JP3423231B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

Info

Publication number
JP3423231B2
JP3423231B2 JP33756698A JP33756698A JP3423231B2 JP 3423231 B2 JP3423231 B2 JP 3423231B2 JP 33756698 A JP33756698 A JP 33756698A JP 33756698 A JP33756698 A JP 33756698A JP 3423231 B2 JP3423231 B2 JP 3423231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drum
rotation speed
laundry
motor
washing machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33756698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000157789A (ja
Inventor
智也 川口
聖行 周防
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP33756698A priority Critical patent/JP3423231B2/ja
Publication of JP2000157789A publication Critical patent/JP2000157789A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3423231B2 publication Critical patent/JP3423231B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドラム式洗濯機に関
し、更に詳しくは、ドラム洗濯機における遠心脱水運転
時のバランス調整に関する。なお、本発明に係る洗濯機
は、水を利用した洗濯のみならず、洗濯用溶剤を利用し
たドライクリーニングのための洗濯機も含むこととす
る。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯機では、脱水運転時に洗濯
物が回転軸回りにアンバランスに分散していると、ドラ
ムや外槽が大きく振動し異常騒音が発生してしまう。そ
こで、一般的なドラム式洗濯機では、異常振動を抑制す
るためにドラムを内装する外槽周囲に重錘を取り付けて
いる。このため、従来のドラム式洗濯機は非常に重く、
設置場所が限られると共に移動や運搬も困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するには、脱水を立ち上げる前に(つまり、実質上脱水
が行われるような回転速度までドラムの回転速度を上昇
させる前に)、ドラム内周壁上に洗濯物を適切に分散配
置させて偏心荷重を減らすようなバランス調整を行う必
要がある。このようなバランス調整では、洗いやすすぎ
時に洗濯物が絡み合ってしまっていると、互いに洗濯物
が離れにくいため、適当な分散配置が行いにくいという
問題がある。
【0004】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、脱水立上げ時の洗
濯物のバランス調整を迅速に終了することができる遠心
脱水装置を備えたドラム式洗濯機を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記課題を解決するために成された本発明のドラム式洗濯
機は、 a)内周壁に突出して複数のバッフルを設けたドラムと、 b)該ドラムを回転駆動するモータと、 c)脱水運転の立ち上げ時、ドラムが停止した状態からド
ラム内の洗濯物に作用する遠心力が重力より小さな第一
の回転速度に到達するまでトルクが徐々に増加し、該第
一の回転速度に到達したならば、この第一の回転速度か
洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きくなる第二
の回転速度に到達するまで、先のトルク増加率よりも大
きな増加率でもってトルクが増加するように前記モータ
を制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴として
いる。
【0006】この駆動制御手段は、トルクを増加させる
ために例えばモータへの印加電圧を増加させるものとす
ることができる。駆動制御手段が印加電圧を徐々に増加
させると、始めドラムは回転しないが、トルクが或る値
を越えるとドラムはゆっくりと回転し始める。このとき
ドラム底部に積み重なっていた洗濯物はバッフルにより
ゆっくりと上方に持ち上げられ、ドラム中心側に位置す
る洗濯物から順に振り落とされる。すなわち、ドラムの
回転がゆっくりであることによって洗濯物はかたまった
まま落ちずに、ばらけながら落下する。しかも、洗濯物
がバッフルの上に載って持ち上げられるときには洗濯物
の重量が回転の負荷になって回転速度はきわめて遅く、
洗濯物がバッフル上から落ちると急に回転負荷が軽くな
って回転速度が上昇し、更に次のバッフルの上に洗濯物
が載って持ち上げられるとき回転速度は下がる、という
ように回転速度は変動する。そのため、洗濯物はドラム
の回転に伴いドラム内周壁及びバッフルの傾斜面に沿っ
てばらけながら転動する。この間に、積み重なっていた
洗濯物の上下が入れ替わり、また空気を巻き込むことに
よって各洗濯物の間隙に空気が入り込み、全体が膨らん
だ状態となる。このような状態では、各洗濯物の間隙に
殆ど空気が存在しておらず密着している状態よりも、一
枚一枚の洗濯物が剥がれ易くなっている。
【0007】ドラムの回転速度が第一の回転速度に達
し、トルクの増加率が大きくなるようにモータへの印加
電圧が増加されると、ドラムの回転速度は急速に上昇す
る。ドラムの中心からの距離が大きいほど洗濯物に作用
する遠心力は大きいから、ドラム内周壁面側に位置する
洗濯物は遠心力によって落下しにくく、ドラム中心側に
位置している洗濯物は容易に落下する。先に各洗濯物は
互いに剥がれ易くなっているから、落下する際に洗濯物
は分離しドラム内空間に放り出される。上述のように急
加速されることにより、その洗濯物の落下期間中にドラ
ムの回転速度は更に上昇している。このため、落下時間
の相違により洗濯物はそれぞれ異なる位置に着地し、そ
の着地地点において遠心力によってドラムの内周壁面に
張り付いて回転する。すなわち、急加速前に近接してい
た洗濯物はドラム内周壁面全体にばらけるように分散
し、洗濯物の偏在による偏心荷重は小さくなる。
【0008】
【発明の効果】このように本発明に係るドラム式洗濯機
によれば、当初密着していた洗濯物同士の隙間に空気を
充分に含ませてから分散させているので、洗濯物がドラ
ム内周上に均等に分散する確率が高くなる。このため、
ドラム全体のバランス調整を迅速に終了して脱水運転を
立ち上げることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係るドラム式洗濯機の一実施
例を図面を参照して説明する。図1はこのドラム式洗濯
機の側面断面図である。図1に基づいて本実施例のドラ
ム式洗濯機の構成を説明する。
【0010】外箱1の内部には外槽2がバネ3及びダン
パ4に吊支され、外槽2内部には洗濯物を収容するため
のドラム5が主軸8に軸支されている。外箱1の前面に
は外槽2の前面開口を開閉するドア7が設けられ、洗濯
物はこのドア7を開放してドラム5内部へと収容され
る。ドラム5の周壁には多数の通水孔6が設けられてお
り、外槽2内に給水された水は通水孔6を通してドラム
5内へ流入し、また逆にドラム5内で洗濯物から脱水さ
れた水は通水孔6を通して外槽2へと飛散される。ドラ
ム5の内周には、回転に伴って洗濯物をかき上げるため
のバッフル9が互いに120度の回転角度を保って配設
されている。主軸8は外槽2に装着された軸受10によ
り保持されており、その先端には主プーリ11が取り付
けられている。外槽2の下面にはモータ12が配置さ
れ、モータ12の回転駆動力はモータプーリ13、Vベ
ルト14を介して主プーリ11に伝達される。本実施例
では、モータ12として直流ブラシレスモータが用いら
れている。
【0011】主プーリ11のリング体には開口が円周上
に一箇所設けられており、該リング体を挟んで両側に発
光部と受光部とから成る回転センサ19が配置されてい
る。回転センサ19は、発光部から発した光がドラム5
の一回転期間中に一回だけ上記開口を通過して受光部に
到達し、該受光信号に基づいてドラム5の回転に同期し
た検出信号(回転マーカ)を出力する。なお、光学式の
回転センサ19を用いる代わりに、ドラム5側に磁石を
取り付けると共に、外箱1又は外槽2側に磁力により開
閉するリードスイッチを設け、ドラム一回転期間に一回
だけ導通するリードスイッチにより検出信号を出力する
構成としてもよい。
【0012】外部の水道栓に接続された給水管15は、
給水バルブ16を介して外槽2に接続されている。給水
バルブ16を開放すると、給水管15を通して外槽2に
水が供給される。一方、外槽2底部に連結された排水管
17には排水ポンプ18が設けられ、外槽2内に溜まっ
た水は排水ポンプ18が駆動されることにより外部に排
出される。
【0013】次に、このドラム式洗濯機の要部の電気系
構成を図2を参照して説明する。制御部30はCPU、
ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータを中心に
構成されており、機能的に、中央制御部31、PWM制
御部32、偏心荷重検知部33などを含んでいる。中央
制御部31は脱水行程を進めるための運転プログラムが
予め記憶されたROMを含み、この運転プログラムの遂
行の過程において、所望のドラム回転速度に対応したモ
ータ12の目標回転速度をPWM制御部32に指示す
る。
【0014】モータ駆動部40は直流電圧供給部41と
インバータ回路42とから構成され、PWM制御部32
と共にモータ12の駆動制御手段として機能する。モー
タ12には回転数検出器43が付設され、実際のモータ
12の回転速度に対応した検出信号が制御部30にフィ
ードバックされる。具体的には、回転数検出器43はパ
ルスエンコーダであって、モータ12が所定角度回転す
る毎に一個のパルス信号を発生する構成になっており、
ドラム5が一回転する期間に12個のパルス信号(この
パルス信号を、以下「回転数パルス信号」という)が出
力されるようになっている。図6は、この回転数パルス
信号の一例を示す波形図である。モータ12つまりドラ
ム5の回転速度が高いときには回転数パルス信号の立上
り間隔Pは狭くなり、逆にドラム5の回転速度が低いと
きには該間隔Pは広がる。このように、間隔(以下「回
転数パルス幅」という)Pはモータ12及びドラム5の
回転速度に対応したものとなる。
【0015】図3は図2中のモータ駆動部40の基本構
成図である。図3では、直流電圧供給部41は一定の直
流電圧Vdを発生する直流電源41aとして示してい
る。インバータ回路42は、直流電圧Vdを可変周波数
の交流電圧に変換するための複数のスイッチング素子を
含んでいる。直流ブラシレスモータ12の各巻線はこれ
らスイッチング素子の各ブリッジにそれぞれ接続されて
おり、各スイッチング素子はPWM制御部32からのP
WM制御信号によりオン/オフ駆動される。
【0016】図4はこのPWM制御信号の一例を示す波
形図である。PWM制御信号の一周期の長さW2(ここ
では62パルスユニット)はスイッチング周波数によっ
て定まる固定値であって、PWM制御部32は、目標回
転速度と実際の回転速度との差に応じて「H」レベル時
間W1を1パルスユニット単位で変化させることにより
PWM制御を実行する。すなわち、実際の回転速度が目
標回転速度よりも低く回転速度を上昇させる必要がある
場合には「H」レベル時間W1を広げ、逆に実際の回転
速度が目標回転速度よりも高く回転速度を下降させる必
要がある場合には「H」レベル時間W1を狭める。PW
M制御部32では、回転数検出器43から回転数パルス
信号を得る毎に実際の回転速度を算出し、必要に応じて
PWM制御信号の時間幅W1を修正する。このような制
御によりモータ12の各巻線にはそれぞれ方形波状の電
圧が印加される。なお、以下の説明ではW1/W2をW1
/62で表し、PWMデューティ比と呼ぶこととする。
【0017】偏心荷重検知部33は次のように偏心荷重
を検知している。ドラム5内に収容された洗濯物に作用
する遠心力と重力とが均衡するような回転速度(以下
「均衡回転速度」という)よりも高い回転速度でもって
ドラム5が回転されていると、洗濯物はドラム5の内周
壁面に押し付けられ、ドラム5の回転に伴って回る。い
ま、洗濯物が偏在して偏心荷重が生じている場合、該偏
心荷重が図5の位置Aに示すようにドラム5最低位置を
通過して上方に持ち上げられようとしているときには、
該偏心荷重に作用する重力は回転方向と反対向きにな
る。このため、該重力はドラム5を減速させるように作
用する。一方、偏心荷重が図5の位置Bに示すようにド
ラム5最高位置を通過して下方に運ばれているときに
は、該偏心荷重に作用する重力は回転方向と同一向きに
なる。このため、該重力はドラム5を加速させるように
作用する。
【0018】ドラム5の回転速度が一定に維持されるよ
うに一定の目標回転速度が指示されると、PWM制御部
32はPWM制御信号の時間幅W1(つまりPWMデュ
ーティ比)を変化させてモータ12の回転速度を一定に
維持するように機能する。一方、PWM制御部32がP
WM制御を行わずにPWMデューティ比を一定に維持す
ると、モータ12への印加電圧も一定となり上述のよう
な偏心荷重の影響を受けてドラム5の回転速度は変動す
る。実際には主軸8と軸受15との間の摩擦力の影響な
どもあり、偏心荷重がドラム5最高位置の手前付近に達
したときに回転速度は最も低くなり、偏心荷重がドラム
5最低位置の手前付近に達したときに最も高くなる。回
転数パルス幅Pを縦軸にとって時間経過に従ってプロッ
トすると、図7に示すような関係を示す。図7におい
て、黒丸のプロット点は実際に得られた回転数パルス幅
Pのデータであって、Mは回転センサ19により得られ
る、ドラム5内周上の特定位置に対応して発生する回転
マーカである。
【0019】図7に示すように、回転数パルス幅Pはド
ラム5の回転に同期して変動する。ここで、ドラム5の
一回転期間内で最大の回転数パルス幅Pmaxと最小の回
転数パルス幅Pminとの差αは偏心量を反映している。
或いは、差をとる代わりにPmaxとPminとの比でも同様
である。そこで、予め多数の実験を行って偏心量と差α
(又は比)との対応関係を調べ、それにより例えばテー
ブルを作成して偏心荷重検知部33内のROMに格納し
ておく。偏心荷重の検知処理時に偏心荷重検知部33
は、回転数検出器43より与えられる回転数パルス幅P
のデータを順次RAMに格納し、少なくともドラム5が
一回転する期間のデータが収集された時点で最大回転数
パルス幅Pmax及び最小回転数パルス幅Pminを見つけ
る。そして差αを算出し、上記テーブルを参照して偏心
量を取得する。
【0020】本実施例のドラム式洗濯機では、洗い運転
終了後又はすすぎ運転終了後に排水ポンプ18により外
槽2内に溜まっている水を排出した後、脱水運転の行程
の始めに次のような洗濯物の分散処理を実行する。図8
は、脱水運転の立上げ時の処理のフローチャートであ
る。なお、以下の説明では、ドラム5の径を460mm
としたときの数値を例に挙げているが、ドラム径が相違
する場合には各回転速度等の数値を適宜変更することに
より対応可能であることは明白である。
【0021】脱水運転の開始直前には、全ての洗濯物は
充分に水を含んだ状態にあり、図10(a)に示すよう
にドラム5の底部に絡み合って積み重なっている。ま
ず、PWM制御部32はPWMデューティ比を4/62
に設定し、これに対応した電圧がモータ12に印加され
るようにモータ駆動部40を制御する(ステップS
1)。その後、中央制御部31は、0.4秒が経過した
か否かを判定し(ステップS2)、0.4秒が経過した
ならば、回転数検出器43により得られる回転数パルス
信号によりドラム5の回転速度が45rpmに到達した
か否かを判定する(ステップS3)。ドラム5の回転速
度が45rpmに到達していないと判定されると、PW
M制御部32はPWMデューティ比を1/62だけ増加
し、これに対応した電圧がモータ12に印加されるよう
にモータ駆動部40を制御する(ステップS4)。すな
わち、ステップS1〜S4の処理により、当初は、ドラ
ム5内に洗濯物が少しでも収容されているとドラム5が
回転し始めない程度の低い電圧がモータ12に印加さ
れ、ドラム5の回転速度が45rpmに達するまで徐々
に印加電圧は増加される。
【0022】モータ12が停止した状態から始動される
ときには、通常、大きなトルクを必要とする。図10
(a)に示すように洗濯物が積層している場合、ドラム
5が僅かに回転し始めたとしても、図10(b)に示す
ように積層している洗濯物がバッフル9の上に載り、そ
の洗濯物に作用する重量が回転を妨げる方向に働く。こ
のため、ドラム5が回転を続けるには更に大きなトルク
を与えなければならず、印加電圧を増加せざるを得な
い。ドラム5が更に回転すると、図10(c)に示すよ
うにバッフル9の上に載っていた洗濯物のうち、ドラム
中心側に近い位置に在る洗濯物がバッフル9を乗り越え
て滑り落ちる。すると、急に負荷が軽くなってドラム5
の回転速度は速まり、図10(d)に示すように他の洗
濯物も引き続いて落下する。落下した洗濯物はドラム5
内周壁に沿って転動し、次のバッフル9の上に載ると再
び回転負荷が大きくなって回転速度が落ちる。このた
め、トルクが充分に高くないと、45rpmまで回転速
度は上昇せず、洗濯物は図11(a)中に1点鎖線で示
すようにドラム5の内周壁面及びバッフル9の両傾斜面
に沿って転動する(但し実際には、洗濯物はドラム5底
部付近に位置し続け、ドラム5自体が回転している)。
【0023】図10(b)、(c)、(d)に示すよう
に、洗濯物はバッフル9上からばらけながら落ちるた
め、洗濯物同士の間に空気を巻き込み易い。また、洗濯
物の上下(つまりドラム5内周壁への密着面と中心側へ
向いた面)が入れ替わる。これによって、洗濯物の隙間
に空気が入り込んで洗濯物全体が膨らみ、一枚一枚の洗
濯物が剥がれ易くなる。例えば、単純に或る一定回転速
度でもってドラム5を回転させた場合には、洗濯物全体
がかたまったまま転動するので洗濯物同士の隙間に空気
が入り込みにくいが、この実施例の洗濯機では上述のよ
うに、ごく低速で且つ回転速度が変動することによっ
て、1乃至数回転の間に洗濯物が空気を含んで互いに離
れ易くなる。
【0024】ドラム5の回転速度が45rpmに達した
ならば、中央制御部31はそのときのPWMデューティ
比をA1としてメモリに記憶する(ステップS5)。そ
の後、0.2秒が経過したか否かを判定し(ステップS
6)、0.2秒が経過したならばドラム5の回転速度が
65rpmに到達したか否かを判定する(ステップS
7)。65rpmに到達していない場合には、PWM制
御部32はPWMデューティ比を1/62だけ増加し、
これに対応した電圧がモータ12に印加されるようにモ
ータ駆動部40を制御し(ステップS8)ステップS6
へ戻る。つまり、ステップS6→S7→S8→S6→…
なる処理の繰返しでは0.2秒毎にPWMデューティ比
が1/62ずつ増加されるので、先のステップS2→S
3→S4→S2→…なる処理の繰返しのときよりもモー
タ12への印加電圧の増加率は大きくなる。また、この
洗濯機では、ドラム5内の洗濯物に作用する遠心力と重
力とが均衡する均衡回転速度は60〜65rpmである
から、ドラム5の回転速度が45rpmから65rpm
に上昇する過程で、ちょうどこの均衡回転速度を通過す
る。
【0025】図9は上述の制御によるドラム5の回転速
度の変化の一例を示すグラフである。但しこのグラフに
は、ドラム5がごく低速で回転する際の回転変動などの
細かい速度変動は反映されていない。図9に示すよう
に、ドラム5の回転速度は始めは低速であるが、45r
pmに達すると上述のような制御によりモータ12への
印加電圧の増加率が大きくなるので、回転速度は急速に
立ち上がる。洗濯物に作用する遠心力はドラム5の中心
からの距離に依存し、外側つまり洗濯物がドラム5内周
壁面側に位置しているほど大きくなる。そのため、ドラ
ム5の回転速度を45rpmから65rpmまで上昇す
るとき、始め、ドラム5内周壁面側に位置している洗濯
物は遠心力によってその位置に留まろうとし、一方ドラ
ム5の中心側に位置する洗濯物は遠心力が弱いために落
下しようとする。このとき、先に各洗濯物の間には空気
が入って互いに剥がれ易くなっているため、かたまった
ままでなく各洗濯物毎に分離するように落下する。
【0026】すなわち、図11(b)に示すように、積
み重なっていた洗濯物の中でドラム5の中心側に位置し
ていた各洗濯物は回転後方に放り投げられるように落下
する。これら洗濯物が空中に在る間にもドラム5の回転
速度は上昇するから、図11(c)に示すように、たと
えほぼ同時に落下を開始した洗濯物でも落下時間が短い
ものほど元の位置に近いドラム5内周壁上に落下する。
そして、これらの洗濯物が落下した時点では既に各洗濯
物に作用する遠心力によってドラム5内周壁に充分に張
り付くような回転速度に達しているため、図11(d)
に示すようにドラム5内周壁全体に広がった状態で張り
付く。これにより、洗濯物はドラム5内周壁上に適切に
分散配置される。
【0027】ドラム5の回転速度が65rpmに到達し
たならば、PWM制御部32は目標回転速度を80rp
mとしてPWMデューティ比を制御する(ステップS
9)。その後、ドラム5の回転速度が80〜90rpm
程度になるようにPWMデューティ比を固定し、そのと
きの回転数検知器43から得られる回転数パルス信号に
より偏心荷重検知部33は上述のように偏心量を検知す
る(ステップS10)。そして、その偏心量が予め定め
た許容値以下であるか否かを判定する(ステップS1
1)。
【0028】もし偏心量が許容値を越えていたならば、
そのままドラム5の回転速度を上昇させると異常振動が
生じる可能性があるから、ドラム5の回転を一旦停止さ
せ(ステップS12)、先にメモリに記憶しておいたA
1から5/62を減じた値をPWMデューティ比に設定
し、これに対応した電圧がモータ12に印加されるよう
にモータ駆動部40を制御する(ステップS13)。こ
こで変数A1は先にドラム5の回転速度が45rpmま
で上昇したときの印加電圧に対応するデューティ比であ
るから、その値よりも5/62に相当する分だけ低い電
圧から徐々に電圧を上昇させることになる。通常、この
ときの電圧は4/62なるデューティ比に対応する電圧
よりも高いから、これにより、無駄に低い印加電圧から
再始動を開始することがなく、再始動時のステップS2
〜S4のルーチンの繰返しを減らすことができる。この
ため、時間が節約できると共に見かけ上もドラム5の始
動がスムーズになる。
【0029】一方、ステップS11にて偏心量が許容値
以下である場合には、高速脱水運転を行うべく更に回転
速度を上昇させる。本実施例のドラム式洗濯機は、ステ
ップS1〜S4の処理による回転制御と、ステップS6
〜S8の処理による回転制御とにより洗濯物が適切に分
散される可能性が高いので、ステップS11において偏
心量が許容値以下に収まる確率が高くなる。
【0030】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかで
ある。例えば、上記実施例はドラムの駆動源として直流
ブラシレスモータを使用し、これをPWM制御する構成
としているが、ドラムの駆動源として誘導モータを使用
し、いわゆる位相制御する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるドラム式洗濯機の側
面断面図。
【図2】 本実施例のドラム式洗濯機の要部の電気系構
成図。
【図3】 モータ駆動部の基本構成図。
【図4】 PWM制御信号の一例を示す波形図。
【図5】 ドラム内の偏心荷重に作用する力の関係を示
す模式図。
【図6】 回転数検出器から得られる回転数パルス信号
の一例を示す波形図。
【図7】 偏心荷重が存在する場合の回転数パルス幅の
変動を示すグラフ。
【図8】 脱水運転立上げ時のフローチャート。
【図9】 本実施例の制御によるドラム5の回転速度の
変化の一例を示すグラフ。
【図10】 ドラム内部の洗濯物の移動状態を示す模式
図。
【図11】 ドラム内部の洗濯物の移動状態を示す模式
図。
【符号の説明】
2…外槽 5…ドラム 12…モータ 19…回転センサ 30…制御部 31…中央制御部 32…PWM制御部 33…偏心荷重検知部 34…負荷量検知部 40…モータ駆動部 41…直流電圧供給部 42…インバータ回路 43…回転数検出器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 49/04 D06F 23/02 D06F 49/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)内周壁に突出して複数のバッフルを設け
    たドラムと、 b)該ドラムを回転駆動するモータと、 c)脱水運転の立ち上げ時、ドラムが停止した状態からド
    ラム内の洗濯物に作用する遠心力が重力より小さな第一
    の回転速度に到達するまでトルクが徐々に増加し、該第
    一の回転速度に到達したならば、この第一の回転速度か
    洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きくなる第二
    の回転速度に到達するまで、先のトルク増加率よりも大
    きな増加率でもってトルクが増加するように前記モータ
    を制御する駆動制御手段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 【請求項2】前記駆動制御手段は、トルクを増加させる
    ために前記モータへの印加電圧を増加させることを特徴
    とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
JP33756698A 1998-11-27 1998-11-27 ドラム式洗濯機 Expired - Fee Related JP3423231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33756698A JP3423231B2 (ja) 1998-11-27 1998-11-27 ドラム式洗濯機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33756698A JP3423231B2 (ja) 1998-11-27 1998-11-27 ドラム式洗濯機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000157789A JP2000157789A (ja) 2000-06-13
JP3423231B2 true JP3423231B2 (ja) 2003-07-07

Family

ID=18309859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33756698A Expired - Fee Related JP3423231B2 (ja) 1998-11-27 1998-11-27 ドラム式洗濯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3423231B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100477113B1 (ko) * 2002-07-09 2005-03-17 삼성전자주식회사 워블링 세탁기의 제어방법
CN110552164B (zh) * 2018-06-04 2022-03-04 无锡小天鹅电器有限公司 偏心感知方法及偏心感知装置、存储介质、波轮洗衣机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000157789A (ja) 2000-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6029300A (en) Spin extractor
EP2188430B1 (en) Laundry machine and method of controlling the same
EP1164217B1 (en) Drum type drying/washing machine
JP4058029B2 (ja) 洗濯機およびその制御方法
US20050283919A1 (en) Method for controlling spinning in drum-type washing machine
JP2001276469A (ja) ドラム式洗濯機
KR20050105730A (ko) 드럼세탁기 및 그 제어방법
JP3857803B2 (ja) ドラム式遠心脱水装置
JP2001062189A (ja) 洗濯機及び洗濯機の振動検知装置
JP3423231B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP3555818B2 (ja) ドラム式回転処理装置
JP2000157788A (ja) ドラム式洗濯機
JPH11164987A (ja) ドラム式洗濯機
JP3536565B2 (ja) 洗濯機
JP2005348804A (ja) ドラム式洗濯機
JP2000140481A (ja) ドラム式洗濯機
KR101074702B1 (ko) 드럼세탁기의 밸런스 탈수 방법
JP2000157778A (ja) ドラム式洗濯機
KR101073500B1 (ko) 드럼 세탁기
JPH1176688A (ja) 遠心脱水装置
KR100719843B1 (ko) 기울어진 세탁기의 탈수 제어방법
JPH11164991A (ja) 遠心脱水装置
JP3869542B2 (ja) 遠心脱水装置
WO2023111968A1 (en) Improvements relating to laundry apparatus and/or their control
JPH11244593A (ja) ドラム式遠心脱水装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees