JPH0831637A - リニアソレノイドの通電制御方法 - Google Patents

リニアソレノイドの通電制御方法

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JPH0831637A
JPH0831637A JP16231794A JP16231794A JPH0831637A JP H0831637 A JPH0831637 A JP H0831637A JP 16231794 A JP16231794 A JP 16231794A JP 16231794 A JP16231794 A JP 16231794A JP H0831637 A JPH0831637 A JP H0831637A
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linear solenoid
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thrust
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Noboru Hino
昇 日野
Masayuki Shibata
将行 柴田
Shigeru Kobayashi
茂 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リニアソレノイドの通電電流を増減制御する際
に推力ヒステリシスが生じることを極力抑える。 【構成】リニアソレノイドの通電電流を制御するにあた
って、現在の通電電流値よりも低い電流値へと通電電流
を減少させる際には、所定時間だけ通電を遮断した後に
前記低い電流値まで通電量を増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リニアソレノイドの通
電制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リニアソレノイドを用いて弁を駆
動するようにしたものが、たとえば特開昭64−121
89号公報、特開平1−247228号公報および特開
平4−50550号公報等により知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
リニアソレノイドの通電制御により該リニアソレノイド
が発揮する推力を変化させ、その推力を弁に作用せしめ
ることにより推力に対応する液圧が弁から出力されるよ
うにしている。しかるに、リニアソレノイドの通電制御
にあたっては、通電電流を連続的に変化させていること
に起因して通電量が大であったときの残留磁束の影響を
受け、通電電流増大時と減少時とで推力に差が生じる。
しかるにリニアソレノイドが発揮する推力にヒステリシ
スが生じると、リニアソレノイドを用いた弁等の正確な
制御が困難となる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、推力ヒステリシスが生じることを極力抑える
ようにしたリニアソレノイドの通電制御方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明によれば、リニアソレノイドの
通電電流を制御するにあたって、現在の通電電流値より
も低い電流値へと通電電流を減少させる際には、所定時
間だけ通電を遮断した後に前記低い電流値まで通電量を
増大する。
【0006】また請求項2記載の発明によれば、前記所
定時間を10〜300m秒に設定する。
【0007】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0008】図1ないし図3は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1はリニアソレノイドを有する液圧制御
装置の縦断面図、図2はリニアソレノイドの通電制御手
順を示すフローチャート、図3は通電制御に伴う電流変
化を示す図である。
【0009】先ず図1において、高液圧源1から出力さ
れる液圧は液圧制御装置3により制御されて液圧作動部
2に与えられるものであり、この液圧制御装置3は、リ
ニアソレノイド4と、該リニアソレノイド4で駆動され
るスプール弁5とで構成される。
【0010】リニアソレノイド4のインナーハウジング
6は、磁性筒体7および固定コア8に非磁性筒体9の両
端が液密に嵌合、連結されて成る。またアウターハウジ
ング10は、内周縁を固定コア8に係合させる鍔部10
aを一端に有して磁性材料により円筒状に形成され、こ
のアウターハウジング10の他端には、磁性筒体7に係
合、連結される磁性リング11と、磁性筒体7および磁
性リング11を覆う合成樹脂製のカバー12とがかしめ
結合される。磁性リング11および鍔部10a間でアウ
ターハウジング10内には、ボビン13に巻装されたコ
イル14がインナーハウジング6を同軸に囲繞して配置
される。而してカバー12には、前記コイル14に連な
る接続端子15を臨ませる接続カプラ12aが設けられ
る。
【0011】磁性筒体7および固定コア8には可動コア
16の両端部が摺動自在に嵌合されており、該可動コア
16には、固定コア8を軸方向移動可能に貫通するプラ
ンジャ17が同軸にかしめ結合される。
【0012】このようなリニアソレノイド4は、コイル
14への通電電流に応じた吸引力で可動コア16を固定
コア8に吸引するものであり、したがってコイル14へ
の通電電流に応じた軸方向推力がプランジャ17に与え
られ、プランジャ17は固定コア8から突出する方向に
駆動される。
【0013】スプール弁5の弁ハウジング20は、固定
コア8を一端側に嵌入させるようにしてリニアソレノイ
ド4に結合される。この弁ハウジング20には、大径摺
動孔21と、小径摺動孔22と、ねじ孔23とが前記固
定コア8側から順にかつ同軸に設けられており、大径摺
動孔21および小径摺動孔22には、固定コア8から突
出したプランジャ17に一端を当接させるスプール弁体
24が摺動可能に嵌合され、ねじ孔23に螺合される調
整ねじ25とスプール弁体24との間には弁ばね26が
縮設される。而して調整ねじ25の弁ハウジング20か
ら突出した部分には止めナット27が螺合されており、
調整ねじ25を螺進あるいは螺退させた状態で止めナッ
ト27を締付けることにより、弁ばね26のセット荷重
を調整可能である。
【0014】弁ハウジング20において、スプール弁体
24の一端および固定コア8間には解放室28が形成さ
れ、スプール弁体24の他端および調整ねじ25間には
反力室29が形成される。而して大径摺動孔21の内面
には、第1環状凹部30、第2環状凹部31および第3
環状凹部32が解放室28側から順に軸方向に間隔をあ
けて設けられ、第3環状凹部32から反力室29側に軸
方向に間隔をあけた位置で大径摺動孔21および小径摺
動孔22の内面間にわたっては第4環状凹部33が設け
られる。而して解放室28、第3環状凹部32および第
4環状凹部33はリザーバ34に連通され、第1環状凹
部30は高液圧源1に連通され、第2環状凹部31は液
圧作動部2に連通され、反力室29はオリフィス35を
介して液圧作動部2に連通される。
【0015】スプール弁体24の外面には環状溝36が
設けられており、該環状溝36は、図1で示すようにス
プール弁体24が前進位置にある状態では第2環状凹部
31すなわち液圧作動部2を第3環状凹部32すなわち
リザーバ34に連通させるが、スプール弁体24が図1
の右方に後退すると第2環状凹部31を第1環状凹部3
0すなわち高液圧源1に連通させるように形成される。
【0016】このような液圧制御装置3では、リニアソ
レノイド4の通電によりプランジャ17からスプール弁
体24に推力が作用すると、スプール弁体24が液圧作
動部2をリザーバ34に連通させるが高液圧源1とは遮
断する側に押圧される。一方、スプール弁体24には、
弁ばね26により前記推力に対抗するばね力が与えられ
るとともにオリフィス35を介して液圧作動部2に通じ
た反力室29の液圧がスプール弁体24に作用すること
による液圧力が前記推力に対抗して与えられることにな
る。これによりスプール弁体24は、リニアソレノイド
4から与えられる推力と、弁ばね26のばね力および反
力室29の液圧による液圧力とが均衡するように、液圧
作動部2をリザーバ34に連通させる前進位置と、液圧
作動部2を高液圧源1に連通させる後退位置との間で軸
方向に移動し、高液圧源1の出力液圧は、リニアソレノ
イド4の通電量が大となるのに応じて減圧度が大となる
ように減圧されて、液圧作動部2に与えられることにな
る。
【0017】リニアソレノイド4におけるコイル14の
通電量は、電子制御ユニットECUにより制御されるも
のであり、この電子制御ユニットECUでは、リニアソ
レノイド14の通電制御にあたって、図2で示すような
制御手順が設定される。
【0018】図2において、第1ステップS1では、電
流指令値IC を変更するか否かを判定し、電流指令値I
C を変更する場合には、第2ステップS2において電流
指令値IC を減少側に変更するか否かを判定する。而し
て電流指令値IC を増大側に変更すると判定した場合に
は、第2ステップS2から第3ステップS3に進み、こ
の第3ステップS3で変更する電流指令値IC まで通電
量を増大する。
【0019】而して第2ステップS2で、電流指令値I
C を減少側に変更すると判定した場合には、第2ステッ
プS2から第4ステップS4に進み、この第4ステップ
S4でリニアソレノイド4への通電を遮断する。この通
電遮断後、所定の時間TOFFたとえば10〜300m秒
が経過したことを第5ステップS5で確認したときに、
第3ステップS3で、変更する電流指令値IC まで通電
量を増大する。
【0020】すなわちリニアソレノイド4の通電電流を
制御するにあたって、現在の通電電流値よりも低い電流
値へと通電電流を減少させる際には、所定時間TOFF
け通電を遮断した後に前記低い電流値まで通電量を増大
することになる。一方、高い電流値へと通電電流を増大
する場合にはそのまま通電量を増大する。すなわち、リ
ニアソレノイド4の通電電流を常に増大側で制御するこ
とになる。
【0021】次にこの実施例の作用について説明する
と、リニアソレノイド4の通電量を制御するにあたっ
て、図3(a)で示すように通電指令値IC が変化する
ときに、リニアソレノイド4の通電量は図3(b)で示
すように変化することになる。すなわち通電指令値IC
を減少側に変化させるときには、その変化時から作動遅
れ時間TD が経過してリニアソレノイド4への通電が遮
断され、その通電遮断状態が所定時間TOFF だけ経過し
てから、変更後の電流指令値IC まで通電量を増大する
ことになる。
【0022】このように、通電電流の減少側への変更時
に所定時間TOFF だけ通電を遮断した後に変更後の電流
値まで通電量を増大することにより、通電電流が大であ
ったときの残留磁束を減少させ、通電電流を連続的に減
少させているときには大きくなる残留磁束の影響を極力
抑えることができる。それにより通電電流増大時と減少
時とでリニアソレノイド4で発生する推力にヒステリシ
スが生じることを極力回避し、スプール弁5の正確な制
御が可能となる。
【0023】しかも通電電流の遮断が長時間にわたる
と、その遮断後に通電電流を増大したときにリニアソレ
ノイド4で生じる推力に脈動が生じるものであるが、通
電電流を遮断する所定時間TOFF を10〜300m秒に
設定することにより、そのような脈動の発生を防止し
て、推力を節度よく変化させることができる。
【0024】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0025】たとえば本発明は、スプール弁5を駆動す
るリニアソレノイドだけでなく、通電量に応じた推力を
作動部に作動せしめるリニアソレノイドに広く適用可能
である。
【0026】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、リニアソレノイドの通電電流を制御するにあたっ
て、現在の通電電流値よりも低い電流値へと通電電流を
減少させる際には、所定時間だけ通電を遮断した後に前
記低い電流値まで通電量を増大するので、通電電流が大
であったときの残留磁束を減少させた後に低い電流値ま
で通電量を増大させて残留磁束の影響を極力抑え、リニ
アソレノイドで発生する推力にヒステリシスが生じるこ
とを極力回避することができる。
【0027】また請求項2記載の発明によれば、前記所
定時間を10〜300m秒に設定するので、通電電流の
遮断に伴ってリニアソレノイドで生じる推力に脈動が生
じることを防止し、リニアソレノイドの発生推力を節度
よく変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リニアソレノイドを有する液圧制御装置の縦断
面図である。
【図2】リニアソレノイドの通電制御手順を示すフロー
チャートである。
【図3】通電制御に伴う電流変化を示す図である。
【符号の説明】
4 リニアソレノイド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リニアソレノイド(4)の通電電流を制
    御するにあたって、現在の通電電流値よりも低い電流値
    へと通電電流を減少させる際には、所定時間だけ通電を
    遮断した後に前記低い電流値まで通電量を増大すること
    を特徴とするリニアソレノイドの通電制御方法。
  2. 【請求項2】 前記所定時間を10〜300m秒に設定
    することを特徴とする請求項1記載のリニアソレノイド
    の通電制御方法。
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