JP3229289B2 - 成型用焼結金型およびその形成方法 - Google Patents

成型用焼結金型およびその形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成型用金型に関
し、特に金属粉末を焼結することによって得られる成型
用金型及び成型用多孔質金型,更にはそれらの製造方法
に関する。より詳細には本発明は金属粉末を粉末冶金法
の一種である圧縮成形法により成形した成型用焼結金型
及び成型用多孔質焼結金型及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、真空成形、圧空成形、ブロ−成形
及び射出成形等において使用する量産用金型を作成する
場合には、初めに試作金型を製作し、その後、該試作金
型をもとにして量産用金型を作成している。そしてこの
試作金型を製作する手順としては以下の2つの方法があ
る。
【0003】第1の方法は、初めに、金型製作者が、金
型発注者から提示された図面に基づいて、木材、石膏、
樹脂、更には機械加工の容易な金属素材を使用して、最
終成型品の形状をした母模型即ちマスタ−モデルを製作
する。次いでこのマスタ−モデルを原型とし、例えば金
属粉末を含有する注入型エポキシ樹脂等を使用して、マ
スタ−モデルの反転型の形状をした試作型を作成する方
法である。
【0004】第2の方法は、金型製作者が、金型発注者
から提示された図面に基づき、例えば易切削性のアルミ
ニュ−ムや黄銅から成る素材を切削加工することにより
直接試作型を作成する方法である。
【0005】第1の方法は、第2の方法よりも簡単にし
かも短時間で試作型を作成出来るという長所はあるが、
第1の方法により製作した試作型は、耐圧性、耐熱性、
耐摩耗性及び熱伝導性の点で第2の方法で製作した試作
型に劣るという短所を有している。従って第1の試作型
は、型内へ、材料を高圧高温で射出しなければならない
ような例えばポリカ−ボネイト樹脂やガラス繊維添加の
複合材料等による試作成形には使用出来ず、更に、型自
体の熱伝導性が極めて悪いため、型冷却に長時間を要す
る。その結果、この第1の方法により作成した型によっ
て成形される試作成型品の物性値は、熱伝導性に優れた
第2の金属製材料を使用した試作型にて形成した試作成
型品の物性値とは異なる。
【0006】従って、第1のエポキシ樹脂等を使用した
試作型においては、例えば最終的に使用したいポリカ−
ボネイト樹脂やガラス繊維添加の複合材料等の樹脂製品
とは異なり、これらよりも低温低圧で射出成形出来る種
類の材料を使用して製品を試作製造せざるを得ないとい
う条件付きで、金型製作者はこの試作型を用いて成型品
を作成し、金型発注者に対してその成型品の形状や機能
の確認を求め、更に、必要に応じて、この試作型を修正
し、再度確認作業を繰り返し、最終金型図面を作成して
いる。
【0007】こうして最終金型図面が完成した後に、こ
の最終金型図面に基づいて量産用金型が作成される。こ
の量産用金型は公知の金型用金属を例えば放電加工等の
加工手段で彫刻することにより製作されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような彫刻作業は
成型品の容積が大きくなるにつれて削り取る金属の量が
増大し、その作業に要する時間が長くなる。しかして、
量産用金型の償却経費が製品単価に大きく反映してくる
ため、金型発注者は、製品製作ロットが小さい場合に
は、前記試作型をそのまま量産用金型として使用して、
経費の節約を望みたいところである。
【0009】しかしながら第1の方法により作成したエ
ポキシ樹脂等を使用している試作型では、量産稼働した
場合の製作可能点数が極めて少量に制限されるため、現
実にはこの試作型を量産用金型として使用することは出
来ず、このため製品製作ロットが小さい場合でも、該試
作型から量産用金型を製作せざるを得ない。一方、第2
の方法である易切削性のアルミニュ−ムや黄銅から成る
素材を切削加工することにより作成される試作型は、金
属塊に彫刻を施す点においては量産用金型の成形加工と
変わらないが、試作型用の材料は量産用金型に用いられ
る鋼材より安価でかつ切削加工性に優れる分だけ、量産
用金型の成形加工に要する時間よりも切削時間を節約出
来るが、反面、量産用金型よりも耐摩耗性や耐圧性に劣
る。そしてこの第2の方法による金属製試作型を使用し
て成形した成型品は、第1の方法による樹脂注入型の試
作型を使用して成形した成型品よりも格段に量産品に近
い形状と機能とを有しているが、耐摩耗性や耐圧性を必
要とする樹脂や複合材を使用する時には金型寿命に限界
があり、従ってこの第2の方法による金属製の試作型
も、量産金型として、これをそのまま転用することは出
来ない。このように従来の試作型においては、第1の樹
脂注入型の試作型では、その成形に要する時間を節約出
来るが、あくまでも試作の域に止まり、形状や簡単な機
能の確認のみに使用出来るにすぎず、一方、第2の金属
製の試作型は、量産用金型の製造に比べれば安価である
が、第1の試作型に比べるとかなり高価であり、また、
例え小ロットの生産に対しても、成形に使用される材料
によっては、量産用金型として使用することが出来ない
等の課題がある。
【0010】また、いずれの試作型においても、該試作
型から量産用金型を製作する場合において、金型塊を彫
り込むという作業からは脱却していない。最近、その作
業に要する機械の進歩や新しい手段の開発等によって時
間の短縮化が図られているが、成型品の容積が大きくな
るにつれて削り取る金属の量が増大し、その作業に要す
る時間が長くなり、金型を製作する経費はそれほど低下
はしていない。加えて、近年、産業界では、これまでの
少品種大量生産の方式から多品種少量生産の方式へと、
商品の生産方式が転換される傾向にある。また、今日で
は、技術開発の速度が極めて早く、商品のライフサイク
ルが短くなる傾向にある。このため、新規金型の製造が
頻繁に行われると共に、相対的に個々の金型の稼働時間
が短くなっている。これらの理由により金型作成のため
の経費が一層高価なものとなるという課題があった。
【0011】このような金型作成に要する経費の異常な
増大を抑制するために、マスタ−モデルの製作に光造形
方式の導入、試作型への注入型の金属・樹脂複合材の利
用、数値制御方式の加工機との連動によるCAD/CA
M方式による設計から製作までの合理化等様々な手段で
産業界の要請に応えようとしているが、今日、根本的な
解決策とは成り得ていないのが現状である。更に、この
ような提案に基づいて作成された金型は、しばしば寸法
精度に難点があったり、強度不足等による型材としての
安定性に欠けたり、更には高額な設備投資を必要とする
等の課題が発生することが判明している。その上、この
ような提案に基づいて作成された試作型においては、そ
の金型が試作型の域を脱することが出来ず、製品を量産
するための量産用金型を製作するためには、金属にマス
タ−モデルの反転型を彫り込むことから始めなければな
らないという課題があり、同時に上述のような金型作成
に要する経費の増大を招くという課題を解消するための
根本的な解決策とはなっていない。
【0012】また、最近急速にその生産量が増大してい
る情報関連機器に代表される精密機器に使用される成形
品においては、極めて高い品質精度が要求され、これに
伴って、使用される成形金型にも極めて高い精度が要求
されてきている。このような高精度の金型を作成する場
合、通常、タングステンカ−バイト・コバルト合金のよ
うな超硬合金系統の素材を放電加工により彫刻している
が、これらの素材は超難削材であり、加工能率が極めて
低い。また、金型素材への放電加工途中で素材内にクラ
ックを発生する場合があり、金型の寿命が短いという課
題もある。
【0013】このタングステンカ−バイト・コバルト合
金製の金型鋼材はタングステンカ−バイト粉末とコバル
ト粉末とを混合して粉末冶金法により焼結して製造され
ている。焼結された超難削鋼材のタングステンカ−バイ
ト・コバルト合金に放電加工等の手段で彫刻する代わり
に、マスタ−モデルの反転した形状の金型そのものを粉
末冶金法で製作することが試みられている。この方法に
よれば超難削鋼材をほとんど彫り込まなくても済む利点
がある。しかし、この粉末冶金法は基本的にはプレス成
形であるため、金型形状は単純な構造に限定され、複雑
な形状には対応出来ない。しかもプレス成型用の金型を
作らなければならないという再度の金型問題にぶつか
る。また、タングステンカ−バイト・コバルト合金に限
らず、他の鋼種でも粉末冶金法により金型を製作するこ
とは可能であるが同様の問題にぶつかる。
【0014】更に、粉末冶金法では成形後の脱バインダ
−工程が障害となって大型の焼結金型は得られない。成
形工程と焼結工程との間で行わなけらばならない脱バイ
ンダー工程では、予め成形した成型品を専用に脱脂炉に
入れて90〜120°Cでワックスを流出させ、次いで
400〜500°Cでプラスチックを熱分解させる。こ
の際、プラスチックの熱分解によりガスが発生し金型か
らガスが揮発する。この間の加熱昇温速度は極めて緩や
かにしないと、プラスチックが急速に熱膨張し、成型品
にクラックが発生する危険がある。また、プラスチック
の熱分解温度はプラスチックに由来する炭素原子が金属
成分と炭化反応を始める温度に近く、焼結品中の残留炭
素の増大をもたらす原因となり、焼結金属の機械的強度
等に悪影響を及ぼす恐れがあるという種々の課題があっ
た。
【0015】更に、これまでの、真空成形、圧空成形、
又はブロー成形用の金型においては、成型時に金型内に
閉じ込められることにより成形の障害となる空気を、金
型外へ排出するために金型に極細径の排気孔(真空孔)
を設けているが、この排気孔の数や位置や形状等に関し
て適正な判断をするには高度な技術と長い経験とが必要
となっている。また射出成形でも同様に、型内に閉じ込
められた空気や、溶融した樹脂から発生するガスを排出
するためエア−ベントや、ガス抜き孔等の機構を設けな
ければならないが、どのような機構をどこにいくつ設け
るかの判断には同様に高度な技術と経験とが必要とされ
るという課題があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで本件発明は、上記
諸課題を解決するため、マスタ−モデルの転写作業に用
いる注入型金属・樹脂複合材の代わりに、平均粒径が
0.5〜15μmの金属粉末と寒天バインダ−によって
作成されたコンパウンドを反転型への転写材料として使
用し、かつ加熱成形するための新しい治具を使用して所
定の焼結工程を経ることによりこの反転型を焼結するこ
とによって焼結金型を作成する。このような寒天バイン
ダ−によって作成されたコンパウンドを転写材料として
使用することにより、比較的低圧で反転型を加熱成形出
来るため、マスタ−モデルを破壊せず、流動性に優れる
ため、複雑な形状のマスタ−モデルを忠実に転写出来
る。また脱バインダ−工程を必要としないため成型品を
直接焼結炉に入れて直ちに焼結出来るため、短時間で焼
結金型が出来、このようにして得られた焼結金型の金属
としての物性値は金型用鋼材の熔製材に近い値を示すの
である。かかる手段によれば、マスタ−モデルを転写す
ることから金属塊に彫刻する作業はほとんど必要とせ
ず、仕上げ加工のみを残すだけであり、極めて短時間の
内に量産用金型に使用される鋼材と同等の品質を有する
金属製の試作金型が作成出来る。
【0017】本発明では新たな治具や新たな焼結工程が
必要になるが、従来の注入型金属・樹脂複合材を使用し
た試作型や易切削加工性金属材料による試作金型の持つ
上記課題を一挙に解決出来る。
【0018】そしてこのようにして得られた試作用焼結
金型は僅かな修正作業が終了することにより、量産用焼
結金型にそのまま移行出来るのである。
【0019】また、脱バインダ−の問題点を解決するた
め、本件発明においては、粉末寒天をバインダ−とする
金属粉末の圧縮成形を採用している。このような粉末寒
天をバインダ−とする圧縮成形は、本件発明の発明者が
金属やセラミック粉末の射出成形に関して先に開示(特
公平7−68566号及び特開平8−25151号)し
たように、金属粉末の圧縮成形において、脱脂工程を必
要とせず、そのため複雑な形状や大型の焼結品を容易に
得ることが出来るようにしたのである。即ち、タングス
テンカ−バイト粉末はより高い強度を得るためサブミク
ロン単位の超微粉末が使用されており、そのため、バイ
ンダ−含有比率が高くなり、結果的に脱脂工程即ち脱バ
インダ−工程に長い時間を必要としたのであるが、本件
のように、サブミクロン単位の超微粉末にバインダ−と
して粉末寒天を使用することにより、脱脂工程を不要と
したのである。これは、粉末寒天はアガロ−スにより代
表される天然多糖類が主成分であり、その構造式から明
らかなように炭素原子に、−OH基、−H基、ーCH3
基及び−COOH基が結合した環状構造で、−O−結合
によりポリマー状態を構成している。従って、低温加熱
(140〜280°C)により容易に縮合反応を引き起
こして熱分解を受ける。従って、この作用を利用すれば
焼結途中の昇温過程で粉末寒天を溶解している水が先に
蒸発し、次いでアガロースが熱分解を起こし、気体状
の、H−O−H,O−C−O及びC−Oとして揮発する
ようにしたからである。即ち、粉末寒天を水と約90〜
110°Cの温度で十分加熱溶解すると、水分子(H−
O−H)とアガロースの−OH基の間で水素イオン結合
を起こし、熱変化によりゾル/ゲル可逆反応を示す。従
って、加熱すれば流動性のあるゾル状態になり、冷却す
れば固化したゲル状態になり、この作用を利用すればマ
スタ−モデルから反転型を取る注型材として利用するこ
とが出来ることに着目したのが本件発明である。このよ
うな特性により、従来のプラスチック・ワックス系統の
バインダ−を使用して金型を成型した場合の課題が、完
全に解消しているのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施例に
ついて例示的に述べる。しかし本発明はこれらの実施形
態に限定されるものではないことは理解されるべきであ
る。以下において、
【実施例1】は、金型鋼として代表的なSKD−11金
属粉末を使用して金型を形成する場合の例であり、特殊
なエア−ベント(排気孔)を必要としない通常の形状を
有する試作型の作成方法について開示している。
【実施例2】は、超硬金属のタングステンカ−バイト
(WC)金属粉末を使用して金型を作成する場合の例で
あり、特殊なエア−ベント(排気孔)を必要としない通
常の形状を有する試作型の作成方法について開示してい
る。また、
【実施例3】は、超硬金属のタングステンカ−バイト
(WC)を使用して多孔質金型を製作する場合の例であ
って、エア−ベント(排気孔)を必要とする形状を有す
る試作型の作成方法について開示している。上述の方法
によって作成した試作型による成型品に問題が無けれ
ば、これらの試作型は直ちに量産用金型として転用する
ことが出来るのである。なお、その際、ここに述べる実
施例に基づいて形成した試作型では、マスタ−モデルを
忠実に転写しているので該試作型を殆ど切削調整する必
要なく、またはもし切削してもその調整量は極めてが少
なく、また粉末寒天をバインダ−とする金属粉末の圧縮
成形を採用することによりタングステンカ−バイト(W
C)・コバルト合金を使用した型でも簡単に大きな金型
を作成することが出来るのである。
【0021】
【実施例1】 金型鋼として代表的なSKD−11金属
粉末を使用して金型を形成する場合の例について: (1)初めに、次に示す配合割合で粉末状コンパウンドを作成する。 コンパウンドの配合割合(重量%) SKD−11(平均粒度 10〜15μ) 86.09% 粉末寒天(ゲル強度2,000g/cm2) 3.48% ステアリン酸 0.41% 水 10.02%
【0022】ここで、粉末寒天と、水と、金属粉末の半
量と、をニ−ダ−に投入して約94〜110°Cに加熱
しながら撹拌を行い、粉末寒天を完全に溶解し、金属粉
末の混じったゾルを作成する。次いで、該ゾルの温度を
60°C付近まで下げてから残りの金属粉末とステアリ
ン酸の全量とを分割投入しながら、ニ−ダ−の加圧蓋を
下ろし十分に加圧混練し均質化してから、30〜35°
Cまで冷却して金属ブロックを形成し、その後該ブロッ
クを粉砕機等で粉砕し粉末状態のコンパウンドを生成す
る。
【0023】(2)次いで、予め作成したマスタ−モデ
ル12を、図1に示すように金型成形装置14の温度調
節可能な固定盤16の上に載せた金属製の型枠18の中
に置き、上記(1)で生成したコンパウンド10を該型
枠18内の当該マスタ−モデル12の上に充填し、この
コンパウンド10の上に、該金型成形装置14を構成す
る上蓋20を載せ、この上蓋20を同様に温度調節可能
な加圧盤22によって、図2に示すように、約50Kg
/cm2 の圧力で押圧する。ここで、マスタ−モデル1
2は、金型発注者から提示された図面に基づき、焼結収
縮率及び成型収縮率を考慮に入れて、手作業又は所定の
加工機を使用し、又はCAD/CAM方式により、正確
に作成されるものである。このときのマスタ−モデルは
100°C付近で容易に変形したり吸水することのない
例えばプラスチック系素材を用いることが望ましい。な
お、このとき、予めマスタ−モデルの体積を算出してお
けば、使用されるコンパウンドの量を算出することが出
来るので便利である。また、金型成形装置14の固定盤
16、22には、電気ヒ−タや、加熱流体が流動するた
めの配管等が配置されており、該固定盤16、22の温
度を自由に調節することが出来ようになっている。
【0024】(3)この加圧状態を維持しながら、若し
くは加熱中の前記コンパウンド10の体積膨張により上
蓋20が押し上げられない程度の圧力で上蓋20を加圧
保持しながら型枠18を上下から挟んでいる温度調節可
能な加圧盤22と固定盤16とを加熱する。型枠18の
温度が94〜110°Cになった後、少なくとも15分
以上その加熱状態を維持し、コンパウンド10が十分溶
解しかつ流動性を持つようにする。
【0025】(4)その後、温度調節可能な加圧盤22
と固定盤16の温度を55〜60°Cまで下げる。型枠
18内のゾル化した前記コンパウンド10の温度が55
〜60°Cまで低下した後、加圧盤22の圧力を100
Kg/cm2 まで上昇させ、約30秒以上保持する。そ
の後、加圧盤22と固定盤16との温度を30°C以下
まで徐々に下げ、コンパウンド10をゲル化させ、マス
タ−モデルの形状をした成型品を成型する。
【0026】(5)加圧盤22から圧力を開放し、型枠
18から上蓋20を取り外し、更に型枠18を固定盤1
6から取り外す。マスタ−モデル12と一体化して固化
した成型品を型枠18から取り外し、次いで、マスタ−
モデル12を成型品から取り外す。
【0027】(6)成型品を公知の真空焼結炉に入れて
280°Cまで加熱する。このときの昇温速度は1〜2
°C/分とする。280°Cで約1時間保持した後、更
に昇温速度6〜7.5°C/分で1250°Cまで昇温
し、その状態を少なくとも約1時間保持した後、常温ま
で急冷する。こうして出来上がった焼結品に仕上げ加工
を施し、金型として組み上げるのである。
【0028】
【実施例2】 超硬金属のタングステンカ−バイト(W
C)金属粉末を使用して金型を作成する場合の例につい
て: (1)初めに、次に示す配合割合で粉末状コンパウンドを作成する。 コンパウンドの配合割合(重量%) WC粉末(平均粒度 0.5〜0.7μ) 80.78% コバルト粉末 8.98% 粉末寒天(ゲル強度2,000g/cm2 ) 2.56% ステアリン酸 0.31% 水 7.37%
【0029】ここで、粉末寒天と、水と、金属粉末の半
量と、をニ−ダ−に投入して約94〜110°Cに加熱
しながら撹拌を行い、粉末寒天を完全に溶解し、金属粉
末の混じったゾルを作成する。次いで、該ゾルの温度を
60°C付近まで下げてから残りの金属粉末とステアリ
ン酸の全量とを分割投入しながら、ニ−ダ−の加圧蓋を
下ろし十分に加圧混練し均質化してから、30〜35°
Cまで冷却して金属ブロックを形成し、その後該ブロッ
クを粉砕機等で粉砕し粉末状態のコンパウンドを生成す
る。
【0030】(2)次いで、実施例1の(2)工程に記
載したと同様の手法及び素材によって予め正確に作成し
たマスターモデル12を、図1に示す実施例1の場合と
同様の金型成形装置14の温度調節可能な固定盤16の
上に載せた金属製の型枠18の中に置き、上記(1)で
生成したコンパウンド10を該型枠18内の当該マスタ
−モデル12の上に充填し、このコンパウンド10の上
に、該金型成形装置14を構成する上蓋20を載せ、実
施例1の(2)において述べたと同様に図2に示すよう
にして、約50Kg/cm2 の圧力で押圧する。
【0031】(3)この加圧状態を維持しながら、若し
くは加熱中のコンパウンド10の体積膨張により上蓋2
0が押し上げられない程度の圧力で上蓋20を加圧保持
しながら型枠18を上下から挟んでいる温度調節可能な
加圧盤22と固定盤16とを加熱する。型枠18の温度
が94〜110°Cになった後、少なくとも15分以上
その加熱状態を維持し、コンパウンド10が十分溶解し
かつ流動性を持つようにする。
【0032】(4)その後、温度調節可能な加圧盤22
及び固定盤16の温度を55〜60°Cまで下げる。型
枠18内のゾル化したコンパウンド10の温度が55〜
60°Cまで低下した後、加圧盤22の圧力を100K
g/cm2 まで上昇させ、約30秒以上保持する。その
後、加圧盤22と固定盤16との温度を30°C以下ま
で徐々に下げ、コンパウンド10をゲル化させ、マスタ
−モデルの形状をした成型品を成型する。
【0033】(5)加圧盤22から圧力を開放し、型枠
18から上蓋20を取り外し、更に型枠18を固定盤1
6から取り外す。マスタ−モデル12と一体化して固化
した成型品を型枠18から取り外し、次いで、マスタ−
モデル12を成型品から取り外す。
【0034】(6)成型品を公知の真空焼結炉に入れて
280°Cまで加熱する。このときの昇温速度は1〜2
°C/分とする。280°Cで約1時間保持した後、更
に昇温速度6〜7.5°C/分で1380°Cまで昇温
し、その状態を少なくとも約1時間保持した後、常温ま
で急冷する。こうして出来上がった焼結品に仕上げ加工
を施し、金型として組み上げるのである。
【0035】
【実施例3】 超硬金属のタングステンカ−バイト(W
C)を使用して多孔質金型を製作する場合の例につい
て: (1)初めに、次に示す配合割合で粉末状コンパウンドを作成する。 コンパウンドの配合割合(重量%) WC粉末(平均粒度 0.5〜0.7μ) 72.36% コバルト粉末 15.78% 吸水粉末寒天(ポーラス作成用) 1.80% 粉末寒天(ゲル強度2,000g/cm2 ) 2.51% ステアリン酸 0.30% 水 7.25%
【0036】この実施例においては、ポ−ラス作成用吸
水粉末寒天の粒度径を選択することにより、多孔質焼結
金型に出来る気孔の大きさを制御することが出来る。こ
こで、粉末寒天と、水と、金属粉末の半量と、をニ−ダ
−に投入して約94〜110°Cに加熱しながら撹拌を
行い、粉末寒天を完全に溶解し、金属粉末の混じったゾ
ルを作成する。次いで、該ゾルの温度を60°C付近ま
で下げてから残りの金属粉末とステアリン酸の全量とを
分割投入しながら、ニ−ダ−の加圧蓋を下ろし十分に加
圧混練し均質化してから、吸水粉末寒天(ポ−ラス作成
用)を添加して更に混練し、これを30〜35°Cまで
冷却して金属ブロックを形成し、その後該ブロックを粉
砕機等で粉砕し粉末状態のコンパウンドを生成する。
【0037】(2)次いで、実施例1の場合と同様の手
法及び素材によって予め正確に作成したマスタ−モデル
12を、図1に示す実施例1の場合と同様の金型成形装
置14の温度調節可能な固定盤16の上に載せた金属製
の型枠18の中に置き、上記(1)で生成したコンパウ
ンド10を該型枠18内の当該マスタ−モデル12の上
に充填し、このコンパウンド10の上に、該金型成形装
置14を構成する上蓋20を載せ、実施例1の(2)に
おいて述べたと同様に図2に示すようにして、約50K
g/cm2 の圧力で押圧する。
【0038】(3)この加圧状態を維持しながら、若し
くは加熱中のコンパウンドの体積膨張により上蓋20が
押し上げられない程度の圧力で上蓋20を加圧保持しな
がら型枠18を上下から挟んでいる温度調節可能な加圧
盤22と固定盤16とを加熱する。型枠18の温度が9
4〜110°Cになった後、少なくとも15分以上その
加熱状態を維持し、コンパウンド10が十分溶解しかつ
流動性を持つようにする。
【0039】(4)その後、温度調節可能な加圧盤22
及び固定盤16の温度を55〜60°Cまで下げる。型
枠18内のゾル化したコンパウンド10の温度が55〜
60°Cまで低下した後、加圧盤22の圧力を100K
g/cm2 まで上昇させ、約30秒以上保持する。その
後、加圧盤22と固定盤16との温度を30°C以下ま
で徐々に下げ、コンパウンド10をゲル化させ、マスタ
−モデルの形状をした成型品を成型する。
【0040】(5)加圧盤22から圧力を開放し、型枠
18から上蓋20を取り外し、更に型枠18を固定盤1
6から取り外す。マスタ−モデル12と一体化して固化
した成型品を型枠18から取り外し、次いで、マスタ−
モデル12を成型品から取り外す。
【0041】(6)成型品を公知の真空焼結炉に入れて
280°Cまで加熱する。このときの昇温速度は1〜
1.5°C/分とする。280°Cで約3時間保持しバ
インダー用粉末寒天及びポーラス作成用粉末寒天を十分
に熱分解した後、更に昇温速度6〜7.5°C/分で1
380°Cまで昇温し、その状態を少なくとも約1時間
保持した後、常温まで急冷する。こうして出来上がった
焼結品に仕上げ加工を施し、金型として組み上げるので
ある。
【0042】
【発明の効果】そこで本件発明は、マスタ−モデルの転
写作業に用いる注入型金属・樹脂複合材の代わりに、寒
天バインダ−によって作成されたコンパウンドを反転型
への転写材料として使用し、この反転型を焼結すること
により焼結金型を作成することを特徴としている。寒天
バインダ−によって作成されたコンパウンドを転写材料
とすることにより、以下のような特徴を有している。
【0043】(1)低圧で加熱成形出来るため、マスタ
−モデルを破壊しない。 (2)流動性に優れるため、複雑な形状のマスタ−モデ
ルを忠実に転写出来る。 (3)脱バインダー工程を必要としないため成型品を直
接焼結炉に入れて直ちに焼結出来るため、短時間で焼結
金型が出来る。 (4)このようにして得られた焼結金型の金属としての
物性値は金型用鋼材の熔製材に近い値を示す。 (5)加熱成形するための新しい治具を必要とすること
と、焼結工程が新たに必要になる。
【0044】このような特徴を有しているため、マスタ
−モデルを転写することから金属塊に彫刻する作業はほ
とんど必要とせず、仕上げ加工のみを残すだけである。
従って、極めて短時間の内に量産用金型に使用される鋼
材と同等の品質を有する金属製の試作金型が作成出来
る。
【0045】新たな治具や新たな焼結工程が必要になる
反面、従来の注入型金属・樹脂複合材を使用した試作型
や易切削加工性金属材料による試作金型の持つ問題点を
一挙に解決出来る利点の方が遥かに大きい。
【0046】更にこのようにして得られた試作用焼結金
型は修正作業が終了すれば量産用金型にそのまま移行出
来る極めて大きい利点を有している。
【0047】また、本発明によれば、金型用鋼材として
使用されているステンレス系統の合金、工具鋼、超硬金
属、セラミックスまで自由に素材を選択しながら、従来
の樹脂・金属粉末複合材による注型方式による反転型の
作成と同様の工程で金属粉末の成型品が容易に作成され
る。この成型品を焼結すれば、寸法精度の高い試作型が
出来る。また、成型品を作る工場に焼結炉が設置されて
いる場合は、1〜2日で焼結金型が完成する。さらに、
焼結金型の寸法手直しや仕上げ工程が少なければ2〜3
日で極小から大型の成型品金型が容易に作成出来、大幅
な原価低減と納期の短縮が図れる。また、試作段階で行
われる検討項目で問題を生じなけらばそのまま量産金型
として使用出来るので更に原価低減と納期の短縮が図れ
るのである。
【0048】加えて、吸水粉末寒天を添加したコンパウ
ンドを反転型の取得材料として利用した場合、焼結途中
で吸水複合寒天が熱分解を受け、吸水粉末寒天の跡が気
孔として残る。この焼結体全体に均一に分散した気孔に
より、成型時に型内に閉じ込められる空気や成型材料の
樹脂から発生するガスの排出が行われるため、改めて極
細な真空孔をあけたりエア−ベントを設けるという必要
性はない。またこの際吸水粉末寒天の粒子径を予め選択
することにより、焼結体に出来る気孔の大きさを自由に
選択することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明において使用する、調合したコンパウ
ンドを加圧するための加圧装置の組付時の状態を示す図
である。
【図2】図1に示す加圧装置によってコンパウンドを加
圧している状態を示す当該加圧装置の使用時を示す図で
ある。
【符号の説明】
10:コンパウンド 12:マスタ−モデル 14:金型成形装置 16:温度調節可能な固
定盤 18:型枠 20:上蓋 22:温度調節可能な加圧盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/02 B22F 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末寒天をバインダ−とし、0.5〜1
    5μmの平均粒度を有する金属粉末よりなる成型材料
    に、未溶解の粉末寒天を添加して得られた成型材料を圧
    縮成型して得られた成型体を焼結し、該成型体に分散す
    る未溶解の粉末寒天が焼結中の熱分解により空洞を形成
    した、成型用多孔質焼結金型。
  2. 【請求項2】 粉末寒天をバインダ−とする0.5〜1
    5μmの平均粒度を有する金属粉末よりなる成型材料
    に、更に未溶解の粉末寒天を添加して得られた成型材料
    を圧縮成型して得られた成型体を焼結し、成型体に分散
    する未溶解の粉末寒天が焼結中の熱分解により出来る空
    洞を包含している、多孔質成型用焼結金型の形成方法。
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