JPH0830598B2 - 清浄作業室 - Google Patents

清浄作業室

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JPH0830598B2
JPH0830598B2 JP2825691A JP2825691A JPH0830598B2 JP H0830598 B2 JPH0830598 B2 JP H0830598B2 JP 2825691 A JP2825691 A JP 2825691A JP 2825691 A JP2825691 A JP 2825691A JP H0830598 B2 JPH0830598 B2 JP H0830598B2
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克人 八木
雄二 諌山
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は半導体の製造などに必要
とする清浄な作業環境を作り出すための清浄作業室に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、半導体製造工程に用いられていた
清浄作業室の代表的な例(全面ダウンフロー式クリーン
ルーム)を図5に示す。 【0003】 1は建屋、2はクリーンルーム室内、3
は高性能フィルタ、4は照明灯、5は天井部多孔板、6
は床部多孔板、7は空調用給気ダクト、8は空調用戻り
ダクト、9は露光、エッチング、拡散、メタライズ等の
製造ライン用機器である。図中矢印で示すように高性能
フィルタ3で処理された清浄空気は天井全面より室内2
に吹出し、室内空気は床下を通って排出される。これに
より、室内全体をほぼ一称な高清浄度に維持し、全工程
の作業をこの清浄雰囲気中で行えるようにしている。 【0004】他に関連するものとして特開昭56−16
2335号が挙げられる。しかし、これは清浄作業室内
の圧力を管理することにより清浄度を管理するという技
術的思想に基づくものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】図5の全面ダウンフロ
ー式クリーンルームは室全体の清浄を高める上からは最
良の方式とされていたが、次のような欠点がある。 【0006】(1)清浄化区域および空調対象区域が広
く、高価な高性能フィルタを多量に使用しているため、
設備費が非常に高い。 【0007】(2)空調維持費、フィルタ交換費用など
のランニングコストが高い。 【0008】(3)室全体の空調を行うため、製造ライ
ン別(工程別)の空調温度制御ができない。 【0009】(4)製造ラインのメンテナンスをクリー
ンルーム室内で行うため、それによる発塵が他の製造ラ
イン(工程)に及ぼす影響が大きい。 【0010】(5)床全面を多孔板としているため、床
強度が弱く、最近の微細パターンの半導体の製造には振
動の点で問題がある。 【0011】上記(1)〜(4)の欠点を改善するもの
として特開昭56−162335号が挙げられる。 【0012】 しかし、これは清浄作業室内の圧力を管
理することにより清浄度を管理するという技術的思想に
基づくものであり、空気浄化手段の振動の作業機器への
伝達防止についてはなんら配慮されていない。 【0013】 そのため空気浄化手段の振動が大きく、
この振動が隔壁17を介して作業機器が設置された床面
に伝達されるという問題がある。 【0014】これらの欠点を改善するため、ほぼ並行し
て設けられた作業部と通路部を局部的に覆うよう構成し
た清浄作業室が本発明者らによって考え出された。 【0015】図6は清浄作業室の長手方向に直角な断面
図で、製造ラインの作業用機器9を床下に向い合せに設
置し、2ラインを1組として清浄作業室内に収納した場
合を示す。支柱10と横梁11とで門形フレームを組
み、これに天板12と両側の側板13を張ってトンネル
状覆いを構成し、このトンネル状覆いとそれを設置する
床面とで囲まれた清浄作業室内に作業用機器9を設置す
る作業部14aと作業者が通行する通路部14bとをト
ンネル状覆いの長手方向に連続して設ける。作業部14
aの天井部には空気浄化要素である送風機15,16、
送風チャンバ17,18、高性能フィルタ19,20と
作業部照明灯21を収納し、その下部の清浄空気吹出し
口に格子状の散光板22を設置する。また、通路部14
bの天井部空間には通路部照明灯23を収納し、その下
部の清浄空気吹出し口に格子状の散光板24を設置す
る。25は作業部天井と通路部天井との間の仕切り用化
粧板である。 【0016】送風機15,16の運転により、外部空気
はプレフィルタ26を通して空気吸込み口27から吸込
まれる。作業部用送風機15から送風チャンバ17の送
り出された空気は作業部用高性能フィルタ19により清
浄化された後、作業部天井の全面から室内の作業部14
aへ吹き出し、また、通路部用送風機16から送風チャ
ンバ18へ送り出された空気は通路部用高性能フィルタ
20により清浄された後、通路部天井の全面から室内の
通路部14bへ吹き出す。 【0017】天井面から吹き出された清浄気流は図の矢
印で示すように室内を流れ、両側の側板13の下部に設
けた側面排気口28から外部の保全域へ排出される。室
内圧力は排気口28での圧力損失分だけ外気に対し正圧
となるので、外部からの汚染空気の流入を防止できる。 【0018】側面排気口28は、製造ラインへの水、ガ
ス等の配管類や電線等の引込みにも利用される。側板1
3は、作業用機器9の補修や配管等を外部の保全域から
行えるように、ねじ止めあるいは引掛金具等を用いて部
分的に取りはずせるようにしておく。また、室内の作業
環境の改善と外部からの作業管理の必要上、側板13の
一部を透明板とすることがある。 【0019】図7にはモジュール化した清浄作業室を多
数連結してなる本方式による清浄作業室の外観を示す。 【0020】 しかし、この方式による清浄作業室にお
いては排気口28が両側板13の下部のみであるため、
すべての気流が側面排気口28へ向って流れ、作業部1
4aの吹出し風速を天井全面にわたり均一とした場合、
作業部14aと通路部14bの気流境界線29は図示の
ようになり、通路部を通る作業者からの発塵の影響およ
び作業部を斜めに流れる気流のため作業用機器9の前面
に生じるうず流などにより、通路部の空気が作業部内に
流入するという問題があった。また、作業用機器9が設
置される床面に支柱10が固定されるため、床面の状態
によっては空気浄化手段の振動が作業用機器9に伝達さ
れて微細加工時の精度が低下するという問題もあった。 【0021】 本発明の目的は上記問題点に鑑み、高い
清浄度を維持するとともに空気浄化手段の振動発生およ
び床板への振動伝達を抑制して微細加工時に高い精度を
得られる清浄作業室を提供することにある。 【0022】 【課題を解決するための手段】本発明は建屋内に設けら
れて、その内部にそれぞれ建屋内の空間と隔離されて所
定方向に延びる通路部およびこの通路部に沿ってその両
側に配置された作業部を備えた清浄作業室において、建
屋の床面に掘り下げられた床下還気ダクトと、清浄作業
室の延びる方向に沿って建てられた複数対の支柱を各対
毎に横梁で支柱間を接続して構成された複数の門形フレ
ームと、作業部に上方から清浄空気を吐出 する第1のフ
ィルタと通路部上方の空間に側方から清浄空気を吐出す
る第2のフィルタを有する空気浄化手段と、床下還気ダ
クトの底面から所定間隔離間して作業部下方の床面に設
けられた床板を備え、複数の門形フレームを床下還気ダ
クトの底面に建て、空気浄化手段を作業部上方の空間の
天井板および側板で囲まれた隅部で門形フレームの各支
柱の近傍に配置したことを特徴とするものである。 【0023】 【作用】床下還気ダクトは建屋の床面に掘り下げられて
清浄作業室の延びる方向と直交する方向の幅より広幅で
清浄作業室の延びる方向に延びる。これにより床下還気
ダクトと清浄作業室との間の空間を還流路として利用で
きる。空気浄化手段を、第1の送風機の吹出口に連通し
て作業部に上方から清浄空気を吐出する第1のフィルタ
と第2の送風機の吹出口に連通して通路部上方の空間に
側方から清浄空気を吐出する第2のフィルタを有するよ
う構成することにより作業部上方の空間の天井板および
側板で囲まれた隅部に配置するだけで作業部と通路部の
両方に清浄空気を供給することができる。また、空気浄
化手段は作業部上方の空間の天井板および側板で囲まれ
た隅部に配置されるので門形フレームの各支柱の近傍か
つ横梁の下側に配置されることになり、これにより空気
浄化手段を横梁の支柱との接続点(支点)に近い位置で
支持できるようになり空気浄化手段の振動を減少させる
ことができる。さらに門形フレームの支柱が建屋の床面
に掘り下げられた床下還気ダクトの底面に建てられてい
るので振動が抑制され、床下還気ダクトの底面 から所定
間隔離間して作業部下方の床面に設けられた床板への振
動伝達を大幅に減少させることができる。 【0024】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 【0025】 本発明の一実施例図2ないし図4によ
り説明する。 【0026】 本実施例では、作業部14aは作業者が
通行する通路部14bに隣接してこれに沿って設けら
れ、その内部には清浄度が要求される作業機器9が設置
されるとともに、作業者が通路部14bより自由に出入
りできるよう設けられている。また、作業部14aと通
路部14bとはそれらの両側面に設けられた隔壁として
の側板13により一連の清浄空間を形成している。作業
部の上方に設けられた空気浄化手段は第1の送風機とし
ての送風機15、第2の送風機としての送風機16と、
送風チャンバ17に設けられた第1のフィルタとしての
高性能フィルタ19と、高性能フィルタ19の下流に形
成され散光板22が設けられた第1の空気吐出口と、送
風チャンバ18に設けられた第2のフィルタとしての
性能フィルタ20と、高性能フィルタ20の下流に形成
され散光板24が設けられた第2の空気吐出口とにより
構成される。 【0027】本実施例では清浄空間は並行して設けられ
た2つの作業部14aと作業部14aの中間に設けられ
た通路部14bとにより形成される。空気浄化手段の第
1の空気吐出口および第2の空気吐出口はそれぞれ作業
部14aおよび通路部14bの天井面を形成する。 【0028】通路部14bの天井高さは作業者が立って
通行できる程度に高くし、作業部14aの天井高さは作
業に支障がない限り低くする(一例を示せば、通路部天
井高さ2200mm、作業部天井高さ1800mm)。
作業部天井高さはできるだけ低くした方が、作業部空間
の気流の乱れが少なく、清浄度保持性能が良くなる。 【0029】 空気浄化手段は高性能フィルタ20が対
向するよう配置され、通路部14bに下向きの清浄気流
を供給する整流板としての散光板2 4が高性能フィルタ
20の下方で通路部14bの上方に設けられる。そのた
め、全体として見ると清浄空気を供給する面は、通路部
14bの天井面が作業部14aの天井面より高くなるよ
う逆凹字形断面を有している。また、作業部14a側の
端部上面に空調給気ダクト接続口34が設けられる。こ
れにより空調給気(図示せず)を通路部の両側の作業部
の空調給気ダクト接続口34に接続するだけで通路部及
び両側の作業部に空調空気を供給でき、ダクト工事を大
幅に簡略化することができる。 【0030】 図2、図3はそれぞれ図6、図7と対応
する部分を示すが、本実施例では、両側板13の下部の
側面排気口28のほかに、通路部14bの床面にも清浄
作業室長手方向に連続または断続した床排気口30を設
ける。床31は二重構造としてその下部に床下環気ダク
ト32を形成する。本発明に至る過程で図1に示すよう
に、建屋床面を掘り下げずに床31を全面に設け、この
床上に支柱10を固定し、床排気口30から排気を床下
環気ダクト32と環気口33を通じて外部の保全域へ流
すことが検討されたが、この構成では清浄度は保持でき
るが空気浄化手段の振動が床面31に伝達されるので作
業機器9への振動伝達防止という課題が解決されず、微
細加工を行なう上で支障がある。 【0031】送風機15、16の運転により、空調給気
ダクト接続口34から流入する空調給気と保全域からプ
レフィルタ26を通して空気吸込み口27へ環流する空
気はミキシングチャンバ35で合流し、送風機15、1
6から送風チャンバ17、18へ送り出された空気は高
性能フィルタ19、20で清浄化された後、室内の作業
部14aと通路部14bへそれぞれの天井部から吹き出
す。 【0032】この場合、作業部の吹出し風速は天井全面
にわたり均一である。散光板22,24は照明の散光と
清浄気流の整流のために設けられたものである。 【0033】本実施例では第1の風速設定手段は送風機
15とフィルタ19とにより構成され、第2の送風設定
手段は送風機16とフィルタ20により構成される。 【0034】第1の空気吐出口および第2の空気吐出口
の面積はそれぞれ作業部14aに設置される機器9の大
きさ及び通路部14bとして必要な幅により予め設定さ
れるので、各吐出口における平均風速は各風速設定手段
の送風機とフィルタとの特性の組合せにより設定され
る。 【0035】作業部14aに供給される空気の平均風速
は気流が層流状態を保ち得る風速で、かつ作業者に不快
感を与えないとともに機器9部分における乱流の発生や
発塵の防止を図れる範囲の風速に設定される。 【0036】このような風速の範囲は0.2m/秒〜0.
6m/秒の範囲であり、作業部14aの平均風速はこの
範囲内で設定され、通路部14bの平均風速は作業部1
4aの平均風速以下となるよう設定される。 【0037】1例として、清浄気流の風速は、たとえば
作業部14aでは0.4m/S、通路部14bでは0.2
m/Sというように、作業部平均風速≧通路部平均風速
の関係に保つようにする。 【0038】本実施例においては、清浄作業室内の作業
者は通路部14bを歩行し、通路部14bから自由に出
入りできるよう設けられた作業部14aの内部で作業用
機器9を用いて作業を行なう。特に集積回路等の半導体
製造工程の場合、作業用機器9は大型のものが多く、こ
れらのものを通常のクリーンベンチ内に格納するのはス
ペース的に困難であるとともに作業性を低下させる。 【0039】本実施例では通路部14bから自由に出入
り出来るよう設けられた作業部14aの内部に作業用機
器9を設けているので必要な清浄度を保てるとともに作
業性を損なうことがない。また、半導体製造工程の場合
には作業部への出入りや他の作業部への移動が頻繁に行
なわれるが、本実施例ではこれらの出入りや移動を妨げ
ることはない。 【0040】清浄作業室内においては作業者は無塵服を
着用した場合でも作業用機器に比べ多量の粒子を発生し
発塵源として扱われ、特に一例としてカバーオール型の
無塵服を着用した作業者は歩行時0.3μ以上の粒径の
粒子を一人当たり毎分およそ150000個発生するた
め、通路部には多量の粒子が存在し作業部より低い清浄
度になる。 【0041】本実施例では、作業部14aに供給される
清浄空気の平均風速が通路部14bに供給される清浄空
気の平均風速以上であるので、作業部14aと通路部1
4bとの境界部において通路部14bの気流が作業部1
4aに侵入するのを防止するとともに、通路部14bに
おいても上方から清浄空気が吹き出されるので発塵源か
ら発生した塵埃を下方に流しさることができ作業者から
の多量の発塵があってもその塵埃が通路部14b内に滞
留することを防止できる。 【0042】これにより清浄空気はより高い清浄度が必
要な作業部において層流状態を保ちやすくなり、作業部
の床面近傍まで通路部の気流が混入することなく図の矢
印で示すように流れ、作業部14aと通路部14bの気
流境界線29は図示のように床面に近付くにつれ作業部
から通路部へ向かってふくらみ、空気流通部としての床
排気口30に至る。 【0043】そのため、気流境界線29の作業部側では
床面近傍に向かうにつれ気流のベクトルが通路部に向か
う方向となり、作業者の影響で作業部内に流入した塵埃
や作業部内で発生した塵埃を通路部側へ向かって早急に
流すことができ、作業部内の清浄度が向上する。 【0044】また、床排気口30を通路部14bの中央
部に設けることにより、通路部の気流が床面に近付くに
つれ、何れの作業部からも離れた位置で収束するので、
通路部の気流中の塵埃の作業部への流入を防止できる。 【0045】さらに、床排気口30の幅が通路部の幅よ
り小さいため、床排気口30への流入風速が速くなり床
面近傍に浮遊する塵埃を早急に排出できる。 【0046】この状態では、作業部14aの気流は二方
向に別れて床排気口30と側面排気口28から排出さ
れ、通路部14bの気流は床排気口30からのみ排出さ
れるので、通路部14bを通る作業者からの発塵が作業
部14aに影響を及ぼすことがない。 【0047】また、作業部14aに供給される空気の平
均風速は上記範囲内であるので機器9が設けられていて
も機器9からの発塵を防止できる。また、作業部14a
に設置された機器9の前後に沿って清浄気流が下降する
ため、渦流もできにくく、塵埃が渦流に巻こまれること
による作業部の清浄度低下を防止できる。 【0048】しかも、床排気口30は通路部床面にのみ
設けられ、機器を設置する作業部床面には開口部がない
ので床強度を上げることができ、振動の発生を防止する
ことができる。 【0049】 本実施例における微細加工に必要な清浄
度の維持と空気浄化手段からの振動抑制のための構成を
以下に説明する。 【0050】 本実施例は、建屋の床面に清浄作業室の
延びる方向と直交する方向の幅より広幅で清浄作業室の
延びる方向に延びる床下還気ダクト32を掘り下げ、こ
の床下還気ダクト32の底面に清浄作業室の延びる方向
に沿って横梁11と支柱10で組まれた複数の門形フレ
ームの支柱10を建て、この複数の門形フレームの外側
を天井板12および側板13で覆ったものである。空気
浄化手段は、作業部14a上方の空間の天井板12およ
び側板13で囲まれた隅部にその吸込み口が連通する送
風機15および16と、送風機15の吹出口に 連通して
作業部14aに上方から清浄空気を吐出する高性能フィ
ルタ19と、送風機16の吹出口に連通して通路部14
b上方の空間に側方から清浄空気を吐出する高性能フィ
ルタ20を有して、門形フレームの各支柱10の近傍か
つ横梁11の下側で高性能フィルタ20が対向するよう
に配置される。対向して設けられた高性能フィルタ20
の下方で通路部14bの上方には通路部14bに下向き
の清浄気流を供給する整流板としての散光板24が設置
される。床下還気ダクト32の底面から所定間隔離間し
て作業部14a下方の床面に床板31が設けられる。さ
らに、両側板13とその外側に設けられた側板36との
間に側面還気ダクト37を設け、このダクト37を床下
還気ダクト32および側面排気口28に接続したもので
ある。 【0051】側面還気ダクト37と床下還気ダクト32
により、側面排気口28および床下排気口30からの排
気は合流してプレフィルタ26を通り空気吸い込み口2
7へ還流する。 【0052】この場合、室内に吹き出された清浄空気の
うち、空調給気ダクト接続口34から供給される空気量
に見合った分だけ、側板36の下部に設けた排気口38
から外部(保全域)へ排出されるが、他の大部分の空気
は天井部の空気浄化要素へ還流し、再度清浄化して室内
へ供給される。側板13、側板36は製造ラインのメン
テナンスを保全域から行なえるようねじまたは引っ掛け
金具等により着脱自在に設けられる。 【0053】 本実施例では空気浄化手段は作業部14
a上方の空間の天井板12および側板13で囲まれた隅
部に配置されるので門形フレームの各支柱10の近傍に
配置されることになる。これにより空気浄化手段を横梁
11の支柱10との接続点(支点)に近い位置で支持で
きるようになり空気浄化手段の振動を抑制することがで
きる。さらに門形フレームの支柱10が建屋の床面に掘
り下げられた床下還気ダクト32の底面に建てられてい
るので空気浄化手段から支柱10に伝達された振動はさ
らに抑制される。そのため、床下還気ダクト32の底面
から所定間隔離間して作業部14a下方の床面に設けら
れた床板31への振動伝達を大幅に減少させることがで
き、振動の影響が減少して微細加工の精 度を向上でき、
しかも高い清浄度が維持できて超LSI等の製造に必要
とされる、粒径0.1μmの超微粒子を対象とした清浄
化に特に効果がある。 【0054】図4に示される一般大気中の粒径別塵埃濃
度からも明らかなように、従来のクリーンルームの清浄
度の基準である0.5μm粒子に比べ、0.1μm粒子
は約100倍の濃度を有し、現用の高性能フィルタ(H
EPAフィルタ)の集塵効率(99.99−99.99
9%程度)では、0.1μm粒子で1立法フィート当た
り100個以下の超清浄空気を供給することは困難であ
る。本実施例は室内から排出される比較的清浄度の高い
空気を局所的に循環使用することによって、外部の汚染
空気の混入を防止できて上記のような超清浄空気を供給
することができる。 【0055】 【0056】以上の説明から明らかなように本実施例に
よれば、従来最良の方式とされていた全面ダウンフロー
式クリーンルームに比べ、次の効果が得られる。 【0057】(1)通路部および作業部を有する清浄作
業室が門形フレームの外側を覆う天井板および側板で建
屋内の空間から隔離されるため、この隔離された清浄作
業室内だけに清浄空気および空調空気を供給すればよい
ので清浄化区域および空調対象区域が大幅に減少する
そのため、清浄空気および空調空気の供給装置は全面ダ
ウンフロー式のクリーンルームに比べ小さなもので済
み、設備費を減少させることができる。 【0058】(2)清浄空気および空調空気の供給装置
は全面ダウンフロー式クリーンルームに比べ小さなもの
で済むので、ランニングコストも減少させることができ
る。 【0059】(3)全面ダウンフロー式クリーンルーム
では複数の製造ラインを室内に設置した場合これらのラ
インは同じ雰囲気中に設けられることになるが、本実施
例では製造ラインが建屋内の空間から隔離された作業室
内の作業部に設けられ、この作業部に空調給気ダクト接
続口34を介して個別に空調空気を供給できるので、
造ライン別の空調温度制御が可能となる。 【0060】(4)製造ラインのメンテナンスが外部の
保全域から行えるので、メンテナンス作業による発塵が
他の製造ラインに影響を及ぼすことを防止できる。 【0061】(5)床強度を上げることができるので、
微細加工を行う製造ラインの振動防止の点でもすぐれて
いる。 【0062】 【発明の効果】本発明によれば、高い清浄度を維持でき
るとともに空気浄化手段の振動発生および床板への振動
伝達を抑制でき微細加工時に高い精度が得られる清浄作
業室を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に至る過程で検討された清浄作業室の長
手方向に直角な断面図である。 【図2】本発明の実施例における清浄作業室の長手方
向に直角な断面図である。 【図3】本発明実施例における清浄作業室の外観を示
す斜視図である。 【図4】大気中の粒径別塵埃濃度を示す図である。 【図5】先行技術である全面ダウンフロー式クリーンル
ームを示す側断面図である。 【図6】本発明の基礎となった清浄作業室の長手方向に
直角な断面図である。 【図7】図6の清浄作業室の外観を示す斜視図である。 【符号の説明】 9:作業用機器、12:トンネル状覆いの天板、13:
側板、14a:室内の作業部、14b:室内の通路部、
15,16:送風機、19,20:高性能フィルタ,2
2,24:天井部の清浄空気吹出し口に設置した散光
板、27:空気吸込み口、28:側面排気口、30:床
排気口、32:床下還気ダクト、34:空調給気ダクト
接続口、36:外側の側板、37:側面還気ダクト、3
8:外部への排気口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−162335(JP,A) 「半導体ファインプロセス技術の動向と 最新管理手法」(昭56−4−16)株式会社 サイエンスフォーラム(4)最新半導体工 場のトータル・クリーンルームシステム P.4−1〜4−11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 建屋内に設けられて、その内部にそれぞれ上記建
    屋内の空間と隔離されて所定方向に延びる通路部および
    この通路部に沿ってその両側に配置された作業部を備え
    た清浄作業室において、上記建屋の床面に掘り下げられ
    て上記清浄作業室の延びる方向と直交する方向の幅より
    広幅で上記清浄作業室の延びる方向に延びる床下還気ダ
    クトと、上記清浄作業室の延びる方向に沿って建てられ
    た複数対の支柱を各対毎に横梁で支柱間を接続して構成
    された複数の門形フレームと、上記複数の門形フレーム
    の外側を覆い上記通路部および作業部を上記建屋内の空
    間と隔離するよう設けられた天井板および側板と、それ
    ぞれ空気の吸込み口と吹出口を有する第1の送風機およ
    び第2の送風機と上記第1の送風機の吹出口に連通して
    上記作業部に上方から清浄空気を吐出する第1のフィル
    タと上記第2の送風機の吹出口に連通して上記通路部上
    方の空間に側方から清浄空気を吐出する第2のフィルタ
    を有する空気浄化手段と、上記第2のフィルタの下方で
    上記通路部の上方に設けられて上記通路部に下向きの清
    浄気流を供給する整流板と、上記床下還気ダクトの底面
    から所定間隔離間して上記作業部下方の床面に設けられ
    た床板と、上記通路部の幅より小さい幅を有して上記通
    路部床面に形成されて上記空気浄化手段から上記作業部
    および通路部に供給された空気を排出する床排気口と、
    上記側板の外側に設けられて上記床下還気ダクトから排
    出された空気の少なくとも一部を上記送風機の吸込み口
    に還流する側面還気ダクトを備え、上記複数の門形フレ
    ームは上記床下還気ダクトの底面に建てられ、上記空気
    浄化手段は上記作業部上方の空間の上記天井板および側
    板で囲まれた隅部で上記門形フレームの各支柱の近傍に
    配置されたことを特徴とする清浄作業室。
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「半導体ファインプロセス技術の動向と最新管理手法」(昭56−4−16)株式会社サイエンスフォーラム(4)最新半導体工場のトータル・クリーンルームシステムP.4−1〜4−11

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