JPH08311232A - セラミックス入り発泡性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

セラミックス入り発泡性樹脂粒子の製造方法

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JPH08311232A
JPH08311232A JP12533195A JP12533195A JPH08311232A JP H08311232 A JPH08311232 A JP H08311232A JP 12533195 A JP12533195 A JP 12533195A JP 12533195 A JP12533195 A JP 12533195A JP H08311232 A JPH08311232 A JP H08311232A
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JP
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resin particles
aqueous medium
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particles
resin
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JP12533195A
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Shigehiko Tokiyou
成彦 都郷
Akiyoshi Higashiyama
昭義 東山
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】樹脂にセラミックス粉末を配合し、混練・造粒
して樹脂粒子を得た後、23℃における比重が1.10
以上でかつ粘度が2〜20mPa・sである水性媒体中
に前記樹脂粒子を分散させて樹脂粒子に発泡剤を含浸さ
せる、セラミックス入り発泡性樹脂粒子の製造方法であ
る。 【効果】水性媒体の比重及び粘性を上げることで樹脂粒
子同士が合着あるいは分散不良を起こす危険性を回避す
ることができる。そのため、通常の発泡ポリスチレンの
製造と何ら変わりなく発泡剤を含浸することができると
いう効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス入り発泡
性樹脂粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】有機
物又は無機物の粉末を含ませた発泡性樹脂粒子は既に知
られている。例えば、スチレン系樹脂からなる発泡性樹
脂粒子中に鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、鉛等の金
属粉末を含ませたもの、染料、顔料等の着色剤を含ませ
たもの、タルク、シリカ等の発泡用の核剤粉末を含ませ
たもの、三酸化アンチモンのような難燃化剤を含ませた
もの、炭酸カルシウム、酸化チタンのような充填剤を含
ませたもの等が知られている。しかし、発泡性樹脂粒子
では、発泡性能を保持しなければならないために、これ
に含ませることのできる有機物又は無機物の粉末は、お
のずから制限された。
【0003】また、上述のような有機物又は無機物の粉
末(以下、これを総称して粉末という)が含まれた発泡
性樹脂粒子を作る方法として、発泡性を付与するに適し
た樹脂を用意し、樹脂を溶融してこれに粉末を練り込む
とともにこれを粒子状に成形した後、得られた粒子に発
泡剤を含ませて発泡性樹脂粒子を得る方法が知られてい
る(特公昭59−36938号公報、特開昭62−13
442号公報)。
【0004】しかし、セラミックスあるいは金属粉のよ
うな比重の高い粉末を含有した樹脂粒子を、オートクレ
ーブ中にて水性媒体中に分散させて発泡剤を含浸させる
にあたり、上記樹脂粒子は自重によりオートクレーブ底
に沈降し易いため、粒子同志の合着あるいは分散不良を
引き起こすという問題がある。特に、比重の高い粉末の
含有量が多い程、あるいは粒子径が大きい程、すなわち
粒子の1個あたりの重量が大きくなる程その現象は起こ
り易くなる。上記粒子の沈降を抑制するには、撹拌の回
転数を上げればよいが、そのことによって粒子は偏平し
てしまい、予備発泡及び成形の際、比重ばらつき及び充
填不良を起こし易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
ス粉末が優れた電気的、光学的、熱的性能を持つことに
注目し、これを利用してセラミックスの成形体を作ろう
とする試みが種々なされている。ところが、セラミック
スに熱可塑性樹脂を混合して成形体を作ると、得られる
成形体は重量の大きなものとなり、その製造、運搬、さ
らにはその設置に際しても、多大の労力と費用とがかか
ることとなる。そこで、このような労力と費用とをかけ
ないで、軽量なセラミックス成形体を提供することが要
望されていた。
【0006】そこで、セラミックス粉末を含有した発泡
性樹脂粒子を利用して、軽量なセラミックス発泡成形品
を作製することが提案されている。このような発泡成形
品は、前述のような大きな重量による難点を回避できる
と共に、セラミックス粉末が持つ特殊な誘電特性、熱的
特性、光学的特性を利用する上で大きな障害にならない
だけでなく、却ってこれらの特性を自在に調整すること
ができて有利である。
【0007】しかし、前記のように、セラミックスのよ
うな比重の高い粉末を含有した樹脂粒子を水性媒体中に
分散させて発泡剤を含浸させようとしても、樹脂粒子は
自重によりオートクレーブ底に沈降し易く、特に、上記
粉末の含有量が多い程あるいは粒子径が大きい程、つま
り粒子1つの重量が大きくなる程、上記粒子は沈降し易
くなる為、粒子同志の合着あるいは分散不良を引き起こ
し、良好な発泡性樹脂粒子を得ることが困難であり、特
に直径1mm以上、高さ2mm以上で比重が1.5を越
えるような樹脂粒子について上記合着や分散不良を引き
起こす危険性が高い。また、樹脂粒子の沈降を抑制する
ために、単に撹拌速度を上げるだけでは、樹脂粒子が偏
平し易く、良好な発泡性樹脂粒子が得られず、また撹拌
モーターにも過大な負荷がかかり、損傷するおそれがあ
った。
【0008】本発明の目的は、良好なセラミックス入り
発泡性樹脂粒子を容易に作製することができるセラミッ
クス入り発泡性樹脂粒子の製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために、水性媒体の比重を上げて、セラミ
ックス粉末を含有した樹脂粒子に対する比重差を小さく
し、樹脂粒子の沈降を抑制することを試みた。その結
果、比重を上げた水性媒体中に上記樹脂粒子を分散させ
て発泡剤を含浸させるときは、通常の発泡性樹脂粒子の
製造と何ら変わりなく、発泡剤を含浸させることがで
き、上述のような難点が解決されるという新たな事実を
見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】すなわち、本発明のセラミックス入り発泡
性樹脂粒子の製造方法は、樹脂にセラミックス粉末を配
合し、混練・造粒して樹脂粒子を得た後、23℃におけ
る比重が1.10以上でかつ粘度が2〜20mPa・s
である水性媒体中に前記樹脂粒子を分散させて樹脂粒子
に発泡剤を含浸させることを特徴とする。このように、
水性媒体の比重を上げることにより、粘性の増加と相ま
って前記樹脂粒子の沈降を抑制しているものと考えられ
る。
【0011】前記樹脂に対するセラミックス粉末の配合
割合は、樹脂100重量部に対して10〜500重量部
である。また、前記水性媒体としては、例えば水などが
あげられる。この水性媒体は、分散剤および界面活性剤
の少なくとも一種と、水溶性無機塩とを含む。なお、合
成樹脂を押出成形して得たペレットに水性媒体中で発泡
剤を含浸させるにあたり、水性媒体に水溶性無機塩を添
加することは、特公昭62−61225号公報に記載さ
れている。しかし、この公報に記載の発明は、セラミッ
クス粉末を含有しない樹脂ペレットに発泡剤を含浸させ
て、発泡性、成形性が改善された発泡性樹脂粒子を製造
することを目的としており、本発明のようにセラミック
ス粉末を含有した樹脂粒子に発泡剤を含浸させるもので
はなく、従って水性媒体の比重および粘度を増加させて
樹脂粒子の沈降を抑制することについても開示がなされ
ていない。
【0012】本発明で用いられる樹脂としては、例えば
ビニル系樹脂などがあげられる。かかるビニル系樹脂
は、ビニル系単量体を重合して得られた重合体又は共重
合体である。ビニル系単量体としては、例えばスチレン
系単量体、エチレン系単量体、アクリル酸、メタクリル
酸エステル系単量体等があげられる。スチレン系単量体
としてはスチレン、α−メチルスチレン等を用いること
ができ、エチレン系単量体としてはエチレン、プロピレ
ン、ブタジエン等を用いることができ、アクリル酸エス
テル系単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル等を使用することができ、メタクリル酸エステル系
単量体としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル等を使用することができる。
【0013】本発明で用いられるセラミックス粉末とし
ては、様々なものを使用することができるが、中でも好
適なものはチタン酸塩系のセラミックス粉末であり、こ
れには例えばチタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸バリウム等があげられる。これらのチタン
酸系の塩は誘導率がとくに大きいので、この特性を利用
する用途(例えば誘電体レンズ等)に好適である。
【0014】使用するセラミックス粉末は、平均粒径が
10μm以下であるのが好ましい。。セラミックス粉末
の平均粒径がそれよりも大きくなると、ビニル系単量体
中に均一に分散させることが困難になるだけでなく、造
粒のために糸状に押し出したとき糸が切れ易く造粒が困
難となるおそれがある。本発明では、樹脂にセラミック
ス粉末を配合するのに、その配合割合を樹脂100重量
部に対しセラミックス粉末を10〜500重量部とす
る。セラミックス粉末の配合量が10重量部未満である
と、セラミックス粉末が少なすぎてその効果が充分に発
揮されなくなり、逆に500重量部を超えると樹脂粒子
とすることが困難になるおそれがある。とりわけ、セラ
ミックス粉末を30〜250重量部とすることが好まし
い。
【0015】ビニル系樹脂とセラミックス粉末との配合
物を混練し造粒するには、これらの配合物を押出機に投
入して、押出機内で混練し、糸状等に押し出し成形した
のち、これを切断することが好ましい。こうして造粒し
た粒子はその粒径が0.5〜3mmであるのが好まし
い。セラミックス粉末含有の樹脂粒子を分散させるため
の水性媒体としては、分散剤および/または界面活性剤
を添加し水溶性無機塩を溶解した水を用いる。分散剤と
しては、有機物も無機物をも用いることができる。有機
系の分散剤としては、例えばポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルロース等があげられる。また、無機
系の分散剤としては、例えば酸化マグネシウム、ピロ燐
酸マグネシウムなどの水に難溶性の無機物である。界面
活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系
の何れをも用いることができる。
【0016】水溶性無機塩としては、例えば塩化マグネ
シウム六水和物(比重2.32)、硫酸マグネシウム七
水和物(比重2.57)、ボウ硝(比重1.46)等の
ような、水に良く溶けて危険物でない金属塩水和物を用
いることができる。上述の分散剤は最終粒子(発泡剤含
浸樹脂粒子、以下同じ)に対して0.05〜1重量%と
し、界面活性剤は最終粒子に対して1〜200ppmに
することが好ましい。但し、アニオン界面活性剤は、セ
ラミックス粉末を樹脂から離脱させて水中に流出させ易
いので、なるべく少なくすることが望ましい。しかし、
樹脂粒子が合着したり、偏平化するのを防ぐためには、
界面活性剤はアニオン系にカチオン系、ノニオン系の界
面活性剤を組み合わせるなどして、その合計量を5〜2
0ppmとすることが好ましい。
【0017】また、水溶性無機塩の添加量は、水性媒体
の比重および粘度を上述の所定範囲に設定するうえで、
水性媒体100重量部に対し10〜300重量部の範囲
から適宜決定される。このとき、水溶性無機塩の添加量
が10重量部未満では水性媒体の比重を上げるうえで殆
ど効果がなく、逆に300重量部以上ではコスト高とな
り、また水性媒体の粘性が過度に増すことにより、却っ
て発泡剤含浸時に撹拌モーターに与える負荷を大きくし
てしまい、更に粒子の分散状態を悪くするおそれがあ
る。
【0018】23℃における比重が1.10以上でかつ
同じ23℃における粘度が2〜20mPa・sである水
性媒体を得るためには、前記水溶性無機塩の種類および
添加量を選択使用すればよい。水溶性無機塩の種類につ
いては、とくに水溶性無機塩の有する比重が重要であ
る。前記粘度は単一円筒回転粘度計で測定した値であ
る。
【0019】本発明では、上述の水性媒体中に前述のセ
ラミックス粉末含有の樹脂粒子を分散させて分散物を作
る。このとき、樹脂粒子と水性媒体との割合は、重量比
で樹脂1に対し水性媒体を0.8〜5の範囲内とするの
がよい。本発明で用いる発泡剤としては、ビニル系樹脂
などの樹脂に対して一般に用いられている発泡剤を用い
ることができる。このような発泡剤としては、樹脂の軟
化温度よりも低い沸点をもち、加圧下に樹脂に溶解する
ような化合物であり、例えばプロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素、
塩化メチレン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロ
ロジフルオロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素など
があげられる。発泡剤の含浸量は最終的に得られた発泡
性樹脂粒子100重量部に対して発泡剤が1〜20重量
部を占めるようにする。発泡剤の含浸は、例えばオート
クレーブを用いて、圧力5〜20kg/cm2 、温度1
00〜140℃で2〜6時間加圧することにより行われ
る。
【0020】こうしてセラミックス粉末入りの発泡性樹
脂粒子を得ることができる。この発泡性樹脂粒子は通常
の発泡性樹脂粒子と同様にして成形加工することがで
き、種々の形状の成形品を得ることができる。本発明に
おけるセラミックス粉末入りの発泡性樹脂粒子を用いた
成形品は、セラミックス粉末の特性を利用して誘電体レ
ンズ型の電波を受信するアンテナなどの用途に好適であ
る。このとき、得られる成形品は軽量であるため、製
造、運搬、設置などが容易である。
【0021】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて、本発明方法
を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲
に限定されるべきものではない。なお、以下において単
に部というのは、重量部を意味している。 実施例1 ポリスチレン(平均分子量 Mw=300,000)1
00部に、粒径が10μm以下のチタン酸カルシウム1
00部を配合し、これを押出機に入れて加熱下に混練し
て、直径1.8〜2.0mm、長さ2.0〜2.2mm
のペレットとした。このときのペレットの23℃での比
重は1.68であった。
【0022】このペレット1.5kgに水2.7リット
ル、酸化マグネシウム22.5g、ヒドロキシステアリ
ン酸アマイド0.75g、ノルマルドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ0.015g、塩化マグネシウム六水和
物540gを加え、これを5リットルのオートクレーブ
に入れ均一に分散させた。このときの水性媒体の23℃
における比重は1.12、粘度は2.6mPa・sであ
った。これを500rpmの速度で撹拌しながら、13
0℃まで昇温した。次いで、ペンタン75gを上記オー
トクレーブ内に圧入し、3時間の含浸を行った後、系内
を30℃まで冷却して、球状化したセラミックス入り発
泡性樹脂粒子を得た。
【0023】この一連の含浸工程において、樹脂粒子が
与えるオートクレーブの撹拌軸の負荷により、上記撹拌
軸の回転数がダウンするようなことはなく、通常の発泡
性ポリスチレン製造と何ら変わりなく含浸することがで
きた。こうして得た発泡性樹脂粒子を以下の方法で発泡
成形した。まず、通常の発泡機を使用して105℃の水
蒸気で嵩倍数約10ml/gに予備発泡させた。この予
備発泡粒子を普通の成形機(積水工機社製 ACE−3
QS)により、充填15秒、金型加熱5秒、一方加熱8
秒、両面加熱12秒、水冷時間20秒、スチーム圧0.
8kg/cm2 、取出面圧0.3kg/cm2 の条件で発泡
させるとともに互いに融着させて、400×300×1
0mmの板状発泡成形体を得ることができた。 実施例2 ポリスチレンに代えてスチレンとメタクリル酸メチルと
の共重合体(スチレン含量70モル%)を用いて、この
共重合体100部にチタン酸カルシウム100部を配合
し、実施例1と同様にして、この配合物を押出機に入
れ、セラミックス入りペレットを作り、このペレットを
塩化マグネシウム六水和物を溶解した水性媒体中に分散
させ、ペンタンを圧入して発泡性樹脂粒子を得た。
【0024】この発泡性樹脂粒子を実施例1と全く同様
にして予備発泡させ、こうして得た予備発泡粒子をさら
に発泡融着させて板状発泡成形体を得ることができた。 実施例3 ポリスチレン(平均分子量 Mw=300,000)1
00部に、粒径が10μm以下のチタン酸カルシウム2
50部を配合し、これを押出機に入れて加熱下に混練し
て、直径1.0〜1.2mm、長さ2.0〜2.2mm
のペレットとした。このときのペレットの23℃での比
重は2.22であった。
【0025】このペレット1.5kgに水2.4l、酸化
マグネシウム22.5g、ヒドロキシステアリン酸アマ
イド0.75g、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ0.015g、塩化マグネシウム六水和物1.2
kgを加え、これを5リットルのオートクレーブに入れ均
一に分散させた。このときの水性媒体の23℃における
比重は1.20、粘度は3.5mPa・sであった。こ
れを600rpmの割合で撹拌しながら、130℃まで
昇温した。次いで、ペンタン75gを上記オートクレー
ブ内に圧入し、3時間の含浸を行った後、系内を30℃
まで冷却して、球状化したセラミックス入り発泡性樹脂
粒子を得た。
【0026】この一連の含浸過程において、樹脂粒子が
与えるオートクレーブの撹拌軸の負荷により、上記撹拌
軸の回転数がダウンするようなことはなく、通常のEP
S製造と何ら変わりなく含浸することができた。この発
泡性樹脂粒子を実施例1と全く同様にして予備発泡さ
せ、こうして得た予備発泡粒子をさらに発泡融着させて
板状発泡成形体を得ることができたが、実施例1で得た
成形体と比べ成形品外観は劣るものであった。 比較例1 実施例1で得たポリスチレンのペレットを用い、実施例
1と同様にしてこのペレットを水性媒体中に分散させた
が、ただ塩化マグネシウム六水和物を全く使用せず、す
なわち上記水性媒体の比重を上げることなく、また水を
3リットルにした以外は実施例1と同様の含浸を行おう
とした。この時の水性媒体の23℃における比重は1.
02であり、粘度は1.2mPa・sであった。しか
し、500rpmの撹拌速度で130℃まで昇温する過
程において、温度上昇とともに撹拌速度は減少してい
き、約100℃付近の撹拌速度は約480rpmであ
り、130℃に達した時は過負荷のため、撹拌モーター
が止まり、撹拌不能となった。この時、ペレットはその
形状がやや残る程度に溶融しており、オートクレーブ底
にブロック状の1つの塊となっていた。 比較例2 実施例2で得たスチレンとメタクリル酸メチルとの共重
合体のペレットを用い、実施例1と同様にしてこのペレ
ットを水性媒体中に分散させたが、ただ塩化マグネシウ
ム六水和物を全く使用せず、すなわち上記水性媒体の比
重を上げることなく、また水を3リットルにした以外
は、実施例1と同様の含浸を行おうとした。しかし、5
00rpmの撹拌速度で130℃まで昇温する過程にお
いて、撹拌モーターは過負荷のため止まり、撹拌不能と
なった。この時、ペレットはその形状がやや残る程度に
溶融しており、オートクレーブ底にブロック状の1つの
塊となっていた。 比較例3 実施例1で得たポリスチレンのペレットを用い、実施例
1と同様にしてこのペレットを水性媒体中に分散させた
が、ただ該ペレットの仕込量を半分の750gとし、塩
化マグネシウム六水和物を全く使用せず、すなわち上記
水性媒体の比重を上げることなく、また水を3リットル
にした以外は、実施例1と同様の含浸を行おうとした。
その結果、500rpmの撹拌速度で130℃まで昇温
する過程において、撹拌モーターが止まることはなかっ
たが、130℃におけるペンタンの圧入途中で撹拌モー
ターは過負荷のため止まり、撹拌不能となった。 比較例4 実施例1で得たポリスチレンのペレットを用い、実施例
1と同様にしてこのペレットを水性媒体中に分散させた
が、ただ塩化マグネシウム六水和物を全く使用せず、す
なわち上記水性媒体の比重を上げることなく、また水を
3リットルとし、撹拌の回転数を800rpmとした以
外は実施例1と同様の含浸を行おうとした。この時の水
性媒体の23℃における比重は1.02、粘度は1.2
mPa・sであった。しかし、含浸の過程で撹拌が止ま
るということはなかったが、樹脂粒子全てが碁石状に偏
平していた。
【0027】この発泡性樹脂粒子を実施例1と全く同様
にして予備発泡させ、こうして得た予備発泡粒子を更に
発泡融着させて板状発泡成形体を得ることができたが、
予備発泡粒子の金型充填性が悪く、ロット間毎の倍数ば
らつきがあり、成形品外観は劣るものであった。
【0028】比較例5 実施例1で得たポリスチレンのペレットを用い、実施例
1と同様にしてこのペレットを水性媒体中に分散させた
が、ただ塩化マグネシウム六水和物を全く使用せず、代
わりにメチルセルロース6.0gを添加して粘性を上
げ、水を3リットルとした以外は実施例1と同様の含浸
を行おうとした。この時の水性媒体の23℃における比
重は1.02g/cm3 、粘度は3.0mPa・sであ
った。しかし、含浸の過程で撹拌が止まるということは
なかったが、樹脂粒子の一部がオートクレーブ底に沈降
し、団子状となっていた。
【0029】
【発明の効果】本発明方法によれば、水性媒体の比重及
び粘性を上げることで樹脂粒子同士が合着あるいは分散
不良を起こす危険性を回避することができる。そのた
め、通常の発泡ポリスチレンの製造と何ら変わりなく発
泡剤を含浸することができるという効果がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂にセラミックス粉末を配合し、混練・
    造粒して樹脂粒子を得た後、23℃における比重が1.
    10以上でかつ粘度が2〜20mPa・sである水性媒
    体中に前記樹脂粒子を分散させて樹脂粒子に発泡剤を含
    浸させることを特徴とする、セラミックス入り発泡性樹
    脂粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記樹脂に対するセラミックス粉末の配合
    割合が、樹脂100重量部に対して10〜500重量部
    である請求項1記載のセラミックス入り発泡性樹脂粒子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】水性媒体が、分散剤および界面活性剤の少
    なくとも一種と、水溶性無機塩とを含む請求項1または
    2に記載のセラミックス入り発泡性樹脂粒子の製造方
    法。
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