JPH08319118A - 導電性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造方法 - Google Patents

導電性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造方法

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JPH08319118A
JPH08319118A JP14569995A JP14569995A JPH08319118A JP H08319118 A JPH08319118 A JP H08319118A JP 14569995 A JP14569995 A JP 14569995A JP 14569995 A JP14569995 A JP 14569995A JP H08319118 A JPH08319118 A JP H08319118A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、導電性に優れていると共に、従来に
ない青味色調の小さいな導電性アンチモン含有酸化錫微
粉末の製造方法を提供する。 【構成】 錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和物を
生成させ、次いで該生成物上にアンチモン化合物の溶液
を中和して酸化アンチモンの水和物を生成させ、その後
焼成する、重量平均粒子径が0.1μm以下、粉体色カ
ラーのb値が−10以上でL値が35以上、及び粉体抵
抗が1KΩcm以下である導電性アンチモン含有酸化錫
微粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた導電性と優れた
透明性を示す導電性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造
方法に関する。本発明の導電性微粉末は、非常に微細な
粉末であり、プラスチック、ゴム、塗料などの媒体に混
入、配合されても可視光線を透過させるので、これらの
媒体の色調、透明性を損なうことなく導電性を付与する
ことができる。本発明の方法によって得られる導電性微
粉末は、前記特性を利用して、化学繊維、プラスチック
フィルムなどへの透明性を有した帯電防止剤として、ま
た静電記録紙、導電性塗料などへの導電性および透明性
付与剤として利用される。本発明の導電性微粉末は、水
性媒体における分散安定性が優れ、ゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、水溶性アクリル樹脂などを媒体とする水
系塗料用の導電性微粉末としても有用である。
【0002】
【従来の技術】アンチモン含有導電性酸化錫粉末は、電
子伝導型の導電性機能を呈するところから高分子電解質
などのいわゆるイオン伝導型のものに比べ、湿度や温度
に対する導電性の安定性が高く、かつ透明性を有すると
ころから近年例えば、塗料、プラスチック、ゴム、繊維
などの種々の分野での素材や製品の導電性付与剤として
の利用が注目され、急速に適用が図られつつある。この
ような粉末の製造方法としては、例えば、加熱水中に、
アルコール、塩酸水溶液およびアセトンのうちの1種ま
たは2種以上の混合液に塩化錫および塩化アンチモンを
溶解した溶液を加えて加水分解する方法(特開昭56-156
606 号)、この特開昭56-156606 号の方法において、ア
ルカリを加えてpH8以上に維持して反応させる方法(特
開昭57-71822号)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来法で得られる
アンチモンを含有した導電性酸化錫微粉末は、例えばプ
ラスチック、ゴム、塗料などの種々の適用媒体での混
入、配合系において、優れた可視光の透過性を有するの
で、これらの種々の適用媒体の透明性を損なうことなく
導電性を付与することができるものである。しかしなが
ら、前記導電性酸化錫粉末の粉体色は、青黒い色調とな
り易く、これがためこのものを使用した前記種々の適用
系において青味色調や暗色化を惹起し易いという欠点が
ある。その為、各種媒体への配合量を少なくしたり、塗
料の場合にあっては、塗布膜厚を薄くしたり、更には該
導電性酸化錫粉末のアンチモン含有量の低減といった方
法が採用されているが、これらの方法はいずれも適用媒
体系での導電性付与特性を著しく損なうものであり、従
って、適用媒体系における導電性、透明性、色調の三つ
の特性を、ともに十分満足させることができず、その解
決が強く希求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アンチモ
ンを含有した導電性酸化錫微粉末において、前記課題の
導電性、透明性を損なわずに青味色調化の低減を図るべ
く、塩化錫及び塩化アンチモンの溶液の加水分解反応、
中和反応などの条件について、詳細に検討を進めた結
果、従来より実施されている錫化合物とアンチモン化合
物の溶液を中和して酸化錫、酸化アンチモンの水和物の
共沈物を得、次いでこのものを焼成する方法に代えて、
錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和物を生成させ、
次いで該生成物の表面にアンチモン化合物の溶液を中和
して酸化アンチモンの水和物を生成させた後分別し、焼
成することによって、意外にも青味が非常に少ない導電
性アンチモン含有酸化錫微粉末を得ることができるこ
と、さらに、前記酸化錫の水和物を生成させる工程及び
酸化アンチモンの水和物を生成させる工程の少なくとも
いづれかの工程においてケイ素化合物を付加処理させる
ことにより、得られる導電性酸化錫微粉末の水性媒体系
における分散性及びその安定性を一層優れたものとし得
ることの知見を得、これに基づいて本発明を完成したの
である。
【0005】すなわち、本発明は、 1.錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和物を生成さ
せ、次いで該生成物の表面にアンチモン化合物の溶液を
中和して酸化アンチモンの水和物を生成させ、しかる後
焼成することを特徴とする重量平均粒子径が0.1μm
以下、粉体色カラーのb値が−10以上でL値が35以
上、及び粉体抵抗が1KΩcm以下である導電性アンチ
モン含有酸化錫微粉末の製造方法、 2.酸化錫の水和物を生成させる工程及び酸化アンチモ
ンの水和物を生成させる工程の少なくともいづれかの工
程においてケイ素化合物を存在させることを特徴とする
導電性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造方法、 3.前記1項の方法によって得られる導電性アンチモン
含有酸化錫微粉末を、バインダー固形分或いは成形用樹
脂100重量部に対して各々3〜200部配合して成る
導電性塗料組成物又は導電性樹脂組成物、 4.前記1項の方法によって得られる導電性アンチモン
含有酸化錫微粉末を、水性媒体に分散させて成る水性分
散体及び、 5.前記4項の水性分散体を、樹脂100重量部(固形
分基準)に対して該水性分散体の固形分基準で3〜20
0部配合して成る導電性塗布組成物である。
【0006】本発明の方法によって得られる導電性アン
チモン含有酸化錫微粉末は、重量平均粒子径が0.1μ
m以下、粉体色カラーのb値が−10以上でL値が35
以上、及び粉体抵抗が1KΩcm以下の特性を有するも
のであり、このものは、錫化合物の溶液を中和して酸化
錫の水和物を生成させ、次いで該生成物の表面にアンチ
モン化合物の溶液を中和して酸化アンチモンの水和物を
生成させ、しかる後焼成することによって調製し得る。
しかして、ここで用いられる錫化合物としては、塩化第
一錫、塩化第二錫などのハロゲン化錫、酸化錫、水酸化
錫或いは、酢酸錫、蓚酸錫、硫酸錫、硝酸錫などの錫の
有機或いは無機酸塩(第一錫塩、第二錫塩)、錫酸カリ
ウム、錫酸ナトリウムなどの錫酸アルカリ塩などが挙げ
られ、これらを単独で或いは2種以上混合して用いても
よい。中でも塩化錫の塩酸水溶液を用いるのが、工業的
にも望ましい。
【0007】アンチモン化合物としては、塩化アンチモ
ンなどのハロゲン化アンチモン、酸化アンチモン、水酸
化アンチモン或いは、アンチモンの硫酸塩などの無機酸
塩などが挙げられ、これらを単独で或いは2種以上混合
して用いてもよい。中でも塩化アンチモンの塩酸水溶液
を用いるのが、工業的にも望ましい。酸化アンチモンの
添加量は、酸化錫に対して1〜30重量%、望ましくは
5〜20重量%である。
【0008】ケイ素化合物としては、塩化ケイ素の他
に、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウムなどの可溶性ケ
イ酸塩を使用することができる。塩化ケイ素を使用する
場合は、アルコール、塩酸水溶液およびアセトンのうち
の1種または2種以上の溶液または混合液に0.1〜1
00g/lの塩化ケイ素を溶解した溶液として使用する
のが望ましく、また可溶性ケイ酸塩の場合はそれらの水
溶液を使用するのが良い。塩化ケイ素の代わりにシリカ
ゾルを使用することもできる。更には各種シランカップ
リング剤、シリコーンオイル、コロイダルシリカ等も使
用し得る。ケイ素化合物として塩化ケイ素を使用する場
合は、塩化錫或いは塩化アンチモンの各溶液と混合して
或いは混合せずに単独の溶液として添加することもでき
る。またケイ素化合物として可溶性ケイ酸塩を使用する
場合には、単独の溶液として或いはアルカリ溶液に溶解
した溶液として添加することができる。酸化ケイ素の添
加量は、酸化錫に対して6重量%以下、望ましくは4重
量%以下である。
【0009】本発明方法においてはまず、塩化錫の溶液
をアルカリで中和して酸化錫の水和物を生成させる。次
いで、塩化アンチモンの溶液をアルカリで中和して酸化
アンチモンの水和物を生成させる。
【0010】また、塩化錫及び塩化アンチモンの各溶液
の中和反応は、例えば、(a) 塩化錫或いは塩化アンチモ
ンの各溶液とアルカリ水溶液とを熱水中に並行的に添加
して中和する、(b) 塩化錫或いは塩化アンチモンの各溶
液中にアルカリ水溶液を添加して中和する、(c) アルカ
リ水溶液中に塩化錫或いは塩化アンチモンの各溶液を添
加して中和する、などの方法が挙げられる。このような
方法の中でも特に(a)の方法が工業的には望ましく、こ
の場合中和反応液のpHを3以上、望ましくは5〜10に保
持するように行うのがよい。
【0011】さらに、ケイ素化合物を、酸化錫の水和物
を生成させる工程及び酸化アンチモンの水和物を生成さ
せる工程の少なくともいづれかの工程において存在させ
る場合には、例えば(1)酸化錫の水和物と酸化ケイ素
の水和物との共沈物を生成させるように添加したり、
(2)酸化錫の水和物を生成させた後、その上に酸化ケ
イ素の水和物を生成させるように添加したり、(3)酸
化アンチモンの水和物と酸化ケイ素の水和物との共沈物
を生成させるように添加したり、(4)酸化アンチモン
の水和物を生成させた後、その上に酸化ケイ素の水和物
を生成させるように添加したりする。
【0012】本発明方法においては、中和反応を加熱下
に或いは熱水中で行うことが望ましいが、加熱すること
なく室温下に実施することもできる。中和剤として使用
するアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアル
カリ金属の水酸化物、炭酸塩やアンモニアなどが、ま
た、酸性水溶液としては、塩酸、硫酸などの鉱酸が挙げ
られ、これらは各々単独で或いは2種以上混合して用い
てもよい。
【0013】本発明方法においては、次に、中和反応終
了後の反応液から生成物を濾過し、必要に応じて洗浄し
て回収する。この場合、中和反応終了後の反応液に酸を
加えて反応液のpHを5以下、望ましくは2〜4に調整し
た後、生成物を濾過するようにするのが望ましい。中和
剤としてアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩を使用する場
合は、洗浄不足でアルカリ金属が該生成物に吸着し、残
存すると後記の焼成工程でアルカリ金属が、SbのSnO2
晶中への固溶を妨害するので、SbをSnO2結晶中へ固溶さ
せる場合には、アルカリ金属が残存しないように十分な
洗浄を行う必要がある。また、酸化錫の水和物を生成さ
せる工程で、中和により発生した塩は、洗浄により取り
除いた後、酸化アンチモンの水和物を生成させる工程に
供するのが望ましい。
【0014】回収した生成物は、その後必要に応じて乾
燥した後 400〜800 ℃、望ましくは500〜700 ℃の温度
で焼成する。本発明方法においては、沈澱中に酸化ケイ
素(含水物)が含まれている場合は、焼成時に、このケ
イ素化合物が粒子の焼結を抑制し、より微細な粒子が得
られる。焼成時間は30分〜5時間が適当である。焼成後
常法に従って乾燥、粉砕処理を施して導電性微粉末とす
る。
【0015】本発明の導電性アンチモン含有酸化錫微粉
末は、プラスチックス、ゴム、繊維などに導電性付与材
或いは基体として配合し、導電性樹脂組成物、導電性塗
料組成物、磁性塗料、導電性ゴム、導電性繊維などの導
電性組成物として利用することができる。
【0016】導電性樹脂組成物として利用する場合に
は、いわゆる汎用プラスチックス、エンジニアリングプ
ラスチックスの種々のものを使用し得るが、汎用プラス
チックスとしては、例えばポリエチレン、塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、
ユリア・メラミン樹脂が、エンジニアリングプラスチッ
ク的汎用プラスチックスとしては、例えばフェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂が、エンジニアリングプラスチック
としては、例えばエポキシ樹脂、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリスルホン、フッ素樹脂が、
また、スーパーエンジニアリングプラスチックとして
は、例えばジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド、ビスマレイミドトリ
アジン、ポリアミノビスマレイミド、オレフィンビニル
アルコール共重合体、ポリオキシベンジレン、ポリメチ
ルペンテン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトンなど
が挙げられ、これらの樹脂に配合される。導電性アンチ
モン含有酸化錫微粉末の前記成形樹脂への配合量は、該
樹脂100重量部に対して3〜200重量部、望ましく
は10〜100重量部である。
【0017】本発明の導電性アンチモン含有酸化錫微粉
末を、導電性塗料組成物或いは磁性塗料組成物として利
用する場合には、種々のバインダー例えばポリビニルア
ルコール樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル−スチレ
ン共重合体、繊維素樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹
脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、セラッ
ク、ロジン誘導体、ゴム誘導体などの天然系樹脂などに
配合され、水または溶媒中で分散される。導電性アンチ
モン含有酸化錫微粉末のバインダー樹脂への配合量は、
バインダー固形分100重量部に対して3〜200重量
部、望ましくは10〜100重量部である。導電性塗料
組成物の場合には、該塗料を紙や高分子フィルムなどの
絶縁性基体に塗布することにより、該基体上に軽くて透
明性や表面平滑性、さらには密着性に優れた導電性塗膜
を形成させて、種々の静電防止塗膜、静電記録紙、電子
写真複写紙などとすることができる。
【0018】なお、本発明の方法によって得られる導電
性アンチモン含有酸化錫微粉末を、水性系塗料に適用す
る場合に、該酸化錫微粉末を湿式粉砕処理して水性分散
体を調製し、このものを塗料化に供する場合には、塗料
化時の分散エネルギーの軽減を図る上で極めて好ましい
ものである。前記水性分散体の固形分濃度は1〜70重
量%、望ましくは10〜50重量%で、pHは4〜1
2、望ましくは5〜10である。
【0019】このようにして得られた導電性組成物は、
従来の方法により得られたアンチモン含有酸化錫微粉末
を含有する導電性組成物と比較して、優れた導電性、透
明性を有すると共に、従来にない青味色調の小さい(低
減された)ものである。
【0020】
【実施例】
実施例1 90℃の純水5l中に、塩化第二錫5水塩500gを、
3N塩酸水溶液500mlに溶解した溶液と、水酸化ナ
トリウム溶液とを、系のpHを7〜7.5に維持するよ
うに20分間にわたって並行添加し、酸化錫の水和物の
沈澱物を生成させた。次いで、ここへ塩酸を加えて系の
pHを3に調整した後、該沈澱物を濾過し、その後濾液
の比抵抗が20000Ωcmになるまで水洗した。得ら
れたケーキを純水5lにレパルプし、90℃に加温後、
三塩化アンチモン37.0gを、3N塩酸水溶液300
mlに溶解した溶液と、水酸化ナトリウム溶液とを、系
のpHを7〜7.5に維持するように20分間にわたっ
て並行添加し、酸化錫の水和物上に酸化アンチモンの水
和物を沈着させた。その後、塩酸を加えて系のpHを3
に調整し、濾過し、その後濾液の比抵抗が20000Ω
cmになるまで水洗した。得られたケーキを電気炉で6
00℃にて4時間焼成し、パルベライザーで粉砕して、
比表面積46.0m2 /g、粉体抵抗4.6Ωcmの導
電性微粉末を得た。粉体色カラー(プレス圧力200K
g/cm2 )のb値は−5.8、L値は53.4であっ
た。
【0021】比較例1 90℃の純水5l中に、塩化第二錫5水塩500g及び
三塩化アンチモン37.0gを、3N塩酸水溶液500
mlに溶解した溶液と、200g/lの水酸化ナトリウ
ム溶液とを、系のpHを7〜7.5に維持するように2
0分間にわたって並行添加して酸化錫と酸化アンチモン
の水和物の共沈物を生成させた。次にここへ塩酸を加え
て系のpHを3に調整した後、該沈澱物を濾過し、その
後濾液の比抵抗が20000Ωcmになるまで水洗し
た。得られたケーキを電気炉で600℃にて4時間焼成
し、パルベライザーで粉砕して、比表面積46.1m2
/g、粉体抵抗2.0Ωcmの導電性微粉末を得た。粉
体色カラー(プレス圧力200Kg/cm2 )のb値は
−12.0、L値は24.0であった。
【0022】実施例2 90℃の純水5l中に、塩化第二錫5水塩500gを、
3N塩酸水溶液500mlに溶解した溶液と、ケイ酸ナ
トリウム水溶液(SiO2 として308g)17.4m
lと水酸化ナトリウム水溶液とを、系のpHを7〜7.
5に維持するように20分間にわたって並行添加して共
沈物を生成させた。次いで、ここへ塩酸を加えて系のp
Hを3に調整した後、該共沈物を濾過し、その後濾液の
比抵抗が20000Ωcmになるまで水洗した。得られ
たケーキを純水5lにレパルプし、90℃に加温後、三
塩化アンチモン37.0gを、3N塩酸水溶液300m
lに溶解した溶液と、水酸化ナトリウム溶液とを、系の
pHを7〜7.5に維持するように20分間にわたって
並行添加し、酸化錫と酸化ケイ素の水和物の共沈物上に
酸化アンチモンの水和物を沈着させた。その後、塩酸を
加えて系のpHを3に調整し、濾過し、濾液の比抵抗が
20000Ωcmになるまで水洗した。得られたケーキ
を電気炉で600℃にて4時間焼成し、パルベライザー
で粉砕して、比表面積77.5m2 /g、粉体抵抗2.
6Ωcmの導電性微粉末を得た。粉体色カラー(プレス
圧力200Kg/cm2 )のb値は−7.8、L値は4
1.0であった。
【0023】比較例2 90℃の純水5l中に、塩化第二錫5水塩500g及び
三塩化アンチモン37.0gを、3N塩酸水溶液500
mlに溶解した溶液と、ケイ酸ナトリウム水溶液(Si
2 として308g)17.4mlと水酸化ナトリウム
溶液とを、系のpHを7〜7.5に維持するように20
分間にわたって並行添加して酸化錫と酸化アンチモンと
酸化ケイ素の水和物の共沈物を生成させた。次にここへ
塩酸を加えて系のpHを3に調整した後、該共沈物を濾
過し、その後濾液の比抵抗が20000Ωcmになるま
で水洗した。得られたケーキを電気炉で600℃にて4
時間焼成し、パルベライザーで粉砕して、比表面積7
5.0m2 /g、粉体抵抗1.9Ωcmの導電性微粉末
を得た。粉体色カラー(プレス圧力200Kg/c
2 )のb値は−13.0、L値は32.0であった。
【0024】試験例1(粉体抵抗の評価) 試料粉末を100Kg/cm2 の圧力で成型して円柱状
圧粉体(直径18mm、厚さ3mm)とし、その直流抵
抗を測定して、下記の式から粉体抵抗(Ωcm)を求め
た。 粉体抵抗=測定値×2.54 (電極定数) /厚さ(c
m) 試料0.1〜0.2gを採取し、150℃で30分間窒
素ガス中で脱気した。その後、比表面積測定装置 (フ
ローソーブ2300形、マイクロメリティック社製)を用
い、窒素/ヘリウム混合ガス系でBET法により比表面
積を測定した。
【0025】試験例2(粉体色カラーの測定) 試料粉末を200Kg/cm2 の圧力で成型して円柱状
圧粉体(直径33mm、厚さ5mm)とし、粉体色カラ
ー(カラーコンピューター、SM−7−IS−2B型、
スガ試験機製)を測定した。
【0026】試験例3 実施例1及び2と、比較例1及び2で得られた試料の導
電性微粉末各20gを、アクリル樹脂(アクリディック
A−165 −45、固形分45重量%、大日本インキ化学工
業製)30.6g、トルエン−ブタノール混合溶液(混
合重量比1:1)26.4g及びガラスビーズ50gと
混合した後ペイントシェーカー(レッドデビル(Red de
vil )社、#5110)に入れて20分間振とうしてそれぞ
れのミルベースを調製した。次に、各ミルベースに上記
アクリル樹脂及び上記トルエン−ブタノール混合溶液を
それぞれ所定量加え、攪拌、混合して表1の各顔料濃度
(重量%)塗料を調製した。この塗料をポリエステルフ
ィルム及び白チャート紙に乾燥膜厚が4μmとなるよう
に塗布し、40時間自然乾燥して試験シートを作成し
た。ポリエステルフィルムシートについて、表面抵抗率
(Ω/□)を測定(デジタルオームメーター:R−50
6型、川口電気製作所製)し、白チャート紙シートにつ
いて、カラー(カラーコンピューター、SM−7−IS
−2B型、スガ試験機製)を測定した。また、ヘイズ度
(%)を測定した(ヘイズメーター:NDH−300A
型、日本電色工業製)。これらの結果を表1及び表2に
示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】表1及び表2からも明らかなように、本
発明によれば、透明性、導電性に優れ、かつ青味色調の
小さな導電性アンチモン含有酸化錫微粉末を、工業的有
利に製造することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和
    物を生成させ、次いで該生成物の表面にアンチモン化合
    物の溶液を中和して酸化アンチモンの水和物を生成さ
    せ、しかる後焼成することを特徴とする重量平均粒子径
    が0.1μm以下、粉体色カラーのb値が−10以上で
    L値が35以上、及び粉体抵抗が1KΩcm以下である
    導電性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 ケイ素化合物を存在させることを特徴と
    する請求項1記載の導電性アンチモン含有酸化錫微粉末
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和
    物を生成させる際に、錫化合物の溶液とケイ素化合物の
    溶液とを中和して酸化錫と酸化ケイ素の水和物の共沈物
    を生成させることを特徴とする請求項2記載の導電性ア
    ンチモン含有酸化錫微粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 錫化合物の溶液が塩化錫溶液であり、ケ
    イ素化合物の溶液がアルカリ水溶液にケイ素化合物を溶
    解した溶液であることを特徴とする請求項2記載の導電
    性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和
    物を生成させ、次いでケイ素化合物の溶液を加えた後中
    和して酸化錫の水和物の表面に酸化ケイ素の水和物を沈
    着させることを特徴とする請求項2記載の導電性アンチ
    モン含有酸化錫微粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和
    物を生成させ、次いでアンチモン化合物の溶液を中和し
    て酸化錫の水和物の表面に酸化アンチモンの水和物を沈
    着させ、しかる後ケイ素化合物の溶液を加え、次いで中
    和して酸化ケイ素の水和物をさらに沈着させることを特
    徴とする請求項2記載の導電性アンチモン含有酸化錫微
    粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 錫化合物、アンチモン化合物及びケイ素
    化合物の溶液の溶媒が、各々アルコール、塩酸水溶液及
    びアセトンから選ばれた少なくとも1種である請求項1
    又は2記載の導電性アンチモン含有酸化錫微粉末の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 錫化合物の溶液を中和して酸化錫の水和
    物を生成させ、次いでケイ素化合物の溶液とアンチモン
    化合物の溶液とを中和して酸化錫の水和物の表面に酸化
    ケイ素と酸化アンチモンの水和物の共沈物を沈着させる
    ことを特徴とする請求項2記載の導電性アンチモン含有
    酸化錫微粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1の方法によって得られる導電性
    アンチモン含有酸化錫微粉末を、バインダー固形分10
    0重量部に対して3〜200部配合して成る導電性塗料
    組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1の方法によって得られる導電
    性アンチモン含有酸化錫微粉末を、成形用樹脂100重
    量部に対して3〜200部配合して成る導電性樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】 請求項1の方法によって得られる導電
    性アンチモン含有酸化錫微粉末を、水性媒体に分散させ
    て成る水性分散体。
  12. 【請求項12】 請求項11の水性分散体を、樹脂10
    0重量部(固形分基準)に対して該水性分散体の固形分
    基準で3〜200部配合して成る導電性塗布組成物。
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