JP3857803B2 - ドラム式遠心脱水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラム式遠心脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドラム式洗濯機は、洗濯物を籠状のドラム内部に収容し、該ドラムを水平軸を中心に回転する構造となっている。この種の洗濯機で遠心脱水を行なう際に、洗濯物がドラム内周壁上で均等に分散していない状態でドラムを高速回転させると、回転軸回りの質量分布のアンバランスによって異常振動や異常騒音が発生する。これに対し、市販のドラム式洗濯機では、上記異常振動を抑制するためにドラムを内装する外槽の周囲に重錘を取り付けている。このため、従来のこの種の洗濯乾燥機は重量が非常に重くなり、設置場所が限られると共に移動や運搬も困難であった。
【0003】
上記異常振動の問題を解決することを目的とした遠心脱水装置は、従来より幾つか提案されている。例えば特開平6−254294号公報記載の遠心脱水装置では、ドラム高速回転による脱水運転を行なう前に、ドラム低速回転によってバランス調整を行なう方法が開示されている。より詳しくは、まずごく短時間ドラムを低速で回転させ、次いで該回転速度よりは若干速いが脱水運転時の回転速度よりは充分に遅い回転速度でドラムを回転させる、という二段階の回転制御の組合せにより、ドラム内周上に洗濯物を略均等に分散配置させるようにしている。
【0004】
また上記従来技術では、ドラム内部の洗濯物の偏在を検知する手段として装置の台座の部分に振動監視センサを設置し、ドラムの回転速度を脱水運転を行なうための高速回転速度まで上昇させたときに該振動監視センサが異常振動を検知すると回転速度を落とすようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によるドラムの回転制御方法では、必ずしも洗濯物が均等に分散配置される確率が高くないため、ドラム低速回転によるバランス調整とドラム高速回転による偏心荷重の検知とを何回も繰り返す恐れが高い。その結果、脱水所要時間が長引き、最悪の場合、いつまでも脱水が終了しないという事態になる可能性もある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するために成されたもので、その目的とするところは、脱水立上げ時の洗濯物のバランス調整を迅速に終了することができるドラム式遠心脱水装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
上記課題を解決するために成された本発明は、水平軸を中心にしてドラムを高速回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を脱水するドラム式遠心脱水装置において、
a)ドラムを回転駆動するモータと、
b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、
c)ドラム内周壁面に密着している洗濯物に作用する遠心力と重力とが略均衡する回転速度よりも若干大きな第1の回転速度でもってドラムを回転させ、前記偏心荷重検知手段により検知される偏心荷重がドラム上部に達したとき、ドラム内の全ての洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きくなるような第2の回転速度までドラムの回転速度を急速に上昇させるように、前記モータを制御する回転制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0008】
ドラム内に収容された各洗濯物に作用する遠心力は、ドラム回転軸から該洗濯物までの距離に依存し、ドラム内周壁面に密着している洗濯物よりもドラム回転軸側に位置している洗濯物に作用する遠心力は小さい。従って、上記回転制御手段により第1の回転速度でもってドラムが回転されると、一部の洗濯物は遠心力によりドラム内周壁面に張り付いてドラムとともに回転し、他の洗濯物は上記洗濯物の内周側にあって充分な遠心力を得られずに、ドラムの回転に伴い持ち上げられて途中で重力により下方に落下する、いわゆるタンブリング状態となる。
【0009】
このような状態において、偏心荷重検知手段はドラム内周壁面に張り付いて回転する洗濯物に起因する偏心荷重の位置を検知する。上記回転制御手段は、偏心荷重がドラムの上部に達した瞬間に、ドラムの回転速度を第2の回転速度まで急速に上昇させる。すると、その直前にタンブリング状態にあった洗濯物は、遠心力によりドラム内周上で上記偏心荷重に対向する位置近傍に張り付き、ドラムとともに回転する。この結果、始めに生じていた偏心荷重と急加速時に生じた洗濯物の偏在との釣合によって、ドラム全体の偏心荷重は小さなものとなる。
【0010】
なお、ドラムを第1の回転速度から第2の回転速度まで上昇させるタイミングは、基本的に、偏心荷重がドラム上部に達した時点であるが、加速の度合等の要因により、偏心荷重がドラム最高位置に到達する手前又は該最高位置を通過した後、等の適宜の位置に設定するとよい。
【0011】
ところで、ドラムはその径や重量に応じた固有の共振周波数を有しており、一般に使用されるドラムでは、その共振周波数は、洗濯物に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度よりも高く、充分な脱水が行なえるような回転速度よりも低い。ドラムのバランスがとれていない状態で該回転速度が共振周波数に達すると大きな振動が発生するから、上記本発明に係る遠心脱水装置では、第2の回転速度はその共振周波数よりも低い回転速度とすることが好ましい。
【0012】
また、上記本発明に係る遠心脱水装置では、偏心荷重の大きさを判定する判定手段を更に備え、前記回転制御手段は、第2の回転速度でもってドラムが回転しているときに該判定手段により偏心荷重が所定値以下であると判定されると、高速の脱水回転速度までドラムの回転速度を上昇させるようにモータを制御する構成とすることができる。
【0013】
この構成によれば、上述のようなドラムの回転制御により偏心荷重が小さくなったことが確認され、高速の脱水回転速度でもってドラムを回転させても振動が少ないと判断されるときにのみ、ドラムは共振周波数に相当する回転速度を通過し更に脱水回転速度まで立ち上げられる。従って、振動や騒音が確実に回避される。
【0014】
また、上記本発明に係る遠心脱水装置では、前記偏心荷重検知手段は、モータの駆動電流の変動に基づいて偏心荷重を検知する構成とすることができる。
【0015】
すなわち、回転速度を略一定に維持するようにモータを制御するとき、モータの駆動電流は負荷トルク変動の影響を受けて変動する。ドラムに偏心荷重が存在すると該偏心荷重は最も大きな負荷トルクの変動要因となるから、モータの駆動電流はドラム内周上(つまりドラム一回転期間)での偏心荷重の位置に応じて変動する。従って、モータの駆動電流を監視することにより、偏心荷重の位置を比較的容易に検知することができる。
【0016】
また、上記本発明に係る遠心脱水装置では、前記回転制御手段は、第1の回転速度でドラムを回転させる以前に、全ての洗濯物に作用する遠心力が重力よりも小さいような回転速度でもって左右の反転動作を行なうようにモータを制御する構成とすることが好ましい。
【0017】
このような左右の反転回転動作を行なうと、ドラム内で互いに絡み合っていた洗濯物のほぐしが進み、各洗濯物が個別に移動し易くなる。このため、次に第1の回転速度でもってドラムが回転されたとき、洗濯物が適切に分散し易い。
【0018】
【発明の効果】
本発明に係るドラム式遠心脱水装置によれば、ドラムのバランス調整が迅速に行なえるので、脱水所要時間ひいては洗濯所要時間が長引くことを回避することができる。また、高速脱水運転時に大きな振動や騒音が発生することを確実に防止することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明に係るドラム式遠心脱水装置を備えた洗濯機の一実施例を図面を参照して説明する。まず、図1及び図2に基づいて本実施例による洗濯機の構成を説明する。図1はこの洗濯機の側面断面図、図2は図1のa−a線断面図である。
【0020】
外箱1の内部には外槽2がバネ3及びダンパ4に吊支され、外槽2内部には洗濯物を収容するためのドラム5が主軸8に軸支されている。外箱1の前面には外槽2の前面開口を開閉するドア7が設けられ、洗濯物はこのドア7を開放してドラム5内部へと収容される。ドラム5の周壁には多数の通水孔6が設けられており、外槽2内に給水された水は通水孔6を通してドラム5内へ流入し、また逆にドラム5内で洗濯物から脱水された水は通水孔6を通して外槽2へと飛散される。ドラム5の内周には、回転に伴って洗濯物をかき上げるためのバッフル9が互いに120°の回転角度を保って配設されている。
【0021】
主軸8は外槽2に装着された軸受10により保持されており、その先端には主プーリ11が取り付けられている。外槽2の下面にはモータ12が配置され、モータ12の回転駆動力はモータプーリ13、Vベルト14を介して主プーリ11に伝達される。主プーリ11のリング体には開口が円周上に一箇所設けられており、該リング体を挟んで両側に発光部と受光部とから成る回転センサ19が配置されている。ドラム5が一回転する期間に一回だけ該発光部から発した光が開口を通過して受光部に到達し、回転センサ19は該受光信号に基づいてドラム5の回転に同期した検出信号(回転マーカ)を出力する。
【0022】
外部の水道栓に接続された給水管15は、給水バルブ16を介して外槽2に接続されている。給水バルブ16を開放すると、給水管15を通して外槽2に水が供給される。一方、外槽2底部に連結された排水管17には排水ポンプ18が設けられ、外槽2内に溜まった水は排水ポンプ18が駆動されることにより外部に排出される。
【0023】
次に、上記洗濯機において脱水に関連する部分の電気的構成及び動作を図3を参照して説明する。制御の中心である制御部20はCPUを含むマイクロコンピュータにより構成されており、機能的には、中央制御部21、回転速度制御部22、偏心荷重検知部23、偏心荷重判定部24等を含む。中央制御部21には操作部31が接続されており、該操作部31を介して洗濯開始等が指示される。該中央制御部21は脱水運転を進めるための運転プログラムが予め記憶されたメモリやタイマを備え、運転プログラムの実行を進めつつ、脱水行程の開始の指示、所定時間の計測、或いは、目標回転速度等の数値の指示等を行なう。
【0024】
回転速度制御部22は、モータ駆動部32及び回転数検出器34とともに、モータ12の回転速度が中央制御部21により指示された目標回転速度になるように動作する。具体的には、回転速度制御部22は、目標回転速度と回転数検出器34から受け取った現時点での回転速度との差に基づき位相制御角を算出し、モータ駆動部32に与える。モータ駆動部32はトライアック等の電力スイッチング素子から成るインバータ駆動回路を備え、与えられた位相制御角に応じて該電力スイッチング素子のオン/オフを制御することにより、100V正弦波の交流電流を切り出して駆動電流としてモータ12に供給する。
【0025】
モータ電流検出部33は、ドラム5の回転に同期した上記駆動電流の変動成分を検出し、これを電圧値に変換して偏心荷重検知部23に入力する。図4はこのようなモータ駆動電流の変動成分の一例を示す波形図である。図中、回転マーカMは、回転センサ19により得られるドラム5の一回転周期の区切りを示す信号の発生タイミングである。ドラム5に偏心荷重が存在していると、図4に示すようにモータ駆動電流はその偏心荷重に応じた変動成分を有する。この変動はモータ12の負荷トルクの変動に対応しているから、ドラム5の一回転期間内で負荷トルクが最大になるときに最大ピークが現われる。
【0026】
図6は、ドラム5内周壁上に洗濯物の偏在による偏心荷重が存在しているときの状態を示す図である。図6に示すように、偏心荷重がドラム5最低位置を通過して上方に持ち上げられようとする状態にあるとき、該偏心荷重に作用する重力のドラム5の接線方向成分の向きはドラム5の回転方向と反対になる。つまり、重力による上記成分はドラム5を減速させるように作用するため、同一の回転速度を維持するためには、より大きな駆動電流をモータ12に供給する必要がある。逆に、偏心荷重がドラム5最高位置を通過して下がる状態にあるとき、該偏心荷重に作用する重力のドラム5の接線方向成分の向きはドラム5の回転方向と同一方向になる。つまり、この場合には、重力による上記成分はドラム5を加速させるように作用するため、モータ駆動電流を減少させることにより同一の回転速度が維持される。
【0027】
このほかに主軸8と軸受10との摩擦等の要因もモータ駆動電流に影響を与えるが、偏心荷重による上述のような変動要因が最も支配的であるため、一般には、偏心荷重がドラム5最低位置を通過して上方に持ち上げられる状態にあるときにモータ駆動電流は最大ピークを示す。逆に、偏心荷重がドラム5最高位置を通過して下がる状態にあるときにモータ駆動電流は最小ピークを示す。
【0028】
また、モータ駆動電流の変動振幅Lは偏心荷重の大きさ(偏心量)に対応している。図5は、変動振幅Lと偏心量との関係の一例を示すグラフである。予めこのような関係を実験により調べてROM等に記憶させておくことにより、脱水行程時に変動振幅Lから偏心量を取得することができる。
【0029】
すなわち、偏心荷重検知部23は、図4に示した波形を有する信号が入力されると、回転マーカMの間隔毎、つまりドラム5の一回転期間毎に最大ピーク及び最小ピークを検出する。そして、その最大及び最小ピークの差(変動振幅L)を算出し、ROMに記憶している上記対応関係を参照して偏心量を得る。また、最大ピーク(又は最小ピーク)の出現するタイミング(例えば直前の回転マーカMからの遅延時間)によりドラム5内周上での偏心荷重の位置を検知する。偏心荷重判定部24は、後述のように偏心量及び偏心位置の判定処理を実行し、その結果に応じて回転速度制御部22に適宜の指示信号を与える。
【0030】
次に、上記構成の洗濯機における脱水行程時の制御動作の手順を図7に示すフローチャートに沿って説明する。なお、以下の説明では、ドラム5の内径を460mmとしたときの数値を例に挙げているが、ドラム径が相違する場合には各回転速度等の数値を適宜変更することにより対応可能であることは明白である。
【0031】
脱水行程の開始前、ドラム5内の洗濯物は吸水し、ドラム5底部に重積した状態にある。中央制御部21からの指示により脱水行程が開始されると、まず回転速度制御部22は、ほぐし運転を行なうようにモータ駆動部32を制御する(ステップS1)。すなわち、ドラム5内周壁面に密着している洗濯物に作用する遠心力と重力とが均衡するような回転速度(ここでは60〜65rpm程度:以下「均衡回転速度」という)よりも低い回転速度の範囲(例えば50〜55rpm)でもって、所定時間毎にドラム5が右方向及び左方向に交互に回転するように制御する。これにより、ドラム5内で洗濯物は左右両方向に攪拌され、その間に絡みがほぐれる。また、攪拌により各洗濯物の隙間に空気が入り込むので、一枚一枚の洗濯物が互いに剥がれ易くなる。
【0032】
所定時間のほぐし運転を行なった後、回転速度制御部22はドラム5の回転速度を位相制御により70rpmまで上昇するようにモータ駆動部32を制御する(ステップS2)。すなわち、このときのドラム5の回転速度は上記均衡回転速度よりも若干高い回転速度である。ドラム5の回転速度が70rpm近傍に維持されるとき、図8(a)に示すように、ドラム5内周壁面に密着している洗濯物は遠心力によって該内周壁面に張り付いたまま回転し続ける。一方、その内周側に位置する洗濯物に作用する遠心力は弱いため、該洗濯物は、バッフル9(図8では省略している)により上方に持ち上げられ、途中で重力により回転後方に落下するという、タンブリング状態となる。
【0033】
偏心荷重検知部23は、上述のようにモータ駆動電流の変動成分に基づいてドラム5内周上での偏心荷重の位置を検知し(ステップS3)、偏心荷重判定部24は検知された偏心位置がドラム5の上部に達したときに(ステップS4)、回転速度制御部22に指示信号を与える。すなわち、ドラム5の回転速度が70rpmに維持されるとき、ドラム5内周壁面に張り付いて回転する洗濯物の偏在に起因する偏心荷重Aによりモータ駆動電流が変動する。上述のように、偏心荷重Aがドラム5最高位置を通過し下がる状態にあるとき、モータ駆動電流は最小ピークを示す。従って、モータ駆動電流が最小ピークになる手前において、偏心荷重Aはちょうどドラム5最高位置に達していると推定される。
【0034】
そこで、偏心荷重判定部24はこのようなモータ駆動電流の変動を監視し、偏心荷重Aがドラム5上部に達したと判断したときに指示信号を発生する。この指示信号を受けると、回転速度制御部22は、位相制御を行なわずに100V全波の駆動電流をモータ12に供給するようにモータ駆動部32を制御する(ステップS5)。これにより、ドラム5の回転速度は急速に上昇する。更に、回転速度制御部22は、ドラム5の回転速度が130rpm近傍に到達すると、位相制御に切り替えて該回転速度を130rpmに維持するようにモータ駆動部32を制御する(ステップS6)。このときの回転速度は、ドラム5内の全ての洗濯物に作用する遠心力が重力よりも確実に大きくなる回転速度であって、且つ、ドラム5に固有の共振周波数(ここでは約200rpm)よりも低い回転速度である。
【0035】
上述のようにドラム5の回転速度が70rpmから130rpmに急速に上昇されると、それまでドラム5内でタンブリング状態にあった洗濯物にも大きな遠心力が作用し、ドラム5内周壁面に張り付く。このとき、先の偏心荷重Aはドラム5の上部に存在するから、図8(b)に示すように、タンブリング状態にあった洗濯物は、該偏心荷重Aとちょうど対向する位置近傍においてドラム5内周壁面に張り付いて偏心荷重Bとなる。従って、偏心荷重Aと偏心荷重Bとの釣合により、ドラム5全体の偏心量は減少する。なお、モータ12の回転速度を急速に上昇させるための指示信号を発生するタイミング(つまり偏心荷重Aがドラム5上部のいずれの位置にあるときに指示信号を発生するのか)は、予め実験により最適なタイミングを決めるようにしておくとよい。
【0036】
ドラム5の回転速度が130rpmに到達し該回転速度に維持されているとき、偏心荷重検知部23は、モータ駆動電流の変動成分に基づいて偏心量を検知する(ステップS7)。そして、偏心荷重判定部24は、該偏心量が規定値以下であるか否かを判定する(ステップS8)。該規定値は、高速脱水回転時に外箱1や外槽2の振動振幅が許容範囲に収まるような最大許容偏心量に基づいて予め適宜に定められる。従って、上記ステップS8にて偏心量が規定値以下であると判定されたときには、その状態のまま高速脱水回転に移行しても振動が小さいと判断できる。そこでステップS9に進み、回転速度制御部22はドラム5の回転速度を高速脱水回転速度(例えば1000rpm)まで上昇させるようにモータ駆動部32を制御する。
【0037】
ドラム5が高速脱水回転速度でもって回転すると、洗濯物に含まれていた水は遠心力により洗濯物から吐き出され、通水孔6を介して外槽2側に飛散される。高速脱水回転速度に移行後、所定時間が経過すると(ステップS10)、中央制御部21はモータ12の回転の停止を回転速度制御部22に指示する。これにより、ドラム5は停止し、脱水行程が終了する。なお、高速脱水運転時には、布傷みを生じ易い洗濯物を保護するために、ドラム5の回転速度を使用者によって指定された洗濯コース(例えば毛布洗濯コース、ドライ専用衣類洗濯コース等)に応じた1000rpm以下の上限値(例えば800rpm)に制限するようにしてもよい。
【0038】
一方、上記ステップS8にて偏心量が規定値を越えていると判定されると、この判定結果を受けて、回転速度制御部22はドラム5の回転速度を低下させるようにモータ駆動部32を制御する。そして、ステップS1に戻り、上記ほぐし運転をやり直す。
【0039】
このようにして、本実施例の洗濯機では、高い確率でもって洗濯物のバランス調整を行ない、ドラム5の偏心荷重が確実に小さくなった状態で高速脱水回転に移行することができる。
【0040】
なお、洗濯物に作用する遠心力は、該洗濯物とドラム5回転軸線との距離に依存するから、上記バランス調整のためのドラム5の回転速度はドラム径等に応じて変更する必要がある。従って、予め実験により、そのドラム5において最も良好なバランス調整が行なえるような回転速度を決定しておく。また、これらの数値は必ずしも固定されたものでなくてもよく、例えば、ドラム5に収容された洗濯物の量(負荷量)等に応じて適当な値を選択して制御を実行する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のドラム式遠心脱水装置を備えた洗濯機の実施例の構成を示す側面断面図。
【図2】 図1の洗濯機のa−a線断面図。
【図3】 図1の洗濯機の脱水関連部分の電気系構成図。
【図4】 偏心荷重の影響によるモータ電流の変動成分の一例を示す波形図。
【図5】 モータ電流の変動振幅と偏心量との関係の一例を示すグラフ。
【図6】 偏心荷重によるモータ電流の変動を説明するためのドラム概略断面図。
【図7】 本実施例の洗濯機における脱水行程時の制御動作を示すフローチャート。
【図8】 本実施例の洗濯機における脱水行程時の洗濯物の配置状況を説明するためのドラム概略断面図。
【符号の説明】
2…外槽
5…ドラム
9…バッフル
19…回転センサ
20…制御部
21…中央制御部
22…回転速度制御部
23…偏心荷重検知部
24…偏心荷重判定部
32…モータ駆動部
33…モータ電流検出部
34…回転数検出器

Claims (5)

  1. 水平軸を中心にしてドラムを高速回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を脱水するドラム式遠心脱水装置において、
    a)ドラムを回転駆動するモータと、
    b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、
    c)ドラム内周壁面に密着している洗濯物に作用する遠心力と重力とが略均衡する回転速度よりも若干大きな第1の回転速度でもってドラムを回転させ、前記偏心荷重検知手段により検知される偏心荷重がドラム上部に達したとき、ドラム内の全ての洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きくなるような第2の回転速度までドラムの回転速度を急速に上昇させるように、前記モータを制御する回転制御手段と、
    を備えることを特徴とするドラム式遠心脱水装置。
  2. 前記第2の回転速度はドラムの固有の共振周波数よりも低い回転速度とすることを特徴とする請求項1に記載のドラム式遠心脱水装置。
  3. 偏心荷重の大きさを判定する判定手段を更に備え、前記回転制御手段は、第2の回転速度でもってドラムが回転しているときに該判定手段により偏心荷重が所定値以下であると判定されると、高速の脱水回転速度までドラムの回転速度を上昇させるようにモータを制御することを特徴とする請求項2に記載のドラム式遠心脱水装置。
  4. 前記偏心荷重検知手段は、モータの駆動電流の変動に基づいて偏心荷重を検知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドラム式遠心脱水装置。
  5. 前記回転制御手段は、第1の回転速度でドラムを回転させる以前に、全ての洗濯物に作用する遠心力が重力よりも小さいような回転速度でもって左右の反転動作を行なうようにモータを制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドラム式遠心脱水装置。
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