JPH08318730A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH08318730A
JPH08318730A JP12650295A JP12650295A JPH08318730A JP H08318730 A JPH08318730 A JP H08318730A JP 12650295 A JP12650295 A JP 12650295A JP 12650295 A JP12650295 A JP 12650295A JP H08318730 A JPH08318730 A JP H08318730A
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Shinji Kakehashi
伸治 梯
Yasutaka Kuroda
泰孝 黒田
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の温度場からの空気を導入して蒸発器1
8と熱交換を行う車両用空調装置において、蒸発器18
の除湿能力の向上を図る。 【構成】 蒸発器18の冷媒最下流部18bでは、冷媒
が低温外気よりも温度の高い内気と熱交換するように、
蒸発器18を空気流路22、23に対して配設する。こ
れにより、冷媒最下流部18bにおける冷媒は内気より
確実に吸熱するので、蒸発器18の出口配管41に流出
する冷媒は常に蒸発器18の熱負荷に対応した適正な過
熱度を持った状態となる。従って、温度式膨張弁40の
感温筒40aは上記適正な過熱度を示す冷媒温度を感知
でき、温度式膨張弁40の弁開度は蒸発器18の熱負荷
に対応した適正な開度となり、適正な冷媒流量を設定で
きるので、蒸発器18の除湿能力を良好に確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内気と外気のように、複
数の温度場からの空気を導入して蒸発器にて冷媒と熱交
換を行う車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の車両用空調装置は特開平
5−124426号公報にて提案されており、この空調
装置においては、蒸発器およびヒータコアを有する通風
路を、その通風方向において、デフロスタ吹出口に至る
第1の通風路と、フット吹出口に至る第2の通風路とに
2分割している。そして、冬季の低外気温時には第1の
通風路に湿度の低い外気を導入して、蒸発器およびヒー
タコアと熱交換した後に、デフロスタ吹出口からフロン
トガラス等に吹き出すことにより、窓ガラスの曇りを良
好に除去できるようにしている。
【0003】一方、第2の通風路には温度の高い内気を
導入して、蒸発器およびヒータコアと熱交換した後に、
フット吹出口から温風を車室内へ吹き出すことにより、
車室内を急速に暖房できるようにしている。つまり、冬
季の低外気温時における窓ガラスの曇り除去性能の確保
と車室内の急速暖房の両立を図るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、低外気
温時に蒸発器への導入空気が2つの温度場からの空気
(内気と外気)で構成される場合、蒸発器の最下流部を
流れる冷媒がもし低温外気と熱交換するように構成され
ていると、蒸発器の最下流部の冷媒は空気から熱を奪う
のでなく、逆に空気に熱を奪われてしまうことがある。
【0005】車両用空調装置では、通常、減圧手段とし
て温度式膨張弁を用いているので、上記のように蒸発器
の最下流部の冷媒が空気に熱を奪われると、蒸発器出口
に設けられた感温筒の感知する冷媒温度も低下し、膨張
弁の開度が減少し、冷媒流量を絞る。その結果、膨張弁
は蒸発器の熱負荷に見合った冷媒流量の制御ができず、
必要以上に冷媒流量を絞ってしまい、蒸発器の除湿能力
の低下をきたす。
【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
複数の温度場からの空気を導入して蒸発器と熱交換を行
う車両用空調装置において、蒸発器の除湿能力の向上を
図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、複数の温度場からの空気を導入し、この導
入空気を蒸発器(18)にて冷媒と熱交換させるととも
に、前記蒸発器(18)への冷媒入口部に設けられる減
圧手段として、前記蒸発器(18)出口の冷媒過熱度に
対応して冷媒流量を調整する温度式膨張弁(40)を備
えている車両用空調装置において、前記蒸発器(18)
の冷媒最下流部(18b)が、前記複数の温度場からの
空気のうち、最低温度より温度の高い空気が導入される
部位に配置されている車両用空調装置を特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明では、複数の温度場か
らの空気を導入し、この導入空気を蒸発器(18)にて
冷媒と熱交換させるとともに、前記蒸発器(18)への
冷媒入口部に設けられる減圧手段として、前記蒸発器
(18)出口の冷媒過熱度に対応して冷媒流量を調整す
る温度式膨張弁(40)を備えている車両用空調装置に
おいて、前記蒸発器(18)の冷媒最下流部(18b)
における冷媒が、前記複数の温度場からの空気のうち、
最低温度より温度の高い空気と熱交換するように、前記
蒸発器(18)が前記導入空気の流路(22、23)に
配置されている車両用空調装置を特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1または
2に記載の車両用空調装置において、前記蒸発器(1
8)の冷媒最上流部と冷媒最下流部(18b)との間が
1本の冷媒流路(18c)で接続されていることを特徴
とする。請求項4記載の発明では、請求項1または2に
記載の車両用空調装置において、前記蒸発器(18)の
冷媒最上流部と冷媒最下流部(18b)との間が複数の
並列に設けられた冷媒流路(18d)で接続されている
ことを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明では、複数の温度場か
らの空気を導入し、この導入空気を蒸発器(18)にて
冷媒と熱交換させるとともに、前記蒸発器(18)への
冷媒入口部に設けられる減圧手段として、前記蒸発器
(18)出口の冷媒過熱度に対応して冷媒流量を調整す
る温度式膨張弁(40)を備えている車両用空調装置に
おいて、前記蒸発器(18)の冷媒最上流部と冷媒最下
流部(18b)との間が複数の並列に設けられた冷媒流
路(18d)で接続されており、前記蒸発器(18)の
冷媒最下流部(18b)における冷媒が、前記複数の温
度場からの空気のうち、最低温度の空気と、最低温度よ
り温度の高い空気の両方と熱交換するように、前記蒸発
器(18)が前記導入空気の流路(22、23)に配置
されており、前記蒸発器(18)の冷媒最下流部(18
b)における冷媒と前記最低温度の空気とが熱交換する
空気流路の断面積(Sb)より、前記蒸発器(18)の
冷媒最下流部(18b)における冷媒と前記最低温度よ
り温度の高い空気とが熱交換する空気流路の断面積(S
a)が大に設定されている車両用空調装置を特徴とす
る。
【0011】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1〜5記載の発明によれば、
上記技術的手段を有しているため、複数の温度場からの
空気を導入して蒸発器と熱交換を行う車両用空調装置に
おいて、蒸発器の冷媒最下流部では、冷媒が最低温度の
空気よりも温度の高い空気と熱交換して、冷媒が空気よ
り確実に吸熱するので、蒸発器の出口配管に流出する冷
媒は常に蒸発器の熱負荷に対応した適正な過熱度を持っ
た状態となる。従って、温度式膨張弁は上記適正な過熱
度を示す冷媒温度を感知でき、温度式膨張弁の弁開度は
蒸発器の熱負荷に対応した適正な開度となり、適正な冷
媒流量を設定できるので、蒸発器の除湿能力を良好に確
保できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1は第1実施例の全体構成を示すもの
で、空調装置1は自動車に搭載されるもので、車室内へ
向けて空気を送風する空気通路を構成するダクト2を備
えている。このダクト2の一端には、このダクト2内に
送風する2つの電動式の送風機3、4が配設されてい
る。
【0014】第1送風機3には、ダクト2への導入空気
を内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とに切り替
える内外気切替手段5を備えており、この切替手段5に
は、内気を導入する内気導入口6、外気を導入する外気
導入口7、および内外気切替ドア8が設けられている。
このドア8の通路切替作用より第1送風機3の導入空気
を内気と外気とに切り替えるようになっている。
【0015】一方、第2送風機4は、常に内気を吸入す
るものであって、内気を導入する内気導入口9のみを備
えている。ダクト2の他端側には、ダクト2内を通過し
た空気を車室内へ吹き出す吹出口が配設されており、こ
の吹出口は、車室内前部(計器盤部)の中央より乗員の
上半身へ向けて主に冷風を吹き出すセンタフェイス吹出
口10と、車室内前部(計器盤部)の左右両側部より、
乗員の上半身あるいはサイドの窓ガラスに向けて冷風あ
るいは温風を吹き出すサイドフェイス吹出口11と、フ
ロント窓ガラスへ向けて主に温風を吹き出すデフロスタ
吹出口12と、乗員の足元に向けて主に温風を吹き出す
フット吹出口13とから構成されている。
【0016】そして、ダクト2の他端側には、サイドフ
ェイス吹出口11を除く他の吹出口10、12、13へ
通じる空気通路に各吹出口への空気流れを制御するセン
タフェイスドア14、デフロスタドア16、およびフッ
トドア17が設けられている。ダクト2のうち、送風機
3、4の直ぐ下流部位には、空気を冷却、除湿する冷却
手段としての蒸発器18が設置されている。この蒸発器
18の下流部位には空気を加熱する加熱手段としてのヒ
ータコア19が設置されている。また、ダクト2には、
蒸発器18をバイパスする冷却バイパス通路20、およ
びヒータコア19をバイパスする加熱バイパス通路21
が備えられている。この両バイパス通路20、21を有
することにより、ダクト2内に、蒸発器18のみを通過
する第1流路22と、蒸発器18とヒータコア19の両
方を通過する第2流路23と、ヒータコア19のみを通
過する第3流路24が形成可能となっている。
【0017】なお、蒸発器18の下流に位置する加熱バ
イパス通路21には、この通路21を開閉するクールド
ア25が設置されており、このクールドア25により加
熱バイパス通路21を閉じることにより、蒸発器18を
通過した空気はすべてヒータコア19を通過するように
なっている。また、ダクト2内の蒸発器18上流には、
第1送風機3の送風空気と、第2送風機4の送風空気と
を分離したまま、蒸発器18に導入する第1仕切り壁2
6が設けられており、また蒸発器18下流には、蒸発器
18を通過した空気と、蒸発器18を通過せずにヒータ
コア19のみを通過する空気とを分離する第2仕切り壁
27が設けられている。なお、ヒータコア19はこの第
2仕切り壁27を貫通した状態でダクト2内に設置され
ている。
【0018】また、第2仕切り壁27の下流には、デフ
ロスタモード時に、ヒータコア19のみを通過した空気
をデフロスタ吹出口12へ導くためのデフモード開口2
8が設けられており、このデフモード開口28には、こ
のデフモード開口28を開閉するデフモードドア29が
設けられている。このデフモードドア29は、図示しな
い空調操作パネルの吹出モード切替部材によってデフロ
スタモードが選択されたとき、デフモード開口28を開
放するように操作される。
【0019】次に、上記蒸発器18を有する冷凍サイク
ル32の構成を説明する。冷凍サイクル32は、上記蒸
発器18の他に、周知のごとく圧縮機34、凝縮器3
7、レシーバ39、温度式膨張弁40を備えている。圧
縮機34は電磁クラッチ35を備えており、この電磁ク
ラッチ35への通電により電磁クラッチ35が接続状態
となって、自動車エンジン33の回転力がベルト36、
電磁クラッチ35を介して圧縮機34に伝達され、圧縮
機34が起動するようになっている。なお、前述したヒ
ータコア19は自動車エンジン33の冷却水(温水)を
熱源として送風空気を加熱する温水式熱交換器で構成さ
れている。
【0020】上記冷凍サイクル32の構成機器のうち、
蒸発器18と温度式膨張弁40を除く他の機器(34、
37、39)は自動車のエンジンルーム31内に設置さ
れている。凝縮器37にはその冷却空気を送風する冷却
ファン38が備えられており、この冷却ファン38の送
風空気と冷媒とが熱交換して、冷媒が冷却され、凝縮す
る。レシーバ38は、凝縮器37で凝縮した液冷媒を溜
めて、ガス冷媒と液冷媒とを分離して液冷媒のみを導出
する気液分離手段をなす。
【0021】温度式膨張弁40は車室内において蒸発器
18の近傍に設置され、蒸発器18の冷却能力を最大限
発揮するために、蒸発器出口で丁度、冷媒の蒸発が完了
するように、その弁開度(冷媒流量)が自動調整され
る。このために、温度式膨張弁40は蒸発器18の出口
配管41に設置された感温筒40aを有し、この感温筒
40aにより感知される蒸発器18の出口冷媒温度と、
蒸発器18の冷媒蒸発圧力とにより、蒸発器18の出口
冷媒の過熱度を判定して、この出口冷媒の過熱度が所定
値に維持されるように温度式膨張弁40の弁開度が自動
調整されるようになっている。
【0022】ところで、本例における蒸発器18のダク
ト2内への配置形態は、図1に示すように、温度式膨張
弁40で減圧された気液2相冷媒が流入する冷媒最上流
部18aが第1送風機3の送風空気流路に位置し、冷媒
最下流部18bが第2送風機4の送風空気流路に位置す
るようになっている。ここで、第2送風機4は常に内気
を送風するから、蒸発器18の冷媒最下流部18bは、
内外気の複数の温度場の空気が導入される場合に、温度
の高い方の空気が導入される部位に配置されることにな
る。
【0023】なお、蒸発器18の冷媒最上流部18aと
冷媒最下流部18bとの間は、本例では1本の冷媒流路
18cで接続されている。また、本例では図1に示すよ
うに、蒸発器18の冷媒最下流部18bに接続されてい
る出口配管41がダクト2内に位置しているので、この
出口配管41にて冷媒が若干量、低温外気と熱交換する
可能性がある。そこで、この出口配管41の外周面に断
熱材を装着して、低温外気との熱交換を防止するのがよ
い。
【0024】また、蒸発器18の冷媒最下流部18bに
接続されている出口配管41を蒸発器18の冷媒最下流
部18bの部位から直ちに、ダクト2の外部に配管し
て、出口配管41内の冷媒が第1送風機3の送風空気と
熱交換しないようにしてもよい。次に、上記構成におい
て本実施例の作動を説明する。冬季の低外気温時に、車
室内の暖房と同時にフロント窓ガラスの曇り止めを行う
ときは、内外気切替ドア8が図1の実線位置に操作され
て、内気導入口6を閉塞するとともに、外気導入口7を
開放する。また、クールドア25は図1の一点鎖線位置
に操作されて、加熱バイパス通路21を開放する。
【0025】また、デフモードドア29は図1の実線位
置に操作されて、デフモード開口28を閉塞する。ま
た、センタフェイスドア14は閉、デフロスタドア16
は開、およびフットドア17は開のそれぞれの位置に操
作されて、デフロスタ吹出口12およびフット吹出口1
3から空気が吹出し可能となる。また、図示しない冷凍
サイクル作動スイッチ(空調スイッチ)を投入すると、
電磁クラッチ35に通電され、圧縮機34が起動する。
【0026】そして、第1送風機3を作動させると、車
外の低温外気が外気導入口7を通してダクト2内へ吸入
される。これと同時に、第2の送風機4を作動させる
と、内気導入口9から、外気に比して温度の高い内気が
ダクト2内へ吸入される。蒸発器18では、その冷媒最
上流部18a側に第1送風機3により送風される外気が
流れ、その冷媒最下流部18bには第2の送風機4によ
り送風される内気が流れる。従って、外気温度が内気温
度よりも低温となる条件下においても、蒸発器18の冷
媒最下流部18bでは、冷媒が外気よりも温度の高い内
気と熱交換して、冷媒が内気より確実に吸熱するので、
蒸発器18の出口配管41に流出する冷媒は常に蒸発器
18の熱負荷に対応した適正な過熱度を持った状態とな
る。
【0027】従って、温度式膨張弁40の感温筒40a
は上記適正な過熱度を示す冷媒温度を感知でき、温度式
膨張弁40の弁開度は蒸発器18の熱負荷に対応した適
正な開度となり、適正な冷媒流量を設定できるので、蒸
発器18の除湿能力を良好に確保できる。ここで、も
し、蒸発器18のダクト2内への配置形態が本例とは逆
になっていて、冷媒が図1の蒸発器18において逆方向
に流れるとすると、次のごとき不具合が発生する。すな
わち、この場合は蒸発器18に流入した冷媒がまず第2
送風機4により送風される、外気より高温の内気と熱交
換することになる。そのとき、冷媒流量が温度式膨張弁
40の何らの外乱等により不足気味になっていると、上
記内気と冷媒が熱交換を終えるときには、冷媒がすべて
蒸発気化し、過大な過熱度を持つことになる。ここで、
もし第1送風機3の送風空気も温度の高い内気である場
合には、その内気と熱交換することにより、冷媒はさら
に過熱度を増すことになり、蒸発器18の出口配管41
において温度式膨張弁40の感温筒40aにその過熱度
を伝えて、膨張弁開度を増大(冷媒流量を増大)できる
ので、問題は生じない。
【0028】しかし、第1送風機3の送風空気が内気よ
り温度の低い外気である場合には、蒸発器下流側に到達
した過熱度を持った冷媒がその低温外気と熱交換するこ
とにより、外気に熱を奪われてしまい、蒸発器出口での
冷媒の過熱度が減少したり、過熱度零の飽和温度になっ
て、感温筒40a部分に到達することになる。その結
果、感温筒40aはこの小さな過熱度の冷媒温度もしく
は過熱度零の飽和温度を感知し、膨張弁40はその弁開
度を増大するどころか、逆に弁開度を減少する方向に作
動してしまい、冷媒流量を減少させるので、蒸発器18
の除湿能力が低下してしまう。この蒸発器18の除湿能
力低下により、冬季の雨天時等における窓ガラスの曇り
除去能力が低下し、窓ガラスの曇りを充分除去できない
場合も生じる。
【0029】しかるに、本例においては、前述したよう
に、内気と外気という複数の温度場の空気を同時に導入
して、蒸発器18にてこの複数の温度場の空気と冷媒と
を熱交換する際に、蒸発器18の冷媒最下流部18bで
は、冷媒が外気よりも温度の高い内気と熱交換して、冷
媒が内気より確実に吸熱するようにしているから、蒸発
器18の出口冷媒は常に蒸発器18の熱負荷に対応した
適正な過熱度を持った状態となり、温度式膨張弁40の
弁開度は蒸発器18の熱負荷に対応した適正な開度とな
り、適正な冷媒流量を設定できるので、蒸発器18の除
湿能力を良好に確保できる。
【0030】図2は蒸発器18とその回りのダクト2部
分の配置レイアウトを理解しやすいようにまとめた概要
図であって、Aは第2送風機4からの内気を示し、Bは
第1送風機3からの外気を示す。蒸発器18内における
冷媒流路18cの矢印は冷媒の流れ方向を示している。 (第2実施例)図3は第2実施例であり、図2の配置レ
イアウトに対して、第1仕切り壁26を垂直方向から水
平方向に配置方向を変更したものである。これにより、
蒸発器18の冷媒最上流部18aおよび冷媒最下流部1
8bをともに第2送風機4からの内気Aが流れる空気流
路側に位置させるようにしたものである。この第2実施
例の配置レイアウトにおいても、蒸発器18の冷媒最下
流部18bを内気Aが流れる空気流路側に位置させるこ
とにより、第1実施例と同様の作用効果を発揮できる。 (第3実施例)図4は第3実施例であり、図2の配置レ
イアウトでは蒸発器18の冷媒最上流部18aおよび冷
媒最下流部18bからの冷媒配管取り出し方向を、内気
Aと外気Bの流れ方向と平行な方向に設定しているが、
図4の第3実施例では、前記冷媒配管取り出し方向を、
内気Aと外気Bの流れ方向と直角な方向に設定してい
る。この点が図2の配置レイアウトと異なるのみで、他
の点は同じである。 (第4実施例)図5は第4実施例であり、図3の配置レ
イアウトでは蒸発器18の冷媒最上流部18aおよび冷
媒最下流部18bからの冷媒配管取り出し方向を、内気
Aと外気Bの流れ方向と平行な方向に設定しているが、
図5の第4実施例では、前記冷媒配管取り出し方向を、
内気Aと外気Bの流れ方向と直角な方向に設定してい
る。この点が図3の配置レイアウトと異なるのみで、他
の点は同じである。 (第5実施例)図6は第5実施例であり、図3の配置レ
イアウトでは蒸発器18の冷媒最上流部18aと冷媒最
下流部18bとの間を蛇行状に形成された1本の冷媒流
路18cで接続しているが、図6の第5実施例では蒸発
器18の冷媒最上流部18aと冷媒最下流部18bとの
間を複数(図6の図示例では3本)の並列に設けたUタ
ーン状の冷媒流路18dで接続するようにしたものであ
る。
【0031】また、蒸発器18の冷媒最上流部18aと
冷媒最下流部18bからの冷媒配管取り出し方向を、内
気Aと外気Bの流れ方向と直角な方向に設定しており、
この点も図3の配置レイアウトと異なっている。 (第6実施例)図7は第6実施例であり、図6の配置レ
イアウトに対して、第1仕切り壁26を水平方向から垂
直方向に配置方向を変更したものである。これにより、
蒸発器18の冷媒最上流部18aおよび冷媒最下流部1
8bがともに、第2送風機4からの内気Aが流れる空気
流路と、第1送風機3からの外気Bが流れる空気流路と
の両方に位置するようになる。
【0032】そこで、図7の第6実施例では、第2送風
機4からの内気Aが流れる空気流路の断面積Saを第1
送風機3からの外気Bが流れる空気流路の断面積Sbよ
りも大(Sa>Sb)となるように設定することによ
り、蒸発器18の冷媒最下流部18bを流れる冷媒が平
均的には低温外気よりも高温内気に近い温度の空気と熱
交換するようにして、冬季低外気温時における除湿能力
の確保を図るようにしたものである。
【0033】なお、上述した実施例では、自動車走行用
原動機として、エンジン(内燃機関)33を備える自動
車に本発明を適用した場合について述べたが、電気自動
車のように冷凍サイクルの圧縮機34を電動モータで駆
動する場合にも本発明を同様に適用できることはもちろ
んである。この場合には、空気加熱手段として、温水熱
源のヒータコア19の代わりに、冷凍サイクル(ヒート
ポンプ)の凝縮器を使用すればよい。
【0034】また、温度式膨張弁40として、感温筒4
0aを用いた機械的機構のものに限らず、冷媒温度、冷
媒圧力を電気的センサにより感知して弁開度を電気的に
制御する電気式の膨張弁を使用できることはもちろんで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す車両用空調装置の全
体構成図である。
【図2】図1における蒸発器部分における配置レイアウ
トを示す概略透視斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す蒸発器部分の概略透
視斜視図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す蒸発器部分の概略透
視斜視図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す蒸発器部分の概略透
視斜視図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す蒸発器部分の概略透
視斜視図である。
【図7】本発明の第6実施例を示す蒸発器部分の概略透
視斜視図である。
【符号の説明】
2…ダクト、3、4…第1、第2送風機、18…蒸発
器、18a…冷媒最上流部、18b…冷媒最下流部、1
8c、18d…冷媒流路、19…ヒータコア、40…温
度式膨張弁、40a…感温筒。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の温度場からの空気を導入し、この
    導入空気を蒸発器にて冷媒と熱交換させるとともに、前
    記蒸発器への冷媒入口部に設けられる減圧手段として、
    前記蒸発器出口の冷媒過熱度に対応して冷媒流量を調整
    する温度式膨張弁を備えている車両用空調装置におい
    て、 前記蒸発器の冷媒最下流部が、前記複数の温度場からの
    空気のうち、最低温度より温度の高い空気が導入される
    部位に配置されていることを特徴とする車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 複数の温度場からの空気を導入し、この
    導入空気を蒸発器にて冷媒と熱交換させるとともに、前
    記蒸発器への冷媒入口部に設けられる減圧手段として、
    前記蒸発器出口の冷媒過熱度に対応して冷媒流量を調整
    する温度式膨張弁を備えている車両用空調装置におい
    て、 前記蒸発器の冷媒最下流部における冷媒が、前記複数の
    温度場からの空気のうち、最低温度より温度の高い空気
    と熱交換するように、前記蒸発器が前記導入空気の流路
    に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発器の冷媒最上流部と冷媒最下流
    部との間が1本の冷媒流路で接続されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸発器の冷媒最上流部と冷媒最下流
    部との間が複数の並列に設けられた冷媒流路で接続され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両
    用空調装置。
  5. 【請求項5】 複数の温度場からの空気を導入し、この
    導入空気を蒸発器にて冷媒と熱交換させるとともに、前
    記蒸発器への冷媒入口部に設けられる減圧手段として、
    前記蒸発器出口の冷媒過熱度に対応して冷媒流量を調整
    する温度式膨張弁を備えている車両用空調装置におい
    て、 前記蒸発器の冷媒最上流部と冷媒最下流部との間が複数
    の並列に設けられた冷媒流路で接続されており、 前記蒸発器の冷媒最下流部における冷媒が、前記複数の
    温度場からの空気のうち、最低温度の空気と、最低温度
    より温度の高い空気の両方と熱交換するように、前記蒸
    発器が前記導入空気の流路に配置されており、 前記蒸発器の冷媒最下流部における冷媒と前記最低温度
    の空気とが熱交換する空気流路の断面積より、前記蒸発
    器の冷媒最下流部における冷媒と前記最低温度より温度
    の高い空気とが熱交換する空気流路の断面積が大に設定
    されていることを特徴とする車両用空調装置。
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