JPH08311659A - マイクロボール材を用いた金属成形方法と金属被覆方法 - Google Patents
マイクロボール材を用いた金属成形方法と金属被覆方法Info
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- JPH08311659A JPH08311659A JP7112905A JP11290595A JPH08311659A JP H08311659 A JPH08311659 A JP H08311659A JP 7112905 A JP7112905 A JP 7112905A JP 11290595 A JP11290595 A JP 11290595A JP H08311659 A JPH08311659 A JP H08311659A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑な形状の成形品を小数でも容易に経済的
に製作できる成形方法と、絶縁物に対する金属被覆を容
易に行なうことが出来る被覆方法を提供する。 【構成】 10はマイクロボール材、11は多孔質金属
粒、12は多孔質金属粒の空隙内に含浸された接着剤、
13は接着剤の流出を防ぎ空気との接触を遮断するため
の保護薄膜である。所望の製品の形状の雄型と雌型を木
材、プラスチックあるいは金属等で作り、離型剤を表面
に塗布した雄型と雌型の間にマイクロボール材10を充
填し、両型を圧着すると両型に挟まれたマイクロボール
材10の多孔質金属粒球11が崩壊し内部の接着剤12
が保護被膜13を破って流出し、崩壊した金属粒を弱く
結合し所望の形状に維持された半製品ができる。次に半
製品を接着剤12の硬化温度以上に昇温させると接着剤
12が硬化して金属粒を強力に結合し、所望の形状の金
属成形品が完成する。
に製作できる成形方法と、絶縁物に対する金属被覆を容
易に行なうことが出来る被覆方法を提供する。 【構成】 10はマイクロボール材、11は多孔質金属
粒、12は多孔質金属粒の空隙内に含浸された接着剤、
13は接着剤の流出を防ぎ空気との接触を遮断するため
の保護薄膜である。所望の製品の形状の雄型と雌型を木
材、プラスチックあるいは金属等で作り、離型剤を表面
に塗布した雄型と雌型の間にマイクロボール材10を充
填し、両型を圧着すると両型に挟まれたマイクロボール
材10の多孔質金属粒球11が崩壊し内部の接着剤12
が保護被膜13を破って流出し、崩壊した金属粒を弱く
結合し所望の形状に維持された半製品ができる。次に半
製品を接着剤12の硬化温度以上に昇温させると接着剤
12が硬化して金属粒を強力に結合し、所望の形状の金
属成形品が完成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属成形方法と金属被覆
方法に関し、特に接着剤を介した微小金属粒の結合によ
る金属成形方法と金属被覆方法に関する。
方法に関し、特に接着剤を介した微小金属粒の結合によ
る金属成形方法と金属被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の金属成形品には、溶融した鋳鉄や
非鉄金属を砂型や金型等を用いて成形鋳造した鋳造品
や、炭素鋼素材や非鉄金属素材を鍛造、圧延、プレス等
の塑性加工で成形した塑性加工品や、鉄や非鉄金属素材
を旋盤等の工作機械で切削加工して成形した切削加工品
や、鉄や非鉄金属素材を加熱により溶接や切断して成形
した溶接加工品などがある。
非鉄金属を砂型や金型等を用いて成形鋳造した鋳造品
や、炭素鋼素材や非鉄金属素材を鍛造、圧延、プレス等
の塑性加工で成形した塑性加工品や、鉄や非鉄金属素材
を旋盤等の工作機械で切削加工して成形した切削加工品
や、鉄や非鉄金属素材を加熱により溶接や切断して成形
した溶接加工品などがある。
【0003】また、絶縁物にEMI対策等で行なわれる
金属被覆には薄板金属材の接着が多く用いられていた。
金属被覆には薄板金属材の接着が多く用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の技術には
それぞれ一長一短があり、経済的な比較も行ないながら
目的に適した成形法が採用されていた。
それぞれ一長一短があり、経済的な比較も行ないながら
目的に適した成形法が採用されていた。
【0005】しかし、単品で複雑な形状の成形品を作成
する場合、鋳造品では木型や金型の製作から行なう必要
があり、かつ原材料を一旦溶融させる必要もあるので、
コストが掛かり日数も必要とする。塑性加工品ではプレ
スが対象となるが単純な曲げや打ち抜きで出来るもの以
外は金型を製作する必要がありコスト的に非常に高いも
のとなる。切削加工では、精密な加工も可能であるが例
えば箱状の製品では素材に対する歩留り率が低く材料
費、加工費とも高価となる。加熱による切断と溶接では
平面の組合せであれば比較的複雑な形状も容易に作れる
が、曲面を作ることは難しい。
する場合、鋳造品では木型や金型の製作から行なう必要
があり、かつ原材料を一旦溶融させる必要もあるので、
コストが掛かり日数も必要とする。塑性加工品ではプレ
スが対象となるが単純な曲げや打ち抜きで出来るもの以
外は金型を製作する必要がありコスト的に非常に高いも
のとなる。切削加工では、精密な加工も可能であるが例
えば箱状の製品では素材に対する歩留り率が低く材料
費、加工費とも高価となる。加熱による切断と溶接では
平面の組合せであれば比較的複雑な形状も容易に作れる
が、曲面を作ることは難しい。
【0006】また、絶縁物に対する金属被覆を薄板金属
材の接着で行なう方法では、薄板金属材の成形と接着の
2つの工程を必要とする。
材の接着で行なう方法では、薄板金属材の成形と接着の
2つの工程を必要とする。
【0007】本発明の目的は、複雑な形状の成形品を小
数でも容易に経済的に製作できる成形方法と、絶縁物に
対する金属被覆を容易に行なうことが出来る被覆方法を
提供することにある。
数でも容易に経済的に製作できる成形方法と、絶縁物に
対する金属被覆を容易に行なうことが出来る被覆方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロボール
材を用いた金属成形方法は、微小径の球状に成形された
多孔質金属粒に、液状の接着剤を空隙部に含浸させ、表
面に保護薄膜を被膜して形成したマイクロボール材を用
いた金属成形方法であって、所望の製品の形状の雄型と
雌型の間にマイクロボール材を充填し、雄型と雌型を圧
着することによってこれらの間に挟まれたマイクロボー
ル材の多孔質金属粒を崩壊させ、保護被膜を破って流出
した内部の接着剤によって崩壊した金属粒を結合させ
て、所望の形状の金属成形品を形成させる。
材を用いた金属成形方法は、微小径の球状に成形された
多孔質金属粒に、液状の接着剤を空隙部に含浸させ、表
面に保護薄膜を被膜して形成したマイクロボール材を用
いた金属成形方法であって、所望の製品の形状の雄型と
雌型の間にマイクロボール材を充填し、雄型と雌型を圧
着することによってこれらの間に挟まれたマイクロボー
ル材の多孔質金属粒を崩壊させ、保護被膜を破って流出
した内部の接着剤によって崩壊した金属粒を結合させ
て、所望の形状の金属成形品を形成させる。
【0009】接着剤を熱硬化性接着剤とし、加圧によっ
て多孔質金属粒を崩壊させ、接着剤によって金属粒が結
合された後、加熱によって接着剤を硬化させ、所望の結
合強度を得てもよく、接着剤を2液性接着剤とし、第1
の液を多孔質金属粒の空隙部に含浸させ、マイクロボー
ル材を2液性接着剤の第2の液と混合させた後、所望の
位置で加圧によって多孔質金属粒を崩壊させ、保護被膜
を破って流出した内部の第1の液と周囲の第2の液とを
接触混合させ、混合液によって金属粒を結合させること
によって常温で所望の結合強度を得てもよく、接着剤を
導電性接着剤としてもよい。
て多孔質金属粒を崩壊させ、接着剤によって金属粒が結
合された後、加熱によって接着剤を硬化させ、所望の結
合強度を得てもよく、接着剤を2液性接着剤とし、第1
の液を多孔質金属粒の空隙部に含浸させ、マイクロボー
ル材を2液性接着剤の第2の液と混合させた後、所望の
位置で加圧によって多孔質金属粒を崩壊させ、保護被膜
を破って流出した内部の第1の液と周囲の第2の液とを
接触混合させ、混合液によって金属粒を結合させること
によって常温で所望の結合強度を得てもよく、接着剤を
導電性接着剤としてもよい。
【0010】本発明のマイクロボール材を用いた金属被
覆方法は、微小径の球状に成形された多孔質金属粒に、
液状の接着剤を空隙部に含浸させ、表面に保護薄膜を被
膜して形成したマイクロボール材を用いた金属被覆方法
であって、金属被覆を必要とする対象物の所望の表面
に、必要に応じて該表面と対応する形状の型を用いて略
同一の厚さにマイクロボール材を配置し、マイクロボー
ル材を加圧することによってマイクロボール材の多孔質
金属粒を崩壊させ、保護被膜を破って流出した内部の接
着剤によって崩壊した金属粒を結合させるとともに対象
物の表面にも金属粒を接着させ、対象物の表面に所望の
形状の金属被覆を微小金属粒を結合させて形成させる。
覆方法は、微小径の球状に成形された多孔質金属粒に、
液状の接着剤を空隙部に含浸させ、表面に保護薄膜を被
膜して形成したマイクロボール材を用いた金属被覆方法
であって、金属被覆を必要とする対象物の所望の表面
に、必要に応じて該表面と対応する形状の型を用いて略
同一の厚さにマイクロボール材を配置し、マイクロボー
ル材を加圧することによってマイクロボール材の多孔質
金属粒を崩壊させ、保護被膜を破って流出した内部の接
着剤によって崩壊した金属粒を結合させるとともに対象
物の表面にも金属粒を接着させ、対象物の表面に所望の
形状の金属被覆を微小金属粒を結合させて形成させる。
【0011】接着剤を熱硬化性接着剤とし、加圧によっ
て多孔質金属粒を崩壊させ、接着剤によって金属粒およ
び対象物が結合された後、加熱によって接着剤を硬化さ
せ、所望の結合強度を得てもよく、接着剤を2液性接着
剤とし、第1の液を多孔質金属粒の空隙部に含浸させ、
マイクロボール材を2液性接着剤の第2の液と混合させ
た後、所望の位置で加圧によってによって多孔質金属粒
を崩壊させ、保護被膜を破って流出した内部の第1の液
を周囲の第2の液とを接触混合させ、混合液によって金
属粒および対象物を結合させることによって常温で所望
の結合強度を得てもよく、接着剤を導電性接着剤として
もよい。
て多孔質金属粒を崩壊させ、接着剤によって金属粒およ
び対象物が結合された後、加熱によって接着剤を硬化さ
せ、所望の結合強度を得てもよく、接着剤を2液性接着
剤とし、第1の液を多孔質金属粒の空隙部に含浸させ、
マイクロボール材を2液性接着剤の第2の液と混合させ
た後、所望の位置で加圧によってによって多孔質金属粒
を崩壊させ、保護被膜を破って流出した内部の第1の液
を周囲の第2の液とを接触混合させ、混合液によって金
属粒および対象物を結合させることによって常温で所望
の結合強度を得てもよく、接着剤を導電性接着剤として
もよい。
【0012】
【作用】所望の製品の形状の雄型と雌型の間にマイクロ
ボール材を充填し、両型を圧着すると雄型と雌型に挟ま
れたマイクロボール材の多孔質金属粒が崩壊し、保護被
膜を破って流出した内部の接着剤によって金属粒が結合
し、所望の形状の金属成形品が形成される。
ボール材を充填し、両型を圧着すると雄型と雌型に挟ま
れたマイクロボール材の多孔質金属粒が崩壊し、保護被
膜を破って流出した内部の接着剤によって金属粒が結合
し、所望の形状の金属成形品が形成される。
【0013】金属被覆を必要とする対象物の所望の表面
に、必要に応じて該表面と対応する形状の型を用いて略
同一の厚さにマイクロボール材を配置し、マイクロボー
ル材を加圧するとマイクロボール材の多孔質金属粒が崩
壊し、保護被膜を破って流出した内部の接着剤によって
金属粒が結合するとともに対象物の表面にも金属粒が接
着し、対象物の表面に所望の形状の金属被覆が形成され
る。
に、必要に応じて該表面と対応する形状の型を用いて略
同一の厚さにマイクロボール材を配置し、マイクロボー
ル材を加圧するとマイクロボール材の多孔質金属粒が崩
壊し、保護被膜を破って流出した内部の接着剤によって
金属粒が結合するとともに対象物の表面にも金属粒が接
着し、対象物の表面に所望の形状の金属被覆が形成され
る。
【0014】接着剤を熱硬化性接着剤とした場合は、接
着剤によって金属粒を結合した後加熱によって所望の結
合強度が得られる。
着剤によって金属粒を結合した後加熱によって所望の結
合強度が得られる。
【0015】接着剤を2液性接着剤とした場合は、第1
の液を多孔質金属粒の空隙部に含浸させ、マイクロボー
ル材を2液性接着剤の第2の液と混合させた後、所望の
位置で加圧すると多孔質金属粒が崩壊し、保護被膜を破
って流出した内部の第1の液が周囲の第2の液と接触混
合し、混合液で金属粒を結合させると常温で所望の結合
強度が得られる。
の液を多孔質金属粒の空隙部に含浸させ、マイクロボー
ル材を2液性接着剤の第2の液と混合させた後、所望の
位置で加圧すると多孔質金属粒が崩壊し、保護被膜を破
って流出した内部の第1の液が周囲の第2の液と接触混
合し、混合液で金属粒を結合させると常温で所望の結合
強度が得られる。
【0016】前記接着剤を導電性接着剤とすることによ
って成形品は高い導電性が得られ、金属被覆の場合も高
い導電性が得られるのでEMI対策に有効である。
って成形品は高い導電性が得られ、金属被覆の場合も高
い導電性が得られるのでEMI対策に有効である。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1は本発明の第1実施例の成形方法に用い
られるマイクロボール材の正面図であり、図2はマイク
ロボール材の断面図である。
説明する。図1は本発明の第1実施例の成形方法に用い
られるマイクロボール材の正面図であり、図2はマイク
ロボール材の断面図である。
【0018】図1および図2において10はマイクロボ
ール材、11は多孔質金属粒、12は多孔質金属粒の空
隙内に含浸された接着剤、13は接着剤の流出を防ぎ空
気との接触を遮断するための保護薄膜である。気相利用
法等によって製造されたミクロン以下の微小金属粉末が
金属フィルタ等の製造に用いられる粉末冶金応用技術に
よって所望の微小径の粒状に成形された多孔質金属粒1
1に、熱硬化性を持つ導電性の液状の接着剤12を真空
含浸法によって空隙部に含浸させ、表面にマイクロカプ
セル化した合成高分子の保護薄膜13を被膜してマイク
ロボール材10は製造される。
ール材、11は多孔質金属粒、12は多孔質金属粒の空
隙内に含浸された接着剤、13は接着剤の流出を防ぎ空
気との接触を遮断するための保護薄膜である。気相利用
法等によって製造されたミクロン以下の微小金属粉末が
金属フィルタ等の製造に用いられる粉末冶金応用技術に
よって所望の微小径の粒状に成形された多孔質金属粒1
1に、熱硬化性を持つ導電性の液状の接着剤12を真空
含浸法によって空隙部に含浸させ、表面にマイクロカプ
セル化した合成高分子の保護薄膜13を被膜してマイク
ロボール材10は製造される。
【0019】次に、マイクロボール材10を用いた成形
方法を説明する。所望の製品の形状の雄型と雌型を木
材、プラスチックあるいは金属等で作り、離型剤を表面
に塗布した雄型と雌型の間にマイクロボール材10を充
填し、両型を圧着すると両型に挟まれたマイクロボール
材10の多孔質金属粒11の構成金属粉末の結合が崩壊
し、内部の接着剤12が保護被膜13を破って流出し、
崩壊した金属粒を弱く結合して所望の形状に維持された
半製品ができる。次に半製品を接着剤12の硬化温度以
上に昇温させると接着剤12が硬化して構成金属粒を強
力に結合し、所望の形状の金属成形品が完成する。
方法を説明する。所望の製品の形状の雄型と雌型を木
材、プラスチックあるいは金属等で作り、離型剤を表面
に塗布した雄型と雌型の間にマイクロボール材10を充
填し、両型を圧着すると両型に挟まれたマイクロボール
材10の多孔質金属粒11の構成金属粉末の結合が崩壊
し、内部の接着剤12が保護被膜13を破って流出し、
崩壊した金属粒を弱く結合して所望の形状に維持された
半製品ができる。次に半製品を接着剤12の硬化温度以
上に昇温させると接着剤12が硬化して構成金属粒を強
力に結合し、所望の形状の金属成形品が完成する。
【0020】粉末冶金応用技術によって金属粉末を所望
の微小径の多孔質金属粒11に成形する際に金属粉末間
の結合力が弱くなるよう調整されていることによってマ
イクロボール材10は容易に崩壊するので、雄型や雌型
にも大きな強度は必要とされず安価に型を作ることがで
き、両型の圧着力も少なくてよいので加圧法も簡単とな
る。多孔質金属粒11は、マイクロカプセル化された保
護薄膜13によって外面を被包されているので結合力を
弱くしてもマイクロボール材は安定した形状を維持でき
る。
の微小径の多孔質金属粒11に成形する際に金属粉末間
の結合力が弱くなるよう調整されていることによってマ
イクロボール材10は容易に崩壊するので、雄型や雌型
にも大きな強度は必要とされず安価に型を作ることがで
き、両型の圧着力も少なくてよいので加圧法も簡単とな
る。多孔質金属粒11は、マイクロカプセル化された保
護薄膜13によって外面を被包されているので結合力を
弱くしてもマイクロボール材は安定した形状を維持でき
る。
【0021】金属粉末の種類は、他孔質金属粒に成形で
き接着剤で結合可能な材料は、総て使用できるが通常の
用途からはアルミニューム、タングステン等が注目され
る。また、液状の接着剤の硬化温度を常温保管時に硬化
しない範囲で低温に設定することによって耐熱性の低い
型とともに昇温させることができる。
き接着剤で結合可能な材料は、総て使用できるが通常の
用途からはアルミニューム、タングステン等が注目され
る。また、液状の接着剤の硬化温度を常温保管時に硬化
しない範囲で低温に設定することによって耐熱性の低い
型とともに昇温させることができる。
【0022】本実施例では、金属粉末を所望の微小径の
多孔質金属粒11に成形する方法として粉末冶金応用技
術を用いたが、接着媒体を用いた接着法でもよく、多孔
質金属材料を破砕する方法や、焼結技術を用いた方法で
もよい。液状の接着剤12を空隙部に含浸する方法とし
て真空含浸法を用いたが、加熱冷却法でもよい。また、
保護薄膜13の材質を合成高分子としたが、通常マイク
ロカプセルに用いられるゼラチンなどの水溶性蛋白質や
セルロース誘導体などの炭水化物を用いてもよい。
多孔質金属粒11に成形する方法として粉末冶金応用技
術を用いたが、接着媒体を用いた接着法でもよく、多孔
質金属材料を破砕する方法や、焼結技術を用いた方法で
もよい。液状の接着剤12を空隙部に含浸する方法とし
て真空含浸法を用いたが、加熱冷却法でもよい。また、
保護薄膜13の材質を合成高分子としたが、通常マイク
ロカプセルに用いられるゼラチンなどの水溶性蛋白質や
セルロース誘導体などの炭水化物を用いてもよい。
【0023】また、本実施例では導電性の接着剤を使用
したが成形品に特に導電性が求められない場合は、非導
電性の接着剤で差し支えない。
したが成形品に特に導電性が求められない場合は、非導
電性の接着剤で差し支えない。
【0024】図3は、本発明の第2の実施例のマイクロ
ボール材を用いて金属被覆された絶縁物の斜視図であ
る。本実施例に使用されるマイクロボール材10は第1
の実施例と同じなので説明を省略する。
ボール材を用いて金属被覆された絶縁物の斜視図であ
る。本実施例に使用されるマイクロボール材10は第1
の実施例と同じなので説明を省略する。
【0025】EMI対策等で金属被覆を必要とするプラ
スチック板31の所望の表面に、必要に応じて表面と対
応する形状の型を用いて略同一の厚さにマイクロボール
材10を配置し、加圧することによって第1の実施例と
同様にマイクロボール材10の多孔質金属粒11の構成
金属粉末の結合が崩壊し内部の接着剤12が保護被膜1
3を破って流出し、構成金属粉末を弱く結合するととも
にプラスチック板31の表面にも接着し所望の形状に維
持され金属被覆32の半製品ができる。次に金属被覆さ
れたプラスチック板の半製品を接着剤12の硬化温度以
上に昇温させると接着剤12が硬化して構成金属粉末を
結合させるとともにプラスチック板31の表面にも強力
に接着し、所望の形状の金属被覆32を持ったプラスチ
ック板31が完成する加圧の方法は、型を圧着してもよ
く、マイクロボール材10の露出した表面を金属ローラ
等で加圧してもよい。
スチック板31の所望の表面に、必要に応じて表面と対
応する形状の型を用いて略同一の厚さにマイクロボール
材10を配置し、加圧することによって第1の実施例と
同様にマイクロボール材10の多孔質金属粒11の構成
金属粉末の結合が崩壊し内部の接着剤12が保護被膜1
3を破って流出し、構成金属粉末を弱く結合するととも
にプラスチック板31の表面にも接着し所望の形状に維
持され金属被覆32の半製品ができる。次に金属被覆さ
れたプラスチック板の半製品を接着剤12の硬化温度以
上に昇温させると接着剤12が硬化して構成金属粉末を
結合させるとともにプラスチック板31の表面にも強力
に接着し、所望の形状の金属被覆32を持ったプラスチ
ック板31が完成する加圧の方法は、型を圧着してもよ
く、マイクロボール材10の露出した表面を金属ローラ
等で加圧してもよい。
【0026】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第1および第2の実施例では接着剤12に熱硬化
性を持つ導電性の液状の接着剤を用いたが、第3の実施
例ではエポキシ等の2液性の常温硬化型の導電性接着剤
を使用し、多孔質金属粒の空隙内にその1液を含浸させ
る。
する。第1および第2の実施例では接着剤12に熱硬化
性を持つ導電性の液状の接着剤を用いたが、第3の実施
例ではエポキシ等の2液性の常温硬化型の導電性接着剤
を使用し、多孔質金属粒の空隙内にその1液を含浸させ
る。
【0027】成形もしくは被覆時には、マイクロボール
材10を2液性の常温硬化型の導電性接着剤の他の1液
と混合して所望の場所に充填し、圧縮することによって
マイクロボール材10の多孔質金属粒11の構成金属粉
末の結合が崩壊し内部の接着剤の1液が保護被膜13を
破って流出し、周囲の接着剤の他の1液と接触混合し、
混合液が構成金属粉末を結合するとともにプラスチック
板31の表面にも接着し常温で硬化する。従って昇温の
工程は必要としない。
材10を2液性の常温硬化型の導電性接着剤の他の1液
と混合して所望の場所に充填し、圧縮することによって
マイクロボール材10の多孔質金属粒11の構成金属粉
末の結合が崩壊し内部の接着剤の1液が保護被膜13を
破って流出し、周囲の接着剤の他の1液と接触混合し、
混合液が構成金属粉末を結合するとともにプラスチック
板31の表面にも接着し常温で硬化する。従って昇温の
工程は必要としない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明のマイクロボ
ール材を用いた成形方法と被覆方法では、金属粉末を所
望の微小径の多孔質金属粒に成形する際に金属粉末間の
結合力が弱くなるよう調整されていることによってマイ
クロボール材は容易に崩壊するので、雄型や雌型にも大
きな強度は必要とされず安価に型を作ることができ、両
型の圧着力も少なくてよいので加圧法も簡単となる。被
覆の場合にも対象の絶縁物に加わる力も少ない。
ール材を用いた成形方法と被覆方法では、金属粉末を所
望の微小径の多孔質金属粒に成形する際に金属粉末間の
結合力が弱くなるよう調整されていることによってマイ
クロボール材は容易に崩壊するので、雄型や雌型にも大
きな強度は必要とされず安価に型を作ることができ、両
型の圧着力も少なくてよいので加圧法も簡単となる。被
覆の場合にも対象の絶縁物に加わる力も少ない。
【0029】従って、鋳造品のように原材料を高温で溶
融させる必要もなく、複雑な形状でもプレスによる塑性
加工のように頑丈な金型を製作する必要もなく、切削加
工のように素材に対する歩留り率が低くなることもな
く、加熱による切断と溶接では成形が難しい曲面を作る
ことも容易であり、高価な治具や複雑な工程を必要とせ
ず低コストで所望の形状の成形品を成形することが可能
となる。
融させる必要もなく、複雑な形状でもプレスによる塑性
加工のように頑丈な金型を製作する必要もなく、切削加
工のように素材に対する歩留り率が低くなることもな
く、加熱による切断と溶接では成形が難しい曲面を作る
ことも容易であり、高価な治具や複雑な工程を必要とせ
ず低コストで所望の形状の成形品を成形することが可能
となる。
【0030】絶縁物に対する金属被覆の形成においても
同様に容易に絶縁物と一体化した金属被覆を形成するこ
とができる。
同様に容易に絶縁物と一体化した金属被覆を形成するこ
とができる。
【0031】接着剤を導電性接着剤とすることによって
成形品は高い導電性が得られ、金属被覆の場合も高い導
電性が得られるのでEMI対策に有効である。
成形品は高い導電性が得られ、金属被覆の場合も高い導
電性が得られるのでEMI対策に有効である。
【0032】また、2液性の接着剤を使用することによ
って常温で成形や被覆を行なうことができる。
って常温で成形や被覆を行なうことができる。
【0033】さらに、タングステン等の通常の方法では
成形困難な材料でも容易に所望の形状に成形することが
可能となる。
成形困難な材料でも容易に所望の形状に成形することが
可能となる。
【図1】本発明の第1実施例の成形方法に用いられるマ
イクロボール材の正面図である。
イクロボール材の正面図である。
【図2】本発明の第1実施例の成形方法に用いられるマ
イクロボール材の断面図である。
イクロボール材の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例のマイクロボール材を用
いて金属被覆された絶縁物の斜視図である。
いて金属被覆された絶縁物の斜視図である。
10 マイクロボール材 11 多孔質金属粒 12 多孔質金属粒の空隙内に含浸された接着剤 13 接着剤の流出を防ぎ空気との接触を遮断するた
めの保護薄膜 31 金属被覆 32 プラスチック板
めの保護薄膜 31 金属被覆 32 プラスチック板
Claims (8)
- 【請求項1】 微小径の球状に成形された多孔質金属粒
に、液状の接着剤を空隙部に含浸させ、表面に保護薄膜
を被膜して形成したマイクロボール材を用いた金属成形
方法であって、 所望の製品の形状の雄型と雌型の間に前記マイクロボー
ル材を充填し、 前記雄型と前記雌型を圧着することによってこれらの間
に挟まれた前記マイクロボール材の前記多孔質金属粒を
崩壊させ、 前記保護被膜を破って流出した内部の前記接着剤によっ
て崩壊した前記金属粒を結合させて、所望の形状の金属
成形品を形成させる、ことを特徴とするマイクロボール
材を用いた金属成形方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のマイクロボール材を用い
た金属成形方法において、 前記接着剤を熱硬化性接着剤とし、加圧によって前記多
孔質金属粒を崩壊させ、前記接着剤によって前記金属粒
が結合された後、加熱によって前記接着剤を硬化させ、
所望の結合強度を得ることを特徴とするマイクロボール
材を用いた金属成形方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のマイクロボール材を用い
た金属成形方法において、 前記接着剤を2液性接着剤とし、第1の液を前記多孔質
金属粒の空隙部に含浸させ、前記マイクロボール材を前
記2液性接着剤の第2の液と混合させた後、所望の位置
で加圧によって前記多孔質金属粒を崩壊させ、前記保護
被膜を破って流出した内部の前記第1の液と周囲の第2
の液とを接触混合させ、混合液によって前記金属粒を結
合させることによって常温で所望の結合強度を得ること
を特徴とするマイクロボール材を用いた金属成形方法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
記載のマイクロボール材を用いた金属成形方法におい
て、 前記接着剤を導電性接着剤とすることを特徴とするマイ
クロボール材を用いた金属成形方法。 - 【請求項5】 微小径の球状に成形された多孔質金属粒
に、液状の接着剤を空隙部に含浸させ、表面に保護薄膜
を被膜して形成したマイクロボール材を用いた金属被覆
方法であって、 金属被覆を必要とする対象物の所望の表面に、必要に応
じて該表面と対応する形状の型を用いて略同一の厚さに
前記マイクロボール材を配置し、前記マイクロボール材
を加圧することによって前記マイクロボール材の前記多
孔質金属粒を崩壊させ、前記保護被膜を破って流出した
内部の前記接着剤によって崩壊した前記金属粒を結合さ
せるとともに前記対象物の表面にも前記金属粒を接着さ
せ、前記対象物の表面に所望の形状の金属被覆を前記微
小金属粒を結合させて形成させることを特徴とするマイ
クロボール材を用いた金属被覆方法。 - 【請求項6】 請求項5記載のマイクロボール材を用い
た金属被覆方法において、 前記接着剤を熱硬化性接着剤とし、加圧によって前記多
孔質金属粒を崩壊させ、前記接着剤によって前記金属粒
および前記対象物が結合された後、加熱によって前記接
着剤を硬化させ、所望の結合強度を得ることを特徴とす
るマイクロボール材を用いた金属被覆方法。 - 【請求項7】 請求項5記載のマイクロボール材を用い
た金属被覆方法において、 前記接着剤を2液性接着剤とし、第1の液を前記多孔質
金属粒の空隙部に含浸させ、前記マイクロボール材を前
記2液性接着剤の第2の液と混合させた後、所望の位置
で加圧によってによって前記多孔質金属粒を崩壊させ、
前記保護被膜を破って流出した内部の前記第1の液を周
囲の第2の液とを接触混合させ、混合液によって前記金
属粒および前記対象物を結合させることによって常温で
所望の結合強度を得ることを特徴とするマイクロボール
材を用いた金属被覆方法。 - 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれか1項に
記載のマイクロボール材を用いた金属被覆方法におい
て、 前記接着剤を導電性接着剤とすることを特徴とするマイ
クロボール材を用いた金属被覆方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7112905A JP2713225B2 (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | マイクロボール材を用いた金属成形方法と金属被覆方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7112905A JP2713225B2 (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | マイクロボール材を用いた金属成形方法と金属被覆方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311659A true JPH08311659A (ja) | 1996-11-26 |
JP2713225B2 JP2713225B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=14598439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7112905A Expired - Lifetime JP2713225B2 (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | マイクロボール材を用いた金属成形方法と金属被覆方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2713225B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012063747A1 (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-18 | ナミックス株式会社 | 金属粒子及びその製造方法 |
WO2019117234A1 (ja) * | 2017-12-15 | 2019-06-20 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 球状銀粉 |
CN111432959A (zh) * | 2017-12-15 | 2020-07-17 | 同和电子科技有限公司 | 球状银粉 |
-
1995
- 1995-05-11 JP JP7112905A patent/JP2713225B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012063747A1 (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-18 | ナミックス株式会社 | 金属粒子及びその製造方法 |
US9186727B2 (en) | 2010-11-08 | 2015-11-17 | Namics Corporation | Metal particle |
JP5848711B2 (ja) * | 2010-11-08 | 2016-01-27 | ナミックス株式会社 | 銀粒子の製造方法 |
US9789546B2 (en) | 2010-11-08 | 2017-10-17 | Namics Corporation | Method for producing a metal particle |
WO2019117234A1 (ja) * | 2017-12-15 | 2019-06-20 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 球状銀粉 |
CN111432959A (zh) * | 2017-12-15 | 2020-07-17 | 同和电子科技有限公司 | 球状银粉 |
KR20200096286A (ko) * | 2017-12-15 | 2020-08-11 | 도와 일렉트로닉스 가부시키가이샤 | 구상 은 분말 |
TWI713950B (zh) * | 2017-12-15 | 2020-12-21 | 日商同和電子科技有限公司 | 球狀銀粉 |
US11376659B2 (en) | 2017-12-15 | 2022-07-05 | Dowa Electronics Materials Co., Ltd. | Spherical silver powder |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2713225B2 (ja) | 1998-02-16 |
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