JPH08117247A - 粉末焼結歯科用インレイの製造方法 - Google Patents

粉末焼結歯科用インレイの製造方法

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JPH08117247A
JPH08117247A JP28756894A JP28756894A JPH08117247A JP H08117247 A JPH08117247 A JP H08117247A JP 28756894 A JP28756894 A JP 28756894A JP 28756894 A JP28756894 A JP 28756894A JP H08117247 A JPH08117247 A JP H08117247A
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inlay
binder
mold
dental inlay
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JP28756894A
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Ichiro Sogaishi
一郎 曽我石
Noboru Matsunaga
昇 松永
Atsushi Tawada
敦 多和田
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Janome Corp
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Janome Sewing Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来のロストワツクス法に代わる歯科用インレ
イの製造方法。 【構成】チタン、セラミツク等の焼結性粉末にバインダ
ー水溶液を混合した原料粉末1を密閉箱5中に配備した
シリコンゴム型13で圧搾空気での加圧に基づいて静水
圧成形してブロツク状粉末成形体2を形成し、このブロ
ツク状粉末成形体から真空乾燥により水分を蒸発させて
粉末固化素材ブロツク3を形成し、この粉末固化素材ブ
ロツクを歯の患部を印象取りして形成したインレイ模型
データに基づいて三次元加工機19機械加工して粉末固
化インペラー20を形成した後脱バインダー、続いて焼
結して粉末焼結歯科用インレイ21を得る。 【効果】切削加工や鋳造では全く作れないか作るのが難
しかった医療用素材として優れた特性を持つチタン或い
はセラミツク等のが材料を用いて精密な歯科用インレイ
を容易に作れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末焼結法に係り、特
に虫歯等の歯の患部を補綴する歯科用インレイを粉末焼
結法を利用して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来虫歯等の歯の患部を補綴する歯科用
インレイは、患部を印象取りして形成したインレイ模型
を基にして形成したワツクス模型を利用していわゆるロ
ストワツクス法に基づく金属の鋳造により製造されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらロストワ
ツクス法は、型作りに時間が掛かると同時に鋳造物の仕
上がり精度が悪く仕上に工数が掛かるので製造に時間が
掛かり、また利用できる材料は鋳造でき、しかも仕上げ
のし易い金属材料に限られる等様々な問題があり、必ず
しも歯科用インレイを製造するのに適した方法ではな
い。
【0004】すなわちロストワツクス法で歯科用インレ
イを製造するには、まずインレイ模型に基づいて石膏型
を形成し、この石膏型を基にしてワツクス模型を形成
し、このワツクス模型を表面に耐火物のスラリーを何層
も被覆して乾燥し厚い耐火物層で包み、この耐火物層を
ワツクス模型を燃焼させてキヤビテイを形成し後高温で
焼成して鋳造型を形成し、この鋳造型に金属の溶湯を注
入して鋳造し、溶湯が冷却したなら型を破砕して鋳造物
を取り出し、最後に仕上げ加工するといった複雑で手間
が多く掛かる工程が必要である。
【0005】さらに鋳造の場合引けが生じて鋳造物はキ
ヤビテイの大きさより小さくなるので、インレイ模型を
シートワツクスを貼って引けを考慮した大きさに補正を
して鋳造型のキヤビテイを作らなければならず、いくら
引けに対する大きさの補正をしてもインレイ模型を精度
く模写した鋳造物を得るのは非常に難しい。
【0006】またワツクス模型を燃焼させて鋳造型のキ
ヤビテイを形成する際にワツクス模型の熱膨張のために
耐火物層に割れが生じたり或いはワツクス模型のかすが
キヤビテイ中に残ってしまったりして、鋳造物にはばり
や凹みが生じ易い。
【0007】したがつて鋳造物は、非常に多くの時間を
掛けて寸法的な調節やばりや凹みの修正のための仕上げ
をしなければ歯科用のインレイにはならない。
【0008】さらにロストワツクス法は鋳造型を利用し
ての鋳造であるので、当然のことながら鋳造を容易にで
きる金属材料しか利用できず、最近医療用の補綴材料と
して開発が活発なセラミツク材料やチタンを利用して歯
科用インレイを製造するのは非常に難しかった。
【0009】すなわちセラミツク材料が鋳造できないの
は自明のことであるが、金属材料でも医療用に非常に適
した材料であるチタンも、活性で雰囲気中の元素や耐火
物製の溶融るつぼ及び鋳造型と反応しチタンが汚染され
てしまうと同時に溶融るつぼや鋳造型を壊してしまい通
常の方法では鋳造するのが難しく、例え鋳造できても表
面の反応生成物層を取り除く後加工をしなければなら
ず、製品とするのが大変である。
【0010】最近前記したような鋳造し難い材料を利用
して各種の製品を製造する方法としていわゆるMIM法
が開発された。
【0011】MIM法では金属又はセラミツクの原料粉
末を熱可塑性材料をバインダーと共に射出成形し、加熱
分解によってバインダーを取り除いた後焼結して製品を
得る製造方法であり、原料粉末として10ミクロン以下
の微粉末が利用でき、成形法が射出成形であるので高密
度複雑形状の製品を容易に製造できる特徴がある。
【0012】しかしながら、射出成形には金型を用意し
なければならないし、成形時の流動性を良くするために
この熱可塑性バインダーの配合量を原料粉末に対して重
量として10%程度、容量としては50%以上と多量に
配合する必要があり、焼結の前にこの多量の熱可塑性バ
インダーを成形品から脱バインダーにより取り除くの
で、焼結品には変形、引け、そり、割れ、巣等の各種の
欠陥が生じ易い欠点もある。
【0013】したがって焼結品はかなりの仕上加工を必
要とするが、セラミツクやチタンは加工が非常に難しい
材料で焼結品を仕上加工するのは無理であり、だからと
いって射出成形品の段階で加工をしても、熱可塑性バイ
ンダーが多量に含まれているので加工面がむしれてしま
って精密な加工ができず、さらに加工後の脱バインダー
の際にさらに変形してしまうので、精密な製品を得るの
は無理である。
【0014】このようにMIM法は、製作に時間が掛か
ること、コストも高い金型を必要とすること、精度の良
い製品を得難いこと等様々な問題があるので、歯科用イ
ンレイを製造する方法には適さない。
【0015】本発明は前記したような従来技術の欠点を
解消し、医療用に開発された材料の中からセラミツクで
あろうとチタンを含む金属材料であろうと歯科用インレ
イに適用して効果的と思われる材料を自由に利用して、
歯科用インレイを製造できるようにすることを目的とす
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
及び/又はセラミツクのインレイ用材料粉末にバインダ
ーを混合し原料粉末を形成する工程、この原料粉末を型
に充填して加圧成形しブロツク状粉末成形体を形成する
工程、このブロツク状粉末成形体のバインダーの固化処
理をして粉末固化素材ブロツクを形成する工程、この粉
末固化素材ブロツクを歯の患部を印象取りしたインレイ
模型の形状測定データに基づいて機械加工し粉末固化イ
ンレイを形成する工程及びこの粉末固化インレイを脱バ
インダー処理に続いて焼結し粉末焼結歯科用インレイを
形成する工程より成ることを第1の請求項とし、この第
1の請求項において、焼結性粉末が平均粒径30ミクロ
ン以下の微粉末であることを第2の請求項とし、前記第
1及び第2の請求項において、バインダーの配合量が焼
結性粉末に対して0.5乃至20容量%であることを第
3の請求項とし、前記第1〜第3の請求項において、バ
インダーは溶媒に溶解した溶液として焼結性粉末と混合
することを第4の請求項とする粉末焼結歯科用インレイ
の製造方法である。
【0017】
【発明の作用】本発明は以上のように構成され、まず素
材としての金属又はセラミツクを粉末として利用し焼結
法により粉末相互を結合して固体の素材とするので、イ
ンレイに要求される特性を持った素材を自由に選択し利
用できる。
【0018】すなわち素材の原料は、焼結性の粉末であ
るので、金属又はセラミツクの単体粉末として利用でき
ることは勿論金属同志又はセラミツク同志さらには金属
とセラミツクとを自由に混合して混合粉末としても利用
できるので、様々な特性の焼結性粉末の中から製造しよ
うとするインレイにとって最適の特性が得られる粉末を
選び出し、これを原料粉末として利用できる。
【0019】しかもこのインレイの素材となる焼結性粉
末は、従来の焼結法の場合のように粉末相互を加圧力で
結合させた圧粉成形体としてから焼結するのではなく、
粉末相互をバイダーの結合力で結合させた粉末固化素材
として焼結するので、成形には原料粉末を型に倣ってブ
ロツク状に造形するのに十分なだけの加圧力利用すれば
良いので、低圧で成形できる。
【0020】このため成形装置が簡便なものになること
勿論、型も短時間に低コストで製作できる低融点合金の
鋳造型、金属粉入り樹脂型、シリコーンゴム型のような
簡易型も利用できるようになる。
【0021】又原料粉末の成形法としては加圧成形を利
用しているので、バインダーの流動性を利用して射出成
形するMIM法の場合のように多量のバインダーを原料
粉末中に配合する必要がない。
【0022】このため原料粉末中に配合するバインダー
の量は、得られる粉末固化素材の強度だけを考慮して調
節すれば良く、加工機への取付けに支障がなく、しかも
機械加工に際して加工面が強度不足のために崩れたりす
ることがないことは勿論、バインダーが工具に融着して
むしれ加工面が荒れたりするようなこともなく円滑に切
削できるような強度、すなわち機械加工に適した強度の
粉末固化素材が容易に得られるようになる。
【0023】以上のように機械加工に適した強度の粉末
固化素材が得られるので、この素材を用いて歯の患部を
印象取りしたインレイ模型の形状を測定しデータに基づ
いて精密機械加工すれば容易に粉末固化インレイが形成
でき、この粉末固化インレイ脱バインダーした後に焼結
すると、バインダーの配合量が少なく脱バインダーに際
して変形や割れが生じることなく精度の良い粉末焼結歯
科用インレイが容易に得られる。
【0024】以上のようにして焼結法に基づいて歯科用
インレイを製造するに当たり、焼結性粉末を平均粒径3
0ミクロン以下の微粉末とすると高密度で表面が平滑な
焼結体が得られるようになる。
【0025】また前記したように機械加工に適した強度
が得られると同時に脱バインダーの際に変形や割れを生
じさせない粉末固化素材を得るためには、バインダーの
配合量を焼結性粉末に対して0.5乃至20容量%とM
IM法の場合に比べてはるかに少なくするのが好まし
い。
【0026】さらに、バインダーを水或いは有機溶剤の
のような溶媒に溶解した溶液として焼結性粉末と混合す
ると、バインダーは焼結性粉末と均一に混合し易くなっ
て配合量を少なくできる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。
【0028】本発明の粉末焼結インレイの製造法法は図
1の製造工程表に示す通りであり、まずインレイ製造用
の焼結性粉末及びバインダーの調整を行う。
【0029】まず第1工程としてバインダーを調整する
が、バインダーは、固化の形式により、溶媒蒸発型、熱
可塑型、熱硬化型の三つのタイプに大別される。
【0030】溶媒蒸発型は、水溶性或いは有機溶剤可溶
性の高分子化合物を水或いは有機溶剤の溶媒に溶解或い
は分散させたもので、溶媒の蒸発によりバインダーとし
ての高分子化合物が固化するものであり、熱可塑型は、
EVA、PP等の熱可塑性合成樹脂やワツクスのような
熱可塑性高分子化合物を加熱溶融した後冷却固化させる
ものであり、熱硬化型は、尿素、エポキシ、ポリエステ
ル等の熱硬化性合成樹脂を加熱して硬化させるものであ
る。
【0031】本発明においては何れのタイプのバイダー
でも利用できるが、CMC、PVA、澱粉、アルギン酸
ナトリウム等の水溶液、或いはアクリル樹脂、酢酸セル
ロース樹脂等の有機溶剤溶液のバインダー溶液を利用す
ると、焼結性粉末と均一に混合し易く少量でも良く結合
力を発揮し、しかも溶媒を蒸発させるだけで簡単に固化
できて便利である。
【0032】特にバインダー水溶液は、溶媒に引火性や
中毒性がなくて安全であり、また利用時に溶媒が蒸発し
て、バインダーの濃度が変化し焼結性粉末との混合量が
一定しなかったり、原料粉末の段階で固化してしまって
成形がし難くくなってしまったりするようなことがなく
取り扱いが簡単であり、例えばPVAの5重量%水溶液
が利用されるる。
【0033】次に第2工程として焼結性粉末の調整をす
るが、歯科用インレイの製造には、チタン若しくはチタ
ン合金やアルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素のようなセ
ラミツクの30ミクロン以下の微粉末を利用する。
【0034】第3工程では次のような配合例で原料粉末
とバインダー水溶液とを混合して原料粉末1をまず形成
する。 配合例1 焼結性粉末 平均粒径1ミクロンの ジルコニア粉末 100重量部 バインダー PVA5重量%水溶液 10 〃 配合例2 焼結性粉末 平均粒径15ミクロンの チタン粉末 100重量部 バインダー 澱粉10重量%水溶液 10 〃
【0035】このような原料粉末を形成するに当たって
は、焼結性粉末の粒径と、この原料粉末におけるバイン
ダーの配合量を、素材の必要強度を維持ししかも機械加
工性を良くし、又バインダーを脱バインダーにより取り
除いた際に引けやそり等の欠陥を生じさせないために検
討する必要がある。
【0036】焼結性粉末の粒径は直接形成される焼結品
の密度に影響し、歯科用インレイのような精密な焼結品
を作るために密度が高くするためには焼結性粉末は細か
なものであることが必要で、歯科用インレイの製造のた
めには平均粒径は30ミクロン以下であることが好まし
い。
【0037】又バインダーの配合量は、これが少なけれ
ば当然加工機への取り付けに必要な強度が得られない
が、これが多くなると強度が強くなりすぎて加工性が悪
くなり、同時にバインダーが加工用の工具に融着してむ
しれて加工面が荒れてしまい、さらに脱バインダーによ
ってバインターを取り除いた際に体積が大幅に減少する
ので引けやそり等の欠陥が生じ易くなる。
【0038】前記したようなことを考慮すると、バイン
ダーの配合量は、原料粉末中で容量で0.5乃至20%
ととすることが好ましく、前記配合例では0.5〜4%
程度である。
【0039】第4工程では前記したようにして形成し、
わずかに湿気を帯びた程度の状態になった原料粉末1を
ブロツク形状のキヤビテイを持つ型に充填し、第5工程
でプレス成形或いは静水圧成形等の加圧成形によって成
形しブロツク状粉末成形体2を形成する。
【0040】すなわち原料粉末1は、上下パンチ、ダイ
より構成されるフローテイング方式の金型で1平方セン
チメートル当たり1乃至2tonの圧力で冷間プレス成
形するか、或いは1平方センチメートル当たり5Kg程
度の圧力の圧搾空気での静水圧成形する。
【0041】このような加圧成形により形成されたブロ
ツク状粉末成形体2は、第6工程として中に含まれるバ
インダー溶液の溶媒としての水を蒸発させ乾燥して固化
させるが、80乃至150℃程度で約1時間蒸発乾燥さ
せて固化させると、インレイの加工用に適した強度の粉
末固化素材ブロツク3が得られる。
【0042】歯科用インレイ状に機械加工するための粉
末固化素材ブロツク3は前記したような製造工程により
製造されるが、図2及び図3に示すように、粉末固化素
材製造装置4を利用すると、原料粉末の静水成形と成形
体の水を蒸発乾燥して固化させての粉末固化素材ブロツ
クの形成とを一つの装置でできて製造が容易である。
【0043】5は、上面の開口を開閉自在にする上蓋6
を持つ密閉箱5であり、この密閉箱5の側面には図示し
ないコンプレツサー及び真空ポンプに各々接続する圧搾
空気管7と真空排気管8とが配管されている。
【0044】9は密閉箱5の底面上に配備された振動発
生装置であり、この振動発生装置9は、振動発生機12
を裏面に取り付けた振動板10を密閉箱1の底面上に垂
直に立てた弾性支持体11で支持して構成となってお
り、さらに振動板10の上にはヒータ16を埋設した加
熱枠15が載せられている。
【0045】以上のように構成される粉末固化素材製造
装置4を用いて粉末固化素材ブロツク3を形成するに
は、図2に示すように、まず密閉箱5の上蓋6を開けて
ブロツク状のキヤビテイ14が形成された型13を加熱
枠15の中に収めつつ振動板10の上に設置し、続いて
型13の上に原料粉末供給シリンダ17をセツトしキヤ
ビテイ14の中に原料粉末1を供給する。
【0046】以上のようにして型13のキヤビテイ14
の中に原料粉末1が充填されたなら、次は図3に示すよ
うに、密閉箱5の上蓋6を閉じ、型13を振動装置9を
作動して振動させ、同時に圧搾空気供給管7から1平方
センチメートル当たり5Kg程度の圧力の圧搾空気を送
って5〜10分間加圧して静水圧成形する。
【0047】以上のような成形により型13のキヤビテ
イ14の中にはブロツク状の粉末成形体2がまず形成さ
れることになるが、そのまま、振動発生装置9の作動と
圧搾空気供給管7からの圧搾空気の供給とを止め次のバ
インダー固化処理の工程に移る。
【0048】原料粉末中にはバインダーは水溶液とし混
合されているので、固化処理はブロツク状の粉末成形体
2の中から水分を取り除くだけで良く、加熱枠15のヒ
ータ16に通電し型13を80〜100℃程度に加熱す
ると同時に真空排気管8から真空排気し、50〜100
torr程度の真空度で約1時間真空乾燥すると、粉末
固化素材ブロツク3が得られる。
【0049】以上のように粉末固化素材製造装置4を利
用して静水圧成形と真空乾燥とにより異形粉末固化素材
3を形成する際に利用する型13は、成形際して1平方
センチメートル当たり5Kg程度の圧力と真空乾燥の際
の100℃程度の温度には十分耐えるならどのような型
でも良いので、例えばシリコーンゴム型のような簡易型
を利用すると型が短時間に低コストで作れるので好まし
い。
【0050】このようにして粉末固化素材ブロツク3が
得られたなら、次に第7工程として製造しようとするイ
ンレイの形状に機械加工をする。
【0051】この機械加工は粉末固化素材ブロツク3が
非常に機械加工性に優れているので如何なる方法で行っ
ても良いが、歯の患部印象材で型取りして形成したイン
レイ模型18の形状を三次元測定により精密に寸法測定
し、この測定データを利用して作成したインレイの形状
への加工データに基づいてコンピユータ制御の三次元加
工機19を用いて機械加工すると、容易に粉末固化イン
レイ20を形成できる。
【0052】この場合バイダーが適量配合されることに
より、粉末固化素材ブロツク3は、加工機に取り付ける
ためのチヤツキングに十分耐えると同時に加工性が極め
て優れ機械加工に適した強度となっているので、小型で
剛性が低く比較的安価な加工機を利用して、加工面が素
材が崩れたり或いはむしれたりしないで良好な状態で機
械加工される。
【0053】粉末固化素材ブロツク3の機械加工により
形成された粉末固化インレイ20は、次に第8工程でバ
インダーを加熱分解して取り除くいわゆる脱バインダー
を行い、続いて第9工程として加熱により焼結性粉末を
相互に結合させて固化させる焼結を行う。
【0054】この脱バインダーと焼結とは、原料粉末と
しての焼結性粉末の性状に応じた雰囲気と温度とで焼結
炉で連続的に行われるが、例えば原料粉末として配合例
1のジルコニア粉末を焼結性粉末とて利用した場合の脱
バインダー及び焼結の条件は図4に示す通りである。
【0055】すなわち、焼結性粉末がセラミツクである
ので脱バインダー、焼結及び冷却の全ての工程が大気雰
囲気中で行われは、焼結炉の温度を20時間程度を掛け
てゆっくりと500℃まで上げ、この温度に2時間保持
して脱バインダーを行い、その後ジルコニアの焼結温度
である1450℃までに15時間掛けてゆっくりと上
げ、この温度に2時間保持して焼結し、焼結が終わった
なら15時間程度を掛けてゆっくりと常温まで冷却し、
粉末焼結歯科用インレイ21を得る。
【0056】このようにして形成した粉末焼結歯科用イ
ンレイ21は、脱バインダー、焼結並びに冷却に際して
炉の温度をゆっくりと上下させているのでひび割れが全
く生じず、しかも原料粉末1の焼結性粉末の粒径が微細
でバイダーの配合量が少ないので、脱バインダの際の変
形がなくインレイ模型と全く同一の形状寸法で高密度で
表面が平滑な極めて良好な焼結品となり、このまま後加
工することなく歯科用インレイとして利用できる。
【0057】以上はセラミツクの粉末固化インレイを焼
結する場合について説明したが、チタン或いはチタン合
金の粉末固化インレイを焼結する場合でも、雰囲気と温
度とをその焼結性粉末の特性に合わせて適当に調節すれ
ば、セラミツクの場合と同様に、良好な焼結品が容易に
得られることは言うまでもないことである。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上のような構成及び作用のも
のであり、従来のロストワツクス法では作ることができ
ないか、或いは作るのが非常に難しかったチタン或いは
その合金、又はセラミツクといった医療用素材として優
れた特性を持った材料を利用して容易に歯科用インレイ
が製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インレイ製造工程表、
【図2】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末成
形体製造状態)、
【図3】 粉末固化素材製造装置断面図(粉末固
化素材製造状態)、
【図4】 脱バインダー及び焼結条件状態図。
【符号の簡単な説明】 1 原料粉末 2 ブロツク状粉末成形体 3 粉末固化素材ブロツク 4 粉末固化素材成形装置 5 密閉箱 7 圧搾空気供給管 8 真空排気管 13 型 15 加熱枠 19 三次元加工機 20 粉末固化インレイ 21 粉末焼結歯科用インレイ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22F 3/10 5/00 C04B 35/49 C04B 35/49 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属及び/又はセラミツクのインレイ用材
    料粉末にバインダーを混合し原料粉末を形成する工程、
    この原料粉末を型に充填して加圧成形しブロツク状粉末
    成形体を形成する工程、このブロツク状粉末成形体のバ
    インダーの固化処理をして粉末固化素材ブロツクを形成
    する工程、この粉末固化素材ブロツクを歯の患部を印象
    取りしたインレイ模型の形状測定データに基づいて機械
    加工し粉末固化インレイを形成する工程及びこの粉末固
    化インレイを脱バインダー処理に続いて焼結し粉末焼結
    歯科用インレイを形成する工程より成ることを特徴とす
    る粉末焼結歯科用インレイの製造方法。
  2. 【請求項2】焼結性粉末が平均粒径30ミクロン以下の
    微粉末であることを特徴とする請求項1記載の粉末焼結
    歯科用インレイの製造方法。
  3. 【請求項3】バインダーの配合量が焼結性粉末に対して
    0.5乃至20容量%であることを特徴とする請求項1
    及び2記載の粉末焼結歯科用インレイの製造方法。
  4. 【請求項4】バインダーは溶媒に溶解した溶液として焼
    結性粉末と混合することを特徴とする請求項1〜3記載
    の粉末焼結歯科用インレイの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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