縁までの最短距離が
    2mm以内となるように、各凹所毎に1〜数個設けられ
    てなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ成形用
    金型。
  3. 【請求項3】積層ブレードの一側端が金型内面から2m
    mを越えて突出しており、このブレード突出部分におけ
    る少なくとも一方側の薄板には、直径0.5〜3.0m
    mの小孔が、金型内面から該小孔の縁までの最短距離が
    2mm以内となるように、各凹所毎に1〜数個設けられ
    てなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ成形用
    金型。
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