JPH08311476A - 鋼板用防錆兼用プレス加工油 - Google Patents

鋼板用防錆兼用プレス加工油

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JPH08311476A
JPH08311476A JP11684995A JP11684995A JPH08311476A JP H08311476 A JPH08311476 A JP H08311476A JP 11684995 A JP11684995 A JP 11684995A JP 11684995 A JP11684995 A JP 11684995A JP H08311476 A JPH08311476 A JP H08311476A
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oil
mass
ester
sulfur
oils
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JP11684995A
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Shinji Motoki
伸治 元木
Yorio Yana
順雄 梁
Takeshi Masuda
猛 増田
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PARKER KOSAN KK
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PARKER KOSAN KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 難加工性の冷延鋼板、厚めっき亜鉛めっき鋼
板等向けの防錆兼用プレス加工油のプレス加工性を高め
る。 【構成】 基油として鉱油、油脂、液状合成油の1種以
上30〜90質量部と、防錆添加剤としてC16以上のア
ルキルスルフォン酸塩、C12以上のカルボン酸及びその
塩、高塩基性スルフォネート、C12以上のカルボン酸の
N含有化合物の1種以上1〜20質量部と、耐摩耗剤と
してアルキル亜リン酸エステル1種以上1〜20質量部
と、不活性タイプS系極圧添加剤としてS5〜15質量
%含む脂肪酸エステル化合物、S結合油脂及び油脂とC
6 〜C18のオレフィンとをS結合した化合物の1種以上
1〜20質量部と、油性剤として飽和脂肪酸エステル1
種以上5〜40質量部とから成り、かつアルキル亜リン
酸エステルと不活性型S系極圧添加剤の含有質量比1:
15〜2:1、活性S分0.5質量%以下、ケン化価8
0mgKOH/g以下、動粘度(40℃)3〜30mm
2 /sの防錆兼用プレス加工油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板の防錆兼用プレス
加工油に関し、詳しくは、冷延鋼板、電気亜鉛めっき鋼
板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板、合金化
亜鉛めっき鋼板などの鋼板に適用される防錆性、変色防
止性、脱脂性とプレス加工性を付与した鋼板用防錆油に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車産業では長期間車体を防錆
することが市場で要求されているので従来の防錆鋼板を
更に高防錆にする為、亜鉛めっきの目付量が増加しこれ
に伴い該鋼板の難加工性が問題になっている。また意匠
の多様化に伴い、より複雑な形状をした自動車部品が増
え、鋼板のプレス加工性に対する要求が益々強まってい
る。
【0003】本出願人は、亜鉛めっき鋼板用の多機能型
プレス加工油として1回の塗油で、加工潤滑性、耐変色
性、防錆性及び塗装前処理における洗浄除去性に優れた
亜鉛めっき鋼板用防錆兼用プレス加工油を提供すべく、
特開平03−162492号において次の構成の亜鉛め
っき鋼板用防錆兼用プレス加工油を提案した。すなわ
ち、その内容は(a)基油として、鉱油、油脂及び液状
合成油から選ばれる1種または2種以上の油の65〜9
5重量部と、(b)防錆添加剤として、C16以上のアル
キルスルフォン酸塩、C12以上のカルボン酸及びその塩
から選ばれる化合物の1〜20重量部と、(c)潤滑助
剤として、アルキル亜リン酸エステルから選ばれる1種
または2種以上の化合物の1〜20重量部と、(d)不
活性タイプ硫黄系極圧添加剤として、硫黄分を5〜15
重量%含む脂肪酸エステル化合物、硫黄結合油脂及び油
脂とC8 〜C18のオレフィンとを硫黄結合した化合物か
ら選ばれる1種または2種以上の化合物(a)〜(d)
の1〜20重量部から成る防錆兼用プレス加工油であっ
て、アルキル亜リン酸エステルと不活性タイプ硫黄系極
圧添加剤の含有比率が重量比で1:15〜2:1であ
り、かつ該加工油中の活性硫黄分が0.5重量%以下で
あり、さらに粘度が40℃で5〜30cstである。こ
の亜鉛めっき鋼板用防錆兼用プレス加工油は日本の鉄鋼
メーカーから出荷されるある種の亜鉛めっき鋼板製品に
塗油されている。
【0004】しかし上記公開公報の加工油は亜鉛めっき
鋼板用防錆兼用プレス加工油に求められる防錆性、脱脂
性を備えかつ通常のプレス加工時には満足出来るプレス
加工性を発揮するが、一部の難加工材に対する加工潤滑
性が不充分であり、最近の鋼板のプレス加工性に対する
要求を満足するには更にプレス加工性を向上させる要望
が生じたのである。
【0005】また、上記公開公報の発明は亜鉛めっき鋼
板のプレス加工性を改善することを意図したものであ
り、冷延鋼板のプレス加工に適応するものではなかっ
た。事実その加工油を用い冷延鋼板をプレス加工したと
ころ、冷延鋼板の加工性は不十分であり、未だ改善の余
地があることが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決することを目的とし、冷延鋼板及び特に目付量が多
い亜鉛めっき鋼板などの各種鋼板用の多機能型プレス加
工油として1回の塗油で、プレス加工性、防錆性、脱脂
性に優れた鋼板用防錆兼用プレス加工油を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、本発明者等は、
先に述べた問題点を解決できる冷延鋼板および特に目付
量の多い亜鉛めっき鋼板用プレス加工油について研究し
た結果、先ず下記(イ)〜(ホ)の新たな知見を得るに
至った。すなわち、これらは上記公報における知見と一
部共通するが冷延鋼板及び目付量が多い亜鉛めっき鋼板
の防錆及びプレス加工にもおいても重要であることを見
出した。
【0008】(イ)耐白錆性及び赤錆性を付与させるた
めの防錆添加剤としてアルキルスルフォン酸塩、カルボ
ン酸及びその塩、高塩基性スルフォネートから選ばれる
化合物をプレス加工油に配合させること。又、脱脂性を
阻害しない為、防錆添加剤の配合量などについて限定す
る必要があること。 (ロ)プレス潤滑性能を適度に保持するための耐摩耗剤
として、基油に配合するアルキル亜リン酸エステルの種
類、その分子構造における炭素数及びプレス加工油への
配合量などについて限定する必要があること。 (ハ)プレス潤滑性能を適度に保持するために、極圧剤
の硫黄結合化合物の種類その分子構造における炭素数、
活性硫黄分の含有量及び硫黄結合化合物のプレス加工油
への配合量などについて限定する必要があること。 (ニ)塗油される鋼板表面の変色を抑制するためには、
硫黄系極圧剤は不活性タイプが適切であり、プレス加工
油中の活性硫黄分の含有量を0.5%(質量%、以下同
じ)以下とする必要があること。 (ホ)プレス加工油にその油膜の脱脂性を付与するため
に、該加工油の粘度を40℃で3〜30mm2 /sに限
定すること。
【0009】さらに、本発明者等は冷延鋼板及び目付量
の多い亜鉛めっき鋼板用加工油につき研究を進めた結果
下記の新たな知見を得るに至った。 (ヘ)亜鉛めっき鋼板のプレス潤滑性能を更に高め、か
つ冷延鋼板に対するプレス潤滑性を高めるために、油性
剤として飽和脂肪酸エステルレスを基油に配合する必要
があること。またその種類、その分子構造における炭素
数及びプレス加工油への配合量などについて好ましい構
成があること。 (ト)塗油される鋼板表面の白錆、赤錆を抑制し、又塗
油された油膜の脱脂性を阻害しないため、該加工油のケ
ン化価を80mgKOH/g以下に限定する必要がある
こと。
【0010】以上の知見に基づいて本発明者等はさらに
検討を進めた結果、前述の要望に添った目的とするプレ
ス加工油を完成するに至った。すなわち、本発明のプレ
ス加工油は防錆性と潤滑性を兼ね備えたものであって、
その構成は、 (a)基油、防錆添加剤、耐摩耗剤、極圧添加剤及び油
性剤から成るものであって、まず (b)各物質の限定範囲として 基油:鉱油、油脂及び液状合成油から選ばれる1種ま
たは2種以上を30〜90部(質量部、以下同じ)含有
させること、 防錆添加剤:C16以上のアルキルスルフォン酸塩、C
12以上のカルボン酸及びその塩、高塩基性スルフォネー
ト及びC12以上のカRUBONN酸の窒素化合物から選
ばれる1種または2種以上の化合物を1〜20部含有さ
せること。 耐摩耗剤:アルキル亜リン酸エステル特に第2級及び
第3級化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物
を1〜20部含有させること。 極圧添加剤:不活性タイプの硫黄系極圧添加剤であっ
て、硫黄分を5〜15%含む脂肪酸エステル化合物、硫
黄結合油脂及び油脂とC8 〜C18のオレフィンとを硫黄
結合している化合物から選ばれる1種または2種以上を
1〜20部含有させること。 油性剤:飽和脂肪酸エステル、好ましくはC14〜C20
の飽和脂肪酸とC1〜C8 の1価のアルコールからなる
エステルから選ばれる1種または2種以上を5〜40部
含有させること。 さらにこれ等の配合によってできたプレス加工油の動粘
度を40℃で3〜30mm2 /sとなることを要件とす
るものである。以下、本発明の構成を作用とともに詳し
く説明する。
【0011】
【作用】本発明の鋼板用防錆兼用プレス加工油(以下、
単にプレス加工油という。)に適用される基油は、鉱
油、油脂、及び液状合成油から1種または2種以上を任
意に選んだものとすることができ、それらの油及びその
油の粘度を特定するものではないが、プレス加工油を塗
布して加工した後の油膜除去性を適度に保つためにプレ
ス加工油の40℃における動粘度を3〜30mm2 /s
に保つ必要があり、そのためには、プレス加工油におけ
る各成分の種類、配合量などとの兼ね合いで基油の粘度
を選定する必要がある。プレス加工油の動粘度が40℃
で3mm2 /sよりも低いとプレス加工時の潤滑性能を
満足に発揮させることができなくなり、逆に30mm2
/sよりも高くなると、油膜量が必要以上となり、不経
済であり、更にプレス加工後の油膜の洗浄除去性が悪く
なるので好ましくない。特にスポット溶接された鋼板の
合わせ目部分の油の除去性が悪くなり、洗浄後も合わせ
目から油が滲み出易いのでその後に行われる表面処理に
悪影響を及ぼす。従って基油の粘度選定が重要である
が、基油はあらかじめプレス加工油の目標粘度よりも低
い粘度のものを選定し、プレス加工油に調整した後の動
粘度を3mm2 /sよりも高めることにより、潤滑性を
向上させる本発明の目的に添ったプレス加工油と成すこ
ともできる。
【0012】次に防錆添加剤として加えられるアルキル
スルフォン酸塩はC16以上のものであり、カルボン酸及
びカルボン酸塩はC12以上のものである。また高塩基性
スルフォネートは炭素数がC14以上のものが好ましい。
炭素数がこれらの値未満では防錆効果が不充分である。
これらの化合物としては具体的には次のようなものを挙
げることができる。アルキルスルフォン酸塩としては、
例えばジノニルナフタレンスルフォン酸金属塩(Ba,
Ca,Zn,Mg,Na等)及びアミン塩、ジデシルベ
ンゼンスルフォン酸金属塩(Ba,Ca,Zn,Mg,
Na等)及びアミン塩、石油スルフォン酸金属塩及びア
ミン塩である。C12以上のカルボン酸またはその塩は例
えばイソオレイン酸、オレイン酸、ダイマー酸、アルケ
ニルコハク酸、石油酸化ワックスまたはその金属塩(B
a,Ca,Zn,Mg,Na等)及びアミン塩である。
12以上のカルボン酸の窒素含有化合物としては、例え
ばベンゾトリアゾール系及びイミダゾリン系のC12以上
のカルボン酸化合物がある。C14以上の高塩基性スルフ
ォネートとしては高塩基性カルシウムスルフォネート、
高塩基性バリウムスルフォネート等がある。以上挙げた
化合物のうち特に好ましくは、ジノニルナフタレンスル
フォン酸バリウム塩、ジドデシルベンゼンスルフォン酸
バリウム塩、石油酸化ワックスのバリウム塩、300〜
500mgKOH/mgの塩基価の高塩基性カルシウム
スルフォネート等が挙げられる。
【0013】次に耐摩耗剤としては、アルキル亜リン酸
の第3級及びまたは第2級エステル化合物が適切であ
り、次の一般式(I)及びまたは(II)で示されるも
の用いられ、特に具体的に例したものが望ましい。 (I)第3級エステル化合物 (RO)3 P・・・・・・・・・・・(I) 式中Rは炭素数8〜22の炭化水素基であり、具体的に
は例えば脂肪族系のオクチル、ラウリル、セチル、パル
ミチル、オレイル、ステアリル、合成油系のイソデシ
ル、トリデシル、イソステアリル等の1種または2種以
上の基を挙げることができる。 (II)第3級エステル化合物 (RO)2 PHO・・・・・・・・・(II) 式中Rは炭素数8〜22の炭化水素基であり、具体的に
は例えば脂肪族系のオクチル、ラウリル、セチル、パル
ミチル、オレイル、ステアリル、合成油系のイソデシ
ル、トリデシル、イソステアリル等の1種または2種以
上の基を挙げることができる。プレス加工油中のアルキ
ル亜リン酸エステルの炭素数はより好ましくは8〜22
の範囲であり、炭素数8未満では加水分解され易いため
に防錆性が低下するので、この場合は対応手段として前
記したエステル化、アミン中和等により防錆性を向上さ
せる必要がある。逆に炭素数が22を超えると粘度が高
いため、塗装前処理工程での脱脂性に悪影響するので、
この場合には配合量を1〜20部の範囲内において減ず
る必要がある。しかしながら最も好ましいものは、炭素
数12〜16に該当するものである。
【0014】上記アルキル亜リン酸エステルから任意に
1種または2種以上を選んで基油に配合させるが、その
配合量は1〜20部である。1部未満では潤滑性の向上
は期待できず、20部を超えると潤滑性の向上は期待で
きず不経済であるので20部を上限とする。
【0015】これらアルキルリン酸エステル化合物から
任意に1種または2種以上を選んで基油に配合させる。
ただしアルキル亜リン酸エステル(特に第2級エステル
化合物)は加水分解しやすく、遊離酸が生成して鋼板を
腐食する傾向があるので、これを防止するために硫黄系
極圧添加剤を配合することにより、遊離酸をアルキルチ
オ亜リン酸エステルにして安定化させるのである。また
さらに高塩基性カルシウムスルフォネートを添加するこ
とにより一層安定化させることもできる。またアミンの
添加により前述の遊離酸を中和することも適切な手段で
ある。なお、高塩基性カルシウムスルフォネート、アミ
ン等の添加量は、アルキル亜リン酸エステルの1モルに
対して1モル以上適切である。これらの防錆成分の基油
への配合量は1〜20部であって、1部未満では防錆効
果が不充分となり、20部より多く加えても防錆効果の
向上は期待できず、また油膜の洗浄除去が困難となるの
で、20部を上限とする。
【0016】次に、極圧添加剤としては、不活性タイプ
の硫黄系極圧添加剤であり、硫黄分を5〜15%含有す
る硫黄結合化合物が用いられる。例えば、硫黄結合油
脂、脂肪酸エステルなどの硫黄結合化合物および油脂と
8 〜C18のオレフィンとを硫黄結合している化合物を
用いる。油脂、脂肪酸エステル及びオレフィンの選択に
おいて特に好ましいものを以下に例示する。 (1)油脂は下記一般式で示されるグリセライド系のラ
ード油、なたね油、チキン油等である。 1 COOはC12以上の不飽和脂肪酸を主成分とする残
基である。 (2)脂肪酸エステルは、オレンジラフィー油、オレイ
ン酸オレインエステル、オレイン酸メチルエステル等で
ある。 一般式 R1 COOR21 は前記と同様の脂肪酸の基であり、R2 はC1 以上
の脂肪族アルコールの基である。 (3)C8 〜C18のオレフィン
【0017】前記硫黄系化合物中の硫黄結合量は適切な
極圧性を付与するためには、5〜15%が必要であり、
5%未満では極圧性が不充分となり、逆に15%超では
プレス加工油中での活性硫黄分が0.5%超となるので
好ましくない。
【0018】次にプレス加工油中の活性硫黄分は0.5
%以下が好ましく0.5%を超えると、鋼板表面との反
応性が強くなりすぎるため、加工後に表面の変色が強く
なる傾向がある。好ましいのは0.3%以下である。
【0019】なお、アルキルスルフォン酸(塩)、カル
ボン酸(塩)、高塩基性スルフォネートなどの前記炭素
数の下限の限定はいずれも潤滑性、特に鋼板のプレス加
工温度が上昇(70〜100℃)した場合の潤滑性の低
下の防止も考慮して決められるものである。
【0020】上記の硫黄結合化合物から任意に1種また
は2種以上を選んで基油に配合させる。その化合物の配
合量は1〜20部である。その配合量が1重量部未満で
は、潤滑性が不充分となり、またプレス加工後の鋼板の
変色を防止するために20部を上限とする。
【0021】次に本発明が最も特徴とする油性剤として
加えられる飽和脂肪酸エステルは、C14〜C20の飽和脂
肪酸とC1 〜C8 の1価のアルコールからなるものが好
ましく、飽和脂肪酸の炭素数がC14未満では潤滑性能が
不充分となり、逆に炭素数がC22以上ではプレス加工油
に配合した場合粘度が高くなり過ぎる。
【0022】また1価のアルコールの炭素数がC8 超で
はプレス加工油に配合した場合粘度が高くなり過ぎる。
具体的には次のような化合物を挙げることができる。飽
和脂肪酸としては、例えばミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、イソステアリン酸等を
挙げることができる。また1価のアルコールを例えばメ
チル、エチル、ブチル、オクチル、イソオクチル等を挙
げることができる。
【0023】以上挙げた化合物のうち、パルミチン酸と
イソオクチルアルコールのエステル、ステアリン酸とエ
チルアルコールのエステル、ステアリン酸とエチルアル
コールのエステル等が特に好ましい油性剤として挙げら
れる。
【0024】これらの化合物から任意に1種または2種
以上を選んで基油に配合させる。その化合物の配合量は
5〜40部が好ましく、5部未満では潤滑性が不充分と
なり、40部を超えても潤滑性の向上は期待できない。
【0025】またプレス加工油のケン化価が80mgK
OH/gを超えると、防錆性、脱脂性に悪影響を及ぼす
ので、この場合には飽和脂肪酸エステルの配合量を5〜
40部の範囲内において減ずる必要がある。
【0026】次にアルキル亜リン酸エステル((a)と
する)と不活性タイプ硫黄系極圧添加剤((b)とす
る)とを混合することにより、安定率の高い化合物であ
るチオホスフェイトが生成するが、混合比率[(a):
(b)]が1:15超では、(b)をそれだけ余分に加
えても潤滑性の向上効果が得られず、逆に2:1未満で
は潤滑性は良好であるが、防錆性が低下するので好まし
くない。従ってその範囲は1:15〜2:1であり、さ
らに好ましくは1:4〜2:3である。
【0027】さらに本発明のプレス加工油中には、該加
工油の油膜除去性を高めるために数%未満の油溶性界面
活性剤を添加したり、また必要に応じ、流動点降下剤、
酸化防止剤、粘度指数向上剤等を添加することもでき
る。本発明においてはその様な添加を拒むものではな
い。
【0028】
【実施例】次に実施例を比較例とともに挙げ、本発明の
効果を具体的に説明する。図1(表1)に示す本発明の
実施例の供試油No1〜11を用い、ロールコーター法
により試験片に塗布し、次に示す深絞り試験、防錆試験
及び脱脂試験を行った。尚表1で供試油No12〜17
は比較例であり、塗油量は2.0±0.1g/m2 にな
るように調整した。なおMu−10は本出願人製造の商
品名であり、特開平3−162492号による成分系で
ある。なお、表1の配合成分は下記のとおりである。基油 1号スピンドル 合成油(グリセリントリオレート)防錆添加剤 ジノニルナフタレンスルフォン酸バリウム塩 石油酸化ワックスバリウム塩 カルシウムオーバーベース バリウムオーバーベース ジオレイルアミン耐摩耗剤 ジラウリルハイドロゼンホスファイト ジオレイルハイドロゼンホスファイト イソドデシルホスファイト不活性タイプ硫黄系極圧添加剤 硫化ラード(硫黄分11%、腐食1a) 硫化脂肪酸メチル(硫黄分11%、腐食1a) 硫化オレイルオレート(硫黄分10%、腐食1b) 硫化〔なたね−オレフィン(硫黄分15%、腐食1b) 硫化ラード(硫黄分15%、腐食4b)油性剤 オクチルパルミテート エチルステアレート
【0029】下記に、試験方法及び、判定基準を示し
た。 (1)潤滑試験(深絞り試験) a.試験片1 材質:合金化溶融亜鉛めっき鋼板60/60 寸法:105mm(直径)×0.7mm(厚さ) 試験片2 材質:冷延鋼板(SPCC−SD) 寸法:110mm(直径)×0.8mm(厚さ) b.工具 ダイス径:52.0mm(直径) ポンチ径:50.0mm(直径) ポンチ肩半径:5.0mm c.試験条件 絞り速度:30m/min しわ押え荷重:可変 d.判定 非破断限界しわ押さえ荷重 上記非破断限界しわ押え荷重を測定して、下表2により
判定する。非破断限界しわ押え荷重が高いほうが潤滑性
が良好である。
【0030】
【表2】判定表 判定 非破断限界しわ押え荷重 ○ 4(×9.8kN)以上 △ 2以上4未満(×9.8kN)× 2(×9.8kN)未満
【0031】(2)防錆試験 (2)−1湿潤試験 a.試験片1 材質:合金化溶融亜鉛めっき鋼板 60/60 寸法:60mm×80mm×0.7mm 試験片2 材質:冷延鋼板(SPCC−SD) 寸法:60mm×80mm×0.8mm b.試験条件 湿潤試験方法(JISK・2246 5.34準拠) 温度:49±1℃ 相対湿度:95%以上 時間:10日間、30日間 c.判定:試験片の変色及び錆発生の度合いを下記表3
により判定する。
【0032】
【表3】判定表 判定 試験片の状態 ○ 錆、オイルステン共になし △ 1〜20%発錆又は薄いオイルステン× 21%以上発錆又は薄いオイルステン
【0033】(2)−2スタック試験 a.試験片1 材質:合金化溶融亜鉛めっき鋼板 60/60 寸法:70mm×150mm×0.7mm 試験片2 材質 冷延鋼板(SPCC−SD) 寸法:70mm×150mm×0.8mm b.試験条件 恒温恒湿試験機使用 温度:49±1℃ 相対湿度:95%以上 スタック力:700N 期間:10日間、30日間 c.判定:試験片の変色及び錆発生の度合いを湿潤試験
と同様に判定する。
【0034】(3)脱脂試験 a.試験片1 材質:合金化溶融亜鉛めっき鋼板 60/60 寸法:70mm×150mm×0.7mm 試験片2 材質:冷延鋼板(SPCC−SD) 寸法:70mm×150mm×0.8mm b.試験片の調整 各供試片を塗油後700Nのスタックをし、温度50
℃、相対湿度95%の恒温恒湿試験機内に7日間放置経
時し、試験材とした。 c.試験条件 完全静止浴中でディップ脱脂した。 脱脂剤:商品名ファインクリーナーL4480[日本パ
ーカラインジング(株)製] 濃度1.8%、温度40℃、時間5分 d.判定:脱脂後の試験片を30秒間流れ中で洗った
後、30秒間室内静置後の水ぬれ面積(%)で判定し
た。判定は下表4の通りである。
【0035】
【表4】判定表 判定 水ぬれ面積(%) ○ 95以上 △ 70〜94× 69以下
【0036】活性硫黄分の分析はASTM D 162
2(切削油中の活性硫黄の測定法)により行った。表5
に各試験結果を示した。
【0037】
【発明の効果】図2の表5からわかるように、本発明実
施例の組成物は、潤滑性、防錆性、脱脂性のすべてにお
いて比較例のものより優れているのである。このよう
に、本発明の鋼板用防錆兼用プレス加工油は、冷延鋼
板、亜鉛めっき鋼板のプレス加工に際して、1回の塗油
で、プレス油以上の優れた潤滑性が防錆油並の耐変色
性、防錆性が得られ、塗装前処理での脱脂性も良好であ
って、極めて有用といえよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例及び比較例の配合に係るプレス加
工油の配合組成表を示す図表(表1)である。
【図2】図1のプレス加工油の性能を示す図表(表5)
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 159:20 159:24 137:04 135:04 135:06 129:70) C10N 20:00 20:02 30:00 30:06 30:12 40:24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基油として、鉱油、油脂及び液状合成油
    から選ばれる1種または2種以上の油の30〜90質量
    部と、防錆添加剤として、C16以上のアルキルスルフォ
    ン酸塩、C12以上のカルボン酸及びその塩、高塩基性ス
    ルフォネート及びC12以上のカルボン酸の窒素含有化合
    物から選ばれる1種または2種以上の1〜20質量部
    と、耐摩耗剤として、アルキル亜リン酸エステルから選
    ばれる1種または2種以上の1〜20質量部と、不活性
    タイプ硫黄系極圧添加剤として、硫黄分を5〜15質量
    %含む脂肪酸エステル化合物、硫黄結合油脂、及び油脂
    とC6 〜C18のオレフィンとを硫黄結合した化合物から
    選ばれる1種または2種以上の化合物の1〜20質量部
    と、油性剤として飽和脂肪酸エステルから選ばれる1種
    または2種以上の5〜40質量部とから成る防錆兼用プ
    レス加工油であって、前記アルキル亜リン酸エステルと
    前記不活性タイプ硫黄系極圧添加剤の含有比率が質量比
    で1:15〜2:1であり、該加工油中の活性硫黄分が
    0.5質量%以下でありかつケン化価が80mgKOH
    /g以下であり、さらに動粘度が40℃で3〜30mm
    2 /sであることを特徴とする鋼板用防錆兼用プレス加
    工油。
  2. 【請求項2】 アルキル亜リン酸エステルは、次の一般
    式(I)及び/又は(II)で示されるものである請求
    項1記載の鋼板用防錆兼用プレス加工油。 一般式 (RO)3 P(第3級化合物)・・・・・・・・・(I) (RO)2 PHO(第2級化合物)・・・・・・・(II) 但し、式中Rは、炭素数8〜22の炭化水素基である。
  3. 【請求項3】 前記飽和脂肪酸エステルはC14〜C20
    飽和脂肪酸とC1 〜C8 の1価のアルコールからなるエ
    ステルから選ばれる1種または2種以上である請求項1
    又は2記載の鋼板用防錆兼用プレス加工油。
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