JPH1176688A - 遠心脱水装置 - Google Patents

遠心脱水装置

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JPH1176688A
JPH1176688A JP9268190A JP26819097A JPH1176688A JP H1176688 A JPH1176688 A JP H1176688A JP 9268190 A JP9268190 A JP 9268190A JP 26819097 A JP26819097 A JP 26819097A JP H1176688 A JPH1176688 A JP H1176688A
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JP
Japan
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drum
water
liquid
eccentric
laundry
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Pending
Application number
JP9268190A
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English (en)
Inventor
Mitsunori Niimura
光則 新村
Kunioki Honda
国興 本田
Tetsuo Harada
哲夫 原田
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱水による洗濯物の重量変化時にも振動を抑
制する。 【解決手段】 バッフルの1個に設けた水バランサ10
と、通孔16、19を介して連通する第1、第2バラン
ス室15、18を主軸8に対し同心円の環状に設ける。
洗濯物の偏在に起因する偏心荷重とバランス調整がなさ
れるように水案内室11を介して水バランサ10に水を
導入し、偏心量が小さくなったならば注水を停止し高速
脱水回転に移行する。脱水により洗濯物の重量が減少す
るに伴い、水バランサ10内の水は第1、第2バランス
室15、18内に移行し、水バランサ10の重量が減少
するとともに、第1、第2バランス室15、18内の水
はドラム5の首振りを抑制するように作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、籠状のドラム内に
洗濯物を収容し、該ドラムを水平軸を中心に高速で回転
させることによって洗濯物の脱水を実行する遠心脱水装
置に関する。なお、本明細書では、洗浄用溶剤の脱液も
含めて「脱水」と呼ぶこととする。
【0002】
【従来の技術】ドラム式の遠心脱水装置における大きな
問題点の1つは、脱水時に洗濯物がドラムの内周壁面に
均等に分散していない状態でドラムを高速回転させる
と、回転軸回りの質量分布のアンバランスによって異常
振動や異常騒音が発生することである。このような問題
に対し、本出願人は、特願平8−354520号等にて
新規のバランス調整機構を備えた遠心脱水装置を提案し
ている。すなわち、ドラムの内周壁面上の一部(具体的
にはバッフルの1個)に水を保持可能なポケット状の液
体保持部を設け、ドラムと一体に回転する液体案内室を
介して液体保持部に液体を注入するための液体注入手段
を備える。ドラムに収容された洗濯物に起因する偏心荷
重が液体保持部と約180°対向するドラム内周上に在
る場合、その偏心荷重と釣り合うような量の水を液体保
持部に注入することにより、ドラム全体のバランス調整
を行なって脱水時の振動を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の遠心脱水装
置では、特に吸水量の多い洗濯物がドラム内に収容され
ていると、脱水前の状態で洗濯物とバランスがとれるよ
うに液体保持部に適切な量の液体を注入しても、脱水が
進行して洗濯物の重量が減少するに従いアンバランスに
なる可能性がある。このため、脱水が進行すると振動が
徐々に大きくなる恐れがあり、例えば高速脱水の最高回
転速度を低めに抑えたり脱水時間を短めにしたりする等
の対応が必要となることがある。
【0004】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、上記の如き液
体保持部を備えた遠心脱水装置において、脱水の進行に
よる洗濯物の重量の減少時にも適切なバランスを維持す
ることができる遠心脱水装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、籠状のドラム内に洗濯物を収容
し、該ドラムを水平軸を中心に回転させることによって
洗濯物の脱水を行なう遠心脱水装置において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の液体保持部と、 b)該液体保持部と小孔を介して連通し、遠心力により内
部に液体を保持可能な、ドラム外周側に環状に設けたバ
ランス室と、 c)ドラム回転中に前記液体保持部内に液体を注入するた
めの液体注入手段と、 d)洗濯物の偏在に起因する偏心荷重と釣り合うように前
記液体保持部に液体を注入すべく前記液体注入手段を制
御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】また、前記制御手段は、洗濯物に作用する
遠心力が重力に勝るような回転速度でドラムが回転され
ているときに該ドラムの偏心量及び偏心位置を検出する
偏心荷重検出手段と、前記液体保持部に水が導入される
以前に該偏心荷重検出手段により検出された偏心位置が
ドラム内周上で前記液体保持部に対向する位置近傍であ
るか否かを判定する偏心荷重判定手段と、該偏心位置が
液体保持部の対向位置近傍であると判定されたとき、前
記偏心荷重検出手段により検出される偏心量が所定値以
下になるまで前記液体注入手段を駆動する注入制御手段
とから成る構成とすることができる。
【0007】また、前記バランス室を設ける位置は、水
平軸に対し略同心円でありさえすれば適当な箇所とする
ことができるが、後記の理由により、少なくともドラム
の前面及び後面の2箇所に設けることが好ましい。
【0008】なお、バランス室内に溜まった液体は次の
脱水開始時にはできるだけ排出しておくことが好まし
い。そこで、前記バランス室には内周側に略同心円状に
排水用の開口を設けるとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る遠心脱水装置では、
液体保持部に液体(例えば水)が導入されない状態では
ドラム自体は偏心荷重を有しておらず、液体保持部に液
体が導入されると、その量に応じてドラム自体が偏心荷
重を有する。制御手段は、洗濯物の偏在に起因する偏心
荷重がドラムに存在し且つ液体保持部への液体の注入に
よりバランス調整が可能である場合には、ドラム回転中
に液体注入手段により液体保持部に液体を注入し、ドラ
ム全体の偏心量が小さくなるようにする。これにより、
偏心荷重が解消され、高速脱水回転に移行することがで
きる。
【0010】液体保持部へと注入された液体は小孔を通
して少しずつバランス室に流れ込み、遠心力によりバラ
ンス室の外周側に張り付く。すなわち、高速脱水回転に
より洗濯物の脱水が進行して重量が減少するとともに、
液体保持部内の液体の重量も減少する一方、バランス室
内の液体の量が増加する。バランス室内の液体は略同心
円上を自由に移動するので、洗濯物の重量減少と液体保
持部の重量減少とがアンバランスであっても、ドラムの
首振り振動を抑制しようとする側にバランス室内の液体
は集中する。このため、脱水により洗濯物の重量が減少
してもドラムの振動は抑えられる。
【0011】ところで、液体保持部に適切な量の液体を
注入することによりドラムのバランス調整を確実に行な
うには、まず、ドラムが洗濯物の偏在による偏心荷重の
みを有する状態において、偏心荷重検出手段がその偏心
荷重の大きさと位置とを検出する。検出された偏心位置
が液体保持部の対向位置近傍であると判定された場合に
は、注入制御手段は液体注入手段を駆動して液体保持部
への液体の注入を開始する。偏心荷重検出手段はこの注
入中にも偏心荷重を継続して検出し、偏心量が所定値以
下になったならば注入を停止する。これにより、洗濯物
の偏在に起因する偏心荷重が(少なくとも脱水立上げ前
には)解消されるので、高速脱水回転に移行することが
できる。
【0012】また、ドラムは水平軸により軸支されてい
るから、偏心荷重によりドラムを首振りしようとする力
が作用するとき、ドラム前面と後面とではその振動振幅
が相違する。そこで、ドラムの前面と後面とに独立にバ
ランス室を設けると、それぞれのバランス室内で液体が
適当に偏り、ドラムの首振り振動がより確実に抑制され
る。
【0013】また、バランス室の内周側に略同心円状に
排水用の開口が設けられていると、ドラムがいずれの回
転位置で停止してもバランス室内の殆どの液体を外部に
排出することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る遠心脱水装置によれば、洗
濯物の偏在に起因する偏心荷重と液体保持部に注入する
液体との釣合によりドラムのバランス調整が行なわれた
後に、液体保持部に注入された液体は徐々に環状のバラ
ンス室に移動する。これにより高速脱水時には、液体保
持部自体の重量が減少するとともに、バランス室に移動
した液体は振動を抑制する、いわゆる流体バランサとし
て機能する。このため、脱水の進行により洗濯物の重量
が減少しても、ドラムの振動を確実に抑えることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る遠心脱水装置を備えるド
ラム式洗濯機の一実施例を図1〜図8により説明する。
図1は本実施例のドラム式洗濯機の側面断面図、図2は
背面透視図である。
【0016】フレーム1の内部には外槽2がバネ3及び
ダンパ4に吊支され、外槽2内には洗濯物を収容するた
めのドラム5が主軸8に軸支されている。フレーム1の
前面には、外槽2の前面開口を開閉するドア7が設けら
れ、洗濯物はこのドア7を開放してドラム5内へと収容
される。ドラム5の周壁には多数の通水孔6が開口して
おり、外槽2に供給された水は通水孔6を通してドラム
5内へ流入し、また逆にドラム5内で洗濯物から脱水さ
れた水は通水孔6を通して外槽2へ飛散される。ドラム
5の内周壁には、回転に伴って洗濯物をかき上げるため
のバッフル9が互いに回転角120°離れて3個設けら
れている。その3個のバッフル9の内の1個は、その内
部に水を保持可能な水バランサ10を兼ねている。ドラ
ム5の背面には、主軸8を中心にした円周の内周側に大
きな注水開口12を有する略円盤形状の水案内室11が
設けられている。水案内室11には、ドラム5側に水バ
ランサ10と連通する注水孔13が形成される一方、主
軸8を挟んで注水孔13と略180°対向する部分の外
槽2側に排水孔14が形成されている。
【0017】ドラム5の前面開口の周囲には、内周側が
リング状の排水開口17となっている環状の第1バラン
ス室15が形成されており、この第1バランス室15は
小径の通孔16により水バランサ10と連通している。
一方、ドラム5後面の水案内室11の外周側には環状の
第2バランス室18が形成されており、この第2バラン
ス室18は小径の通孔19により水バランサ10と連通
するとともに、内周側には外槽2に向かってリング状の
排水開口20が形成されている。
【0018】主軸8は外槽2に装着された軸受21によ
り保持されており、主軸8の先端には主プーリ22が取
り付けられている。外槽2の下側にはモータ23が配置
され、モータ23の回転駆動力はモータプーリ24、V
ベルト25を介して主プーリ22に伝達される。外部の
水道栓等から給水口26に供給された水は、給水バルブ
27を介して外槽2内へ注水されるとともに、バランス
調整用注水バルブ28を介して注水ノズル29より放出
される。一方、外槽2底部に連結された排水管30には
排水ポンプ31が設けられ、外槽2内に溜まった水は排
水ポンプ31が駆動されることにより外部に排出され
る。
【0019】次に、本実施例のドラム式洗濯機の電気系
構成を図3により説明する。全体の制御を司る制御部4
0はCPUを中心とするマイクロコンピュータ等から構
成されており、制御部40に含まれるROMには、洗
い、すすぎ及び脱水等の各洗濯行程を進めるための運転
プログラムが予め記憶されている。制御部40には上述
の給水バルブ27等のほかに、操作部53、モータ駆動
部50、モータ電流検出部52等が接続されている。
【0020】制御部40は、機能的に回転速度制御部4
1及び偏心荷重検出部42を含んでいる。回転速度制御
部41はモータ駆動部50とともに、モータ23を所望
の回転速度で回転させるように動作する。モータ23と
して誘導機モータ、整流子モータ等、位相制御により回
転速度が制御されるモータを使用する場合、回転速度制
御部41は目標回転速度とモータ23に付設された回転
速度検出器から受け取った現時点での回転速度の情報と
に基づき位相制御角を算出してモータ駆動部50に与え
る。モータ駆動部50はトライアック等のスイッチング
素子を含み、与えられた位相制御角に応じて商用電源電
力の一周期の正弦波波形の一部を導通させて駆動電力と
してモータ23に供給する。
【0021】モータ電流検出部52はモータ23に流れ
る駆動電流を検出し、電圧値に変換して偏心荷重検出部
42に与える。図4は、モータ電流中のトルク電流成分
の変動の一例を示す波形図である。図中、回転マーカー
は、ドラム5に付設された回転センサ51により得られ
るドラム5の一回転周期を示すマーカー信号である。ド
ラム5に偏心荷重が存在していると、図4に示すように
トルク電流成分はその偏心荷重に応じて周期的に変動す
る。この変動は負荷トルクの変動に対応したものであ
り、その最大値Vmaxはドラム一回転期間内で負荷トル
クが最大になるときに現われる。また、最大値Vmaxと
最小値Vminの差(変動振幅)は偏心量に対応してい
る。そこで、予めこの変動振幅と偏心量との対応関係を
調べて記憶しておくことにより、変動振幅から偏心量を
得ることができる。
【0022】具体的には、偏心荷重検出部42は、図4
に示すような波形が入力されると、回転マーカーの間隔
毎つまりドラム一回転期間毎に最大値Vmax及び最小値
Vminを検出する。そして、その最大値Vmaxと最小値V
minとの差を算出し、記憶している上記対応関係を参照
して偏心量を得る。また、最大値Vmaxの出現するタイ
ミング(例えば直前の回転マーカーからの遅延時間又は
角度)によりドラム5内周壁面上での偏心位置を検知す
る。
【0023】続いて、上記構成のドラム式洗濯機におけ
る脱水運転時の処理制御を図5のフローチャート及び図
6〜図8により説明する。図6及び図7はドラム5の側
面端面図により水案内室11、水バランサ10、第1及
び第2バランス室15、18内部の水の移動状態を示し
た模式図、図8はドラム5の正面図により水の移動状態
を示した模式図である。以下の説明では、ドラム5の径
を470mmとしたときの数値を例に挙げているが、ド
ラム径が相違する場合には各回転速度の数値を適宜変更
することにより対応可能であることは明白である。
【0024】洗い又はすすぎが終了すると、洗い又はす
すぎ中に水バランサ10内に溜まった水を排出するた
め、制御部40は、水バランサ10がドラム5最高位置
近傍にくるようにドラム5の回転を制御した後に電磁ブ
レーキをかけてドラム5を停止させ、所定時間ドラム5
の姿勢を保持する(ステップS10)。図6(a)に示
すように、水バランサ10がドラム5の最高位置に保持
されるとき、排水孔14はドラム5の最低位置に在る。
水バランサ10内の水には遠心力が作用しないので、そ
の水は注水孔13を通って水案内室11へ流れ出る。そ
して、水案内室11の底部に溜まった水は、排水孔14
を通って外槽2へ流れ出る。注水孔13や排水孔14の
開口面積は小さいが、水バランサ10を上記位置に保っ
て所定時間経過すれば、水バランサ10及び水案内室1
1内の水は全て外槽2に排出される。また、第1、第2
バランス室15、18内に溜まっていた水は、それぞれ
排水開口17、20を介して排出される。第1、第2バ
ランス室15、18の底部には若干の水が残るが、僅か
であって後述のバランス調整に殆ど影響はない。
【0025】次に制御部40は、ドラム5内の底部に積
み重なった状態にある洗濯物をほぐすために洗濯物のほ
ぐし運転を実行する(ステップS11)。ほぐし運転で
は、ドラム5は洗濯物に作用する遠心力が重力よりも小
さい範囲(例えば洗い行程時の回転速度約55rpm程
度)で左右に複数回反転回転される。すると、ドラム5
の回転に伴って洗濯物が攪拌され、絡み合っていた洗濯
物がほぐれ、一枚一枚の洗濯物が互いに離れ易くなる。
【0026】このようなほぐし運転を行なった後、水バ
ランサ10がドラム5最高位置に停止した状態からその
回転速度を急速に立ち上げる。そして、洗濯物に作用す
る遠心力と重力とが均衡する回転速度よりも速いが共振
を生じる回転速度(約200rpm)よりは遅い回転速
度(例えば約130rpm)程度までドラム5の回転速
度を上昇させ、回転速度を一定に保つ。このとき、全て
の洗濯物は遠心力によりドラム5の内周壁面に押し付け
られた状態で回転するので、偏心荷重検出部42は、前
述のようにモータ電流検出部52により検出されたモー
タ電流の変動成分に基づいて偏心荷重を検出する(ステ
ップS12)。
【0027】次に、制御部40は偏心量が許容値以下で
あるか否かを判定する(ステップS13)。この許容値
は、ドラム5を高速脱水回転させたときに生じる外槽2
又はフレーム1の振動振幅の許容値に基づいて予め設定
される。従って、偏心量が許容値以下である場合にはそ
のまま高速脱水回転を行なっても振動が少ないと判断し
後述のステップS19へ進む。
【0028】ステップS13にて偏心量が許容値を越え
ていると判定されると、次に偏心位置が水バランサ10
に180°対向する位置近傍の所定範囲内であるか否か
を判定する(ステップS14)。偏心位置が所定範囲内
でないと判定されるとステップS11へ戻り、再びほぐ
し運転を実行する。
【0029】ステップS14にて偏心位置が所定範囲内
であると判定されると、更に偏心量が水バランサ10へ
の注水によりバランス調整が可能な所定値以下であるか
否かを判定する(ステップS15)。ここで、偏心量が
所定値を越えている場合には水バランサ10を用いたバ
ランス調整は不可能であるから、ステップS11へ戻り
ほぐし運転を実行する。
【0030】ステップS15にて偏心量が所定値以下で
あると判定されると、制御部40はバランス調整用注水
バルブ28を開放して注水ノズル29からの放水を開始
する(ステップS16)。図6(b)に示すように、ド
ラム5が所定の回転速度以上で回転しているときに注水
ノズル29から水が放出されると、放出された水は注水
開口12を介して水案内室11に入り、ドラム5の外壁
面を伝わる等しつつ遠心力により外周壁側へ移動する。
なお、注水開口12は大きな面積であるため、水圧のば
らつき等により注水ノズル29から放出された水の落下
方向がばらついても、水の大部分は確実に水案内室11
に入る。
【0031】水案内室11の外周側には注水孔13が開
口しており、注水孔13により連通している水バランサ
10は主軸8に対し更に外周側に広がる中空体となって
いるから、図7(a)に示すように、注水された水は注
水孔13を通って水バランサ10内に入り、遠心力によ
り水バランサ10内の外周壁側に張り付く。なお、水案
内室11の外周側には排水孔14も開口しており、この
排水孔14を通して水案内室11から外槽2へ水が逃げ
るが、その排水量は水案内室11に注水される水の量に
比較して極めて小さいので影響は軽微である。
【0032】このように注水が行なわれている間にも、
偏心荷重検出部42は偏心量を連続的に検出する。ドラ
ム5内の洗濯物は遠心力により完全にその内周壁面に押
し付けられた状態で回転し、水バランサ10内の水の量
は徐々に増え重量が増加してゆくから、図4に示したよ
うなモータ電流の変動振幅は次第に小さくなる。そこ
で、制御部40は偏心量が許容値以下になったと判定す
ると(ステップS17)、バランス調整用注水バルブ2
8を閉鎖する(ステップS18)。これにより、水バラ
ンサ10内の水の増加は停止する。このとき、図8
(a)に示すように、洗濯物の偏在による偏心荷重と水
バランサ10内の水との釣合により、ドラム5全体の偏
心量は小さくなっている。
【0033】以上のようにバランス調整が終了したなら
ば、ドラム5の回転速度を徐々に上昇させて高速脱水を
立ち上げる(ステップS19)。このときのドラム5の
回転速度は一般に1000rpm程度とすることができ
るが、布傷みを生じ易い衣類を保護するためには、使用
者によって指定された脱水モードに応じた値に制限する
ことが好ましい。ドラム5の回転速度は共振点である約
200rpmを通過し、更に上昇を続ける。この時点で
はドラム5のバランスはとれているので、振動は殆ど発
生しない。
【0034】ドラム5の回転速度が上昇するに従い、水
バランサ10内に保持されている水に作用する遠心力も
一層強まる。時間が経過するに伴い、図7(b)に示す
ように、水バランサ10内の水は通孔16、19を介し
て第1、第2バランス室15、18へ少しずつ流れ込
み、遠心力により第1、第2バランス室15、18の外
周側に張り付いて保持される。
【0035】第1、第2バランス室15、18は主軸8
に対しほぼ同心円の環状構造であるため、ドラム5が偏
心荷重による首振り振動をしないときには遠心力により
全体にほぼ均等に外周側に張り付いている。脱水が進み
洗濯物から水が飛散してその重量が減少したとき、もし
第1、第2バランス室15、18が備えられていないと
すると、図8(b)に示すように、洗濯物による偏心量
よりも水バランサ10の重量の方が大きくなって図中の
矢印の方向に首振りの力が作用する。これに対し、本実
施例のドラム式洗濯機では、脱水が進むに伴い、水バラ
ンサ10内の水量が減少する一方、第1、第2バランス
室15、18内で自由に移動する水量が増加する。そし
て、この第1、第2バランス室15、18内の水は、図
8(c)に示すように、ドラム5の首振り振動に対して
それを抑制する側に集まる。このため、洗濯物の重量が
減少してもドラム5の首振り振動が抑えられる。
【0036】なお、上記実施例では、第1、第2バラン
ス室15、18内の水を排出するためにリング状の排水
開口17、20を設けているが、その代わりに外周側の
適宜の位置にごく小径の排水孔を設けるようにしてもよ
い。このような排水孔では、高速脱水中にごく僅かずつ
水が外部に逃げるが、バランス室15、18内に溜まっ
た水を完全に外部に排出できるという利点がある。
【0037】また、上記実施例はドラム式洗濯機につい
て説明したが、本発明が石油系溶剤等を使用したドライ
クリーナに適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による遠心脱水装置を備えた
ドラム式洗濯機の側面断面図。
【図2】 図1の洗濯機の要部の背面透視図。
【図3】 本実施例のドラム式洗濯機の電気系構成図。
【図4】 偏心荷重の影響によるモータ電流の変動の一
例を示す波形図。
【図5】 本実施例のドラム式洗濯機の脱水運転時の制
御動作を示すフローチャート。
【図6】 本実施例のドラム式洗濯機における水バラン
サ及びバランス室内の水の移動状況を示す模式図。
【図7】 本実施例のドラム式洗濯機における水バラン
サ及びバランス室内の水の移動状況を示す模式図。
【図8】 本実施例のドラム式洗濯機における水バラン
サ及びバランス室内の水の移動状況を示す模式図。
【符号の説明】 5…ドラム 10…水バラン
サ 11…水案内室 12…注水開口 13…注水孔 14…排水孔 15、18…バランス室 16、19…通
孔 17、20…排水開口 23…モータ 28…バランス調整用注水バルブ 29…注水ノズ
ル 40…制御部 41…回転速度制御部 42…偏心荷重
検出部 50…モータ駆動部 51…回転セン
サ 52…モータ電流検出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籠状のドラム内に洗濯物を収容し、該ド
    ラムを水平軸を中心に回転させることによって洗濯物の
    脱水を行なう遠心脱水装置において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の液体保持部と、 b)該液体保持部と小孔を介して連通し、遠心力により内
    部に液体を保持可能な、ドラム外周側に環状に設けたバ
    ランス室と、 c)ドラム回転中に前記液体保持部内に液体を注入するた
    めの液体注入手段と、 d)洗濯物の偏在に起因する偏心荷重と釣り合うように前
    記液体保持部に液体を注入すべく前記液体注入手段を制
    御する制御手段と、 を備えることを特徴する遠心脱水装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、洗濯物に作用する遠心
    力が重力に勝るような回転速度でドラムが回転されてい
    るときに該ドラムの偏心量及び偏心位置を検出する偏心
    荷重検出手段と、前記液体保持部に水が導入される以前
    に該偏心荷重検出手段により検出された偏心位置がドラ
    ム内周上で前記液体保持部に対向する位置近傍であるか
    否かを判定する偏心荷重判定手段と、該偏心位置が液体
    保持部の対向位置近傍であると判定されたとき、前記偏
    心荷重検出手段により検出される偏心量が所定値以下に
    なるまで前記液体注入手段を駆動する注入制御手段とか
    ら成ることを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水装
    置。
  3. 【請求項3】 前記バランス室は、少なくともドラムの
    前面及び後面の2箇所に設けることを特徴とする請求項
    2に記載の遠心脱水装置。
  4. 【請求項4】 前記バランス室には、内周側に略同心円
    状に排水用の開口を設けることを特徴とする請求項2に
    記載の遠心脱水装置。
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