JPH08120307A - 粉末焼結インペラーの製造方法 - Google Patents

粉末焼結インペラーの製造方法

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JPH08120307A
JPH08120307A JP28143294A JP28143294A JPH08120307A JP H08120307 A JPH08120307 A JP H08120307A JP 28143294 A JP28143294 A JP 28143294A JP 28143294 A JP28143294 A JP 28143294A JP H08120307 A JPH08120307 A JP H08120307A
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JP
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powder
impeller
binder
sintering
solidified
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JP28143294A
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English (en)
Inventor
Ichiro Sogaishi
一郎 曽我石
Noboru Matsunaga
昇 松永
Atsushi Tawada
敦 多和田
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Janome Corp
Original Assignee
Janome Sewing Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】切削加工では利用できなかったSUS、チタ
ン、セラミツク等の材料を用いて循環ポンプ、送風機等
のインペラーを製造する方法。 【構成】SUS、チタン、セラミツク等の焼結性粉末に
バインダー水溶液を混合した原料粉末1を密閉箱5中に
配備したシリコンゴム型13で圧搾空気での加圧に基づ
いて静水圧成形して羽根ブロツク部と取付軸ブロツク部
とが一体の異形粉末成形体2を形成し、この異形粉末成
形体から真空乾燥により水分を蒸発させて異形粉末固化
素材3を形成し、この異形粉末固化素材を機械加工して
粉末固化インペラー21を形成した後脱バインダー、続
いて焼結して粉末焼結インペラー24を得る。 【効果】耐食性に優れ、羽根が薄くて軽く、芯振れがな
く高速で回転させられるインペラーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末焼結法に係り、特
に水等の液体を循環させる循環ポンプや空気等の気体を
送り出す送風機のインペラーを粉末焼結法を利用して製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は循環ポンプや送風機のインペラー
はその形状が複雑であるので一体として機械加工によっ
ては製造することはできないので、一枚づつの羽根、羽
根取付部、取付軸といったように加工できる単位の部品
に分けて機械加工し、、この機械加工により形成された
個々の部品を溶接によって結合して一体のインペラーを
形成し、最後に仕上加工をするといったようにして製造
していた。
【0003】このように機械加工に基づいてインペラー
を製造する場合、その形状に制限があったり、製造に非
常に工数が掛かるといった問題があることは勿論、これ
を製造する材料は例えばアルミニウムや銅合金といった
ように機械加工が容易な軟質金属に限られ、重さや耐食
性等が問題になることもあった。
【0004】また最近は熱可塑性合成樹脂の射出成形に
よって製造することも多くなり、この場合は、機械加工
により形成した金属製の取付軸部をインサートしつつ取
付軸部を含めて一体として成形したり、羽根部だけを成
形した後金属製の取付軸部を圧入したりして製造する。
【0005】このように熱可塑性合成樹脂の射出成形を
利用してインペラーを製造する場合、小型で高速で回転
する高性能の物が作り難いという欠点があった。
【0006】すなわち、まず合成樹脂は剛性に乏しいの
でどうしても羽根の厚さを厚くしなければならず、その
結果として一定のの体積当たりに羽根の占める体積が多
くなるのでの流体の排出量が少なくなってしまい小型化
がでない。
【0007】次に取付軸は成形の際にインサートする
か、成形の後で圧入するかして形成するので、どうして
もインペラーは回転する際に芯ぶれが生じ、軸の摩耗や
騒音が発生するので高速での回転ができない。
【0008】さらに最近、金属粉末やセラミツク粉末等
の焼結性粉末を利用して焼結により金属やセラミツク製
品を得る方法として、金属粉末射出成形法いわゆるMI
M法が開発された。
【0009】このMIM法は、焼結性粉末と熱可塑性合
成樹脂やワツクス等の熱可塑性のバインダ−とを混合し
た原料粉末を熱可塑性合成樹脂の成形と同様に射出成形
して成形し、次いで、この射出成形品を加熱してバイン
ダ−を溶融、分解して除去した後焼結して製品とする方
法である。
【0010】このようにMIM法では焼結性粉末の成形
を射出成形により行うので、従来の圧粉成形を利用して
粉末を成形するいわゆる圧粉成形法を利用した焼結法の
場合のように製造できる製品の形状に制限がなく、しか
も利用する原料粉末が10ミクロン以下の微粉末で非常
に高密度の焼結品が得られるので、このMIM法を利用
した焼結法によりインペラーを製造することも検討され
るようになった。。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなMIM法をインペラーを製造するのに利用して
も、製品の大きさ、精度、コスト、利用できる材料等に
多くの問題があり、未だ実用には至っていない。
【0012】MIM法では原料粉末を熱可塑性バインタ
ーと共に射出成形するには成形時の流動性を良くするた
めにこの熱可塑性バインダーの配合量を原料粉末に対し
て重量として10%程度、容量としては50%以上と多
量に配合する必要があり、焼結の前にこの多量の熱可塑
性バインダーを成形品から脱バインダーにより取り除く
ので、変形、引け、そり、割れ、巣等の各種の欠陥が焼
結品に生じ易い。
【0013】このため、成形用の金型の設計に様々な工
夫をしたり、脱バインダーには100時間程度と非常に
長い時間を掛けたりして、前記したような欠陥が生じる
のを少しでも防ごうとしているが、前記したような欠陥
を完全に防ぐのは極めて難しい。
【0014】このためインペラーをMIM法で製造する
場合にも焼結後にかなりの仕上げ加工が必要となりコス
トが高くなることは勿論、切削の難しい材料は利用でき
なくなる。
【0015】このように焼結品の機械加工が難しいの
で、射出成形品の段階や脱バインダー品の段階で機械加
工することも試みられているが、これによって精密なイ
ンペラーを得るのも難しい。
【0016】すなわち、射出成形品の段階で機械加工す
る場合は、前記したように射出成形品には熱可塑性バイ
ンダーが多量に含まれているので機械加工の際に加工面
がむしれてしまって精密な加工ができず、さらに機械加
工後の脱バインダーの際にさらに変形してしまうので精
密な製品を得るのは無理であり、また脱バインダー品の
段階で機械加工する場合には、脱バインダー品はバイン
ダーが取り除かれてしまっていて強度が極めて弱くなっ
ているので、加工機に取り付けられなかったり、加工部
が崩れてしまったりして機械加工そのものができない。
【0017】このためMIM法を利用しても、耐食性に
優れたステンレスや、耐食性に優れると共に比重も軽い
チタン、セラミツク等のインペラーの製造には最適と思
われる材料の利用は難しく、従来の機械加工による製造
の場合と同じようにアルミニウムや銅の合金しか利用で
きない。
【0018】さらに、MIM法の場合は極めて精密に加
工した高価な金型を利用しなければならないので、多品
種少量生産の場合には金型費により製品のコストが非常
に高くなってしまい、また大型のインペラーを作るには
大きな金型を用意しなければならないと同時に成形機も
大型でなければならないので作り難い。
【0019】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、ステンレス、チタン、セラミツ等インペラーの製
造には最適の材料を用い、製品の大きさ数量等には関係
なく極めて容易にしかも低コストで、焼結法によりイン
ペラーを製造できるようにすることを目的とするもので
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
及び/又はセラミツク粉末から成る焼結性粉末にバイン
ダーを混合し原料粉末を形成する工程、この原料粉末を
加圧成形し羽根ブロツク部と取付軸ブロツク部とを一体
とした異形粉末成形体を形成する工程、この異形粉末成
形体のバインダーの固化処理をして異形粉末固化素材を
形成する工程、この異形粉末固化素材を機械加工して羽
根部と取付軸部とが一体の粉末固化インペラーを形成す
る工程及びこの粉末固化インペラーを脱バインダー処理
に続いて焼結し粉末焼結インペラーを形成する工程より
成ることを第1の請求項とし、この第1の請求項におい
て焼結性粉末が平均粒径30ミクロン以下の微粉末であ
ることを第2の請求項とし、第1及び第2の請求項にお
いてバインダーの配合量が焼結性粉末に対して0.5乃
至20容量%であることを第3の請求項とし、第1〜第
3の請求項においてバインダーは溶媒に溶解した溶液と
して焼結性粉末と混合することを第4の請求項とする粉
末焼結インペラーの製造方法である。
【0021】
【発明の作用】本発明は以上のように構成され、まず素
材としての金属又はセラミツクを粉末として利用し焼結
法により粉末相互を結合して固体の素材とするので、イ
ンペラーに要求される特性を持った素材を自由に選択し
利用できる。
【0022】すなわち素材の原料は、焼結性の粉末であ
るので、金属又はセラミツクの単体粉末として利用でき
ることは勿論金属同志又はセラミツク同志さらには金属
とセラミツクとを自由に混合して混合粉末としても利用
できるので、様々な特性の焼結性粉末の中から製造しよ
うとするインペラーにとって最適の特性が得られる粉末
を選び出し、これを原料粉末として利用できる。
【0023】しかもこのインペラーの素材となる焼結性
粉末は、従来の焼結法の場合のように粉末相互を加圧力
で結合させた圧粉成形体としてから焼結するのではな
く、粉末相互をバイダーの結合力で結合させた粉末固化
素材として焼結するので、成形には原料粉末を型に倣っ
て造形するのに十分なだけの加圧力利用すれば良いの
で、低圧で成形できる。
【0024】このため成形装置が簡便なものになること
勿論、型も短時間に低コストで製作できる非鉄金属鋳造
型、金属粉入り樹脂型、シリコーンゴム型といった簡易
型を利用できるようになり、大型品や多品種少量生産と
なっても容易に低コストで成形できる。
【0025】さらにリコーンゴム型を利用すれば成形品
の形状の如何にかかわらず容易に型抜きできるので、イ
ンペラーの加工に最適の形状の粉末固化素材が得られる
ようにに異形状にも成形できる。
【0026】又原料粉末の成形法としては加圧成形を利
用しているので、バインダーの流動性を利用して射出成
形するMIM法の場合のように多量のバインダーを原料
粉末中に配合する必要がない。
【0027】このため原料粉末中に配合するバインダー
の量は、得られる粉末固化素材の強度だけを考慮して調
節すれば良く、加工機への取付けに支障がなく、しかも
機械加工に際して加工面が強度不足のために割れたりす
ることがないことは勿論、バインダーが工具に融着して
むしれ加工面が荒れたりするようなこともなく円滑に切
削できるような強度、すなわち機械加工に適した強度の
粉末固化素材が容易に得られるようになる。
【0028】以上のようにインペラー形状への機械加工
に適した強度と形状を持った異形粉末固化素材が得られ
るので、この素材を用いて取付軸部と羽根部とを一体と
して芯振れの無い精度の良い粉末固化インペラーに機械
加工できる。
【0029】したがって、このように精度良く機械加工
されしかもバインダーの配合量の少ない状態で形成され
た羽根部と取付軸部とが一体となった粉末固化インペラ
ーを脱バインダーした後に焼結すると、脱バインダーに
際して変形や割れが生じることなく精度の良い粉末焼結
インペラーが容易に得られ、この際焼結性粉末を適当に
選択しておけば、耐食性に優れ、しかも軽くて精度が良
く、高速で円滑に回転できる高性能のインペラーが容易
に製造できる。
【0030】以上のようにして焼結法に基づいてインペ
ラーを製造するに当たり、焼結性粉末を平均粒径30ミ
クロン以下の微粉末とすると高密度で表面が平滑な焼結
体が得られるようになる。
【0031】また前記したように機械加工に適した強度
が得られると同時に脱バインダーの際に変形や割れを生
じさせない粉末固化素材を得るためには、バインダーの
配合量を焼結性粉末に対して0.5乃至20容量%とM
IM法の場合に比べてはるかに少なくするのが好まし
い。
【0032】さらに、バインダーを水或いは有機溶剤の
のような溶媒に溶解した溶液として焼結性粉末と混合す
ると、バインダーは焼結性粉末と均一に混合し易くなっ
て配合量を少なくできる。
【0033】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。
【0034】本発明の粉末焼結インペラーの製造法法は
図1の製造工程表に示すとおりであり、まずインペラー
製造用の焼結性粉末及びバインダーの調整を行う。
【0035】まず第1工程としてバインダーを調整する
が、バインダーは、固化の形式により、溶媒蒸発型、熱
可塑型、熱硬化型の三つのタイプに大別される。
【0036】溶媒蒸発型は、水溶性或いは有機溶剤可溶
性の高分子化合物を水或いは有機溶剤の溶媒に溶解或い
は分散させたもので、溶媒の蒸発によりバインダーとし
ての高分子化合物が固化するものであり、熱可塑型は、
EVA、PP等の熱可塑性合成樹脂やワツクスのような
熱可塑性高分子化合物を加熱溶融した後冷却固化させる
ものであり、熱硬化型は、尿素、エポキシ、ポリエステ
ル等の熱硬化性合成樹脂を加熱して硬化させるものであ
る。
【0037】本発明においては何れのタイプのバイダー
でも利用できるが、CMC、PVA、澱粉、アルギン酸
ナトリウム等の水溶液、或いはアクリル樹脂、酢酸セル
ロース樹脂等の有機溶剤溶液のバインダー溶液を利用す
ると、焼結性粉末と均一に混合し易く少量でも良く結合
力を発揮し、しかも溶媒を蒸発させるだけで簡単に固化
できて便利である。
【0038】特にバインダー水溶液は、溶媒に引火性や
中毒性がなくて安全であり、また利用時に溶媒が蒸発し
て、バインダーの濃度が変化し焼結性粉末との混合量が
一定しなかったり、原料粉末の段階で固化してしまって
成形がし難くくなってしまったりするようなことがなく
取り扱いが簡単であり、例えばPVAの5重量%水溶液
が利用されるる。
【0039】次に第2工程として焼結性粉末の調整をす
るが、インペラーの製造には、耐食性や剛性に優れたス
てンレス、耐食性や剛性に優れると同時に重さも軽いチ
タン若しくはチタン合金、耐食性に優れると同時に重さ
も軽いアルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素のようなセラ
ミツク等の30ミクロン以下の微粉末を利用する。
【0040】第3工程では次のような配合例で原料粉末
とバインダー水溶液とを混合して原料粉末1をまず形成
する。 配合例1 焼結性粉末 平均粒径15ミクロンのTi粉末 100重量部 バインダー PVA5重量%水溶液 10 〃 配合例2 焼結性粉末 平均粒径30ミクロンの SUS316L粉末 100重量部 バインダー 澱粉10重量%水溶液 10 〃 配合例3 焼結性粉末 平均粒径1ミクロンの ジルコニア粉末 100重量部 バインダー CMC10重量%水溶液 5 〃
【0041】このような原料粉末を形成するに当たって
は、焼結性粉末の粒径と、この原料粉末におけるバイン
ダーの配合量を、素材の必要強度を維持ししかも機械加
工性を良くし、又バインダーを脱バインダーにより取り
除いた際に引けやそり等の欠陥を生じさせないために検
討する必要がある。
【0042】焼結性粉末の粒径は直接形成される素材の
密度に影響し、精密焼結品を作るために密度が高く緻密
な素材を形成するためには焼結性粉末は細かなものであ
ることが必要で、インペラーの製造のためには平均粒径
は30ミクロン以下であることが好ましい。
【0043】又バインダーの配合量は、これが少なけれ
ば当然加工機への取り付けに必要な強度が得られない
が、これが多くなると強度が強くなりすぎて加工性が悪
くなり、同時にバインダーが加工用の工具に融着してむ
しれて加工面が荒れてしまい、さらに脱バインダーによ
ってバインターを取り除いた際に体積が大幅に減少する
ので引けやそり等の欠陥が生じ易くなる。
【0044】前記したようなことを考慮すると、バイン
ダーの配合量は、原料粉末中で容量で0.5乃至20%
ととすることが好ましく、前記配合例では2〜10%程
度である。
【0045】第4工程では前記したようにして形成し、
わずかに湿気を帯びた程度の状態になった原料粉末1を
羽根ブロツク部と取付軸プロツク部とを一体にした異形
状のキヤビテイを持つ型に充填し、第5工程でプレス成
形或いは静水圧成形等の加圧成形によって成形し異形粉
末成形体2を形成する。
【0046】すなわち原料粉末1は、上下パンチ、ダイ
より構成されるフローテイング方式の金型で1平方セン
チメートル当たり1乃至2tonの圧力で冷間プレス成
形するか、或いは1平方センチメートル当たり5Kg程
度の圧力の圧搾空気での静水圧成形する。
【0047】このような加圧成形により形成された異形
粉末成形体2は、第6工程として中に含まれるバインダ
ー溶液の溶媒としての水を蒸発させ乾燥して固化させる
が、80乃至150℃程度で約1時間蒸発乾燥させて固
化させると、インペラーの加工用に適した強度と形状の
異形粉末固化素材3が得られる。
【0048】インペラー状に機械加工するための異形粉
末固化素材3は前記したような製造工程により製造され
るが、図2及び図3に示すように、粉末固化素材製造装
置4を利用すると、静水成形と成形体からの水の蒸発乾
燥とを一つの装置でできて製造が容易である。
【0049】5は、上面の開口を開閉自在にする上蓋6
を持つ密閉箱5であり、この密閉箱5の側面には図示し
ないコンプレツサー及び真空ポンプに各々接続する圧搾
空気管7と真空排気管8とが配管されている。
【0050】9は密閉箱5の底面上に配備された振動発
生装置であり、この振動発生装置9は、振動発生機12
を裏面に取り付けた振動板10を密閉箱1の底面上に垂
直に立てた弾性支持体11で支持して構成となってお
り、さらに振動板10の上にはヒータ18を埋設した加
熱枠17が載せられている。
【0051】以上のように構成される粉末固化素材製造
装置4を用いて異形粉末固化素材3を形成するには、図
2に示すように、まず密閉箱5の上蓋6を開けて羽根ブ
ロツク部15と取付軸ブロツク部16とを一体とした異
形形状のキヤビテイ14が形成された型13を加熱枠1
7の中に収めつつ振動板10の上に設置し、続いて型1
3の上に原料粉末供給シリンダ19をセツトしキヤビテ
イ14の中に原料粉末1を供給する。
【0052】以上のようにして型13のキヤビテイ14
の中に原料粉末1が充填されたなら、次は図3に示すよ
うに、密閉箱5の上蓋6を閉じ、型13を振動装置9を
作動して振動させ、同時に圧搾空気供給管7から1平方
センチメートル当たり5Kg程度の圧力の圧搾空気を送
って5〜10分間加圧して静水圧成形する。
【0053】以上のような成形により型13のキヤビテ
イ14の中には異形粉末成形体2が形成されることにな
るが、そのまま、振動発生装置9の作動と圧搾空気供給
管7からの圧搾空気の供給とを止め次のバインダー固化
処理の工程に移る。
【0054】原料粉末中にはバインダーは水溶液とし混
合されているので、固化処理は異形粉末成形体2中から
水分を取り除くだけで良いので、加熱枠17のヒータ1
8に通電し型13を80〜100℃程度に加熱すると同
時に真空排気管8から真空排気し、50〜100tor
r程度の真空度で約1時間真空乾燥し異形粉末固化素材
3を得る。
【0055】以上のように粉末固化素材製造装置4を利
用して静水圧成形と真空乾燥とにより異形粉末固化素材
3を形成する際に利用する型13は、成形品の形状が異
形であるので型抜きが容易にでき、しかも成形際して1
平方センチメートル当たり5Kg程度の圧力と真空乾燥
の際の100℃程度の温度には十分耐えるシリコーンゴ
ム型を利用するのが好ましい。
【0056】このようにして異形粉末固化素材3が得ら
れたなら次に第7工程として、CAD設計されたデータ
を利用して形成したインペラーの形状への加工データに
基づいてコンピユータ制御の加工機20を用いて機械加
工を行い、図4に平面図として、図5にA−A矢視断面
図として示すような、羽根部22と取付軸部23とが一
体で加工された粉末固化インペラー21を得る。
【0057】この場合、バイダーが適量配合されること
により異形粉末固化素材3は、加工機に取り付けるため
のチヤツキングに十分耐えると同時に加工性が極めて優
れ機械加工に適した強度となっているので、小型で剛性
が低く比較的安価な加工機を利用し、加工面が素材が崩
れたり或いはむしれたりしないで良好な状態で機械加工
される。
【0058】異形粉末固化素材3の機械加工により形成
された粉末固化インペラー21は、次に第8工程でバイ
ンダーを加熱分解して取り除くいわゆる脱バインダーを
行い、続いて第9工程として加熱により焼結性粉末を相
互に結合させて固化させる焼結を行う。
【0059】この脱バインダーと焼結とは、原料粉末と
しての焼結性粉末の性状に応じた雰囲気と温度とで焼結
炉で連続的に行われるが、例えば原料粉末として配合例
2のSUS粉末を焼結性粉末とて利用した場合の脱バイ
ンダー及び焼結の条件は図6に示す通りである。
【0060】すなわち、脱バインダーは、アルゴン雰囲
気中で5時間掛けて500℃に加熱した後この温度に2
時間保持して行い、その後雰囲気を10のマイナス4乗
程度の真空雰囲気として温度をSUSの焼結温度である
1300℃に4時間掛けて上げ、この温度に1時間保持
して焼結し、焼結が終わったなら3時間程度を掛けて約
500℃まで冷却し、その後は再び雰囲気をアルゴン雰
囲気に戻して常温まで冷却し粉末焼結インペラー24を
得る。
【0061】このようにして得た粉末焼結インペラー2
4は、原料粉末1の焼結性粉末の粒径が微細でバイダー
の配合量が少ないので、脱バインダの際に変形したり割
れたりせず、しかも高密度で表面が平滑な極めて良好な
ものである。
【0062】
【発明の効果】本発明は以上のような構成及び作用のも
のであり、耐食性、剛性、重さといった特性からインペ
ラーの製造には最適の材料ではあるものの切削が難しい
ために従来の機械加工によっては製造できなかったステ
ンレス、チタン、セラミツクといった材料でインペラー
が製造できるようになった。
【0063】この結果、耐食性に優れていることは勿
論、材料の剛性が高いために羽根が薄くなって単位体積
当たりの流体の排出量が多くてなり、しかも羽根部と取
付軸部とを一体に機械加工するので芯振れがなく摩耗や
騒音を発生することなく高速で回転できるインペラーが
製造できるので、小型で非常に高性能の循環ポンプや送
風機が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インペラー製造工程表、
【図2】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末成
形体製造状態)、
【図3】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末固
化素材製造状態)、
【図4】 粉末固化インペラー平面図、
【図5】 粉末固化インペラーA−A矢視断面
図、
【図6】 脱バインダー及び焼結条件状態図。
【符号の簡単な説明】
1 原料粉末 2 異形粉末成形体 3 異形粉末固化素材 4 粉末固化素材成形装置 5 密閉箱 7 圧搾空気供給管 8 真空排気管 13 型 17 加熱枠 20 加工機 21 粉末固化インペラー 24 粉末焼結インペラー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属及び/又はセラミツク粉末から成る焼
    結性粉末にバインダーを混合し原料粉末を形成する工
    程、この原料粉末を加圧成形し羽根ブロツク部と取付軸
    ブロツク部とを一体とした異形粉末成形体を形成する工
    程、この異形粉末成形体のバインダーの固化処理をして
    異形粉末固化素材を形成する工程、この異形粉末固化素
    材を機械加工して羽根部と取付軸部とが一体の粉末固化
    インペラーを形成する工程及びこの粉末固化インペラー
    を脱バインダー処理に続いて焼結し粉末焼結インペラー
    を形成する工程より成ることを特徴とする粉末焼結イン
    ペラーの製造方法。
  2. 【請求項2】焼結性粉末が平均粒径30ミクロン以下の
    微粉末であることを特徴とする請求項1記載の粉末焼結
    インペラーの製造方法。
  3. 【請求項3】バインダーの配合量が焼結性粉末に対して
    0.5乃至20容量%であることを特徴とする請求項1
    及び2記載の粉末焼結インペラーの製造方法。
  4. 【請求項4】バインダーは溶媒に溶解した溶液として焼
    結性粉末と混合することを特徴とする請求項1〜3記載
    の粉末焼結インペラーの製造方法。
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