JPH0830913A - 磁気記録/再生装置 - Google Patents

磁気記録/再生装置

Info

Publication number
JPH0830913A
JPH0830913A JP18405894A JP18405894A JPH0830913A JP H0830913 A JPH0830913 A JP H0830913A JP 18405894 A JP18405894 A JP 18405894A JP 18405894 A JP18405894 A JP 18405894A JP H0830913 A JPH0830913 A JP H0830913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
protective film
film
group
angstroms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18405894A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Uehara
敏夫 上原
Takashi Sato
隆 佐藤
Kenji Shiga
健治 志賀
Masahiro Iizuka
雅博 飯塚
Osamu Tosaka
修 登坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP18405894A priority Critical patent/JPH0830913A/ja
Priority to CN951081217A priority patent/CN1065061C/zh
Publication of JPH0830913A publication Critical patent/JPH0830913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体の摺動面に保護膜が形成された磁気
ヘッドにおいて、保護膜の材料の特性を十分に生かすこ
とのできるようにする。 【構成】 γ−Fe23などを主体とする磁性層が形成
された記録媒体に対して磁気再生などを行う磁気ヘッド
において、記録媒体との摺動面に、VIa族の元素の酸
化物であるCr23、VIa族の元素の窒化物であるC
rN、VIa族の元素の炭化物であるWC、IIIb族
の元素の酸化物であるAl23、IIIb族の元素の窒
化物であるBNのいずれかによる保護膜を形成する。こ
の保護膜の膜厚を300オングストローム以上で2,5
00オングストローム以下とすることにより、2,00
0時間以上の膜寿命にできる。また膜厚によるスペーシ
ングロスを加味した場合、膜厚は1,500オングスト
ローム以下であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープなどの記録
媒体が摺動する磁気ヘッドを有して、記録媒体に対する
磁気記録,または磁気再生あるいは磁気記録と再生とが
行なわれる装置に係り、特に記録媒体との摺動面に保護
膜が形成された磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、磁気再生を行なうステレオカセ
ットテーププレーヤに用いられる磁気ヘッドを示す斜視
図である。この種の磁気ヘッドHは、シールドケース1
とシールド板2a,2bがそれぞれソフトパーマロイ
(Fe−Ni−Mo系合金)により形成され、磁気ギャ
ップGを形成するコア3がハードパーマロイ(Fe−N
i−Nb系合金)の積層材により形成されている。ま
た、シールド板2a,2bおよびコア3と、シールドケ
ース1との間は樹脂4で埋められている。また、磁気テ
ープTは、ポリエステルなどのベースフィルムに磁性層
が形成され、この磁性層は、γ−Fe23などの磁性粉
の微粒子とバインダーなどにより形成されている。
【0003】磁気ヘッドHは、その前面の摺動面Aに対
して磁気テープTが摺動するため、摺動面Aの状態の変
化が磁気ヘッドの記録または再生特性に影響を与える。
摺動面Aの状態の変化としては、磁気テープTの磁性粉
がベースフィルム側から剥離して摺動面Aに付着するこ
と、および磁気テープによって摺動面Aが摩耗させられ
ることが挙げられる。摺動面Aに磁性粉が付着すると、
コア3と磁気テープの磁性層との間の隙間が広くなって
スペーシングロスが大きくなる。また、摺動面Aにおい
てシールドケース1の表面1a、シールド板2a,2b
およびコア3、特にシールド板2a,2bおよびコア3
が磁気テープTとの摺動により摩耗すると、摺動面Aが
偏摩耗状態になり、偏摩耗による摺動面Aの凹凸によ
り、やはりスペーシングロスが大きくなる。そこで、磁
気ヘッドHの磁気テープTとの摺動面Aに保護膜を形成
し、この保護膜により、磁性粉の付着や摩耗を防止する
ことが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気ヘッドの摺動面A
に保護膜を形成する場合に、保護層の材料としては、磁
気テープTの磁性粉が付着しにくいもので且つ磁気テー
プTの摺動により摩耗しにくい硬度を有したものを使用
することが必要である。しかし、磁性粉が付着しにく
く、また硬度の高い材料により保護膜を形成したとして
も、磁気ヘッドHを構成するパーマロイとの付着性が悪
いと、保護膜が磁気ヘッドHの摺動面Aから剥離しやす
いものとなる。しかも保護膜と磁気ヘッドの摺動面Aと
の付着力は、磁気ヘッドを構成するパーマロイと保護膜
を形成する材料との成膜時の熱膨張の差や、保護膜の材
料の本来の性質によるパーマロイとの接合性質の相違に
よっても、異なるものとなる。
【0005】また磁気テープが摺動することによる摩耗
を考えると、保護膜が厚い方がよいが、あまり厚すぎる
と、成膜時に膜内に残留する応力が大きくなり、摺動面
から剥離が生じやすくなる。また、保護膜が厚くなると
スペーシングロスが大きくなるという問題も発生する。
さらに、保護膜の摩耗や剥離は、磁気テープの磁性層を
構成する磁性粉の性質によっても影響を受ける。このよ
うに、磁気ヘッドの摺動面に保護膜を形成する場合に、
保護膜の摩耗や剥離が上記の種々の要素の影響を受ける
ことになるため、保護膜の材質の決定や成膜条件さらに
膜の厚さの設定が困難であり、均一な品質の磁気ヘッド
となるような保護膜を形成するのが難しかった。例え
ば、硬度などだけに着目して材料を選択し、この材料に
より磁気ヘッドの摺動面に保護膜を形成した結果、予想
に反して磁気ヘッドの出力が劣化し、十分な改善ができ
ない場合が生じていた。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、磁気ヘッドの摺動面に形成される保護膜の材料に
応じてこの保護膜の最適な膜厚寸法を決めることができ
るようにして、保護膜の摩耗や剥がれによるヘッド出力
の低下が生じないようにし、摺動面の改善を十分に行え
るようにした磁気記録/再生装置を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気ヘッドの
記録媒体との摺動面に形成した保護膜が偏摩耗や剥離な
どしてスペーシングロスが大きくなりヘッド特性が劣化
する現象を様々な観点から検討した結果成し得たもので
ある。まず、各種材料により保護膜を形成した場合、膜
の寿命は膜厚寸法により変わるものとなる。膜厚が小さ
いと、摩耗による膜の損耗が早く、あるいは保護膜が磁
気ヘッドの摺動面から剥離しやすくなり、また膜厚が大
きくなると、成膜時の膜厚内の応力の残留により、やは
り保護膜が剥離しやすくなる。
【0008】そこで、種々の材料により磁気ヘッドの摺
動面に保護膜を形成し、実際に記録媒体としての磁気テ
ープを摺動させて、保護膜の寿命を調べ、この寿命と保
護膜の膜厚との関係を検討した結果、複数膜の材料の中
で、上記寿命と膜厚との関係が非常に似ているものを分
類できることが解った。また分類されたそれぞれの材料
の保護膜は、磁気テープの磁性層を形成する磁性粉の種
類によって異なる寿命となることが解った。この膜厚と
膜寿命との特性を分析した結果、各材料による保護膜の
適正な膜厚の範囲を求めることができた。
【0009】表1は、磁気ヘッドのテープ摺動面すなわ
ち記録媒体との摺動面に形成される保護膜の材料をA〜
Cのグループに分類したものである。このA〜Cの各グ
ループは、記録媒体である磁気テープの磁性層に含まれ
る磁性粉が、γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
たはFe系メタルのいずれかを主体とするものである場
合に、保護膜の膜厚と膜寿命との関係がほぼ同じ特性を
示す材料の組み合わせである。
【0010】
【表1】
【0011】上記表1において、Aグループの材料は、
VIa族の元素の酸化物、VIa族の元素の窒化物、V
Ia族の元素の炭化物、IIIb族の元素の酸化物、I
IIb族の元素の窒化物、および単体元素であるDLC
のいずれかである。DLCは、ダイヤモンドライクカー
ボンで、結晶構造がダイヤモンドに似たカーボンであ
る。表1の最右欄は具体的な材料を示したものであり、
VIa族の元素の酸化物としてはCr23、VIa族の
元素の窒化物はCrN、VIa族の元素の炭化物はW
C、IIIb族の元素の酸化物はAl23、IIIb族
の元素の窒化物はBNである。
【0012】図2〜図4はAグループの各材料により形
成した保護膜の膜厚と、膜寿命との関係を示している。
ヘッド再生出力の周波数特性の劣化、すなわち315H
zの再生出力に対する12.5kHzの再生出力の劣化
が3.0dB以上になったときを膜寿命が尽きたものと
しているが、この膜寿命が尽きる時間は2,000時間
以上とすることが必要である。
【0013】Aグループでは、膜厚を300オングスト
ローム以上で2,500オングストローム以下とするこ
とにより、膜寿命を2,000時間以上にできる。また
膜の寿命を2,000時間とし且つ、12.5kHzの
再生出力のスペーシングロスによる劣化をほぼ2.0d
B以下とするためには、保護膜の膜厚が300オングス
トローム以上で1,500オングストローム以下である
ことがさらに好ましい。
【0014】Bグループの材料は、IVa族の元素の炭
化物またはIVb族の元素の炭化物のいずれかである。
例えば、IVa族の元素の炭化物はTiC,HfC,Z
rCのいずれかであり、IVb族の元素の炭化物はSi
Cである。
【0015】図5〜図7はBグループの材料による形成
された保護膜の膜厚と膜寿命との特性を示している。B
グループの材料により保護膜を形成した場合、膜厚を
1,200オングストローム以上で1,700オングス
トローム以下にすれば、膜寿命を2,000時間以上に
できる。またこの膜寿命を維持し且つ12.5kHzの
再生出力に対するスペーシングロスによる劣化をほぼ
2.0dB以下とするためには、膜厚を1,200オン
グストローム以上で1,500オングストローム以下と
することが好ましい。
【0016】また、Bグループのうちの、TiCとSi
Cに関しては、膜厚を1,000オングストローム以上
で2,000オングストローム以下とすれば、2,00
0時間以上の膜寿命となり、さらに膜厚を1,000オ
ングストローム以上で1,500オングストローム以下
とすることにより、12.5kHZの再生出力に対する
スペーシングロスによる劣化をほぼ2.0dB以下にで
きる。
【0017】表1のCグループは、IVa族の酸化物
(TiO2)、IVa族の窒化物(TiN,ZrN)、
IVb族の酸化物(SiO2)、IVb族の窒化物(S
34)、Va族の窒化物(TaN)、または単体元素
のGLC(グラファイトライクカーボン)のうちのいず
れかである。
【0018】図8〜図10に示すように、Cグループの
それぞれの材料は、膜厚と膜寿命との関係で同じ傾向を
示すものであるが、CグループのうちのTiO2または
TiNのいずれかにより保護膜を形成した場合に、膜厚
を900オングストローム以上で1,100オングスト
ローム以下とすれば、膜寿命をほぼ2,000時間以上
にできる。
【0019】次に、記録媒体である磁気テープの磁性層
に含まれる磁性粉がCrO2である場合(磁気テープが
いわゆる「クロムテープ」の場合)に、膜厚と膜寿命と
の関係が同じ特性を示す材料を同じグループとして分類
したものを表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2を表1に対比させると、記録媒体の磁
性層に含まれる磁性粉が、γ−Fe23またはCo−γ
−Fe23またはFe系メタルのいずれか主体とするも
のである場合と、CrO2を主体とした場合とで、保護
膜の膜厚と膜寿命との関係がほぼ同じとなる材料のグル
ープ分けが若干相違する。
【0022】まずDグループはAグループに含まれてい
た材料の一部と一致している。すなわちDグループは、
Aグループに属する材料のうち、比較的硬度の高いもの
だけのグループである。Eグループは、Aグループに含
まれている材料とBグループに含まれている材料が混在
したものである。ただしFグループはCグループと同じ
である。すなわち、Cグループの各材料は、記録媒体の
磁性層に含まれる磁性粉が、γ−Fe23またはCo−
γ−Fe23またはFe系メタルのいずれかを主体とす
るものであっても、CrO2を主体とするものであって
も、保護膜の膜厚と膜寿命との関係において、同じ傾向
または特性を示すものであることを意味している。
【0023】図11は、Dグループに属する材料により
形成された保護膜の膜厚と膜寿命との関係を示してい
る。CrO2を主体とする磁性層が形成された記録媒体
に対して磁気記録および/または磁気再生を行う磁気ヘ
ッドにおいて、記録媒体との摺動面に、Dグループとな
るBNまたはDLCのいずれかによる保護膜を形成し、
その膜厚を1,500オングストローム以上で2,20
0オングストローム以下とすれば、2,000時間以上
の膜寿命を維持できる。
【0024】ただし、保護膜の材料がBNである場合に
は、保護膜の膜厚を1,300オングストローム以上で
2,300オングストローム以下とすることにより、膜
寿命を2,000時間以上にできる。また、膜寿命を確
保し且つ12.5kHzの再生出力のスペーシングロス
による劣化をほぼ2.0dB以下に抑えるためには、B
Nの膜厚が1,300オングストローム以上で1,50
0オングストローム以下とすることが好ましい。
【0025】図12はEグループの各材料による保護膜
の、膜厚と膜寿命との関係を示している。CrO2を主
体とする磁性層が形成された記録媒体に対し、Eグルー
プでは、保護膜をB4CまたはWCまたはCr23のい
ずれかにより形成し、膜厚を1,400オングストロー
ム以上で1,600オングストローム以下とすることに
より、ほぼ2,000時間以上の膜寿命を維持できる。
【0026】なお、表2のEグループにはHfC,Zr
Cをカッコ書きにて記載しているが、これは後に説明す
る表3の中にHfCとZrCとが記載されていないため
である。ただしCrO2を主体とする磁性層が形成され
た記録媒体に対する膜寿命では、HfC,ZrCはTi
Cとほぼ等しいものとなる。
【0027】図13は、Fグループの各材料による膜厚
と膜寿命との関係を示している。図13から、記録媒体
の磁性層がCrO2を主体としたものである場合には、
膜厚のいかんにかかわらず、膜寿命を2,000時間以
上とすることができない。
【0028】
【作用】上記のように、表1に示したA〜Cの各グルー
プに分類されたそれぞれの材料は、図2〜図10に示す
ように、γ−Fe23またはCo−γ−Fe23または
Fe系メタルを磁性層とする記録媒体が使用された場合
に、膜厚と膜寿命との関係において各グループ内で似た
特性を示す。これは、各グループ内の材料が、磁気ヘッ
ドの摺動面Aに対する接合性(付着性または密着性)お
よび硬度などの点で似た性質を発揮するためである。表
3は、シールドケース1、シールド板2a,2bおよび
コア3の材質であるパーマロイと、各グループの材料と
の接合性に関係する性質を分類したものである。
【0029】
【表3】
【0030】保護膜が、パーマロイに接合されやすくな
る1つの条件は、保護膜の材料が界面からパーマロイ内
に充分に拡散し、界面に擬拡散構造が形成しやすいこと
である。擬拡散構造が確実に形成されることにより、材
料膜がパーマロイから剥離しにくくなる。2つめの条件
は保護膜の材料の熱膨張係数がパーマロイの熱膨張係数
に近いことである。保護膜の材料とパーマロイとで熱膨
張係数の差が大きいと、成膜時の温度での膨張差によ
り、保護膜内においてパーマロイとの界面付近での残留
応力が大きくなり、これにより保護膜がパーマロイから
剥離しやすくなる。
【0031】表3において「置換性」とは、面心立方格
子構造であるパーマロイの結晶内のFeまたはNiと置
換されやすい膜材料であるか否かを示しており、「◎」
は、パーマロイのFe原子と置換されやすい材料である
ことを意味し、「○」はNi原子と置換されやすい材料
であることを意味する。また「△」は、Fe原子および
Ni原子との置換性が、「◎」や「○」のものよりもや
や劣ることを意味している。表3での「原子半径」は、
パーマロイの構成原子と膜材料の原子半径が近いか否か
を示したものであり、「◎」は、パーマロイとの原子半
径の相違が15%以内のものを示し、「○」は原子半径
がそれよりも遠いもの、「△」はさらに遠いものを示し
ている。
【0032】表3での「格子間」とは、パーマロイのF
e−Ni格子間に浸入しやすい膜材料であるか否かを意
味し、浸入しやすい膜材料から順に「◎」「○」「△」
の符号で示している。表3での「熱膨張係数」は、パー
マロイと膜材料との熱膨張係数の比較を示しており、パ
ーマロイと熱膨張係数が近い膜材料から順に「◎」
「○」「△」で示している。上記のように「置換性」
「原子半径」「格子間」はいずれも、パーマロイとの界
面で、膜材料がパーマロイ内に拡散して擬拡散構造が形
成されやすいか否かを示し、「熱膨張係数」は、成膜時
に膜内に内部応力が生じやすいか否かを示している。
【0033】表3から、Aグループに属するVIa族の
酸化物、窒化物、炭化物であるCr23,CrN,WC
は、パーマロイの構成元素であるFeと置換されやす
く、原子半径も近く、これらの材料はパーマロイに接合
しやすい材料であることが解る。また、Cr23,Cr
N,WCは、パーマロイと熱膨張係数が近いため、熱膨
張係数の差による成膜時の内部応力が小さく、膜厚を厚
くしても剥離しにくいものとなる。同じくAグループに
属するIIIb族の酸化物、窒化物であるAl23とB
N、およびDLCは、パーマロイの格子間に入りやすい
ため、パーマロイとの接合性のよいものとなる。さらに
これらの材料は硬度が高く、BNとDLCは特に硬度が
高い。パーマロイと付着性がよく且つ硬度が高いことか
ら、保護膜の膜厚が大きくても剥離が生じにくくまた摩
耗しにくいものとなる(図2〜図4参照)。
【0034】表3に示すように、Bグループに属する各
膜材料は、Aグループに比べて「置換性」「原子半径」
「格子間」および「熱膨張係数」の全ての点でやや劣る
ものとなり、パーマロイとの接合性がやや低下すること
が解る。また硬度もAグループの材料よりもやや低くな
る。よって、図5〜図7に示すように、Bグループの各
材料は、Aグループの各材料に比べて膜寿命が総体的に
低くなる。また膜厚をあまり厚くすると膜寿命が低下す
ることになる。Cグループは、「置換性」「原子半径」
「格子間」および「熱膨張係数」においてBグループと
似た性質を有しており、パーマロイとの接合性はBグル
ープの各材料とほぼ似た特性になると考えられる。ただ
し、Cグループの各材料は、Bグループに属する材料に
比べて硬度が低い。よって図8〜図10に示すように、
膜寿命はBグループの材料に比較して全体的に低下す
る。ただしCグループの中でもTiO2とTiNは、パ
ーマロイと熱膨張係数が近いため、膜寿命は比較的高く
なる。
【0035】次に、記録媒体の磁性層がCrO2で形成
されている場合、磁性粒子であるCrO2が硬いもので
あるため、界面で擬拡散構造が形成されやすいか否か、
およびパーマロイとの熱膨張係数の差が近いか否かによ
る、パーマロイとの付着性よりも、膜材料そのものの硬
度が膜寿命に大きな影響を与えることになる。Dグルー
プ、Eグループ、Fグループは、各材料を高硬度となる
順に区分したのと同じであり、Dグループの高硬度のB
NとDLCが、最も膜寿命が高く、次にEグループのB
4CとWCおよびCr23が膜寿命の優れたものとな
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明する。図
2ないし図13は、前記AグループからFグループの各
保護膜の材料について膜寿命の実験を行った結果を示し
ている。膜寿命の実験の試料は、図1に示すようなステ
レオカセットテーププレーヤ用の磁気ヘッドHのテープ
摺動面Aに、各材料による保護膜を500、1,00
0、1,500、2,000、2,500オングストロ
ームの各膜厚にて形成したものである。磁気ヘッドHの
シールドケース1とシールド板2a,2bはソフトパー
マロイ(Fe−Ni−Mo系合金)、コア3はハードパ
ーマロイ(Fe−Ni−Nb系合金)により形成された
ものを使用した。
【0037】各材料によりテープ摺動面Aの全面に保護
膜を形成した磁気ヘッドHをテーププレーヤに搭載し、
温度20℃、相対湿度50%の環境下で、摺動面Aに磁
気テープTを摺動させ続けた。このときの周波数特性、
すなわち315Hzの信号の再生出力に対する12.5
kHzの信号の再生出力の比を求め、この周波数特性が
3.0dB以上劣化したときに保護膜の寿命が尽きたも
のとした。保護膜の寿命が尽きた状態では、膜が摩耗し
または剥離してテープ摺動面の凹凸が大きくなり、ある
いは保護膜が摩耗により部分的に無くなってシールド板
2a,2bやコア3の表面が直接損耗を受け偏摩耗状態
となって凹凸が大きくなる。これにより、スペーシング
ロスが大きくなり、周波数特性が劣化するに至る。この
実験は、温度20℃、相対湿度50%の室温に近い条件
で行われたものであり、よって、実際の音響機器に搭載
した場合を考慮すると、この条件にて周波数特性が3.
0dB以下に劣化するまでの時間は、2,000時間以
上とすることが必要条件である。
【0038】上記のように周波数特性が3.0dB以上
劣化したときを膜寿命とし、逆に、周波数特性が3.0
dB劣化しない範囲であれば、テーププレーヤとしての
使用に一応問題のないものと言える。一方で、保護膜を
形成することにより、磁気テープの磁性層とコアのギャ
ップ部Gとのスペースが大きくなり、これによるスペー
シングロスが大きくなる。この保護膜が形成されたとき
のスペーシングロスによる出力劣化は、12.5kHz
の再生信号に対してほぼ2.0dB以内とすることが一
般的な基準とされている。ここでスペーシングロスによ
る出力の劣化Lsは以下の数1で求められる。
【0039】
【数1】
【0040】上記において、dはコアの磁気ギャップ部
Gと記録媒体(磁気テープ)との距離、λは再生波長で
ある。λは以下の数2で求められる。
【0041】
【数2】
【0042】上記においてvは、磁気テープとヘッドと
の相対摺動速度で4.76cm/sであり、fは周波数
で12.5kHzである。上記において、dを1500
オングストロームとすると、Lsは2.15dBとな
る。すなわち、保護膜を形成することによるスペーシン
グロスでは、12.5kHzにて、保護膜の厚さが1.
500オングストローム以上となると、Lsが2.15
dB以上の劣化となる。よって、12.5kHzの再生
信号に対する出力劣化を2.0dB付近の値である2.
15dB以上劣化させないためには、保護膜の膜厚を
1,500オングストローム以下とすることが好まし
い。
【0043】すなわち、図2ないし図13の各膜寿命の
実験において、周波数特性が3.0dB以上劣化するま
での時間が2.000時間以上となるものが、本発明で
の保護膜の膜厚の範囲である。さらに12.5kHzで
のスペーシングロスによる再生出力の劣化を2.15d
B以下とするためには、保護膜の膜厚寸法の上限を1,
500オングストローム以下とすることが好ましい。
【0044】図2ないし図4は、Aグループの各材料に
対する保護膜の膜寿命の実験結果を示しており、図2は
磁気テープの磁性層がγ−Fe23、図3は磁気テープ
の磁性層がCo−γ−Fe23、図4は磁気テープの磁
性層がFe系メタルの場合をそれぞれ示している。各図
において横軸は膜厚で、単位は1,000オングストロ
ーム、縦軸は周波数特性での劣化が3.0dB以上とな
る時間で、単位は1,000時間である。各図におい
て、VIa属の酸化物、窒化物、炭化物であるCr
23,CrN,WCを、それぞれ「□」「+」「◇」で
示している。またIIIb属の酸化物、窒化物であるA
23,BNを、それぞれ「△」「×」で示し、単位元
素のDLCを「▽」で示している。
【0045】表3にて説明したように、これらの材料は
パーマロイに対する接合性に優れている。したがって、
図2〜図4に示すように、各材料の膜寿命は全体的にか
なり高い値となっている。また、VIa属の酸化物、窒
化物、炭化物であるCr23,CrN,WCは、熱膨張
係数がパーマロイに近い。よって膜厚が大きくても、膜
内の残留応力による膜剥離が生じにくい。また、III
b属の酸化物、窒化物であるAl23、BNおよび単位
元素のDLCは高度が高いため、やはり膜厚を厚くして
も摩耗が生じにくいものとなっている。そのため、Aグ
ループに属する材料は全て、膜寿命が最も高くなる膜厚
寸法が、2,000オングストローム程度となってい
る。ただし、膜厚が2,000オングストロームを越え
ると、パーマロイとの界面での膜内の蓄積残留応力が大
きくなり、膜が剥がれやすくなって膜寿命は低下してい
く。以上のように、Aグループに属する各材料による保
護膜は、膜厚と膜寿命との関係が全てほぼ同じ特性を示
すものなっている。また、いずれも膜厚が300オング
ストローム未満になると、膜が薄すぎて膜そのものの摩
耗が早くなる。また膜厚が2,500オングストローム
を越える厚いものになると、前記の残留応力により膜寿
命が低下する。
【0046】さらに、Aグループの各材料では、膜寿命
の高い材料が、BN,DLC,Cr23,WC,Cr
N,Al23の順となっている。これは、各材料の硬度
の違いに一致している。したがって磁気ヘッドの保護膜
としては、BN,DLC,Cr2Oの順に好ましいもの
となる。また、保護膜の寿命は、磁気テープの磁性層に
含まれる磁性粉によっても異なり、磁性層がCo−γ−
Fe23を主体としたものである場合が最も膜の寿命が
高く、γ−Fe23、Fe系メタルでは寿命が低下す
る。これらを磁性層とした記録媒体(磁気テープ)を使
用する磁気ヘッドにおいて、膜寿命を2,000時間以
上とするための膜厚の条件は、寿命に対して厳しい条件
となる図2のγ−Fe23の場合と図4のFe系メタル
の場合を基準として、300オングストローム以上で
2,500オングストローム以下である。
【0047】よって、γ−Fe23、Co−γ−Fe2
3、およびFe系メタルのいずれかを主体として磁性
層を形成した記録媒体(磁気テープ)に対する磁気記録
および/または磁気再生を行う磁気へッドにおいて、A
グループの材料により保護膜を形成した場合、膜寿命を
2,000時間以上とするためには、膜厚を300オン
グストローム以上で2,500オングストローム以下と
することが必要である。さらに、12.5kHzの再生
出力のスペーシングによる劣化を2.15dB以下とす
るためには、膜厚の上限を1,500オングストローム
とすることが好ましい。よってAグループの材料で保護
膜を形成した場合の、膜厚の好ましい範囲は、300オ
ングストローム以上で1,500オングストローム以下
である。
【0048】図5ないし図7は、Bグループに属する材
料により保護膜を形成した場合の、膜厚と膜寿命との関
係を図2〜図4と同様にして示したものである。図5
は、磁気テープの磁性層の磁性粉がγ−Fe23を主体
としたものである場合、図6は磁気テープ磁性層がCo
−γ−Fe23を主体としたものである場合、図7は磁
気テープの磁性層がFe系メタルを主体としたものであ
る場合をそれぞれ示している。各図においてIVa属の
炭化物であるTiC,HfC,ZrCをそれぞれ「□」
「+」「◇」で示し、IVb属の炭化物であるSiCを
「△」で示している。
【0049】図2〜図4に示したAグループに比較し
て、Bグループに属する各材料は、全体として膜寿命が
低くなっている。また、あまり膜厚を大きくしすぎる
と、膜寿命が低下する。これはAグループに比較して、
Bグループの材料はパーマロイとの接合性がやや劣り、
またパーマロイとの熱膨張係数の差がAグループに比較
して大きくなっているためである。しかしながらBグル
ープにおいても、保護膜の膜厚寸法を適正に設定すれば
充分な膜寿命を得ることができる。図5〜図7におい
て、最も厳しい条件となっている図5のγ−Fe23
磁性層とした磁気テープを使用した場合を基準とする
と、膜寿命が2,000時間以上となる膜厚は1,20
0オングストローム以上で1,700オングストローム
以下である。すなわちBグループに属する材料のいずれ
かにより保護膜が形成された場合、膜厚を1,200オ
ングストローム以上で1,700オングストローム以下
とすれば、膜寿命を2,000時間以上にできる。
【0050】また前述のように12.5kHzの周波数
に対するヘッド出力が2.15dB以上劣化しないため
の膜厚の上限は1,500オングストロームである。よ
って、Bグループの材料のTiC,HfC,ZrC,S
iCのいずれかにより保護膜を形成した場合の最も好ま
しい膜厚は1,200オングストローム以上で1,50
0オングストローム以下である。また、図5〜図7で
は、Bグループの各材料のうち、TiCとSiCおよび
HfCは寿命が比較的高くなっている。これはTiCと
SiCおよびHfCは、Bグループの材料の中でも硬度
が比較的高いからである。
【0051】よって磁気ヘッドの摺動面AにTiCまた
はSiCによる保護膜を形成した場合、図5からその膜
厚を1,000オングストローム以上で2,000オン
グストローム以下とすることにより、膜寿命を2,00
0時間以上にできる。よって、TiCまたはSiCによ
り形成した保護膜の膜厚の範囲は1,000オングスト
ローム以上で2,000オングストローム以下である。
さらにTiC,SiCにHfCを含めた材料のうちのい
ずれかにより保護膜を形成する場合、膜寿命が2,00
0時間以上のなる膜厚の範囲は1,000オングストロ
ーム以上で1,800オングストローム以下である。さ
らに、12.5kHzでのスペーシングロスによる出力
の劣化を2.15dB以下とするための上限の膜厚は
1,500オングストロームであるから、膜厚のスペー
シングロスを加味した場合、TiC,SiCまたはHf
Cにより形成した保護膜の膜厚を、1,000オングス
トローム以上で1,500オングストローム以下とする
ことが好ましい。
【0052】次に、図8〜図10は、Cグループに属す
る材料により保護膜を形成した場合の膜寿命の特性を示
したものであり、図8は磁気テープの磁性層がγ−Fe
23を主体とした場合、図9はCo−γ−Fe23を主
体とした場合、図10はFe系メタルを主体とした場合
である。各図においてTiO2,SiO2,TiN,Si
34,TaN,GLCをそれぞれ「□」「+」「◇」
「△」「×」「▽」で示している。
【0053】Cグループに属する材料により磁気ヘッド
のテープ摺動面の保護膜を形成した場合、各材料の硬度
が低いため、AグループとBグループに比較して、膜寿
命はかなり低くなる。ただし、TiO2とTiNに限っ
ては、膜厚を1,000オングストロームに設定するこ
とによりほぼ2,000時間の膜寿命を確保できる。よ
ってTiOまたはTiNにより保護膜を形成した場合、
膜厚を1,000オングストロームに設定すればよい。
ただし、実際の保護膜の成膜には最小限の公差が必要で
あり、この公差を±100オングストロームとした場
合、TiO2またはTiNの保護膜の膜厚の範囲は90
0オングストローム以上で1,100オングストローム
以下である。膜厚をこの範囲に設定することにより、膜
寿命をほぼ2,000時間以上に設定できる。
【0054】図11ないし図12は、記録媒体(磁気テ
ープ)として、磁性層に含まれる磁性粉がCrO2を主
体としたものを使用した場合を示している。図11はD
グループに属する材料により保護膜を形成した場合を示
している。Dグループは、Aグループに属する材料のう
ち硬度の高い材料であるBN(「□」で示す)と、DL
C(「+」で示す)を含むものであり、図11ではこの
2つの材料についての膜厚と膜寿命との関係を示してい
る。CrO2の磁性粉は、硬度が高いため、γ−Fe2
3などを含む磁気テープを使用した場合に比べて、膜寿
命が低下したものとなっている。しかし、BNとDLC
は硬度の高い材料であるため、保護膜の膜厚を設定する
ことにより2,000時間以上の膜寿命を確保できる。
【0055】図11からBNまたはDLCにより形成さ
れた保護膜では、膜厚を1,500オングストローム以
上で2,200オングストローム以下とすることにり、
膜寿命を2,000時間以上にできる。またBNは寿命
が最も高いものとなり、BNを主体とした保護膜を形成
した場合には、膜厚が1,300オングストローム以上
で2,300オングストローム以下であれば、膜寿命を
2,000時間以上にできる。またBNによる膜におい
て、スペーシングロスによる12.5kHzでのヘッド
出力の劣化を2.15dB以下をとするための上限
(1,500オングストローム)を加味した場合、膜厚
は1,300オングストローム以上で1,500オング
ストローム以下とすることが好ましい。
【0056】ここで、磁気ヘッドの記録媒体摺動面にB
Nを主体とした保護膜が形成された場合、記録媒体の磁
性層がγ−Fe23、Co−γ−Fe23、Fe系メタ
ル、CrO2のいずれを主体とするものであっても、膜
厚寸法を1,300オングストローム以上で2,300
オングストローム以下とすれば、膜寿命を2,000時
間以上にでできる。すなわち、磁性層がγ−Fe23
Co−γ−Fe23、Fe系メタル、CrO2のいずれ
かを主体とした記録媒体に対する磁気記録および/また
は磁気再生を行う磁気ヘッドにおいて、記録媒体の摺動
面に、膜厚が1,300オングストローム以上で2,3
00オングストローム以下のBN膜を形成した磁気ヘッ
ドとすることができる。また12,5kHzでのスペー
シングロスの出力劣化を加味すると、上記においてBN
の膜の膜厚が1,300オングストローム以上で1,5
00オングストローム以下であることが好ましい。
【0057】次に図12はEグループに属する材料によ
り形成された保護膜の膜厚と膜寿命との関係を示してい
る。Eグループでは、膜厚寿命を2,000時間以上に
できる材料が限られる。「×」「△」「□」で示される
4C,WC,Cr23のいずれかにより形成された保
護膜は、膜厚が1,500オングストロームであれば、
膜寿命を2,000時間以上にできる。また、成膜時の
膜厚の公差を加味した場合、膜厚が1,400オングス
トローム以上で1,600オングストローム以下とする
ことにより、膜寿命をほぼ2,000時間にできる。
【0058】また、図13はFグループ(Cグループ)
の材料により保護膜を形成した場合の、膜厚と膜寿命と
の関係を示している。図13によればCrO2を主体と
した磁性層を有する記録媒体(磁気テープ)に対して
は、Fグループの材料による保護膜は膜寿命を2,00
0時間以上にできないことが解る。なお、本願発明は、
上記の条件で保護膜を形成した磁気ヘッドにより再生の
みを行なう装置,前記磁気ヘッドで記録のみを行なう装
置,前記磁気ヘッドで記録と再生の双方を行なう装置の
いずれをも構成できるものである。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明では、γーFe
23、Co−γ−Fe23、Fe系メタルのいずれかを
主体とした磁性層を有する記録媒体に対して磁気記録お
よび/または磁気再生を行う磁気ヘッドを備えた磁気記
録/再生装置において、磁気ヘッドの記録媒体の摺動面
に、表1に分類したAからCグループに属する材料のい
ずれかによる保護膜を形成した場合に、膜厚を所定の範
囲内とすることにより、膜寿命を2,000時間以上に
できる。また膜厚の上限を1,500オングストローム
以下とすることにより12.5kHzの信号の再生出力
のスペーシングロスによる劣化を2,15dB以下とす
ることができる。
【0060】またCrO2を主体とした磁性層を有する
記録媒体に対し磁気記録および/または磁気再生を行う
磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、表2
のDグループまたはEグループに属する所定の材料によ
り保護膜を形成し、その膜厚を所定範囲とすることによ
り膜寿命を2,000時間以上にできる。
【0061】さらに、記録媒体の磁性層がγーFe
23、Co−γ−fe23、Fe系メタルまたはCrO
2のいずれであっても、BNまたはDLC、特にBNに
より保護膜を形成し、その膜厚を適正に設定すれば、記
録媒体がいずれであっても、充分な膜寿命を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドの摺動面を示す斜視図、
【図2】磁気テープの磁性層がγ−Fe23で形成され
ている場合の、Aグループの材料の膜厚と膜寿命との関
係を示す線図、
【図3】磁気テープの磁性層がCo−γ−Fe23で形
成されている場合の、Aグループの材料の膜厚と膜寿命
との関係を示す線図、
【図4】磁気テープの磁性層がFe系メタルで形成され
ている場合の、Aグループの材料の膜厚と膜寿命との関
係を示す線図、
【図5】磁気テープの磁性層がγ−Fe23で形成され
ている場合の、Bグループの材料の膜厚と膜寿命との関
係を示す線図、
【図6】磁気テープの磁性層がCo−γ−Fe23で形
成されている場合の、Bグループの材料の膜厚と膜寿命
との関係を示す線図、
【図7】磁気テープの磁性層がFe系メタルで形成され
ている場合の、Bグループの材料の膜厚と膜寿命との関
係を示す線図、
【図8】磁気テープの磁性層がγ−Fe23で形成され
ている場合の、Cグループの材料の膜厚と膜寿命との関
係を示す線図、
【図9】磁気テープの磁性層がCo−γ−Fe23で形
成されている場合の、Cグループの材料の膜厚と膜寿命
との関係を示す線図、
【図10】磁気テープの磁性層がFe系メタルで形成さ
れている場合の、Cグループの材料の膜厚と膜寿命との
関係を示す線図、
【図11】磁気テープの磁性層がCrO2で形成されて
いる場合の、Dグループの材料の膜厚と膜寿命との関係
を示す線図、
【図12】磁気テープの磁性層がCrO2で形成されて
いる場合の、Eグループの材料の膜厚と膜寿命との関係
を示す線図、
【図13】磁気テープの磁性層がCrO2で形成されて
いる場合の、Fグループの材料の膜厚と膜寿命との関係
を示す線図、
【符号の説明】
H 磁気ヘッド A 摺動面 1 シールドケース 2a,2b シールド板 3 コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 雅博 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 登坂 修 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、前記
    磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、VIa族の元素の
    酸化物、VIa族の元素の窒化物、VIa族の元素の炭
    化物、IIIb族の元素の酸化物、IIIb族の元素の
    窒化物、DLC、のいずれかを含む保護膜が形成され、
    この保護膜の膜厚が300オングストローム以上で2,
    500オングストローム以下であることを特徴とする磁
    気記録/再生装置。
  2. 【請求項2】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、前記
    磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、VIa族の元素の
    酸化物、VIa族の元素の窒化物、VIa族の元素の炭
    化物、IIIb族の元素の酸化物、IIIb族の元素の
    窒化物、DLC、のいずれかを含む保護膜が形成され、
    この保護膜の膜厚が300オングストローム以上で1,
    500オングストローム以下であることを特徴とする磁
    気記録/再生装置。
  3. 【請求項3】 VIa族の元素の酸化物がCr23、V
    Ia族の元素の窒化物がCrN、VIa族の元素の炭化
    物がWC、IIIb族の元素の酸化物がAl23、II
    Ib族の元素の窒化物がBNである請求項1または2に
    記載の磁気記録/再生装置。
  4. 【請求項4】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、前記
    磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、IVa族の元素の
    炭化物またはIVb族の元素の炭化物のいずれかを含む
    保護膜が形成され、この保護膜の膜厚が1,200オン
    グストローム以上で1,700オングストローム以下で
    あることを特徴とする磁気記録/再生装置。
  5. 【請求項5】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた記録/再生装置において、前記磁気
    ヘッドの記録媒体との摺動面に、IVa族の元素の炭化
    物またはIVb族の元素の炭化物のいずれかを含む保護
    膜が形成され、この保護膜の膜厚が1,200オングス
    トローム以上で1,500オングストローム以下である
    ことを特徴とする磁気記録/再生装置。
  6. 【請求項6】 IVa族の元素の炭化物がTiC,Hf
    C,ZrCのいずれかであり、IVb族の元素の炭化物
    がSiCである請求項4または5に記載の磁気記録/再
    生装置。
  7. 【請求項7】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、前記
    磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、TiCまたはSi
    Cのいずれかを含む保護膜が形成され、この保護膜の膜
    厚が1,000オングストローム以上で2,000オン
    グストローム以下であることを特徴とする磁気記録/再
    生装置。
  8. 【請求項8】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、前記
    磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、TiCまたはSi
    Cのいずれかを含む保護膜が形成され、この保護膜の膜
    厚が1,000オングストローム以上で1,500オン
    グストローム以下であることを特徴とする磁気記録/再
    生装置。
  9. 【請求項9】 γ−Fe23またはCo−γ−Fe23
    またはFe系メタルを主体とする磁性層が形成された記
    録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生を行う
    磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置において、前記
    磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、TiO2またはT
    iNのいずれかを含む保護膜が形成され、この保護膜の
    膜厚が900オングストローム以上で1,100オング
    ストローム以下であることを特徴とする磁気記録/再生
    装置。
  10. 【請求項10】 CrO2を主体とする磁性層が形成さ
    れた記録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生
    を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置におい
    て、前記磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、BNまた
    はDLCのいずれかを含む保護膜が形成され、この保護
    膜の膜厚が1,500オングストローム以上で2,20
    0オングストローム以下であることを特徴とする磁気記
    録/再生装置。
  11. 【請求項11】 CrO2を主体とする磁性層が形成さ
    れた記録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生
    を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置におい
    て、前記磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、BNを含
    む保護膜が形成され、この保護膜の膜厚が1,300オ
    ングストローム以上で2,300オングストローム以下
    であることを特徴とする磁気記録/再生装置。
  12. 【請求項12】 CrO2を主体とする磁性層が形成さ
    れた記録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生
    を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置におい
    て、前記磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、BNを含
    む保護膜が形成され、この保護膜の膜厚が1,300オ
    ングストローム以上で1,500オングストローム以下
    であることを特徴とする磁気記録/再生装置。
  13. 【請求項13】 CrO2を主体とする磁性層が形成さ
    れた記録媒体に対して磁気記録および/または磁気再生
    を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録/再生装置におい
    て、前記磁気ヘッドの記録媒体との摺動面に、B4Cま
    たはWCまたはCr23のいずれかを含む保護膜が形成
    され、この保護膜の膜厚が1,400オングストローム
    以上で1,600オングストローム以下であることを特
    徴とする磁気記録/再生装置。
JP18405894A 1994-07-12 1994-07-12 磁気記録/再生装置 Pending JPH0830913A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18405894A JPH0830913A (ja) 1994-07-12 1994-07-12 磁気記録/再生装置
CN951081217A CN1065061C (zh) 1994-07-12 1995-07-12 具有保护膜的磁头

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18405894A JPH0830913A (ja) 1994-07-12 1994-07-12 磁気記録/再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0830913A true JPH0830913A (ja) 1996-02-02

Family

ID=16146642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18405894A Pending JPH0830913A (ja) 1994-07-12 1994-07-12 磁気記録/再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0830913A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6590741B1 (en) 1999-06-14 2003-07-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetic head having grooves to enhance contact with magnetic recording media and magnetic recording/reproducing apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6590741B1 (en) 1999-06-14 2003-07-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetic head having grooves to enhance contact with magnetic recording media and magnetic recording/reproducing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2513893B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0830913A (ja) 磁気記録/再生装置
JP3368064B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3083454B2 (ja) 磁気ヘッド
JPH01258220A (ja) 高硬度スライダ用磁気デイスク
JP3652616B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、およびスパッタリングターゲット
US5883769A (en) Aluminum head drum with a protective layer which smoothly and continuously varies in hardness for use in a videocassette recorder
JPS63106917A (ja) 磁気記録媒体
JPH05135334A (ja) 磁気ヘツドクリーニングテープ
JP3251136B2 (ja) 磁気ヘッド
JPS62287415A (ja) 磁気記録媒体
JPS61211807A (ja) 磁気ヘツド
JP2004265550A (ja) 磁気ヘッド
JPH05258278A (ja) 磁気記録媒体
JPS58108020A (ja) 磁気ヘツド
JPS58182119A (ja) 磁気ヘツド
JPH0778856B2 (ja) 磁気ヘッド
JPH06104113A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JPH0793738A (ja) 磁気記録媒体
JPS61110302A (ja) 磁気記録方式
JPH08273122A (ja) 保護膜、保護膜の製造方法及び磁気ヘッド
KR960032314A (ko) 연자성박막과 이것을 사용한 자기헤드 및 자기기록장치
JP2004014001A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッド
JPH02152008A (ja) 磁気記録媒体
JPS61178702A (ja) 垂直磁気記録方式