JP3439098B2 - 遠心脱水装置 - Google Patents

遠心脱水装置

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JP3439098B2
JP3439098B2 JP32692397A JP32692397A JP3439098B2 JP 3439098 B2 JP3439098 B2 JP 3439098B2 JP 32692397 A JP32692397 A JP 32692397A JP 32692397 A JP32692397 A JP 32692397A JP 3439098 B2 JP3439098 B2 JP 3439098B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、籠状のドラムの内
部に洗濯物を収容し、該ドラムを水平軸を中心に高速で
回転させることによって洗濯物の脱水又は洗浄用溶剤の
脱液を実行する遠心脱水装置(ここでは、溶剤の遠心脱
液装置も含めて「遠心脱水装置」と呼ぶこととする)に
関する。なお当然のことながら、本発明は、洗濯から脱
水迄、更には乾燥迄を連続的に行なう洗濯機又は洗濯乾
燥機に利用することができる。 【0002】 【従来の技術】ドラム式遠心脱水装置は、洗浄後の洗濯
物を籠状のドラム内部に収容し該ドラムを水平軸を中心
に高速で回転する構造となっている。この種の遠心脱水
装置における大きな問題点の一つは、洗濯物がドラム内
周壁上で均等に分散していない状態でドラムを高速回転
させると、回転軸回りの質量分布のアンバランスによっ
て異常振動や異常騒音が発生することである。このよう
な遠心脱水装置を搭載した市販のドラム式洗濯乾燥機で
は、上記異常振動を抑制するためにドラムを内装する外
槽の周囲に重錘を取り付けるようにしている。このた
め、従来のこの種の洗濯乾燥機は重量が非常に重くな
り、設置場所が限られると共に移動や運搬も困難であっ
た。 【0003】上記異常振動の問題を解決することを目的
としたドラム式遠心脱水装置は、従来より幾つか提案さ
れている。例えば特開平6−254294号公報記載の
遠心脱水装置では、ドラム高速回転による脱水運転を行
なう前に、ドラム低速回転によって洗濯物をドラム内周
壁上で均等に分散配置する方法が開示されている。より
詳しくは、まず極く短時間ドラムを低速で回転させ、次
いで該回転速度よりは若干速いが脱水運転時の回転速度
よりは充分に遅い回転速度でドラムを回転させる、とい
う二段階の回転制御の組合せにより洗濯物の分散を図っ
ている。 【0004】また上記従来技術では、ドラム内部の洗濯
物の偏在を検出する手段として装置の台座の部分に振動
監視センサを設置し、ドラムの回転速度を脱水運転を行
なうための高速回転速度迄上昇させたときに該振動監視
センサが異常振動を検知すると回転速度を落とすように
している。 【0005】しかしながら、上記従来技術のようなドラ
ムの回転制御方法を用いても、一回のドラム低速回転に
よって確実に洗濯物が均等に分散されるとは限らない。
従って、ドラム低速回転により洗濯物の分散を試みた後
にドラムを高速回転させ、異常振動が発生する場合には
再びドラムの回転速度を落として洗濯物の分散をやり直
さなければならない。このようにしてドラム低速回転に
よる洗濯物の分散化とドラム高速回転による偏心荷重の
検出とを複数回繰り返すことになると、脱水時間が長引
いてしまう。 【0006】更には、上述のようにドラム内周壁上で洗
濯物の均等分散を図るという方法では、ドラムに比較的
重量の重い(例えばジーンズ等)衣類が一枚のみ収容さ
れた場合に、均等分散が行なえず異常振動の抑制が不可
能になってしまう。 【0007】そこで、例えば特公平7−100095号
公報には、ドラムの内周壁の一部に重錘を付加してバラ
ンス調整を行なう遠心脱水装置が開示されている。この
従来の遠心脱水装置では、重錘がドラムの最高位置に到
達したときに洗濯物は重力によりドラム回転軸に対して
重錘に対向する位置にあって両者がバランスしていると
判断し、ドラムを低速回転から高速脱水回転に移行する
ようにしている。しかしながら、このような方法によっ
ても重錘と洗濯物とが確実にバランスした状態で高速脱
水回転に移行できるとは限らず、脱水運転時に完全に異
常振動を防止することはできない。勿論、重錘の重量に
応じた所定重量の洗濯物をドラム内に収容する等の厳密
な条件を課せばバランスさせることも可能であろうが、
このようなことは実際の遠心脱水装置において現実的で
はない。 【0008】上記問題に鑑み、本願出願人は、特願平9
−249917号等において、ドラムのバッフルの一部
に水を一時的に保持可能なポケット状のバランサを形成
し、洗濯物の偏在による偏心荷重がドラム内周壁上で該
バランサに対向する位置の近傍に存在する場合には、そ
の偏心量に見合った適宜の量の水をバランサに注入する
ことによりドラム全体のバランス調整を行なう新規な構
成の遠心脱水装置を提案している。より詳しくは、ドラ
ム回転軸を中心にしたドラム径よりも一回り小さな径の
円盤形状の中空体から成る水案内室を設け、水案内室の
外周側とバランサとを連通する通孔を設けると共に、水
案内室の内周側にはドラムと反対側に大きな注水開口を
形成しておく。また、その注水開口と対面する外槽側に
は注水開口に向けて水を放出するノズルを設ける。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】このノズルから放出さ
れた水は注水開口を介して水案内室内に入り、この水に
作用する遠心力が重力よりも上回るような回転速度でド
ラムが回転されると、水は水案内室の外周側の円盤の内
周面に張り付いて回転しつつ通孔からバランサへと流れ
込む。ここで、遠心力と重力との差が大きいほど、つま
りドラムの回転速度が高いほど上記の如き水の動きは加
速され、より速やかにバランサに入る。従って、注水に
よるバランス調整を短時間で終了するには、注水時のド
ラムの回転速度はできるだけ高い方が好ましい。 【0010】一方、ドラムはその径や重量に応じた固有
の共振点(共振周波数)を有している。一般に使用され
るドラムでは、その共振点は、上記のように水に作用す
る遠心力と重力とが釣り合うような回転速度よりも高
く、充分な脱水が行なえるような回転速度よりも低い。
ドラムのバランスがとれていない状態でドラムの回転速
度がこの共振点に近付くと大きな振動が発生してしまう
から、上記の如き注水によるバランス調整は共振点より
も低い回転速度で行ない、バランス調整が終了した後に
初めて共振点を通過してそれ以上の回転速度に上昇させ
る必要がある。すなわち、バランス調整前の振動を確実
に回避するには、注水時のドラムの回転速度はできる限
り低い方が好ましい。 【0011】注水時の振動は必ず避けなければならない
から、従来、注水時のドラムの回転速度は、水案内室に
注水された水に対して遠心力が適正に作用する範囲にお
いて共振点よりも充分に低い回転速度に設定されてい
た。このため、バランサへの注水速度は犠牲になってお
り、バランス調整に或る程度の時間を要することは止む
を得なかった。 【0012】本発明はこのような課題を解決するために
上記新規な遠心脱水装置を改良したものであって、その
目的とするところは、ドラムのバランス調整時の振動を
確実に回避しつつ、バランス調整に要する時間を極力短
縮化することができる遠心脱水装置を提供することにあ
る。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、籠状のドラム内に洗濯物を収容し
該ドラムを水平軸を中心に回転させることにより該洗濯
物の脱水を行なう遠心脱水装置において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、 b)ドラム回転中に前記水保持部に水を注入する手段であ
って、ドラムと共に回転し遠心力により連通孔を通して
前記水保持部へ水を送り込む水案内手段と、該水案内手
段に設けられた開口に向けて水を放出する固定された放
水手段とから成る注水手段と、 c)ドラムを回転駆動するモータと、 d)ドラムの偏心荷重の大きさ及び位置を検知する偏心荷
重検知手段と、 e)洗濯物の量を検知する負荷量検知手段と、 f)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
た偏心荷重の位置がドラム内周壁上で該水保持部に対向
する箇所の近傍であるとき、該偏心荷重の大きさに見合
った量の水を該水保持部に注入すべく前記注水手段を駆
動する注水制御手段と、 g)前記水保持部へ注水を行なう際に、前記負荷量検知手
段にて検知された負荷量に応じた回転速度にてドラムが
回転すべく前記モータを制御する回転制御手段と、を備
、回転制御手段は、負荷量が大きい場合には相対的に
注水時のドラムの回転速度を低く設定し、逆に負荷量が
小さい場合には注水時のドラムの回転速度を相対的に高
く設定することを特徴としている。 【0014】 【0015】また、上記本発明に係る遠心脱水装置で
は、注水時のドラムの回転速度は、該ドラムの共振点よ
りも低く且つ前記水案内手段より水保持部へ水が送られ
るに充分な遠心力が得られるような回転速度よりも高い
範囲内に設定される。 【0016】 【発明の実施の形態】例えば上記水案内手段及び放水手
段から成る注水手段を用いて水保持部に水を送り込む場
合、水案内手段に注水された水に作用する遠心力が大き
いほど水は迅速に水保持部へ移動する。つまり、ドラム
の回転速度が大きいほど注水によるバランス調整に要す
る時間は短くて済む。ところが一方、上述のようにドラ
ムには固有の共振点が存在するので、ドラムのバランス
調整が終了していない状態でドラムの回転速度を共振点
以上に上げることはできない。このようなことから、振
動を抑制しつつ注水によるバランス調整に要する時間を
できる限り短くするには、共振点よりも低い範囲におい
て極力高い回転速度でドラムが回転する状態で注水を行
なうことが望ましい。 【0017】上記ドラムの共振点はドラム径や重量等に
依存しているため、ドラムに収容された洗濯物の重量が
相違すると共振点も相違する。すなわち、負荷量が大き
く洗濯物の重量を含めたドラム重量が大きいと共振点は
下がり、逆に負荷量が小さいとドラムの共振点は相対的
に高くなる。そこで、回転制御手段は、負荷量が大きい
場合には相対的に注水時のドラムの回転速度を低く設定
し、逆に負荷量が小さい場合には注水時のドラムの回転
速度を相対的に高く設定する。これにより、負荷量が相
違しドラムの共振点が変わっても、注水時のドラムの回
転速度が共振点付近に迄上昇することを回避できる。ま
た、共振による振動が発生しない範囲においてドラムは
高い回転速度でもって回るので、水案内手段から水保持
部への水の移動は速やかに進む。 【0018】 【発明の効果】本発明に係る遠心脱水装置によれば、水
保持部への注水時に共振による振動が生じない程度に負
荷量に応じて高い回転速度でもってドラムが回転される
ので、振動が確実に防止できると共に、バランス調整の
注水に要する時間が不必要に長くなることを回避でき
る。このため、バランス調整を速やかに終了して高速脱
水運転を立ち上げることができるので、脱水所要時間ひ
いては洗濯所要時間を短縮することができる。 【0019】 【実施例】以下、本発明に係る遠心脱水装置の一実施例
を図面を参照して説明する。まず、図1及び図2に基づ
いて本実施例の遠心脱水装置を備えたドラム式洗濯機の
構造を説明する。図1はこのドラム式洗濯機の概略側面
断面図、図2はこのドラム式洗濯機の要部を示す背面透
視図である。 【0020】外箱1の内部には外槽2がバネ3及びダン
パ4に吊支され、外槽2内部には洗濯物を収容するため
のドラム5が主軸8に軸支されている。外箱1の前面に
は外槽2の前面開口を開閉するドア7が設けられ、洗濯
物はこのドア7を開放してドラム5内部へと収容され
る。ドラム5の周壁には多数の通水孔6が設けられてお
り、外槽2内に給水された水は通水孔6を通してドラム
5内へ流入し、また逆にドラム5内で洗濯物から脱水さ
れた水は通水孔6を通して外槽2へと飛散される。ドラ
ム5の内周には、回転に伴って洗濯物をかき上げるため
のバッフル9が回転角90°毎の位置に四個設けられて
いる。そのバッフル9の内の一個は、その内部に水を保
持するバランサ10を兼ねている。ドラム5の背面に
は、主軸8を中心とした円周の内周側に大きな注水開口
12を有する略円盤形状の水案内室11が設けられてい
る。水案内室11には、ドラム5側にバランサ10と連
通する注水孔13が形成され、主軸8に対し注水孔13
と略180°対向する外槽2側に排水孔14が形成され
ている。 【0021】主軸8は外槽2に装着された軸受15によ
り保持されており、その先端には主プーリ16が取り付
けられている。外槽2の下面にはモータ17が配置さ
れ、モータ17の回転駆動力はモータプーリ18、Vベ
ルト19を介して主プーリ16に伝達される。また、外
部の水道栓等から給水口20に供給された水は、給水バ
ルブ21を介して外槽2内へ注水されると共にバランス
用注水バルブ22を介して外槽2に設けられた注水ノズ
ル23から放出される。一方、外槽2底部に連結された
排水管24には排水ポンプ25が設けられ、外槽2内に
溜まった水は排水ポンプ25が駆動されることにより外
部に排出される。 【0022】主プーリ16のリング部には開口が円周上
に一箇所設けられており、該リング部を挟んで両側に発
光部261と受光部262とが配置されている。これに
より、ドラム5が一回転する期間に一回だけ発光部26
1から発した光が開口を通過して受光部262に到達す
る。後述の回転センサ26は、この受光信号に基づいて
ドラム5の回転に同期した検出信号(回転マーカ)を出
力する。 【0023】次に、上記バランサ10への注水及び排水
について図3を用いてより詳しく説明する。図3は、バ
ランサ10及び水案内室11の作動状態を示した概略断
面図である。ドラム5が所定の回転速度以上で回転して
いるときに注水ノズル23から水が放出されると、放出
された水は注水開口12を介して水案内室11に入り、
ドラム5の後壁面を伝わる等しつつ遠心力により外周側
へ移動する。そして、図3(a)に示すように、水は遠
心力により水案内室11外周壁内側に張り付いて保持さ
れる。なお、注水開口12は面積が広いため、水圧のば
らつき等により注水ノズル23から放出された水の落下
方向がばらついても、その大部分は確実に水案内室11
に飛び込む。 【0024】バランサ10は、主軸8に対し水案内室1
1よりも更に外周側に広がる中空体となっている。この
ため、水案内室11に注水された水は遠心力により注水
孔13を通ってバランサ10内部に入り込み、図3
(b)に示すようにバランサ10の外周壁側つまりドラ
ム5の内周壁面に張り付いて保持される。なお、水案内
室11の外周側には排水孔14も開口しており、この排
水孔14を通して水案内室11から水が逃げるが、その
排水量は水案内室11に注水される水の量に比較して極
めて少ない。 【0025】バランサ10に溜まった水を排出する際に
は、バランサ10を回転円周上の最高位置で停止させ保
持する。すると、バランサ10内の水に作用する遠心力
が失われるため、図3(c)に示すように、水は注水孔
13を通って水案内室11へ流れ出て、水案内室11の
底部に溜まった水はちょうど回転円周上の最低位置にな
っている排水孔14を通って外槽2へ流れ出る。注水孔
13や排水孔14の開口面積は小さいが、バランサ10
を上記位置に保って暫時経過すれば、バランサ10及び
水案内室11内の水は完全に外槽2へ排出される。 【0026】次に、上記洗濯機における遠心脱水の関連
部分の電気的構成及び動作を図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータを中心に構成される制御部30
は、機能的に、中央制御部31、回転速度制御部32、
偏心荷重検知部33及び注水制御部34等から成る。中
央制御部31は脱水運転を進めるための運転プログラム
が予め記憶されたメモリを含み、偏心荷重検知部33か
ら偏心荷重の大きさ及び位置に関する情報を受け取り、
後述のように処理して所望のドラム回転速度に対応した
モータの目標回転速度を回転速度制御部32に指示す
る。 【0027】回転速度制御部32はモータ駆動部41と
共に、指示された回転速度にモータ17を保持するよう
に動作する。モータ17に誘導機モータ、整流子モータ
等、位相制御により回転速度が制御される電動機を使用
する場合、回転速度制御部32は指示された目標回転速
度とモータ17に付設された回転数検出器43から受け
取った現時点での回転速度の情報とに基づき位相制御角
を算出してモータ駆動部41に与える。モータ駆動部4
1は例えばインバータ制御回路を含み、与えられた位相
制御角に応じてトライアック等の電力スイッチング素子
をオン/オフして得た駆動電流をモータ17に供給す
る。 【0028】モータ電流検出部42は、モータ17に流
れる駆動電流を検出し電圧値に変換して偏心荷重検知部
33に与える。図5はモータ電流の時間変動の一例を示
す図である。図中、回転マーカMは、前述のような回転
センサ26により得られるドラム5の一回転周期を示す
信号に基づくマーカである。ドラム5に偏心荷重が存在
していると、図5に示すようにモータ電流はその偏心荷
重に応じた変動成分を有する。このモータ電流の変動は
モータ17の負荷トルクの変動に対応したものであり、
モータ電流の最大ピークはドラム5の一回転期間内で負
荷トルクが最大になるときに現われる。また、モータ電
流の変動振幅Lは偏心荷重の大きさ(偏心量)に対応し
ている。 【0029】図6は、変動振幅Lと偏心量との関係の一
例を示すグラフである。予めこのような関係を調べてメ
モリに記憶しておくことにより、変動振幅Lから偏心量
を取得することができる。なお、モータ電流の変動要因
は必ずしも偏心荷重だけではないため、偏心荷重に依る
変動成分を精度良く検知するためには、モータ電流の変
動成分からドラム5の回転速度近傍の周波数成分のみを
抜き出すフィルタ処理を行なうとよい。 【0030】偏心荷重検知部33は、図5に示すような
モータ電流の変動成分の信号が入力されると、回転マー
カMの間隔毎つまりドラム5の一回転期間毎に最大ピー
ク及び最小ピークを検出する。そして、その最大及び最
小ピークの差(変動振幅L)を算出し、メモリに記憶し
ている図6に示すような関係を参照して偏心量を得る。
また、最大ピークの出現するタイミング(例えば直前の
回転マーカMからの遅延時間)によりドラム5内周壁上
での偏心荷重の位置を検知する。 【0031】次に、上記構成のドラム式洗濯機における
脱水行程時の制御の手順を、図8のフローチャートに沿
って説明する。以下の説明では、ドラム5の径を470
mmとしたときの数値を例に挙げているが、ドラム径が
相違する場合には各回転速度等の数値を適宜変更するこ
とにより対応可能であることは明白である。 【0032】図8には示していないが、洗濯の洗い行程
に先立って、ドラム5内に収容された洗濯物の量(負荷
量)の検知が行なわれる。負荷量検知は周知の種々の方
法によることができるが、例えば次のような方法によっ
て行なうことができる。まず、乾いた状態の洗濯物がド
ラム5内に収容された後に、給水口20を通して供給さ
れた所定量の水を外槽2に給水する。次いで、ドラム5
を洗い行程時の回転速度(例えば55rpm程度)で所
定時間回転させた後に一旦停止させる。これにより洗濯
物が吸水するため、外槽2内の水位は洗濯物が吸水した
分だけ低下する。洗濯物の量が多い場合には水位低下の
度合も大きくなるから、中央制御部31は外槽2に付設
した水位センサによりその水位低下量を検知し、検知量
に基づいて負荷量を判断する。なお、このように検知さ
れた負荷量は、例えば洗い行程時の給水量の制御等にも
利用することができる。 【0033】洗い行程が終了し脱水行程が開始されると
き、洗濯物はドラム5底部に重積した状態にある。この
ときバランサ10には全く水が入っておらず、ドラム5
自体は偏心荷重を有していない。 【0034】脱水行程の開始が指示されると、まず、回
転速度制御部32はモータ17を起動し、ドラム5内の
洗濯物の絡みがほぐれて分散し易くなるようなほぐし運
転を実行する(ステップS1)。具体的には、洗濯物に
作用する遠心力と重力とが釣り合うような回転速度(以
下「均衡回転速度」という:ここでは約60rpm)よ
りも低い、例えば50〜55rpm程度の回転速度でド
ラム5が左右回転するようにモータ駆動部41を制御す
る。これにより、積み重なり合い且つ絡み合っていた洗
濯物がほぐされ、一枚一枚の洗濯物の間に空気が入って
各洗濯物が互いに剥がれ易くなる。 【0035】次に、回転速度制御部32はドラム5の回
転速度が130rpm迄上昇するようにモータ駆動部4
1を制御し(ステップS2)、中央制御部31はドラム
5の回転速度が130rpmに到達したか否かを繰り返
し判定する(ステップS3)。このときのドラム5の回
転速度は、均衡回転速度よりも高く且つドラム5の共振
点(ここではドラム5内が空の状態で約200rpm)
よりも低い範囲で適宜に選ぶことができる。 【0036】ドラム5が130rpmで回転するとき、
全ての洗濯物は遠心力によりドラム5の内周壁面に押し
付けられた状態で回転する。このとき洗濯物がドラム5
内周壁上で偏在していると、図5に示したようなモータ
電流の変動が生じるので、偏心荷重検知部33は上述の
ようにこの変動成分に基づき偏心量及び偏心位置を検知
する(ステップS4)。 【0037】次いで、中央制御部31は検知された偏心
量が350gより小さいか否かを判定する(ステップS
5)。ステップS5にて偏心量が350gより小さいと
判定されたときには、その状態のまま脱水運転を実行し
ても振動や騒音が小さいと判断できる。そこで、ステッ
プS17に進み、回転速度制御部32はドラム5の回転
速度を1000rpm迄上昇するように制御する。これ
により、洗濯物に浸透していた水は遠心力により飛散し
て脱水される。この高速脱水運転では、布傷みを生じ易
い洗濯物を保護するために、ドラム5の回転速度を使用
者によって指定された洗濯コース(例えば毛布洗濯コー
ス、ドライ専用衣類洗濯コース等)に応じた1000r
pm以下の上限値(例えば800rpm)に制限するよ
うにしてもよい。 【0038】上記ステップS5にて偏心量が350g以
上であると判定されると、次に偏心量が1300gより
も小さいか否かを判定する(ステップS6)。ここで、
偏心量が1300g以上である場合には、たとえ後述の
ように偏心位置がバランサ10に対向する位置近傍に在
ったとしてもバランサ10への注水によって偏心量を3
50g以下にすることができない。そこで、この場合に
はステップS1に戻り、ほぐし運転から処理をやり直
す。 【0039】上記ステップS6にて偏心量が1300g
よりも小さいと判定されると、次に中央制御部31は偏
心位置がバランサ10に対向する位置近傍にあるか否か
を判定する(ステップS7)。偏心位置がバランサ10
の対向位置近傍でない場合には、バランサ10に注水を
行なってもドラム5のバランスをとることはできない。
そこで、ステップS1のほぐし運転に戻る。 【0040】一方、ステップS7にて偏心位置がバラン
サ10の対向位置近傍であると判定されると、中央制御
部31は、先に検知された負荷量が2kg以下であるか
否かを判定する(ステップS8)。負荷量が2kg以下
であると判定された場合には、注水時回転速度nを17
0rpmに設定する(ステップS10)。ステップS8
にて負荷量が2kgを越えていると判定されると、次に
負荷量が4kg以下であるか否かを判定する(ステップ
S9)。負荷量が4kg以下であると判定された場合、
負荷量は2〜4kgの範囲内にある。このときには注水
時回転速度nを150rpmに設定する(ステップS1
1)。ステップS9にて負荷量が4kgを越えていると
判定されると、注水時回転速度nを130rpmに設定
する(ステップS12)。そして、回転速度制御部32
は、このように決定された注水時回転速度n迄ドラム5
の回転速度が上昇するようにモータ駆動部41を制御す
る(ステップS13)。 【0041】図7に示すように、本実施例の構成では、
ドラム5に洗濯物が収容されていない状態(つまり負荷
量0kg)においてドラム5の共振点は約200rpm
である。そして、負荷量が増加して洗濯物の重量を含む
ドラム5の重量が増すに伴いその共振点は下がる。この
ため、例えば4kgの負荷量では共振点は170〜18
0rpm程度になり、もし上記ステップS13にてドラ
ム5の回転速度を170rpm(つまり負荷量2kg以
下の場合の注水時回転速度n)に上昇させてしまうと、
共振点にきわめて近付いて大きな振動を生ずる恐れがあ
る。しかしながら、上記ステップS8〜S12の処理に
より、図7中に示すように注水時回転速度nは負荷量の
増加に伴い段階的に引き下げられる。これにより、4k
gの負荷量では注水時回転速度nは共振点よりも充分に
低い150rpmに設定されるので、上記ステップ13
にて回転速度が上昇されても大きな振動は生じない。 【0042】ドラム5が上記注水時回転速度nに上昇さ
れた後に、注水制御部34はバランス用注水バルブ22
を開放する(ステップS14)。これにより、前述のよ
うに注水ノズル23から水が放出されて水案内室11に
水が入ってゆき、遠心力によってドラム5の内周壁面に
張り付いた状態でバランサ10内に保持される。ドラム
5内の洗濯物は遠心力により完全にその内周壁面に押し
付けられた状態で回転し、一方バランサ10内部の水の
量は徐々に増え重量が増加してゆくから、図5に示した
変動振幅Lは次第に小さくなってゆく。偏心荷重検知部
33は、このように徐々に変化する偏心量を連続的に検
知し、中央制御部31はその検知された偏心量が350
gより小さいか否かを繰り返し判定する(ステップS1
5)。 【0043】上記ステップS15にて偏心量が350g
よりも小さいと判定されると、注水制御部34はバラン
ス用注水バルブ22を閉鎖する(ステップS16)。こ
れにより、バランサ10内部の水の増加は停止し、洗濯
物の偏在による偏心荷重とバランサ10内の水との釣合
によりドラム5全体の偏心量が小さい状態が維持され
る。その後、回転速度制御部32はドラム5の回転速度
を1000rpm又はそれに準じた高速回転速度迄上昇
させるようにモータ駆動部41を制御し、高速脱水運転
を立ち上げる(ステップS17)。 【0044】上記バランサ10への注水の際には、図3
(b)に示したように、水案内室11に入った水は遠心
力により注水孔13を介してバランサ10内に流れ込
む。このため、ドラム5の回転速度が高く遠心力が大き
いほど水の移動が迅速に進む。本実施例では、図7に示
すように、ドラム5の共振点が高い場合には注水時回転
速度nは相対的に高く(つまり共振点に対して過剰な余
裕をとらず)設定されるので、この場合にはバランス調
整に要する時間が短くて済む。 【0045】以上のように、本実施例のドラム式洗濯機
では、負荷量が大きくドラム5の共振点が相対的に低い
ときには、注水時の回転速度も低くなり共振点との差
(つまり余裕)が確保されるので、バランス調整完了前
の振動の発生を確実に回避できる。また、負荷量が小さ
くドラム5の共振点が相対的に高いときには注水時の回
転速度も高くなり、振動の発生を回避しつつ、バランサ
10に迅速に必要量の注水を行なうことができる。 【0046】なお、上記実施例では水を用いるドラム式
洗濯機について説明したが、本発明が石油系溶剤等を使
用したドライクリーナに適用できることは明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例による遠心脱水装置を備え
たドラム式洗濯機の側面断面図。 【図2】 図1のドラム式洗濯機の要部の背面透視図。 【図3】 本実施例の遠心脱水装置におけるバランサへ
の水の注入及び排出の動作を示す概略断面図。 【図4】 本実施例の遠心脱水装置の電気系ブロック構
成図。 【図5】 偏心荷重の影響によるモータ電流の変動の一
例を示す波形図。 【図6】 モータ電流の変動振幅と偏心量との関係の一
例を示すグラフ。 【図7】 本実施例における負荷量と注水時のドラム回
転速度との関係を示すグラフ。 【図8】 本実施例における脱水運転時の制御動作を示
すフローチャート。 【符号の説明】 5…ドラム 9…バッフル 10…バランサ 11…水案内室 12…注水開口 13…注水孔 17…モータ 22…バランス用注水
バルブ 23…注水ノズル 26…回転センサ 30…制御部 31…中央制御部 32…回転速度制御部 33…偏心荷重検知部 34…注水制御部 41…モータ駆動部 42…モータ電流検出
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06F 49/04 D06F 49/04 A (72)発明者 米澤 孝昭 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−10480(JP,A) 特開 平2−92394(JP,A) 特開 平10−230096(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 1/00 - 51/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 籠状のドラム内に洗濯物を収容し該ドラ
    ムを水平軸を中心に回転させることにより該洗濯物の脱
    水を行なう遠心脱水装置において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、 b)ドラム回転中に前記水保持部に水を注入する手段であ
    って、ドラムと共に回転し遠心力により連通孔を通して
    前記水保持部へ水を送り込む水案内手段と、該水案内手
    段に設けられた開口に向けて水を放出する固定された放
    水手段とから成る注水手段と、 c)ドラムを回転駆動するモータと、 d)ドラムの偏心荷重の大きさ及び位置を検知する偏心荷
    重検知手段と、 e)洗濯物の量を検知する負荷量検知手段と、 f)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
    た偏心荷重の位置がドラム内周壁上で該水保持部に対向
    する箇所の近傍であるとき、該偏心荷重の大きさに見合
    った量の水を該水保持部に注入すべく前記注水手段を駆
    動する注水制御手段と、 g)前記水保持部へ注水を行なう際に、前記負荷量検知手
    段にて検知された負荷量に応じた回転速度にてドラムが
    回転すべく前記モータを制御する回転制御手段と、を備
    、回転制御手段は、負荷量が大きい場合には相対的に
    注水時のドラムの回転速度を低く設定し、逆に負荷量が
    小さい場合には注水時のドラムの回転速度を相対的に高
    く設定することを特徴とする遠心脱水装置。
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