JPH08315346A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH08315346A
JPH08315346A JP11550195A JP11550195A JPH08315346A JP H08315346 A JPH08315346 A JP H08315346A JP 11550195 A JP11550195 A JP 11550195A JP 11550195 A JP11550195 A JP 11550195A JP H08315346 A JPH08315346 A JP H08315346A
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JP
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magnetic
film
layer
recording medium
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JP11550195A
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English (en)
Inventor
Ryuji Sugita
龍二 杉田
Kiyokazu Toma
清和 東間
Tatsuro Ishida
達朗 石田
Kazuya Yoshimoto
和也 吉本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は薄膜型磁気記録媒体に関するもの
で、高いS/Nを有する磁気テープを提供することを目
的とする。 【構成】 基板1上に結晶粒の成長方向が平均として膜
面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面近傍で略
法線方向であるCo基の部分酸化膜からなる第1の磁性
層2が形成され、その上に結晶粒の成長方向が基板側か
ら表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方
向であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層4が
形成されている磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高いS/Nの得られる磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置は年々高密度化してお
り、短波長記録再生特性の優れた磁気記録媒体が要望さ
れている。この要望に応えるべく薄膜型磁気記録媒体が
開発されている。薄膜型磁気記録媒体は真空蒸着法、ス
パッタリング法、メッキ法等により作製され、優れた短
波長記録再生特性を有する。薄膜型磁気記録媒体におけ
る磁性層としては、Co、Co−Ni、Co−Ni−
P、Co−O、Co−Ni−O、Co−Cr、Co−N
i−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt等が検
討されている。
【0003】薄膜型磁気記録媒体を磁気テープとして実
用化する際には、製造法として真空蒸着法が最も適して
おり、高分子基板上にCo−Ni−O磁性層が形成され
た蒸着テープが、既にHi8方式VTR用テープとして
実用化されている。蒸着テープにおける磁性層は、膜面
の法線に対して傾斜して成長した結晶粒からなってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】今後、磁気記録再生装
置はますます小型大容量化の方向にある。これを実現す
るためには、線記録密度及びトラック密度の向上がなさ
れなければならない。従って、磁気テープにおいては高
S/N化、特に短波長領域における高S/N化が要求さ
れる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記要望を実現
したものであって、第一の発明は、基板上に結晶粒の成
長方向が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向で
ありかつ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化
膜からなる第1の磁性層が形成され、その上に結晶粒の
成長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線
に対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からな
る第2の磁性層が形成されていることを特徴とする。
【0006】第二の発明は、基板上に結晶粒の成長方向
が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向でありか
つ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜から
なる第1の磁性層が形成され、その上に結晶粒の成長方
向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対し
て傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる第2
の磁性層が形成され、さらにその上に結晶粒の成長方向
が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対して
傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる第3の
磁性層が形成されていることを特徴とする。
【0007】第三の発明は、基板上に結晶粒の成長方向
が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向でありか
つ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜から
なる第1の磁性層が形成され、その上に結晶粒の成長方
向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対し
て傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる第2
の磁性層が形成され、その上に結晶粒の成長方向が平均
として膜面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面
近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜からなる第
4の磁性層が形成され、さらにその上に結晶粒の成長方
向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対し
て傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる第3
の磁性層が形成されていることを特徴とする。
【0008】第四の発明は、基板上に結晶粒の成長方向
が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向でありか
つ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜から
なる第1の磁性層が形成され、その上に結晶粒の成長方
向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対し
て傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる第2
の磁性層が形成され、その上に結晶粒の成長方向が膜面
の略法線方向であるCo基の部分酸化膜あるいはCo基
の酸化膜からなる薄膜層が形成され、さらにその上に結
晶粒の成長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面
の法線に対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜
からなる第3の磁性層が形成されていることを特徴とす
る。
【0009】
【作用】磁気記録媒体を本発明の構成にすることによ
り、記録再生特性に大きな影響を及ぼす第2の磁性層あ
るいは第2の磁性層と第3の磁性層の磁気異方性を高く
することができ、しかも、第1の磁性層及び第4の磁性
層も再生出力に寄与するので、高いS/Nを得ることが
できる。
【0010】
【実施例】本発明の磁気記録媒体について図1〜4を用
いて説明する。
【0011】図1は本発明の磁気記録媒体の第1の例の
基本構成を示し、1は高分子基板、2は結晶粒3の成長
方向が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向であ
りかつ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜
からなる第1の磁性層、4は結晶粒5の成長方向が基板
側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜し
た方向であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層
である。このような構成にすることにより、高分子基板
上に単純に1層の磁性層、あるいは同特性の複数の磁性
層が形成された従来の蒸着テープに比べて、高いS/N
を得ることができる。
【0012】図1に示すような本発明の構成により、従
来の蒸着テープに比べて高いS/Nが得られる第1の理
由は、結晶粒の成長方向が表面近傍において膜面の略垂
直方向であるCo基の部分酸化膜からなる第1の磁性層
の上に、結晶粒の成長方向が膜面の法線に対して傾斜し
た方向であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層
を形成すると、高分子基板の上に直接形成した場合より
も保磁力及び角型比が高くなることにある。このように
保磁力及び角型比が高くなるのは、第2の磁性層の結晶
配向性が改善されるためである。例えば、高分子基板の
上に第2の磁性層を直接形成すると、保磁力が100kA/
m、角型比が0.75である場合に、これと全く同じ作製条
件で、第1の磁性層を介して第2の磁性層を形成する
と、第2の磁性層の保磁力は130kA/m、角型比は0.85に
なる。
【0013】図1に示すような本発明の構成により高い
S/Nの得られる第2の理由は、第1の磁性層の結晶粒
の成長方向が平均として膜面の法線に対して傾斜してい
るので、第1の磁性層もS/Nに寄与するためである。
【0014】なお、上記のような効果を得るためには、
第1の磁性層を構成する元素は第2の磁性層とほぼ同じ
にする必要がある。これは、第1の磁性層は第2の磁性
層の結晶配向性を改善するものでなければならないため
だと考えられる。従って、第2の磁性層がCoの部分酸
化膜である場合に、第1の磁性層が異なる元素から成っ
ていたり、金属Coのままであると本発明の効果は得ら
れない。
【0015】以上説明したように、本発明における第1
の磁性層の主な効果は、第2の磁性層の磁気特性を改善
すること及び再生出力そのものに寄与することにある。
この効果を得るためには、第1の磁性層の膜厚は10nm以
上であることが望ましい。10nm未満であると、第1の磁
性層がない場合の特性に近づく。
【0016】また、第1の磁性層の膜厚と飽和磁化との
積は、第2の磁性層の膜厚と飽和磁化との積の3/4以下
にすることが望ましい。3/4を越えると、第1の磁性層
による再生出力への寄与はあるが、ノイズがそれ以上に
増加してしまい、S/Nが低下する。
【0017】高い再生出力を得るためには、第1の磁性
層2、第2の磁性層4ともに、Co基の部分酸化膜にす
る必要があるが、第1の磁性層の酸素濃度を第2の磁性
層の酸素濃度よりも高くすることが望ましい。こうする
ことにより高い再生出力が得られる。なぜならば、第2
の磁性層は満足な磁気特性を達成できる範囲内で、でき
る限り酸素濃度が少ないことが好ましく、第1の磁性層
は第2の磁性層よりも酸素が多い方が、第2の磁性層の
結晶配向性を改善でき、しかも、第1の磁性層からのノ
イズを増やさないからである。
【0018】高いS/Nを得るためには、第1の磁性層
の角型比が第2の磁性層の角型比よりも小さくなるよう
にすることが望ましい。なお角型比は、基板走行方向に
おいて測定したヒステリシス曲線から求める。こうする
ことにより、第1の磁性層からのノイズを低くおさえる
ことができる。
【0019】図2は本発明の磁気記録媒体の第2の例の
基本構成を示す。高分子基板1上に結晶粒3の成長方向
が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向でありか
つ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜から
なる第1の磁性層2が形成され、その上に結晶粒5の成
長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に
対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる
第2の磁性層4が形成され、さらにその上に結晶粒7の
成長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線
に対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からな
る第3の磁性層6が形成されている。このような構成に
することにより、図1に示すような、本発明の磁気記録
媒体の第1の例よりもさらに高いS/Nを得ることがで
きる。例えば図2において、第2及び第3の磁性層の総
膜厚が、図1における第2の磁性層の膜厚と等しい場合
には、再生出力はほぼ同等であるが、ノイズが低下す
る。また、図2において第2及び第3の磁性層の総膜厚
が、図1における第2の磁性層の2倍の場合には、再生
出力が増加し、ノイズは同等である。
【0020】図2のような構成の場合においても、図1
の構成の場合と同様に、第1の磁性層の膜厚が10nm以上
が望ましく、かつ第1の磁性層の膜厚と飽和磁化との積
が第2及び第3の磁性層の総膜厚と飽和磁化との積の3/
4以下であることが望ましい。その理由は図1の構成の
場合と同様である。
【0021】また、磁性層の酸素濃度も、図1の構成の
際に説明したのと同じ理由により、第1の磁性層の酸素
濃度が第2及び第3の磁性層の酸素濃度よりも大なるこ
とが望ましい。
【0022】高いS/Nを得るためには、第1の磁性層
の角型比が第2及び第3の磁性層の角型比よりも小なる
ことが望ましい。こうすることにより、第1の磁性層か
らのノイズを低くおさえることができる。
【0023】図3は本発明の磁気記録媒体の第3の例の
基本構成を示す。高分子基板1上に結晶粒3の成長方向
が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向でありか
つ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜から
なる第1の磁性層2が形成され、その上に結晶粒5の成
長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に
対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる
第2の磁性層4が形成され、その上に結晶粒9の成長方
向が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向であり
かつ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜か
らなる第4の磁性層8が形成され、さらにその上に結晶
粒7の成長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面
の法線に対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜
からなる第3の磁性層6が形成されている。このような
構成にすることにより、本発明の磁気記録媒体の第2の
例よりもさらに再生出力を増加させ、ノイズを低減させ
ることができる。
【0024】この理由は、図3のような構成にすること
により、第3の磁性層6の結晶配向性が図2の構成の場
合よりも改善され、さらに、第3の磁性層6が第2の磁
性層4からほぼ完全に分断されて成長するからである。
第3の磁性層6の結晶配向性が改善されることにより、
再生出力は図2の構成よりも増加し、また、第3の磁性
層6が第2の磁性層4からほぼ完全に分断されて成長す
ることにより、ノイズがさらに低下する。
【0025】図3のような構成においても、図1の構成
の場合と同様に、第1の磁性層及び第4の磁性層の膜厚
がそれぞれ10nm以上であり、かつ第1及び第4の磁性層
の総膜厚と飽和磁化との積が第2及び第3の磁性層の総
膜厚と飽和磁化との積の3/4以下であることが望まし
い。その理由は図1の構成の場合と同様である。
【0026】また、磁性層の酸素濃度も、図1の構成の
際に説明したのと同じ理由により、第1及び第4の磁性
層の酸素濃度が第2及び第3の磁性層の酸素濃度よりも
大なることが望ましい。
【0027】図4は本発明の磁気記録媒体の第4の例の
基本構成を示す。高分子基板1上に結晶粒3の成長方向
が平均として膜面の法線に対して傾斜した方向でありか
つ表面近傍で略法線方向であるCo基の部分酸化膜から
なる第1の磁性層2が形成され、その上に結晶粒5の成
長方向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に
対して傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる
第2の磁性層4が形成され、その上に結晶粒11の成長
方向が膜面の略法線方向であるCo基の部分酸化膜ある
いはCo基の酸化膜からなる薄膜層10が形成され、さ
らにその上に結晶粒7の成長方向が基板側から表面側に
至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方向であるC
o基の部分酸化膜からなる第3の磁性層6が形成されて
いる。このような構成にすることにより、本発明の磁気
記録媒体の第2の例よりもさらにノイズを低減させるこ
とができる。
【0028】この理由は、図4のような構成にすること
により、第3の磁性層6が第2の磁性層4からほぼ完全
に分断されて成長するからである。第3の磁性層6が第
2の磁性層4からほぼ完全に分断されて成長することに
より、ノイズがさらに低下する。
【0029】図4のような構成においても、図1の構成
の場合と同様に、第1の磁性層2の膜厚が10nm以上であ
り、かつ第1の磁性層2及び薄膜層10の総膜厚と飽和
磁化との積が第2及び第3の磁性層の総膜厚と飽和磁化
との積の3/4以下であることが望ましい。その理由は図
1の構成の場合と同様である。
【0030】また、磁性層の酸素濃度も、図1の構成の
際に説明したのと同じ理由により、第1の磁性層及び薄
膜層の酸素濃度が第2及び第3の磁性層の酸素濃度より
も大なることが望ましい。
【0031】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
一例を図5に基づいて説明する。図5は本発明の磁気記
録媒体を作製するための真空蒸着装置内部の構成の一例
である。第1の磁性層2を成膜する際には、高分子基板
1を円筒状キャン12の表面に沿って矢印13の向きに
走行させる。蒸発源14と円筒状キャン12との間には
遮蔽板15A、15Bが配置されている。この遮蔽板の
開口部を通って蒸発原子16は高分子基板1に付着す
る。蒸発物質17としてCo、Co−Ni等のCo合金
を蒸発源14に充填する。また、酸素導入口18から真
空槽内に酸素を導入する。19、20は高分子基板1が
巻かれているロールである。
【0032】θi、θfは、高分子基板1が矢印13の方
向に走行する際に、それぞれ磁性層の蒸着開始部及び蒸
着終了部における蒸発原子の高分子基板1への入射角で
ある。第1の磁性層形成時には、θiを60゜以上にしθf
を20゜以下に設定しておくことが望ましい。θi、θf
このように設定して、酸素を導入しつつ磁性層を形成す
ると、結晶粒の成長方向が平均として膜面の法線に対し
て斜めに傾斜した方向でありかつ表面近傍で略法線方向
である第1の磁性層2が形成される。
【0033】次に、第2の磁性層4の成膜方法を説明す
る。第1の磁性層2が形成されてロール20に巻き取ら
れた高分子基板1を円筒状キャン12の周面に沿って矢
印13の逆向きに走行させ、ロール19に巻き戻す。こ
の際に、蒸発源14の電源は切っておき、蒸発を停止さ
せておく。あるいは、遮蔽板15A、15Bの間の開口
部をシャッター(図示されていない)により閉じて、蒸
発原子16が高分子基板1に付着するのを防止する。次
に、この高分子基板1を矢印13の向きに走行させて、
第2の磁性層4を形成する。この際にθiを60゜以上の角
度とし、θfを30゜以上の角度にしておく。なお、蒸発物
質17としてはCo合金を蒸発源14に充填しておく。
また、酸素導入口18から、真空槽内に酸素を導入す
る。このようにすることにより、結晶粒の成長方向が基
板側から表面側に至る全領域で、膜面の法線に対して傾
斜している第2の磁性層4が形成される。
【0034】以上の方法により、図1に示す構成を有す
る磁気記録媒体を製造することができる。
【0035】以上の例では、図5において矢印13の方
向に高分子基板1を走行させながら第1の磁性層2を形
成した後、矢印13の逆方向に高分子基板1を走行させ
て巻き戻し、次に、矢印13の方向に高分子基板1を走
行させて第2の磁性層4を形成する例について説明した
が、製造方法はこれに限定されるものではない。例えば
蒸着装置を工夫することにより、1回の基板走行で第1
の磁性層2と第2の磁性層4を同時に形成してもよい。
【0036】第3の磁性層6及び第4の磁性層8を形成
する際も、以上で説明した方法と同様にすればよい。薄
膜層10を形成する際には、入射角を膜面のほぼ垂直方
向にして蒸着すればよい。
【0037】次に、具体的な実施例及び比較例について
述べる。まず、第1の実施例について説明する。これ
は、図1に示すような、本発明の第1の例である。図5
に示す構成で、高分子基板1を矢印13の方向に走行さ
せて、第1の磁性層2を形成した。蒸発源14に蒸発物
質17としてのCoを充填して蒸着を行なった。円筒状
キャン12の直径は1mであり、その表面温度を室温と
した。高分子基板1としては膜厚6μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用いた。θiは80゜、θfは0゜に
設定した。酸素導入口18からは、1.2l/minの量の酸素
を真空槽内に導入した。このようにして、平均の膜堆積
速度を0.1μm/sとして、膜厚0.05μmの第1の磁性層2
を形成した。この磁性層の破断面を透過型電子顕微鏡
(TEM)により観察すると、結晶粒の成長方向は平均
として膜面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面
近傍で略法線方向であった。飽和磁化は400kA/mであ
り、膜厚と飽和磁化との積は20μm・kA/mであった。ま
た、膜中の平均の酸素濃度は25原子%であった。これは
オージェ電子分光分析法により求めた。振動試料型磁力
計(VSM)により基板走行方向におけるヒステリシス
曲線を測定し、角型比を求めると0.65であった。
【0038】次に、ロール20に巻き取られた第1の磁
性層2の形成された高分子基板1を、矢印13の逆方向
に走行させてロール19に巻き戻した。この際に、遮蔽
板の開口部をシャッター(図示されていない)により閉
じておいた。
【0039】次に、第1の磁性層2の形成された高分子
基板1を矢印13の方向に走行させて、第2の磁性層4
を形成した。蒸発物質17としては第1の磁性層形成時
に充填したCoをそのまま使用した。円筒状キャンの表
面温度は室温とした。θiは90゜、θfは55゜に設定し
た。酸素導入口18からの酸素導入量は1.0l/minとし
た。この様にして、平均の膜堆積速度を0.2μm/sとし
て、膜厚0.1μmの第2の磁性層4を形成した。この磁性
層の結晶粒の成長方向は、基板側から表面側に至る全領
域で膜面の法線に対して傾斜していた。第2の磁性層4
の飽和磁化は600kA/m、角型比は0.85であった。なおこ
の飽和磁化及び角型比は、VSMにより、第1の磁性層
と第2の磁性層が形成された試料について、基板走行方
向におけるヒステリシス曲線を測定し、これから、第1
の磁性層のヒステリシス曲線を差し引いて求めた。膜厚
と飽和磁化との積は60μm・kA/mであった。膜中の平均
の酸素濃度は20原子%であった。
【0040】第1の磁性層2の膜厚のみを0.1μmに変え
て、それ以外は第1の実施例の場合と全く同様にして、
第2の実施例のサンプルを作製した。この第1の磁性層
の結晶粒の成長方向は第1の実施例とほぼ同様であり、
飽和磁化は400kA/m、角型比は0.65であった。膜厚と飽
和磁化との積は40μm・kA/mであった。第2の磁性層の
特性は、第1の実施例における第2の磁性層と同等であ
った。
【0041】第1の磁性層2の膜厚のみを0.015μmに変
えて、それ以外は第1の実施例の場合と全く同様にし
て、第3の実施例のサンプルを作製した。この第1の磁
性層の結晶粒の成長方向は第1の実施例とほぼ同様であ
り、飽和磁化は400kA/m、角型比は0.7であった。膜厚と
飽和磁化との積は6μm・kA/mであった。第2の磁性層の
特性は、第1の実施例における第2の磁性層と同等であ
った。
【0042】次に、第4の実施例について説明する。第
4の実施例のサンプルは、第1の磁性層の酸素濃度を22
原子%とし、飽和磁化を600kA/mとした以外は、第2の実
施例と全く同様にして作製した。こうすることにより、
第1の磁性層の角型比は0.7となり、第2の磁性層の角
型比は0.8となった。
【0043】第1の磁性層2の膜厚のみを0.008μmに変
えて、それ以外は第1の実施例の場合と全く同様にし
て、第5の実施例のサンプルを作製した。第1の磁性層
の飽和磁化は400kA/m、角型比は0.75であり、膜厚と飽
和磁化との積は3.2μm・kA/mであった。また、第2の磁
性層の角型比は0.78となった。
【0044】次に第6の実施例について説明する。第6
の実施例のサンプルは、第1の磁性層2の酸素濃度を17
原子%とし、飽和磁化を700kA/mとした以外は、第1の実
施例と全く同様にして作製した。このサンプルの、第1
の磁性層の膜厚と飽和磁化との積は35μm・kA/mであ
り、角型比は0.72であった。また、第2の磁性層の角型
比は0.78となった。
【0045】第1の磁性層2の酸素濃度のみを14原子%
に変えて、それ以外は第1の実施例の場合と全く同等に
して、第7の実施例のサンプルを作製した。このサンプ
ルの第1の磁性層2の飽和磁化は800kA/m、角型比は0.7
8であり、膜厚と飽和磁化との積は40μm・kA/mであっ
た。第2の磁性層の角型比は0.75となった。
【0046】次に、第1の比較例について説明する。高
分子基板1上に、直接、第1の実施例における第2の磁
性層を形成し、単層構造の磁気記録媒体を作製した。こ
の磁性層の膜厚は0.1μm、飽和磁化は600kA/m、酸素濃
度は20原子%、角型比は0.75であった。
【0047】第1の比較例における磁性層の膜厚を0.15
μmとした以外は、第1の比較例と同様にして、第2の
比較例のサンプルを作製した。この磁性層の飽和磁化は
600kA/m、酸素濃度は20原子%、角型比は0.75であった。
【0048】次に、第3の比較例について説明する。第
3の比較例のサンプルは、第1の磁性層形成時に、第1
の実施例における第2の磁性層と全く同じ条件にして、
膜厚0.05μmの磁性層を形成した以外は、第1の実施例
と全く同様にして作製した。このサンプルにおいては、
第1の磁性層も基板側から表面側に至る全領域で、結晶
粒が膜面の法線に対して傾斜しており、飽和磁化は600k
A/m、酸素濃度は20原子%、角型比は0.75であった。また
第2の磁性層の飽和磁化は600kA/m、酸素濃度は20原子
%、角型比は0.75であった。
【0049】第3の比較例における第1の磁性層の酸素
濃度を25原子%とし、飽和磁化を400kA/mとした以外は、
第3の比較例と全く同様にして第4の比較例のサンプル
を作製した。このサンプルにおいては、第1の磁性層の
角型比は0.72、第2の磁性層の角型比は0.75であった。
【0050】次に、第5の比較例について説明する。第
5の比較例のサンプルは、第1の磁性層と第2の磁性層
の結晶粒の傾斜を第1の実施例の場合と逆にしたもので
ある。すなわち、第5の比較例における第1の磁性層
は、結晶粒の成長方向が基板側から表面側に至る全領域
で膜面の法線に対して傾斜しており、第2の磁性層は、
結晶粒の成長方向が平均として膜面の法線に対して傾斜
しておりかつ表面近傍で略法線方向である。第1の磁性
層の膜厚は0.05μm、飽和磁化は400kA/m、膜厚と飽和磁
化との積は20μm・kA/m、酸素濃度は25原子%、角型比は
0.72であり、第2の磁性層の膜厚は0.1μm、飽和磁化は
600kA/m、膜厚と飽和磁化との積は60μm・kA/m、酸素濃
度は20原子%、角型比は0.75であった。
【0051】次に、第6の比較例について説明する。第
6の比較例のサンプルは、第1の磁性層と第2の磁性層
の結晶粒の傾斜を、両者ともに第1の実施例の場合の第
1の磁性層と同様にしたものである。すなわち、第6の
比較例においては第1の磁性層、第2の磁性層ともに、
結晶粒の成長方向が平均として膜面の法線に対して傾斜
しておりかつ表面近傍で略法線方向である。第1の磁性
層の膜厚は0.05μm、飽和磁化は400kA/m、膜厚と飽和磁
化との積は20μm・kA/m、酸素濃度は25原子%、角型比は
0.65であり、第2の磁性層の膜厚は0.1μm、飽和磁化は
600kA/m、膜厚と飽和磁化との積は60μm・kA/m、酸素濃
度は20原子%、角型比は0.75であった。
【0052】次に、第7の比較例について説明する。第
7の比較例のサンプルは、第1の実施例における第1の
磁性層形成時の入射角θi及びθfをそれぞれ20゜及び0
゜とした以外は、第1の実施例と全く同様にして作製し
た。このサンプルの第1の磁性層の結晶粒の成長方向
は、平均としてほぼ膜面の垂直方向を向いており、膜厚
は0.05μm、飽和磁化は400kA/m、酸素濃度は25原子%、
角型比は0.6であり、第2の磁性層の膜厚は0.1μm、飽
和磁化は600kA/m、膜厚と飽和磁化との積は60μm・kA/
m、酸素濃度は20原子%、角型比は0.85であった。
【0053】次に、第8の実施例について説明する。こ
れは、図2に示すような、本発明の磁気記録媒体の第2
の例である。第1の磁性層2は、第1の実施例における
第1の磁性層と全く同様にして形成した。第2の磁性層
4及び第3の磁性層6は、いずれの磁性層も、膜厚を0.
05μmとした以外は、第1の実施例における第2の磁性
層と全く同様にして形成した。
【0054】次に、第9の実施例について説明する。こ
れは、図3に示すような、本発明の磁気記録媒体の第3
の例である。第9の実施例のサンプルは、第4の磁性層
9以外は、第8の実施例と全く同様にして形成した。第
4の磁性層9は、第1及び第2の磁性層の形成された高
分子基板1上に、第1の磁性層2と全く同じ作製条件で
0.02μmの膜厚を形成した。
【0055】次に、第10の実施例について説明する。
これは、図4に示すような、本発明の磁気記録媒体の第
4の例である。第10の実施例のサンプルは、薄膜層1
0以外は、第8の実施例と全く同様にして形成した。薄
膜層10は、第1及び第2の磁性層の形成された高分子
基板1上に、入射角θi及びθfをそれぞれ10゜及び0゜
とし、酸素導入口18からの酸素導入量を2l/minとして
形成した。
【0056】以上のようにして作製した磁気記録媒体を
テープ状にスリットし、センダストから成るギャップ長
0.15μmのリング形磁気ヘッドを用いて記録再生特性の
評価を行なった。その結果を(表1)に示す。再生出力
は、記録波長0.5μmの信号を記録した際の値であり、ノ
イズは、その時の0.6μmの波長に相当する周波数におけ
る値である。すなわち、測定はテープとヘッドとの相対
速度を4.5m/sとして行ったので、記録周波数は9MHzであ
り、ノイズは7.5MHzにおける値である。再生出力、ノイ
ズともに、第1の実施例のサンプルを0dBとして、これ
に対する相対値で表している。
【0057】
【表1】
【0058】(表1)から、本発明の第1〜第10の実
施例は、第1〜第7の比較例に比べて高いS/Nが得ら
れていることがわかる。
【0059】第1〜第7の実施例は、第1の磁性層2と
第2の磁性層4から成る2層構造のサンプルであり、い
ずれも、比較例のサンプルに比べ同等以上の再生出力及
び同等以下のノイズとなっており、比較例よりも高いS
/Nが得られている。特に、第1の磁性層2の膜厚が10
nm以上で、第1の磁性層2の膜厚と飽和磁化との積が第
2の磁性層4の膜厚と飽和磁化との積の3/4以下であ
り、かつ第1の磁性層2の酸素濃度が第2の磁性層4の
酸素濃度よりも高く、第1の磁性層2の角型比が第2の
磁性層4の角型比よりも小さい、第1〜第3の実施例に
おいて、最も優れた特性が得られていることがわかる。
【0060】第4の実施例は、第1の磁性層2の膜厚と
飽和磁化との積が、第2の磁性層の膜厚と飽和磁化との
積の3/4を越えているので、第1の実施例に比べ再生出
力が1dB低く、ノイズが1dB高くなっている。
【0061】第5の実施例は、第1の磁性層の膜厚が10
nm未満であるので、第1の実施例に比べ再生出力が2dB
低くなっている。
【0062】第6の実施例では、第1の磁性層2の酸素
濃度が第2の磁性層の酸素濃度よりも少なくなっている
ので、再生出力が1dB低く、ノイズが1dB高くなってい
る。第7の実施例では、第1の磁性層2の角型比が第2
の磁性層4の角型比よりも大きくなっているので、再生
出力が1dB低く、ノイズが2dB高くなっている。
【0063】本発明の第2の例である第8の実施例で
は、第1の実施例に比べて、斜め方向に磁化容易軸を有
する磁性層を2層にしているので、第1の実施例よりも
さらなる低ノイズが達成されている。
【0064】本発明の第3の例である第9の実施例で
は、第4の磁性層8を形成することにより、第1の実施
例よりも、さらに高出力、低ノイズが達成されている。
【0065】本発明の第4の例である第10の実施例で
は、薄膜層10を形成することにより、第1の実施例よ
りもさらに低ノイズが達成されている。
【0066】以上のように、本発明の構成にすることに
より、比較例よりも優れた記録再生特性が得られる。
【0067】以上で説明した以外の製造条件、製造方
法、組成あるいは膜厚であっても、本発明の構成にする
ことにより、優れた記録再生特性を実現できる。
【0068】以上では磁性層の組成として、Co−Oの
例について説明したが、これに限ったものではなく、C
o−Ni−O、Co−Fe−O、Co−Ni−Fe−O
などの組成でも、本発明の構成にすることにより、高い
再生出力が得られる。また、基板については、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムについて説明したが、ポリ
エチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、
ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム等の
高分子フィルムや何らかの下地層の形成された高分子フ
ィルムでも全く同様であり、膜厚に限定がないことも言
うまでもない。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、高いS/Nを有する磁
気記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の第1の例の基本構成を
示す概略図
【図2】本発明の磁気記録媒体の第2の例の基本構成を
示す概略図
【図3】本発明の磁気記録媒体の第3の例の基本構成を
示す概略図
【図4】本発明の磁気記録媒体の第4の例の基本構成を
示す概略図
【図5】本発明の磁気記録媒体の製造方法を説明するた
めの真空蒸着装置内部の概略を示す図
【符号の説明】
1 高分子基板 2 第1の磁性層 3 第1の磁性層の結晶粒 4 第2の磁性層 5 第2の磁性層の結晶粒 6 第3の磁性層 7 第3の磁性層の結晶粒 8 第4の磁性層 9 第4の磁性層の結晶粒 10 薄膜層 11 薄膜層の結晶粒 12 円筒状キャン 13 基板走行方向 14 蒸発源 15A、15B 遮蔽板 16 蒸発原子 17 蒸発物質 18 酸素導入口 19、20 ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 和也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に結晶粒の成長方向が平均として膜
    面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面近傍で略
    法線方向であるCo基の部分酸化膜からなる第1の磁性
    層が形成され、その上に結晶粒の成長方向が基板側から
    表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方向
    であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層が形成
    されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】第1の磁性層の膜厚が10nm以上であり、か
    つ第1の磁性層の膜厚と飽和磁化との積が第2の磁性層
    の膜厚と飽和磁化との積の3/4以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】第1の磁性層の酸素濃度が第2の磁性層の
    酸素濃度よりも大なることを特徴とする請求項1あるい
    は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】第1の磁性層の角型比が第2の磁性層の角
    型比よりも小なることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】基板上に結晶粒の成長方向が平均として膜
    面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面近傍で略
    法線方向であるCo基の部分酸化膜からなる第1の磁性
    層が形成され、その上に結晶粒の成長方向が基板側から
    表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方向
    であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層が形成
    され、さらにその上に結晶粒の成長方向が基板側から表
    面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方向で
    あるCo基の部分酸化膜からなる第3の磁性層が形成さ
    れていることを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】第1の磁性層の膜厚が10nm以上であり、か
    つ第1の磁性層の膜厚と飽和磁化との積が第2及び第3
    の磁性層の総膜厚と飽和磁化との積の3/4以下であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】第1の磁性層の酸素濃度が第2及び第3の
    磁性層の酸素濃度よりも大なることを特徴とする請求項
    5あるいは6に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】第1の磁性層の角型比が第2及び第3の磁
    性層の角型比よりも小なることを特徴とする請求項5〜
    7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】基板上に結晶粒の成長方向が平均として膜
    面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面近傍で略
    法線方向であるCo基の部分酸化膜からなる第1の磁性
    層が形成され、その上に結晶粒の成長方向が基板側から
    表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方向
    であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層が形成
    され、その上に結晶粒の成長方向が平均として膜面の法
    線に対して傾斜した方向でありかつ表面近傍で略法線方
    向であるCo基の部分酸化膜からなる第4の磁性層が形
    成され、さらにその上に結晶粒の成長方向が基板側から
    表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方向
    であるCo基の部分酸化膜からなる第3の磁性層が形成
    されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】第1及び第4の磁性層の膜厚が10nm以上
    であり、かつ第1及び第4の磁性層の総膜厚と飽和磁化
    との積が、第2及び第3の磁性層の総膜厚と飽和磁化と
    の積の3/4以下であることを特徴とする請求項9に記載
    の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】第1及び第4の磁性層の酸素濃度が第2
    及び第3の磁性層の酸素濃度よりも大なることを特徴と
    する請求項9あるいは10に記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】基板上に結晶粒の成長方向が平均として
    膜面の法線に対して傾斜した方向でありかつ表面近傍で
    略法線方向であるCo基の部分酸化膜からなる第1の磁
    性層が形成され、その上に結晶粒の成長方向が基板側か
    ら表面側に至る全領域で膜面の法線に対して傾斜した方
    向であるCo基の部分酸化膜からなる第2の磁性層が形
    成され、その上に結晶粒の成長方向が膜面の略法線方向
    であるCo基の部分酸化膜あるいはCo基の酸化膜から
    なる薄膜層が形成され、さらにその上に結晶粒の成長方
    向が基板側から表面側に至る全領域で膜面の法線に対し
    て傾斜した方向であるCo基の部分酸化膜からなる第3
    の磁性層が形成されていることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  13. 【請求項13】第1の磁性層の膜厚が10nm以上であり、
    かつ第1の磁性層及び薄膜層の総膜厚と飽和磁化との積
    が第2及び第3の磁性層の総膜厚と飽和磁化との積の3/
    4以下であることを特徴とする請求項12に記載の磁気
    記録媒体。
  14. 【請求項14】第1の磁性層及び薄膜層の酸素濃度が第
    2及び第3の磁性層の酸素濃度よりも大なることを特徴
    とする請求項12あるいは13に記載の磁気記録媒体。
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