JPH08127802A - 粉末硬化による精密部品の製造方法 - Google Patents

粉末硬化による精密部品の製造方法

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JPH08127802A
JPH08127802A JP28756994A JP28756994A JPH08127802A JP H08127802 A JPH08127802 A JP H08127802A JP 28756994 A JP28756994 A JP 28756994A JP 28756994 A JP28756994 A JP 28756994A JP H08127802 A JPH08127802 A JP H08127802A
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powder
precision
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mold
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JP28756994A
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Ichiro Sogaishi
一郎 曽我石
Noboru Matsunaga
昇 松永
Atsushi Tawada
敦 多和田
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Janome Corp
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Janome Sewing Machine Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/02Dies; Inserts therefor; Mounting thereof; Moulds
    • B30B15/022Moulds for compacting material in powder, granular of pasta form
    • B30B15/024Moulds for compacting material in powder, granular of pasta form using elastic mould parts

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Abstract

(57)【要約】 【目的】あらゆる種類の金属及び/又はセラミツク粉末
を用いて精密部品を製造する方法。 【構成】ステンレス、チタン、セラミツク等難削性材料
を含めた素材粉末にバインダー水溶液を混合した原料粉
末1を密閉箱5中に配備したシリコンゴム型13で圧搾
空気での加圧に基づいて静水圧成形してブロツク状粉末
成形体2を形成し、このブロツク状粉末成形体から真空
乾燥により水分を蒸発させて粉末固化素材ブロツク3を
形成し、この粉末固化素材ブロツクをCAD設計データ
等に基づいて三次元加工機18で機械加工して粉末固化
精密部品19を形成した後硬化剤を含浸させて硬化さ
せ、粉末硬化精密部品20を得る。 【効果】切削加工できない材料を含めてあらゆる種類の
金属及び/又はセラミツク材料を利用して、精度、耐久
性に優れる合成樹脂成形用の型のような精密部品を短期
間に低コストで作れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属又はセラミツク粉
末並びに金属とセラミツクとの混合粉末等から成る素材
粉末から部品を製造する方法に係り、特に素材粉末を硬
化させた合成樹脂成形用の型或いは治具等の精密な部品
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来合成樹脂成形用の型或いは治具等の
形状が複雑で精密な部品はブロツク状の素材を機械加工
することにより製造されていた。
【0003】しかしながら、このように素材ブロツクを
機械加工して精密部品を製造するには素材は切削性の良
い材料しか利用できず、ステンレス、タングステン、チ
タン、超硬等の金属或いはセラミツクといった切削加工
の難しい材料から精密部品を製造することはできなかっ
た。
【0004】従来は、このように切削加工の難しい材料
から部品を製造するには、金属又はセラミツク粉末並び
に金属とセラミツクとの混合粉末等の部品を製造しよう
とする素材粉末を原料粉末として造形し、この造形体を
焼結して部品とする焼結法が広く利用されている。
【0005】粉末焼結品を製造する方法は、金型に充填
された原料粉末を高圧でプレス成形してまず圧粉成形体
を形成し、次いで、この圧粉成形体を焼結炉に入れて所
定の温度で加熱して焼結させて粉末焼結製品とする、い
わゆる圧粉成形を利用して造形する方法が用いられてい
た。
【0006】しかしながら圧粉成形により造形する場合
は、成形方向が2方向であるので成形できる製品形状が
制約され、極めて単純な形状の製品しか製造できず、勿
論圧粉成形体は機械加工できるような強度は持っておら
ず、また焼結品は切削性が悪くこれを機械加工すること
は難しいので、精密で複雑な形状したを成形用の型或い
は治具等を製造することはできなかった。
【0007】また近年、金属及び/又はセラミツク粉末
の焼結製品を得る技術として、粒径10μm以下程度の
素材微粉末に熱可塑性合成樹脂やワツクス等の熱可塑性
のバインダ−を配合し原料粉末とし、この原料粉末を熱
可塑性合成樹脂の成形と同様に射出成形により成形し、
次いで、この射出成形品を加熱してバインダ−を溶融、
分解して除去した後焼結して焼結製品とする、金属粉末
射出成形法いわゆるMIM法が開発された。
【0008】MIM法によると、原料粉末の成形が射出
成形によつて行われるので、圧粉成形の場合と異なっ
て、どのように複雑な形状の製品でも精度良く容易に成
形できるようになつた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなMIM法を利用しても精密粉末焼結品を製造す
るのに、製品の精度、コスト等、多くの問題があった。
【0010】MIM法で素材粉末を熱可塑性バインター
と共に射出成形するには成形時の流動性を良くするため
にこの熱可塑性バインダーの配合量を素材粉末に対して
重量として10%程度、容量としては50%以上と多量
に配合する必要があり、焼結の前にこの多量の熱可塑性
バインダーを成形品から脱脂により取り除くので、変
形、引け、そり、割れ、巣等の各種の欠陥が焼結品に生
じ易い。
【0011】このため、成形用の金型の設計に様々な工
夫をしたり、脱脂には100時間程度と非常に長い時間
を掛けたりして、前記したような欠陥が生じるのを少し
でも防ごうとしているが、前記したような欠陥を完全に
防ぐのは極めて難しい。
【0012】また焼結品すなわちシルバーボデイを機械
加工して欠陥を修正し精密な製品に仕上げようとの試み
もあるが、これには様々な問題があってし実際上不可能
であった。
【0013】すなわち、シルバーボデイはすでに製品形
状をしているので機械に取り付けるためのチャツク部分
がなかったり、加工の基準面を作ったりするのが難し
く、さらにステンレス、タングステン、チタン、超硬の
ような金属やセラミツク等の材料は切削が難しく全く機
械加工できないからである。
【0014】またこのようにシルバーボデイの機械加工
が難しいので、射出成形品すなわちグリーンボデイの段
階や脱脂品すなわちブラウンボデイの段階で機械加工す
ることも考えられる。
【0015】グリーンボデイは前記したように熱可塑性
バインダーが多量に含まれているので機械加工にの際に
加工面がむしれてしまって精密な加工ができず、さらに
前記したように脱脂の際にさらに変形してしまったりす
るので、単なる穴空け加工程度ならともかく表面形状を
定めるような精密加工は無理でり、またブラウンボデイ
はバインダーが脱脂により取り除かれてしまっていて強
度が極めて弱いので機械加工はできない。
【0016】したがつてMIM法によって成形用の型或
いは治具といった形状が複雑で真に精密度が要求される
部品を製造するのは非常に難しく、特に素材粉末が、ス
テンレス、タングステン、チタン、超硬のような金属や
セラミツク等の切削の難しい材料の場合には成形用の型
或いは治具を製造することは全く不可能であった。
【0017】さらに、MIM法の場合は原料粉末の成形
のために極めて精密に加工した高価な金型を利用しなけ
ればならず、成形用の型或いは治具のように製造しよう
とする部品が単品であったり多品種少量生産の場合には
金型費により製品のコストが非常に高くなってしまう。
【0018】またMIM法の場合も焼結法であるので粉
末の成形品を脱脂し、その後焼結するには多量の燃費を
必要とし、これによっても製造コストが高くなる。
【0019】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、極めて容易にしかも低コストで、タングステン、
チタン、超硬、セラミツク等の難削性材料を含めてあら
ゆる粉末で成形用の型或いは治具といった精密部品を製
造できるようにすることを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
及び/又はセラミツク粉末から成る素材粉末にバインダ
ーを混合した原料粉末を形成する工程、この原料粉末を
加圧成形し素材形状の粉末成形体を形成する工程、及び
この素材形状の粉末成形体を固化処理により固化させ粉
末固化素材を形成する工程、この粉末固化素材を成形用
型或いは治具等の精密部品に機械加工し粉末固化精密機
械加工部品を形成する工程、及びこの粉末固化精密機械
加工部品を液状硬化剤を含浸させて硬化させ粉末硬化精
密部品を形成する工程より成ることを第1の請求項と
し、第1の請求項において、焼結性粉末が平均粒径30
ミクロン以下の微粉末であることを第2の請求項とし、
第1及び第2の請求項において、バインダーの配合量が
原料粉末に対して0.5乃至20容量%であることを第
3の請求項とし、第1〜第3の請求項において、バイダ
ーがバインダー化合物を溶媒に溶解した溶液型であるこ
とを第4の請求項とする粉末硬化による精密部品の製造
方法である。
【0021】
【発明の作用】本発明は以上のように構成され、まず素
材としての金属又はセラミツクを粉末として利用し、こ
の粉末相互を硬化剤結合してで硬化させ部品とするの
で、製造しようとする成形用型或いは治具のような精密
部品に要求される特性を持った素材を自由に選択し利用
できる。
【0022】すなわち素材の原料は、粉末であるので、
金属又はセラミツクの単体粉末として利用できることは
勿論金属同志又はセラミツク同志さらには金属とセラミ
ツクとを自由に混合して混合粉末としても利用できるの
で、様々な特性の粉末の中から製造しようとする成形用
型或いは治具のような精密部品にとって最適の特性が得
られる粉末を選び出し、これを素材粉末として利用でき
る。
【0023】しかもこの精密部品を形成するための素材
粉末は、従来の焼結法の場合のように、焼結炉に入れる
のに取り扱えるよう粉末相互がある程度の強度で結合し
た成形体を得るため高圧力で成形する必要はなく、粉末
相互はバイダーの結合力で結合させて成形体を形成すれ
ば良いので、成形には原料粉末を型に倣ってブロツク状
に成形するのに十分なだけの低圧で成形できる。
【0024】このため成形装置が簡便なものになること
勿論、型も短時間に低コストで製作できる低融点合金の
鋳造型、金属粉入り樹脂型、シリコーンゴム型のような
簡易型も利用できるようになる。
【0025】又原料粉末の成形法としては加圧成形を利
用しているので、バインダーの流動性を利用して射出成
形するMIM法の場合のように多量のバインダーを原料
粉末中に配合する必要もない。
【0026】このため原料粉末中に配合するバインダー
の量は、得られる粉末固化素材の強度だけを考慮して調
節すれば良く、加工機への取付けに支障がなく、しかも
機械加工に際して加工面が強度不足のために崩れたりす
ることがないことは勿論、バインダーが工具に融着して
むしれ加工面が荒れたりするようなこともなく円滑に切
削できるような強度、すなわち機械加工に適した強度の
粉末固化素材が容易に得られるようになる。
【0027】以上のように機械加工に適した強度の粉末
固化素材が得られるので、この素材を用いてCAD設計
のデータを基にしたり、或いは製造しようとする精密部
品の模型を三次元測定器で測定したデータを基にしたり
して作られた三次元加工データにより三次元加工機で加
工すれば容易に粉末固化精密部品が得られる。
【0028】しかしながら前記したように粉末固化素材
は機械加工が容易にできるようにバイダーの配合量を調
節して必要最小限 の強度としているので、このままで
は成形用の型或いは治具のような精密部品として利用で
きないので液状の硬化剤を含浸させ硬化処理をして適当
な強度を持った粉末硬化精密部品とする。
【0029】以上のようにして粉末硬化精密部品を製造
するに当たり、素材粉末を平均粒径30ミクロン以下の
微粉末とすると高密度で表面が平滑な部品が得られるよ
うになる。
【0030】また前記したように機械加工に適した強度
が得られる粉末固化素材を得るためには、バインダーの
配合量を焼結性粉末に対して0.5乃至20容量%とM
IM法の場合に比べてはるかに少なくするのが好まし
い。
【0031】さらに、バインダーを水或いは有機溶剤の
のような溶媒に溶解した溶液として素材粉末と混合する
と、バインダーは素材粉末と均一に混合し易くなって配
合量を少なくできて好ましい。
【0032】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明するが、本発明の粉末硬化精密部品の製造法法は図
1の製造工程表に示す通りであり、まず精密部品製造用
の素材粉末及びバインダーの調整を行う。
【0033】まず第1工程としてバインダーを調整する
が、バインダーは、固化の形式により、溶媒蒸発型、熱
可塑型、熱硬化型の三つのタイプに大別される。
【0034】溶媒蒸発型は、水溶性或いは有機溶剤可溶
性の高分子化合物を水或いは有機溶剤の溶媒に溶解或い
は分散させたもので、溶媒の蒸発によりバインダーとし
ての高分子化合物が固化するものであり、熱可塑型は、
EVA、PP等の熱可塑性合成樹脂やワツクスのような
熱可塑性高分子化合物を加熱溶融した後冷却固化させる
ものであり、熱硬化型は、尿素、エポキシ、ポリエステ
ル等の熱硬化性合成樹脂を加熱して硬化させるものであ
る。
【0035】本発明においては何れのタイプのバイダー
でも利用できるが、CMC、PVA、澱粉、アルギン酸
ナトリウム等の水溶液、或いはアクリル樹脂、酢酸セル
ロース樹脂等の有機溶剤溶液のバインダー溶液を利用す
ると、焼結性粉末と均一に混合し易く少量でも良く結合
力を発揮し、しかも溶媒を蒸発させるだけで簡単に固化
できて便利である。
【0036】特にバインダー水溶液は、溶媒に引火性や
中毒性がなくて安全であり、また利用時に溶媒が蒸発し
て、バインダーの濃度が変化し素材粉末との混合量が一
定しなかったり、原料粉末の段階で固化してしまって成
形がし難くくなってしまったりするようなことがなく取
り扱いが簡単であり、例えばPVAの5重量%水溶液が
利用されるる。
【0037】次に第2工程として素材粉末の調整をする
が、合成樹脂成形用の型或いは治具のような精密部品の
製造には、ステンレス、チタン、タングステン等の金属
やアルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素のようなセラミツ
ク等の従来の切削加工には利用できなかった材料、又は
鉄、アルミニウム、銅等の従来切削加工に利用されてい
る材料のいずれから選んでも良く、この30ミクロン以
下の微粉末を利用する。
【0038】第3工程では次のような配合例で素材粉末
とバインダー水溶液とを混合して原料粉末1をまず形成
する。 配合例1 素材粉末 平均粒径8ミクロンの SUS316L粉末 100重量部 バインダー PVA5重量%水溶液 10 〃 配合例2 素材粉末 平均粒径15ミクロンの チタン粉末 100重量部 バインダー 澱粉10重量%水溶液 10 〃 配合例3 素材粉末 平均粒径1ミクロンの ジルコニア粉末 100重量部 バインダー CMC5重量%水溶液 10 〃
【0039】このような原料粉末を形成するに当たって
は、素材粉末の粒径と、この原料粉末におけるバインダ
ーの配合量を、素材の必要強度を維持ししかも機械加工
性を良くし、又バインダーを脱バインダーにより取り除
いた際に引けやそり等の欠陥を生じさせないために検討
する必要がある。
【0040】素材粉末の粒径は直接形成される粉末硬化
部品の密度に影響し、合成樹脂成形用の型或いは治具等
の精密部品を作るために密度が高くするためには素材粉
末は細かなものであることが必要で、平均粒径は30ミ
クロン以下であることが好ましい。
【0041】又バインダーの配合量は、これが少なけれ
ば当然加工機への取り付けに必要な強度が得られない
が、これが多くなると強度が強くなりすぎて加工性が悪
くなり、同時にバインダーが加工用の工具に融着してむ
しれて加工面が荒れてしまい、さらに後の硬化剤の含浸
量が減って粉末硬化品の強度が弱くなる。
【0042】前記したようなことを考慮すると、バイン
ダーの配合量は、原料粉末中で容量で0.5乃至20%
ととすることが好ましく、前記配合例では0.5〜4%
程度である。
【0043】第4工程では前記したようにして形成し、
わずかに湿気を帯びた程度の状態になった原料粉末1を
ブロツク形状のキヤビテイを持つ型に充填し、第5工程
でプレス成形或いは静水圧成形等の加圧成形によって成
形しブロツク状粉末成形体2を形成する。
【0044】すなわち原料粉末1は、上下パンチ、ダイ
より構成されるフローテイング方式の金型で1平方セン
チメートル当たり1乃至2tonの圧力で冷間プレス成
形するか、或いは1平方センチメートル当たり5Kg程
度の圧力の圧搾空気での静水圧成形する。
【0045】このような加圧成形により形成されたブロ
ツク状粉末成形体2は、第6工程として中に含まれるバ
インダー溶液の溶媒としての水を蒸発させ乾燥して固化
させるが、80乃至150℃程度で約1時間蒸発乾燥さ
せて固化させると、インレイの加工用に適した強度の粉
末固化素材ブロツク3が得られる。
【0046】精密部品を機械加工するための粉末固化素
材ブロツク3は前記したような製造工程により製造され
るが、図2及び図3に示すように、粉末固化素材製造装
置4を利用すると、原料粉末の静水成形と成形体の水を
蒸発乾燥して固化させての粉末固化素材ブロツクの形成
とさらには硬化剤の含浸までを一つの装置でできて製造
が容易である。
【0047】5は、上面の開口を開閉自在にする上蓋6
を持つ密閉箱5であり、この密閉箱5の側面には図示し
ないコンプレツサー及び真空ポンプに各々接続する圧搾
空気管7と真空排気管8とが配管されている。
【0048】9は密閉箱5の底面上に配備された振動発
生装置であり、この振動発生装置9は、振動発生機12
を裏面に取り付けた振動板10を密閉箱1の底面上に垂
直に立てた弾性支持体11で支持して構成となってお
り、さらに振動板10の上にはヒータ16を埋設した加
熱枠15が載せられている。
【0049】以上のように構成される粉末固化素材製造
装置4を用いて粉末固化素材ブロツク3を形成するに
は、図2に示すように、まず密閉箱5の上蓋6を開けて
ブロツク状のキヤビテイ14が形成された型13を加熱
枠15の中に収めつつ振動板10の上に設置し、続いて
型13の上に原料粉末供給シリンダ17をセツトしキヤ
ビテイ14の中に原料粉末1を供給する。
【0050】以上のようにして型13のキヤビテイ14
の中に原料粉末1が充填されたなら、次は図3に示すよ
うに、密閉箱5の上蓋6を閉じ、型13を振動装置9を
作動して振動させ、同時に圧搾空気供給管7から1平方
センチメートル当たり5Kg程度の圧力の圧搾空気を送
って5〜10分間加圧して静水圧成形する。
【0051】以上のような成形により型13のキヤビテ
イ14の中にはブロツク状の粉末成形体2がまず形成さ
れることになるが、そのまま、振動発生装置9の作動と
圧搾空気供給管7からの圧搾空気の供給とを止め次のバ
インダー固化処理の工程に移る。
【0052】原料粉末中にはバインダーは水溶液とし混
合されているので、固化処理はブロツク状の粉末成形体
2の中から水分を取り除くだけで良く、加熱枠15のヒ
ータ16に通電し型13を80〜100℃程度に加熱す
ると同時に真空排気管8から真空排気し、50〜100
torr程度の真空度で約1時間真空乾燥すると、粉末
固化素材ブロツク3が得られる。
【0053】以上のように粉末固化素材製造装置4を利
用して静水圧成形と真空乾燥とにより異形粉末固化素材
3を形成する際に利用する型13は、成形際して1平方
センチメートル当たり5Kg程度の圧力と真空乾燥の際
の100℃程度の温度には十分耐えるならどのような型
でも良いので、例えばシリコーンゴム型のような簡易型
を利用すると型が短時間に低コストで作れるので好まし
い。
【0054】このようにして粉末固化素材ブロツク3が
得られたなら、次に第7工程として製造しようとする精
密部品の形状に機械加工をする。
【0055】この機械加工は粉末固化素材ブロツク3が
非常に機械加工性に優れているので如何なる方法で行っ
ても良いが、CAD設計データ或いは製品模型の形状を
三次元測定により精密に寸法測定した測定データに基づ
いて作成した加工データによりコンピユータ制御の三次
元加工機18を用いて機械加工すると、容易に粉末固化
精密部品19を形成できる。
【0056】この場合バイダーが適量配合されることに
より、粉末固化素材ブロツク3は、加工機に取り付ける
ためのチヤツキングに十分耐えると同時に加工性が極め
て優れ機械加工に適した強度となっているので、小型で
剛性が低く比較的安価な加工機を利用して、加工面が素
材が崩れたり或いはむしれたりしないで良好な状態で機
械加工される。
【0057】なお機械加工するための粉末固化素材は前
記実施例ではブロツク状としているが、この形状は加圧
成形により定められるものであるので、必要に応じて製
品模型を型取りしたシリコーンゴム型を利用して成形し
て製品にほぼ近い形状にしておき、機械加工では仕上げ
加工だけを行うようにすることも可能である。
【0058】粉末固化素材ブロツク3の機械加工により
形成された粉末固化精密部品19、次に第8工程で液状
硬化剤の含浸を行い、続いて第9工程で含浸された硬化
剤の硬化処理をし、粉末硬化精密部品20を得る。
【0059】第8工程で利用する硬化剤としては、例え
ば粘度200cps前後の液状エポキシ系接着剤が利用
され、この他にも、液状ポリエステル系接着剤、アクリ
ルシアネート系の瞬間接着剤、嫌気性含浸剤、エチルシ
リケート、コロイダルシリカ、アルミナゾル等様々なも
のが利用でき、第9工程の硬化処理は、加熱等により硬
化剤に適合した処理を行う。
【0060】粉末固化精密部品19に液状の硬化剤を含
浸させるのに前記した粉末固化素材製造装置4を利用す
ると便利である。
【0061】すなわち、図4に示すように、振動発生装
置9の振動板10の上に液状の硬化剤22を入れた含浸
タンク21を載せ、この中に合成樹脂の成形用の型のよ
うな粉末硬化精密部品19を入れる。
【0062】その後真空ポンプの作動により真空排気管
8を介して密閉箱5内を真空排気し、50〜100to
rr程度の真空度で適度の多孔性を持った粉末硬化精密
部品19の中に液状硬化剤22を真空含浸する。
【0063】
【発明の効果】本発明は以上のような構成及び作用のも
のであり、まずステンレス、チタン、セラミツクといっ
た切削加工が難しい材料で、成形用の型或いは治具のよ
うな形状が複雑でしかも高い寸法精度が要求されるので
従来の焼結法では作れない精密部品を安くしかも容易に
作れるようになった。
【0064】また鉄、銅、アルミニウム等の切削加工が
できる材料を利用する場合でも、金属素材ブロツクから
機械加工するよりも粉末固化素材ブロツクから加工する
ほうがはるかに加工性が良く、小型で剛性が低く比較的
安価な加工機を利用でき有利であり、その上、前記した
ように粉末固化素材を製品の形状に近づけておけば加工
量も少なくて済む。
【0065】さらに、金属やセラミツクの粉末を硬化剤
で硬化させて精密部品を製造する方法として粉末入り注
型用樹脂を利用する方法があるが、この方法と比べても
本発明のほうがはるかにすぐれた精密部品の製造方法で
ある。
【0066】すなわち、粉末入り注型樹脂は、液状のエ
ポキシ樹脂に鉄、銅、アルミニウム等の金属粉末や、カ
ーボン粉末を重量で30〜50%程度入れたもので、こ
れを製品形状の型に注入し硬化させて精密部品を製造す
る。
【0067】このように部品を製造するのに注型法を利
用するので粉末入り注型樹脂は流動性が良くなければな
らないので、前記したように粉末の配合量は重量で最大
50%程度、容量にすると25%程度にしかならず、部
品は殆ど樹脂で作られていることになる。
【0068】粉末入り樹脂で注型法により製造された精
密部品は、樹脂が硬化する際に収縮するのでどうしても
寸法精度が劣るが、前記したように樹脂量が多いので機
械加工すると加工面がむしれてしまったりして精度の良
い仕上げ加工ができない。
【0069】また精密部品中の樹脂の配合量が多いと、
熱伝導性が劣り、また耐熱性にも劣り、例えば合成樹脂
の成形用の型を作った場合を比べるとはるかに本発明の
製造方法で作った場合の方が耐久性が良い。
【0070】すなわち、配合例1のステンレスを粉末素
材とし本発明の方法で製造した型と従来の銅粉末入り樹
脂型との性能を比較すると、熱伝導率は、単位をcal
/cm・sec℃として、本発明型が0.052である
のに対して従来型は0.0013とはるかに悪く、1平
方センチメートル当たりの引張強さは、本発明型が72
0kgであるのに対して従来型は450kgとはるかに
劣った。
【0071】したがってこの型を利用して実際に合成樹
脂の成形をした場合、本発明型は50秒の成形サイクル
で500個の成形ができたのに対して、従来型は300
秒の成形サイクルで30個の成形ができたのに過ぎず、
本発明型の方が成形の作業性、耐久性共にはるかに優れ
ていた。
【0072】以上のように本発明によると、合成樹脂成
形用の型或いは治具のような精密部品を精度が良くて耐
久性に優れ、しかも短い製作時間で安いコストで製造で
きるようになり、製品の試作、或いは多品種少量生産に
大きな効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 精密部品製造工程表、
【図2】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末成
形体製造状態)、
【図3】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末固
化素材製造状態)、
【図4】 粉末固化素材製造装置断面図(硬化剤
含浸状態)。
【符号の簡単な説明】
1 素材粉末 2 ブロツク状粉末成形体 3 粉末固化素材ブロツク 4 粉末固化素材成形装置 5 密閉箱 7 圧搾空気供給管 8 真空排気管 13 型 15 加熱枠 18 三次元加工機 19 粉末固化精密部品 20 粉末硬化精密部品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属及び/又はセラミツク粉末から成る素
    材粉末にバインダーを混合した原料粉末を形成する工
    程、この原料粉末を加圧成形し素材形状の粉末成形体を
    形成する工程、及びこの素材形状の粉末成形体を固化処
    理により固化させ粉末固化素材を形成する工程、この粉
    末固化素材を成形用型或いは治具等の精密部品に機械加
    工し粉末固化精密機械加工部品を形成する工程、及びこ
    の粉末固化精密機械加工部品を液状硬化剤を含浸させて
    硬化させ粉末硬化精密部品を形成する工程より成ること
    を特徴とする粉末硬化による精密部品の製造方法。
  2. 【請求項2】焼結性粉末が平均粒径30ミクロン以下の
    微粉末であることを特徴とする請求項1記載の粉末硬化
    による精密部品の製造方法。
  3. 【請求項3】バインダーの配合量が原料粉末に対して
    0.5乃至20容量%であることを特徴とする請求項1
    及び2記載の粉末硬化による精密部品の製造方法。
  4. 【請求項4】バイダーがバインダー化合物を溶媒に溶解
    した溶液型であることを特徴とする請求項1〜3記載の
    粉末硬化による精密部品の製造方法。
JP28756994A 1994-10-27 1994-10-27 粉末硬化による精密部品の製造方法 Pending JPH08127802A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111826538A (zh) * 2020-07-28 2020-10-27 成都露思特新材料科技有限公司 双态组织的钛合金的制备方法及双态组织的钛合金

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