JPH08311158A - 低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JPH08311158A
JPH08311158A JP8083496A JP8083496A JPH08311158A JP H08311158 A JPH08311158 A JP H08311158A JP 8083496 A JP8083496 A JP 8083496A JP 8083496 A JP8083496 A JP 8083496A JP H08311158 A JPH08311158 A JP H08311158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
mixture
crystalline
curing agent
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8083496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3669526B2 (ja
Inventor
Katsuji Kitagawa
勝治 北川
Ko Tanihata
耕 谷畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Somar Corp
Original Assignee
Somar Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Somar Corp filed Critical Somar Corp
Priority to JP08083496A priority Critical patent/JP3669526B2/ja
Publication of JPH08311158A publication Critical patent/JPH08311158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3669526B2 publication Critical patent/JP3669526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリシジルエーテル基の結合隣接位に立体障
害基を有する結晶性エポキシ樹脂を含む組成物におい
て、その硬化反応性を改善した組成物を提供する。 【解決手段】 グリシジルエーテル基の結合隣接位に立
体障害基を有する融点115℃以上の2価フェノールジ
グリシジルエーテル系結晶性エポキシ樹脂を55〜95
重量%含む常温で固体状を示すエポキシ樹脂と、常温で
固体状を示す硬化剤とを必須成分として含有する混合物
の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組成物であって、
(i)該混合物は溶融混合物であること、(ii)該硬化
剤はその少なくとも一部に結晶性硬化剤を含むこと、
(iii)該混合物中に含まれる非結晶性物質の量が、該混
合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性物質の合計量に
対して、0〜50重量%であること、(iv)該混合物の
粉体は非粘着性であること、を特徴とする低溶融粘度性
エポキシ樹脂粉体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低溶融粘度性エポキ
シ樹脂粉体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】常温で固体状を示すエポキシ樹脂は、取
扱い性、作業性にすぐれていることから、電気・電子部
品の封止材料、成形材料、注型材料、積層材料、複合材
料、接着剤等の用途に広く利用されている。このような
固体エポキシ樹脂には、常温での取扱い性及び作業性に
支障を生じないように、表面が非粘着性である(表面タ
ック性がない)ことが要求されるとともに、コイル絶縁
やICの封止を行うに際して、微細空隙へ含浸しやすい
ように、溶融状態で低粘度であることが要求される。従
来、比較的低分子量で溶融時の粘度の低い結晶性エポキ
シ樹脂として、テトラメチルビフェノールジグリシジル
エーテル(「エピコートYX−4000」、油化シェル
エポキシ社製、エポキシ当量185、融点105℃)
や、ハイドロキノンジグリシジルエーテル(「HRDG
E」、日本化薬社製、エポキシ当量125、融点100
℃)等が知られている。しかし、これらの結晶性エポキ
シ樹脂は、これに硬化剤を配合し、溶融混合すると、得
られる混合物は融点降下によりペースト状や液状となっ
てしまうため、もはや粉体状組成物とすることはできな
い。従って、前記の如き結晶性エポキシ樹脂と硬化剤
は、粉体組成物とするためには、溶融混合せずに、乾式
混合した後、圧着し、次いで圧着物を粉砕する方法が行
われている(特公平3−29098号公報参照)。しか
し、このような粉体組成物においては、各配合成分間の
結合は圧着力によるものであることから、未だ強固なも
のではなく、攪拌力や振動力等の外力を加えると、配合
成分間に剥離が生じ、加熱硬化させて得られる硬化物に
性能低下が見られる等の問題を生じた。
【0003】一方、比較的低分子量で溶融時粘度の低い
他の結晶性エポキシ樹脂として、2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノンジグリシジルエーテル(「エポトート
YDC−1312」、東都化成社製、エポキシ当量17
5、融点145℃)、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチ
ル−5−ブチルフェニル)チオ−エーテルジグリシジル
エーテル(「ESLV−120TE」、新日鉄化学社
製、融点121℃)等のグリシジルエーテル基の結合隣
接位にt−ブチル基等の立体障害基を有するものが知ら
れている。これらの結晶性エポキシ樹脂は、高い融点を
有するため、硬化剤と溶融混合しても固体状の混合物を
与え、粉体組成物を得ることは可能であるが、グリシジ
ルエーテル基の結合隣接位に立体障害基を有するため、
硬化反応性が悪く、その硬化に長時間を要するという欠
点を有した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グリシジル
エーテル基の結合隣接位に立体障害基を有する結晶性エ
ポキシ樹脂を含む組成物において、その硬化反応性を改
善した組成物を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、グリシジルエーテル
基の結合隣接位に立体障害基を有する融点115℃以上
の2価フェノールジグリシジルエーテル系結晶性エポキ
シ樹脂を55〜95重量%含む常温で固体状を示すエポ
キシ樹脂と、常温で固体状を示す硬化剤とを必須成分と
して含有する混合物の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組
成物であって、(i)該混合物は溶融混合物であるこ
と、(ii)該硬化剤はその少なくとも一部に結晶性硬化
剤を含むこと、(iii)該混合物中に含まれる非結晶性物
質の量が、該混合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性
物質の合計量に対して、0〜50重量%であること、
(iv)該混合物の粉体は非粘着性であること、を特徴と
する低溶融粘度性エポキシ樹脂粉体組成物が提供され
る。また、本発明によれば、グリシジルエーテル基の結
合隣接位に立体障害基を有する融点115℃以上の2価
フェノールジグリシジルエーテル系結晶性エポキシ樹脂
を55〜100重量%含む常温で固体状を示すエポキシ
樹脂と、常温で固体状を示す硬化剤を必須成分として含
有する混合物の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組成物で
あって、(i)該混合物は溶融混合物であること、(i
i)該硬化剤はその少なくとも一部にトリメリット酸無
水物及び/又はトリメリット酸無水物誘導体を含むこ
と、(iii)該混合物中に含まれる非結晶性物質の量が、
該混合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性物質の合計
量に対して、0〜50重量%であること、(iv)該混合
物の粉体は非粘着性であること、を特徴とする低溶融粘
度性エポキシ樹脂粉体組成物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるエポキシ樹脂は、
グリシジルエーテル基の結合隣接位に立体障害基を有す
る融点115℃以上の2価フェノールジグリシジルエー
テル系結晶性エポキシ樹脂(以下、結晶性エポキシ樹脂
Aとも言う)を含有するものである。このような結晶性
エポキシ樹脂Aには、次の一般式(1)で表わされるも
のが包含される。
【化1】 前記式中、R1は立体障害基を示し、R2は低級アルキル
基又はハロゲン原子を示し、Gはグリシジル基を示し、
mは0〜3の数を示し、nは0又は1の数を示す。立体
障害基には、iso−プロピル基、iso−ブチル基、
iso−アミル基、iso−ヘキシル基、tert−ブ
チル基、tert−アミル基、tert−ヘキシル基等
の炭素数3〜6のiso−アルキル基や、炭素数4〜6
のtert−アルキル基等が包含される。低級アルキル
基としては、炭素数1〜6を有するアルキル基、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキ
シル等が挙げられるが、この低級アルキル基は、前記立
体障害基であってもよい。ハロゲン原子としては、塩
素、臭素等が挙げられる。
【0007】前記一般式(1)で表わされる結晶性エポ
キシ樹脂については、例えば、特開平6−145293
号公報及び特開平6−298902号公報等に詳述され
ている。また、前記結晶性エポキシ樹脂の他の例として
は、次の一般式(2)で表わされるものが包含される。
【化2】 前記式中、R1、R2及びmは前記と同じ意味を有する。
【0008】本発明においては、前記結晶性エポキシ樹
脂Aは、硬化反応の速いエポキシ樹脂との混合物の形で
用いられる。このよう速硬化性エポキシ樹脂としては、
グリシジルエーテル基の結合隣接位に立体障害基を有し
ない常温で固体状を示す通常のエポキシ樹脂が用いられ
る。このような速硬化性エポキシ樹脂には汎用の結晶性
エポキシ樹脂や非結晶性エポキシ樹脂が包含される。結
晶性エポキシ樹脂としては、融点が115℃より低いも
の、例えば、テトラメチルビフェノールジグリシジルエ
ーテル(融点:105℃)、テトラメチルビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル(「ESLV−80XY」、
新日鉄化学社製、融点78℃)、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテルジグリシジルエーテル(「ESLV
−80DE」、新日鉄化学社製、融点79℃)、式
【化3】 (式中、Gはグリシジル基を示す)で表わされるエポキ
シ樹脂(「ESLV−90CR」、新日鉄化学社製、融
点89℃)等が挙げられる。速硬化性の非結晶性エポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂、1,1,2,2−テトラキス(グリシジルオキシ
フェニル)エタンの他、フェノールノボラック型、アル
キルフェノールノボラック型、ビスフェノールAノボラ
ック型等のノボラック型エポキシ樹脂、シクロペンタジ
エン・フェノール型エポキシ樹脂(「DCE400」、
山陽国策パルプ社製、軟化点65℃)の他、3官能性芳
香族エポキシ樹脂〔「エピコートYL933」、(軟化
点60℃、油化シェルエポキシ社製)、「VG310
1」(三井石油化学社製、軟化点61℃)等〕、4官能
性芳香族エポキシ樹脂(「エピコート1031S」、油
化シェルエポキシ社製、軟化点92℃等)、4官能以上
の多官能性芳香族エポキシ樹脂(「エピコート103
2」、油化シェルエポキシ社製、軟化点92℃等)等が
挙げられる。本発明では、3官能以上、特に4官能以上
の多官能性エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
【0009】結晶性エポキシ樹脂Aに速硬化性エポキシ
樹脂を混合すると、その混合エポキシ樹脂の硬化反応性
は向上し、そのゲル化時間は短かくなる。速硬化性エポ
キシ樹脂のうちでも、特に、分子中にグリシジルエーテ
ル基を3個以上、特に4個以上含有する芳香族エポキシ
樹脂の使用は好ましく、これを結晶性エポキシ樹脂Aに
混合することにより、高い硬化反応性を示す混合エポキ
シ樹脂を得ることができる。全エポキシ樹脂中の結晶性
エポキシ樹脂Aの含有率は、少なくとも55重量%以上
であり、これより少なくなると、結晶性エポキシ樹脂A
の持つ低溶融粘度性の発現が損われるようになる上、溶
融混合後の混合物の冷却固化速度が遅くなり、粉砕可能
な固化物になるまでに長時間を要するようになる。低溶
融粘度性の発現、硬化反応性の改良及び冷却固化性の点
から見ると、全エポキシ樹脂中の結晶性エポキシ樹脂A
の含有率は、55〜95重量%、好ましくは65〜95
重量%、より好ましくは70〜95重量%である。結晶
性エポキシ樹脂Aの混合率は、混合エポキシ樹脂が常温
において粘着性(タック性)のない固体状を示すように
調節される。そのための最小含有率は、結晶性エポキシ
樹脂Aに混合するエポキシ樹脂の種類によって決まる
が、通常は55重量%以上である。
【0010】本発明で用いる硬化剤は、常温で固体状を
示すもので、その少なくとも一部に結晶性硬化剤を含む
ものである。結晶性硬化剤としては、ビスフェノールA
(融点157℃)、ビスフェノールF、ビスフェノール
S(融点245℃)、テトラブロモビスフェノールA
(融点180℃)等のビスフェノール化合物;5(2,
5−ジオキソテトラヒドロフロリル)−3−メチル−3
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(「エ
ピクロンB−4400」、大日本インキ社製、融点16
5℃)、テトラヒドロ無水フタル酸(融点101℃)、
ナジック酸無水物、トリメリツト酸無水物(融点165
℃)、トリメリット酸無水物の誘導体、ピロメリット酸
無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の酸
無水物;ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミ
ン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスル
ホン等のジアミノ化合物の他、有機酸ヒドラジド、ジシ
アンジアミド等が挙げられる。本発明においては、融点
が90℃以上、好ましくは100℃以上の結晶性硬化剤
の使用が好ましい。
【0011】結晶性硬化剤のうち、高融点物質であるビ
スフェノール化合物は本発明に好ましく適用できる硬化
剤である。ビスフェノール化合物は、高融点でしかも低
溶融粘度性にすぐれたものであることから、前記結晶性
エポキシ樹脂Aに溶融混合することにより、粘着性のな
い低溶融粘度性にすぐれたエポキシ樹脂粉体組成物を与
える。 結晶性硬化剤のうち、トリメリット酸無水物
や、トリメリット酸無水物誘導体は、本発明に好ましく
適用できる硬化剤である。この場合、トリメリット酸無
水物誘導体とは、トリメリット酸無水物に結合する遊離
カルボキシル基が他の反応性化合物と反応した化合物を
意味する。このような反応性化合物には、脂肪酸エステ
ルを与える一価アルコール、グリコール(エチレングリ
コール、プロピレングリコール等)、トリオール(グリ
セリン等)等のアルコールや、芳香族エステルを与える
フェノール、アルキルフェノール、多価フェノール等が
挙げられる。このようなトリメリット酸無水物やトリメ
リット酸無水物誘導体は、意外なことには、前記硬化反
応性の低い結晶性エポキシ樹脂Aに対して高速度で反応
し、そのゲル化時間は非常に短かくなることが見出され
た。このトリメリット酸無水物及び/又はその誘導体の
含有率は、全硬化剤中、少なくとも5重量%、好ましく
は10〜100重量%である。本発明では、トリメリッ
ト酸無水物及び/又はその誘導体は、好ましくは、ビス
フェノール化合物と混合して用いることができる。この
場合のトリメリット酸無水物及び/又はその誘導体の割
合は、両者の合計重量に対して、20〜60重量%、好
ましくは30〜50重量%である。
【0012】本発明の硬化剤は非結晶性硬化剤を含有す
ることができる。このような非結晶性硬化剤としては、
従来公知の常温で固体状を示すもの、例えば、フェノー
ルノボラック型樹脂(「タマノール#754」、荒川化
学社製、軟化点100℃)、オルトクレゾールノボラッ
ク型樹脂(「OCN90」、日本化薬社製、軟化点12
0℃)、ビスフェノールAノボラック型樹脂(「エピキ
ュアYLH−129」、油化シェルエポキシ社製、軟化
点115℃、アミノポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹
脂等が挙げられる。硬化剤中の結晶性硬化剤の含有率
は、少なくとも5重量%、好ましくは50〜100重量
%である。
【0013】本発明の組成物は、必要に応じ、硬化促進
剤を含有することができる。硬化促進剤としては、従来
公知のもの、例えば、第3級アミン、第4級アンモニウ
ム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、イミダゾー
ル化合物等が挙げられる。本発明の組成物は、その用途
に応じて慣用の補助成分を含有することができる。この
ような補助成分には、例えば、有機系又は無機系の充填
剤、難燃剤、シランカップリング剤、着色剤、離型剤等
が包含される。本発明の組成物は、従来一般に採用され
ている溶融混合法により製造される。この場合、硬化剤
と硬化促進剤とを互に予じめ溶融混合してもよく、ま
た、エポキシ樹脂として2種以上を用いる場合、それら
のエポキシ樹脂を互に予じめ溶融混合することができ
る。即ち、各配合成分を加熱下で混合し、得られる溶融
混合物を冷却し、所要粒度に粉砕することによって製造
される。なお、この場合の溶融混合とは、少なくとも一
つの成分、好ましくは非結晶性物質(非結晶性のエポキ
シ樹脂や硬化剤等)が溶融状態で存在する混合を意味
し、他の成分は溶融状態であってもよいし、未溶融状態
であってもよい。本発明の組成物の場合、反応性の悪い
結晶性エポキシ樹脂Aは、速硬化反応性のエポキシ樹脂
との混合樹脂とするか又はその硬化剤としてトリメリッ
ト酸無水物及び/又はその誘導体を用いたことから、加
熱により容易に硬化させることができる。加熱硬化条件
としては、通常は、加熱温度130〜180℃、加熱時
間2〜0.5時間を採用することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂粉体組成物は、各
配合成分が溶融混合法により強固に結合されていること
から、撹拌力や振動力等の外力を加えても各成分が容易
に剥離することがない。また、本発明組成物は、特定の
結晶性エポキシ樹脂Aと結晶性硬化剤とを含むことか
ら、貯蔵安定性にもすぐれている。従って、それを加熱
硬化させて得られる硬化物は特性の均一性にすぐれ、所
望の性能発現性にすぐれたものである。本発明の組成物
は、溶融時の粘度が非常に低いために、微細空隙間への
含浸性(浸透性)にすぐれ、コイル絶縁やIC封止材料
として好適のものである。本発明の組成物は、粉体の表
面が非粘着性である(表面タック性がない)ことから、
粉体同志が粘着することがなく、取扱い性及び作業性に
おいて非常にすぐれたものである。本発明の組成物は、
従来のエポキシ樹脂粉体組成物(粉体塗料)と同様に、
各種の用途に供されるが、特に、コイル含浸用や、電気
・電子部品封止用に好適のものである。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0016】参考例1 エポトートYDC−1312(2,5−ジ−t−ブチル
ハイドロキノンジグリシジルエーテル、東都化成社製、
エポキシ当量175、融点145℃)に、表1に示すエ
ポキシ樹脂を溶融状態で混合し、混合物を冷却(14
℃)固化した。このようにして得た固化物の性状及び冷
却固化時間を表1に示す。この場合の冷却固化時間と
は、配合物を溶融状態で混合し、冷却(14℃)した混
合物が微粉砕できる硬さまでに固化する時間を言う。表
1に示した符号は次の内容を示す。 エポトートYD−7011 :ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(非結晶性)、エポキシ当量:475、軟化
点:65℃、東都化成社製 エポトートYDCN−701:クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂(非結晶性)、エポキシ当量:215、軟
化点:65℃、東都化成社製 EOCN−103:クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(非結晶性)、エポキシ当量:220、軟化点:82
℃、日本化薬社製 エピコートYL−6350:テトラブロモビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル(結晶性)、エポキシ当量:
335、融点115℃、油化シェルエポキシ社製
【0017】
【表1】
【0018】表1に示した結果からわかるように、本発
明で特定した結晶性エポキシ樹脂Aに、他の速硬化性エ
ポキシ樹脂を溶融混合し、冷却固化するときには、その
冷却固化時間は速く、しかも得られる固化物は結晶性の
もので、かつその融点も十分に高く、表面が非粘着性の
取扱い性のすぐれた結晶性の混合エポキシ樹脂である。
したがって、このような結晶性混合エポキシ樹脂は、低
粘度性の良好な粉体組成物を与える。
【0019】比較参考例1 70重量部のエピコートYX−4000に30重量部の
エポトートYD−7011を溶融混合し、混合物を室温
に放置して冷却固化したところ、その冷却固化には48
時間以上という長時間を要する上、得られる固化物の表
面は粘着性を示すものであった。したがって、この固化
物は、粉体組成物形成用の原料エポキシ樹脂としては不
適のものである。
【0020】なお、前記において示した粉体表面が非粘
着性であるか否かの判定は、次の方法で行った。温度2
5℃、湿度70%RHの雰囲気下で、60メッシュのふ
るいをパスする粉体50gを内径5cmの円筒型容器に
入れ、2g/cm2の荷重をかけて3時間放置した。次
に、円筒型容器から粉体を取り出し、その粉体を飯田製
作所製ロータップ型振とう機φ200A(ふるいの回転
数290回/分、衝動数165回/分)に装着されてい
る60メッシュのふるいにのせ、30分間振とうした。
その振とうにより粉体の95重量%以上が60メッシュ
のふるいをパスした場合はその粉体が非粘着性であると
判定し、そうでない場合はその粉体が非粘着性でない
(粘着性である)と判定した。
【0021】実施例1 表2に示す成分組成の粉体組成物を溶融混合法により作
り、そのゲルタイムを評価した。その結果を表2に示
す。ゲルタイムは、150℃におけるゲルタイムをJI
S C 2104に従って測定した。なお、表1に示し
た符号は次の内容を意味する。 BPA :ビスフェノールA(融点157℃) THPA :テトラヒドロ無水フタル酸(融点1
01℃) YLH−129 :ビスフェノールAノボラック型樹脂
(「エピキュアYLH129」、軟化点115℃、油化
シェルエポキシ社製) DAM :ジアミノジフェニルメタン(融点9
0℃) TMA :トリメリット酸無水物(融点165
℃) TBA :テトラブロモビスフェノールA(融
点180℃) TPP :トリフェニルホスフィン 2MZ−A :2,4−ジアミノ−6−6〔2−メ
チルイミダゾリル(1)〕−エチルS−トリアジン
【0022】
【表2】 *1 エポキシ樹脂Bは、エポキシ樹脂Aとエポキシ樹脂Dとを混合重量比=85 /15で予め溶融混合したもの *2 比較例を示す
【0023】表1に示した結果からわかるように、エポ
キシ樹脂として、速硬化性エポキシ樹脂を含まない硬化
反応性の悪い結晶性エポキシ樹脂Aのみを用いるととも
に、硬化剤として、TMAを含まないものを用いる場合
(実験No.9)では、組成物の硬化反応性が非常に悪
いことがわかる。一方、硬化剤として、TMAを含むも
のを用いる場合(実験No.3〜No.5)には、組成
物の硬化反応性が非常に良く、加熱により迅速に硬化す
ることがわかる。しかも、この場合には、硬化反応性の
悪い結晶性エポキシ樹脂Aのみを用いる場合(実験N
o.3)であっても、その組成物の硬化速度は速いこと
がわかる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリシジルエーテル基の結合隣接位に立
    体障害基を有する融点115℃以上の2価フェノールジ
    グリシジルエーテル系結晶性エポキシ樹脂を55〜95
    重量%含む常温で固体状を示すエポキシ樹脂と、常温で
    固体状を示す硬化剤とを必須成分として含有する混合物
    の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組成物であって、
    (i)該混合物は溶融混合物であること、(ii)該硬化
    剤はその少なくとも一部に結晶性硬化剤を含むこと、
    (iii)該混合物中に含まれる非結晶性物質の量が、該混
    合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性物質の合計量に
    対して、0〜50重量%であること、(iv)該混合物の
    粉体は非粘着性であること、を特徴とする低溶融粘度性
    エポキシ樹脂粉体組成物。
  2. 【請求項2】 該結晶性エポキシ樹脂が、2,5−ジ−
    tert−ブチルハイドロキノンジグリシジルエーテル
    である請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 該結晶性硬化剤が、ビスフェノール化合
    物、トリメリット酸無水物及びトリメリット酸無水物誘
    導体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1又
    は2の組成物。
  4. 【請求項4】 該エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル
    基の結合隣接位に立体障害基を有しない融点が115℃
    より低い結晶性エポキシ樹脂及び/又はグリシジルエー
    テル基を3個以上有する非結晶性エポキシ樹脂を含む請
    求項1〜3のいずれかの組成物。
  5. 【請求項5】 該非結晶性エポキシ樹脂が、ノボラック
    型エポキシ樹脂である請求項4の組成物。
  6. 【請求項6】 グリシジルエーテル基の結合隣接位に立
    体障害基を有する融点115℃以上の2価フェノールジ
    グリシジルエーテル系結晶性エポキシ樹脂を55〜10
    0重量%含む常温で固体状を示すエポキシ樹脂と、常温
    で固体状を示す硬化剤とを必須成分として含有する混合
    物の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組成物であって、
    (i)該混合物は溶融混合物であること、(ii)該硬化
    剤はその少なくとも一部にトリメリット酸無水物及び/
    又はトリメリット酸無水物誘導体を含むこと、(iii)該
    混合物中に含まれる非結晶性物質の量が、該混合物中に
    含まれる結晶性物質と非結晶性物質の合計量に対して、
    0〜50重量%であること、(iv)該混合物の粉体は非
    粘着性であること、を特徴とする低溶融粘度性エポキシ
    樹脂粉体組成物。
JP08083496A 1995-03-10 1996-03-08 低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3669526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08083496A JP3669526B2 (ja) 1995-03-10 1996-03-08 低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-79554 1995-03-10
JP7955495 1995-03-10
JP08083496A JP3669526B2 (ja) 1995-03-10 1996-03-08 低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08311158A true JPH08311158A (ja) 1996-11-26
JP3669526B2 JP3669526B2 (ja) 2005-07-06

Family

ID=26420571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08083496A Expired - Fee Related JP3669526B2 (ja) 1995-03-10 1996-03-08 低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3669526B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005196973A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Nippon Steel Chem Co Ltd 燃料電池セパレータ用組成物及び燃料電池セパレータの製法
JP2011231153A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物と半導体装置
JP2014094979A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Panasonic Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置
WO2023171027A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 伸縮性樹脂組成物、並びに、それを用いた樹脂シート材料、樹脂付金属箔、金属張積層板、及び、配線基板

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005196973A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Nippon Steel Chem Co Ltd 燃料電池セパレータ用組成物及び燃料電池セパレータの製法
JP4633356B2 (ja) * 2003-12-26 2011-02-16 新日鐵化学株式会社 燃料電池セパレータ用組成物及び燃料電池セパレータの製法
JP2011231153A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物と半導体装置
JP2014094979A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Panasonic Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置
WO2023171027A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 伸縮性樹脂組成物、並びに、それを用いた樹脂シート材料、樹脂付金属箔、金属張積層板、及び、配線基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3669526B2 (ja) 2005-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8927677B2 (en) Toughening agent for epoxy resin compositions
EP0138465A2 (en) Latent curing agents for epoxy resins
GB1567047A (en) Epoxy resin compositions
US5206313A (en) Process for preparing powder coating composition
US4663072A (en) Acid anhydride mixtures in paste form useful for curing epoxy resins and a dual catalyst system therefor
JP3669526B2 (ja) 低溶融粘度性固体エポキシ樹脂組成物
US3226214A (en) Epoxy resin abrasive structures and method therefor
JP3883273B2 (ja) エポキシ樹脂組成物含浸シート
JPH10204262A (ja) 低溶融粘度性エポキシ樹脂粉体組成物の製造方法及びその方法により得られるエポキシ樹脂粉体組成物
JPH08325395A (ja) エポキシ樹脂組成物含浸シート
US3893969A (en) Reinforced polyamide molding composition
JPS61190521A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3390865B2 (ja) 鋳鉄管用粉体塗料
JPH0627183B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JP3233222B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3635283B2 (ja) 粉体塗料の塗装方法
JPH04288317A (ja) エポキシ樹脂粉体組成物及びその製造方法
JP5806220B2 (ja) 高フィラー含量を有するエポキシ組成物の均質な調剤方法
JPH06192396A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JP4175590B2 (ja) エポキシ樹脂、これを含むエポキシ樹脂溶液、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂の製造法
JP6039895B2 (ja) 硬化剤、マイクロカプセル型硬化剤、マスターバッチ型硬化剤組成物、一液性エポキシ樹脂組成物および加工品
JPH10101773A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JPH10225928A (ja) エポキシ樹脂組成物含浸シート
JPH0710966A (ja) エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂硬化物の製造方法
JPH0230328B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20041022

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050112

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050407

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100422

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130422

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130422

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees