JPH08134504A - 粉末硬化による精密部品の製造方法 - Google Patents

粉末硬化による精密部品の製造方法

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JPH08134504A
JPH08134504A JP6293784A JP29378494A JPH08134504A JP H08134504 A JPH08134504 A JP H08134504A JP 6293784 A JP6293784 A JP 6293784A JP 29378494 A JP29378494 A JP 29378494A JP H08134504 A JPH08134504 A JP H08134504A
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adhesive
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precision
molding
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JP6293784A
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English (en)
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Ichiro Sogaishi
一郎 曽我石
Atsushi Tawada
敦 多和田
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Janome Corp
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Janome Sewing Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】あらゆる種類の金属及び/又はセラミツク粉末
を用いて精密部品を製造する方法。 【構成】ステンレス、チタン、セラミツク等難削性材料
を含めたあらゆる種類の素材粉末に熱硬化型粉体接着剤
を混合した原料粉末1を密閉箱5中に配備したシリコン
ゴム型12で圧搾空気での加圧に基づいて静水圧成形し
てブロツク状粉末成形体2を形成し、このブロツク状粉
末成形体を接着剤の溶融温度に加熱した後冷却して粉末
固化素材ブロツク3を形成し、この粉末固化素材ブロツ
クをCAD設計データ等に基づいて三次元加工機17で
機械加工して粉末固化精密部品18を形成した後接着剤
の硬化温度に加熱して接着剤を硬化させ、粉末硬化精密
部品19を得る。 【効果】切削加工できない材料を含めてあらゆる種類の
金属及び/又はセラミツク材料を利用して、精度、耐久
性に優れる合成樹脂成形用の型のような精密部品を短期
間に低コストで作れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属又はセラミツク粉
末或いは金属とセラミツクとの混合粉末等から成る素材
粉末から部品を製造する方法に係り、特に素材粉末を硬
化させた合成樹脂成形用の型或いは治具等の精密な部品
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来合成樹脂成形用の型或いは治具等の
形状が複雑で精密な部品はブロツク状の素材を機械加工
することにより製造されていた。
【0003】しかしながら、このように素材ブロツクを
機械加工して精密部品を製造するには素材は切削性の良
い材料しか利用できず、ステンレス、タングステン、チ
タン、超硬等の金属或いはセラミツクといった切削加工
の難しい材料から精密部品を製造することはできなかっ
た。
【0004】従来は、このように切削加工の難しい材料
から部品を製造するには、金属又はセラミツク粉末並び
に金属とセラミツクとの混合粉末等の部品を製造しよう
とする素材粉末を原料粉末として造形し、この造形体を
焼結して部品とする焼結法が広く利用されている。
【0005】粉末焼結品を製造する方法は、金型に充填
された原料粉末を高圧でプレス成形してまず圧粉成形体
を形成し、次いで、この圧粉成形体を焼結炉に入れて所
定の温度で加熱して焼結させて粉末焼結製品とする、い
わゆる圧粉成形を利用して造形する方法が用いられてい
た。
【0006】しかしながら圧粉成形により造形する場合
は、成形方向が2方向であるので成形できる製品形状が
制約され、極めて単純な形状の製品しか製造できず、勿
論圧粉成形体は機械加工できるような強度は持っておら
ず、また焼結品は切削性が悪くこれを機械加工すること
は難しいので、精密で複雑な形状したを成形用の型或い
は治具等を製造することはできなかった。
【0007】また近年、金属及び/又はセラミツク粉末
の焼結製品を得る技術として、粒径10μm以下程度の
素材微粉末に熱可塑性合成樹脂やワツクス等の熱可塑性
のバインダ−を配合し原料粉末とし、この原料粉末を熱
可塑性合成樹脂の成形と同様に射出成形により成形し、
次いで、この射出成形品を加熱してバインダ−を溶融、
分解して除去した後焼結して焼結製品とする、金属粉末
射出成形法いわゆるMIM法が開発された。
【0008】MIM法によると、原料粉末の成形が射出
成形によつて行われるので、圧粉成形の場合と異なっ
て、どのように複雑な形状の製品でも精度良く容易に成
形できるようになつた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなMIM法を利用しても精密粉末焼結品を製造す
るのに、製品の精度、コスト等、多くの問題があった。
【0010】MIM法で素材粉末を熱可塑性バインター
と共に射出成形するには成形時の流動性を良くするため
にこの熱可塑性バインダーの配合量を素材粉末に対して
重量として10%程度、容量としては50%以上と多量
に配合する必要があり、焼結の前にこの多量の熱可塑性
バインダーを成形品から脱脂により取り除くので、変
形、引け、そり、割れ、巣等の各種の欠陥が焼結品に生
じ易い。
【0011】このため、成形用の金型の設計に様々な工
夫をしたり、脱脂には100時間程度と非常に長い時間
を掛けたりして、前記したような欠陥が生じるのを少し
でも防ごうとしているが、前記したような欠陥を完全に
防ぐのは極めて難しい。
【0012】また焼結品すなわちシルバーボデイを機械
加工して欠陥を修正し精密な製品に仕上げようとの試み
もあるが、これには様々な問題があってし実際上不可能
であった。
【0013】すなわち、シルバーボデイはすでに製品形
状をしているので機械に取り付けるためのチャツク部分
がなかったり、加工の基準面を作ったりするのが難し
く、さらにステンレス、タングステン、チタン、超硬の
ような金属やセラミツク等の材料は切削が難しく全く機
械加工できないからである。
【0014】またこのようにシルバーボデイの機械加工
が難しいので、射出成形品すなわちグリーンボデイの段
階や脱脂品すなわちブラウンボデイの段階で機械加工す
ることも考えられる。
【0015】グリーンボデイは前記したように熱可塑性
バインダーが多量に含まれているので機械加工にの際に
加工面がむしれてしまって精密な加工ができず、さらに
前記したように脱脂の際にさらに変形してしまったりす
るので、単なる穴空け加工程度ならともかく表面形状を
定めるような精密加工は無理でり、またブラウンボデイ
はバインダーが脱脂により取り除かれてしまっていて強
度が極めて弱いので機械加工はできない。
【0016】したがつてMIM法によって成形用の型或
いは治具といった形状が複雑で真に精密度が要求される
部品を製造するのは非常に難しく、特に素材粉末が、ス
テンレス、タングステン、チタン、超硬のような金属や
セラミツク等の切削の難しい材料の場合には成形用の型
或いは治具を製造することは全く不可能であった。
【0017】さらに、MIM法の場合は原料粉末の成形
のために極めて精密に加工した高価な金型を利用しなけ
ればならず、成形用の型或いは治具のように製造しよう
とする部品が単品であったり多品種少量生産の場合には
金型費により製品のコストが非常に高くなってしまう。
【0018】またMIM法の場合も焼結法であるので粉
末の成形品を脱脂し、その後焼結するには多量の燃費を
必要とし、これによっても製造コストが高くなる。
【0019】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、極めて容易にしかも低コストで、タングステン、
チタン、超硬、セラミツク等の難削性材料を含めてあら
ゆる粉末で成形用の型或いは治具といった精密部品を製
造できるようにすることを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
及び/又はセラミツク粉末から成る素材粉末に熱硬化型
粉体接着剤を混合した原料粉末を形成する工程、この原
料粉末を加圧成形し素材形状の粉末成形体を形成する工
程、及びこの素材形状の粉末成形体を接着剤の溶融温度
に加熱する接着剤加熱溶融処理により固化させ粉末固化
素材を形成する工程、この粉末固化素材を成形用型或い
は治具等の精密部品に機械加工し粉末固化精密機械加工
部品を形成する工程、及びこの粉末固化精密機械加工部
品を硬化温度に加熱して粉末硬化精密部品を形成する工
程より成ることを第1の請求項とし、第1の請求項にお
いて、焼結性粉末が平均粒径30ミクロン以下の微粉末
であることを第2の請求項とし、第1及び第2の請求項
において、熱硬化型粉体接着剤の配合量が原料粉末に対
して5〜20容量%であることを第3の請求項とし、第
1〜第3の請求項において、粉体接着剤が平均粒径10
ミクロン以下の微粉末であることを第4の請求項とする
粉末硬化による精密部品の製造方法である。
【0021】
【発明の作用】本発明は以上のように構成され、まず素
材としての金属又はセラミツクを粉末として利用し、こ
の粉末相互を熱硬化型の粉体接着剤で結合してで硬化さ
せ部品とするので、製造しようとする成形用型或いは治
具のような精密部品に要求される特性を持った素材を自
由に選択し利用できる。
【0022】すなわち素材の原料は、粉末であるので、
金属又はセラミツクの単体粉末として利用できることは
勿論金属同志又はセラミツク同志さらには金属とセラミ
ツクとを混合した混合粉末も自由に利用できるので、様
々な特性の粉末の中から製造しようとする成形用型或い
は治具のような精密部品にとって最適の特性が得られる
粉末を選び出し、これを素材粉末として利用できる。
【0023】しかもこの精密部品を形成するための素材
粉末は、従来の焼結法の場合のように、焼結炉に入れる
のに取り扱えるよう粉末相互がある程度の強度で結合し
た成形体を得るため高圧力で成形する必要はなく、粉末
相互を粉体接着剤が溶融した後冷却した際に生ずる結合
力で結合させて成形体を形成すれば良いので、成形には
原料粉末を型に倣ってブロツク状に成形するのに十分な
だけの低圧で成形できる。
【0024】このため成形装置が簡便なものになること
勿論、型も短時間に低コストで製作できる低融点合金の
鋳造型、金属粉入り樹脂型、シリコーンゴム型のような
簡易型も利用できるようになる。
【0025】又原料粉末の成形法としては加圧成形を利
用しているので、粉体接着剤は、バインダーの流動性を
利用して射出成形するMIM法の場合のように、原料粉
末中に多量に配合する必要もなく、溶融固化により粉末
相互を適度の強度で結合させ粉末固化素材を形成し、さ
らに硬化により粉末相互の結合力を強め粉末硬化精密部
品を形成するのに適した量だけ配合すれば良くなる。
【0026】これにより、加工機への取付けに支障がな
く、しかも機械加工に際して加工面が強度不足のために
崩れたりすることがないことは勿論、接着剤が工具に融
着してむしれ加工面が荒れたりするようなこともなく円
滑に切削できるような強度、すなわち機械加工に適した
強度の粉末固化素材が得られるようになる。
【0027】以上のように機械加工に適した強度の粉末
固化素材が得られるので、この素材を用いてCAD設計
のデータを基にしたり、或いは製造しようとする精密部
品の模型を三次元測定器で測定したデータを基にしたり
して作られた三次元加工データにより三次元加工機で加
工すれば容易に粉末固化精密部品が得られる。
【0028】このようにして得られた粉末固化精密部品
は機械加工が容易にできるように接着剤を配合量を調節
すると同時に未硬化の状態にしてあるので、このままで
は成形用の型或いは治具のような精密部品として利用で
きる強度となっていないが、この熱硬化型の接着剤が未
硬化の状態の粉末固化精密部品を加熱して接着剤を熱硬
化させれば適当な強度を持った粉末硬化精密部品とな
る。
【0029】以上のようにして粉末硬化精密部品を製造
するに当たり、素材粉末を平均粒径30ミクロン以下の
微粉末とすると高密度で表面が平滑な部品が得られるよ
うになる。
【0030】また接着剤の配合量は、これが少な過ぎる
と、接着剤が溶融固化して形成した粉末固化素材の強度
が弱過ぎて機械加工を円滑に行えず、同時に硬化させて
も強度の強い粉末硬化精密部品は得られなくなる。
【0031】逆に接着剤の配合量が多すぎると、粉末固
化素材の強度が強すぎて機械加工しにくくなるなると同
時に、MIM法の場合と同様に、接着剤が工具に融着し
てむしれ加工面が荒れてしまったりして機械加工性が悪
くなる。
【0032】これに対して、接着剤の配合量を素材粉末
に対して5〜20容量%とすると、接着剤が溶融固化し
た際に機械加工に適した粉末固化素材を形成し、同時に
硬化した際には、適当な強度の粉末硬化精密部品を形成
できるようになり好都合である。
【0033】さらに、粉体接着剤を平均粒径を10ミク
ロン以下の微粉末とすると、この接着剤の素材粉末に対
する配合量が少ない量でも均一に混合して、均一な強度
の粉末固化素材及び粉末硬化精密機械部品が形成でき
る。
【0034】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。
【0035】本発明の粉末硬化精密部品の製造法法は図
1の製造工程表に示す通りであり、まず精密部品製造用
の素材粉末と熱硬化型粉体接着剤とを準備する。
【0036】素材粉末は、合成樹脂成形用の型或いは治
具のような精密部品の製造には、ステンレス、チタン、
タングステン等の金属やアルミナ、ジルコニア、窒化ケ
イ素のようなセラミツク等の従来の切削加工には利用で
きなかった材料、又は鉄、アルミニウム、銅等の従来切
削加工に利用されている材料のいずれから選んでも良
く、製造しようとする精密部品に合った特性を持つ素材
の30ミクロン以下の微粉末を利用する。
【0037】熱硬化型の粉体接着剤としては溶融温度が
80〜100℃程度で、硬化温度が150〜180℃程
度の溶融温度と硬化温度とに大きな差のあるエポキシ系
やアクリル系で平均粒径1ミクロン以下の微粉末の粉体
接着剤を利用する。
【0038】まず本発明で利用する接着剤は溶融温度が
重要であり、溶融温度があまり高いと、接着剤を溶融さ
せて粉末相互を結合させ粉末固化素材を形成するのが容
易でなくなると同時に硬化温度に近づいてしまって粉末
固化の処理の際に硬化が進んでしまい、また溶融温度が
あまり低いと、原料粉末が保存している際に固化してし
まい成形材料として利用できなくなってしまう恐れがあ
るので、前記したように80〜100℃程度とするのが
適当である。
【0039】次に本発明で利用するには接着剤の硬化温
度も重要であり、硬化温度は、あまり高いと硬化処理が
大変になり、低すぎると原料粉末が多少高温のところに
保存された場合に保存中に接着剤が硬化して原料粉末が
固まってしまって成形用の材料として利用できなくな
り、また前記したように溶融温度に近づくので粉末固化
のために溶融した際に硬化が進んでしまって後の機械加
工性が悪くなってしまう恐れがある。
【0040】硬化温度を150〜180℃程度とする
と、溶融温度からかなり離れ溶融固化の際に硬化が進む
心配がなくなり、またこの程度の温度なら硬化処理も円
滑に行える。
【0041】このような溶融温度と硬化温度とを持った
熱硬化型粉体接着剤は、ベースとなるエポキシ樹脂或い
はアクリル樹脂の融点とこれに配合する硬化剤とを適当
に選び、両者を混練した後機械的に粉砕したり、吹付け
乾燥によって粉末化すれば容易に10ミクロン以下の微
粉末が得られる。
【0042】第1工程では次のような配合例で素材粉末
と接着剤とを混合して原料粉末1をまず形成する。 配合例1 素材粉末 平均粒径8ミクロン SUS316L粉末 100重量部 粉体接着剤 平均粒径5ミクロン エポキシ系接着剤 2 〃 配合例2 素材粉末 平均粒径15ミクロン チタン粉末 100重量部 粉体接着剤 平均粒径10ミクロン アクリル系接着剤 3 〃 配合例3 素材粉末 平均粒径1ミクロン ジルコニア粉末 100重量部 粉体接着剤 平均粒径1ミクロン エポキシ系接着剤 2 〃
【0043】このような配合の原料粉末を形成するに
は、単に両粉末を所定量づつ均一に混合するだけでも良
いが、常法にしたがって素材粉末表面に接着剤をコーテ
ングした状態にし、この接着剤を表面コーテングした素
材粉末を単独で原料粉末とするか、或いは接着剤をコー
テングしない素材粉末に適当量混合して原料粉末とする
と、接着剤が原料粉末中に一層均一に配合されるように
なって好ましい。
【0044】このような原料粉末を形成するに当たって
は、素材粉末の粒径と、この原料粉末における接着剤の
配合量を、粉末固化素材が必要強度を維持ししかも機械
加工性に優れ、さらに所定の強度の精密部品が得られる
よう検討する必要がある。
【0045】素材粉末の粒径は直接形成される粉末硬化
部品の密度に影響し、合成樹脂成形用の型或いは治具等
の精密部品を作るために密度が高くするためには素材粉
末は細かなものであることが必要で、平均粒径は30ミ
クロン以下であることが好ましい。
【0046】また接着剤の配合量は、少なければ当然の
ことながら溶融固化した際及び硬化した際に粉末相互を
それほど強く結合できないので、機械加工に適した強度
の粉末固化素材及び適当な強度の粉末固化精密部品が得
られない。
【0047】逆に接着剤の配合量が多すぎると、溶融固
化した際の粉末相互の結合力が強くなり粉末固化素材の
強度が強すぎ加工しにくく、同時にバインダーの配合量
の多いMIM法の場合と同様に、接着剤が加工用の工具
に融着してむしれて加工面が荒れてしまったりして機械
加工性が悪くなる。
【0048】このようなことを考慮すると、接着剤の配
合量は、機械加工性からは素材粉末に対して容量で20
%以下ととすることが好ましく、一方粉末固化素材及び
粉末硬化精密部品の強度からは素材粉末に対して容量で
5%以上とすることが好ましく、前記配合例では8〜1
3%程度である。
【0049】第2工程では前記したようにして形成した
原料粉末1をブロツク形状のキヤビテイを持つ型に充填
し、第3工程でプレス成形或いは静水圧成形等の加圧成
形によって成形しブロツク状粉末成形体2を形成する。
【0050】すなわち原料粉末1は、上下パンチ、ダイ
より構成されるフローテイング方式の金型で1平方セン
チメートル当たり1乃至2tonの圧力で冷間プレス成
形するか、或いは1平方センチメートル当たり5Kg程
度の圧力の圧搾空気での静水圧成形する。
【0051】このような加圧成形により形成されたブロ
ツク状粉末成形体2は、第4工程として接着剤の加熱溶
融処理を、接着剤の融点に応じて80〜100℃の温度
で約10分加熱し、その後常温まで冷却して行う。
【0052】この接着剤の加熱溶融処理により、ブロツ
ク状粉末成形体2は粉末相互が溶融した接着剤で結合さ
れて固化し、型から取り出して機械加工するのに十分な
強度の粉末固化素材ブロツク3が得られる。
【0053】精密部品を機械加工するための粉末固化素
材ブロツク3は前記したような製造工程により製造され
るが、図2及び図3に示すように、粉末固化素材製造装
置4を利用すると、原料粉末の静水成形と成形体の接着
剤を加熱溶融させて粉末固化素材ブロツクの形成と一つ
の装置でできて、製造が容易である。
【0054】5は、上面の開口を開閉自在にする上蓋6
を持つ密閉箱5であり、この密閉箱5の側面には図示し
ないコンプレツサーに接続する圧搾空気管7が配管され
ている。
【0055】8は密閉箱5の底面上に配備された振動発
生装置であり、この振動発生装置8は、振動発生機11
を裏面に取り付けた振動板9を密閉箱1の底面上に垂直
に立てた弾性支持体10で支持して構成となっており、
さらに振動板9の上にはヒータ15を埋設した加熱枠1
4が載せられている。
【0056】以上のように構成される粉末固化素材製造
装置4を用いて粉末固化素材ブロツク3を形成するに
は、図2に示すように、まず密閉箱5の上蓋6を開けて
ブロツク状のキヤビテイ13が形成された型12を加熱
枠14の中に収めつつ振動板9の上に設置し、続いて型
12の上に原料粉末供給シリンダ16をセツトしキヤビ
テイ13の中に原料粉末1を所定の圧力で供給し充填す
る。
【0057】以上のようにして型12のキヤビテイ13
の中に原料粉末1が充填されたなら、次は図3に示すよ
うに、密閉箱5の上蓋6を閉じ、型12を振動装置8を
作動して振動させ、同時に圧搾空気供給管7から1平方
センチメートル当たり5Kg程度の圧力の圧搾空気を送
って5〜10分間加圧して静水圧成形する。
【0058】以上のような成形により型12のキヤビテ
イ13の中にはブロツク状の粉末成形体2がまず形成さ
れることになるが、そのままで、振動発生装置8の作動
と圧搾空気供給管7からの圧搾空気の供給とを止め、次
の接着剤の加熱溶融処理の工程に移る。
【0059】接着剤の加熱溶融処理は、型12の中のブ
ロツク状粉末成形体2を加熱枠14のヒータ15に通電
し80〜100℃程度に約10分加熱し、その後ヒータ
15への通電を止めて冷却させて行う。
【0060】この接着剤の加熱溶融処理により、ブロツ
ク状の粉末成形体2は、中に配合されている粉体接着剤
が加熱により溶融されその後の冷却により固化されるも
のの未だ硬化していないので適度の強度で粉末相互が結
合された固化素材ブロツク3となる。
【0061】以上のように粉末固化素材製造装置4を利
用しての静水圧成形と接着剤加熱溶融処理とにより粉末
固化素材ブロツク3を形成する際に利用する型12は、
成形に際して1平方センチメートル当たり5Kg程度の
圧力と接着剤の加熱溶融処理の際の100℃程度の温度
には十分耐えるならどのような型でも良いので、例えば
シリコーンゴム型のような簡易型を利用すると型が短時
間に低コストで作れるので好ましい。
【0062】このようにして粉末固化素材ブロツク3が
得られたなら、次に第5工程として製造しようとする精
密部品の形状に機械加工をする。
【0063】この機械加工は粉末固化素材ブロツク3が
非常に機械加工性に優れているので如何なる方法で行っ
ても良いが、CAD設計データ或いは製品模型の形状を
三次元測定により精密に寸法測定した測定データに基づ
いて作成した加工データによりコンピユータ制御の三次
元加工機17を用いて機械加工すると、容易に粉末固化
精密部品18を形成できる。
【0064】この場合接着剤が適量配合されることによ
り、粉末固化素材ブロツク3は、加工機に取り付けるた
めのチヤツキングに十分耐えると同時に加工性が極めて
優れ機械加工に適した強度となっているので、小型で剛
性が低く比較的安価な加工機を利用して、加工面が素材
が崩れたり或いはむしれたりしないで良好な状態で機械
加工される。
【0065】なお機械加工するための粉末固化素材は前
記実施例ではブロツク状としているが、この形状は加圧
成形により定められるものであるので、必要に応じて製
品模型を型取りしたシリコーンゴム型を利用して成形し
て製品にほぼ近い形状にしておき、機械加工では仕上げ
加工だけを行うようにすることも可能である。
【0066】粉末固化素材ブロツク3の機械加工により
形成された粉末固化精密部品18には、次に第6工程と
して適当な加熱炉で150〜180℃の硬化温度で20
〜30分加熱する接着剤の硬化処理が施され、これによ
り接着剤の溶融固化により結合していた素材粉末は強固
に結合され、所定の強度の粉末硬化精密部品19とな
る。
【0067】
【発明の効果】本発明は以上のような構成及び作用のも
のであり、まずステンレス、チタン、セラミツクといっ
た切削加工が難しい材料で、成形用の型或いは治具のよ
うな形状が複雑でしかも高い寸法精度が要求されるので
従来の焼結法では作れない精密部品を安くしかも容易に
作れるようになった。
【0068】また鉄、銅、アルミニウム等の切削加工が
できる材料を利用する場合でも、金属素材ブロツクから
機械加工するよりも粉末固化素材ブロツクから加工する
ほうがはるかに加工性が良く、小型で剛性が低く比較的
安価な加工機を利用でき有利であり、その上、前記した
ように粉末固化素材を製品の形状に近づけておけば加工
量も少なくて済む。
【0069】さらに、金属やセラミツクの粉末を硬化剤
で硬化させて精密部品を製造する方法として粉末入り注
型用樹脂を利用する方法があるが、この方法と比べても
本発明のほうがはるかにすぐれた精密部品の製造方法で
ある。
【0070】すなわち、粉末入り注型樹脂は、液状のエ
ポキシ樹脂に鉄、銅、アルミニウム等の金属粉末や、カ
ーボン粉末を重量で30〜50%程度入れたもので、こ
れを製品形状の型に注入し硬化させて精密部品を製造す
る。
【0071】このように部品を製造するのに注型法を利
用するので粉末入り注型樹脂は流動性が良くなければな
らないので、前記したように粉末の配合量は重量で最大
50%程度、容量にすると25%程度にしかならず、部
品は殆ど樹脂で作られていることになる。
【0072】粉末入り樹脂で注型法により製造された精
密部品は、樹脂が硬化する際に収縮するのでどうしても
寸法精度が劣るが、前記したように樹脂量が多いので機
械加工すると加工面がむしれてしまったりして精度の良
い仕上げ加工ができない。
【0073】また精密部品中の樹脂の配合量が多いと、
熱伝導性が劣り、また耐熱性にも劣り、例えば合成樹脂
の成形用の型を作った場合を比べるとはるかに本発明の
製造方法で作った場合の方が耐久性が良い。
【0074】すなわち、配合例1のステンレスを粉末素
材とし本発明の方法で製造した型と従来の銅粉末入り樹
脂型との性能を比較すると、熱伝導率は、単位をcal
/cm・sec℃として、本発明型が0.052である
のに対して従来型は0.0013とはるかに悪く、1平
方センチメートル当たりの引張強さは、本発明型が72
0kgであるのに対して従来型は450kgとはるかに
劣った。
【0075】したがってこの型を利用して実際に合成樹
脂の成形をした場合、本発明型は50秒の成形サイクル
で500個の成形ができたのに対して、従来型は300
秒の成形サイクルで30個の成形ができたのに過ぎず、
本発明型の方が成形の作業性、耐久性共にはるかに優れ
ていた。
【0076】以上のように本発明によると、合成樹脂成
形用の型或いは治具のような精密部品を精度が良くて耐
久性に優れ、しかも短い製作時間で安いコストで製造で
きるようになり、製品の試作、或いは多品種少量生産に
大きな効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 精密部品製造工程表、
【図2】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末成
形体製造状態)、
【図3】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末固
化素材製造状態)、
【符号の簡単な説明】
1 素材粉末 2 ブロツク状粉末成形体 3 粉末固化素材ブロツク 4 粉末固化素材成形装置 5 密閉箱 7 圧搾空気供給管 12 型 14 加熱枠 17 三次元加工機 18 粉末固化精密部品 19 粉末硬化精密部品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属及び/又はセラミツク粉末から成る素
    材粉末に熱硬化型粉体接着剤を混合した原料粉末を形成
    する工程、この原料粉末を加圧成形し素材形状の粉末成
    形体を形成する工程、及びこの素材形状の粉末成形体を
    接着剤の溶融温度に加熱する接着剤加熱溶融処理により
    固化させ粉末固化素材を形成する工程、この粉末固化素
    材を成形用型或いは治具等の精密部品に機械加工し粉末
    固化精密機械加工部品を形成する工程、及びこの粉末固
    化精密機械加工部品を硬化温度に加熱して粉末硬化精密
    部品を形成する工程より成ることを特徴とする粉末硬化
    による精密部品の製造方法。
  2. 【請求項2】焼結性粉末が平均粒径30ミクロン以下の
    微粉末であることを特徴とする請求項1記載の粉末硬化
    による精密部品の製造方法。
  3. 【請求項3】熱硬化型粉体接着剤の配合量が原料粉末に
    対して5〜20容量%であることを特徴とする請求項1
    及び2記載の粉末硬化による精密部品の製造方法。
  4. 【請求項4】熱硬化型粉体接着剤が平均粒径10ミクロ
    ン以下の微粉末であることを特徴とする請求項1〜3記
    載の粉末硬化による精密部品の製造方法。
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