JPH08311781A - 染色法 - Google Patents
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- JPH08311781A JPH08311781A JP8052743A JP5274396A JPH08311781A JP H08311781 A JPH08311781 A JP H08311781A JP 8052743 A JP8052743 A JP 8052743A JP 5274396 A JP5274396 A JP 5274396A JP H08311781 A JPH08311781 A JP H08311781A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 易分解性を有する脂肪族ポリエステル繊維の
分子量とその優れた物性を、染色の前後において実質的
に保持し、染色再現性と均染性よく染色する方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 染色前後において、染色に供する脂肪族
ポリエステル繊維の重量平均分子量の低下率が20%以
下となるように、染色温度、染色pHおよび染色時間を
選択することにより、脂肪族ポリエステル繊維を分散染
料により染色することを特徴とする脂肪族ポリエステル
繊維の染色方法。
分子量とその優れた物性を、染色の前後において実質的
に保持し、染色再現性と均染性よく染色する方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 染色前後において、染色に供する脂肪族
ポリエステル繊維の重量平均分子量の低下率が20%以
下となるように、染色温度、染色pHおよび染色時間を
選択することにより、脂肪族ポリエステル繊維を分散染
料により染色することを特徴とする脂肪族ポリエステル
繊維の染色方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色前後におい
て、染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の重量平均分
子量の低下率が20%以下となるように、染色温度、染
色pHおよび染色時間を選択することにより、脂肪族ポ
リエステル繊維を分散染料により染色することを特徴と
する染色方法である。より具体的には、本発明は、脂肪
族ポリエステル繊維を、分散染料によって、脂肪族ポリ
エステル繊維の分子量とその優れた物性を、染色の前後
において実質的に保持し、染色再現性と均染性よく染色
する方法に関する。本発明の方法によって染色した染色
物は、高い強度を持ち、種々の色相と優れた耐光堅牢度
を有する。
て、染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の重量平均分
子量の低下率が20%以下となるように、染色温度、染
色pHおよび染色時間を選択することにより、脂肪族ポ
リエステル繊維を分散染料により染色することを特徴と
する染色方法である。より具体的には、本発明は、脂肪
族ポリエステル繊維を、分散染料によって、脂肪族ポリ
エステル繊維の分子量とその優れた物性を、染色の前後
において実質的に保持し、染色再現性と均染性よく染色
する方法に関する。本発明の方法によって染色した染色
物は、高い強度を持ち、種々の色相と優れた耐光堅牢度
を有する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料用途等の繊維やフィルムとし
て、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の芳香
族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂が広く使用されている。しかしながら、このよう
な樹脂から製造された繊維は、自然環境下での分解速度
が極めて遅いため、その用途を終えて埋設処理等の廃棄
処分されたとき、半永久的に残存する。また、それらの
樹脂から製造されたプラスチック類が投棄された場合、
それらのプラスチック類が、景観が損ない、海洋生物の
生活環境を破壊するなどの問題も起こっている。
て、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の芳香
族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂が広く使用されている。しかしながら、このよう
な樹脂から製造された繊維は、自然環境下での分解速度
が極めて遅いため、その用途を終えて埋設処理等の廃棄
処分されたとき、半永久的に残存する。また、それらの
樹脂から製造されたプラスチック類が投棄された場合、
それらのプラスチック類が、景観が損ない、海洋生物の
生活環境を破壊するなどの問題も起こっている。
【0003】これらの問題を考慮して、最近では、これ
らの汎用プラスチック製品に替わる材料として、環境に
優しい脂肪族ポリエステル樹脂が知られている。脂肪族
ポリエステル樹脂は、一般に、易分解性を有し、例え
ば、水の存在下で比較的容易に加水分解を受け、微生物
によっても分解されるので、繊維製品、成形物等の種々
の用途に、安全に用いることができる。脂肪族ポリエス
テル樹脂を衣料用途等の繊維として用いた場合には、景
観やファッション性から種々の色相に染色した繊維が望
まれる。PETやPBT等の芳香族系ポリエステル繊維
に関する染色技術は古くから確立されているが、脂肪族
ポリエステル繊維に関する染色技術は未知の分野であ
る。
らの汎用プラスチック製品に替わる材料として、環境に
優しい脂肪族ポリエステル樹脂が知られている。脂肪族
ポリエステル樹脂は、一般に、易分解性を有し、例え
ば、水の存在下で比較的容易に加水分解を受け、微生物
によっても分解されるので、繊維製品、成形物等の種々
の用途に、安全に用いることができる。脂肪族ポリエス
テル樹脂を衣料用途等の繊維として用いた場合には、景
観やファッション性から種々の色相に染色した繊維が望
まれる。PETやPBT等の芳香族系ポリエステル繊維
に関する染色技術は古くから確立されているが、脂肪族
ポリエステル繊維に関する染色技術は未知の分野であ
る。
【0004】既に述べたように、脂肪族ポリエステル樹
脂は、易分解性を有しているので、芳香族ポリエステル
繊維等における公知公用の染色技術を、単純に脂肪族ポ
リエステルに類推適用したのでは、染色操作により、脂
肪族ポリエステル樹脂は分解し、分子量低下にともなう
劣化を生じる虞がある。本出願前に、脂肪族ポリエステ
ル樹脂の易分解性に着目して、脂肪族ポリエステル繊維
の染色加工における、染色条件(温度、時間、pH等)
および染色前後の脂肪族ポリエステル樹脂の重量平均分
子量の減少との相関関係を検討した報告は知られていな
い。
脂は、易分解性を有しているので、芳香族ポリエステル
繊維等における公知公用の染色技術を、単純に脂肪族ポ
リエステルに類推適用したのでは、染色操作により、脂
肪族ポリエステル樹脂は分解し、分子量低下にともなう
劣化を生じる虞がある。本出願前に、脂肪族ポリエステ
ル樹脂の易分解性に着目して、脂肪族ポリエステル繊維
の染色加工における、染色条件(温度、時間、pH等)
および染色前後の脂肪族ポリエステル樹脂の重量平均分
子量の減少との相関関係を検討した報告は知られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、易分解性を
有する脂肪族ポリエステル繊維を、その分子量と優れた
物性を、染色の前後において実質的に保持し、染色再現
性と均染性よく染色する方法を提供することを課題とす
る。本発明の染色方法により、高い強度を持ち、種々の
色相と優れた耐光堅牢度を有する脂肪族ポリエステル繊
維の染色物を提供することができる。
有する脂肪族ポリエステル繊維を、その分子量と優れた
物性を、染色の前後において実質的に保持し、染色再現
性と均染性よく染色する方法を提供することを課題とす
る。本発明の染色方法により、高い強度を持ち、種々の
色相と優れた耐光堅牢度を有する脂肪族ポリエステル繊
維の染色物を提供することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂肪族ポ
リエステル樹脂の分解性に鑑み、脂肪族ポリエステル繊
維の染色加工における染色条件(温度、時間、pH等)
および染色前後の脂肪族ポリエステル樹脂の重量平均分
子量の減少との相関関係を鋭意検討した結果、染色条件
(温度、時間、pH等)は、染色前後の脂肪族ポリエス
テル樹脂の重量平均分子量の変化に大きな影響を与えて
いることを見出し、特定の染色条件で染色加工を行なう
ことにより、染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の分
子量低下を実質的に抑制することができることを見出
し、本発明を完成した。
リエステル樹脂の分解性に鑑み、脂肪族ポリエステル繊
維の染色加工における染色条件(温度、時間、pH等)
および染色前後の脂肪族ポリエステル樹脂の重量平均分
子量の減少との相関関係を鋭意検討した結果、染色条件
(温度、時間、pH等)は、染色前後の脂肪族ポリエス
テル樹脂の重量平均分子量の変化に大きな影響を与えて
いることを見出し、特定の染色条件で染色加工を行なう
ことにより、染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の分
子量低下を実質的に抑制することができることを見出
し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、染色前後において、染
色に供する脂肪族ポリエステル繊維の重量平均分子量の
低下率が20%以下となるように、染色温度、染色pH
および染色時間を選択することにより、脂肪族ポリエス
テル繊維を分散染料により染色することを特徴とする脂
肪族ポリエステル繊維の染色方法である。さらに、本発
明は、染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の染色後の
引張強度が2[g/デニール]以上となるように、染色
温度、染色pHおよび染色時間を選択することにより、
脂肪族ポリエステル繊維を分散染料により染色すること
を特徴とする染色方法である。すなわち、脂肪族ポリエ
ステル繊維を染色する場合、特定の染色条件で染色を行
なわないと、染色に供する脂肪族ポリエステル樹脂の分
子量低下を起こし、強度が低下する等の物性変化が著し
い。逆に、特定の染色条件で染色を行なうことにより、
染色に供する脂肪族ポリエステルの分子量低下を実質的
に抑制し、脂肪族ポリエステル樹脂が本来もっている優
れた物性を保持することができる。
色に供する脂肪族ポリエステル繊維の重量平均分子量の
低下率が20%以下となるように、染色温度、染色pH
および染色時間を選択することにより、脂肪族ポリエス
テル繊維を分散染料により染色することを特徴とする脂
肪族ポリエステル繊維の染色方法である。さらに、本発
明は、染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の染色後の
引張強度が2[g/デニール]以上となるように、染色
温度、染色pHおよび染色時間を選択することにより、
脂肪族ポリエステル繊維を分散染料により染色すること
を特徴とする染色方法である。すなわち、脂肪族ポリエ
ステル繊維を染色する場合、特定の染色条件で染色を行
なわないと、染色に供する脂肪族ポリエステル樹脂の分
子量低下を起こし、強度が低下する等の物性変化が著し
い。逆に、特定の染色条件で染色を行なうことにより、
染色に供する脂肪族ポリエステルの分子量低下を実質的
に抑制し、脂肪族ポリエステル樹脂が本来もっている優
れた物性を保持することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる脂肪族ポリエ
ステル繊維は、脂肪族ポリエステル樹脂から製造された
糸、フィラメントおよび布を包含する。本発明におい
て、糸およびフィラメントは、例えば、モノフィラメン
ト、マルチフィラメント、ステープルファイバー(ス
フ)、トウ、ハイバルクスフ、ハイバルクトウ、紡績
糸、混紡糸、加工糸、仮撚糸、異形断面糸、中空糸、コ
ンジュゲート糸、POY(部分配向糸)、DTY(延伸
加工糸)、POY−DTY、スライバー等をも包含す
る。本発明において、布は、織布、編物、不織布、紐や
縄を含む組物、綿状ハイバルクスフ、スライバー、多孔
質スポンジ、フェルト、紙、網等の繊維構造体と認識さ
れるもの一般を包含する。
ステル繊維は、脂肪族ポリエステル樹脂から製造された
糸、フィラメントおよび布を包含する。本発明におい
て、糸およびフィラメントは、例えば、モノフィラメン
ト、マルチフィラメント、ステープルファイバー(ス
フ)、トウ、ハイバルクスフ、ハイバルクトウ、紡績
糸、混紡糸、加工糸、仮撚糸、異形断面糸、中空糸、コ
ンジュゲート糸、POY(部分配向糸)、DTY(延伸
加工糸)、POY−DTY、スライバー等をも包含す
る。本発明において、布は、織布、編物、不織布、紐や
縄を含む組物、綿状ハイバルクスフ、スライバー、多孔
質スポンジ、フェルト、紙、網等の繊維構造体と認識さ
れるもの一般を包含する。
【0009】本発明において、脂肪族ポリエステル繊維
は分解性を有する。すなわち、本発明に用いられる脂肪
族ポリエステル繊維は、水または海水中、土壌または堆
肥中で分解するかまたは、アルカリ溶液中で加水分解す
る性質を有する。本発明に用いられる脂肪族ポリエステ
ル繊維の原料である脂肪族ポリエステル樹脂は、脂肪族
ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたはコポリマー、お
よび脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールを重縮合し
て得られる脂肪族ポリエステルを包含する。
は分解性を有する。すなわち、本発明に用いられる脂肪
族ポリエステル繊維は、水または海水中、土壌または堆
肥中で分解するかまたは、アルカリ溶液中で加水分解す
る性質を有する。本発明に用いられる脂肪族ポリエステ
ル繊維の原料である脂肪族ポリエステル樹脂は、脂肪族
ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたはコポリマー、お
よび脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールを重縮合し
て得られる脂肪族ポリエステルを包含する。
【0010】本発明において、脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸のポリマーまたはコポリマーは、乳酸、グリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒ
ドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸等のポリマーまたはコポリマーであり、例
えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロ
キシ酪酸、あるいは3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキ
シ吉草酸のコポリマー、ポリ−ε−カプロラクトンがあ
げられ、特に、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクトン、
乳酸と6−ヒドロキシカプロン酸のコポリマーが好まし
い。脂肪族ヒドロキシカルボン酸中に不斉炭素を有する
場合、D体、L体、それぞれ単独であってもよいし、D
体とL体の混合物、すなわちラセミ体であってもよい。
ン酸のポリマーまたはコポリマーは、乳酸、グリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒ
ドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸等のポリマーまたはコポリマーであり、例
えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロ
キシ酪酸、あるいは3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキ
シ吉草酸のコポリマー、ポリ−ε−カプロラクトンがあ
げられ、特に、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクトン、
乳酸と6−ヒドロキシカプロン酸のコポリマーが好まし
い。脂肪族ヒドロキシカルボン酸中に不斉炭素を有する
場合、D体、L体、それぞれ単独であってもよいし、D
体とL体の混合物、すなわちラセミ体であってもよい。
【0011】これらの脂肪族ヒドロキシカルボン酸のポ
リマーまたはコポリマーは、上記脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸を直接脱水縮合するか、上記脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸の環状2量体(例えば、ラクタイドまたはグリ
コライド)または環状エステル(例えば、ε−カプロラ
クトン)を開環重合して得ることができる。本発明にお
いて、脂肪族ポリエステルの原料である脂肪族多価アル
コール類は脂肪族系水酸基を持つものであり、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノールなどがあ
げられる。これらは単独で、または混合して用いられ
る。分子内に不斉炭素を有する場合、D体、L体、それ
ぞれ単独であってもよいし、D体とL体の混合物、すな
わちラセミ体であってもよい。
リマーまたはコポリマーは、上記脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸を直接脱水縮合するか、上記脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸の環状2量体(例えば、ラクタイドまたはグリ
コライド)または環状エステル(例えば、ε−カプロラ
クトン)を開環重合して得ることができる。本発明にお
いて、脂肪族ポリエステルの原料である脂肪族多価アル
コール類は脂肪族系水酸基を持つものであり、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノールなどがあ
げられる。これらは単独で、または混合して用いられ
る。分子内に不斉炭素を有する場合、D体、L体、それ
ぞれ単独であってもよいし、D体とL体の混合物、すな
わちラセミ体であってもよい。
【0012】本発明において、脂肪族ポリエステルの原
料である脂肪族多塩基酸類は、脂肪族系カルボキシル基
を持つものであり、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニ
レンジ酢酸などがあげられる。これらは単独で、または
混合して用いられる。必要に応じて鎖延長剤などを加え
ても良い。分子内に不斉炭素を有する場合、D体、L
体、それぞれ単独であってもよいし、D体とL体の混合
物、すなわちラセミ体であってもよい。
料である脂肪族多塩基酸類は、脂肪族系カルボキシル基
を持つものであり、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニ
レンジ酢酸などがあげられる。これらは単独で、または
混合して用いられる。必要に応じて鎖延長剤などを加え
ても良い。分子内に不斉炭素を有する場合、D体、L
体、それぞれ単独であってもよいし、D体とL体の混合
物、すなわちラセミ体であってもよい。
【0013】上記脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコー
ルを公知の方法により重縮合して、本発明の繊維に用い
られる種々の脂肪族ポリエステル樹脂が得られるが、脂
肪族多塩基酸がコハク酸またはアジピン酸であり、脂肪
族多価アルコールがエチレングリコールまたは1,4−
ブタンジオールであるものが好ましい。すなわち、本発
明の繊維に用いられるの脂肪族ポリエステル樹脂は、ポ
リブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートお
よびポリブチレンアジペートが好ましい。また、ヒドロ
キシカルボン酸と脂肪族多塩基酸およびと脂肪族多価ア
ルコールから得られるコポリマー、例えば、ポリ乳酸と
ポリブチレンサクシネートのコポリマーも、本発明の脂
肪族ポリエステル樹脂として好適に用いられる。
ルを公知の方法により重縮合して、本発明の繊維に用い
られる種々の脂肪族ポリエステル樹脂が得られるが、脂
肪族多塩基酸がコハク酸またはアジピン酸であり、脂肪
族多価アルコールがエチレングリコールまたは1,4−
ブタンジオールであるものが好ましい。すなわち、本発
明の繊維に用いられるの脂肪族ポリエステル樹脂は、ポ
リブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートお
よびポリブチレンアジペートが好ましい。また、ヒドロ
キシカルボン酸と脂肪族多塩基酸およびと脂肪族多価ア
ルコールから得られるコポリマー、例えば、ポリ乳酸と
ポリブチレンサクシネートのコポリマーも、本発明の脂
肪族ポリエステル樹脂として好適に用いられる。
【0014】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹
脂は、製糸条件、紡績条件、編織条件、後処理条件、染
色条件、加工条件を、目的に応じて、適宜設定すること
により、所望の、太さ、断面形状、繊度(テックス、デ
ニール、番手等)、引っ張り強さおよび伸び率、結束強
さ、耐熱性、捲縮度、吸水性、吸油性、嵩高さ、腰の強
さ、風合い等の物性や特性を有する糸や布に加工するこ
とができる。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹
脂は、公知の方法で紡糸することができる。例えば、押
出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法、樹脂を溶媒に溶
解し、溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐
出させる湿式紡糸法、該溶媒をノズルから乾燥気体中に
吐出させる乾式紡糸法等で製造されたものを用いること
ができる。
脂は、製糸条件、紡績条件、編織条件、後処理条件、染
色条件、加工条件を、目的に応じて、適宜設定すること
により、所望の、太さ、断面形状、繊度(テックス、デ
ニール、番手等)、引っ張り強さおよび伸び率、結束強
さ、耐熱性、捲縮度、吸水性、吸油性、嵩高さ、腰の強
さ、風合い等の物性や特性を有する糸や布に加工するこ
とができる。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹
脂は、公知の方法で紡糸することができる。例えば、押
出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法、樹脂を溶媒に溶
解し、溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐
出させる湿式紡糸法、該溶媒をノズルから乾燥気体中に
吐出させる乾式紡糸法等で製造されたものを用いること
ができる。
【0015】例えば、溶融紡糸法による場合、紡糸温度
は、重合体の種類や分子量により適宜設定できるが、一
般的には、100〜300℃が好ましく、130〜25
0℃がより好ましい。100℃未満では溶融粘度が高く
なり紡糸しにくい傾向があり、250℃以上では分解が
起こりやすい傾向がある。ポリ乳酸を主体とする脂肪族
ポリエステル樹脂のように、比較的結晶化速度の遅いも
のでは、紡糸後の繊維は非晶性であり、染色を行なう場
合に変形や癒着、不適当な硬化などが起こりやすい。
は、重合体の種類や分子量により適宜設定できるが、一
般的には、100〜300℃が好ましく、130〜25
0℃がより好ましい。100℃未満では溶融粘度が高く
なり紡糸しにくい傾向があり、250℃以上では分解が
起こりやすい傾向がある。ポリ乳酸を主体とする脂肪族
ポリエステル樹脂のように、比較的結晶化速度の遅いも
のでは、紡糸後の繊維は非晶性であり、染色を行なう場
合に変形や癒着、不適当な硬化などが起こりやすい。
【0016】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹
脂は、紡糸後、さらに、延伸、熱固定することにより、
より好ましい物性を付与することができる。延伸温度お
よび延伸倍率等の延伸条件は、脂肪族ポリエステル樹脂
の種類によって、適宜、選択される。延伸温度は、通
常、原料高分子のガラス転移温度以上、融点以下の温度
で行われる。ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする脂
肪族ポリエステル樹脂の場合、延伸温度は60〜160
℃が好ましく、80〜140℃がより好ましい。脂肪族
ポリエステルを主体とする脂肪族ポリエステル樹脂の場
合、延伸温度は0〜100℃が好ましく、40〜90℃
がより好ましい。延伸倍率は、通常、2〜20倍が好ま
しく、4〜15倍がより好ましい。
脂は、紡糸後、さらに、延伸、熱固定することにより、
より好ましい物性を付与することができる。延伸温度お
よび延伸倍率等の延伸条件は、脂肪族ポリエステル樹脂
の種類によって、適宜、選択される。延伸温度は、通
常、原料高分子のガラス転移温度以上、融点以下の温度
で行われる。ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする脂
肪族ポリエステル樹脂の場合、延伸温度は60〜160
℃が好ましく、80〜140℃がより好ましい。脂肪族
ポリエステルを主体とする脂肪族ポリエステル樹脂の場
合、延伸温度は0〜100℃が好ましく、40〜90℃
がより好ましい。延伸倍率は、通常、2〜20倍が好ま
しく、4〜15倍がより好ましい。
【0017】熱固定条件は、原料脂肪族ポリエステル樹
脂により、適宜、選択されるが、通常、原料脂肪族ポリ
エステル樹脂のガラス転移温度以上、融点以下の温度で
行われる。ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする脂肪
族ポリエステル樹脂の場合、80〜160℃が好まし
く、120〜150℃がより好ましい。脂肪族ポリエス
テルを主体とする脂肪族ポリエステル樹脂の場合、20
〜110℃が好ましく、60〜100℃がより好まし
い。熱固定温度は、通常、延伸温度より高い温度で行な
う。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹脂は、必
要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安
定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、充填剤、付着防
止剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑り
防止剤、顔料等の添加剤を配合しても良い。
脂により、適宜、選択されるが、通常、原料脂肪族ポリ
エステル樹脂のガラス転移温度以上、融点以下の温度で
行われる。ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする脂肪
族ポリエステル樹脂の場合、80〜160℃が好まし
く、120〜150℃がより好ましい。脂肪族ポリエス
テルを主体とする脂肪族ポリエステル樹脂の場合、20
〜110℃が好ましく、60〜100℃がより好まし
い。熱固定温度は、通常、延伸温度より高い温度で行な
う。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹脂は、必
要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安
定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、充填剤、付着防
止剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑り
防止剤、顔料等の添加剤を配合しても良い。
【0018】本発明において、脂肪族ポリエステル繊維
を染色する場合、染色は、脂肪族ポリエステル繊維を延
伸する前に行っても良いが、延伸後に染色するのが好ま
しい。延伸する前に染色する場合は、変形しない様に繊
維を固定化するなどの工夫が必要となる。本発明の脂肪
族ポリエステル繊維を染色するには、分散染料が好適に
用いられる。そして、分散染料として、アゾ系染料、キ
ノフタロン系染料、アントラキノン系染料等が用いられ
る。
を染色する場合、染色は、脂肪族ポリエステル繊維を延
伸する前に行っても良いが、延伸後に染色するのが好ま
しい。延伸する前に染色する場合は、変形しない様に繊
維を固定化するなどの工夫が必要となる。本発明の脂肪
族ポリエステル繊維を染色するには、分散染料が好適に
用いられる。そして、分散染料として、アゾ系染料、キ
ノフタロン系染料、アントラキノン系染料等が用いられ
る。
【0019】アゾ系染料としては、Miketon P
olyester(以下M/Pと記す)Yellow
5G、M/P Yellow 5GF、M/P Yel
low 5R、M/P Orange 3GSF、 M
/P Orange SF、M/P Orange S
C、M/P Orange B、M/P Yellow
Brown R、M/P Yellow Brown
2RL、M/P Scarlet RR、M/P S
carlet 3R、M/P Scarlet3RG、
M/P Scarlet RCS、M/P Scarl
et BRSF、M/P Red FL、M/P Re
d BSF、M/P Red 2BSF、M/P Re
d 3BSF、M/P Rubine GGSF、M/
P Rubine GL、M/P Violet AD
W、M/P Discharge Blue R、M/
P Blue G−ADW、M/P Blue 3R
T、M/P Blue 3RSF、M/P Blue
2RF、M/P Blue7GSF、M/P Red
Brown S、M/P Navy Blue3GS、
M/P Navy Blue GLSF、M/P Na
vy BlueBGSF、M/P Navy Blue
TNSF、M/P Navy Blue RRSF、
M/P Navy Blue TRSF等があげられ
る。
olyester(以下M/Pと記す)Yellow
5G、M/P Yellow 5GF、M/P Yel
low 5R、M/P Orange 3GSF、 M
/P Orange SF、M/P Orange S
C、M/P Orange B、M/P Yellow
Brown R、M/P Yellow Brown
2RL、M/P Scarlet RR、M/P S
carlet 3R、M/P Scarlet3RG、
M/P Scarlet RCS、M/P Scarl
et BRSF、M/P Red FL、M/P Re
d BSF、M/P Red 2BSF、M/P Re
d 3BSF、M/P Rubine GGSF、M/
P Rubine GL、M/P Violet AD
W、M/P Discharge Blue R、M/
P Blue G−ADW、M/P Blue 3R
T、M/P Blue 3RSF、M/P Blue
2RF、M/P Blue7GSF、M/P Red
Brown S、M/P Navy Blue3GS、
M/P Navy Blue GLSF、M/P Na
vy BlueBGSF、M/P Navy Blue
TNSF、M/P Navy Blue RRSF、
M/P Navy Blue TRSF等があげられ
る。
【0020】キノフタロン系染料の具体例としては、M
/P Yellow 3GSL、M/P Yellow
F3G、M/P Yellow GSL等があげられ
る。アントラキノン系染料の具体例としては、M/P
Yellow HLS、M/P Red FB、M/P
Red 4BF、M/P Red SL、M/PRe
d T4B、M/P Red BLSF、M/P Re
d Violet4RL、M/P Red Viole
t FR、M/P Red PinkREL、M/P
Blue FBL、M/P Blue FTK、M/P
Blue VSL、M/P Blue TGSF、M
/P Blue TSF、M/P Brill Blu
e 5B、M/P Brill Blue BG等があ
げられる。その他、M/P Yellow YL、M/
P Brill RedFGG、M/P Brown
G、M/P Brown GF等も用いることができ
る。
/P Yellow 3GSL、M/P Yellow
F3G、M/P Yellow GSL等があげられ
る。アントラキノン系染料の具体例としては、M/P
Yellow HLS、M/P Red FB、M/P
Red 4BF、M/P Red SL、M/PRe
d T4B、M/P Red BLSF、M/P Re
d Violet4RL、M/P Red Viole
t FR、M/P Red PinkREL、M/P
Blue FBL、M/P Blue FTK、M/P
Blue VSL、M/P Blue TGSF、M
/P Blue TSF、M/P Brill Blu
e 5B、M/P Brill Blue BG等があ
げられる。その他、M/P Yellow YL、M/
P Brill RedFGG、M/P Brown
G、M/P Brown GF等も用いることができ
る。
【0021】使用される分散染料は、Amacron、
Calcosperse、Dianix Fast、D
ianix Light、Eastman Polye
ster、Esteroquinone(Fran)、
Foron、Genacron、Interchem
Polydye、Kayalon Polyeste
r、Latyl、Palanil、Resoline、
Samaron、Terasilを含む。上記染料に、
染着速度(染め足)の改善や色相調整等の目的で他の分
散染料、例えば、C.I.ディスパース・イエロー−5
4や−64など、更には、増量剤、pH調整剤、分散均
染剤、染色助剤、ノニルフェノール10EO、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムのような浸透剤等を必要
に応じて含有することができる。
Calcosperse、Dianix Fast、D
ianix Light、Eastman Polye
ster、Esteroquinone(Fran)、
Foron、Genacron、Interchem
Polydye、Kayalon Polyeste
r、Latyl、Palanil、Resoline、
Samaron、Terasilを含む。上記染料に、
染着速度(染め足)の改善や色相調整等の目的で他の分
散染料、例えば、C.I.ディスパース・イエロー−5
4や−64など、更には、増量剤、pH調整剤、分散均
染剤、染色助剤、ノニルフェノール10EO、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムのような浸透剤等を必要
に応じて含有することができる。
【0022】脂肪族ポリエステル繊維の染色にあたって
は、分散染料を水性媒体中に分散させた染色浴に、必要
に応じてpH調整剤、分散均染剤等を加えた後、脂肪族
ポリエステル繊維を浸漬して染色する。染色条件は、脂
肪族ポリエステル繊維の染色性の他に、染色後の物性変
化を抑制するために、特に染色温度、染色時間、染色浴
のpHの3つの条件を選択する必要がある。染色温度は
70℃〜120℃、好ましくは80℃〜100℃であ
り、染色時間は、目標の染色温度に達してから30分〜
2時間以内、好ましくは30分〜1時間以内である。ま
た、染色時の染色浴のpHは4〜9が好ましい。
は、分散染料を水性媒体中に分散させた染色浴に、必要
に応じてpH調整剤、分散均染剤等を加えた後、脂肪族
ポリエステル繊維を浸漬して染色する。染色条件は、脂
肪族ポリエステル繊維の染色性の他に、染色後の物性変
化を抑制するために、特に染色温度、染色時間、染色浴
のpHの3つの条件を選択する必要がある。染色温度は
70℃〜120℃、好ましくは80℃〜100℃であ
り、染色時間は、目標の染色温度に達してから30分〜
2時間以内、好ましくは30分〜1時間以内である。ま
た、染色時の染色浴のpHは4〜9が好ましい。
【0023】上記範囲の染色温度、染色時間、染色浴の
pHで染色を行うことにより、脂肪族ポリエステル繊維
を再現性よく染色することができ、しかも染色前後にお
いて、脂肪族ポリエステル樹脂の分子量低下率を20%
以内に抑えることができ、優れた物性を保持しながら、
均染性と耐光堅牢度がすぐれた繊維を得ることができ
る。分子量の低下率を20%以内に抑えることにより、
染色前後の物性、例えば繊維の強度低下率を50%以内
に抑えることが可能となり、繊維の引張強度で2g/デ
ニール以上の強度を有する、染色された脂肪族ポリエス
テル繊維を得ることができる。
pHで染色を行うことにより、脂肪族ポリエステル繊維
を再現性よく染色することができ、しかも染色前後にお
いて、脂肪族ポリエステル樹脂の分子量低下率を20%
以内に抑えることができ、優れた物性を保持しながら、
均染性と耐光堅牢度がすぐれた繊維を得ることができ
る。分子量の低下率を20%以内に抑えることにより、
染色前後の物性、例えば繊維の強度低下率を50%以内
に抑えることが可能となり、繊維の引張強度で2g/デ
ニール以上の強度を有する、染色された脂肪族ポリエス
テル繊維を得ることができる。
【0024】染色温度が70℃より低い場合は、染料の
吸尽率が低く染め付けが悪くなり、120℃より高い場
合は、染色時間、染色浴のpHを好ましい範囲で制御し
ても脂肪族ポリエステル樹脂の分解が進み分子量の低下
が大きくなり好ましくない。染色時間が2時間を越える
場合も、染色温度、染色浴のpHを好ましい範囲で制御
しても、長時間の浸漬により、脂肪族ポリエステル樹脂
の分子量の低下が大きくなる傾向が見られ好ましくな
い。
吸尽率が低く染め付けが悪くなり、120℃より高い場
合は、染色時間、染色浴のpHを好ましい範囲で制御し
ても脂肪族ポリエステル樹脂の分解が進み分子量の低下
が大きくなり好ましくない。染色時間が2時間を越える
場合も、染色温度、染色浴のpHを好ましい範囲で制御
しても、長時間の浸漬により、脂肪族ポリエステル樹脂
の分子量の低下が大きくなる傾向が見られ好ましくな
い。
【0025】また、染色浴のpHが4未満の場合や、9
を越える場合にも、染色温度、染色時間を好ましい範囲
で制御しても、酸、アルカリにより脂肪族ポリエステル
樹脂の分解速度が増すため、分子量の低下が大きくなり
好ましくない。同様にして、脂肪族ポリエステル樹脂か
ら製造される延伸したフィルムにも、本発明の染色法が
利用できる。
を越える場合にも、染色温度、染色時間を好ましい範囲
で制御しても、酸、アルカリにより脂肪族ポリエステル
樹脂の分解速度が増すため、分子量の低下が大きくなり
好ましくない。同様にして、脂肪族ポリエステル樹脂か
ら製造される延伸したフィルムにも、本発明の染色法が
利用できる。
【0026】
【実施例】本発明の内容をさらに具体的に説明するため
に、以下に実施例および比較例をあげて説明する。
に、以下に実施例および比較例をあげて説明する。
【0027】評価方法 実施例において採用した評価法は、以下の通りである。 (1)被染繊維 被染繊維は、特に言及していない限り、10倍に延伸
し、ポリ乳酸は130℃で、ポリブチレンサクシネート
は90℃で、それぞれ1時間熱固定することにより、熱
処理したものを用いた。 (2)被染繊維の重量平均分子量の評価 被染繊維の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(カラム温度40℃、ク
ロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準サンプルと
の比較で評価した。 (3)染着性の評価 染着性の評価は、残浴比色法によった。すなわち、染色
前後の染浴について、それぞれの染浴液を、紫外/可視
領域分光計により、吸光度(光学密度、OD)スペクト
ルを測定した。前記スペクトルにおける最大ピークのO
D値を次式に適用し、吸尽率を算出した。 吸尽率=〔(染色前OD−染色後OD)/染色前OD〕
×100(%) (4)耐光堅牢度の評価 耐光堅牢度は、JIS L−0842−88(カーボン
アーク灯耐光試験法)に従って評価した。当該方法は、
試験片およびブルースケールを、カーボンアーク灯型耐
光試験機で、63℃、40時間、露光し、試験片および
ブルースケールそれぞれの変退色を比較して判定するも
のである。 (5)摩擦堅牢度の評価 摩擦堅牢度は、JIS L−0849−71法(湿潤
法)に従って評価した。当該方法は、摩擦試験機を用い
て、試験片と摩擦用白綿布とを相互に摩擦し、その白綿
布の着色の程度を判定するものである。 (6)水堅牢度の評価 水堅牢度は、JIS L−0846−76法(B法)に
従って評価した。当該方法は、複合試験片を水で処理し
た後乾燥し、変退色と汚染について判定するものであ
る。 (7)繊維強度の評価 繊維の引張強度は、JIS L−1015に従って評価
した。本出願明細書で採用した一連の「JIS L」シ
リーズの試験法は、ISO(国際標準化機構)で規定さ
れた染色堅牢度試験法に準拠したものであり、国際的に
も普遍性がある。
し、ポリ乳酸は130℃で、ポリブチレンサクシネート
は90℃で、それぞれ1時間熱固定することにより、熱
処理したものを用いた。 (2)被染繊維の重量平均分子量の評価 被染繊維の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(カラム温度40℃、ク
ロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準サンプルと
の比較で評価した。 (3)染着性の評価 染着性の評価は、残浴比色法によった。すなわち、染色
前後の染浴について、それぞれの染浴液を、紫外/可視
領域分光計により、吸光度(光学密度、OD)スペクト
ルを測定した。前記スペクトルにおける最大ピークのO
D値を次式に適用し、吸尽率を算出した。 吸尽率=〔(染色前OD−染色後OD)/染色前OD〕
×100(%) (4)耐光堅牢度の評価 耐光堅牢度は、JIS L−0842−88(カーボン
アーク灯耐光試験法)に従って評価した。当該方法は、
試験片およびブルースケールを、カーボンアーク灯型耐
光試験機で、63℃、40時間、露光し、試験片および
ブルースケールそれぞれの変退色を比較して判定するも
のである。 (5)摩擦堅牢度の評価 摩擦堅牢度は、JIS L−0849−71法(湿潤
法)に従って評価した。当該方法は、摩擦試験機を用い
て、試験片と摩擦用白綿布とを相互に摩擦し、その白綿
布の着色の程度を判定するものである。 (6)水堅牢度の評価 水堅牢度は、JIS L−0846−76法(B法)に
従って評価した。当該方法は、複合試験片を水で処理し
た後乾燥し、変退色と汚染について判定するものであ
る。 (7)繊維強度の評価 繊維の引張強度は、JIS L−1015に従って評価
した。本出願明細書で採用した一連の「JIS L」シ
リーズの試験法は、ISO(国際標準化機構)で規定さ
れた染色堅牢度試験法に準拠したものであり、国際的に
も普遍性がある。
【0028】実施例1 (1)染浴の調整 i)配合染料の調整 以下の3種類の染料を、1:1:1で配合し、黒色配合
染料を調整した。 M/P Yellow RSE M/P Red RSE M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 以下の化合物をイオン交換水に溶解混合して、pH5の
pH緩衝液を調整した。 無水酢酸ナトリウム 9.07g/l 氷酢酸 2.0ml/l ディスパーTL 1.00g/l ここで、ディスパーTLは、明成化学(株)製の染色助
剤(分散剤・均染剤用の界面活性剤)である(以下の記
載において同様。)。 iii)染浴の調整 配合染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解
し、染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 100℃ 60〜120分;100℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;116,000( 85%) ii)染着性;吸尽率=87% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態変化;変形なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;3.1g/d( 82%)
染料を調整した。 M/P Yellow RSE M/P Red RSE M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 以下の化合物をイオン交換水に溶解混合して、pH5の
pH緩衝液を調整した。 無水酢酸ナトリウム 9.07g/l 氷酢酸 2.0ml/l ディスパーTL 1.00g/l ここで、ディスパーTLは、明成化学(株)製の染色助
剤(分散剤・均染剤用の界面活性剤)である(以下の記
載において同様。)。 iii)染浴の調整 配合染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解
し、染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 100℃ 60〜120分;100℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;116,000( 85%) ii)染着性;吸尽率=87% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態変化;変形なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;3.1g/d( 82%)
【0029】実施例2 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii) pH緩衝液の調整 実施例1と同様に、pH5のpH緩衝液を調整した。 iii)染浴の調整 染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解し、
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;135,000( 99%) ii)染着性;吸尽率=88% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;3.6g/d( 95%)
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;135,000( 99%) ii)染着性;吸尽率=88% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;3.6g/d( 95%)
【0030】実施例3 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 実施例1と同様に、pH5のpH緩衝液を調整した。 iii)染浴の調整 染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解し、
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、コハク酸と1,4−ブタンジオールを重縮
合した脂肪族ポリエステル(重量平均分子量122,0
00)の糸10g(カセ糸状)を用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴から脂肪族ポリエステル糸を取り出
し、水道水にて充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;122,000(100%) 染色後;120,000( 98%) ii)染着性;吸尽率=80% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=3°〜4級 v)水堅牢度=4°〜5級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;4.7g/d(100%) 染色後;4.5g/d( 96%)
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、コハク酸と1,4−ブタンジオールを重縮
合した脂肪族ポリエステル(重量平均分子量122,0
00)の糸10g(カセ糸状)を用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴から脂肪族ポリエステル糸を取り出
し、水道水にて充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;122,000(100%) 染色後;120,000( 98%) ii)染着性;吸尽率=80% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=3°〜4級 v)水堅牢度=4°〜5級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;4.7g/d(100%) 染色後;4.5g/d( 96%)
【0031】比較例1 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 実施例1と同様に、pH5のpH緩衝液を調整した。 iii)染浴の調整 染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解し、
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 70分; 60℃ → 140℃ 70〜130分;140℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後; 93,000( 68%) ii)染着性;吸尽率88% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4°〜5 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;1.5g/d( 39%)
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 70分; 60℃ → 140℃ 70〜130分;140℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後; 93,000( 68%) ii)染着性;吸尽率88% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4°〜5 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;1.5g/d( 39%)
【0032】比較例2 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 実施例1と同様に、pH5のpH緩衝液を調整した。 iii)染浴の調整 染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解し、
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜120分;60℃に保持(100分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;134,000( 99%) ii)染着性;吸尽率=10% iii)耐光堅牢度;染着性が顕著に劣るため測定を省略
した。 iv)摩擦堅牢度;染着性が顕著に劣るため測定を省略し
た。 v)水堅牢度;先着性が顕著に劣るため測定を省略し
た。 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変形なし vii)繊維の強度;染着性が顕著に劣るため測定を省略
した。
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜120分;60℃に保持(100分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;134,000( 99%) ii)染着性;吸尽率=10% iii)耐光堅牢度;染着性が顕著に劣るため測定を省略
した。 iv)摩擦堅牢度;染着性が顕著に劣るため測定を省略し
た。 v)水堅牢度;先着性が顕著に劣るため測定を省略し
た。 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変形なし vii)繊維の強度;染着性が顕著に劣るため測定を省略
した。
【0033】比較例3 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 実施例1と同様に、pH5のpH緩衝液を調整した。 iii)染浴の調整 染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解し、
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量135,00
0)の未延伸糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 40℃ 20〜 60分; 40℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;135,000(100%) 染色後;132,000( 98%) ii)染着性;吸尽率=84% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変形、硬化 vii)繊維の強度;繊維が変形、硬化したため測定を省
略した。
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量135,00
0)の未延伸糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 40℃ 20〜 60分; 40℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;135,000(100%) 染色後;132,000( 98%) ii)染着性;吸尽率=84% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変形、硬化 vii)繊維の強度;繊維が変形、硬化したため測定を省
略した。
【0034】比較例4 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii)pH緩衝液の調整 実施例1と同様に、pH5の緩衝液を調整した。 iii)染浴の調整 染料0.1gを、前記pH緩衝液150mlに溶解し、
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜240分; 90℃に保持(180分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;102,000( 75%) ii)染着性;吸尽率=91% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=5級 vi)染色前後の繊維の状態変化;変形なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;1.7g/d( 45%)
染浴を調整した。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜240分; 90℃に保持(180分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;102,000( 75%) ii)染着性;吸尽率=91% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=5級 vi)染色前後の繊維の状態変化;変形なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;1.7g/d( 45%)
【0035】比較例5 (1)染浴の調整 i)染料 以下の青色染料を使用した。 M/P Blue RSE ii)染浴の調整 イオン交換水にディスパーTL(明成化学(株)製の染
色助剤)1.00g/l溶解混合した水溶液150ml
に染料0.1gを溶解し、染浴を調整した。染浴のpH
は9.3であった。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;105,000( 77%) ii)染着性;吸尽率=86% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;1.7g/d( 45%) 結果をまとめて、表−1(表1、2)に示す。表−1に
おいて、PLAはポリ乳酸を、PBSはポリブチレンサ
クシネートを、またMwは重量平均分子量をそれぞれ意
味する。
色助剤)1.00g/l溶解混合した水溶液150ml
に染料0.1gを溶解し、染浴を調整した。染浴のpH
は9.3であった。 (2)被染繊維 繊維として、ポリ乳酸(重量平均分子量136,00
0)の糸(カセ糸状)10gを用いた。 (3)染色 繊維を染浴に浸漬し、充分に攪拌しながら、以下の昇温
パターンで染色した。 0〜 20分; 室温 → 60℃ 20〜 60分; 60℃ → 90℃ 60〜120分; 90℃に保持(60分間) (4)水洗乾燥 染色終了後、染浴からポリ乳酸糸を取り出し、水道水に
て充分に洗浄し、脱水、乾燥した。 (5)結果 i)重量平均分子量 染色前;136,000(100%) 染色後;105,000( 77%) ii)染着性;吸尽率=86% iii)耐光堅牢度=6級 iv)摩擦堅牢度=4級 v)水堅牢度=4級 vi)染色前後の繊維の状態の変化;変化なし vii)繊維の強度 染色前;3.8g/d(100%) 染色後;1.7g/d( 45%) 結果をまとめて、表−1(表1、2)に示す。表−1に
おいて、PLAはポリ乳酸を、PBSはポリブチレンサ
クシネートを、またMwは重量平均分子量をそれぞれ意
味する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の染色方法により、易分解性を有
する脂肪族ポリエステル繊維を、その分子量と優れた物
性を、染色の前後において実質的に保持し、染色再現性
と均染性よく染色することができる。本発明の染色方法
により得られる染色された脂肪族ポリエステル繊維は、
高い強度を持ち、種々の色相と優れた耐光堅牢度を有す
る。
する脂肪族ポリエステル繊維を、その分子量と優れた物
性を、染色の前後において実質的に保持し、染色再現性
と均染性よく染色することができる。本発明の染色方法
により得られる染色された脂肪族ポリエステル繊維は、
高い強度を持ち、種々の色相と優れた耐光堅牢度を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水津 宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 味岡 正伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (20)
- 【請求項1】 染色前後において、染色に供する脂肪族
ポリエステル繊維の重量平均分子量の低下率が20%以
下となるように、染色温度、染色pHおよび染色時間を
選択することにより、脂肪族ポリエステル繊維を分散染
料により染色することを特徴とする脂肪族ポリエステル
繊維の染色方法。 - 【請求項2】 染色に供する脂肪族ポリエステル繊維の
重量平均分子量の染色前後の低下率を5%以下である請
求項1記載の染色方法。 - 【請求項3】 染色温度が70〜120℃であり、染色
pHがpH4〜9であり、染色時間が30〜120分で
ある請求項1記載の染色方法。 - 【請求項4】 染色温度が、80〜100℃である請求
項3記載の染色方法。 - 【請求項5】 脂肪族ポリエステル繊維が、ポリ乳酸、
乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪
族多価アルコールと脂肪族多塩基酸を縮合して得られる
脂肪族ポリエステルまたはポリ乳酸と脂肪族多価アルコ
ールと脂肪族多塩基酸を縮合して得られる脂肪族ポリエ
ステルとのコポリマーを主成分とするものである請求項
1記載の染色方法。 - 【請求項6】 脂肪族ポリエステル繊維が、ポリ乳酸、
乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪
族多価アルコールと脂肪族多塩基酸を縮合して得られる
脂肪族ポリエステルまたはポリ乳酸と脂肪族多価アルコ
ールと脂肪族多塩基酸を縮合して得られる脂肪族ポリエ
ステルとのコポリマーを主成分とするものである請求項
3記載の染色方法。 - 【請求項7】 脂肪族ポリエステルが、ポリブチレンサ
クシネートを主成分とするものである請求項5の何れか
に記載の染色方法。 - 【請求項8】 脂肪族ポリエステルが、ポリブチレンサ
クシネートを主成分とするものである請求項6の何れか
に記載の染色方法。 - 【請求項9】 脂肪族ポリエステル繊維が、溶融防糸し
た後、延伸、熱固定したものである請求項1記載の染色
方法。 - 【請求項10】 脂肪族ポリエステル繊維が、溶融防糸
した後、延伸、熱固定したものである請求項3記載の染
色方法。 - 【請求項11】 染色に供する脂肪族ポリエステル繊維
の染色後の引張強度が2[g/デニール]以上となるよ
うに、染色温度、染色pHおよび染色時間を選択するこ
とにより、脂肪族ポリエステル繊維を分散染料により染
色することを特徴とする染色方法。 - 【請求項12】 染色温度が70〜120℃であり、染
色pHがpH4〜9であり、染色時間が30〜120分
である請求項11記載の染色方法。 - 【請求項13】 染色温度が、80〜100℃である請
求項12記載の染色方法。 - 【請求項14】 脂肪族ポリエステル繊維が、ポリ乳
酸、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、
脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸を縮合して得ら
れる脂肪族ポリエステルまたはポリ乳酸と脂肪族多価ア
ルコールと脂肪族多塩基酸を縮合して得られる脂肪族ポ
リエステルとのコポリマーを主成分とするものである請
求項11記載の染色方法。 - 【請求項15】 脂肪族ポリエステル繊維が、ポリ乳
酸、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、
脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸を縮合して得ら
れる脂肪族ポリエステルまたはポリ乳酸と脂肪族多価ア
ルコールと脂肪族多塩基酸を縮合して得られる脂肪族ポ
リエステルとのコポリマーを主成分とするものである請
求項12記載の染色方法。 - 【請求項16】 脂肪族ポリエステルが、ポリブチレン
サクシネートを主成分とするものである請求項14の何
れかに記載の染色方法。 - 【請求項17】 脂肪族ポリエステルが、ポリブチレン
サクシネートを主成分とするものである請求項15記載
の染色方法。 - 【請求項18】 脂肪族ポリエステル繊維が、溶融防糸
した後、延伸、熱固定したものである請求項11記載の
染色方法。 - 【請求項19】 脂肪族ポリエステル繊維が、溶融防糸
した後、延伸、熱固定したものである請求項12記載の
染色方法。 - 【請求項20】 脂肪族ポリエステル繊維が、溶融防糸
した後、延伸、熱固定したものである請求項14記載の
染色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8052743A JPH08311781A (ja) | 1995-03-14 | 1996-03-11 | 染色法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-54483 | 1995-03-14 | ||
JP5448395 | 1995-03-14 | ||
JP8052743A JPH08311781A (ja) | 1995-03-14 | 1996-03-11 | 染色法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311781A true JPH08311781A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=26393396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8052743A Pending JPH08311781A (ja) | 1995-03-14 | 1996-03-11 | 染色法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311781A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001355187A (ja) * | 2000-06-12 | 2001-12-26 | Toray Ind Inc | 脂肪族ポリエステル系繊維含有繊維構造物の製造方法 |
JP2005015937A (ja) * | 2003-06-24 | 2005-01-20 | Kanebo Ltd | ポリ乳酸系成形体用染色助剤 |
JP2005023496A (ja) * | 2003-07-01 | 2005-01-27 | Kanebo Ltd | ポリ乳酸系成形体用染色助剤 |
JP2005029928A (ja) * | 2003-07-07 | 2005-02-03 | Kanebo Ltd | ポリ乳酸系成形体用染色助剤 |
WO2005123845A1 (ja) * | 2004-06-17 | 2005-12-29 | Nagase & Co., Ltd. | 染料組成物および該組成物で染色されたポリ乳酸成形体 |
WO2011034155A1 (ja) * | 2009-09-16 | 2011-03-24 | マツダ株式会社 | 車両内装部材用表皮材 |
CN110878481A (zh) * | 2019-11-04 | 2020-03-13 | 浙江理工大学 | 一种聚丁二酸丁二醇酯纤维的载体染色工艺 |
-
1996
- 1996-03-11 JP JP8052743A patent/JPH08311781A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001355187A (ja) * | 2000-06-12 | 2001-12-26 | Toray Ind Inc | 脂肪族ポリエステル系繊維含有繊維構造物の製造方法 |
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JP4553175B2 (ja) * | 2003-06-24 | 2010-09-29 | 東レ株式会社 | ポリ乳酸系成形体用染色助剤 |
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WO2011034155A1 (ja) * | 2009-09-16 | 2011-03-24 | マツダ株式会社 | 車両内装部材用表皮材 |
CN110878481A (zh) * | 2019-11-04 | 2020-03-13 | 浙江理工大学 | 一种聚丁二酸丁二醇酯纤维的载体染色工艺 |
CN110878481B (zh) * | 2019-11-04 | 2022-07-29 | 湖州倍亨纺织有限公司 | 一种聚丁二酸丁二醇酯纤维的载体染色工艺 |
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