JPH08304961A - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JPH08304961A
JPH08304961A JP11174595A JP11174595A JPH08304961A JP H08304961 A JPH08304961 A JP H08304961A JP 11174595 A JP11174595 A JP 11174595A JP 11174595 A JP11174595 A JP 11174595A JP H08304961 A JPH08304961 A JP H08304961A
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JP
Japan
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photographic
gelatin
resin
weight
polyolefin resin
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JP11174595A
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English (en)
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Kengo Yamane
憲吾 山根
Toru Noda
徹 野田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真用支持体とハロゲン化銀写真乳剤層との
間の十分な接着が得られる乳剤膜付きの良好な、かつ乳
剤塗布むらの発生が無い、優れた写真用支持体を提供す
ることを目的とする。 【構成】 天然パルプを主成分とする紙を基質として、
その一方の写真構成層を設ける側の紙基質面がポリオレ
フィン樹脂で被覆され、その反対側の紙基質面がフィル
ム形成能ある樹脂で被覆されており、該ポリオレフィン
樹脂面の固定化されたゼラチン量が特定値以上のもので
ある写真用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、その写真構成層を設ける側の紙基
質(以下、基紙と言う)面がポリオレフィン樹脂で被覆
され、その反対側の基紙面がフィルム形成能ある樹脂で
被覆された樹脂被覆紙型写真用支持体に関するものであ
り、詳しくは写真用支持体とハロゲン化銀写真乳剤層と
の間の十分な接着が得られる乳剤膜付きの良好な、かつ
乳剤塗布むらの発生が無い樹脂被覆紙型写真用支持体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、写真材料は写真用支持体と該支持
体上に設けられた写真構成層とから構成されている。か
かる写真構成層としては、ハロゲン化銀写真乳剤層、保
護層、下引層、中間層あるいは色混り防止層、ハレーシ
ョン防止層、もしくはフィルター層、紫外線吸収層など
およびそれらの組み合わせから構成されたものである。
例えば、単一なハロゲン化銀写真材料は、写真用支持体
上にハロゲン化銀写真乳剤層とその保護層を設けたもの
である。また、多層ハロゲン化銀カラー材料は、写真用
支持体上に下引層、青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間
層、緑感ハロゲン化銀写真乳剤層と紫外線吸収層、赤感
ハロゲン化銀写真乳剤層と保護層などが順に設けられて
多層配置にされ、各感色乳剤層中にイエロー、マゼンタ
及びシアン発色カプラーをそれぞれ含有させたものであ
る。
【0003】ところで、従来よりハロゲン化銀写真材料
の支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルムなどのフィルム、紙を基
質としてその両面をフィルム形成能ある樹脂、多くはポ
リオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙などの疎水性支
持体がよく知られている。特に、写真印画紙用支持体と
しては、旧来用いられてきたバライタ紙に代わり、ポリ
オレフィン樹脂被覆紙が多く用いられるようになってい
る。その理由として、写真用支持体としてのポリオレフ
ィン樹脂被覆紙が疎水性であるために、バライタ紙の場
合と比較して、写真印画紙の現像、定着処理中に処理液
が基紙層に浸透しにくく、それ故水洗、乾燥などの処理
時間が短縮される利点があるためである。
【0004】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の写真構成層を設ける側の面をポリオレ
フィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙型写真用支持体は、依
然としていくつかの点で重大な問題点を有していた。
【0005】即ち、基紙、特に天然パルプを主成分とす
る基紙の写真構成層を設ける側の面をポリオレフィン樹
脂で被覆した樹脂被覆紙は、該樹脂被覆紙を支持体とす
るハロゲン化銀写真材料を製造するに際し、支持体とハ
ロゲン化銀乳剤層とが全く接着しない。また、樹脂被覆
紙型支持体に乳剤を塗布した際に、乳剤の塗布状態が不
均一でむらむらとした状態となる、所謂乳剤塗布むらが
発生するという問題も発生した。これらの対策としては
一般に疎水性支持体表面の火炎処理、コロナ処理、及び
下引処理などがよく知られている。これらの中で火炎処
理は取扱い、コントロールが不便であること、コロナ処
理は処理後、写真乳剤を塗布するまでの経時により水濡
れ性を低下させたり、コロナ放電で活性化されたポリオ
レフィン面がハロゲン化銀乳剤にカブリを生じせしめる
傾向があるなどの問題がある。また下引処理は溶剤塗布
方式の場合には取扱いが不便であるし、通常水濡れ性を
確保するためにさらに別の処理を必要とする。また下引
層構成物質が写真乳剤層に拡散し、写真性能に悪影響を
与える危険がある。従って、写真乳剤の構成要素の一つ
であるゼラチンを主体とする下引きは極めて有利であっ
て、これまでも多く用いられてきた。
【0006】特開昭58-62644号公報には、疎水性ポリマ
ー層上に無機酸化物粒子と親水性バインダーからなる二
層構造の下引層を有する写真用支持体、特開昭58-62645
号公報には、親水性バインダーと無機酸化物と親水性バ
インダーの硬膜剤からなる下引層を有する写真用支持
体、特公平2-15859号公報には、支持体上にゼラチンの
非ビニル誘導体を含む下塗層を有する写真感光材料、特
公平5-55017号公報及び特公平5-55018号公報には、ポリ
オレフィン被覆紙支持体上にある特定の硬膜剤を用いた
ゼラチン下引層を設けたハロゲン化銀写真感光材料の記
載があるが、これらの技術を用いても支持体とハロゲン
化銀写真乳剤層との間の十分な接着は得ることが出来
ず、むしろ下引層のないコロナ放電処理された支持体上
に直接ハロゲン化銀写真乳剤層を塗布したものの方が優
れている傾向にあった。
【0007】特公平3-64051号公報には、疎水性支持体
上にジエン系単量体の共重合体より成り、特定の金属及
びそのイオンを含む下塗層を設けた写真感光材料の記載
があるが、この場合ハロゲン化銀写真乳剤層にカブリが
生じ、写真感光材料としては十分ではなかった。
【0008】以上のように、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の写真構成層を設ける側の面がポリオレ
フィン樹脂で被覆された樹脂被覆紙型写真用支持体とハ
ロゲン化銀乳剤層との接着性に関する要因はほとんど知
られていないし、従来公知の技術を用いて、支持体とハ
ロゲン化銀乳剤層との間に十分な接着が認められる樹脂
被覆紙型写真用支持体を得ることは出来なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、写真用支持体とハロゲン化銀写真乳剤層との間の十
分な接着が得られる乳剤膜付きの良好な、写真構成層を
設ける側の紙基質(以下、基紙と言う)面がポリオレフ
ィン樹脂で被覆され、その反対側の基紙面がフィルム形
成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型写真用支持体を
提供することである。また、本発明の別の目的は、写真
用支持体に乳剤を塗布した際に、乳剤塗布むらの発生が
無い樹脂被覆紙型写真用支持体を提供することである。
【0010】
【課題を達成するための作用及び手段】本発明者らが前
述の問題点を解決するために鋭意検討の結果、乳剤膜付
きは以下のような機構により形成されていくものと考え
た。例えば、コロナ処理等によって本来は疎水性であっ
た支持体表面上に酸素原子が導入、活性化され、カルボ
ニル基、カルボン酸基、エポキシ基、ヒドロキシル基、
ハイドロパーオキサイド基等の極性基が多少共形成され
る。その後、塗布される下引塗液あるいは乳剤塗液中の
ゼラチンとこれら極性基との間に化学結合が生じる。こ
れより支持体表面上にゼラチン分子が強固に固定化さ
れ、この固定化されたゼラチンをベースとして硬膜剤と
の架橋反応により乳剤膜付きが達成されていくものと考
えた。即ち、天然パルプを主成分とする紙を基質とし
て、その一方の写真構成層を設ける側の紙基質面がポリ
オレフィン樹脂で被覆され、その反対側の紙基質面がフ
ィルム形成能ある樹脂で被覆された写真用支持体におい
て、該ポリオレフィン樹脂面の下記で規定される固定化
されたゼラチン量が0.2以上の範囲にあることによ
り、本発明の目的が達成されることを見い出した。
【0011】本明細書でいう固定化されたゼラチン量と
は、ポリオレフィン樹脂面にゼラチン水溶液を塗布して
乾燥した後、主成分として写真現像液1リットル当りハ
イドロキノン22g、K2SO356g、Na224
8H2O15g、NaOH7.3g、KBr6.7gを含
有する写真現像液にて処理して水洗を行い、自然乾燥さ
せた試料をESCAにて測定、炭素原子に対する窒素原
子のピーク面積比を算出することにより求められる値で
ある。
【0012】具体的には、以下の如く求める。測定を行
う前に測定試料の作成を行うが、はじめにポリオレフィ
ン樹脂面に2.5重量%のゼラチン水溶液を乾燥重量で
0.1g/m2になるように塗布し、90℃で約10秒間乾
燥させる。次に、この試料を30℃に保温した、主成分
として写真現像液1リットル当りハイドロキノン22
g、K2SO356g、Na224・8H2O15g、N
aOH7.3g、KBr6.7gを含有する写真現像液に
て15分間処理し、イオン交換水にて30分間の洗浄を
3回行った後、自然乾燥させたものを測定試料とする。
測定に当たっては、例えば、V.G.Scientific社製のES
CAを用いて行うことが出来る。直径約1cmの円状に切
りとった測定試料を試料台に両面テープにて貼り付け、
測定予備室にて1.0×10-8mbarで約2時間脱気す
る。その後、同様に脱気してある測定室に試料台を移し
て炭素原子と窒素原子について測定を行う。この時、炭
素原子についてはC1Sの結合エネルギーである284e
V付近のピークを、窒素原子についてはN1Sの結合エネ
ルギーである399eV付近のピークを測定し、炭素原
子の測定については積算を10回行い、窒素原子の測定
については積算を20回行う。測定後、それぞれのピー
ク面積を算出し、(N1Sのピーク面積)/(C1Sのピー
ク面積)を計算して、これを固定化されたゼラチン量と
した。
【0013】上記のように本発明の目的は、写真用支持
体とハロゲン化銀写真乳剤層との間の十分な接着が得ら
れる乳剤膜付きの良好な写真構成層を設ける側の紙基質
(以下、基紙と言う)面がポリオレフィン樹脂で被覆さ
れ、その反対側の基紙面がフィルム形成能ある樹脂で被
覆された樹脂被覆紙型写真用支持体に関するものであ
る。
【0014】本発明における写真用支持体は、そのポリ
オレフィン樹脂面の固定化されたゼラチン量が、0.2
以上の範囲、好ましくは0.3以上、特に好ましくは0.
4以上の範囲のものである。固定化されたゼラチン量が
0.2未満であると、ハロゲン化銀乳剤層の乳剤膜付き
が不十分となり、乳剤液付きが悪く、ひいては乳剤塗布
むらを生じる。写真用支持体のポリオレフィン樹脂面の
固定化されたゼラチン量を0.2以上にするには、具体
的には、以下の方法(1)〜(4)を用いることによ
り、好ましくは以下の方法を2つ以上、更に好ましくは
3つ以上組み合わせて用いることにより得られることが
本発明者らの検討により明らかとなった。
【0015】(1)写真用支持体のポリオレフィン樹脂
面に適切なコロナ放電処理装置により適切な強度のコロ
ナ放電処理を施す。
【0016】(2)ポリオレフィン樹脂としては、適切
に選択されたポリエチレン系樹脂を用いる。ポリエチレ
ン系樹脂としては、ヘキサン抽出量が3.0重量%以
下、好ましくは2.0重量%以下、特に好ましくは1.5
重量%以下であり、かつ溶融張力(MT)が4.5g以
下、好ましくは4.0g以下、特に好ましくは3.5g以
下であるものを用いる。この物性値の範囲にあるポリエ
チレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂メーカーへオーダ
ーすることによって入手することが出来る。
【0017】本明細書で言うヘキサン抽出量とは、15
0℃で加工した、厚み約38μmのインフレーションフ
ィルムを15cm×2.5cmの短冊に切断したサンプル約
2.5gを、50℃に保ったn−ヘキサン300mlに浸
漬して2時間抽出し、前後のフィルムの重量変化から抽
出前の重量に対する抽出により減少した重量の割合をヘ
キサン抽出量(重量%)と規定する。
【0018】また、本明細書で言う溶融張力(MT)と
は、樹脂をJIS K 6760(ポリエチレン試験方
法)のメルトフローレート測定法において使用するノズ
ルから160℃、0.25g/分で押出し、1.52m/分の
速度で引っ張ったときのノズルから25cm離れたところ
で測定した張力(g)を溶融張力(MT)と規定する。
【0019】(3)基紙をポリオレフィン樹脂組成物で
被覆した後、好ましくは両面を被覆した後、写真用支持
体たる樹脂被覆紙を巻き取るまでの間に、コロナ放電処
理を施されたポリオレフィン樹脂面に適切な配合のゼラ
チン主体の下引層を塗布する。例えば、ゼラチンの他、
界面活性剤等の添加剤の適切に選択されたものを用い
る。
【0020】(4)本発明の実施に用いられる基紙とし
て、その水分含有率が6重量%以上、好ましくは7重量
%以上、特に好ましくは7.5重量%以上、かつ10重
量%未満のものを用いる。基紙の水分は、マイクロ波水
分計(Infrared Engineering株式会社製、モイストレッ
クスMX5000)にて測定することが出来る。
【0021】本発明で用いられる天然パルプを主成分と
する基紙としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂
白等の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしくはアル
カリ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素などによ
る酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ処理を
施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合
パルプの木材パルプが用いられ、また、クラフトパル
プ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のも
のを用いることができる。
【0022】本発明で用いられる基紙中には、紙料スラ
リー調製時に各種の添加剤を含有せしめることができ
る。サイズ剤として、脂肪酸金属塩又は脂肪酸、特公昭
62-75634号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダ
イマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、ア
ルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン
誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオ
ン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルア
ルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン
等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩
化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩
等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸
等を、その他特開昭63-204251号公報、特開平1-266537
号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍
光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが有利で
ある。
【0023】また、本発明の実施に用いられる基紙中あ
るいは基紙上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水
性コロイドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤から
成る組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあ
るいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によ
って含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポ
リマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1-266537
号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニ
ルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリア
クリルアミド系ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、
エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジ
ョン、特開昭55-4027号公報、特開平1-180538号公報に
記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタク
リル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマ
ルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン
系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、
エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリ
レート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体
のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤とし
て、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属
塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金
属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポ
リスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料
として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、
硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩
酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記
した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適
宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0024】本発明で用いられる基紙の厚みに関して
は、特に制限はないが、その坪量は20g/m2〜200g/
m2のものが好ましい。また、本発明の実施に好ましく用
いられる水分含有量が6重量%以上、かつ10重量%未
満の基紙は、基紙中の水分を乾燥ゾーンで調整して製造
することが出来る。
【0025】本発明における写真用支持体の基紙の写真
構成層を設ける側(以下、表面と略す)の面はポリオレ
フィン樹脂で被覆される。それらのポリオレフィン樹脂
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリペンテン等のホモポリマー、エチレン−ブチレ
ン共重合体などのα−オレフィンの2つ以上から成る共
重合体及びこれらの混合物であるが、特に本発明の要件
である特定範囲の固定化されたゼラチン量を達成するた
め及び溶融押し出しコーティング性の点からポリエチレ
ン系樹脂が特に好ましい。それらのポリエチレン系樹脂
としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチ
レンとプロピレン、ブチレン等のα−オレフィンとの共
重合体、カルボキシ変性ポリエチレン等及びこれらの混
合物であり、特に好ましくはヘキサン抽出量及び溶融張
力(MT)が前記範囲であるものが特に好ましい。ま
た、各種の密度、メルトフローレート(JIS K 67
60で規定されるメルトフローレートを指し、以下単に
MFRと略す)、分子量、分子量分布のものを使用でき
るが、通常、密度0.90〜0.97g/cm3の範囲、MF
R0.1g/10分〜50g/10分、好ましくは、MFR0.3
g/10分〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは混合
して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成の場合、
最外層の樹脂として、例えばMFR5g/10分〜20g/10
分のもの、下層の樹脂として、例えばMFR2g/10分〜
10g/10分のものを使用するなど別の性質、構成の樹脂
を使用することもできる。
【0026】本発明における写真用支持体の基紙の写真
構成層を設ける側の反対側(以下、裏側と略す)の面
は、フィルム形成能ある樹脂で被覆される。それらのフ
ィルム形成能ある樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押し出
しコーティング性の点から前記したポリオレフィン樹脂
が更に好ましく、ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。
また、特公昭60-17104号公報に記載もしくは例示の電子
線硬化樹脂で被覆してもよい。
【0027】本発明における写真用支持体の表側のポリ
オレフィン樹脂の被覆厚さとしては、4μm〜70μm
の範囲が有用であるが、6μm〜45μmの範囲が好ま
しく、9μm〜35μmの範囲が特に好ましい。また、
写真用支持体の基紙の裏側の面はフィルム形成能ある樹
脂で好ましくは被覆されるが、その樹脂は表側の樹脂と
同様の樹脂が好ましく、その被覆厚さとしては表側の樹
脂と、特にカールバランスを取る範囲で適宜設定するの
が好ましく、一般に4μm〜70μmの範囲が有用であ
るが、好ましくは6μm〜45μmの範囲である。
【0028】本発明における写真用支持体の基紙面に樹
脂を被覆する方法としては、走行する基紙上にポリオレ
フィン樹脂組成物、好ましくはポリエチレン系樹脂組成
物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイからフ
ィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコ
ーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、
溶融フィルムの温度は280℃乃至340℃であること
が好ましい。スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダ
イ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、
スリット開口径は0.1mm乃至2mmであることが望まし
い。また、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、
基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施
すのが好ましい。また、特公昭61-42254号公報に記載の
如く、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガ
スを吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆するの
が好ましい。また、表、裏の樹脂層は逐次、好ましくは
連続的に、押し出しコーティングされる、いわゆるタン
デム押し出しコーティング方式で基紙に被覆されるのが
好ましい。また、写真用支持体の写真構成層を塗設する
側の表樹脂層面は光沢面、特公昭62-19732号公報に記載
の微粗面、マット面あるいは絹目面等に加工することが
出来、その反対側の裏樹脂層は通常無光沢面に加工する
のが好ましい。
【0029】本発明における写真用支持体の樹脂層中に
は、各種の添加剤を含有せしめることが出来る。特公昭
60-3430号公報、特公昭63-11655号公報、特公平1-38291
号公報、特公平1-38292号公報、特開平1-105245号公報
等に記載もしくは例示の酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜
鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂
肪酸金属塩、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示
のヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リン系、
硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セ
リアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー系の顔
料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレッ
ト、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料や染
料、特開平2-254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増
白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせ
て含有せしめることが出来る。それらの添加剤は、樹脂
のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せし
めるのが好ましい。
【0030】本発明において、好ましく用いられる下引
層のためのゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン、酸処
理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、例え
ば二塩基酸の無水物と反応したゼラチンなど各種のもの
を挙げることが出来る。
【0031】また、下引層の塗設量としては特に制限は
ないが、ゼラチンの塗設量として、0.1〜10重量%
の水性塗液を1〜40g/m2塗布するのが良く、ハロゲン
化銀感光材料の保存性及び支持体と感光層との膜付きの
点から固形重量で0.005〜2.0g/m2の範囲が望まし
く、0.01〜1.0g/m2の範囲が特に好ましい。また、
下引塗液のpHとしては、特に制限はないが、写真材料
の保存性の観点からpH8以下が好ましく、pH7以下
が更に好ましい。
【0032】又、下引層中には、各種の添加剤を含有せ
しめることが出来る。防腐剤として、特開平1-102551号
公報に記載もしくは例示のp−ヒドロキシ安息香酸エス
テル化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イソチアゾ
ロン化合物等、界面活性剤として、アルキルベンゼンス
ルフォン酸塩、スルフォコハク酸エステル塩などのアニ
オン系界面活性剤、サポニン、アルキレンオキサイド系
等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303号公報、米
国特許第3,589,906等に記載のフルオロ化した界面活性
剤、スルフォベタイン系両性界面活性剤、アミノ酸類、
アミノアルコールのエステル類等の両性界面活性剤、硬
膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルスルフォン化
合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、アクリロイ
ル化合物、イソシアネート化合物、クロム明ばん、硫酸
クロム等の硬膜剤の他調色剤、蛍光増白剤、マット化
剤、カブリ抑制剤あるいは安定剤、pH調節剤などを適
宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0033】下引層をポリオレフィン樹脂面上に設ける
方法としては、走行する基紙面にポリオレフィン樹脂を
被覆した後、巻き取るまでの間に写真構成層を設ける側
の樹脂面上に、下引塗液を塗布・乾燥して下引層を設け
る、いわゆるオンマシン法で行うのが好ましい。また、
樹脂被覆紙を巻き取ってから、必要に応じて巻取りを貯
蔵後、新ためて下引層を設ける、いわゆるオフマシン法
で行うこともできる。下引塗液を塗布する装置として
は、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコー
ター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、スラ
イドホッパーコーター、カーテンコーター、グラビアコ
ーター、フレキソグラビアコーター及びそれらの組み合
わせ等があげられる。下引層の塗布に際しては塗布に先
立ち、樹脂面をコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処
理を施しておくことが望ましい。塗布された塗液の乾燥
装置としては直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、
エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドラ
イヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイ
クロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置をあげること
ができる。また、乾燥条件は任意であるが、一般には6
0℃〜150℃で数秒〜10分で行われる。
【0034】本発明における写真用支持体の裏樹脂層面
上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を
施した後、帯電防止等のために各種のバックコート層を
塗設することができる。また、バックコート層には、特
公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特公昭57-
53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59-214849
号公報、特開昭58-184144号公報等に記載もしくは例示
の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダ
ー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組
み合わせて含有せしめることができる。
【0035】本発明における写真用支持体は、各種の写
真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写真印
画紙用、写植印画紙用、電算写植印画紙用、レーザー光
感光印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡
散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等各種の用途に
用いることができる。例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀感光乳剤層を設けることがで
きる。ハロゲン化銀感光乳剤層にカラーカプラーを含有
せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を設ける
ことができる。また、銀塩拡散転写法用写真構成層を設
けることができる。それらの写真構成層の結合剤として
は、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物など
の親水性高分子物質を用いることができる。また、上記
の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめることがで
きる。例えば、増感色素として、シアニン色素、メロシ
アニン色素など、化学増感剤として、水溶性金化合物、
イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安定剤とし
て、ヒドロキシートリアゾロピリミジン化合物、メルカ
プトー複素環化合物など、硬膜剤としてホルマリン、ビ
ニルスルフォン化合物、アジリジン化合物など、塗布助
剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、スルホコ
ハク酸エステル塩など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向
上色素、帯電防止剤、pH調製剤、更にハロゲン化銀の
生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合
物などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0036】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0038】実施例1 LBKPパルプ100重量部に対して、アルキルケテン
ダイマ−乳化物(ケテンダイマ−分として)0.4重量
部、カチオン化澱粉4重量部、アニオン化ポリアクリル
アミド0.3重量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料を含
む坪量170g/m2、水分含有率8重量%の基紙の裏面
に、コロナ処理をし、低密度ポリエチレン樹脂(密度
0.924g/cm3;MFR=4.0g/10分)35重量部、
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.967g/cm3;MFR
=7.0g/10分)65重量部からなる樹脂組成物を28g
/m2の塗布量で300℃で溶融押出被覆した。次いで表
面にコロナ処理をし、オートクレーブ法低密度ポリエチ
レン樹脂[密度0.921g/cm3、MFR=7.0g/10
分、ヘキサン抽出量0.8重量%、溶融張力(MT)3.
3g]47.5重量%、含水酸化アルミニウム(対二酸
化チタンに対してAl23分として0.75重量%)で
表面処理したアナタ−ゼ型二酸化チタン含量50重量%
とステアリン酸亜鉛2.5重量%から成る二酸化チタン
顔料のマスタ−バッチ20重量部、上記オートクレーブ
法低密度ポリエチレン樹脂80重量部から成る樹脂組成
物を30g/m2の塗布量で300℃、基紙の走行速度15
0m/分で溶融押し出し被覆した。
【0039】次いで、裏樹脂面にコロナ処理をした後、
乾燥重量分としてゼラチン:二酸化珪素マット化剤(平
均粒子径2.0μ)=3:1から成り、対ゼラチン15
重量%のエポキシ系硬膜剤の他、適量の塗布助剤、無機
帯電防止剤を含むバインダ−塗液をグラビアロ−ルコ−
タ−で供給し、湿潤塗布量が20g/m2になるワイヤ−バ
−を用いて、塗布量を調節し130℃の空気温度で熱風
トンネルドライヤ−で乾燥した。
【0040】引き続き、樹脂被覆紙を巻き取るまでの間
に、該支持体の表側の樹脂面に表1に記載の出力条件で
コロナ放電処理を施し、石灰処理ゼラチン1.5g、パ
ラオキシ安息香酸ブチルの10重量%メタノール溶液
0.3g、スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエス
テル塩のメタノールと水の5重量%混合液0.45gを
含み、全量を水で100gに調製した配合の下引塗液を
ゼラチン塗布量0.06g/m2になるように均一にオンマ
シン塗布して写真用支持体を得た。また、下引層を有し
ない写真用支持体も製造した。固定化されたゼラチン量
は、この段階で採取された試料につき明細書本文に記載
の方法で測定した。なお、下引層を塗設する試料につい
ては下引層を塗設しない試料を別途採取して測定した。
【0041】次いで写真用支持体の表側の下引層上また
はコロナ放電処理を施した樹脂層上に乳剤層及びその保
護層を設けて白黒写真印画紙を得た。乳剤層はヘキサク
ロロイリジウム(III)酸カリウム1.2×10-5gの存
在下に不活性タイプ石灰処理ゼラチン(分子量約47
万)19.2g中に硝酸銀で19.2g分のハロゲン化銀
粒子を生成・分散して製造したArBr/AgCl/A
gI=95/4.5/0.5(モル%)なるハロゲン組成
を有する平均粒子径0.6μの最適感度に硫黄増感と金
増感により併用増感した実質的に〔1、0、0〕面から
なる中性法ハロゲン化銀写真乳剤を含み、更に成膜に必
要な低分子量ゼラチン(分子量約2万)、硬膜剤として
乳剤層中のゼラチンに対して7.5重量%のエポキシ系
硬膜剤(長瀬産業株式会社製、商品名NER−010、
10重量%メタノール溶液として添加)、塗布助剤とし
て、乳剤層塗液100g当りスルフォコハク酸−2−エ
チルヘキシルエステル塩のメタノールと水との5重量%
混合液0.9gの他、適量の安定剤、増感色素、蛍光増
白剤、増粘剤、フィルター染料等を含み、硝酸銀で2.
2g/m2、ゼラチンで4.4g/m2(湿分塗布量45g/m2
に相当する塗布量で保護層(湿分塗布量17g/m2)と共
にEバー方式で塗布速度70m/分で重層塗布された。保
護層は、不活性タイプ石灰処理ゼラチン(分子量約47
万):低分子量ゼラチン(分子量約2万)=1:4(重
量比)から成る2g/m2に相当するゼラチン、硬膜剤とし
て保護層中のゼラチンに対して10重量%の上記エポキ
シ系硬膜剤、塗布助剤として保護層塗液100g当り上
記塗布助剤の5重量%混合液1.2g及び化1で示され
る化合物の10重量%水溶液0.2gを含む。
【0042】
【化1】
【0043】塗布・乾燥した試料は40℃、常湿下に4
日間保存後濃度D=0.6になるように露光し、現像後
停止、定着、水洗、乾燥した後、乳剤膜付きと視覚的に
乳剤層の塗布むらの発生程度を検定した。
【0044】得られた結果を表1に示す。なお、表1中
の(注1)〜(注4)は以下の通りである。
【0045】(注1)○は本発明による試料No,を表
す。
【0046】(注2)×は下引層を設けないこと以外
は、同様の処理を行った試料を表す。
【0047】(注3)<各サンプルにおける乳剤膜付き
の評価> 乳剤膜付き性は、現像後、釘にて縦横にそれぞれ1cm間
隔で乳剤面を引掻き、碁盤目状の傷を付け、その後流水
中で指先でその面を擦り、乳剤層の剥離の程度で評価し
た。評価基準としては以下の通りである。 ◎:乳剤層の剥離がなく、膜付きが良好。 ○:乳剤層の剥離がわずかあるが、実用上問題ない。 △:乳剤層の剥離がやや多いが、実用上下限。 ×:乳剤層の剥離が多く膜付きが実用上問題がある。
【0048】(注4)<各サンプルにおける乳剤塗布む
らの評価> 評価基準としては以下の通りである。 ◎:塗布むらが全くあるいはほとんどない。 ○:塗布むらが少し認められる。 △:ある程度の塗布むらが認められるが、実用可能であ
る。 ×:塗布むらが認められ、実用上問題がある。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、下引層の有無に
かかわらず、固定化されたゼラチン量が0.2以上の範
囲にある本発明における写真用支持体(試料No,4〜
No,11)は、乳剤膜付きに優れ、乳剤塗布むらの発
生が無い、優れた支持体である事がわかる。また、乳剤
膜付き及び乳剤塗布むらの改良効果の点から、固定化さ
れたゼラチン量の範囲としては、0.3以上のものが好
ましく、0.4以上のものが特に好ましい事がわかる。
一方、固定化されたゼラチン量が0.2未満である、本
発明外の写真用支持体(試料No,1〜No,3)は、乳
剤膜付きが悪くて問題がある事がわかる。
【0051】実施例2 実施例1の試料No,8において、使用した低密度ポリ
エチレン樹脂の代わりに、下記のポリエチレン樹脂また
はポリエチレン樹脂組成物(R2〜R10)を使用する
こと以外は実施例1の試料No,8と同様に実施した。
【0052】ポリエチレン樹脂(R1):密度0.92
1g/cm3、MFR7.0g/10分、ヘキサン抽出量0.8重
量%、溶融張力(MT)3.3gの実施例1で用いた同
じオートクレーブ法低密度ポリエチレン樹脂。
【0053】ポリエチレン樹脂(R2):密度0.91
9g/cm3、MFR7.5g/10分、ヘキサン抽出量1.0重
量%、溶融張力(MT)3.8gのオートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂。
【0054】ポリエチレン樹脂(R3):密度0.91
9g/cm3、MFR7.0g/10分、ヘキサン抽出量1.0重
量%、溶融張力(MT)4.1gのオートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂。
【0055】ポリエチレン樹脂(R4):密度0.92
4g/cm3、MFR3.5g/10分、ヘキサン抽出量0.8重
量%、溶融張力(MT)6.9gのオートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂。
【0056】ポリエチレン樹脂(R5):密度0.91
9g/cm3、MFR11g/10分、ヘキサン抽出量2.0重量
%、溶融張力(MT)1.2gのオートクレーブ法低密
度ポリエチレン樹脂。
【0057】ポリエチレン樹脂(R6):密度0.92
1g/cm3、MFR13g/10分、ヘキサン抽出量3.2重量
%、溶融張力(MT)0.9gのオートクレーブ法低密
度ポリエチレン樹脂。
【0058】ポリエチレン樹脂(R7):密度0.91
8g/cm3、MFR6.5g/10分、ヘキサン抽出量1.5重
量%、溶融張力(MT)3.8gのチューブラ法低密度
ポリエチレン樹脂。
【0059】ポリエチレン樹脂(R8):密度0.92
4g/cm3、MFR3.0g/10分、ヘキサン抽出量1.5重
量%、溶融張力(MT)6.3gのチューブラ法低密度
ポリエチレン樹脂。
【0060】ポリエチレン樹脂(R9):密度0.91
8g/cm3、MFR6.0g/10分、ヘキサン抽出量3.2重
量%、溶融張力(MT)4.1gのチューブラ法低密度
ポリエチレン樹脂。
【0061】ポリエチレン樹脂組成物(R10):密度
0.919g/cm3、MFR8.0g/10分のオートクレーブ
法低密度ポリエチレン樹脂80重量部と密度0.967g
/cm3、MFR6.8g/10分の高密度ポリエチレン樹脂と
を混練用押し出し機を用いて予め溶融・混合して調製し
たコンパウンド樹脂組成物であって、ヘキサン抽出量
0.8重量%、溶融張力2.5gのポリエチレン樹脂組成
物。
【0062】得られた結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】なお、表2中の(注3)〜(注4)は、表
1中のそれらと同意義である。
【0065】表2から明らかなように、固定化されたゼ
ラチン量が0.2以上の範囲にある本発明における写真
用支持体(試料No,12〜No,21)は、乳剤膜付き
が良好で、乳剤塗布むらの発生が無い、優れた写真用支
持体であることがよくわかる。また、乳剤膜付き及び乳
剤塗布むらの改良効果の点から、固定化ゼラチン量の範
囲としては、0.3以上のものが好ましく、0.4以上の
ものが特に好ましいことがよくわかる。特に、本発明の
実施に用いられるポリエチレン系樹脂としては、ヘキサ
ン抽出量が好ましくは3.0重量%以下のもの、更に好
ましくは2.0重量%以下のもの、特に好ましくは1.5
重量%以下のものであること、また溶融張力(MT)が
好ましくは4.5g以下のもの、更に好ましくは4.0以
下のもの、特に好ましくは3.5g以下のものであるこ
とがよくわかる。
【0066】実施例3 実施例1で用いた基紙の代わりに、基紙中の水分を乾燥
ゾーンで表3に記載の水分含有率になるように調整して
製造した基紙を用いる以外は、実施例1の試料No,8
と同様に実施した。
【0067】得られた結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】なお、表3中の(注3)〜(注4)は、表
1中のそれらと同意義である。
【0070】表3から明らかな如く、乳剤膜付き及び乳
剤塗布むらの改良効果の点から、本発明の実施に用いら
れる基紙としては、水分含有率が、好ましくは7.0重
量%以上のもの、特に好ましくは7.5重量%以上のも
のであることがよくわかる。又、水分含有率が10重量
%のものは、基紙と表樹脂層との接着性が不十分であっ
た。このことから、基紙の水分含有率は10重量%未満
が好ましいことがわかる。
【0071】実施例4 実施例1の下引塗液に使用したゼラチンを下記のものに
代える事以外は実施例1の試料No,8と同様に実施
し、実施例の試料No,8と同様の結果を得た。
【0072】(下引塗液A)石灰処理ゼラチン(実施例
1で用いた同じ下引配合)。 (下引塗液B)石灰処理ゼラチン、追加の添加剤として
前記化1で示される化合物の10重量%水溶液0.36
g。
【0073】(下引塗液C)低分子量ゼラチンと石灰処
理ゼラチンの1:1(重量比)の混合物。 (下引塗液D)酸処理ゼラチン。
【0074】実施例5 実施例1の試料No,8において、使用した低密度ポリ
エチレン樹脂の代わりに下記のポリオレフィン樹脂組成
物(R11)を使用する以外は、実施例1の試料No,
8と同様に実施した。その結果、固定化されたゼラチン
量は0.32であり、乳剤膜付きが良く、乳剤塗布むら
の発生が無い、優れた写真用支持体を得た。
【0075】ポリオレフィン樹脂組成物(R11):低
密度ポリエチレン樹脂(密度0.922g/cm3、MFR=
6.0g/10分)20重量%とエチレン成分が7モル%で
あるランダムポリプロピレン系樹脂(密度0.900g/c
m3、JIS K 6758で規定されるメルトフローレー
ト=28g/10分)80重量%を二軸混練押し出し機を用
いて混練押し出し後冷却し、ペレット化して製造したコ
ンパウンド樹脂組成物(密度0.904g/cm3、JIS
K 6758で規定されるメルトフローレート=21g/1
0分)。
【0076】実施例6 実施例1で用いた乳剤層及び保護層の代わりに、それぞ
れ下記のものを用いる以外は、実施例1と同様に実施し
た結果、実施例1と同様の結果を得た。
【0077】乳剤層は、実施例1と同じハロゲン化銀写
真乳剤を含み、更に成膜に必要な不活性タイプ石灰処理
ゼラチン(分子量約47万)、硬膜剤として乳剤層中の
ゼラチンに対して1.5重量%の2、4−ジクロロ−4
−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(5重量%
水溶液として添加)、塗布助剤として乳剤層塗液100
g当りスルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル
塩のメタノールと水との5重量%混合液0.9gの他、
適量の安定剤、増感色素、蛍光増白剤、増粘剤、フィル
ター染料等を含み、硝酸銀で2.2g/m2、ゼラチンで4.
4g/m2(湿分塗布量60g/m2)に相当する塗布量で保護
層(湿分塗布量25g/m2)と共にEバー方式で塗布速度
70m/分で重層塗布された。保護層は、2g/m2に相当す
る不活性タイプ石灰処理ゼラチン(分子量約47万)、
硬膜剤として保護層中のゼラチンに対して2.0重量%
の上記トリアジン系化合物、塗布助剤として保護層塗液
100g当り上記塗布助剤の5重量%混合液1.5g及
び前記化1で示される化合物の10重量%水溶液0.2
gを含む。
【0078】
【発明の効果】本発明により、写真用支持体とハロゲン
化銀写真乳剤層との間の十分な接着が得られる乳剤膜付
きの良好な、かつ乳剤塗布むらの発生が無い、優れた写
真用支持体を提供できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の写真構成層を設ける側の紙基質面がポリ
    オレフィン樹脂で被覆され、その反対側の紙基質面がフ
    ィルム形成能ある樹脂で被覆された写真用支持体におい
    て、該ポリオレフィン樹脂面の下記で規定される固定化
    されたゼラチン量が0.2以上の範囲にあることを特徴
    とする写真用支持体。 固定化されたゼラチン量:ポリオレフィン樹脂面にゼラ
    チン水溶液を塗布して乾燥した後、主成分として写真現
    像液1リットル当りハイドロキノン22g、K2SO3
    6g、Na224・8H2O15g、NaOH7.3
    g、KBr6.7gを含有する写真現像液にて処理して
    水洗を行い、自然乾燥させた試料をESCAにて測定、
    炭素原子に対する窒素原子のピーク面積比を算出するこ
    とにより求められる値を固定化されたゼラチン量と規定
    する。
  2. 【請求項2】 固定化されたゼラチン量が0.3以上の
    範囲にあることを特徴とする請求項1記載の写真用支持
    体。
  3. 【請求項3】 固定化されたゼラチン量が0.4以上の
    範囲にあることを特徴とする請求項1記載の写真用支持
    体。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン樹脂が、二酸化チタン顔
    料を含むものであることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の写真用支持体。
  5. 【請求項5】 写真構成層を設ける側のポリオレフィン
    樹脂面にゼラチンを含有する下引層が塗設されているこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の写真用支
    持体。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン系
    樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は
    5記載の写真用支持体。
  7. 【請求項7】 ポリエチレン系樹脂は、下記で規定され
    るヘキサン抽出量が3.0重量%以下であり、かつ下記
    で規定される溶融張力(MT)が4.5g以下のもので
    ある請求項6記載の写真用支持体。 ヘキサン抽出量:150℃で加工した、厚み約38μm
    のインフレーションフィルムを15cm×2.5cmの短冊
    に切断したサンプル約2.5gを、50℃に保ったn−
    ヘキサン300mlに浸漬して2時間抽出し、前後のフィ
    ルムの重量変化から抽出前の重量に対する抽出により減
    少した重量の割合をヘキサン抽出量(重量%)と規定す
    る。 溶融張力(MT):樹脂をJIS K 6760(ポリエ
    チレン試験方法)のメルトフローレート測定法において
    使用するノズルから160℃、0.25g/分で押出し、
    1.52m/分の速度で引っ張ったときのノズルから25c
    m離れたところで測定した張力(g)を溶融張力(M
    T)と規定する。
  8. 【請求項8】 紙基質は、その水分含有率が7.0重量
    %以上10重量%未満のものである請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の写真用支持体。
  9. 【請求項9】 フィルム形成能ある樹脂が、ポリオレフ
    ィン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7又は8記載の写真用支持体。
  10. 【請求項10】 フィルム形成能ある樹脂が、ポリエチ
    レン系樹脂であることを特徴とする請求項9記載の写真
    用支持体。
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