JPH08306520A - 高透磁率成形体及びその製造方法 - Google Patents
高透磁率成形体及びその製造方法Info
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- JPH08306520A JPH08306520A JP10764295A JP10764295A JPH08306520A JP H08306520 A JPH08306520 A JP H08306520A JP 10764295 A JP10764295 A JP 10764295A JP 10764295 A JP10764295 A JP 10764295A JP H08306520 A JPH08306520 A JP H08306520A
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- resin material
- powder
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- metal powder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンピュータに付属されるペン入力装置にお
いて用いられる磁気シールド板を容易且つ低廉に製造す
る。 【構成】 樹脂材8と高透磁率特性を有した金属粉末9
とを混合攪拌機3によって混合することで、金属粉末9
まわりに樹脂材8を被着させた(まぶした)成形粉末材
料を得る。この成形粉末材料により微厚な板状体を成形
する。そして、この板状体を接着用の樹脂液にドブ漬け
し、含浸させる。
いて用いられる磁気シールド板を容易且つ低廉に製造す
る。 【構成】 樹脂材8と高透磁率特性を有した金属粉末9
とを混合攪拌機3によって混合することで、金属粉末9
まわりに樹脂材8を被着させた(まぶした)成形粉末材
料を得る。この成形粉末材料により微厚な板状体を成形
する。そして、この板状体を接着用の樹脂液にドブ漬け
し、含浸させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高透磁率成形体とその
製造方法とに関するものである。
製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パソコンやワープロ等のコンピュター機
器に付属されるペン入力装置は、電磁波を発射するペン
をタブレット(平面座標を電気信号に換える装置)の上
面で筆記するように動かすことで、コンピュター機器へ
の入力が簡単に行えるようにしたものであるが、この種
ペン入力装置では、ペンからの電磁波がタブレットの面
方向へ拡散するのを防止する(指示ポイントを絞る)た
めに、タブレットの裏面側に磁気シールド体が設けられ
ている。
器に付属されるペン入力装置は、電磁波を発射するペン
をタブレット(平面座標を電気信号に換える装置)の上
面で筆記するように動かすことで、コンピュター機器へ
の入力が簡単に行えるようにしたものであるが、この種
ペン入力装置では、ペンからの電磁波がタブレットの面
方向へ拡散するのを防止する(指示ポイントを絞る)た
めに、タブレットの裏面側に磁気シールド体が設けられ
ている。
【0003】この磁気シールド体としては、パーマロイ
と呼ばれる高透磁率特性を有した金属製の薄板材を、タ
ブレットの裏面に貼り付けることで構成する、というの
が最も一般的である。
と呼ばれる高透磁率特性を有した金属製の薄板材を、タ
ブレットの裏面に貼り付けることで構成する、というの
が最も一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように磁気シー
ルド体に用いられるパーマロイは、強度に優れている反
面、硬すぎて加工には適しないという難点を有してい
た。しかも、このパーマロイは、加工に伴って生じる応
力や熱影響等により、その主要特性である高透磁率が大
幅に低下するおそれがあるという難点をも有していた。
そこで、ペン入力装置の筐体においてタブレットと共に
パーマロイを取り付けるようにするには、孔加工等を必
要とするねじ止め構造に代えて係合構造等を採用する必
要が生じ、構造の複雑化及び製造コストの高騰化等を招
来することになっていた。
ルド体に用いられるパーマロイは、強度に優れている反
面、硬すぎて加工には適しないという難点を有してい
た。しかも、このパーマロイは、加工に伴って生じる応
力や熱影響等により、その主要特性である高透磁率が大
幅に低下するおそれがあるという難点をも有していた。
そこで、ペン入力装置の筐体においてタブレットと共に
パーマロイを取り付けるようにするには、孔加工等を必
要とするねじ止め構造に代えて係合構造等を採用する必
要が生じ、構造の複雑化及び製造コストの高騰化等を招
来することになっていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、ペン入力装置の磁気シールド体等として使用
可能な高透磁率成形体であって、加工が容易に行えると
共に、この加工に伴って高透磁率が低下するような悪影
響がでることもないようにした高透磁率成形体及びその
製造方法を提供することを目的とする。
であって、ペン入力装置の磁気シールド体等として使用
可能な高透磁率成形体であって、加工が容易に行えると
共に、この加工に伴って高透磁率が低下するような悪影
響がでることもないようにした高透磁率成形体及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る高透磁率成形体では、高透磁率特性を有した金
属粉末が加熱硬化された樹脂材によって結合されている
と共に、該樹脂材に生じた空隙が接着用樹脂材によって
充填されていることを特徴としている。
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る高透磁率成形体では、高透磁率特性を有した金
属粉末が加熱硬化された樹脂材によって結合されている
と共に、該樹脂材に生じた空隙が接着用樹脂材によって
充填されていることを特徴としている。
【0007】また、本発明に係る高透磁率成形体の製造
方法では、樹脂材と高透磁率特性を有した金属粉末とを
攪拌混合して、金属粉末まわりに樹脂材が被着した成形
粉末材料を得、該成形粉末材料を適宜成形方法によって
所望形状に成形すると共に、成形後の加熱によって加熱
硬化体を得、該加熱硬化体に対して液体状の接着用樹脂
材を含浸させることを特徴としている。
方法では、樹脂材と高透磁率特性を有した金属粉末とを
攪拌混合して、金属粉末まわりに樹脂材が被着した成形
粉末材料を得、該成形粉末材料を適宜成形方法によって
所望形状に成形すると共に、成形後の加熱によって加熱
硬化体を得、該加熱硬化体に対して液体状の接着用樹脂
材を含浸させることを特徴としている。
【0008】なお、前記成形粉末材料の成形に加熱成形
型を用いる場合には、加熱成形型へ成形粉末材料を充填
した後、該加熱成形型を加熱させるようにするのが好ま
しい。
型を用いる場合には、加熱成形型へ成形粉末材料を充填
した後、該加熱成形型を加熱させるようにするのが好ま
しい。
【0009】
【作用】まず、粉末状又は液体状の樹脂材と、高透磁率
特性を有した金属粉末(例えばアモルファス粉末)とを
混合攪拌することで、金属粉末まわりに樹脂材が被着し
た成形粉末材料を得る。そして、この成形粉末材料を適
宜成形手段によって所望形状(例えば板状)に成形す
る。これであれば、高透磁率特性を有した金属粉末に対
し、樹脂材が繋ぎ材となって所望形状への成形を可能に
し、また、磁気シールド体等として使用する場合に必要
とされる微厚な板形状への成形をも可能とするものであ
る。
特性を有した金属粉末(例えばアモルファス粉末)とを
混合攪拌することで、金属粉末まわりに樹脂材が被着し
た成形粉末材料を得る。そして、この成形粉末材料を適
宜成形手段によって所望形状(例えば板状)に成形す
る。これであれば、高透磁率特性を有した金属粉末に対
し、樹脂材が繋ぎ材となって所望形状への成形を可能に
し、また、磁気シールド体等として使用する場合に必要
とされる微厚な板形状への成形をも可能とするものであ
る。
【0010】そして、このように成形されたものを加熱
して加熱硬化体とするが、この加熱硬化体は、金属粉末
相互間を結合した樹脂材部分に空隙が生じたポーラス構
造を有するようになっている。そこで、この加熱硬化体
に対し、液体状の接着用樹脂材中へのドブ漬け、該樹脂
材の刷毛塗り又はスプレー掛け等を行う。これにより、
上記空隙に接着用樹脂材が充填された状態となり、目的
とする高透磁率成形体を得ることができる。
して加熱硬化体とするが、この加熱硬化体は、金属粉末
相互間を結合した樹脂材部分に空隙が生じたポーラス構
造を有するようになっている。そこで、この加熱硬化体
に対し、液体状の接着用樹脂材中へのドブ漬け、該樹脂
材の刷毛塗り又はスプレー掛け等を行う。これにより、
上記空隙に接着用樹脂材が充填された状態となり、目的
とする高透磁率成形体を得ることができる。
【0011】このようにして得られた高透磁率成形体
は、接着用樹脂材によって金属粉末相互間の結合強度が
高められているので、成形状態下での機械的強度に優れ
たものとなっている。なお、前記成形粉末材料の成形に
加熱成形型を用いる場合には、加熱成形型へ成形粉末材
料を充填した後、該加熱成形型を加熱させるようにすれ
ば、加熱成形型に対する成形粉末材料の充填が確実に行
える。すなわち、予め加熱成形型を加熱した後に成形粉
末材料を充填する場合に比べ、充填中における成形粉末
材料の溶融詰まり発生等を防止できるようになる。
は、接着用樹脂材によって金属粉末相互間の結合強度が
高められているので、成形状態下での機械的強度に優れ
たものとなっている。なお、前記成形粉末材料の成形に
加熱成形型を用いる場合には、加熱成形型へ成形粉末材
料を充填した後、該加熱成形型を加熱させるようにすれ
ば、加熱成形型に対する成形粉末材料の充填が確実に行
える。すなわち、予め加熱成形型を加熱した後に成形粉
末材料を充填する場合に比べ、充填中における成形粉末
材料の溶融詰まり発生等を防止できるようになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明に係る高透磁率成形体の製造方法は、図1
に示す混合攪拌工程と、図3に示す成形及び加熱硬化工
程と、図4に示す樹脂含浸工程とを有している。混合攪
拌工程では、図1に示すように粉末状又は液体状の樹脂
材8と高透磁率特性を有した金属粉末9とを準備して、
これらを混合攪拌機3で混合攪拌する。これにより、図
2に示すように金属粉末8まわりに樹脂材9が被着した
成形粉末材料10を得る。
する。本発明に係る高透磁率成形体の製造方法は、図1
に示す混合攪拌工程と、図3に示す成形及び加熱硬化工
程と、図4に示す樹脂含浸工程とを有している。混合攪
拌工程では、図1に示すように粉末状又は液体状の樹脂
材8と高透磁率特性を有した金属粉末9とを準備して、
これらを混合攪拌機3で混合攪拌する。これにより、図
2に示すように金属粉末8まわりに樹脂材9が被着した
成形粉末材料10を得る。
【0013】金属粉末9としては、高透磁率特性を有す
るものであればその材質は特に限定されるものではな
い。例えばアモルファス粉末を用いることができる。こ
の場合、Fe−Si−B、Fe−P−C、Co−Si−
Fe−B、Fe−B、純鉄等が考えられる。またアモル
ファス粉末以外でもよく、この場合には、Fe−Si−
Al(センダスト)、Fe−Al(アルフェル)、ケイ
素鋼等の粉末が考えられる。また、金属粉末9の粉末粒
度についても、特に限定されるものではないが、おおよ
そ500μmアンダーを目安にすればよい。特に、得よ
うとする高透磁率成形体1を磁気シールド体等として用
いる場合には、金属粉末9の粉末粒度を210μmアン
ダーにして、高透磁率特性に必要な高充填率が得られる
ようにすればよい。
るものであればその材質は特に限定されるものではな
い。例えばアモルファス粉末を用いることができる。こ
の場合、Fe−Si−B、Fe−P−C、Co−Si−
Fe−B、Fe−B、純鉄等が考えられる。またアモル
ファス粉末以外でもよく、この場合には、Fe−Si−
Al(センダスト)、Fe−Al(アルフェル)、ケイ
素鋼等の粉末が考えられる。また、金属粉末9の粉末粒
度についても、特に限定されるものではないが、おおよ
そ500μmアンダーを目安にすればよい。特に、得よ
うとする高透磁率成形体1を磁気シールド体等として用
いる場合には、金属粉末9の粉末粒度を210μmアン
ダーにして、高透磁率特性に必要な高充填率が得られる
ようにすればよい。
【0014】一方、樹脂材8についても、金属粉末9と
の馴染み、成形性(展延性、自着性等)、硬化後の機械
的強度等において優れたものであれば、その材質は特に
限定されない。使用時の状態において、粉末状とする場
合には、金属粉末9よりも細かくするのが好適である。
なお、液体状とする場合、粘液状をも含むものとする。
の馴染み、成形性(展延性、自着性等)、硬化後の機械
的強度等において優れたものであれば、その材質は特に
限定されない。使用時の状態において、粉末状とする場
合には、金属粉末9よりも細かくするのが好適である。
なお、液体状とする場合、粘液状をも含むものとする。
【0015】これら金属粉末9と樹脂材8との混合比率
は、その使用材料自体が有する特性や材料相互の組み合
わせ、各材料が粉末状であるときの粒度、得ようとする
高透磁率成形体1の性能等に基づいて異なるものであ
る。また、金属粉末9と樹脂材8との混合物に対し、必
要に応じて硬化促進剤等の添加物を加えることも可能で
ある。
は、その使用材料自体が有する特性や材料相互の組み合
わせ、各材料が粉末状であるときの粒度、得ようとする
高透磁率成形体1の性能等に基づいて異なるものであ
る。また、金属粉末9と樹脂材8との混合物に対し、必
要に応じて硬化促進剤等の添加物を加えることも可能で
ある。
【0016】なお、この混合攪拌時には、樹脂材8が粉
末状又は液体状であることを維持させると共に、金属粉
末9に対して樹脂材8が均一付着するのを促進させるう
えで、金属粉末9を予め加熱しておくのが好ましい。本
実施例では、金属粉末9を100〜250℃に予備加熱
した。また、樹脂材8との混合攪拌は1〜5分行った。
末状又は液体状であることを維持させると共に、金属粉
末9に対して樹脂材8が均一付着するのを促進させるう
えで、金属粉末9を予め加熱しておくのが好ましい。本
実施例では、金属粉末9を100〜250℃に予備加熱
した。また、樹脂材8との混合攪拌は1〜5分行った。
【0017】成形及び加熱硬化工程では、上記のように
して得られた成形粉末材料10を用いて、適宜成形手段
により所望形状(例えば板状)への成形を行う。この場
合の成形には、図3に示すような加熱成形型12を用い
た方法を採るのが好適である。この加熱成形型12は、
左右の分割型12a,12bによってそれらの内部へ所
望形状の成形凹部13を形成させたもので、この成形凹
部13へ連通接続された材料供給管14を介して成形粉
末材料10をエアブロー方式で加圧充填可能になってい
る。左右の分割型12a,12bは、成形凹部13内を
所定温度に加熱できるようになっている。また、左右の
分割型12a,12bにはエア抜き通路16が形成され
ており、余分な加圧空気はこのエア抜き通路16を介し
て排気できるようになっている。
して得られた成形粉末材料10を用いて、適宜成形手段
により所望形状(例えば板状)への成形を行う。この場
合の成形には、図3に示すような加熱成形型12を用い
た方法を採るのが好適である。この加熱成形型12は、
左右の分割型12a,12bによってそれらの内部へ所
望形状の成形凹部13を形成させたもので、この成形凹
部13へ連通接続された材料供給管14を介して成形粉
末材料10をエアブロー方式で加圧充填可能になってい
る。左右の分割型12a,12bは、成形凹部13内を
所定温度に加熱できるようになっている。また、左右の
分割型12a,12bにはエア抜き通路16が形成され
ており、余分な加圧空気はこのエア抜き通路16を介し
て排気できるようになっている。
【0018】なお、加熱成形型12の成形凹部13内へ
成形粉末材料10を充填するに際しては、加熱成形型1
2が未だ冷たい状態にあるときに、成形粉末材料10の
充填を行うようにする。この充填時には、加熱成形型1
2に微振動を加えるのが好適である。そして、この充填
完了後に加熱成形型12を加熱させる。このような手順
であれば、予め加熱成形型12を加熱した後に成形粉末
材料10の充填を行った場合に比べ、充填中における成
形粉末材料10の溶融詰まり発生等を防止できるもので
あり、その結果、加熱成形型12に対する成形粉末材料
10の充填が確実に行える利点がある。即ち、成形及び
加熱硬化において失敗がない。
成形粉末材料10を充填するに際しては、加熱成形型1
2が未だ冷たい状態にあるときに、成形粉末材料10の
充填を行うようにする。この充填時には、加熱成形型1
2に微振動を加えるのが好適である。そして、この充填
完了後に加熱成形型12を加熱させる。このような手順
であれば、予め加熱成形型12を加熱した後に成形粉末
材料10の充填を行った場合に比べ、充填中における成
形粉末材料10の溶融詰まり発生等を防止できるもので
あり、その結果、加熱成形型12に対する成形粉末材料
10の充填が確実に行える利点がある。即ち、成形及び
加熱硬化において失敗がない。
【0019】本実施例では、成形粉末材料10の加圧充
填圧力を4〜6kgf/cm2 とし、この加圧充填に3
〜7秒間をかけた。また、加熱成形型12の加熱温度は
130〜250℃の範囲において、樹脂材8及び金属粉
末9に不具合の生じない温度を適宜選ぶようにした。ま
た加熱時間は10〜30秒程度とした。このような成形
方法によれば、厚さ3mm〜1mm程度の加熱硬化体を
得ることができる。
填圧力を4〜6kgf/cm2 とし、この加圧充填に3
〜7秒間をかけた。また、加熱成形型12の加熱温度は
130〜250℃の範囲において、樹脂材8及び金属粉
末9に不具合の生じない温度を適宜選ぶようにした。ま
た加熱時間は10〜30秒程度とした。このような成形
方法によれば、厚さ3mm〜1mm程度の加熱硬化体を
得ることができる。
【0020】ところで、上記加熱硬化体は、金属粉末9
相互が樹脂材8によって結合された状態となっている
が、この樹脂材8には、加熱によって多数の空隙が生じ
た状態になっている(加熱硬化体全体として見ればポー
ラス構造となっている)。そこで、次に行う樹脂含浸工
程では、図4に示すように上記加熱硬化体18を、液体
とされた接着用樹脂材20中へドブ漬けする。これによ
り、加熱硬化体18中に生じた上記空隙に接着用樹脂材
20が充填された状態となる。この接着用樹脂材20が
硬化すれば、目的とする高透磁率成形体を得ることがで
きる。
相互が樹脂材8によって結合された状態となっている
が、この樹脂材8には、加熱によって多数の空隙が生じ
た状態になっている(加熱硬化体全体として見ればポー
ラス構造となっている)。そこで、次に行う樹脂含浸工
程では、図4に示すように上記加熱硬化体18を、液体
とされた接着用樹脂材20中へドブ漬けする。これによ
り、加熱硬化体18中に生じた上記空隙に接着用樹脂材
20が充填された状態となる。この接着用樹脂材20が
硬化すれば、目的とする高透磁率成形体を得ることがで
きる。
【0021】この接着用樹脂材20についても、前記し
た樹脂材8や金属粉末9との馴染み、硬化後の機械的強
度等において優れたものであれば、その材質は特に限定
されない。例えば不飽和ポリエステル樹脂等を使用可能
である。使用時の状態は、加熱又はアルコール等による
溶解によって液体状とされたものである。なお、上記の
ようなドブ漬けに代え、加熱硬化体18の表面から接着
用樹脂材20を刷毛塗りしたり、又はスプレー掛けした
りするようにしてもよい。
た樹脂材8や金属粉末9との馴染み、硬化後の機械的強
度等において優れたものであれば、その材質は特に限定
されない。例えば不飽和ポリエステル樹脂等を使用可能
である。使用時の状態は、加熱又はアルコール等による
溶解によって液体状とされたものである。なお、上記の
ようなドブ漬けに代え、加熱硬化体18の表面から接着
用樹脂材20を刷毛塗りしたり、又はスプレー掛けした
りするようにしてもよい。
【0022】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はない。例えば、成形及び加熱硬化工程(図3参照)で
は、成形と加熱硬化とを分離して行うようにしてもよ
い。また、成形方法としては、高透磁率成形体1として
所望される形状に応じて適宜変更可能(例えばプレス成
形等が採用可能である)である。
はない。例えば、成形及び加熱硬化工程(図3参照)で
は、成形と加熱硬化とを分離して行うようにしてもよ
い。また、成形方法としては、高透磁率成形体1として
所望される形状に応じて適宜変更可能(例えばプレス成
形等が採用可能である)である。
【0023】
【発明の効果】本発明は、上述の構成を具備するもので
あって、樹脂材と高透磁率特性を有した金属粉末とを混
合攪拌して、金属粉末まわりに樹脂材が被着した成形粉
末材料を得、この成形粉末材料を所望形状に成形し、加
熱硬化させるようにしているので、金属粉末に対し、樹
脂材が繋ぎ材となって所望形状への成形を可能にし、ま
た、磁気シールド体等として使用する場合に必要とされ
る微厚な板形状への成形をも可能とするものである。
あって、樹脂材と高透磁率特性を有した金属粉末とを混
合攪拌して、金属粉末まわりに樹脂材が被着した成形粉
末材料を得、この成形粉末材料を所望形状に成形し、加
熱硬化させるようにしているので、金属粉末に対し、樹
脂材が繋ぎ材となって所望形状への成形を可能にし、ま
た、磁気シールド体等として使用する場合に必要とされ
る微厚な板形状への成形をも可能とするものである。
【0024】また、加熱後の加熱硬化体に接着用樹脂材
を含浸させることで、樹脂材(金属粉末相互間)に生じ
た空隙に接着用樹脂材を充填させているので、得られた
高透磁率成形体は、接着用樹脂材によって金属粉末相互
間の結合強度が高められ、成形状態下での機械的強度に
優れたものとなっている。従って例えば、ペン入力装置
の磁気シールド体等として使用する高透磁率成形体を製
造した場合、この高透磁率成形体は、高透磁率特性に優
れ、高強度、軽量、薄肉という必要条件を具備するもの
であり、且つ孔加工等の後加工を容易に施すことができ
るものとなる。また、この高透磁率成形体では、後加工
を施した場合でも高透磁率が低下するというような悪影
響がでることはない。そのため、ペン入力装置の筐体と
して、わざわざ高透磁率成形体との係合構造等を採用す
る必要がなく、構造の複雑化及び製造コストの高騰化等
を防止できるものである。
を含浸させることで、樹脂材(金属粉末相互間)に生じ
た空隙に接着用樹脂材を充填させているので、得られた
高透磁率成形体は、接着用樹脂材によって金属粉末相互
間の結合強度が高められ、成形状態下での機械的強度に
優れたものとなっている。従って例えば、ペン入力装置
の磁気シールド体等として使用する高透磁率成形体を製
造した場合、この高透磁率成形体は、高透磁率特性に優
れ、高強度、軽量、薄肉という必要条件を具備するもの
であり、且つ孔加工等の後加工を容易に施すことができ
るものとなる。また、この高透磁率成形体では、後加工
を施した場合でも高透磁率が低下するというような悪影
響がでることはない。そのため、ペン入力装置の筐体と
して、わざわざ高透磁率成形体との係合構造等を採用す
る必要がなく、構造の複雑化及び製造コストの高騰化等
を防止できるものである。
【0025】また、使用する樹脂材や金属粉末によって
は、従来のパーマロイに比して低廉化を図ることができ
る利点がある。なお、前記成形粉末材料の成形に加熱成
形型を用いる場合であって、加熱成形型へ成形粉末材料
を充填した後、該加熱成形型を加熱させるようにすれ
ば、加熱成形型に対する成形粉末材料の充填が確実に行
えるので、成形及び加熱硬化において失敗がなく、歩留
りを向上させることができる。
は、従来のパーマロイに比して低廉化を図ることができ
る利点がある。なお、前記成形粉末材料の成形に加熱成
形型を用いる場合であって、加熱成形型へ成形粉末材料
を充填した後、該加熱成形型を加熱させるようにすれ
ば、加熱成形型に対する成形粉末材料の充填が確実に行
えるので、成形及び加熱硬化において失敗がなく、歩留
りを向上させることができる。
【図1】本発明に係る高透磁率成形体の製造方法におけ
る混合攪拌工程を示す図である。
る混合攪拌工程を示す図である。
【図2】成形粉末材料を示す拡大図である。
【図3】本発明に係る高透磁率成形体の製造方法におけ
る成形及び加熱硬化工程を示す図である。
る成形及び加熱硬化工程を示す図である。
【図4】本発明に係る高透磁率成形体の製造方法におけ
る樹脂含浸工程を示す図である。
る樹脂含浸工程を示す図である。
3 混合攪拌機 8 樹脂材 9 金属粉末 10 成形粉末材料 12 加熱成形型 18 加熱硬化体 20 接着用樹脂材
Claims (3)
- 【請求項1】 高透磁率特性を有した金属粉末(9)が
加熱硬化された樹脂材(8)によって結合されていると
共に、該樹脂材(8)に生じた空隙が接着用樹脂材(2
0)によって充填されていることを特徴とする高透磁率
成形体。 - 【請求項2】 樹脂材(8)と高透磁率特性を有した金
属粉末(9)とを攪拌混合して、金属粉末(9)まわり
に樹脂材(8)が被着した成形粉末材料(10)を得、
該成形粉末材料(10)を適宜成形方法によって所望形
状に成形すると共に、成形後の加熱によって加熱硬化体
(18)を得、該加熱硬化体(18)に対して液体状の
接着用樹脂材(20)を含浸させることを特徴とする高
透磁率成形体の製造方法。 - 【請求項3】 前記成形粉末材料(10)の成形に加熱
成形型(12)を用いる場合にあって、加熱成形型(1
2)へ成形粉末材料(10)を充填した後、該加熱成形
型(12)を加熱させるようにすることを特徴とする請
求項2記載の高透磁率成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10764295A JPH08306520A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 高透磁率成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10764295A JPH08306520A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 高透磁率成形体及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08306520A true JPH08306520A (ja) | 1996-11-22 |
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ID=14464377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10764295A Pending JPH08306520A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 高透磁率成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH08306520A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010095496A1 (ja) * | 2009-02-20 | 2010-08-26 | アルプス・グリーンデバイス株式会社 | 圧粉コア |
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US8475922B2 (en) | 2010-03-05 | 2013-07-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nanoparticle composite material and antenna device and electromagnetic wave absorber using the same |
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-
1995
- 1995-05-01 JP JP10764295A patent/JPH08306520A/ja active Pending
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