JPH08310438A - エンジン支持装置 - Google Patents

エンジン支持装置

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JPH08310438A
JPH08310438A JP12216795A JP12216795A JPH08310438A JP H08310438 A JPH08310438 A JP H08310438A JP 12216795 A JP12216795 A JP 12216795A JP 12216795 A JP12216795 A JP 12216795A JP H08310438 A JPH08310438 A JP H08310438A
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sub
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広彦 渋谷
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Yuichi Sakuma
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サブフレームへの上下方向の振動入力を抑制
してエンジン騒音を低減することが出来るエンジン支持
装置を提供する。 【構成】 本発明は、車体に対して防振・支持されたサ
ブフレーム40にエンジンを支持するエンジン支持装置
において、エンジン25のトルク反力によるロールセン
タ61回りの所定以上の回転を弾性的に阻止して、該ト
ルク反力を前記サブフレーム40のセンタメンバ37に
略水平方向に沿って入力させるストッパ構造55を有し
ている。これにより、エンジン25のトルク反力に起因
する加振力を略水平方向に沿ってセンタメンバ37に入
力し、センタメンバ37への上下方向の入力を抑制する
ことにより、エンジン騒音の増幅が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンをサブフレー
ムに支持するためのエンジン支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実開平2−41877号公報には、リヤ
側のサスペンション装置を車体に支持するサブフレーム
の構造が記載されている。このようなサブフレーム構造
に、エンジンを搭載する場合には、サブフレームとエン
ジンとの間にエンジンマウントが設けられて、エンジン
の振動がサブフレームに直接伝わらないようにしてい
る。このように、サブフレームにエンジンマウントを介
して支持する構造について図20を用いて説明する。な
お、図20において矢印aが車両前方側を示す。
【0003】図20に示すように、エンジン1は前後
が、エンジンマウント3、5を介してセンタメンバ11
に支持されている。センタメンバ11は、車両前後方向
に沿って車幅方向の中間部に配置され、後方側でサスペ
ンションメンバ(不図示)に支持され、前方側でフロン
トクロスメンバ(不図示)にラバーマウントを介して支
持されている。そして、センタメンバ11とサスペンシ
ョンメンバとで、エンジンを支持するサブフレームを構
成している。エンジン1の左右は、エンジンマウント
7、9を介して両側のフロントサイドメンバにそれぞれ
支持されている。
【0004】エンジンマウント3、5は、センタメンバ
11上に固定されるインシュレータ13a、13bと、
このインシュレータ13a、13bに一側が回動自在に
連結され他側がエンジン1に固定されるブラケット17
a、17bとからなる。インシュレータ13a、13b
は、外郭部材12内にラバーマウント15が圧入されて
形成されており、このラバーマウント15にボルト14
で回動自在にブラケット17a、17bが連結されてい
る。
【0005】エンジンマウント7、9は、エンジン1に
固定されるインシュレータ19a、19bと、インシュ
レータ19a、19bのラバーマウント21に回動自在
に連結されると共に左右のフロントサイドメンバ(不図
示)に連結されるブラケット23a、23bとからな
る。
【0006】そして、エンジン運転時の振動がインシュ
レータ13a、13b、19a、19bのラバーマウン
ト15、21により吸収されて、サスペンションメン
バ、センタメンバ11にその振動が直接伝わらないよう
になっている。これにより、エンジン運転時の振動に起
因する騒音(エンジン騒音)が低減されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記センタ
メンバ11とサスペンションメンバからなるサブフレー
ムは、高周波の振動ではその伝達力は小さいが、低周波
の振動では伝達力が大きく、防振効果が十分でなくな
る。また、車両の発進時のようにエンジンへの負荷が大
きくなると、エンジンが急激にトルクを発生するため、
発生したトルクの反力によりエンジンが車両後方側に向
けて強く回転する(ロールする)。このため、インシュ
レータ13aのラバーマウント15に大きな力が加わっ
て変形し、ブラケット17aが外郭部材12に当接する
ので、エンジンマウント3の動ばね定数が急増し、防振
効果が低下する。この結果、エンジン1からの加振力が
エンジンマウント3により遮断されずにセンタメンバ1
1及びサスペンションメンバからなるサブフレームに上
下方向の振動となって伝達される。
【0008】一方、サブフレームを車体に支持するマウ
ントの構成上、サブフレームは、前後方向の入力に対し
ては感度が低くなるように形成され、上下方向の入力に
対しては感度が高くなってしまうものとなっていた。さ
らに、サブフレームは約50Hz近辺で共振点が存在し
ていた。ここで、発進時のエンジンの回転速度は100
0〜2000rpm であり、この時のエンジンロールセン
タを中心とするエンジンの回転振動の周波数は、例えば
4気筒車では、クランク軸回転速度の2次成分の33〜
67Hzである。従って、発進時において、クランク軸
回転速度の2次成分の33〜67Hzの間にサブフレー
ムの共振点が存在するため、エンジンのトルク反力によ
るエンジンロールセンタを中心とする回転振動とセンタ
メンバ11の上下方向の振動とが共振して、エンジン騒
音が増幅される。
【0009】そこで、エンジン1のトルク反力に起因す
る加振力がエンジンマウント3に加わってもエンジンマ
ウント3の動ばね定数が急増しないようにインシュレー
タ13aの容量を大きくすれば、センタメンバ11にエ
ンジン1からの加振力が加わらないので、騒音を抑制す
ることが出来る。
【0010】ところが、この場合には、エンジンマウン
ト3の容量が大きいためエンジン1の回転量(ロール
量)が大きくなる。
【0011】さらに、エンジンのトルク反力に起因する
加振力がエンジンマウント3に加わってもエンジンマウ
ント3の動ばね定数が急増しないように、予め動ばね定
数を上昇させておくことが考えられるが、この場合に
は、エンジン1の運転時における回転振動を吸収する防
振効果が低下する。
【0012】そこで、本発明は、上記事情を考慮し、サ
ブフレームへの上下方向の振動入力を抑制してエンジン
騒音を低減することが出来るエンジン支持装置の提供を
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、車体に対して防振・支持された
サブフレームにエンジンを支持するエンジン支持装置に
おいて、前記エンジンのトルク反力によるロールセンタ
回りの所定以上の回転を弾性的に阻止して、該トルク反
力を前記サブフレームに略水平方向に沿って入力させる
ストッパ構造を有することを特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明であって、前記ストッパ構造は、一端がエンジン側に
固定され他端が前記トルク反力によるエンジンのロール
センタの下方に延設されたブラケットと、このブラケッ
トの他端を前記サブフレームに連結すると共に、略水平
方向への所定以上の動きを弾性的に阻止するストッパと
からなることを特徴としている。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明であって、前記ストッパは、前記ブラケットの他端に
設けた長孔と、前記サブフレームに固定されたストッパ
ラバーと、前記長孔及びストッパラバーに挿通してブラ
ケットの他端をストッパラバーに連結するボルトとから
なることを特徴としている。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項2又は請求
項3記載の発明であって、前記ストッパと、前記サブフ
レームを車体に防振・支持するインシュレータとを略等
しい高さに配置したことを特徴としている。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項2又は請求
項3記載の発明であって、前記ストッパと、前記サブフ
レームを車体に防振・支持するインシュレータとの上下
方向の距離が、インシュレータの略水平方向の剛性と反
比例の関係にある高さに設定されていることを特徴とし
ている。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明であって、前記ストッパ構造は、一端がエンジン側に
固定され、他端がトルク反力によるエンジンのロールセ
ンタ下方に延設されたブラケットと、このブラケットの
他端に一端が回転自在に連結され他端が略水平方向に延
設されたバッファーロッドと、このバッファーロッドの
他端を前記サブフレームに連結すると共に、略水平方向
への所定以上の動きを弾性的に阻止するストッパとから
なることを特徴としている。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明であって、前記ストッパは、バッファーロッドの他端
に略水平方向に沿って設けた長孔と、前記サブフレーム
に固定されたストッパラバーと、前記長孔及びストッパ
ラバーに挿通してバッファーロッドの他端をストッパラ
バーに連結するボルトとからなることを特徴としてい
る。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項6又は請求
項7記載の発明であって、前記バッファーロッドの他端
とサブフレームを車体に防振・支持するインシュレータ
との上下方向の距離が、インシュレータの略水平方向の
剛性と反比例の関係にある高さに設定されていることを
特徴としている。
【0021】
【作用】請求項1の発明によれば、エンジンがトルク反
力によりロールセンタ回りに回転すると、ストッパ構造
が、ロールセンタ回りに所定以上の回転を弾性的に阻止
して、該トルク反力を前記サブフレームに略水平方向に
沿って入力させる。
【0022】請求項2の発明によれば、エンジンがトル
ク反力により回転すると、エンジンと同期してブラケッ
トがエンジンロールセンタを中心に回転し、エンジンロ
ールセンタの略下方でストッパによりその回動が阻止さ
れる。この場合、エンジンロールセンタの略下方でブラ
ケットがストッパに連結されているため、エンジンのト
ルク反力がサブフレームに略水平方向に入力される。
【0023】請求項3の発明によれば、エンジンがトル
ク反力により回転すると、エンジンと同期してブラケッ
トがエンジンロールセンタを中心に回動する。ブラケッ
トが回動すると、ブラケットの他端に設けた長孔内をボ
ルトが相対移動して、長孔の端壁に当接する。このと
き、ボルトは、水平方向への所定以上の動きを規制する
ストッパラバーに挿通されているので、ブラケットの他
端は、略水平方向に移動し、水平方向への所定以上の動
きが規制される。このため、エンジンの過大な回転が阻
止される。
【0024】請求項4の発明によれば、ストッパと、サ
ブフレームを車体に支持するインシュレータとを略等し
い高さに配置したことにより、ストッパを介してサブフ
レームに入力されるトルク反力が略水平方向に沿って入
力されるため、サブフレームが水平方向のみ変位する。
【0025】請求項5の発明によれば、ストッパと、サ
ブフレームを車体に支持するインシュレータとの上下方
向の距離が、インシュレータの水平方向への剛性と反比
例の関係にある高さに設定されていることにより、スト
ッパを介してサブフレームに入力されるトルク反力が略
水平方向に入力され、サブフレームが水平方向にのみ変
位する。
【0026】請求項6の発明によれば、エンジンがトル
ク反力により回転すると、ブラケットがエンジンロール
センタを中心に回動し、ブラケットの他端がバッファー
ロッドを前方側に移動させる。バッファーロッドが前方
側に移動すると、トルク反力がストッパを介してサブフ
レームに略水平方向に沿って入力される。
【0027】請求項7の発明によれば、エンジンがトル
ク反力により回転すると、エンジンと同期してブラケッ
トがエンジンロールセンタを中心に回動する。ブラケッ
トが回動すると、ブラケットの他端に連結されたバッフ
ァーロッドが前方側に移動し、バッファーロッドの他側
に設けた長孔内をボルトが相対移動して、長孔の端壁に
当接する。このとき、ボルトはストッパラバーに挿通さ
れているので、ブラケットの他端は、略水平方向に移動
する。そして、ストッパラバーにより、ブラケットの他
端の水平方向への所定以上の動きが規制されて、エンジ
ンの過大な回転が阻止される。
【0028】請求項8記載の発明は、バッファーロッド
の他端とサブフレームを車体に支持するインシュレータ
との上下方向の距離が、インシュレータの水平方向の剛
性と反比例の関係にある高さに設定されていることによ
り、ストッパを介してサブフレームにトルク反力に対し
て、サブフレームが略水平方向にのみ変位する。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係るエンジン支持装置の実施
例について説明する。
【0030】第1実施例 図1乃至図3は第1実施例のエンジン支持装置によりエ
ンジン25が支持された車両前部側を示す。図1及び図
2に示すように、前輪27a、27b間には、サスペン
ションメンバ29が配置されている。このサスペンショ
ンメンバ29の両端部は二股に形成されており、各端部
がインシュレータ31、31、31、31を介して車体
(不図示)に支持されている。このサスペンションメン
バ29には、車軸28に連結されたサスペンションアー
ム33a、35a、33b、35bがそれぞれ連結され
ている。また、サスペンションメンバ29の幅方向の中
間部には、センタメンバ37の一端37aが連結されて
いる。センタメンバ37の他端37bは、前方側に延設
されてフロントクロスメンバ39の下端にインシュレー
タ41を介して支持されている。そして、サスペンショ
ンメンバ29とセンタメンバ37とでサブフレーム40
を構成している。また、サスペンションメンバ29の前
方側に、エンジン25が横置き状態で配設されている。
【0031】エンジン25は、図2に示すように左右方
向がエンジンマウント43、45を介して左右のフロン
トサイドメンバ(不図示)にそれぞれ支持されている。
エンジンマウント43、45は、図20に示すエンジン
マウント7、9と同構成なのでここでの説明を省略す
る。また、エンジン25の後部側は、エンジンマウント
47を介してセンタメンバ37に防振・支持されてい
る。このエンジンマウント47は、図3に示すように一
端がエンジン25の後部側にボルト44で固定され他端
がエンジン25の下部まで延設された略L字状のブラケ
ット49と、このブラケット49の中間部が回動自在に
支持されると共に、センタメンバ37のサスペンション
メンバ側に固定されたインシュレータ51とからなる。
【0032】ブラケット49は、図3に示すように、上
ブラケット49aと下ブラケット49bとがボルト48
により一体に結合されてL字状に形成されている。上ブ
ラケット49aの一端は上記したようにボルト44でエ
ンジン25の後部側に固定されている。また、下ブラケ
ット49bは、3本のボルト(不図示)でエンジン25
の後部側に固定されている。さらに、下ブラケット49
bと上ブラケット49aとの結合部52が、インシュレ
ータ51のラバーマウント51aにボルト46により回
転自在に連結されている。インシュレータ51はセンタ
メンバ37に固定されている。下ブラケット49bは、
コ字型断面に形成されており、結合部52と反対側の先
端部に長孔57、59がそれぞれ形成されている。な
お、図3において符号56は、ラバーシートである。
【0033】さらに、図4に示すように、エンジン25
の後部側は、エンジン25のトルク反力による回転の中
心となるエンジンロールセンタ61を中心とする加振力
をセンタメンバ37及びサスペンションメンバ29から
なるサブフレーム40に、上下方向への入力を抑制して
略水平方向に沿って入力させると共に、エンジン25の
所定以上の回転を阻止するストッパ構造55で支持され
ている。
【0034】ストッパ構造55は、一端がエンジン25
側に固定され他端がエンジンロールセンタ61の略下方
に延設されたブラケット49と、このブラケット49の
他端をエンジンロールセンタ61の下方でエンジンロー
ルセンタ61回りに回転可能で、上下方向に変位自在
で、かつ水平方向への所定以上の動きを規制してセンタ
メンバ49に連結するストッパ53とからなる。なお、
本実施例のストッパ構造55では、上記エンジンマウン
ト47のブラケット49を兼用している。
【0035】ストッパ53は、ブラケット49の他端に
設けた上記長孔57、59(図3参照)と、図5に示す
ように、センタメンバ37に固定されてエンジンロール
センタ61を中心として回転方向に、かつ上下方向に変
形可能であると共に、ブラケット49の他端の水平方向
への所定以上の動きを規制するストッパラバー63と、
長孔57、59及びストッパラバー63を挿通してブラ
ケット49の他側をストッパラバー63に連結するボル
ト65とからなる。
【0036】ストッパラバー63は、図6に示すよう
に、両側が開口された矩形断面形状の金属製の外殻部材
67と、この外殻部材67の内部に圧入されたマウント
ラバー69からなる。マウントラバー69は、外殻部材
67の内壁に密着・当接する本体部71と、ボルト73
が挿通される挿通孔75が形成された支持部77とが一
体に形成されている。支持部77の両側には、本体部7
1との間に撓み空間79、79がそれぞれ形成されてい
る。従って、支持部77は、本体部71に対して、上下
方向、水平方向に対して撓み変形自在であるが、水平方
向への所定以上の動きは規制されている。また、支持部
77の挿通孔75内には、スリーブ81が嵌合されてい
る。このスリーブ81の両側は挿通孔75内から突出し
ている。スリーブ81内には、図7に示すようにボルト
65が挿通され先端部にナット80が螺合している。ま
たボルト73には、カラー85を挟んで所定の間隔をお
いて2枚のワッシャー83、83が両側にそれぞれ嵌め
られている。そして、ワッシャー83、83間がブラケ
ット49の他端側の長孔57、57内に挿入されてい
る。このようなストッパラバー63は、外殻部材67が
センタメンバ37に溶接、あるいはボルト等で固定され
ている。
【0037】そして、エンジン1の運転状態において、
車両発進時のようにエンジンへの負荷が大きくなると、
エンジン1はトルク反力で回転し、図1に示すようにエ
ンジンロールセンタ61を中心にエンジン1が車両後方
に倒れるようにロールする。エンジン1がエンジンロー
ルセンタ61を中心に回転すると、エンジン1の後部側
に固定されているブラケット49もエンジン1と同期し
てエンジンロールセンタ61を中心として回転変位す
る。その際、下ブラケット49bの他端に設けられた長
孔57、59は、エンジンロールセンタ61の下方に位
置しているため、略水平方向に変位する。その結果、長
孔57、59の後端部とストッパラバー63に挿通され
たボルト65とが当接し、エンジンのトルク反力に起因
し、エンジンロールセンタを中心とする加振力が、セン
タメンバ37に対して上下方向の入力を抑制して略水平
方向に沿って入力される。また、下ブラケット49bの
略水平方向への所定以上の変位を規制することにより、
ブラケット49の回転変位を阻止してエンジン1が過大
に回転するのを阻止する。
【0038】本実施例によれば、エンジンマウント47
は、エンジン25のトルク反力を支える必要がないの
で、ばね定数の低いインシュレータを用いることが出
来、エンジン運転時における振動を抑制して、騒音を効
果的に低減することが出来る。
【0039】また、ストッパ53のストッパラバー63
の水平方向のばね定数は高く、ストッパ53を介してエ
ンジン25のトルク反力に起因する加振力がセンタメン
バ37に伝達される。しかし、ストッパ53がエンジン
ロールセンタ61の下方に位置しているので、この加振
力は主に略水平方向(前後方向)に入力され、上下方向
の加振力成分は小さく、センタメンバ37への上下方向
の入力を抑制することが出来る。従って、サブフレーム
40が上下方向に共振することがないので、エンジン騒
音が増幅されることがなく、騒音を抑制することが出来
る。よって、サブフレーム40への水平方向(前後方
向)の入力に対しては、発進時の主たる加振力成分の周
波数帯域では、サブフレーム40の前後方向の車体放射
伝達係数は上下方向に比べて小さいため大きな加振力が
前後方向に入力されても騒音が快適性を損なうように大
きくならないので、快適な車室内空間を提供することが
出来る。
【0040】また、本実施例では、ブラケット49を兼
用しているので、部品点数が増加することがない。
【0041】なお、上記実施例において、ストッパ構造
55のブラケット49をエンジンマウント47のブラケ
ットと兼用したが、別体のブラケットを設定して、一側
をエンジン25側に固定し、他側をエンジンロールセン
タ61の下方でストッパ53によりサブフレームに支持
するようにしても良い。
【0042】次に図8至図11に示す他のストッパラバ
ーの構造について説明する。図8乃至図11に示すスト
ッパラバー87は、両側が開口された矩形断面形状の金
属製の外殻部材89と、この外殻部材89内に圧入され
たマウントラバー91とからなる。マウントラバー91
は、外殻部材89の対向する内壁89a、89aに密着
当接する本体部93と、ボルト65が挿通される挿通孔
95が形成された支持部97とが一体に形成されてい
る。支持部97の上下及び両側には、撓み空間99、9
9、101、101が形成されている。従って、支持部
97は、本体部93に対して、上下方向、水平方向に対
して撓み変形自在であるが、水平方向への所定以上の動
きは規制されている。
【0043】また、図10に示すように、支持部97の
挿通孔95内には、スリーブ103が嵌合されている。
このスリーブ103の両側は挿通孔95内から突出して
いる。また、スリーブ103内にボルト65が挿通され
先端部にボルト80が螺合している。またボルト65に
は、両側にカラー85を挟んで所定の間隔をおいて2枚
のワッシャー83、83がそれぞれ嵌められている。そ
して、ワッシャー83、83間がブラケット49の他端
側の長孔59、59内に挿入されている。
【0044】この変形例のストッパラバー83も、外殻
部材67がセンタメンバ37に溶接、あるいはボルトナ
ットで固定されている。
【0045】そして、上記実施例と同様に、エンジン2
5のトルク反力に起因する加振力でエンジン25がエン
ジンロールセンタ61を中心に回転するとエンジン1の
後部側に固定されているブラケット49もエンジン1と
同期してエンジンロールセンタ61を中心として回転変
位する。その際、ブラケット49に設けられた長孔59
は、エンジンロールセンタ61の略下部に配置されるた
め、略水平方向に変位する。その結果、長孔59の後端
部とストッパラバー63に挿通されたボルト65とが当
接し、ブラケット49の回転を阻止してエンジン1が過
大に回転するのを阻止する。
【0046】第2実施例 次に図12及び図13を用いて第2実施例について説明
する。上記実施例では、エンジン25を横置き、すなわ
ちクランクシャフトが車幅方向に沿うように車両に搭載
されたエンジンにおける支持装置の例を示したが、本実
施例では、クランクシャフトが前後方向に沿うように車
両に搭載されるいわゆる縦置き型のエンジン107の支
持装置である。
【0047】図11及び図12に示すように、前輪27
a、27b間にエンジンを支持するサブフレーム40と
してのサスペンションメンバ105が配置されている。
このサスペンションメンバ105は正方形状をなしてお
り、四隅がマウント109、109、109、109を
介して車両前部の両側のフロントサイドメンバ間に設け
られたクロスメンバ(いずれも不図示)に支持されてい
る。このサスペンションメンバ105の両側部後方側に
は、サスペンションアーム111の一端がそれぞれ連結
されている。サスペンションアーム111の他端は左右
の前輪27a、27bの車軸側に連結されている。さら
に、サスペンションメンバ105の両側の前方側には、
サスペンションアーム113、113の一端が連結され
ている。サスペンションアーム113、113の他端
は、サスペンションアーム111、111の中間部に連
結されている。また、サスペンションメンバ105の上
方にエンジン107が縦置き状態で配設されている。
【0048】エンジン107は、左右両側(車両の走行
方向に向かって左右)が、エンジンマウント115、1
16を介してサスペンションメンバ105に支持されて
いる。右側のエンジンマウント116は、エンジン10
7の右側に一端が固定されたブラケット117と、この
ブラケット117の他端を支持しサスペンションメンバ
105上に固定されたマウントラバー119とからな
る。また、左側のエンジンマウント115は、一端がエ
ンジン107の左側に固定され他端がエンジン107の
下部まで延設された略L字状のブラケット121と、こ
のブラケット121の中間部を支持しサスペンションメ
ンバ105上に固定されたマウントラバー123とから
なる。
【0049】さらに、エンジン107の左側は、エンジ
ン107側に一端が固定され、エンジン107と同期し
てエンジン107の運転時におけるトルク反力に起因す
る回転の中心となるエンジンロールセンタ125を中心
として回転可能で、かつ上下方向に移動自在であると共
に、水平方向への所定以上の動きを規制するストッパ構
造127により支持されている。
【0050】ストッパ構造127は、一端がエンジン1
07の左側に固定され、他端がエンジンロールセンタ1
25まで延設されたブラケット121と、このブラケッ
ト121の他端をエンジンロールセンタ125を中心と
して回転変位可能で、かつ上下方向に移動自在であると
共に、水平方向への所定以上の動きを規制するストッパ
125とからなる。本実施例では、エンジンマウント1
15の上記ブラケット121を兼用している。このブラ
ケット121は、上ブラケット121aと下ブラケット
121bからなり、下ブラケット121bには長孔12
9が形成されている。
【0051】ストッパ125は、図1及び図3に示すス
トッパ53と同構成で、ブラケット121bの他端に設
けた長孔129と、サスペンションメンバ105に固定
されてエンジンロールセンタ125を中心として回転方
向に、かつ上下方向に変形可能であると共に、ブラケッ
ト121の他端の水平方向への所定以上の動きを規制す
るストッパラバー63と、長孔129及びストッパラバ
ー63を挿通してブラケット121の他側をストッパラ
バー63に連結するボルト65とからなる。
【0052】そして、エンジン107の運転状態におい
て、車両発進時のようにエンジン負荷が大きくなると、
エンジン107はトルク反力で回転し、図12に示すよ
うにエンジンロールセンタ125を中心にエンジン10
7が車両側方に倒れるようにロールする。エンジン10
7がロールセンタ125を中心に回転すると、エンジン
107の側方に固定されているブラケット121もエン
ジン107と同期してエンジンロールセンタ125を中
心として回転変位する。
【0053】その際、ブラケット121に設けられた長
孔129は、エンジンロールセンタ125の下方に位置
しているため、下ブラケット121bの他端は略水平方
向に変位する。その結果、長孔129の後端部とストッ
パラバー63に挿通されたボルト65とが当接し、エン
ジン25のトルク反力に起因し、エンジンロールセンタ
125を中心とする加振力が、サスペンションメンバ1
05に対して、上下方向の入力を抑制して略水平方向
(車幅方向)に沿って入力される。また、下ブラケット
121bの所定以上の変位を規制することにより、ブラ
ケット121の回転変位を阻止してエンジン107が過
大に回転するのを阻止する。
【0054】本実施例によれば、エンジンマウント12
1では、エンジン107のトルク反力に起因する加振力
を支える必要がないので、ばね定数の低いインシュレー
タを用いることが出来、エンジン運転時における振動を
十分防止することが出来て、騒音を効果的に低減するこ
とが出来る。
【0055】また、ストッパ53のストッパラバー63
の水平方向のばね定数は高く、ストッパ53を介してエ
ンジン25のトルク反力に起因する加振力がセンタメン
バ37に伝達される。しかし、ストッパ53がエンジン
ロールセンタ61の下方に位置するため、加振力は主に
水平方向に入力され、上下方向の加振力成分は小さく、
サスペンションメンバ105への上下方向の入力を抑制
することが出来る。従って、サスペンションメンバ10
5が上下方向に共振することがないので、エンジン騒音
が増幅されることがない。よって、サブフレームとして
のサスペンションメンバ105への水平方向(前後方
向)の入力に対しては、発進時の主たる加振力成分の周
波数帯域では、サスペンションメンバ105の前後方向
の車体放射伝達係数は上下方向に比べて小さいため大き
な加振力が前後方向に入力されても騒音が快適性を損な
うように大きくならないので、快適な車室内空間を提供
することが出来る。
【0056】第3実施例 次に図14乃至図16に示す第3実施例について説明す
る。本実施例では、ストッパ構造が、一端がエンジン2
5側に固定され、他端がエンジン下部に延設されたブラ
ケット139と、このブラケット139の他端と一端が
エンジンロールセンタ61の下方で相対回転自在に連結
され他端がエンジン25より後方側に延設されたバッフ
ァーロッド131と、このバッファーロッド131の他
端を相対回転可能で、かつ水平方向への所定以上の動き
を規制してサブフレームとしてのサスペンションメンバ
29に連結するストッパ133とからなる。
【0057】ブラケット139は、図15に示すよう
に、第1実施例と同構成の上ブラケット49aと、この
上ブラケット49aと結合部52でボルト48により結
合された下ブラケット139bとからなる。下ブラケッ
ト139bの結合部52の反対側には、連結孔140、
140が形成されている。これらの連結孔140、14
0にバッファーロッド131の一端の連結部130aが
相対回転自在に支持されている。バッファーロッド13
1の他端はストッパ133を介してサスペンションメン
バ29に支持されている。
【0058】ストッパ133は、図16に示すように、
バッファーロッド131の他側に略水平方向に沿って設
けた長孔135と、ストッパラバー63とからなる。ま
た、ストッパラバー63は、サスペンションメンバ29
の下面側にボルト137で固定された取付ブラケット1
39に固定されている。また、下ブラケット139bと
バッファーロッド131との連結部130a(図15参
照)の上下方向の高さは、ストッパ133のボルト65
の上下方向の高さに略等しくなっている。
【0059】そして、エンジン25の運転状態におい
て、車両発進時のようにエンジン負荷が大きくなると、
エンジン25はトルク反力で回転し、エンジンロールセ
ンタ61を中心にエンジン25が車両後方に倒れるよう
にロールする(図1参照)。エンジン25がロールセン
タ61を中心に回転すると、エンジン25の後部側に固
定されているブラケット139もエンジン25と同期し
てエンジンロールセンタ61を中心として回転変位す
る。ブラケット139がエンジンロールセンタ61を中
心として回転するとブラケット139の他端、すなわち
バッファーロッド131の連結部130aが前方側に略
水平に移動し、バッファーロッド131を全体的に略水
平に前方側へ移動させる。バッファーロッド131が前
方側へ略水平方向に移動すると、バッファーロッド13
1の他端に設けられた長孔135の後端部とストッパラ
バー63に挿通されたボルト65とが当接し、それ以上
バッファーロッド131が移動するのを防ぎ、その結
果、エンジン25が過大にロールするのを防止する。
【0060】本実施例によれば、エンジンマウント47
ではエンジン25のトルク反力を支える必要がないの
で、ばね定数の低いインシュレータを用いることが出
来、エンジン運転時における振動を十分防止することが
出来て騒音を効果的に低減することが出来る。
【0061】また、ストッパ133のストッパラバー6
3の水平方向のばね定数は高く、ストッパ133を介し
てエンジン25のトルク反力に起因する加振力が取付ブ
ラケット139、サスペンションメンバ29に伝達され
る。しかし、下ブラケット139bとバッファーロッド
131との連結部分がエンジンロールセンタ61の略下
方に位置するため、加振力は主に水平方向に入力され、
上下方向の加振力成分は小さく、サスペンションメンバ
29への上下方向の入力を抑制することが出来る。従っ
て、サスペンションメンバ29が上下方向に共振しない
ので、エンジン騒音が増幅されることがない。よって、
快適な車室内空間を提供することが出来る。
【0062】さらに、本実施例によれば、井桁型のサブ
フレームや、I字型のサブフレーム等、エンジンロール
センタ61の略下方に部材の無い構造においても、バッ
ファーロッド131を用いることにより、本発明を適用
することが出来る。
【0063】第4実施例 次に第4実施例について図17を用いて説明する。本実
施例は上記第3実施例と同構成で、ブラケット49の他
端とバッファーロッド131との連結部がロールセンタ
61の略下方に位置し、バッファーロッド131とブラ
ケット49との連結部はバッファーロッド131の他端
とストッパ133との連結部の高さと同じ高さである。
本実施例では、サスペンションメンバ29を車体に支持
するインシュレータ141、143のストッパ133か
らの上下方向の距離L1、L2が、これらのインシュレ
ータ141、143の前後方向の剛性(K1、K2)と
反比例の関係(L1:L2=K2:K1)となってい
る。
【0064】すなわち、ストッパ133からサスペンシ
ョンメンバ29の下部側のインシュレータ141までの
上下方向の距離L1とインシュレータ141の前後方向
の剛性K1との積L1×K1が、ストッパ133からサ
スペンションメンバ29の上部側のインシュレータ14
3までの上下方向の距離L2とインシュレータ143の
前後方向の剛性K2との積L2×K2が等しくなるよう
に、サスペンションメンバ29を車体に支持するインシ
ュレータ141、143の上下位置が設定されている。
【0065】本実施例は記第3実施例と同等の作用・効
果を有する他に、サスペンションメンバ29を車体に支
持するインシュレータ141、143のストッパ133
からの上下方向の距離L1、L2を、これらのインシュ
レータ141、143の前後方向の剛性(K1、K2)
と反比例の関係(L1:L2=K2:K1)にある高さ
に設定したことにより、バッファーロッド131を介し
て入力される前後方向の加振力に対して、サスペンショ
ンメンバ29がピッチング等の変位をせず、略水平方向
(前後方向)にのみ変位し、その結果、サスペンション
メンバ29の上下方向の共振をより一層抑制することが
出来る。
【0066】また、本実施例によれば、サスペンション
メンバ29を車体に支持するインシュレータ141、1
43の剛性を変化させれば、これらのインシュレータ1
41、143の取付位置、すなわちサスペンションメン
バ29の車体への取付位置の変更に対応することが出来
るので、設計の自由度が高い。
【0067】第5実施例 次に図18に示す第5実施例について説明する。この実
施例は、第1実施例に対してセンタメンバ145の後端
部のサスペンションメンバ29への取付位置が異なる。
【0068】すなわち、図18に示すように、本実施例
のセンタメンバ145の後端部は、ストッパ53と同一
水平面上でインシュレータ147を介してサスペンショ
ンメンバ29に支持されている。
【0069】本実施例では、前述した第1実施例と同等
の作用・効果が得られる他に、サスペンションメンバ2
9へのストッパ53とセンタメンバ145の後端部側の
支持位置を同一水平面上としたことにより、ストッパ5
3を介してセンタメンバ145に入力される前後方向の
加振力に対して、サスペンションメンバ29がピッチン
グ等の変位をすることがなく、前後方向のみに変位し、
その結果、サスペンションメンバ29の上下方向の共振
を抑制することが出来る。
【0070】第6実施例 図19に示す第6実施例は、前記第5実施例に対して、
センタメンバ149を車体に支持するインシュレータ4
1、151とストッパ53との上下方向の距離L1、l
2が、インシュレータ41、151の前後方向の剛性K
1、k2と反比例の関係にある。
【0071】すなわち、図19に示すように、本実施例
のセンタメンバ145の前端部は、フロントクロスメン
バにインシュレータ41を介して支持されている。この
インシュレータ41は、ストッパ53から上下方向にL
1の距離に配置されている。また、センタメンバ145
の後端部は、サスペンションメンバ29にインシュレー
タ151を介して支持されている。このインシュレータ
151はストッパ53に対して上下方向にL2の距離に
配置されている。
【0072】そして、インシュレータ41の前後方向の
剛性K1と距離L1との積L1×K2が、ストッパ53
からインシュレータ151までの距離L2とインシュレ
ータ151の前後方向の剛性K2との積L2×K2が等
しくなるようにセンタメンバ149が車体に支持されて
いる。
【0073】本実施例では、前述した第1実施例と同等
の作用・効果が得られる他に、インシュレータ41の前
後方向の剛性K1と距離L1との積L1×K2が、スト
ッパ53からインシュレータ151までの距離L2とイ
ンシュレータ151の前後方向の剛性K2との積L2×
K2が等しくなるようにしたことにより、ストッパ53
を介してセンタメンバ145に入力される前後方向の加
振力に対して、サスペンションメンバ29がピッチング
等の変位をすることがなく、前後方向のみに変位し、そ
の結果、サスペンションメンバ29の上下方向の共振を
より一層抑制することが出来る。
【0074】また、本実施例によれば、インシュレータ
41、151の剛性を変化させれば、センタメンバ14
9の車体あるいはサスペンションメンバ29への取付位
置の変更に対応することが出来るので、設計の自由度が
高い。
【0075】なお、上記実施例では、車両前部側に搭載
されたエンジンを支持する例について説明したが、本発
明は、後部側に搭載されるエンジンを支持する場合にも
適用することが出来る。さらに、本発明は、駆動輪の種
類(前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動)によらず適用する
ことが出来る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、エンジンのトルク反力に起因してエンジンが回転
すると、この回転による加振力がストッパ構造を介して
サブフレームに対して上下方向の振動を抑制しつつ略水
平方向に入力される。従って、サブフレームの上下方向
の共振を抑制し、その結果、エンジン騒音の増幅が防止
されて快適な車室内空間を提供することが出来る。
【0077】請求項2の発明にれば、エンジンロールセ
ンタの下方でブラケットがストッパに連結されているた
め、エンジンのトルク反力による加振力がサブフレーム
に対して略水平方向に入力され、サブフレームの上下方
向の共振が抑制される。
【0078】請求項3の発明によれば、エンジンのトル
ク反力に起因してエンジンが回転すると、エンジンと同
期してブラケットがエンジンロールセンタを中心に回動
し、ブラケットの他端に設けた長孔内をボルトが相対移
動して、長孔の後端部に当接する。ことき、ボルトは、
ストッパラバーに挿通されているので、ブラケットの他
端は、略水平方向に移動し、ストッパラバーにより、ブ
ラケットの他端の水平方向への所定以上の動きが規制さ
れる。よって、エンジンの過大な回転が阻止される。
【0079】請求項4の発明によれば、ストッパと、サ
ブフレームを車体に支持するインシュレータとを略等し
い高さに配置したことにより、ストッパを介してサブフ
レームに入力される加振力に対して、サブフレームが上
下方向に共振することがなく、サブフレームが水平方向
のみ変位する。
【0080】請求項5の発明によれば、ストッパと、前
記サブフレームを車体に支持するインシュレータとの上
下方向の距離が、インシュレータの水平方向への剛性と
反比例の関係にある高さに設定されていることにより、
ストッパを介してサブフレームに入力される加振力に対
して、サブフレームが水平方向のみ変位する。
【0081】請求項6の発明によれば、バッファーロッ
ドを用いることにより、エンジンロールセンタの下方に
ブラケットの他端を支持する部材がない場合でも、エン
ジンのトルク反力に起因して生じる加振力をストッパを
介してサブフレームに上下方向の入力を抑制して水平方
向に沿って入力すること出来る。
【0082】請求項7の発明によれば、エンジンのトル
ク反力に起因してエンジンが回転すると、ボルトは、ス
トッパラバーに挿通されているので、ブラケットの他端
は、略水平方向に移動し、ストッパラバーにより、ブラ
ケットの他端の水平方向への所定以上の動きが規制され
てる。よって、エンジンの過大な回転が阻止される。
【0083】請求項8の発明によれば、バッファーロッ
ドの他端とサブフレームを車体に防振・支持するインシ
ュレータとの上下方向の距離が、インシュレータの水平
方向の剛性と反比例の関係にある高さに設定されている
ことによりストッパを介してサブフレームに入力される
加振力に対して、サブフレームが水平方向のみ変位す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン支持装置により支持され
た第1実施例のエンジンと、このエンジンを支持するセ
ンタメンバを示す側面図である。
【図2】本発明に係るエンジン支持装置により支持され
た第1実施例のエンジンと、このエンジンを支持するセ
ンタメンバを示す平面図である。
【図3】第1実施例のエンジンマウントブラケットを示
す分解斜視図である。
【図4】第1実施例のストッパ構造を示す側面図であ
る。
【図5】自動車のサスペンションメンバとセンタメンバ
及びストッパの関係を示す斜視図である。
【図6】第1実施例のストッパラバーを示す斜視図であ
る。
【図7】図6に示すストッパラバーとブラケットの他端
との関係を示す断面図である。
【図8】第1実施例におけるストッパラバーの変形例の
ストッパラバーを示す正面図である。
【図9】図8に示すストッパラバーを示し、IX−IX
線に沿って切断した断面図である。
【図10】図8に示すストッパラバーとブラケットの他
端との取付関係を示す断面図である。
【図11】図8に示すストッパラバーを示す斜視図であ
る。
【図12】本発明に係るエンジン支持装置により支持さ
れた第2実施例のエンジンと、このエンジンを支持する
サスペンションメンバを示す側面図である。
【図13】本発明に係るエンジン支持装置により支持さ
れた第2実施例のエンジンと、このエンジンを支持する
サスペンションメンバを示す平面図である。
【図14】本発明に係る第3実施例のエンジン支持装置
により支持されたエンジンとセンタメンバとを示す側面
図である。
【図15】第3実施例におけるバッファーロッドとブラ
ケットとの関係を示す分解斜視図である。
【図16】第3実施例におけるバッファーロッドとスト
ッパとの連結を示す分解斜視図である。
【図17】第4実施例におけるバッファーロッドとスト
ッパとの関係を示す側面図である。
【図18】第5実施例におけるバッファーロッドとスト
ッパとの関係を示す側面図である。
【図19】第6実施例におけるバッファーロッドとスト
ッパとの関係を示す側面図である。
【図20】従来のエンジン支持装置におけるエンジンと
マウントを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
25 エンジン 29、105 サスペンションメンバ 31 マウント 37、145、149 センタメンバ(サブフレーム) 40 サブフレーム 55、127 ストッパ構造 53、125 ストッパ 61 エンジンロールセンタ 63、87 ストッパラバー 65 ボルト 131 バッファーロッド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に対して防振・支持されたサブフレ
    ームにエンジンを支持するエンジン支持装置において、
    前記エンジンのトルク反力によるロールセンタ回りの所
    定以上の回転を弾性的に阻止して、該トルク反力を前記
    サブフレームに略水平方向に沿って入力させるストッパ
    構造を有することを特徴とするエンジン支持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、前記スト
    ッパ構造は、一端がエンジン側に固定され他端が前記ト
    ルク反力によるエンジンのロールセンタの下方に延設さ
    れたブラケットと、このブラケットの他端を前記サブフ
    レームに連結すると共に、略水平方向への所定以上の動
    きを弾性的に阻止するストッパとからなることを特徴と
    するエンジン支持装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明であって、前記スト
    ッパは、前記ブラケットの他端に設けた長孔と、前記サ
    ブフレームに固定されたストッパラバーと、前記長孔及
    びストッパラバーに挿通してブラケットの他端をストッ
    パラバーに連結するボルトとからなることを特徴とする
    エンジン支持装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の発明であっ
    て、前記ストッパと、前記サブフレームを車体に防振・
    支持するインシュレータとを略等しい高さに配置したこ
    とを特徴とするエンジン支持装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は請求項3記載の発明であっ
    て、前記ストッパと、前記サブフレームを車体に防振・
    支持するインシュレータとの上下方向の距離が、インシ
    ュレータの略水平方向の剛性と反比例の関係にある高さ
    に設定されていることを特徴とするエンジン支持装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の発明であって、前記スト
    ッパ構造は、一端がエンジン側に固定され、他端がトル
    ク反力によるエンジンのロールセンタ下方に延設された
    ブラケットと、このブラケットの他端に一端が回転自在
    に連結され他端が略水平方向に延設されたバッファーロ
    ッドと、このバッファーロッドの他端を前記サブフレー
    ムに連結すると共に、略水平方向への所定以上の動きを
    弾性的に阻止するストッパとからなることを特徴とする
    エンジン支持装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の発明であって、前記スト
    ッパは、バッファーロッドの他端に略水平方向に沿って
    設けた長孔と、前記サブフレームに固定されたストッパ
    ラバーと、前記長孔及びストッパラバーに挿通してバッ
    ファーロッドの他端をストッパラバーに連結するボルト
    とからなることを特徴とするエンジン支持装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7記載の発明であっ
    て、前記バッファーロッドの他端とサブフレームを車体
    に防振・支持するインシュレータとの上下方向の距離
    が、インシュレータの略水平方向の剛性と反比例の関係
    にある高さに設定されていることを特徴とするエンジン
    支持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102005013528B4 (de) * 2004-03-25 2007-12-27 Mitsubishi Jidosha Kogyo K.K. Antriebsgruppen-Befestigungsstruktur
JP2008247267A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Motors Corp 車両の衝撃吸収構造
JP2009090676A (ja) * 2007-10-03 2009-04-30 Toyota Motor Corp 車体前部構造
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