JPH08309077A - 遠心脱水装置 - Google Patents

遠心脱水装置

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JPH08309077A
JPH08309077A JP7145518A JP14551895A JPH08309077A JP H08309077 A JPH08309077 A JP H08309077A JP 7145518 A JP7145518 A JP 7145518A JP 14551895 A JP14551895 A JP 14551895A JP H08309077 A JPH08309077 A JP H08309077A
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motor
laundry
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drum
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聖行 周防
Yorihisa Funada
順久 船田
Masao Iwata
正雄 岩田
Tomoya Kawaguchi
智也 川口
Kenji Nakagawa
謙治 中川
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  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)
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  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心脱水装置において、脱水籠内の洗濯物が
偏在していても異常振動の発生を回避でき、更に該洗濯
物の偏在を自動的に修正して脱水を行なう。 【構成】 回転速度が所定の低速回転速度N1であると
き、検出/判定部106では、直流モータ18の駆動電
圧を決定する制御角αの一定時間中の最大変動幅waが
計測される。変動幅waは所定の値w1と比較され、wa
≧w1の場合には、ドラム20内部の洗濯物の偏在が大
きいと判断され、モータ18の回転速度を落として偏心
荷重修正運転が行なわれる。wa<w1の場合には、モー
タ18の回転速度は中速回転速度N2にまで上昇され、
再び制御角αの最大変動幅wbが計測される。ここで、
wbの値に応じたドラム20の最高回転速度及び回転時
間が決定されて脱水運転が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドラム等の脱水籠の中
に洗濯物を収容し、その脱水籠を回転軸を中心に高速回
転させることにより洗濯物の脱水を行なう遠心脱水装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の遠心脱水装置の1つであるドラ
ム式洗濯機における遠心脱水装置は、水分を含んだ洗濯
物を籠状のドラムの内部に収容し、そのドラムを水平軸
を中心に高速で回転させる構造となっている。このよう
な遠心脱水装置では、ドラムの内部に洗濯物を偏在させ
たままドラムを高速で回転させると、回転軸回りの質量
分布のアンバランスによって異常振動が発生する。この
問題を解消することを目的とする遠心脱水装置が、特開
平3−215289号公報に開示されている。この遠心
脱水装置では、脱水行程時には、洗濯物を収容したドラ
ムを高速回転させるためのモータが始動してから所定時
間経過した後のモータの回転速度が検出される。そし
て、その回転速度が所定の値以下であるときにはドラム
の回転が正常でないと判断され、モータへの通電が停止
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
遠心脱水装置では、ドラムの回転速度を一旦モータのほ
ぼ定常回転速度付近にまで上昇させることになるため、
ドラムに大きな偏心荷重がある場合には異常振動の発生
が避けられない。また、ドラムに極めて大きな偏心荷重
がある場合には、たとえ短時間であってもその状態でド
ラムを高速回転させると、モータに大きな負荷がかかり
故障の原因となる。
【0004】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、脱水籠の中に収容され
た洗濯物が偏在した状態で脱水行程が開始されても、異
常振動や異常騒音の発生を回避することができ、更に
は、その洗濯物の偏在を自動的に修正した後に脱水運転
を行なうことができる遠心脱水装置を提供することにあ
る。
【0005】上記課題を解決するためになされた本発明
に係る第1の遠心脱水装置は、洗濯物を収容した脱水籠
を回転軸を中心に高速回転させることにより該洗濯物の
脱水を行なう遠心脱水装置において、 a)前記脱水籠を回転させるモータと、 b)前記脱水籠の中の洗濯物の偏在に起因する偏心荷重の
大きさを検出する検出手段と、 c)前記検出手段による検出値が所定値以上であるか否か
を判定する判定手段と、 d)前記検出手段による検出値に基づき脱水時の最高回転
速度を決定する決定手段と、 e)前記モータを第1の回転速度で回転させ、該回転時に
前記判定手段により偏心荷重が所定値以上であると判定
された場合には、前記脱水籠の中の洗濯物を攪拌するよ
うに前記モータを回転させ、該偏心荷重が所定値よりも
小さいと判定された場合には、第1の回転速度のときに
前記決定手段により決定された最高回転速度で前記モー
タを回転させる回転速度制御手段と、を備えることを特
徴としている。
【0006】まず、回転速度制御手段は、停止状態にあ
るモータを起動し、低速の第1の回転速度にまで回転速
度を上昇させるようにモータを制御する。第1の回転速
度は洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きい範囲の
回転速度で、しかも、洗濯物が偏在していても異常振動
を発生しない程度の比較的遅い回転速度とされる。従っ
て、洗濯物は脱水籠内の周壁面に押しつけられた状態で
脱水籠の回転に伴って一緒に回転する。この回転状態の
ときに、検出手段は洗濯物の偏心荷重の大きさを検出
し、判定手段において、この検出値が所定値以上である
か否かが判定される。検出値が所定値以上である場合に
は、洗濯物の偏りが大きく、その状態のまま回転速度を
上昇させると異常振動を発生する可能性が高いものと判
断される。この場合、回転速度制御手段は、一旦モータ
の回転速度を低下させ、偏心荷重の修正運転を行なう。
すなわち、脱水籠の中で絡み合っている洗濯物をほぐし
て、脱水籠の内部に均一に分散化するような運転を行な
う。
【0007】第1の回転速度でモータを回転させたとき
の偏心荷重の検出値が所定値よりも小さい場合には、モ
ータの回転速度を脱水を行なう回転速度にまで上昇させ
る。脱水のための最高回転速度は、第1の回転速度でモ
ータを回転させたときの偏心荷重の検出値の大きさに基
づき決定手段において決定される。すなわち、偏心荷重
が小さいときには脱水性能を重視し高い回転速度とさ
れ、偏心荷重が比較的大きいときには異常振動を生じさ
せないように比較的遅い回転速度とされる。
【0008】本発明に係る第2の遠心脱水装置は、洗濯
物を収容した脱水籠を回転軸を中心に高速回転させるこ
とにより該洗濯物の脱水を行なう遠心脱水装置におい
て、 a)前記脱水籠を回転させるモータと、 b)前記脱水籠の中の洗濯物の偏在に起因する偏心荷重の
大きさを検出する検出手段と、 c)前記検出手段による検出値が所定値以上であるか否か
を判定する判定手段と、 d)前記検出手段による検出値に基づき脱水時の最高回転
速度を決定する決定手段と、 e)前記モータを第1の回転速度で回転させ、該回転時に
前記判定手段により偏心荷重が所定値以上であると判定
された場合には、前記脱水籠の中の洗濯物を攪拌するよ
うに前記モータを回転させ、該偏心荷重が所定値よりも
小さいと判定された場合には、前記モータの回転速度を
第1の回転速度よりも速い第2の回転速度で回転させ、
次いで該回転時に前記検出手段により検出された偏心荷
重に基づき前記決定手段において決定された最高回転速
度で前記モータを回転させる回転速度制御手段と、を備
えることを特徴としている。
【0009】第2の遠心脱水装置では、脱水を行なうた
めの最高回転速度は、第1の回転速度よりも速い第2の
回転速度でモータを回転させたときに検出される偏心荷
重の大きさに基づいて決定される。すなわち、回転速度
制御手段は、第1の回転速度でモータを回転させたとき
の偏心荷重の検出値が所定値よりも小さい場合には、モ
ータの回転速度を第2の回転速度にまで上昇させる。そ
して、第2の回転速度でモータが回転しているときに検
出手段により検出された偏心荷重の大きさに基づき最高
回転速度が決定される。
【0010】本発明に係る第3の遠心脱水装置は、第1
又は第2の遠心脱水装置において、前記脱水籠は水平軸
を中心に回転される籠状のドラムであって、前記回転速
度制御手段は、前記モータを第1の回転速度で回転させ
たときの前記検出手段による検出値が所定値以上である
と判定された場合には、前記ドラムの内部の洗濯物に作
用する遠心力が重力よりも小さい範囲の回転速度で該ド
ラムを回転させることにより該洗濯物を攪拌することを
特徴としている。
【0011】上記の如き回転速度でドラムが回転される
とき、回転に伴ってドラム内周壁面に沿って下から上に
運ばれた洗濯物は、回転途中で下に落下する。このた
め、ドラムの内部で絡み合い固まっている洗濯物は、ほ
ぐされ分散化される。
【0012】本発明に係る第4の遠心脱水装置は、上記
第1、第2又は第3の遠心脱水装置において、前記モー
タは直流整流子モータであって、前記回転速度制御手段
は、交流電流を断続するタイミングを決めている位相制
御角を制御することにより該モータに印加する駆動電圧
を制御し、前記検出手段は、前記回転速度制御手段が該
モータを一定速度で回転させている間の位相制御角の変
動量に基づいて偏心荷重を検出することを特徴としてい
る。
【0013】交流電流を断続的にオン/オフするタイミ
ングを決めている位相制御角の大きさを制御するような
位相制御方式のモータ駆動においては、モータが一定速
度で回転するように制御しているとき、モータの回転変
動すなわち回転むらに伴って位相制御角が変動する。こ
の位相制御角の変動量は、モータの回転変動の大きさに
比例している。脱水籠の中の洗濯物が偏在しているとき
には、その偏在状態に応じてモータの回転トルクが変動
するため、回転速度も変動する。従って、位相制御角の
変動量に基づいて洗濯物の偏在状態を判定することがで
きる。
【0014】本発明に係る第5の遠心脱水装置は、上記
第1、第2又は第3の遠心脱水装置において、前記検出
手段は、前記モータの回転に対応したパルス信号を発生
させる信号発生手段を含み、前記脱水籠が1回転する間
に発生する複数のパルス信号のパルス幅に基づいて偏心
荷重を検出することを特徴としている。
【0015】上記パルス発生手段は、モータの回転に対
応したパルス信号を脱水籠が1回転する間に2個以上発
生させる。この複数のパルス信号のパルス幅は、脱水籠
に回転変動がない場合には互いに等しくなるようにされ
ている。脱水籠が1回転する間に回転変動がある場合に
は、上記複数のパルス信号のパルス幅は相違するように
なる。前述のように、脱水籠の中の洗濯物が偏在してい
るときには、その偏在状態に応じてモータの回転速度も
変動する。このため、脱水籠が1回転する間の最大パル
ス幅と最小パルス幅との比、又は差に応じて洗濯物の偏
在状態を判定することができる。
【0016】本発明に係る第6の遠心脱水装置は、上記
第1、第2又は第3の遠心脱水装置において、前記検出
手段は、前記脱水籠が180°回転する毎に信号を得るた
めの信号発生手段を含み、該脱水籠が1回転する間に得
られる2つの信号発生時間の間隔に基づいて偏心荷重を
検出することを特徴としている。
【0017】すなわち、第6の遠心脱水装置では、モー
タが1回転する間の回転変動ではなく、脱水籠が1回転
する間の回転変動を直接検出するための信号発生手段が
脱水籠、或いは脱水籠と同期して回転する部材に取り付
けられる。この信号発生手段からは、脱水籠が180°回
転する毎に信号が得られるようにされているため、回転
変動がない場合には脱水籠が1回転する間に得られる2
つの信号発生時間の間隔は等しくなる。一方、回転変動
がある場合には2つの信号発生時間の間隔には差が生じ
るため、この差、又は比に応じて洗濯物の偏在状態を判
定することができる。
【0018】なお、この信号発生手段は、特に、脱水籠
の外側に設置された磁石と、該脱水籠を保持する外槽の
内側で該磁石と180°回転毎に対向する位置に設置され
たリードスイッチとから構成されることが好ましい。こ
れによれば、脱水籠が1回転する間に少なくともリード
スイッチが2回導通状態になり、簡単に信号が得られ
る。また、回転体である脱水籠の方には配線が不要であ
るため、構成が簡単で済む。
【0019】
【発明の効果】以上のように、第1及び第2の遠心脱水
装置によれば、脱水籠の中の洗濯物が偏在した状態で脱
水行程が開始されても、その状態のまま脱水籠が高速回
転されることはないため、異常振動や異常騒音の発生を
回避することができる。更に、洗濯物の偏在が大きい場
合には、洗濯物を自動的に分散化した後に脱水運転が行
なわれる。更に、その洗濯物の分散化の度合いに合わせ
た効果的な脱水運転が行なわれる。
【0020】また、第3の遠心脱水装置によれば、特
に、ドラムを用いた遠心脱水装置において、ドラム内部
の洗濯物の偏りが大きい場合に洗濯物の分散化が効果的
に行なわれる。このため、異常振動の発生を確実に回避
することができる。
【0021】更に、第4乃至第6の遠心脱水装置によれ
ば、偏心荷重の大きさが容易に、しかも確実に検出され
るため、異常振動や異常騒音の発生を確実に回避するこ
とができる。また、洗濯物の分散化の度合いに合った、
適切な脱水運転を選ぶことができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて説明する。 [実施例1]図1は本発明の第1の実施例(以下「実施
例1」という)によるドラム式遠心脱水装置の電気系ブ
ロック構成図、図2は実施例1による遠心脱水装置を備
える洗濯機の縦断面図、図3は実施例1における脱水行
程の手順を説明するためのフローチャート、図4はモー
タ駆動の動作を説明するための波形図、図5はドラム内
部の洗濯物の偏在を修正するときのモータの回転制御を
説明するための図、図6は脱水運転時の回転速度を説明
するための図である。
【0023】まず、図2に基づいて、ドラム式洗濯機の
全体構成について説明する。洗濯機本体の外箱50の内
部には、洗い及びすすぎ行程時に水を溜めるための外槽
52が配置されている。外槽52の内部には洗濯物を収
容するためのドラム20が主軸60に支持されて設置さ
れており、洗濯物投入口54を介して外側からドラム2
0に洗濯物が投入される。ドラム20の周壁には通水孔
58が形成されており、外槽52に給水された水はこの
通水孔58を通してドラム20内へ流入し、またドラム
20内で洗濯物から脱水された水が外槽52へ排出され
る。ドラム20の内側には、回転に伴い洗濯物を下から
上へ掻き上げるためのバッフル56が設けられている。
主軸60は外槽52に装着された軸受62によって保持
されており、更にその先には主プーリ64が取り付けら
れている。外槽52の下側にはドラム20を回転駆動す
るためのモータ18が配置され、そのモータ18の回転
軸にはモータプーリ68が取り付けられている。モータ
プーリ68の回転はベルト66を通して主プーリ64に
伝達される。
【0024】洗いやすすぎを行なうための水は給水口7
0を通して外部から給水され、給水電磁弁72によって
その水量が調節される。給水口70から給水された水
は、洗い行程時には洗剤投入口74を介して洗剤水とな
って外槽52内へ注がれ、すすぎ行程時には洗剤投入口
74を介さず外槽52内へ注がれる。外槽52内の洗浄
やすすぎ後の水あるいは脱水された水は、排水口76を
通して排水される。排水口76は、排水電磁弁78によ
って開閉される。モータ18には回路部80から駆動電
圧が供給される。回路部80には、後述するような電気
回路が収納されており、モータ18の回転制御や給水電
磁弁72及び排水電磁弁78等の動作が制御される。
【0025】次に、図1に基づいて、遠心脱水装置の電
気系の構成及び動作を説明する。主としてマイクロコン
ピュータから構成される制御部10は、中央制御部10
2、回転速度制御部104、検出/判定部106及びメ
モリ108を含んでいる。メモリ108には、洗濯の洗
い行程、すすぎ行程及び脱水行程を進めるための運転プ
ログラムが予め記憶されている。この運転プログラムの
中には、動作手順のほかに直流モータ18を回転させる
時間やその回転速度等の運転に必要な種々の値が含まれ
ている。
【0026】使用者は、操作部12からキー操作を行な
い、脱水運転のモード、例えばドラム20内部に収容す
る洗濯物の繊維の種類等を指定する。このキー操作を受
けて、中央制御部102は、対応する運転プログラムを
メモリ108から読み出して、この運転プログラムを実
行することにより脱水行程を進める。中央制御部102
は、表示部14に表示を行なうための表示制御の機能も
含んでいる。
【0027】モータ駆動回路16は、交流電源161、
交流スイッチ回路162、整流回路163及び位相角制
御回路164から構成されており、回転速度制御部10
4からの回転速度指定信号と回転数検出器22からのモ
ニタ信号とが位相角制御回路164に入力されている。
位相角制御回路164は、直流モータ18の回転速度が
回転速度指定信号で指示された回転速度になるように後
述する制御角αを決定し、制御角指示信号として交流ス
イッチ回路162へ出力する。また、この制御角指示信
号はモータ18の回転変動を検出するために、検出/判
定部106へも入力される。モータ駆動回路16にて発
生される直流の駆動電圧はモータ18に印加され、モー
タ18の回転は前述したようにドラム20に伝達され
る。
【0028】モータ駆動回路16においては、以下のよ
うに駆動電圧が生成される。交流電源161からは、図
4(a)に実線(位相角0°〜180°)及び破線(位相
角180°〜360°)で示されている正弦波の単相交流電圧
が、交流スイッチ回路162に供給される。交流スイッ
チ回路162はトライアック等のゲート制御式半導体ス
イッチから構成されており、交流電流を全波整流すると
共に制御角指示信号に応じて交流電流をスイッチングす
る。すなわち、図4(b)のように、位相角0°の位置
から制御角αだけ遅れた位置にスイッチングパルス信号
が生成され、位相角0°〜αの期間は電流を遮断し、α
〜180°の期間は電流を導通させるようにゲート制御式
半導体スイッチが制御される。この結果、図4(a)の
斜線で示した部分の電圧が整流回路163へ入力され
る。この断続的な電圧は整流回路163で平滑化され
て、駆動電圧としてモータ18へ印加される。
【0029】従って、モータ駆動回路16では、駆動電
圧を高くしたいとき、すなわちモータ18の回転速度を
上昇させたいときには制御角αが小さくされ、逆に、駆
動電圧を低くしたいとき、すなわちモータ18の回転速
度を低下させたいときには制御角αが大きくされる。こ
のため、制御角αすなわち制御角指示信号はモータ18
の回転変動を反映したパラメータである。
【0030】以下、図3に沿って脱水行程時のモータの
回転制御を説明する。まず、操作部12からのキー操作
を受けて脱水運転が開始されると、回転速度制御部10
4は、モータ18の回転速度が所定の低速回転速度(第
1の回転速度)N1にまで徐々に上昇するような回転速
度指定信号を出力する。この結果、モータ18に印加さ
れる駆動電圧は徐々に増加し、モータ18の回転速度は
徐々に上昇する(ステップS10)。ここで、第1の回
転速度N1は、ドラム20内部の洗濯物に作用する遠心
力が重力よりも大きい範囲の回転速度となるようにさ
れ、例えばドラム20の径が500[mm]であるときに、ド
ラム20の回転速度が100[rpm]程度となるようなモータ
の回転速度とされる。
【0031】モータ18の回転速度が第1の回転速度N
1に達したならば(ステップS11)、一定時間、第1
の回転速度N1に保持される(ステップS12)。検出
/判定部106では、その一定時間中の制御角αの最大
変動幅waが計測される(ステップS13)。 そして、
この変動幅waに基づいてドラム20内部の洗濯物の偏
在の状態が判断される(ステップS14)。すなわち、
この変動幅waが所定の値w1よりも小さければ、洗濯物
の偏在が小さく、この状態のまま回転速度を上昇させて
も異常振動は発生しないと判断される。一方、変動幅w
aが所定の値w1以上であれば、洗濯物の偏在が大きく、
この状態で回転速度を上昇させると異常振動を発生する
可能性が高いと判断される。
【0032】従って、wa≧w1の場合には、回転速度制
御部104は、モータ18の回転速度を低下させるよう
な回転速度指定信号を出力するか、又は一旦モータ18
への駆動電流を遮断することによりモータ18の回転速
度を低下させる(ステップS20)。それから引き続
き、ドラム20内部の洗濯物の分散を促して偏在を修正
するための偏心荷重修正運転を行なわせる(ステップS
21)。
【0033】偏心荷重修正運転としては、図5に示すよ
うに、洗濯物の洗いを行なう程度の低速度の回転速度
(第3の回転速度)N3で、右方向に10秒間、次いで3
秒間の回転方向反転期間を挟んで左方向に10秒間ドラム
20を回転させる。ここで、第3の回転速度N3は、ド
ラム20内部の洗濯物に作用する遠心力が重力よりも小
さい範囲の回転速度となるようにされ、例えばドラム2
0の回転速度が50[rpm]程度となるようなモータの回転
速度とされる。このようにドラム20を回転させたと
き、ドラム20の内部では、回転に伴ってドラム20内
周壁面に沿って下から上に運ばれた洗濯物が回転途中で
下に落下する。更に、ドラム20が左右に回転されるこ
とにより、ドラム20内部で絡み合っている洗濯物の
「ほぐし」が促進されて分散化が行なわれる。なお、偏
心荷重修正運転の方法はこれに限らず、洗濯物の量やバ
ッフル56の高さ等に応じて適宜変更することが望まし
い。
【0034】偏心荷重修正運転を行なった後、回転速度
制御部104は、再度モータ18の回転速度が第1の回
転速度N1にまで上昇するような回転速度指定信号を出
力する。そして、前述したステップS10からS14ま
での処理が実行され、洗濯物の偏在が解消されたか否か
が再度判定される。
【0035】変動幅waが所定の値w1よりも小さい場合
には、回転速度制御部104は、モータ18の回転速度
が所定の中速回転速度(第2の回転速度)N2になるよ
うな回転速度指定信号を出力する。このため、モータ1
8に印加される駆動電圧は増加し、回転速度は上昇する
(ステップS15)。ここで、第2の回転速度N2は、
例えばドラム20の回転速度が700[rpm]程度となるよう
なモータの回転速度とされる。
【0036】モータ18の回転速度が第2の回転速度N
2に達したとき(ステップS16)、検出/判定部10
6では、ステップS13と同様に、一定時間中の制御角
αの最大変動幅wbが計測される(ステップS17)。
そして、この変動幅wbに応じた最大回転速度と回転時
間とが決定され(ステップS18)、決定された値で脱
水運転が行なわれる(ステップS19)。すなわち、図
6に示すような変動幅wbとドラム最高回転速度及び回
転時間との関係が予めメモリ108に格納されており、
計測した変動幅wbに基づいて最高回転速度と回転時間
が選定される。これによれば、変動幅wbが小さいほど
洗濯物の偏在が小さいと判断できるため、より高速の回
転速度で短時間ドラム20(すなわちモータ18)を回
転させることにより脱水が行なわれる。逆に、変動幅w
bが大きい場合には、洗濯物の偏在の解消が不十分で高
速でドラム20を回転させると異常振動を発生する可能
性が高いと判断できるため、比較的遅い回転速度で長時
間ドラム20(すなわちモータ18)を回転させること
により十分な脱水性能を確保する。
【0037】なお、上記実施例では、制御角の最大変動
幅wbに基づいて脱水時の回転速度を決定しているが、
第1の回転速度N1における最大変動幅waに基づき決定
するようにしても良い。但し、回転速度が徐々に上昇し
洗濯物からの脱水が進んでいくとき、偏心荷重の状態が
若干変化することもあるため、極力高い回転速度の状態
で最終的な脱水時の回転速度を決定する方がより好まし
い。
【0038】[実施例2]以下、洗濯物の偏在に起因す
る偏心荷重の大きさを検出する方法が実施例1とは相違
する第2の実施例(以下「実施例2」という)について
説明する。実施例2では、洗濯物の偏在状態の判定はモ
ータの回転速度の変動に基づいて行なわれる。図7は実
施例2による遠心脱水装置の電気系ブロック構成図であ
る。モータ18に付随してパルス発生器24が備えられ
ていること、及び、モータ駆動回路16の構成すなわち
モータ18の駆動方法が特に限定されていないことが図
1とは相違している。
【0039】パルス発生器24は、ドラム20が1回転
する間に生じるモータ18の回転速度の変動を検出する
ためのもので、ドラム20が1回転すなわち360°回転
する間に、等しい回転角の間隔で少なくとも2個以上の
パルス信号が発生するようにパルス発生素子が設けられ
ている。例えば、ドラム20が45°回転する毎にパルス
信号が得られるようにパルス発生器24が構成されてい
る場合、回転速度が変動せずにドラム20が1回転する
ときには、図8(a)に示すように、8個の等しい幅の
パルス信号が得られる。ところが、ドラム20が1回転
する間に回転速度が変動すると、図8(b)のように、
パルス幅が変動する。ドラム20に偏心荷重があるとき
には、1回転の間の回転トルクが変動するため、回転速
度も変動し、いわゆる回転むらが発生する。そこで、ド
ラム20が1回転する間のパルス幅の変動を検出し、こ
の変動の大きさに基づき偏心荷重を判断している。
【0040】図9は実施例2における脱水行程の手順を
説明するためのフローチャートである。図9において、
図3の処理と相違するステップS33、S34、S37
及びS38の処理についてのみ以下に説明する。
【0041】モータ18の回転速度が一定時間、第1の
回転速度N1に保持される間に、検出/判定手段では、
パルス発生器24から得られるドラム20の1回転期間
中の最大パルス幅Pmaxと最小パルス幅Pminとが計測さ
れ、そのパルス幅比Pa=Pmax/Pminが計算される
(ステップS33)。次いで、このパルス幅比Paが所
定の値P1と比較されることにより偏心荷重修正運転を
行なう必要があるか否かが判断される(ステップS3
4)。すなわち、パルス幅比PaがP1以上である場合に
は洗濯物の偏在が大きいため、洗濯物の分散化を行なう
必要があると判断される。また、モータ18の回転速度
が一定時間、第2の回転速度N2に保持される間に、ス
テップS13と同様に、最大パルス幅Pmaxと最小パル
ス幅Pminとが計測され、パルス幅比Pb=Pmax/Pmin
が計算される(ステップS37)。そして、このパルス
幅比Pbに応じたドラム最大回転速度及び回転時間が決
定される(ステップS38)。
【0042】なお、上記実施例2では、最大パルス幅P
maxと最小パルス幅Pminとの比の代わりに、最大パルス
幅Pmaxと最小パルス幅Pminとの差を用いるようにして
も良い。
【0043】[実施例3]第3の実施例(以下「実施例
3」という)では、洗濯物の偏在状態の判定は、ドラム
20の回転速度の変動に基づいて行なわれる。図10
は、ドラム20の回転速度の変動を検出するためにドラ
ム20の外側及び外槽52の内側に取り付けられるリー
ドスイッチの配置図である。図10はドラム20及び外
槽52を洗濯機の裏側すなわち主軸60の取り付け面の
方向から見た図である。ドラム20の外側には磁石40
が取り付けられ、外槽52の内側でドラム20の回転時
に磁石40に向き合う位置に2個のリードスイッチが18
0°の回転角を保って取り付けられている。
【0044】従って、ドラム20が1回転すなわち360
°回転する間に、それぞれのリードスイッチ41a、4
1bは磁石40の作用で1回づつ導通状態となる。そし
て、導通したときにパルス信号を出力するように構成さ
れる。図11(a)、(b)は、それぞれリードスイッ
チ41a、41bの導通に対応して得られるパルス信号
を示す図である。ドラム20が1回転する間に回転速度
の変動がない場合には、リードスイッチ41aが導通し
てからリードスイッチ41bが導通するまでの時間ta
と、リードスイッチ41bが導通してからリードスイッ
チ41aが導通するまでの時間tbとは等しくなる。ド
ラム20に回転速度の変動がある場合は、時間taと時
間tbとは等しくならず、回転速度の変動の大きさに応
じた時間差が発生する。このため、モータ18を第1の
回転速度N1で一定時間、回転させている間に、時間ta
と時間tbとをそれぞれ計測し、その比又は差に基づき
洗濯物の偏在状態を判断している。すなわち、実施例2
のパルス幅比Pa、Pbの代わりに、ta/tb又はta―
tbを用いることにより、実施例2と同様の効果を得る
ことが期待できる。
【0045】なお、実施例3ではドラム自体に磁石を設
けてドラムの回転変動を検出するようにしているが、ド
ラムに連動して回転する主プーリ64の回転変動を検出
するように構成しても同様の効果が得られる。また、発
光部及び受光部を備えた光スイッチを用いてドラム又は
主プーリの回転変動を検出するようにしても良い。
【0046】[変形例]なお、上記実施例1乃至3にお
ける偏心荷重の検出方法を組み合わせて用いることも可
能である。すなわち、図3のステップS14及びステッ
プS18における処理を、相違する偏心荷重の検出方法
に基づいて行なうようにしても良い。
【0047】また、上記説明は本発明をドラム式洗濯機
に適用したものであるが、垂直軸を中心に脱水籠が回転
される渦巻式の電気洗濯機に適用することも可能であ
る。特に、渦巻式電気洗濯機にて偏心荷重修正運転を行
なう場合には、脱水槽の回転速度を制御するのではな
く、若干量の水を給水した後に洗いに使用される回転翼
を回転させることにより洗濯物を攪拌し分散化を行なう
ようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による遠心脱水装置の電気
系ブロック構成図。
【図2】 遠心脱水装置を備える洗濯機の縦断面図。
【図3】 実施例1における脱水動作の手順を説明する
ためのフローチャート。
【図4】 実施例1におけるモータ駆動の動作を説明す
るための波形図。
【図5】 洗濯物の偏在を修正するときの回転制御の動
作説明図。
【図6】 実施例1における脱水時の回転速度を説明す
るための図。
【図7】 本発明の実施例2による遠心脱水装置の電気
系ブロック構成図。
【図8】 実施例2における偏心荷重の検出方法を説明
するための波形図。
【図9】 実施例2における脱水動作の手順を説明する
ためのフローチャート。
【図10】 本発明の実施例3による偏心荷重の検出方
法を説明するための構成図。
【図11】 実施例3による偏心荷重の検出方法を説明
するための波形図。
【符号の説明】
10…制御部 104…回転速度制御部(回転速度制御手段) 106…検出/判定部(検出手段、判定手段及び決定手
段) 16…モータ駆動回路(回転速度制御手段) 161…交流電源 162…交流スイッチ回路 163…整流回路 164…位相角制御回路 18…モータ 20…ドラム 22…回転数検出器 24…パルス発生器 40…磁石 41a、41b…リードスイッチ
フロントページの続き (72)発明者 川口 智也 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 中川 謙治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯物を収容した脱水籠を回転軸を中心
    に高速回転させることにより該洗濯物の脱水を行なう遠
    心脱水装置において、 a)前記脱水籠を回転させるモータと、 b)前記脱水籠の中の洗濯物の偏在に起因する偏心荷重の
    大きさを検出する検出手段と、 c)前記検出手段による検出値が所定値以上であるか否か
    を判定する判定手段と、 d)前記検出手段による検出値に基づき脱水時の最高回転
    速度を決定する決定手段と、 e)前記モータを第1の回転速度で回転させ、該回転時に
    前記判定手段により偏心荷重が所定値以上であると判定
    された場合には、前記脱水籠の中の洗濯物を攪拌するよ
    うに前記モータを回転させ、該偏心荷重が所定値よりも
    小さいと判定された場合には、第1の回転速度のときに
    前記決定手段により決定された最高回転速度で前記モー
    タを回転させる回転速度制御手段と、を備えることを特
    徴とする遠心脱水装置。
  2. 【請求項2】 洗濯物を収容した脱水籠を回転軸を中心
    に高速回転させることにより該洗濯物の脱水を行なう遠
    心脱水装置において、 a)前記脱水籠を回転させるモータと、 b)前記脱水籠の中の洗濯物の偏在に起因する偏心荷重の
    大きさを検出する検出手段と、 c)前記検出手段による検出値が所定値以上であるか否か
    を判定する判定手段と、 d)前記検出手段による検出値に基づき脱水時の最高回転
    速度を決定する決定手段と、 e)前記モータを第1の回転速度で回転させ、該回転時に
    前記判定手段により偏心荷重が所定値以上であると判定
    された場合には、前記脱水籠の中の洗濯物を攪拌するよ
    うに前記モータを回転させ、該偏心荷重が所定値よりも
    小さいと判定された場合には、前記モータの回転速度を
    第1の回転速度よりも速い第2の回転速度で回転させ、
    次いで該回転時に前記検出手段により検出された偏心荷
    重に基づき前記決定手段において決定された最高回転速
    度で前記モータを回転させる回転速度制御手段と、を備
    えることを特徴とする遠心脱水装置。
  3. 【請求項3】 前記脱水籠は水平軸を中心に回転される
    籠状のドラムであって、前記モータを第1の回転速度で
    回転させたときの前記検出手段による検出値が所定値以
    上であると判定された場合には、前記回転速度制御手段
    は前記ドラムの内部の洗濯物に作用する遠心力が重力よ
    りも小さい範囲の回転速度で該ドラムを回転させること
    により該洗濯物を攪拌することを特徴とする請求項1又
    は2記載の遠心脱水装置。
  4. 【請求項4】 前記モータは直流整流子モータであっ
    て、前記回転速度制御手段は、交流電流を断続するタイ
    ミングを決めている位相制御角を制御することにより該
    モータに印加する駆動電圧を制御し、前記検出手段は、
    該回転速度制御手段が該モータを一定速度で回転させて
    いる間の位相制御角の変動量に基づいて偏心荷重を検出
    することを特徴とする請求項1、2又は3記載の遠心脱
    水装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は、前記モータの回転に対
    応したパルス信号を発生させる信号発生手段を含み、前
    記脱水籠が1回転する間に発生する複数のパルス信号の
    パルス幅に基づいて偏心荷重を検出することを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載の遠心脱水装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記脱水籠が180°回
    転する毎に信号を得るための信号発生手段を含み、該脱
    水籠が1回転する間に得られる2つの信号発生時間の間
    隔に基づいて偏心荷重を検出することを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の遠心脱水装置。
  7. 【請求項7】 前記検出手段における信号発生手段は、
    前記脱水籠の外側に設置された磁石と、該脱水籠を保持
    する外槽の内側で該磁石と180°回転毎に対向する位置
    に設置されたリードスイッチとから構成されることを特
    徴とする請求項6記載の遠心脱水装置。
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