JPH08320508A - 空間型光偏向素子 - Google Patents

空間型光偏向素子

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JPH08320508A
JPH08320508A JP12691795A JP12691795A JPH08320508A JP H08320508 A JPH08320508 A JP H08320508A JP 12691795 A JP12691795 A JP 12691795A JP 12691795 A JP12691795 A JP 12691795A JP H08320508 A JPH08320508 A JP H08320508A
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JP
Japan
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light
layer
waveguide layer
optical
waveguide
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JP12691795A
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English (en)
Inventor
Toshisada Sekiguchi
利貞 関口
Shinzo Suzaki
慎三 須崎
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO SHIYORI KAIHATSU KIKO
Fujikura Ltd
Original Assignee
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO SHIYORI KAIHATSU KIKO
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 子ボード上に多数の受光素子を配置した光イ
ンターコネクションを構成することができる空間型光偏
向素子を提供する。 【構成】 半導体基板17上にスイッチ領域と偏向素子
アレイ領域16を有し、偏向素子アレイ領域16には導
波路層20とクラッド層21からなる複数本のストライ
プ27、27、…が形成され、これらストライプには回
折格子25a〜25dがそれぞれ形成されるとともに、
これら回折格子の周期Λ1 〜Λ4 がそれぞれ異なるもの
とされ、各ストライプの上方に上部電極層22が、半導
体基板の下方に下部電極層23が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光インターコネクショ
ンに関し、例えば光コンピュータ内のボード間、プロセ
ッサ間の光スイッチング、並列光情報伝送システム等の
キーデバイスとして好適な空間型光偏向素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】情報処理、通信等の分野において、例え
ば光コンピュータ内のボード間、プロセッサ間等の情報
伝送用配線として従来一般の手段である電気的な配線を
用いた場合、配線が占める空間的、時間的なロスはかな
り大きなものとなってしまう。そこで、近年、この点を
改善するために空間的、時間的に情報伝送量の大きい光
を用いた、いわゆる光インターコネクション(光を用い
た相互接続)が用いられてきている。コンピュータ内で
光インターコネクションを実現する場合、光インターコ
ネクションの持つ空間的、時間的に情報伝送量が大きい
という利点を生かすためには、ボード間、プロセッサ間
等で空間的に信号の切り替えを行なう光スイッチングや
並列的な光情報伝送を実現することが必要であり、これ
ら光スイッチングや並列光情報伝送に対応し得る光デバ
イスの提供が望まれていた。
【0003】そこで、本発明者らは、図4に示すような
空間型光偏向素子を提案した(図4(a)は素子の縦方
向断面図、図4(b)は同横方向断面図、なお、以下の
説明では素子の光軸方向を縦方向、光軸に垂直な方向を
横方向と記載する)。図4に示す空間型光偏向素子1
は、n−InP基板2上にn−InPバッファ層3が形
成され、その上方に、井戸層とバリア層が交互に多層積
層された(図示せず)多重量子井戸(Multi Quantum We
ll 、以下、MQWと称する)層4と導波路層5がスト
ライプ状に形成され、フォトリソグラフィ・エッチング
技術により導波路層5上に回折格子6が形成されたもの
である。
【0004】そして、MQW層4と導波路層5からなる
ストライプ7の上方にはn−InPクラッド層8が形成
されるとともに、ストライプ7の側方には横方向の光の
閉じ込めのためにInPブロック層9が埋込成長されて
いる。また、この積層構造の上面には窓部12を有する
上部電極層10が形成され、下面には下部電極層11が
形成されている。
【0005】上記構成の空間型光偏向素子1において上
部、下部電極層10、11間に電圧印加を行なうと、電
圧に見合う量だけMQW層4の屈折率が変化し、ブラッ
グの式に基づく入射光S0 の回折が生じる際に屈折率変
化に伴って回折角が変化する。そこで、電圧の大きさを
調節することにより回折光S1 を光軸方向に沿う鉛直面
内で所望の角度だけ偏向させて(S2 、S3 )、素子1
の外部空間に出射することができる。そこで、この回折
光S1 の偏向機能を利用することにより光コンピュータ
における光スイッチングシステムや並列光情報伝送シス
テムにおける光インターコネクションに対してこの空間
型光偏向素子1を適用することができるのである。な
お、図4においては回折光S1 、S2 、S3 を模式的に
1本の線(矢印)で示したが、実際の出射光は強度の広
がりを持っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、この種の空間型光偏向素子は回折格子による光の
回折現象を利用して導波路層内を導波してきた光を上方
に偏向して素子の外部に出射し得るものである。また、
導波路の実効屈折率の変化はMQW層の吸収により制限
され、最大の屈折率変化量が0.2%程度であるため、
この値からブラッグの式を用いて計算すると出射光S1
の偏向角は5°程度となる。そこで、マザーボードに配
置した空間型光偏向素子と子ボードに配置した複数の受
光素子との間で光インターコネクションを構成する場合
には次のような問題が生じていた。
【0007】すなわち、子ボード上の多数の受光素子に
対して光信号を送信する場合には、上記のように偏向角
が5°程度と比較的小さいことから受光素子同士の間隔
を狭くするか、もしくはボード間の距離を離すかのいず
れかの方法を採らなければならない。ところが、受光素
子同士の間隔を狭くした場合、実際には出射光がある程
度の強度の広がりをもっているために信号のクロストー
クが生じ、一方、ボード間の距離を離した場合、出射光
の強度自体が元来弱い(回折効率が悪い)ために受光素
子が受ける光強度がますます弱くなるという問題が生じ
ることになる。したがって、空間型光偏向素子の偏向角
が小さいことに起因して、子ボード上に多数の受光素子
を配置した光インターコネクションを構成することが困
難であった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、子ボード上に多数の受光素子を配置した光
インターコネクションを構成することができる空間型光
偏向素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の空間型光偏向素子は、半導体基
板上に、導波路層とクラッド層からなる複数本のストラ
イプが形成され、これらストライプには前記導波路層に
入射された光を上方に回折させるための回折格子がそれ
ぞれ形成されるとともに、これら回折格子の周期がそれ
ぞれ異なるものとされ、前記ストライプの上方に回折光
を出射する窓部を有する上部電極層が形成され、前記半
導体基板の下方に下部電極層が形成されてなる偏向素子
アレイ領域を有することを特徴とするものである。
【0010】また、請求項2に記載の空間型光偏向素子
は、前記偏向素子アレイ領域の前記導波路層の入射面側
に、入射光を分岐しその分岐光を前記偏向素子アレイ領
域の各導波路層に向けて導波するための導波路層を有す
るスイッチ領域が設けられたことを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】一般に、回折格子を有する光導波路素子におい
て回折角と屈折率との関係は、次に示すブラッグの式に
より表すことができる。 sinθ=i・{λ0 /(neff ・Λ)}−1 ……(1) θ:回折角 i:回折格子の次数 λ0:入射光の波長 neff :導波路媒質の等価屈折率 Λ:回折格子の周期 ここで、各パラメータに対して、例えば一般的な値とし
て、i=2、λ0=1.30μm、neff=3.25、Λ
=400nmを用いると(1)式より、θ=90°とな
る。すなわち、光はその進行方向に対して垂直な方向に
回折することになる。
【0012】本発明の請求項1に記載の空間型光偏向素
子においては、複数本のストライプの導波路層に光をそ
れぞれ入射すると、その光が回折格子の作用により上方
に向けてそれぞれ回折され、回折光が窓部から素子の外
部空間に出射される。ここで、複数本のストライプに形
成された回折格子の周期がそれぞれ異なるため、各回折
格子による光の回折角がそれぞれ異なるようになる。一
例として、ある一つの回折格子の周期をΛ=400nm
とし他のパラメータに上記の条件を適用するとθ=90
°となるが、他の回折格子の周期をΛ=401nmとす
ると(1)式よりθ=84°となり、さらに他の回折格
子の周期をΛ=402nmとするとθ=82°となる。
【0013】ここで、上部、下部電極層間に電圧印加ま
たは電流注入を行なうと電圧または電流の大きさに依存
して各導波路層の屈折率が変化し、それに伴って光の回
折角(偏向角)がそれぞれ変化する。前述したように、
屈折率変化量により制約されて出射光の最大偏向角は5
°程度となるが、各回折格子による光の回折角が例えば
90°、84°、82°と、もともと異なっているとこ
ろに屈折率変化に伴う回折角の変化量の5°が加わるた
め、素子全体として見たときの光の偏向角があたかも5
°以上に広がったかのようになる。
【0014】また、請求項2に記載の空間型光偏向素子
においては、偏向素子アレイ領域の入射面側に設けられ
たスイッチ領域の導波路層に対して光を入射すると、入
射光が分岐され、その分岐光が偏向素子アレイ領域の各
導波路層に向けてそれぞれ導波されることによって、偏
向素子アレイ領域への光の入射がなされる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図3を
参照して説明する。図1は本実施例の空間型光偏向素子
14の全体構成を示す図であって、この空間型光偏向素
子14はスイッチ領域15と偏向素子アレイ領域16か
ら構成されている。また、図2は本発明の特徴点を示す
偏向素子アレイ領域16のみの構成を示す図である。図
中符号17は半導体基板、18はバッファ層、19はM
QW層、20は導波路層、21はクラッド層、22は上
部電極層、23は下部電極層、24は絶縁層、25a〜
25dは回折格子である。
【0016】図1に示すように、半導体基板17はn−
InPを材料としてチップ状に形成したものであり、こ
の半導体基板17上にn−InPバッファ層18、MQ
W層19が順次積層されている。MQW層19はInG
aAsPからなる井戸層とInPからなるバリア層が交
互に多層積層(図示は省略する)されており、いわゆる
MQW構造をなす層である。そして、半導体基板17か
らMQW層19までの積層構造はスイッチ領域15と偏
向素子アレイ領域16ともに共通である。
【0017】次に、スイッチ領域15においては、上記
MQW層19上に1本の導波路が複数本(この場合4
本)に分岐した形の導波路層20aが形成されている。
このスイッチ領域15の部分は光路の切り替えを行な
う、いわゆる周知一般の光スイッチであって、本実施例
では一例として、導波路の分岐部に設けた電極26、2
6により屈折率変化を生じさせて光を全反射させる型の
内部全反射型光スイッチを適用している。なお、スイッ
チ領域15としては内部全反射型光スイッチに限ること
なく、方向性結合器型光スイッチ等、他の種類の光スイ
ッチを適用してもよい。
【0018】一方、図2に示すように、偏向素子アレイ
領域16においては、MQW層19上面の基板17の幅
方向には、スイッチ領域15の導波路層20aと連続し
た導波路層20とその上部に形成されたクラッド層21
からなる複数本(この場合4本)のストライプ27、2
7、…が互いに平行に形成されている。ここでは、導波
路層20はInGaAsPにより形成され、クラッド層
21はp−InPにより形成されている。そして、これ
ら各ストライプ27の延びる方向がそれぞれ入射光S0
の導波方向となっている。
【0019】また、各ストライプ27における導波路層
20の上面にはその全面にわたって三角波形の回折格子
25a〜25dがそれぞれ形成されている。これら回折
格子25a〜25dは各導波路層20内を導波する光S
0 を上方に向けて回折させるためのものである。そし
て、各ストライプ27における回折格子25a〜25d
の周期Λ1 〜Λ4 はそれぞれ異なっており、一例として
図2における左端の回折格子25aから順に402n
m、400nm、…と順次小さくなっている。
【0020】一方、各ストライプ27は、後述する上部
電極層22と下部電極層23との間で注入電流を遮断す
るための、アンドープのInP(以下、u−InPと記
載する)からなる絶縁層24により埋め込まれている。
なお、絶縁層24としてはu−InPを用いる代わり
に、上側がn−InP、下側がp−InPの積層構造を
用いて基板とクラッド層がなす導電型に対して逆接合
(p−n−p−n)となるような構造としたり、絶縁材
料であるポリイミド等の樹脂を用いた構造としてもよ
い。
【0021】また、各ストライプ27のクラッド層21
の上面には上部電極層22がそれぞれ形成され、半導体
基板17の下面全面には下部電極層23が形成されてい
る。そして、各上部電極層22には、上方に回折した光
1 を素子外部へ出射させるための矩形の窓部28が形
成されている。これら上部、下部電極層22、23は、
ともにCrとAuとの積層、またはn側はAu−Ge−
Ni合金とAuとの積層、p側はAu−Zn合金とAu
との積層、さらにはこれらの上にCrとAuを積層した
構造となっている。なお、上部電極層22の構成につい
ては、各ストライプ27毎に上部電極層22を設ける代
わりに、偏向素子アレイ領域16の上面を全面的に覆い
各ストライプ上に窓部を設けた上部電極層を形成しても
よい。
【0022】上記構成の空間型光偏向素子14を使用す
る際は、スイッチ領域15の電極26、26、…、およ
び偏向素子アレイ領域16の上部、下部電極層22、2
3間に電源を接続する。そして、スイッチ領域15の導
波路層20aに対して光を入射するとともにスイッチ領
域15の電極26に電圧を印加して屈折率を変化させる
と入射光の光路が適宜切り替えられ、入射光が偏向素子
アレイ領域16に入射される。ここで、偏向素子アレイ
領域16において光が入射されたストライプ27上の上
部電極層22、下部電極層23間に電圧を印加して導波
路層20下のMQW層19の屈折率を変化させると、屈
折率変化に伴って回折角が変化し、すなわち、回折光が
光の導波方向に沿う鉛直面内においてその出射角度が変
化し、各窓部28から素子14の外部空間にそれぞれ出
射される。なお、上部、下部電極層22、23間に印加
する電圧の極性はいずれが正または負であってもよい
し、電圧印加に代えて電流を注入する方法でもMQW層
19の屈折率を変化させることが可能である。
【0023】本実施例の空間型光偏向素子14において
は、複数本のストライプ27、27、…に形成された回
折格子25a〜25dの周期Λ1 〜Λ4 がそれぞれ異な
るため、各回折格子25a〜25dによる光の回折角が
もともと異なるようになる。具体的には、例えば回折格
子25a〜25dの周期を端から順に402nm、40
0nm、…とし、その他光の回折に係わる各パラメータ
をi(回折格子の次数)=2、λ0(入射光の波長)=
1.30μm、neff(導波路媒質の等価屈折率)=
3.25とした場合、前記(1)式より回折角θがそれ
ぞれ82°、90°、…となる。
【0024】そして、上部、下部電極層22、23間に
電圧印加を行なうと電圧の大きさに依存して各導波路層
20の直下のMQW層19の屈折率が変化し、それに伴
って光の回折角(偏向角)がそれぞれ変化する。前述し
たように、屈折率変化量に制約されて出射光の最大偏向
角は5°程度となるが、各回折格子25a〜25dによ
る回折角が82°、90°、…と異なる出射光の各々に
対して屈折率変化による各出射光の回折角変化量が5°
ということになる。
【0025】そこで、図3に示すように、1つの空間型
光偏向素子14と、複数(この場合4個)の受光素子2
9a〜29dからなる受光素子群29A〜29Dを搭載
した子ボード群30を準備し、これらの間で光インター
コネクションを構成する場合には、光の出射方向のある
一定の距離(設定したボード間距離)における各導波路
層20の割当を決めておき、この割当に基づいて子ボー
ド群30上の受光素子群29A〜29Dの位置を設定す
ればよい。例えば、各導波路層20における光S1 、S
2 、S3 、S4 の偏向角の割当を、素子14の端の導波
路層20から順に82°±2.5°、90±2.5°、
…として、その範囲内に子ボード群30の各受光素子2
9a〜29dがそれぞれ並ぶように位置を設定すればよ
いわけである。
【0026】そこで、光インターコネクションにおいて
多数の受光素子29a〜29dに光信号を送信したい場
合、従来の空間型光偏向素子では偏向角が小さいことか
ら受光素子同士の間隔を狭くしたり、ボード間の距離を
離す必要があるが、このようにすると信号のクロストー
ク、または受光素子における光強度の低下という問題が
それぞれの場合で生じていた。ところが、本実施例の空
間型光偏向素子14によれば、回折格子25a〜25d
の周期Λ1 〜Λ4 が異なる複数の導波路層20に対して
入射光を適宜切り替えると、素子全体として見たときに
従来の素子に比べて光の偏向範囲が広がるため、より多
くの受光素子を配置することが可能となる。したがっ
て、この空間型光偏向素子14の適用により子ボード側
に多数の受光素子を設置した光インターコネクションを
構成することができる。
【0027】また、本実施例の空間型光偏向素子14は
スイッチ領域15を有しているので、スイッチ領域15
の1本の導波路層20aに光ファイバ等を介して信号源
を接続し、後はスイッチを機能させるだけで偏向素子ア
レイ領域16から複数の出射光が得られるため、別体の
光スイッチや複数の入射用光ファイバを必要とすること
がなく、光ファイバ接続等を含むシステム組立作業の簡
易化、部品点数の低減を図ることができる。
【0028】なお、本実施例の空間型光偏向素子14に
おいては、各回折格子25a〜25dを各導波路層20
上の全面にわたって形成したが、各回折格子を各導波路
層20上の一部にのみ形成するようにし、さらに各導波
路層20でその回折格子の位置を導波路層20の長さ方
向でずらして形成してもよい。このようにすると、各導
波路層20から光が出射する領域が導波路層20の長さ
方向でずれるため、出射光の分離状態が良好になり信号
の分解能を向上させることができる。
【0029】また、本実施例の空間型光偏向素子14の
構成に加えて、クラッド層21の上面に出射光を集束す
るための光集束部を設けてもよい。この光集束部は、具
体的にはクラッド層の上面自体を凸レンズ状に加工す
る、クラッド層の上面に例えばポリイミド等の材料で別
途作製した凸レンズを固着する、等の種々の手段を用い
ることができる。そして、この種の光集束部を設けるこ
とによって出射光の各々が集束されるため、本発明の効
果に加えて光信号の強度を向上させることができる。
【0030】また、本実施例では、半導体基板17の材
料としてn−InPを、クラッド層21の材料としてp
−InPを用いたが、これらの導電型は逆であっても良
いし、InP系に限らず、GaAs系等、他の化合物半
導体材料を用いることもできる。さらに、MQW層19
の材料としても実施例のInGaAsP/InPの他、
InGaAsP/InGaAsP等のInP系材料、A
lGaAs/GaAs等のGaAs系材料を用いても良
い。また、本発明を適用し得る光偏向素子の基本構造は
これらの実施例に限るものではない。例えばMQW構造
またはバルクの単層構造の導波路層を有するもの、光閉
込補償層、裏面反射膜のような他の層を有するもの、回
折格子の形成位置が異なるもの等、種々の構造を持つ空
間型光偏向素子に対して本発明を適用することが可能で
ある。
【0031】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
に記載の空間型光偏向素子によれば、複数本のストライ
プに形成された回折格子の周期がそれぞれ異なるため、
各回折格子による光の回折角がそれぞれ異なるようにな
る。そこで、各回折格子による光の回折角がもともと異
なっているところに屈折率変化に伴う回折角の変化が加
わるため、素子全体として見たときの出射光の偏向範囲
が広がる。そこで、光インターコネクションにおいて多
数の受光素子に対して光信号を送信したい場合、従来の
素子では偏向角が小さいことによる種々の問題が生じて
いたが、本発明の空間型光偏向素子によれば、素子全体
として見たときに従来の素子に比べて光の偏向範囲が広
がるため、子ボード側により多くの受光素子を配置する
ことが可能となる。したがって、この空間型光偏向素子
の適用により子ボード側に多数の受光素子を設置した光
インターコネクションを構成することができる。
【0032】また、請求項2に記載の空間型光偏向素子
はスイッチ領域を有しているので、別体の光スイッチや
複数本の入射用光ファイバを必要とすることがなく、光
ファイバ接続等を含むシステム組立作業の簡易化、部品
点数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である空間型光偏向素子の
全体構成を示す斜視図である。
【図2】 同、空間型光偏向素子の偏向素子アレイ領域
のみの構成を示す斜視図である。
【図3】 同、空間型光偏向素子を用いた光インターコ
ネクションの構成の一例を示す図である。
【図4】 従来の空間型光偏向素子の一例を示す(a)
側断面図、(b)正断面図である。
【符号の説明】
14…空間型光偏向素子、15…スイッチ領域、16…
偏向素子アレイ領域、17…半導体基板、19…MQW
層、20…導波路層、20a…(スイッチ領域の)導波
路層、21…クラッド層、22…上部電極層、23…下
部電極層、25a〜25d…回折格子、27…ストライ
プ、28…窓部、S0 …入射光、S1 〜S4 …出射光、
Λ1 〜Λ4 …周期

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、導波路層とクラッド層
    からなる複数本のストライプが形成され、 これらストライプには前記導波路層に入射された光を上
    方に回折させるための回折格子がそれぞれ形成されると
    ともに、これら回折格子の周期がそれぞれ異なるものと
    され、 前記ストライプの上方に回折光を出射する窓部を有する
    上部電極層が形成され、前記半導体基板の下方に下部電
    極層が形成されてなる偏向素子アレイ領域を有すること
    を特徴とする空間型光偏向素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空間型光偏向素子にお
    いて、 前記偏向素子アレイ領域の前記導波路層の入射面側に、
    入射光を分岐しその分岐光を前記偏向素子アレイ領域の
    各導波路層に向けて導波するための導波路層を有するス
    イッチ領域が設けられたことを特徴とする空間型光偏向
    素子。
JP12691795A 1995-05-25 1995-05-25 空間型光偏向素子 Pending JPH08320508A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016122062A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 日本放送協会 光偏向素子

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