JP3188231B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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JP3188231B2
JP3188231B2 JP33098897A JP33098897A JP3188231B2 JP 3188231 B2 JP3188231 B2 JP 3188231B2 JP 33098897 A JP33098897 A JP 33098897A JP 33098897 A JP33098897 A JP 33098897A JP 3188231 B2 JP3188231 B2 JP 3188231B2
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗い、すすぎ及び
脱水の一連の洗濯行程を実行するドラム式洗濯機に関
し、特に洗い又は複数回のすすぎのうちの最終すすぎ行
程以外の行程後に中間脱水を行なうドラム式洗濯機に関
する。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯機は、洗濯物を籠状のドラ
ム内部に収容し、該ドラムを水平軸を中心に回転する構
造となっている。この種の洗濯機で遠心脱水を行なう際
に、洗濯物がドラム内周壁上で均等に分散していない状
態でドラムを高速回転させると、回転軸回りの質量分布
のアンバランスによって異常振動や異常騒音が発生す
る。これに対し、市販のドラム式洗濯機では、上記異常
振動を抑制するためにドラムを内装する外槽の周囲に重
錘を取り付けている。このため、従来のこの種の洗濯乾
燥機は重量が非常に重くなり、設置場所が限られると共
に移動や運搬も困難であった。
【0003】上記異常振動の問題を解決することを目的
とした遠心脱水装置は、従来より幾つか提案されてい
る。例えば特開平6−254294号公報記載の遠心脱
水装置では、ドラム高速回転による脱水運転を行なう前
に、ドラム低速回転によって洗濯物をドラム内周壁上で
均等に分散配置する方法が開示されている。より詳しく
は、まず極く短時間ドラムを低速で回転させ、次いで該
回転速度よりは若干速いが脱水運転時の回転速度よりは
充分に遅い回転速度でドラムを回転させる、という二段
階の回転制御の組合せにより洗濯物の分散を図ってい
る。
【0004】また上記従来技術では、ドラム内部の洗濯
物の偏在を検出する手段として装置の台座の部分に振動
監視センサを設置し、ドラムの回転速度を脱水運転を行
なうための高速回転速度迄上昇させたときに該振動監視
センサが異常振動を検知すると回転速度を落とすように
している。
【0005】しかしながら、上記従来技術のようなドラ
ムの回転制御方法を用いても、一回のドラム低速回転に
よって確実に洗濯物が均等に分散されるとは限らない。
従って、ドラム低速回転により洗濯物の分散を試みた後
にドラムを高速回転させ、異常振動が発生する場合には
再びドラムの回転速度を落として洗濯物の分散をやり直
さなければならない。このようにしてドラム低速回転に
よる洗濯物の分散化とドラム高速回転による偏心荷重の
検出とを複数回繰り返すことになると、脱水時間が長引
いてしまう。
【0006】更には、上述のようにドラム内周壁上で洗
濯物の均等分散を図るという方法では、ドラムに比較的
重量の重い(例えばジーンズ等)衣類が一枚のみ収容さ
れた場合に、均等分散が行なえず異常振動の抑制が不可
能になってしまう。
【0007】そこで、例えば特公平7−100095号
公報には、ドラムの内周壁の一部に重錘を付加してバラ
ンス調整を行なう遠心脱水装置が開示されている。この
従来の遠心脱水装置では、重錘がドラムの最高位置に到
達したときに洗濯物は重力によりドラム回転軸に対して
重錘に対向する位置にあって両者がバランスしていると
判断し、ドラムを低速回転から高速脱水回転に移行する
ようにしている。しかしながら、このような方法によっ
ても重錘と洗濯物とが確実にバランスした状態で高速脱
水回転に移行できるとは限らず、脱水運転時に完全に異
常振動を防止することはできない。勿論、重錘の重量に
応じた所定重量の洗濯物をドラム内に収容する等の厳密
な条件を課せばバランスさせることも可能であろうが、
このようなことは実際の遠心脱水装置において現実的で
はない。
【0008】上記問題に鑑み、本願出願人は、特願平9
−249917号等において、ドラムのバッフルの一部
に水を一時的に保持可能なポケット状のバランサを形成
し、洗濯物の偏在による偏心荷重がドラム内周壁上で該
バランサに対向する位置の近傍に存在する場合には、そ
の偏心量に見合った適宜の量の水をバランサに注入する
ことによりドラム全体のバランス調整を行なう新規な構
成の遠心脱水装置を提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この遠心脱水装置で
は、洗いやすすぎに利用される水道水がバランサへの注
水に使用される。1回のバランス調整のために使用され
る水の量はバランサの容積、注水効率、洗濯物の偏在の
状態等に依存するものの、平均して1〜数L程度にな
る。更には、この種の遠心脱水装置を備えた洗濯機で
は、最終脱水のほかに、洗い運転の後や最終すすぎ運転
以外のすすぎ運転の後にいわゆる中間脱水を行なうた
め、1回の洗濯行程の中で3回以上の脱水運転を行なう
ことになる。これら脱水運転の度に上記バランサを用い
たバランス調整が行なわれると、その総使用水量は洗い
やすすぎのための水量に比べても無視できないものとな
る。
【0010】本発明は上記課題を解決するために成され
たもので、その目的とするところは、脱水時のバランス
調整の迅速性を損なうことなく節水を図ることができる
ドラム式洗濯機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記課題を解決するために成された第1の発明は、最終す
すぎ運転後に最終脱水を実行すると共に、洗い運転の後
又は複数回のすすぎ運転のうちの最終すすぎ運転以外の
すすぎ運転の後に中間脱水を行なうドラム式洗濯機にお
いて、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、 b)該水保持部に水を注入する注水手段と、 c)ドラムを回転駆動するモータと、 d)ドラムが所定回転速度で回転するように前記モータを
制御する回転制御手段と、 e)ドラムの偏心荷重の大きさ及び位置を検出する偏心荷
重検知手段と、 f)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
た偏心荷重の位置がドラム内周壁上で該水保持部に対向
する箇所の近傍であるとき、該偏心荷重の大きさに応じ
た量の水を該水保持部に注入すべく前記注水手段を駆動
する注水制御手段と、 g)前記回転制御手段及び注水制御手段を制御する運転制
御手段であって、前記水保持部に注水することなくドラ
ム内周壁上で洗濯物の均一分散を行なってバランスをと
る第1のバランス調整方法と、洗濯物の偏在に起因する
偏心荷重をドラム内周壁上で前記水保持部に対向する箇
所近傍に移動させ、該水保持部に注水を行なってバラン
スをとる第2のバランス調整方法とを選択的に試行し、
第1又は第2のバランス調整方法の試行の結果、偏心荷
重の大きさが所定値以下になったならば高速脱水を立ち
上げる運転制御手段と、 を備え、前記運転制御手段は、中間脱水時には、第1の
バランス調整方法を試行せずに又は所定の最大試行回数
だけ第1のバランス調整方法を試みた後に第2のバラン
ス調整方法を試行し、最終脱水時には、第1バランス調
整方法の最大試行回数を中間脱水時よりも増加すること
を特徴としている。
【0012】また、上記ドラム式洗濯機は、中間脱水終
了後に前記水保持部に溜まっている水を排出する際に、
ドラムを内装する外槽から外部への排水を禁止し、該水
保持部から排出された水を外槽内に溜めて次のすすぎ運
転に利用する構成としている。
【0013】上記第1の発明に係るドラム式洗濯機で
は、運転制御手段は、脱水時に、水保持部を空にした状
態で洗濯物のみの分散配置によりドラムのバランスをと
る第1のバランス調整方法と、洗濯物と水保持部に導入
した水の重量との釣合によってドラムのバランスをとる
第2のバランス調整方法とを試みることができる。第1
のバランス調整方法では、ドラムの回転制御によって洗
濯物をドラム内周壁上でほぼ均等に分散配置させなけれ
ばならないのに対し、第2のバランス調整方法では、ド
ラムの回転制御によって洗濯物を水保持部の対向位置近
傍に集中的に配置しさえすればよい。このため、一般的
には、第2のバランス調整方法による洗濯物の配置のほ
うがより容易に達成できる。つまり、第2のバランス調
整方法のほうが、1回の試行によってバランス調整が成
功する確率がより高い。
【0014】一連の洗濯行程を連続的に実行する場合、
中間脱水の後には外槽に所定量の水道水が給水されてす
すぎ運転が実行される。従って、中間脱水時にバランス
調整のために水保持部に注入された水は、脱水終了後に
水保持部から排出された後に外部に排出する必要はな
く、外槽に溜めてすすぎ水の一部として再利用すること
ができる。一方、最終脱水時にバランス調整のために水
保持部に注入された水は、脱水終了後に水保持部から排
出された後、外部に排出される。つまり、最終すすぎで
は、水保持部に溜まった水はバランス調整以外の他の目
的には利用されず無駄水となってしまう。
【0015】そこで運転制御手段は、中間脱水時には、
第1のバランス調整方法を試みることなく又はごく少数
の最大試行回数でもって第1のバランス調整方法を試み
て偏心荷重が所定値以下にならない場合に、第2のバラ
ンス調整方法を繰り返し試みる。従って、偏心荷重が所
定値以下に収まる確率の低い第1のバランス調整方法が
実際上殆ど実行されないので、無駄な時間が費やされる
ことなく、第2のバランス調整方法によって短時間でド
ラムのバランス調整が終了する。この第2のバランス調
整時に使用された水はすすぎ水として再利用されるの
で、水も有効に活用される。一方、最終脱水時には、で
きる限り水を使用しないでバランス調整を終了するため
に、第1のバランス調整方法を多数回繰り返して試み、
それでも偏心荷重が所定値以下にならない場合に初めて
第2のバランス調整方法に移行する。このため、多くの
場合、第1のバランス調整方法によってバランス調整が
なされるので、バランス調整に水を使用せずに済む。
【0016】ところで、ドラムを回転させたときのドラ
ム内の洗濯物の移動の状況は、ドラム内の洗濯物の詰ま
り具合の影響を受ける。すなわち、第1のバランス調整
方法では洗濯物をドラム内周壁上全体に分散させる必要
があるため、洗濯物の量(特に数)が少ない場合には所
望の分散配置が行なえる可能性が低くなる。一方、第2
のバランス調整方法では洗濯物の固まりをドラム内周壁
上で水保持部の対向位置近傍に移動させる必要がある
が、ドラム内に多くの洗濯物が詰まっていると他の洗濯
物が移動の障害になって所望の移動が行ないにくくな
る。
【0017】このようなことから、上記第1の発明に係
るドラム式洗濯機では、ドラム内に収容された洗濯物の
負荷量を検知する負荷量検知手段を更に備え、前記運転
制御手段は、検知された負荷量に応じて前記最大試行回
数の値を変更する構成とすることが好ましい。すなわ
ち、負荷量が少なく第1のバランス調整方法によるバラ
ンス調整の成功の確率が低い場合には、最大試行回数の
値を相対的に小さくして第1のバランス調整方法の繰り
返し試行を減らす。また、負荷量が多く第2のバランス
調整方法によるバランス調整の成功の確率が低い場合に
は、最大試行回数の値を相対的に大きくして第1のバラ
ンス調整方法の繰り返し試行を増す。これにより、より
効率的にバランス調整が行なえる。
【0018】また、上記課題を解決するために成された
第2の発明は、水平軸を中心に回転するドラムに洗濯物
を収容して遠心脱水を行なうドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、 b)該水保持部に水を注入する注水手段と、 c)ドラムを回転駆動するモータと、 d)ドラムが所定回転速度で回転するように前記モータを
制御する回転制御手段と、 e)ドラムの偏心荷重の大きさ及び位置を検出する偏心荷
重検知手段と、 f)ドラム内に収容された洗濯物の負荷量を検知する負荷
量検知手段と、 g)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
た偏心荷重の位置がドラム内周壁上で該水保持部に対向
する箇所の近傍であるとき、該偏心荷重の大きさに応じ
た量の水を該水保持部に注入すべく前記注水手段を駆動
する注水制御手段と、 h)前記回転制御手段及び注水制御手段を制御する運転制
御手段であって、前記水保持部に注水することなくドラ
ム内周壁上で洗濯物の均一分散を行なってバランスをと
る第1のバランス調整方法と、洗濯物の偏在に起因する
偏心荷重をドラム内周壁上で前記水保持部に対向する箇
所近傍に移動させ、該水保持部に注水を行なってバラン
スをとる第2のバランス調整方法とを選択的に試行し、
第1又は第2のバランス調整方法の試行の結果、偏心荷
重の大きさが所定値以下になったならば高速脱水を立ち
上げる運転制御手段と、 を備え、前記運転制御手段は、検知された負荷量に応じ
て最大試行回数を決定し、該最大試行回数だけ第1のバ
ランス調整方法を試みた後に第2のバランス調整方法を
試行することを特徴としている。
【0019】すなわち、上述のように負荷量が小さい場
合には第1のバランス調整方法によりドラムのバランス
がとれる確率は低い。このため、第1のバランス調整方
法を繰り返すことは時間の無駄である可能性が高くな
る。そこで、運転制御手段は負荷量が小さい場合には最
大試行回数を零又は相対的に小さな値とする。これに対
し、負荷量が大きい場合には第1のバランス調整方法に
よりドラムのバランスがとれる確率が高い。しかも、第
1のバランス調整方法によりドラムのバランスがとれれ
ば、バランス調整のために水を使用する必要もなく節水
が図れる。そこで、運転制御手段は負荷量が大きい場合
には最大試行回数を相対的に大きな値とする。
【0020】
【発明の効果】第1の発明に係るドラム式洗濯機によれ
ば、中間脱水時には、主として水保持部に注水されるこ
とによりドラムのバランス調整がなされ、一方、バラン
ス調整に利用された水が再利用されない最終脱水時に
は、主として水保持部を用いずに洗濯物のみでバランス
調整がなされる。このため、中間脱水時には短時間のう
ちにバランス調整が終了し、迅速に高速脱水運転を立ち
上げることができる。また、最終脱水時には中間脱水時
よりもバランス調整に時間を要する可能性はあるもの
の、バランス調整に水が使用されることが殆どなくなる
ので節水を図ることができる。このように第1の発明に
係るドラム式洗濯機では、脱水所要時間の短縮と節水と
の両者を共に満足させることができる。
【0021】また、第2の発明に係るドラム式洗濯機に
よれば、負荷量に応じて適切なバランス調整方法が主と
して選択されるので、短時間のうちにバランス調整が終
了し、迅速に高速脱水運転を立ち上げることができる。
また、負荷量が大きい場合にはバランス調整に水が使用
されることが殆どなくなるので、節水が図れる。このよ
うに第2の発明に係るドラム式洗濯機においても、脱水
所要時間の短縮と節水との両者を共に満足させることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係るドラム式洗濯機の一実施
例を図面を参照して説明する。まず、図1及び図2に基
づいてこの実施例のドラム式洗濯機の構成を説明する。
図1はこの洗濯機の概略側面断面図、図2はこの洗濯機
の要部を示す背面透視図である。
【0023】外箱1の内部には外槽2がバネ3及びダン
パ4に吊支され、外槽2内部には洗濯物を収容するため
のドラム5が主軸8に軸支されている。外箱1の前面に
は外槽2の前面開口を開閉するドア7が設けられ、洗濯
物はこのドア7を開放してドラム5内部へと収容され
る。ドラム5の周壁には多数の通水孔6が設けられてお
り、外槽2内に給水された水は通水孔6を通してドラム
5内へ流入し、また逆にドラム5内で洗濯物から脱水さ
れた水は通水孔6を通して外槽2へと飛散される。ドラ
ム5の内周には、回転に伴って洗濯物をかき上げるため
のバッフル9が回転角90°毎の位置に四個設けられて
いる。そのバッフル9の内の一個は、その内部に水を保
持するバランサ10を兼ねている。ドラム5の背面に
は、主軸8を中心とした円周の内周側に大きな注水開口
12を有する略円盤形状の水案内室11が設けられてい
る。水案内室11には、ドラム5側にバランサ10と連
通する注水孔13が形成され、主軸8に対し注水孔13
と略180°対向する外槽2側に排水孔14が形成され
ている。
【0024】主軸8は外槽2に装着された軸受15によ
り保持されており、その先端には主プーリ16が取り付
けられている。外槽2の下面にはモータ17が配置さ
れ、モータ17の回転駆動力はモータプーリ18、Vベ
ルト19を介して主プーリ16に伝達される。また、外
部の水道栓等から給水口20に供給された水は、給水バ
ルブ21を介して外槽2内へ注水されると共にバランス
用注水バルブ22を介して外槽2に設けられた注水ノズ
ル23から放出される。一方、外槽2底部に連結された
排水管24には排水ポンプ25が設けられ、外槽2内に
溜まった水は排水ポンプ25が駆動されることにより外
部に排出される。
【0025】主プーリ16のリング部には開口が円周上
に一箇所設けられており、該リング部を挟んで両側に発
光部261と受光部262とが配置されている。これに
より、ドラム5が一回転する期間に一回だけ発光部26
1から発した光が開口を通過して受光部262に到達す
る。後述の回転センサ26は、この受光信号に基づいて
ドラム5の回転に同期した検出信号(回転マーカ)を出
力する。
【0026】次に、中間脱水行程又は脱水行程時の上記
バランサ10への注水及び排水について図3を用いて詳
しく説明する。図3はバランサ10及び水案内室11の
作動状態を示した概略断面図である。ドラム5が所定の
回転速度以上で回転しているときに注水ノズル23から
水が放出されると、放出された水は注水開口12を介し
て水案内室11に入り、ドラム5の後壁面を伝わる等し
つつ遠心力により外周側へ移動する。そして、図3
(a)に示すように、水は遠心力により水案内室11外
周壁内側に張り付いて保持される。なお、注水開口12
は面積が広いため、水圧のばらつき等により注水ノズル
23から放出された水の落下方向がばらついても、その
大部分は確実に水案内室11に飛び込む。
【0027】バランサ10は、主軸8に対し水案内室1
1よりも更に外周側に広がる中空体となっている。この
ため、水案内室11に注水された水は遠心力により注水
孔13を通ってバランサ10内部に入り込み、図3
(b)に示すようにバランサ10の外周壁側つまりドラ
ム5の内周壁面に張り付いて保持される。なお、水案内
室11の外周側には排水孔14も開口しており排水孔1
4を通して水案内室11から水が逃げるが、その排水量
は水案内室11に注水される水の量に比較して極めて少
ない。
【0028】バランサ10に溜まった水を排出する際に
は、バランサ10を回転円周上の最高位置で停止させ保
持する。すると、バランサ10内の水に作用する遠心力
が失われるため、図3(c)に示すように、水は注水孔
13を通って水案内室11へ流れ出て、水案内室11の
底部に溜まった水はちょうど回転円周上の最低位置にな
っている排水孔14を通って外槽2へ流れ出る。注水孔
13や排水孔14の開口面積は小さいが、バランサ10
を上記位置に保って暫時経過すれば、バランサ10及び
水案内室11内の水は完全に外槽2へ排出される。
【0029】図4は、この洗濯機における一連の洗濯行
程の手順を示すフローチャートである。洗濯行程は大別
して、洗い行程、すすぎ行程及び脱水行程から成り、こ
の例ではすすぎを2回行なうようにしている。洗い及び
1回目のすすぎの後にはそれぞれ中間脱水を行ない、洗
濯物に浸透している洗剤水又はすすぎ水(残留した洗剤
分を含む)を飛散させることによりすすぎ性能を高めて
いる。従って、この例では、洗濯行程中に最終脱水及び
2回の中間脱水の合計3回の脱水運転が実行される。
【0030】次に、上記洗濯機における脱水の関連部分
の電気的構成及び動作を図5を参照して説明する。マイ
クロコンピュータを中心に構成される制御部30は、機
能的に、中央制御部31、回転速度制御部32、偏心荷
重検知部33及び注水制御部34から成る。中央制御部
31は脱水運転を進めるための運転プログラムが予め記
憶されたメモリを含み、偏心荷重検知部33から偏心荷
重の大きさ及び位置に関する情報を受け取り、後述のよ
うに処理して所望のドラム回転速度に対応したモータの
目標回転速度を回転速度制御部32に指示する。
【0031】回転速度制御部32はモータ駆動部41と
共に、指示された回転速度にモータ17を保持するよう
に動作する。モータ17に誘導機モータ、整流子モータ
等、位相制御により回転速度が制御される電動機を使用
する場合、回転速度制御部32は指示された目標回転速
度とモータ17に付設された回転数検出器43から受け
取った現時点での回転速度の情報とに基づき位相制御角
を算出してモータ駆動部41に与える。モータ駆動部4
1は例えばインバータ制御回路を含み、与えられた位相
制御角に応じてトライアック等の電力スイッチング素子
をオン/オフして得た駆動電流をモータ17に供給す
る。
【0032】モータ電流検出部42は、モータ17に流
れる駆動電流を検出し電圧値に変換して偏心荷重検知部
33に与える。図6はモータ電流の時間変動の一例を示
す波形図である。図中、回転マーカMは、前述のような
回転センサ26により得られるドラム5の一回転周期を
示す信号に基づくマーカである。ドラム5に偏心荷重が
存在していると、図6に示すようにモータ電流はその偏
心荷重に応じた変動成分を有する。このモータ電流の変
動はモータ17の負荷トルクの変動に対応したものであ
り、モータ電流の最大ピークはドラム5の一回転期間内
で負荷トルクが最大になるときに現われる。また、モー
タ電流の変動振幅Lは偏心荷重の大きさ(偏心量)に対
応している。
【0033】図7は、変動振幅Lと偏心量との関係の一
例を示すグラフである。予めこのような関係を調べてメ
モリに記憶しておくことにより、変動振幅Lから偏心量
を取得することができる。なお、モータ電流の変動要因
は必ずしも偏心荷重だけではないため、偏心荷重に依る
変動成分を精度良く検知するためには、モータ電流の変
動成分からドラム5の回転速度近傍の周波数成分のみを
抜き出すフィルタ処理を行なうとよい。
【0034】偏心荷重検知部33は、図6に示すような
モータ電流の変動成分の信号が入力されると、回転マー
カMの間隔毎つまりドラム5の一回転期間毎に最大ピー
ク及び最小ピークを検出する。そして、その最大及び最
小ピークの差(変動振幅L)を算出し、メモリに記憶し
ている図7に示すような関係を参照して偏心量を得る。
また、最大ピークの出現するタイミング(例えば直前の
回転マーカMからの遅延時間)によりドラム5内周壁上
での偏心荷重の位置を検知する。
【0035】次に、上記構成の洗濯機における脱水運転
(中間脱水及び最終脱水)時の制御の手順を図8及び図
9のフローチャートに沿って説明する。なお、以下の説
明では、ドラム5の径を470mmとしたときの数値を
例に挙げているが、ドラム径が相違する場合には各回転
速度等の数値を適宜変更することにより対応可能である
ことは明白である。
【0036】図8には示していないが、洗い行程に先立
って、ドラム5内に収容された洗濯物の量(負荷量)の
検知が行なわれる。負荷量検知は周知の種々の方法によ
ることができるが、例えば次のような方法によって行な
うことができる。まず、乾いた状態の洗濯物がドラム5
内に収容された後に、給水口20を通して供給された所
定量の水を外槽2に給水する。次いで、ドラム5を洗い
行程時の回転速度(例えば55rpm程度)で所定時間
回転させた後に一旦停止させる。これにより洗濯物が吸
水するため、外槽2内の水位は洗濯物が吸水した分だけ
低下する。洗濯物の量が多い場合には水位低下の度合も
大きくなるから、中央制御部31は外槽2に付設した水
位センサによりその水位低下量を検知し、検知量に基づ
いて負荷量を判断する。なお、このように検知された負
荷量は、例えば洗い行程時の給水量の制御等にも利用す
ることができる。
【0037】脱水行程が開始されるとき、ドラム5内部
の洗濯物は吸水してその底部に重積した状態にある。こ
のときバランサ10には全く水が入っておらず(つまり
バランサ10内の水は完全に排出されている)、ドラム
5自体は偏心荷重を有していない。
【0038】まず中央制御部31は、その脱水が最終脱
水であるか否かを判定する(ステップS1)。図4に示
したように、最終脱水と中間脱水との相違は、脱水終了
後に給水が行なわれるか否かにある。中間脱水時にはス
テップS1にて最終脱水でないと判定され、次いで先に
検知された負荷量が2kg以下であるか否かを判定する
(ステップS2)。負荷量が2kg以下であると判定さ
れた場合には分散配置最大試行回数αを0に設定する
(ステップS4)。ステップS2にて負荷量が2kgを
越えていると判定されると、次に負荷量が4kg以下で
あるか否かを判定する(ステップS3)。負荷量が4k
g以下であると判定された場合、負荷量は2〜4kgの
範囲内にある。このときには分散配置最大試行回数αを
2に設定する(ステップS5)。ステップS4にて負荷
量が4kgを越えていると判定されると、分散配置最大
試行回数αを4に設定する(ステップS6)。
【0039】一方、上記ステップS1にて最終脱水であ
ると判定されたときには、上記ステップS2、S3と同
様のステップS7、S8の処理により、負荷量が2kg
以下、2〜4kg及び4kg以上の場合に、分散配置最
大試行回数αをそれぞれ10、20及び30に設定する
(ステップS9〜S11)。
【0040】その後、中央制御部31は内部カウンタの
値CNTを1にセットし(ステップS12)、そのカウ
ンタ値CNTが先に設定された分散配置最大試行回数α
よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。カ
ウンタ値CNTがα以下である場合にはステップS14
〜S20の処理へ進み、一方カウンタ値CNTがαより
大きい場合にはステップS21〜S32の処理へと進
む。
【0041】ステップS14〜S19の処理は、バラン
サ10を利用せずに洗濯物をドラム5内周壁上に略均等
に分散することによりドラム5の偏心荷重を小さくしよ
うとする、いわゆる分散配置によるバランス調整を実行
するものである。一方、ステップS21〜S31の処理
は、基本的にバランサ10に注水を行なって、その注水
された水と洗濯物との釣合によりドラム5の偏心荷重を
小さくしようとする、いわゆるバランス注水によるバラ
ンス調整を実行するものである。この二つのバランス調
整方法の差異については後で詳しく述べる。
【0042】分散配置によるバランス調整が選択された
場合には、まず、回転速度制御部32はドラム5の回転
速度が130rpmに上昇するようにモータ駆動部41
を制御し(ステップS14)、中央制御部31はドラム
5の回転速度が130rpmに到達したか否かを繰り返
し判定する(ステップS15)。このときのドラム5の
回転速度は、洗濯物に作用する遠心力と重力とが均衡す
る回転速度(ここでは60〜65rpm程度)よりも高
く且つドラム5の共振点(ここでは約200rpm)よ
りも低い範囲で適宜に選ぶことができる。
【0043】ドラム5が130rpmで回転するとき、
全ての洗濯物は遠心力によりドラム5の内周壁面に押し
付けられた状態で回転する。このとき洗濯物がドラム5
内周壁上で偏在していると、図6に示したようなモータ
電流の変動が生じるので、偏心荷重検知部33は上述の
ようにこのモータ電流の変動成分に基づき偏心量を検知
する(ステップS16)。
【0044】次いで、中央制御部31は検知された偏心
量が350gよりも小さいか否かを判定する(ステップ
S17)。偏心量が350gよりも小さいと判定された
ときには、その状態のまま脱水運転を実行しても振動や
騒音が小さいと判断できる。そこでステップS20に進
み、回転速度制御部32はドラム5の回転速度を100
0rpm迄上昇するように制御する。これにより、洗濯
物に浸透していた水は遠心力により飛散して脱水され
る。この高速脱水運転では、布傷みを生じ易い洗濯物を
保護するために、ドラム5の回転速度を使用者によって
指定された洗濯コース(例えば毛布洗濯コース、ドライ
専用衣類洗濯コース等)に応じた1000rpm以下の
上限値(例えば800rpm)に制限するようにしても
よい。
【0045】上記ステップS17にて偏心量が350g
以上であると判定されると、回転速度制御部32は、少
なくとも洗濯物に作用する遠心力が重力よりも小さくな
るような回転速度迄ドラム5の回転速度を低下させる
(ステップS18)。そして、中央制御部31はカウン
タ値CNTを1だけカウントアップし(ステップS1
9)、再びステップS13の処理に戻る。従って、偏心
量が350gよりも小さくならない場合、カウンタ値C
NTが分散配置最大試行回数αに到達する迄、ステップ
S13〜S19の処理が繰り返し実行される。つまり、
分散配置最大試行回数αに設定された数値の回数だけ分
散配置によるバランス調整が試みられる。
【0046】ステップS13にてカウンタ値CNTが分
散配置最大試行回数αを越えると、上記ステップS1
4、S15と同様に、回転速度制御部32はドラム5の
回転速度が130rpmに上昇するようにモータ駆動部
41を制御し(ステップS21)、中央制御部31はド
ラム5の回転速度が130rpmに到達したか否かを繰
り返し判定する(ステップS22)。ドラム5の回転速
度が130rpmに到達したならば、偏心荷重検知部3
3はモータ電流の変動成分に基づき偏心量及び偏心位置
を検知する(ステップS23)。そして、上記ステップ
S17と同様に、偏心量が350gよりも小さいか否か
を判定する(ステップS24)。偏心量が350gより
も小さいと判定された場合、バランサ10を利用する必
要はないから、直接ステップS32へ進みドラム5の回
転速度を上昇させて脱水を行なう。
【0047】ステップS24にて偏心量が350g以上
であると判定されると、次に偏心量が1300gよりも
小さいか否かを判定する(ステップS25)。偏心量が
1300g以上存在する場合にはバランサ10を用いた
バランス調整可能な範囲を越えており、たとえ後述のよ
うに偏心位置がバランサ10に対向する位置近傍であっ
たとしても偏心量を所定値以下にすることができない。
そこでこの場合には、回転速度制御部32は、洗濯物に
作用する遠心力が重力よりも小さくなる迄ドラム5の回
転速度を落とし(ステップS28)、洗濯物が分散可能
な状態にした後に再びドラム5の回転速度を130rp
m迄上昇させる(ステップS21)。
【0048】上記ステップS25にて偏心量が1300
gよりも小さいと判定されたときには、次に偏心位置が
バランサ10に対向する位置近傍であるか否かを判定す
る(ステップS26)。偏心位置がバランサ10に対向
する位置近傍である場合には、バランサ10に注水を行
なうことにより偏心量を減少させることができる。そこ
で、注水制御部34はバランス用注水バルブ22を開放
する(ステップS29)。これにより、前述のように注
水ノズル23から水が放出されてバランサ10に水が徐
々に入ってゆき、遠心力によってドラム5の内周壁面に
張り付いた状態でバランサ10内に保持される。ドラム
5内の洗濯物は遠心力により完全にその内周壁面に押し
付けられた状態で回転し、一方バランサ10内部の水の
量は徐々に増え重量が増加してゆくから、図6に示した
変動振幅Lは次第に小さくなってゆく。偏心荷重検知部
33は、このように変化する偏心量を連続的に検知し、
中央制御部31はその検知された偏心量が350gより
も小さいか否かを判定する(ステップS30)。
【0049】上記ステップS30にて偏心量が350g
よりも小さくなったと判定されると、注水制御部34は
バランス用注水バルブ22を閉鎖する(ステップS3
1)。これにより、バランサ10内部の水の増加は停止
し、洗濯物の偏在による偏心荷重とバランサ10内の水
の重量との釣合によりドラム5全体の偏心量は小さくな
る。その後、回転速度制御部32はドラム5の回転速度
を最高1000rpm迄上昇させて脱水を行なう(ステ
ップS32)。
【0050】上記ステップS26にて偏心位置がバラン
サ10の対向位置近傍でないと判定された場合には、バ
ランサ10に注水しても偏心量を小さくすることができ
ない。そこで、回転速度制御部32は、偏心荷重がバラ
ンサ10の対向位置近傍に移動するように、洗濯物の固
まりの移動を促進するような偏心位置移動運転を行なう
(ステップS27)。具体的には、例えば以下のような
回転制御方法を採ることができる。
【0051】回転速度制御部32は、洗濯物に作用する
遠心力が重力に勝る所定の一定回転速度(例えば80r
pm)でドラム5が回転するように維持する。そして、
偏心荷重がドラム5の最低位置を通過した直後に、ドラ
ム5の回転速度を遠心力が重力よりも小さくなる回転速
度(例えば50rpm)に短時間落とす。偏心荷重がド
ラム5の最低位置を通過するとき負荷は最小になるか
ら、図6に示すようなモータ電流において最小ピークが
出現するとき偏心荷重がドラム5の最低位置を通過した
と判断することができる。
【0052】ドラム5の回転速度が低下すると、偏心荷
重の原因となっていた洗濯物の固まりはそれ迄張り付い
ていたドラム5の内周壁面から離れて回転後方に移動す
る。このため、ドラム5内周壁上で偏心位置が回転後方
にずれる。この減速を継続する時間を変えると移動量が
変わるから、まず最初に偏心位置とバランサ10の取付
位置との距離を回転角度として求め、この距離に応じて
減速継続時間を適宜設定することにより偏心位置をドラ
ム5内周壁上の所望位置に移動させることができる。
【0053】図10は分散配置最大試行回数αと負荷量
との関係を示すグラフである。図10に明らかなよう
に、いずれの負荷量においても中間脱水時には最終脱水
時に比較してかなり小さな分散配置最大試行回数αが設
定される。すなわち、中間脱水時には、分散配置による
バランス調整(ステップS13〜S19)の試行回数は
少ないか又は全く行なわれず、0〜4回繰り返して分散
配置によるバランス調整を試みて偏心量が350gより
小さくならない場合には、バランサ10を利用したバラ
ンス調整に移行する。一方、最終脱水時には、分散配置
によるバランス調整を多数回(最大10〜30回)繰り
返して試み、それでも偏心量が350gより小さくなら
ない場合に初めて、バランサ10を利用したバランス調
整に移行する。
【0054】分散配置によるバランス調整では水道水を
使用しないで済むが、洗濯物をドラム5内周壁上にほぼ
均一に分散配置しなければならないので、偏心量が35
0gよりも小さくなるようにうまくバランスをとること
ができる確率は必ずしも高くない。一方、バランサ10
を利用したバランス調整では、例えば上述の偏心位置移
動運転等によれば比較的高い確率で偏心荷重をずらすこ
とができるので、少ない試行回数でうまくバランスをと
ることができる。
【0055】バランス注水によるバランス調整では水道
水が使用されるが(上記ステップS24からS32へ進
むときを除く)、中間脱水終了後にバランサ10内の水
を外槽2に排出するに際し排水ポンプ25の運転を停止
しておけば、バランサ10から排出された水を外部に流
さずに外槽2内に溜めることができ、その溜まった水に
更に水道水を注ぎ足してすすぎ水とすれば、バランサ1
0に注水された水道水は有効に再利用されることにな
る。これに対し、最終脱水終了後にはバランサ10から
排出された水を外部に排出しなければならないので、こ
の水はバランス調整のみに使用される。
【0056】すなわち、上記構成では、バランサ10に
注水された水が再利用可能な中間脱水行程時には、適正
な分散が行なえる確率が相対的に低い分散配置によるバ
ランス調整を無理に長く行なわず、早めにバランス注水
によるバランス調整に移行する。この場合、バランス調
整に要する時間が短くて済み、高速脱水運転を立ち上げ
ることができる。一方、バランサ10に注水された水が
再利用されない最終脱水時には、できる限り洗濯物のみ
でバランス調整を試みるようにし、バランサ10を用い
たバランス調整を行なわなくても済むようにしている。
この場合、バランス調整に要する時間は長引く可能性が
あるが、バランス注水を行なう確率が大きく減少するの
で節水が図れる。
【0057】また、負荷量が大きい場合には、通常、多
数の洗濯物がドラム5に収容されていることが多い。こ
のような場合には、負荷量が小さい場合に比べて、分散
配置によるバランス調整が成功する確率が高い。逆に、
負荷量が大きい場合にはドラム5内の空間が狭いので、
上述のような洗濯物の固まりをドラム5内周壁に沿って
移動させるような偏心位置の移動運転は困難になり、そ
の成功の確率は低くなる。このようなことから、負荷量
が大きい場合には分散配置最大試行回数αを増加するこ
とにより、分散配置によるバランス調整の試行回数を相
対的に増し、逆に負荷量が小さい場合には、分散配置に
よるバランス調整の試行回数を減らして(又はなくし
て)いる。これにより、中間脱水時で分散配置によるバ
ランス調整が困難である場合に、無駄に分散配置による
バランス調整を試みることがなくなる。また、最終脱水
時で偏心位置の移動運転による所望の移動が困難である
場合には、分散配置によるバランス調整がより長く試み
られる。
【0058】以上のように、上記実施例のドラム式洗濯
機では、脱水所要時間の短縮化と水の有効利用という両
者をバランスよく満足させることができる。
【0059】なお、上記実施例は水を用いたドラム式洗
濯機について説明したが、本発明が石油系溶剤等を使用
したドライクリーナに適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるドラム式洗濯機の概略
側面断面図。
【図2】 図1のドラム式洗濯機の要部の背面透視図。
【図3】 本実施例のドラム式洗濯機におけるバランサ
への水の注入・排出の状態を示す断面図。
【図4】 本実施例のドラム式洗濯機における洗濯行程
の流れを示すフローチャート。
【図5】 本実施例のドラム式洗濯機の電気系構成図。
【図6】 偏心荷重の影響によるモータ電流の変動の一
例を示す波形図。
【図7】 モータ電流の変動振幅と偏心量との関係の一
例を示すグラフ。
【図8】 本実施例における脱水運転時の制御動作を示
すフローチャート。
【図9】 本実施例における脱水運転時の制御動作を示
すフローチャート。
【図10】 本実施例における分散配置最大試行回数と
負荷量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
2…外槽 5…ドラム 9…バッフル 10…バランサ 11…水案内室 12…注水開口 13…注水孔 14…排水孔 25…排水ポンプ 26…回転センサ 30…制御部 31…中央制御部 32…回転速度制
御部 33…偏心荷重検知部 34…注水制御部 41…モータ駆動部 42…モータ電流
検出部 43…回転数検出器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−10480(JP,A) 特開 平8−215470(JP,A) 特開 昭57−76341(JP,A) 特公 昭48−21620(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 33/02 D06F 49/02 D06F 49/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終すすぎ運転後に最終脱水を実行する
    と共に、洗い運転の後又は複数回のすすぎ運転のうちの
    最終すすぎ運転以外のすすぎ運転の後に中間脱水を行な
    うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、 b)該水保持部に水を注入する注水手段と、 c)ドラムを回転駆動するモータと、 d)ドラムが所定回転速度で回転するように前記モータを
    制御する回転制御手段と、 e)ドラムの偏心荷重の大きさ及び位置を検出する偏心荷
    重検知手段と、 f)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
    た偏心荷重の位置がドラム内周壁上で該水保持部に対向
    する箇所の近傍であるとき、該偏心荷重の大きさに応じ
    た量の水を該水保持部に注入すべく前記注水手段を駆動
    する注水制御手段と、 g)前記回転制御手段及び注水制御手段を制御する運転制
    御手段であって、前記水保持部に注水することなくドラ
    ム内周壁上で洗濯物の均一分散を行なってバランスをと
    る第1のバランス調整方法と、洗濯物の偏在に起因する
    偏心荷重をドラム内周壁上で前記水保持部に対向する箇
    所近傍に移動させ、該水保持部に注水を行なってバラン
    スをとる第2のバランス調整方法とを選択的に試行し、
    第1又は第2のバランス調整方法の試行の結果、偏心荷
    重の大きさが所定値以下になったならば高速脱水を立ち
    上げる運転制御手段と、 を備え、前記運転制御手段は、中間脱水時には、第1の
    バランス調整方法を試行せずに又は所定の最大試行回数
    だけ第1のバランス調整方法を試みた後に第2のバラン
    ス調整方法を試行し、最終脱水時には、第1バランス調
    整方法の最大試行回数を中間脱水時よりも増加すること
    を特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 【請求項2】 中間脱水終了後に前記水保持部に溜まっ
    ている水を排出する際に、ドラムを内装する外槽から外
    部への排水を禁止し、該水保持部から排出された水を外
    槽内に溜めて次のすすぎ運転に利用することを特徴とす
    る請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 【請求項3】 ドラム内に収容された洗濯物の負荷量を
    検知する負荷量検知手段を更に備え、前記運転制御手段
    は、検知された負荷量に応じて前記最大試行回数の値を
    変更することを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗
    濯機。
  4. 【請求項4】 水平軸を中心に回転するドラムに洗濯物
    を収容して遠心脱水を行なうドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、 b)該水保持部に水を注入する注水手段と、 c)ドラムを回転駆動するモータと、 d)ドラムが所定回転速度で回転するように前記モータを
    制御する回転制御手段と、 e)ドラムの偏心荷重の大きさ及び位置を検出する偏心荷
    重検知手段と、 f)ドラム内に収容された洗濯物の負荷量を検知する負荷
    量検知手段と、 g)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
    た偏心荷重の位置がドラム内周壁上で該水保持部に対向
    する箇所の近傍であるとき、該偏心荷重の大きさに応じ
    た量の水を該水保持部に注入すべく前記注水手段を駆動
    する注水制御手段と、 h)前記回転制御手段及び注水制御手段を制御する運転制
    御手段であって、前記水保持部に注水することなくドラ
    ム内周壁上で洗濯物の均一分散を行なってバランスをと
    る第1のバランス調整方法と、洗濯物の偏在に起因する
    偏心荷重をドラム内周壁上で前記水保持部に対向する箇
    所近傍に移動させ、該水保持部に注水を行なってバラン
    スをとる第2のバランス調整方法とを選択的に試行し、
    第1又は第2のバランス調整方法の試行の結果、偏心荷
    重の大きさが所定値以下になったならば高速脱水を立ち
    上げる運転制御手段と、 を備え、前記運転制御手段は、検知された負荷量に応じ
    て最大試行回数を決定し、該最大試行回数だけ第1のバ
    ランス調整方法を試みた後に第2のバランス調整方法を
    試行することを特徴とするドラム式洗濯機。
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