JP3541261B2 - タイヤ成形用金型 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主としてタイヤのトレッド踏面部のパターンが、タイヤ周方向の縦溝とこれとは交差する横溝との組合せにより多数のブロックを有するいわゆるブロックパターンよりなる重荷重用タイヤの加硫成形に用いられるタイヤ成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
タイヤを加硫成形する際、タイヤ踏面部に相当する金型内面のタイヤの溝を形成する凸部で区分されるブロック形成用の凹所、前記凸部と金型内面とが交差形成するコーナー部等に空気が残留すると、成形したタイヤの表面に凹みが生じ成形不良となるため、タイヤ成形用金型としては、金型内に残留する空気を排出する手段が必要となる。
【0003】
この空気排出の手段として、一般には、図9(d)にしめすように金型内面の各凹所毎に、金型内面から外部に通ずる少なくとも1本(通常1〜3本)の孔、すなわちベントホール(50)を設け、前記の残留空気を金型外部に排出する方法が多く採用されている。
【0004】
しかし、このベントホールによる場合、タイヤの加硫成形時に、ゴムがベントホールに侵入するため、成形された製品タイヤのトレッド表面には多数のベントスピューが生じることになる。
【0005】
そのため、成形後にはベントスピュー(以下、スピューという)を切除するきわめて煩雑な作業工程が必要で、これが仕上げ工数の増大につながり、またスピュー分のゴム材料が無駄にもなり、パターンによっては、これらに要する費用はタイヤコストの1%にもなっている。
【0006】
しかも、成形後の型抜きの際にスピュー切れが発生することがあり、仮にスピュー切れが生じると、残存したスピューが次に成形されるタイヤに異物として混入したり、空気排出性を阻害することがあり、またスピュー切れによってタイヤ表面の一部が欠ける等の不良が生じるおそれもあった。
【0007】
さらに上記のほか、一般のベントホールに比べて径小(0.4〜0.6mm)のベントホールを設けておくことも考えられているが、この場合、スピューがごく細いもので、このスピューを切除する工程は不要にはなるとはいうものの、外観が劣ることになり不体裁である。
【0008】
さらにトレッド踏面部を成形する金型を周方向複数に分割したセグメントモールドにより構成したものにおいて、このセグメントモールドをさらに小さい、例えばタイヤパターンの1ピッチ毎の小セグメントに分割形成し、これを一つのセグメントモールドにまとめ、隣接する小セグメント同士の分割面の間隙を利用して空気を排出する方法や、金型内部のキャビティを真空状態にして空気を排出した後に成形する方法もあるが、これらいずれの場合にも、ベントホールが不要で、スピューを切除する作業も不要になるものの、金型の製作に手数がかかったり、特殊な設備が必要になる等、金型コスト及びタイヤの生産コストが増大することになる。
【0009】
そこで、複数枚の薄板を重ね合せた積層ブレードを金型のキャビティ側から外部に連通させように金型に埋設したベント構造をなすものが提案されたが(特開平4−338512号公報)、これはブレード埋設部分が鋳造により製作された金型であって、金型を鋳造する鋳型の構造上、金型を内外に貫通させて埋設する加工が難しく、その実施が容易でなく、また仮に実施できたとしても、ベントホールと同数の加工が必要となり、かなりコスト高なものとなった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなしたもので、空気排出のための積層ブレードを金型内面に沿って配設して、タイヤの加硫成形時の空気排出を確実になし、仕上げ工数の削減、タイヤ外観の改善を図ることができ、しかもコスト安価に容易に実施できるタイヤ成形用金型を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、トレッド踏面部に、溝により区画されるブロックやリブのいずれかまたはその双方の組合せによる陸部を有するタイヤを成形する金型であって、トレッド踏面部を成形する金型の内面には、複数枚の金属の薄板を重ね合せてなる積層ブレードが、タイヤの溝を形成する凸部を除く凹所において一側端が金型内面に露出するように埋設されるとともに、該積層ブレードが金型内面に沿って金型分割面にまで延びて少なくとも一端部が該分割面に露出してなることを特徴とする。
【0012】
前記において、積層ブレードの端部が露出する金型分割面としては、トレッド踏面部を成形する金型を周方向複数に分割されたセグメントよりなる場合のセグメント同士間の分割面である場合が、実施容易であり好ましいが、他の例えばセグメントとセグメントが接する金型の他の部品との分割面であってもよい。
【0013】
前記の積層ブレードは、金型のブレード埋設部分が鋳造で製作される場合、金型内面に露出する部分で金型鋳造用の鋳型に支持させておくことにより、金型鋳造と同時に金型内面に前記のように埋設しておくことができる。この場合、この積層ブレードとしては、融点が鋳造母材よりも高くかつ線膨脹係数が金型を構成する材料とほぼ同等の高強度の金属の薄板を重ね合せてなるものが好ましい。
【0014】
例えば、金型の鋳造材料はアルミ合金の場合、ブレードの材料は融点が900℃以上のものであること、また線膨脹係数が異なると、鋳造時の熱膨脹の差から、積層ブレードに歪みや曲りが生じ、主にキャビティ側の石膏や砂の硬化物等よりなる鋳型を損傷することがあるので、前記のように線膨脹係数を同等のものにしておくのがよいことから、材質は銅合金が好ましい。ブレード母材に溝をきって嵌込みカシメ、接着によって取付けるタイプでは、線膨脹係数を母材と同系統のもの、例えば母材が軟鋼の場合に、ブレードにはステンレス鋼、クローム鋼等を用いる。
【0015】
前記の積層フレードの金型内面からの露出形態としては、該ブレードの側端面を金型内面と面一の状態で露出させることも、また金型内面より僅かに突出させて露出させることもできる。
【0016】
積層ブレードの側端が金型内面から突出している場合において、突出寸法が2mmを越えると、空気残留によるタイヤの成形不良の問題が生じるおそれがあるので、2mmを越えて突出させておく場合は、ブレード突出部分における少なくとも一方側の薄板に、側端面からの切込み等による切欠を、金型内面から該切欠の縁までの最短距離が2mm以内となるように、各凹所毎に1〜数個設けておくのが好ましい。
【0017】
また、前記同様に積層フレードの側端が金型内面より2mmを越えて突出している場合、このブレード突出部分における少なくとも一方の薄板に、直径0.5〜3.0mmの小孔を、金型内面から該小孔の縁までの最短距離が2mm以内となるように、ブロック成形用の凹所毎に1〜数個設けておくこともできる。
【0018】
【作用】
上記した本発明のタイヤ成形用金型によれば、金型内面の凹所において一側端が露出するように埋設された積層ブレードを有し、該積層ブレードの一端部が金型分割面にまで延びて露出しているので、タイヤの加硫成形時に、トレッド踏面部を成形する金型内のキャビティに残留する空気は、前記凹所内面に露出している積層ブレードの側端から薄板間の合せ面の微小間隙を通じて、金型分割面間に排出されるとともに、この分割面間の間隙を通じて金型外部に排出される。
【0019】
特に、前記の積層ブレードは、金属の薄板を複数枚重ね合せてなるもので、その薄板間の合せ面には、粘性の差から空気は通すが加熱され軟化したゴムは通さない程度の微小間隙が存在し、この微小間隙を通じて金型内部の残留空気のみを確実に排出することができ、ベントホールを金型に設けた場合に生ずるゴムのスピューが生じることがない。
【0020】
それゆえ、従来のような空気抜きのためのベントホールを不要にでき、しかもスピューが生じないために、成形後にスピューを切除する煩雑な作業は不要になり、仕上げ工数を大幅に削減できる。またスピュー切れが原因の加硫成形工程上の成形品の不具合問題も生じない。
【0021】
また、前記の積層ブレードが金型内面に突出する場合、ブレードと金型内面によって凹所即ち空気溜りを作ることになるが、凹所の空気はゴムの流入によって大部分、ブレードその他の部分を介して排出され、最終的にブレードと金型内面との交差点にそれらとゴムとで形成される小さな断面3角形状の空隙となるので、この突出寸法が2mm以内であれば、そこに残留する空気は拡散あるいはゴムに吸収されて空気溜り跡等が生じることはない。また突出寸法が2mmを越える場合でも、ブレード突出部分に、請求項2のように切欠を設けるか、あるいは請求項3のように小孔を設けておくことにより、ブレード突出部分による空気溜りの空気が、前記切欠あるいは小孔の部分から積層ブレードの合せ面の微小間隙に流れ込んで、該合せ面の微小間隙を通じて型同士の接合面に排出され、金型外部に排出されるので、空気溜りが生じることはない。
【0022】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基いて説明する。
【0023】
図1はこの発明に係るタイヤ成形用金型(A)の1実施例を示す概略断面図であり、同図において、(1a)はトレッド踏面部を成形するアルミ合金鋳物製セグメント、(1b)はセグメントを保持するセグメントコンテナー、(2)は上型、(3)は下型を示し、これら両型にリング状ビード部用モールド(図示省略)が装着される。トレッド踏面部を成形するセグメント(1a)とセグメントコンテナー(1b)は、周方向複数(通常8〜12個)に分割されている。(4)はセグメントコンテナー(1b)の外周を保持するアウターリング、(10)は金型内部のキャビティを示す。タイヤを加硫成形する場合、未加硫タイヤはこの成形用金型のキャビティ(10)内に装填される。
【0024】
図2は、前記セグメント(1a)の金型内面側からの正面図と分割面の側面図を示している。
【0025】
前記のタイヤ踏面部を成形するセグメント(1a)の内面には、複数のタイヤ周方向の縦溝を形成する凸部(12)と、横溝を形成する凸部(13)が設けられており、これらの凸部(12)(13)に区画される凹所が、タイヤ周方向の縦溝とこれに交差する横溝とにより区画されたブロック等の陸部成形用の凹所(14)として形成されている。さらに必要に応じて、陸部成形用の凹所(14)には、サイプ形成用のブレードが突設されるが、この図面では該ブレードを省略して示している。
【0026】
前記セグメント(1a)の内面には、複数枚(通常は図のように2枚)の燐青銅帯板状薄板(5a)(5b)を重ね合せてなる積層ブレード(5)が、溝形成用の凸部(12)(13)を除く陸部成形用の凹所(14)において、一側端(5c)が金型内面(1a)と面一になるように埋設されている。さらにこの積層ブレード(5)は、金型内面(1c)に沿って連続してセグメント(1a)の分割面にまで延びて端部(5d)が該分割面に露出しており、これにより、各凹所(14)から該部に露出する積層ブレード(5)の薄板(5a)(5b)間の合せ面による微小間隙を通じて前記分割面まで連通させている。
【0027】
図の場合、積層ブレード(5)は、金型の内面すなわちセグメント(1a)の内面に沿ってタイヤ周方向に対応する縦方向に連続して配設され、その両端部(5d)(5d)が隣接するセグメント(1a)との分割面に露出せしめられているが、一方の端部(5d)のみを分割面に露出させるようにしてもよい。このほか、縦溝形成用の凸部(12)と交差する横方向に積層ブレードを配して、その端部を、上型(2)や下型(3)との間の金型分割面に露出させるようにして実施することもできる。いずれにしても、陸部形成用の各凹所(14)に少なくとも1つの積層ブレードの側端が露出するように埋設して実施するのがよい。
【0028】
前記の積層ブレード(5)は、空気溜りが陸部成形用の凹所(14)の隅部に生じ易いことから、通常、図のように凹所(14)を区画する溝形成用の凸部(12)または(13)の近傍に配設される。また積層ブレード(5)が溝形成用の凸部(12)または(13)を横切る部分では、図3および図4のように埋設部において連続させる。図示していないが、積層ブレード同士が交差する部分では、双方のブレードに1/2幅程度の切込み溝を形成して相互に嵌合することにより、双方とも切断することなく連続させる。
【0029】
積層ブレード(5)の内側端(5c)の金型内面における露出形態として、図示するように、金型内面より突出している場合、この積層フレード(5)の突出寸法(h)が2mmを越えると空気溜りを作ることになるので、突出寸法(h)は2mm以内とするのがよい。
【0030】
前記突出寸法(h)が2mmを越える場合は、図5に示すように、積層ブレード(5)のブレード突出部分における少なくとも一方側の薄板(5a)(5b)に、側端面からの切込み等による切欠(6)を、金型内面から該切欠(6)の縁までの最短距離が2mm以内となるように設けるか、あるいは図6のように、直径0.5〜3.0mmの小孔(7)を、金型内面から該小孔(7)の縁までの最短距離が2mm以内となるように設けて、空気を排出できるように設ける。この切欠(6)あるいは小孔(7)は各凹所(14)毎に1〜数個設けておくのがよい。これにより空気排出を確実になすことができる。
【0031】
前記の切欠(6)あるいは小孔(7)は、重ね合せた薄板(5a)(5b)の一方側だけに設けた場合、他方側に空気溜りを作るおそれがあるので、図5あるいは図6のように、両側の薄板(5a)(5b)にそれぞれ互い違いに、あるいは同じ位置に切欠(6)や小孔(7)を形成しておくのが望ましい。
【0032】
なお前記のように積層ブレード(5)が金型内面に突出していると、成形されるタイヤの表面には、ブレードに対応した細溝が形成されることになる。
【0033】
図7に示すように、前記の積層ブレード(5)がタイヤ外周のブロック等の陸部に設けられるサイプ形成用ブレードを兼ねる構成とすることもできる。この場合、積層ブレード(5)はサイプとして必要な高さ及び必要な長さの範囲分突出するように設けられ、サイプ形成部以外の部分を金型内面と略面一になるように切除することにより、側端(5c)が金型内面に露出せしめられる。これにより加硫成形時の凹所(14)内の空気排出をスムーズに行なえ、しかもサイプも同時に形成することができる。
【0034】
上記の積層ブレード(5)は、金型(1)の各セグメント(1a)をアルミニウム合金のように鋳造で製作する場合、同時に埋設することができる。
【0035】
すなわち、帯状の薄板(5a)(5b)を重ね合せた積層ブレード(5)の前記金型内面に露出させる内側端(5c)の部分が突出している場合、この突出した側端(5c)部分で金型鋳造用の内側の鋳型に支持させておいて、鋳造を行なってセグメント内部に埋設する。この際、積層ブレード(5)は片持ちで支持されることになるが、積層ブレード(5)は比較的細幅であって、鋳造材料に埋設される寸法がそれほど大きくないため、前記のように片持ちであっても安定性よく支持され、鋳造が問題なく可能になる。なお、積層ブレード(5)の埋設寸法は、前記の鋳造時の支持安定性や合せ面の間隙による通気性等の点から、5〜15mmが好適である。また積層ブレード(5)総厚みは、強度等の点から0.5〜1.5mm程度、好ましくは0.8〜1.0mmの範囲とするのがよい。
【0036】
また前記のように金型鋳造によって埋設する場合、積層ブレード(5)を構成する薄板(5a)(5b)は、セグメント材料(鋳造材料)の融点を越えかつ線膨脹係数が金型材料と略同じで高強度の金属材を用いる。例えば、セグメント材料がアルミニウム合金の場合、ブレードの材質は燐青銅を、セグメント材料が鋳鋼ではブレードにはクローム鋼、ステンレス鋼を用いる。
【0037】
このように積層ブレード(5)を金型鋳造によって埋設するが、積層ブレード(5)の側端(5c)を図9(a)のように金型内面と略面一にして露出させる場合は、前記の突出部分を部分的とし鋳造後切除すればよい。なお、他の支持部材を連結しておいて、鋳型に支持させることも可能である。
【0038】
上記したように積層ブレード(5)を設けた成形用金型によれば、図8(a)に示すように、タイヤの加硫成形時、トレッド踏面部を成形するセグメント(1a)内の凹所(14)に生じる空気溜り(20)の空気が、凹所(14)の金型内面(1c)に露出している積層ブレード(5)の内側端(5c)から薄板(5a)(5b)間の合せ面の微小間隙を通じて一端部(5d)が露出している金型分割面の部分に排出されるとともに、この分割面間の間隙(21)を通じて金型外部に排出される。しかも軟化し凹所(14)侵入するゴム(22)は、薄板(5a)(5b)間の合せ面には侵入せず、したがってベントホールのごとくスピューを生じさせることなくタイヤを加硫成形できる。
【0039】
また前記積層ブレード(5)が金型内面より2mmを越えて突出している場合は、図5または図6のように、切欠(6)あるいは小孔(7)を設けておくことにより、空気はこれらの切欠(6)や小孔(7)から両薄板(5a)(5b)の合せ面に入り、該合せ面の間隙を通じて外部に排出される。ブレードの突出が2mm以下または2mm以内の部分の空気溜り(23)は、図8(b)のように極くわずかな範囲となるので、加硫中に吸収あるいは拡散して消滅する。
【0040】
下記の表1は、図9の(a)〜(d)の構造によるベント形式を、周方向9分割のセグメントモールドよりなる金型における各セグメントモールドに1つづつ応用して、タイヤを加硫成形した場合のベアーによる不良タイヤの発生率を示している。実施例1は、積層ブレードの側端を金型内面と略面一にして露出させた場合を示し、実施例2〜7は、それぞれ積層ブレードの側端を金型内面より突出させて、切欠あるいは小孔を金型内面からの最短距離が2mm以内となるように設けた場合を示している。比較例1および2は積層ブレードの側端を金型内面より突出させ、切欠もしくは小孔を金型内面からの最短距離が2mmを越える位置に設けた場合を示し、比較例3は従来のベントホールの場合を示している。
【0041】
なお、成形したタイヤは、サイズ11R22.5で図2に示すパターンのタイヤとした。
【0042】
【表1】
上記から明らかなように、本発明の積層ブレードによるベント構造によれば、従来のベントホールによる場合と不良発生率では遜色のないものとなり、しかもベントホールの場合のようなスピューが発生しないため、仕上げ工程でのスピューを切除する作業が不要となった。
【0043】
【発明の効果】
上記したように本発明のタイヤ成形用金型によれば、金型内に残留する空気を積層ブレードの薄板間の合せ面の微小間隙を通じて金型分割面に排出でき、この分割面の間隙より金型外部に確実に排出できる。しかも前記積層ブレードの合せ面の微小間隙にはゴムが侵入することがないので、従来のようなスピューを生じさせることなく、外観の良好なタイヤを成形できる。
【0044】
したがって、タイヤの加硫成形後にスピューを取り除く煩雑な作業を不要にでき、仕上げ工程の大幅な工数削減を図ることができ、しかもベント構造が原因の成形工程での不良発生を防止でき、またスピュー切除に伴う不良も生じない。
【0045】
また前記の積層ブレードを金型鋳造と同時に埋設することができるので、金型に複雑な加工を加える必要もなく、モールドコストが増大することもなく、容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1実施例に係るタイヤ成形用金型の概略を示す断面図である。
【図2】トレッド踏面部を成形する金型の1セグメントモールドの内面側からの正面図と分割面の側面図である。
【図3】図2のX−X線の拡大断面図である。
【図4】図3のY−Y線の断面図である。
【図5】積層ブレードを金型内面より突出させた場合のブレード突出部分に切欠を設けた実施例を示す一部の断面斜視図である。
【図6】積層ブレードを金型内面より突出させた場合のブレード突出部分に小孔を設けた実施例を示す一部の断面斜視図である。
【図7】積層ブレードをサイプ形成用ブレードと兼用する場合の1例を示す一部の断面斜視図である。
【図8】(a)(b)それぞれタイヤの加硫成形時の空気の排出状態を示す作用説明図である。
【図9】積層ブレードによるベント構造とベントホールによるベント構造を示す略示断面図である。
【符号の説明】
(1) トレッド踏面部を成形する金型
(2) 上型
(3) 下型
(4) キャビティ
(5) 積層ブレード
(5a)(5b) 薄板
(5c) 内側端
(5d) 端部
(6) 切欠
(7) 小孔
(11) セグメント
(12) 縦溝形成用の凸部
(13) 横溝形成用の凸部
(14) 陸部成形用の凹所
Claims (3)
- トレッド踏面部に、溝により区画されるブロックやリブのいずれかまたは双方の組合せによる陸部を有するタイヤを成形するタイヤ成形用金型であって、
トレッド踏面部を成形する金型の内面には、複数枚の金属の薄板を重ね合せてなる積層ブレードが、タイヤの溝を形成する凸部を除く凹所において一側端が金型内面に露出するように埋設されるとともに、該積層ブレードが金型内面に沿って金型分割面にまで延びて少なくとも一端部が該分割面に露出していることを特徴とするタイヤ成形用金型。 - 積層ブレードの一側端が金型内面より2mmを越えて突出しており、このブレード突出部分における少なくとも一方側の薄板に、側端面からの切込み等による切欠が、金型内面から該切欠の縁までの最短距離が2mm以内となるように、各凹所毎に1〜数個設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
- 積層ブレードの一側端が金型内面から2mmを越えて突出しており、このブレード突出部分における少なくとも一方側の薄板には、直径0.5〜3.0mmの小孔が、金型内面から該小孔の縁までの最短距離が2mm以内となるように、各凹所毎に1〜数個設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
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