JPH08311179A - ポリエステルの新規製造方法 - Google Patents

ポリエステルの新規製造方法

Info

Publication number
JPH08311179A
JPH08311179A JP14543795A JP14543795A JPH08311179A JP H08311179 A JPH08311179 A JP H08311179A JP 14543795 A JP14543795 A JP 14543795A JP 14543795 A JP14543795 A JP 14543795A JP H08311179 A JPH08311179 A JP H08311179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
formula
group
coo
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14543795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2651904B2 (ja
Inventor
Ikuo Takahashi
郁夫 高橋
Kenji Kawamoto
憲治 河本
Akio Matsuda
昭男 松田
Takashi Masuda
隆志 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU, CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO, Agency of Industrial Science and Technology filed Critical CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
Priority to JP14543795A priority Critical patent/JP2651904B2/ja
Publication of JPH08311179A publication Critical patent/JPH08311179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2651904B2 publication Critical patent/JP2651904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステルの新規製造方法の提供。 【構成】 一般式(1) 〔OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕 (1) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示し、
m、nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.01〜
0.20の範囲にあり、m+n=1である)で示される
鎖状構造を有するポリエステルの製造方法において、一
般式(2) CH2=CH−COO−R1−OH (2) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示す)で
示されるヒドロキシ基を有するアクリル酸エステルと一
酸化炭素をコバルトカルボニルとピリジン塩基とからな
る触媒の存在下、60〜150℃で反応させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシ基を有する
アクリル酸エステルを出発原料とするポリエステルの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリエステルは、可塑剤、潤滑
油、接着剤、塗料の原料として、また薬剤を内包するマ
イクロカプセルや手術用縫合糸等の医用材料として利用
されている。また、最近、環境中で微生物によって分解
する生分解性を有するポリマーとしても注目されてい
る。縮合系脂肪族ポリエステルの合成方法については、
数多くの合成研究が報告されてきた(ジャーナル オブ
アメリカン ケミカルソサイアティ、51巻2560
ページ、(1929)、54巻、1559ページ(19
32)、ディーマクロモレキュールケミー、5巻、5ペ
ージ、(1950))。それらの合成方法ではエステル
交換法、直接縮合法(脱水反応)、酸クロライド法など
が代表的なものとしてよく知られている。
【0003】ポリマー原料として用いられる単量体(モ
ノマー)としては、高純度のものが要求される。例え
ば、ポリエチレンサクシネートの出発原料であるコハク
酸は無水マレイン酸の水添及び加水分解後、再結晶によ
り精製したものを用いる必要がある。また、コハク酸ジ
メチルはアクリル酸メチルとCOをコバルトカルボニル
触媒存在下で反応させることでコハク酸を経由すること
なく得られることが報告されているが(Bull.Ch
em.Soc.Jpn.,42571(1969))、
原料物質であるアクリル酸メチルは蒸留による分離精製
が不可欠である。脂肪族ポリエステルは、一般的には、
脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカ
ルボン酸ジエステルとの重縮合によって製造される。こ
のような脂肪族ポリエステルの製造においては、その脱
水反応や脱ジオール反応によって生成する水やジオール
を除去しなければならない。これらの物質を除去するこ
となく反応を継続させようとすると、反応は平衡状態と
なり、分子量の大きな目的生成物を得ることができな
い。また、重縮合反応を高温で行うために、原料とし
て、たとえば二重結合などの不飽和結合を有するモノマ
ー等を用いると、反応中に重合と共に架橋がおこり、目
的物質が三次元網状化するために、原料物質に二重結合
などの不飽和結合を有するものは用いることはできず、
結果として不飽和結合をポリマー中に導入することは困
難であった。さらに酸クロライド法では、モノマーのコ
ハク酸をさらに酸クロライド化し、精製する必要があ
る。これを用いて脱塩酸剤の存在下、界面重縮合法、溶
液法により反応温度を低温に制御し、重合反応を行い、
反応終了後、ポリマーの再沈、精製及び脱塩酸剤の処理
など煩雑な工程を経て、はじめて目的とするポリマーが
製造される。このように従来のポリエステルの製造方法
は、原料の精製及び選択並びに反応に際し多段階の反応
工程を必要とするなどの問題点を有しており、原料物質
から一段階で直接重合する方法が期待されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に見られる諸問題を解決することを目的とす
る。すなわち、本発明は、ポリマー末端に官能基、特に
不飽和結合や水酸基を有するポリエステルを一段階で製
造する方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシ基を有
するアクリル酸エステルを出発原料として用い、これ
を、コバルトカルボニル及びピリジン塩基からなる触媒
の存在下、一酸化炭素と反応させることにより上記課題
を解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、一般式(1) 〔(0C-CH2CH2C00-R1-0)m-(0C-CHCH3-C00-R1-0)n〕 (1) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示し、
m、nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.01〜
0.20の範囲にあり、m+n=1である)で示される
鎖状構造を有するポリエステルの製造方法において、一
般式(2) CH2=CH−COO−R1−0H (2) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示す)で
示されるヒドロキシ基を有するアクリル酸エステルと一
酸化炭素をコバルトカルボニルとピリジン塩基からなる
触媒の存在下に、60〜150℃の温度の条件下に反応
させることを特徴とするポリエステルの新規製造方法で
ある。
【0006】本発明はプロピレンの酸化で大量に製造さ
れるアクリル酸エステルから誘導されるヒドロキシ基を
有するアクリル酸エステル(以下、単にアクリル酸エス
テルとも言う)を主原料とする方法であり、その原料物
質の入手が容易であるという利点を有する。また、本発
明の場合、従来の重縮合法のように、脂肪族ジカルボン
酸又は脂肪族ジカルボン酸ジエステルとジオールを用い
ることなく、一段階の反応で目的とするポリエステルを
収率よく製造することができる。
【0007】本発明におけるポリエステルの合成反応
は、(3)式で示されるとおりである。副反応によりメ
チルマロン酸エステル単位を含んだ重合体が数モル%生
成する。この場合、得られるポリエステルのポリマーの
末端は水酸基とアクリル基を有する。前記(3)式の反
応の進行中に少量のジオールを添加すると、(4)式に
示すように生成物のポリエステルの両末端基を水酸基と
することができる。さらに、反応系に水素を存在させる
場合は、(5)式に示すように生成物のポリエステルの
末端が一部プロピオン酸エステルとなる。このようにし
て得られる末端に種々な末端基を導入したポリマーは反
応性のポリマーとして利用することができる。 CH2=CH-COO-R1-OH+CO → CH2=CHCOO-R1-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (3) HO-R2-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (4) CH3CH2COO-R1-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (5)
【0008】前記一般式(1)及び(2)におけるR1
は、二価の脂肪族基又は芳香族基である。二価の脂肪族
基は鎖状又は環状のものであることができる。このよう
な脂肪族基としては、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、ドデシレン等
の炭素数1〜12の鎖状アルキレン基、シクロヘキシレ
ン、メチルシクロヘキシレン、シクロヘキシレンジメチ
レン(-CH2C6H10CH2-)等の環状アルキレン基が挙げられ
る。芳香族基としては、フェニレン、トルイレン、フェ
ニレンメチレン(-C6H5CH2-)等が挙げられる。本発明
において出発原料となるアクリル酸エステルとしては、
具体的には、ヒドロキシエチルアクリル酸メチル、ヒド
ロキシエチルアクリル酸エチル、ヒドロキシプロピルア
クリル酸メチル、ヒドロキシプロピルアクリル酸エチ
ル、ヒドロキシイソプロピルアクリル酸メチル、ヒドロ
キシイソプロピルアクリル酸エチル、ヒドロキシブチル
アクリル酸メチル、ヒドロキシブチルアクリル酸エチ
ル、ヒドロキシシクロヘキシルアクリル酸メチル、ヒド
ロキシシクロヘキシルアクリル酸エチル、ヒドロキシベ
ンジルアクリル酸メチル、ヒドロキシベンジルアクリル
酸エチルなどを挙げることができる。一酸化炭素は水性
ガス、合成ガス、発生炉ガスなどから得られるものでよ
く、高純度のものでも工業用のものでもよく、特別に制
限されない。また、一酸化炭素は、0.10〜2.0v
ol%の水素を含むものであってもよい。
【0009】本発明のポリエステルの製造方法に用いら
れる触媒は、ピリジン塩基の配位したコバルトカルボニ
ル錯体である。ピリジン塩基としては、ピリジン、アル
キルピリジン、ジアルキルピリジンが好ましく、たとえ
ば、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、3−エ
チルピリジン、3−プロピルピリジン、3−ブチルピリ
ジン、3,5一ルチジンなどを挙げることができる。こ
の触媒系におけるコバルトカルボニルとピリジン塩基と
の使用割合は、コバルト原子当たり、ピリジン塩基2〜
l0モル、好ましくは2.5〜6モルの割合である。な
お、コバルトカルボニルはジコバルトオクタカルボニ
ル、あるいはコバルトヒドロカルボニルピリジニウム塩
の形で反応系に添加すればよい。
【0010】本発明のポリエステルの製造方法は、一酸
化炭素の加圧下で行われる。反応に必要な一酸化炭素圧
は100気圧以下、好ましくは50気圧から25気圧で
ある。100気圧以上の一酸化炭素圧のものとでも反応
を行うことができるが、100気圧以上にする利点はな
い。また、一酸化炭素圧が小さいと触媒の安定性に問題
があり、触媒の活性低下を引き起こす原因となる。反応
温度は60〜150℃、好ましくは100〜120℃で
ある。150℃より高温では反応速度は増大するが、原
料であるアクリル酸エステルのビニル基の重合による収
率低下の問題がある。本発明では、反応溶媒として、ト
ルエン、アニソール、ベンゼンなどの芳香族化合物を使
用することができる。その使用量は特に制限はない。触
媒濃度は原料のアクリル酸エステル1モル当たりコバル
ト原子として0.01〜0.1モル、好ましくは0.0
2〜0.08モルである。
【0011】前記のようにしてポリエステルを製造する
場合、反応系に一般式(3) R2(OH)2 (3) (式中、R2は脂肪族基又は芳香族基基を示す)で示さ
れるジオールを添加することにより、一般式(4) HO-R2-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (4) (式中、R1及びR2は二価の脂肪族基又は芳香族基を示
し、m、nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.0
1〜0.20の範囲にあり、m+n=1である)で示さ
れるポリマーの末端に水酸基を有するポリエステルを製
造することができる。この反応において添加するジオー
ルはアクリル酸エステル1モルに対して、0.001〜
0.1モル、好ましくは0.005〜0.02モルであ
る。また、R1とR2は同じであっても異っていてもよ
い。
【0012】また、前記のようにしてポリエステルを製
造する場合、反応系に水素を存在させることにより、一
般式(5) CH3CH2COO-R1-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (5) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示し、
m、nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.01〜
0.20の範囲にあり、m+n=1である)で示される
ポリマーの末端にプロピオン酸エステル基を有するポリ
エステルを製造することができる。この反応において存
在させる水素の量は、一酸化炭素に対して0.01〜5
モル%、好ましくは0.1〜2モル%である。
【0013】本発明のポリエステルの製造方法は、アク
リル酸エステルをコバルトカルボニル及びピリジン塩基
からなる触媒の存在下に、一酸化炭素と反応させて製造
するものであり、これまでの重縮合法とは全く異なる、
新規でしかも一段階で目的とする脂肪族ポリエステルを
直接製造することができる方法である。得られたポリマ
ーは熱可塑性で成形加工性が良好であるので様々な用途
に適している。例えば、フィルム、繊維、シートに成形
加工することができる。また、塗料、接着剤、可塑剤、
相溶化剤としても利用できる。さらにポリマー末端に官
能基を導入することができるので反応性ポリマーとして
も利用することができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
する。得られたポリエステルの種々の物性値は下記の方
法により測定して求めた。 (分子量及び分子量分布)ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)法を用いて標準ポリスチレンか
ら校正曲線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均
分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求め
た。溶離液はクロロホルムを用いた。 (熱的性質)示差走査熱量分析装置(DSC)により融
点及びガラス転移点を求めた。また熱重量分析装置(T
G)により熱分解温度を求めた。
【0015】実施例1 内容積300mlの上下撹拌機付きオートクレーブに、
ヒドロキシエチルアクリル酸メチル0.1mol、トル
エン35ml、ジコバルトオクタカルボニル0.428
g(Coとして2.5mmol)、及びピリジン15m
molを仕込み、反応器を一酸化炭素で置換してから1
%の水素を含有する一酸化炭素を導入し、室温で50気
圧とした。反応温度110℃で反応を開始し、8時間反
応させた。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却
し、生成物をメタノール中に投入し、再沈、洗浄し、乾
燥後ポリマーを回収した。得られたポリマーは収量1
1.5g、収率79.8%であった。このポリマーは、
Mn:5100、Mw:8900、Mw/Mn:1.7
5を有し、融点91℃、ガラス転移点−20℃、熱分解
温度288℃を有した。得られたポリマーの13C−NM
Rの構造解析の結果、172ppmにエステル結合のカ
ルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。また1
−NMRよりポリエチレンサクシネートの主鎖中にメチ
ルマロン酸単位を3.5モル%有していた。また、末端
のアクリル酸エステルの2重結合に由来する吸収が6.
2ppm,6.7ppm付近に観測され、末端の水酸基
は3.6〜3.9ppmに観測された。
【0016】実施例2 ピリジンを3,5−ルチジンに、一酸化炭素を0.1%
の水素を含有する一酸化炭素に替えた以外は実施例1と
同様に反応を行った。得られたポリマーは10.1g、
収率70.1%であった。このポリマーは、分子量はM
n:4100、Mw:7200、Mw/Mn:1.8を
有し、融点85℃、ガラス転移点−18℃、熱分解温度
280℃であった。得られたポリマーの13C−NMRの
構造解析の結果、172ppmにエステル結合のカルボ
ニルの炭素に由来する吸収が観測された。また、1H−
NMRの解析の結果によると、ポリエチレンサクシネー
トの主鎖中にメチルマロン酸単位を7.2モル%有して
いた。また、末端のアクリル酸エステルの2重結合に由
来する吸収が6.2ppm,6.7ppm付近に観測さ
れ、末端の水酸基は3.6〜3.9ppmに観測され
た。
【0017】実施例3 ピリジンを3,5−ルチジンに、一酸化炭素を5%の水
素を含有する一酸化炭素に替えた以外は実施例1と同様
に反応を行った。得られたポリマーは、10.5g、収
率72.3%であった。このポリマーは、Mn:240
0、Mw:4900、Mw/Mn:2.1を有し、融点
80℃、ガラス転移点−16℃、熱分解温度272℃で
あった。得られたポリマーの13C−NMRの構造解析の
結果、172ppmにエステル結合のカルボニルの炭素
に由来する吸収が観測された。また1H−NMRよりポ
リエチレンサクシネートの主鎖中にメチルマロン酸単位
を9.5モル%有していた。また、末端のアクリル酸エ
ステルの2重結合に由来する吸収は、ほとんど観測され
なかった。しかし、プロピオン酸エステルのメチルの水
素に由来する吸収が1.15ppmに観測された。末端
の水酸基は3.6〜3.9ppmに観測された。
【0018】実施例4 ピリジンを3−エチルピリジンに、一酸化炭素を0.2
5%の水素を含有する一酸化炭素に替えた以外は実施例
1と同じ条件下に反応を行った。得られたポリマーは1
1.9g、収率82.6%であった。このポリマーは、
Mn:6900、Mw:12100、Mw/Mn:1.
81を有し、融点89℃、ガラス転移点−22℃、熱分
解温度292℃であった。得られたポリマーの13C−N
MRの構造解析の結果、172ppmにエステル結合の
カルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。また、
1H−NMRの解析の結果によると、ポリエチレンサク
シネートの主鎖中にメチルマロン酸単位を7.2モル%
有していた。また、末端のアクリル酸エステルの2重結
合に由来する吸収が6.2ppm,6.7ppm付近に
観測され、末端の水酸基は3.6〜3.9ppmnに観
測された。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、脂肪族ジカルボン酸を
含有するポリエステルを一段階で製造することができ
る。また、本発明の方法においては、そのポリマー末端
に不飽和結合や水酸基などの官能基を有するものを得る
ことができる。このようにして得られたポリマーは熱可
塑性で成形加工性を有しているので様々な用途に適して
いる。例えば、フィルム、繊維、シートに成形加工して
利用することができる。また、反応性のポリマーとして
塗料、接着剤、可塑剤、相溶化剤としても利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河本 憲治 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人地球環境産業技術研 究機構 CO2固定化等プロジェクト室内 (72)発明者 松田 昭男 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 増田 隆志 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 〔(0C-CH2CH2C00-R1-0)m-(0C-CHCH3-C00-R1-0)n〕 (1) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示し、
    m、nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.01〜
    0.20の範囲にあり、m+n=1である)で示される
    鎖状構造を有する脂肪族ポリエステルの製造方法におい
    て、一般式(2) CH2=CH−COO−R1−0H (2) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示す)で
    示されるヒドロキシ基を有するアクリル酸エステルと一
    酸化炭素をコバルトカルボニルとピリジン塩基からなる
    触媒の存在下、60〜150℃で反応させることを特徴
    とするポリエステルの新規製造方法。
  2. 【請求項2】 R1が(CH22又は(CH24で表さ
    れるアルキレン基であることを特徴とする請求項1記載
    のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリエステルの製造方法
    において、一般式(3) R2(OH)2 (3) (式中、R2は脂肪族基又は芳香族基を示す)で示され
    るジオールを添加し、一般式(4) HO-R2-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (4) (式中、R1及びR2は脂肪族基又は芳香族基を示しm、
    nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.01〜0.
    20の範囲にあり、m+n=1である)で示されるポリ
    マーの末端に水酸基を有するポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のポリエステルの製造方法
    において、反応系に水素を存在させることにより、一般
    式(5) CH3CH2COO-R1-O〔(OC-CH2CH2COO-R1-O)m-(OC-CHCH3-COO-R1-O)n〕-H (5) (式中、R1は二価の脂肪族基又は芳香族基を示し、
    m、nはモル分率を示し、n/(m+n)が0.01〜
    0.20の範囲にあり、m+n=1である)で示される
    ポリマーの末端にプロピオン酸エステル基を有するポリ
    エステルの製造方法。
JP14543795A 1995-05-19 1995-05-19 ポリエステルの新規製造方法 Expired - Lifetime JP2651904B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14543795A JP2651904B2 (ja) 1995-05-19 1995-05-19 ポリエステルの新規製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14543795A JP2651904B2 (ja) 1995-05-19 1995-05-19 ポリエステルの新規製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08311179A true JPH08311179A (ja) 1996-11-26
JP2651904B2 JP2651904B2 (ja) 1997-09-10

Family

ID=15385229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14543795A Expired - Lifetime JP2651904B2 (ja) 1995-05-19 1995-05-19 ポリエステルの新規製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2651904B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103554455A (zh) * 2013-10-09 2014-02-05 杭州福斯特光伏材料股份有限公司 一种用于三维打印的共聚酯热塑性材料及其制备与应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103554455A (zh) * 2013-10-09 2014-02-05 杭州福斯特光伏材料股份有限公司 一种用于三维打印的共聚酯热塑性材料及其制备与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2651904B2 (ja) 1997-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chujo et al. Synthesis and redox gelation of disulfide-modified polyoxazoline
Karayannidis et al. Alkyd resins derived from glycolized waste poly (ethylene terephthalate)
JP4009317B2 (ja) 酵素的合成
US5756644A (en) Polyesters
US5225522A (en) Multiply-branched aliphatic-aromatic polyesters and method for preparing multiply-branched aliphatic-aromatic polyesters
US4983689A (en) Process for making macromolecular monomers of polylactones with terminal acryloyl unsaturation and block copolymers thereof
CN104797627B (zh) 具有高分子量的脂肪族聚碳酸酯共聚物及其制备方法
CN114478635B (zh) 一种铬化合物、其制备方法与多嵌段聚酯材料的制备方法
JPS6340444B2 (ja)
Debuissy et al. Lipase-catalyzed synthesis of biobased and biodegradable aliphatic copolyesters from short building blocks. Effect of the monomer length
US10662289B2 (en) Polymers from bio-derived dicarboxylic acids
JP2651904B2 (ja) ポリエステルの新規製造方法
KR100969901B1 (ko) 중합성 다분기 폴리에스테르의 제조 방법
JP2010090385A (ja) ベチュリンから得られるポリマー及びその製造法
JP4491626B2 (ja) ベチュリンから得られるポリマー及びその製造法
JP2005524401A5 (ja)
CN114507339B (zh) 一种香草醛基聚酯的制备方法
JPH04364196A (ja) ホスフィン酸誘導体からなる反応性難燃剤およびこの誘導体の製法
US5159057A (en) Method for the preparation of aromatic polyesters
JP3329463B2 (ja) 部分フッ素化ポリマー
KR20150005111A (ko) 생분해성 폴리에스테르 수지 및 이를 포함하는 물품
JP5256498B2 (ja) 高分子配位子、アルミニウム錯体及びポリラクチドの製造方法
CN109575261B (zh) 一种等规手性聚酯化合物及其制备方法
JP2009185125A (ja) 高分岐ポリマー及びその製造方法、並びに、高分岐ポリマー合成用モノマー及びその前駆体
KR0132768B1 (ko) 2-하이드록시 에틸 메타아크레이트의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term