JPH08304614A - 合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置 - Google Patents

合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置

Info

Publication number
JPH08304614A
JPH08304614A JP7114179A JP11417995A JPH08304614A JP H08304614 A JPH08304614 A JP H08304614A JP 7114179 A JP7114179 A JP 7114179A JP 11417995 A JP11417995 A JP 11417995A JP H08304614 A JPH08304614 A JP H08304614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
thin film
plasma
layer
film layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7114179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3474312B2 (ja
Inventor
Masaharu Tanaka
正治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP11417995A priority Critical patent/JP3474312B2/ja
Publication of JPH08304614A publication Critical patent/JPH08304614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3474312B2 publication Critical patent/JP3474312B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、合成樹脂基体上にアンダーコート
層を介して金属反射膜を形成した合成樹脂製反射鏡と、
その製造方法および製造装置に関し、アンダーコート層
に酸素化合割合が傾斜組成構造を有するシリコン酸化膜
を活性化反応性蒸着法により生成することにより高品質
かつ大量生産に適した技術を提供することを目的とす
る。 【構成】 合成樹脂基体1の一面に真空蒸着されたシリ
コン薄膜層5と、その薄膜上に活性化反応性蒸着され、
酸素の化合割合を徐々に増加させた傾斜組成構造を有す
るシリコン酸化物薄膜層6と、その酸化物薄膜層上に活
性化反応性蒸着されたアルミニウムの反射層7と、その
反射層上に活性化反応性蒸着された酸化物保護膜層8
と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製反射鏡、そ
の製造方法および製造装置に関し、特に合成樹脂製部品
への薄膜の低温形成技術を用いた合成樹脂製反射鏡、お
よびその製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に合成樹脂製反射鏡において、合成
樹脂(プラスチック)製光学部材上に金属反射膜等の光
学薄膜を形成する場合、有機物である合成樹脂の表面に
無機物である金属層を形成することになり、その界面は
化学的結合を伴わない接合であるため、両者の熱膨張係
数の差異や薄膜の内部応力の存在などによって基体であ
る合成樹脂と金属薄膜の密着性(付着力)が損なわれや
すい。そのため性質の異なる両者の間に緩衝層(アンダ
ーコート層)を設けて密着性の向上を図っている。
【0003】従来の合成樹脂製反射鏡の構造について図
9を用いて詳しく述べる。合成樹脂基体1上にアンダー
コート層2としてたとえば、酸化シリコン(SiO)を
50nm程度形成し、反射膜3としてアルミニウム薄膜
を真空蒸着法などで80〜100nmに形成する。アル
ミニウム薄膜上にはオーバーコート層4として、たとえ
ば酸化シリコンを光学的膜厚nd=λ0/2の厚みで形
成している。ここでnは薄膜の屈折率、λ0は設計主波
長であり、上式により反射膜の反射率を良好な条件に保
っている。
【0004】アンダーコート層2は基体1と反射膜3の
密着性や樹脂内部の水分による反射膜物質(アルミニウ
ム)の変質を防止するために設けられ、上述した酸化シ
リコンのほかに二酸化シリコン(SiO2)等の無機薄
膜が用いられる。アンダーコート層2の膜厚について
は、アルミニウム薄膜を反射膜3として用いるので特別
に制約はない。実際には各層の膜応力(残留応力)のバ
ランスを取り、剥離を防止でき、かつ基体内部からの水
分の影響がない膜厚として50nm程度にしている。
【0005】また、表面保護を目的とするオーバーコー
ト層4としては耐食性、耐擦傷性に優れた酸化シリコン
等の無機薄膜を設けている。このような従来の構造にお
いては、例えば合成樹脂としてポリカーボネイト樹脂を
用いた場合では、ポリカーボネイト樹脂の熱膨張係数が
無機薄膜(SiO、SiO2、MgF2等)に比べ1桁ほ
ど大きいため、例えばアンダーコート層として酸化シリ
コン薄膜を真空蒸着法で形成すると、引っ張り応力が加
わるので熱などの外的ストレスによって容易に剥離して
しまう問題点があった。
【0006】次に従来の合成樹脂製反射鏡の製造方法お
よび製造装置について説明する。通常、合成樹脂製光学
部品は任意の形状に成形加工が容易で大量生産が可能で
あるが、光学薄膜をその基体上に形成するには品質上の
問題点のほかに工程上の制約も多く、従来のガラス製光
学部品への薄膜形成技術がそのまま適用できなかった。
つまり、上述したように合成樹脂上にアンダーコート層
としてシリコン系あるいは、紫外線系樹脂の層を薄く形
成し、その上に金属反射膜を形成する方法が採用されて
いるが、このアンダーコート層は従来、塗布法や浸漬法
(ディッピング)によって形成されている。これらの形
成方法では、アンダーコート層は数μmから数十μmの
厚みを持つうえ、表面の粗さや膜質の均一性も不十分な
ことから、半導体レーザー等の短波長光源の反射鏡とし
ては、表面粗さの点で問題があった。このアンダコート
層として酸化シリコン、二酸化シリコンなどを真空蒸着
法で数十nmの膜厚に形成した場合には上述の問題は解
決できるが、有機物表面に直接無機薄膜を形成すること
になるので性質の全く異なる物質が接することとなり密
着性が損なわれてしまう。
【0007】また、ガラス部品への成膜とは異なり、不
純物の除去のために成膜前に表面加熱を行ったり、付着
力を高めるために加熱しながら成膜することができない
ため、従来のイオンプレーティングやプラズマCVDの
成膜方法が適用できない問題点があった。具体的にはポ
リカーボネイト樹脂の熱変形温度は130度程度である
ため、成膜前の加熱脱気処理や膜質、膜構造の付着力を
高めるための高温プロセスを用いた成膜方法が使用でき
ず、合成樹脂部品に対しては最高でも100度程度を越
えない成膜前処理や成膜時温度の条件を保つ必要性があ
った。一般に成膜時の温度が低いと薄膜の緻密性や基体
との密着性が劣り、光学的特性や機械的特性が確保でき
ない。
【0008】そのため、従来合成樹脂部品への光学薄膜
形成では、真空蒸着法が適用されていた。このような例
としては、特開平2−50104号公報等がある。ここ
では反射層としてアルミニウム薄膜を形成する場合に、
合成樹脂製基体との密着性やアルミニウム薄膜の基体内
部の水分等による変質を防止するため、アンダーコート
層として酸化シリコンや二酸化シリコン等の無機薄膜を
真空蒸着法により形成し、さらにアルミニウム薄膜の反
射層を同じく真空蒸着法により形成している。この反射
層の上に耐環境性を向上させるため耐食性、耐擦傷性に
優れた無機薄膜をオーバーコート層として設けている。
【0009】一方、特開平4−176876号公報のよ
うにスパッタリング法を用いて低温で光学薄膜を形成す
る方法もとられている。また、特開平5−140728
号公報に示されるようにイオンビームを援用して真空蒸
着を行う方法や成膜前に部品表面をプラズマ洗浄やイオ
ンビーム洗浄等のいわゆる乾式(ドライ)洗浄を行い部
品表面を活性化して付着力を増強する方法が取られてい
るが、本質的な解決には至っていない。さらにアンダー
コート層やオーバーコート層として酸化シリコンを成膜
する場合には成膜条件によって屈折率や吸収係数が左右
され安定した成膜が難しいため、蒸着時の圧力や成膜中
の酸素分圧の挙動に注意する必要がある。
【0010】上述した真空蒸着法で薄膜を形成した場合
には膜質が緻密となっておらず、内部応力もあるため外
部の環境の影響を受けやすく、たとえば温度60度、湿
度(相対)90%の高温高湿度試験を実施すると、数十
時間の放置で膜の浮きや剥離が容易に生じる場合があ
る。また、プラズマ洗浄、紫外線/オゾン洗浄、イオン
ビーム洗浄などの前処理についても成膜用の真空容器の
同一系で処理ができず、バッチ処理で行う場合がほとん
どで装置全体の構成が独立しているため大規模になり、
製品のコストを引き上げていた。さらにイオンビーム洗
浄の場合には基体表面上を大きく荒らして逆に付着力の
障害になることが多く、洗浄の条件設定が難しい上に中
性化されたビームを照射しないと基体表面のチャージア
ップが生じてしまうのでイオンビームの中性化機構が必
要となる。スパッタリング法による成膜も本質的には残
留内部応力の大きさがクラック発生の原因となってい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように真空蒸
着法では一般に膜質が緻密でなく、内部応力が引っ張り
応力として働く傾向があり、一方、スパッタリング法で
は、膜質が緻密であるが内部応力が圧縮応力の傾向を示
す。また、基体とアンダーコート層(酸化シリコン)の
界面が化学的結合状態でなく、物理的に接合しているた
め、基体表面に存在する不純物や水分の影響、上述した
残留内部応力や外的ストレスで容易に剥離する欠点があ
った。また、比較的柔らかい基体に硬い薄膜(酸化シリ
コンや二酸化シリコン)が付着しているため、熱膨張力
が両者で大幅に異なりクラックが発生する原因にもなっ
ていた。さらに基体となる合成樹脂の特性等により、た
とえば半導体分野等で一般に行われている大量生産化、
自動化に適した製造方法や製造装置が開発されておら
ず、そのために合成樹脂製反射鏡の製品コストを引き上
げる一因となっていた。
【0012】本発明の目的は、有機物(合成樹脂)基体
上に機械的、熱的特性の異なる無機(金属)薄膜を形成
する際に、有機物と無機物の中間的な特性を持つ物質
(層)を介在させ、密着性の向上を図ると共に、有機物
基体表面の化学的活性化と不純物の除去とにより付着力
の向上を図り、高品質の合成樹脂製反射鏡を提供するこ
とにある。
【0013】また、酸化物薄膜の生成に際して、酸素の
反応状態の効率化と反応度合の監視、均一化制御をする
こと、さらに真空蒸着法、特に活性化反応性蒸着法によ
る比較的低温で行える成膜方法を採用することにより高
品質の合成樹脂製反射鏡の製造方法を提供することにあ
る。さらに、合成樹脂製反射鏡の生産効率の向上と、自
動化に適した製造装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、合成樹脂製反射鏡におい
て、所望の形状に加工した合成樹脂製光学部材の一面に
形成されたシリコン薄膜層と、該シリコン薄膜層上に形
成され、酸素の化合割合を徐々に増加させた傾斜組成構
造を有するシリコン酸化物薄膜層と、該シリコン酸化物
層上に形成された金属反射層と、該金属反射層上に形成
された酸化物保護膜層と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0015】請求項2記載の発明は、合成樹脂製反射鏡
の製造方法として、所望の形状に加工した合成樹脂製光
学部材の一面にシリコン薄膜層を形成する工程と、該シ
リコン薄膜層上に酸素の化合割合を徐々に増加させた傾
斜組成構造を有するシリコン酸化物薄膜層を形成する工
程と、該シリコン酸化物層上に金属反射層を形成する工
程と、該金属反射層上に酸化物保護膜層を形成する工程
と、を備えたことを特徴としている。
【0016】請求項3記載の発明は、前記シリコン薄膜
層および前記シリコン酸化物薄膜層の形成前に、前記合
成樹脂製光学部材を90℃、3時間加熱脱気する工程を
備えたことを特徴としている。請求項4記載の発明は、
前記加熱脱気する工程において、前記合成樹脂製光学部
材から離脱する不純物気体を組成分析し、該加熱脱気処
理工程を均一化することをを特徴としている。
【0017】請求項5記載の発明は、前記合成樹脂製光
学部材を加熱脱気する工程の後、前記合成樹脂製光学部
材をプラズマ中に接し、該合成樹脂製光学部材表面を該
プラズマにより乾式洗浄するとともに、低温状態のまま
活性化する工程を備えたことを特徴としている。請求項
6記載の発明は、前記合成樹脂製光学部材表面をプラズ
マにより乾式洗浄するとともに、活性化する工程におい
て、該プラズマの特性状態を監視し、該プラズマの特性
状態が所定の特性値から変動した場合に該プラズマの生
成条件を変更することにより、該プラズマ特性を適正な
状態に保つように制御することを特徴としている。
【0018】請求項7記載の発明は、前記酸素の化合割
合を徐々に増加させた傾斜組成構造のシリコン酸化物薄
膜層を形成する工程において、複数の所定の蒸着用蒸発
物質を加熱蒸発させる同一の蒸発源を有し、該蒸発源か
ら酸化シリコンを蒸発させると同時に、アルゴンガスプ
ラズマと酸素ガス導入による活性化反応性蒸着を行い、
前記酸素の導入量を徐々に増加させることを特徴として
いる。
【0019】請求項8記載の発明は、前記シリコン酸化
物薄膜層を活性化反応性蒸着する際に、前記合成樹脂製
光学部材を固定するホルダーに負のバイアス電圧を印加
することを特徴としている。請求項9記載の発明は、前
記シリコン酸化物薄膜層を活性化反応性蒸着する際に、
前記酸素ガス導入量を組成分析し、所定の酸素化合割合
を有する傾斜組成構造のシリコン酸化物薄膜層を形成す
ることを特徴としている。
【0020】請求項10記載の発明は、前記金属反射層
を形成する工程において、該金属としてアルミニウムを
用い、前記蒸発源からアルミニウムを蒸発させると同時
にアルゴンイオンを照射し、かつ前記合成樹脂製光学部
材を固定するホルダーに負のバイアス電圧を印加するこ
とを特徴としている。請求項11記載の発明は、前記酸
化物保護膜層を形成する工程において、前記蒸発源から
保護膜原料物質を蒸発させると同時に、前記合成樹脂製
光学部材表面にアルゴンガスプラズマを照射し、かつ酸
素ガス導入による活性化反応性蒸着を行うことを特徴と
している。
【0021】請求項12記載の発明は、前記酸化物保護
膜層を活性化反応性蒸着する際に、前記合成樹脂製光学
部材を固定するホルダーに負のバイアス電圧を印加する
ことを特徴としている。請求項13記載の発明は、前記
酸化物保護膜層を活性化反応性蒸着する際に、前記酸素
ガス導入量を監視し、前記保護膜原料物質と前記酸素と
が所定の化学量論比を有する酸化物保護膜層を形成する
ことを特徴としている。
【0022】請求項14記載の発明は、前記プラズマの
生成において、電子サイクロトロン共鳴法を用いること
を特徴としている。請求項15記載の発明は、合成樹脂
製光学部材を複数個収納する収納手段と、該合成樹脂製
光学部材を加熱脱気する加熱脱気手段と、プラズマ発生
源を有し、かつ該合成樹脂製光学部材の一面に真空蒸着
法、または前記プラズマ発生源からのプラズマにより活
性化反応性蒸着法により薄膜を生成する成膜手段と、該
薄膜生成の後、前記収納手段を回収する回収手段と、前
記加熱脱気手段と前記成膜手段と前記回収手段の各々を
個別に真空排気する真空排気手段と、前記収納手段を前
記加熱脱気手段から前記成膜手段を介して前記回収手段
へ移動させる移動手段と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0023】請求項16記載の発明は、前記移動手段に
おいて、非磁性のスチールベルトを用いた搬送手段を有
することを特徴としている。
【0024】
【作用】請求項1記載の発明では、有機物である合成樹
脂基体と無機物である金属反射薄膜との間にシリコン薄
膜および酸素の化合割合が徐々に増す傾斜組成構造を有
するシリコン酸化物層を設ける。これにより、合成樹脂
基体とシリコンとの間ではシロキサン結合が形成され
る。シロキサン結合は無機と有機の両方の性質を有する
ので合成樹脂表面と金属反射薄膜との中間層(バッファ
層)として働く。またシリコン酸化物(SiOx)層を
傾斜組成構造とすることによりSi−SiOx−SiO2
の化学的に安定性の高い膜構造を実現するとともに、二
酸化シリコン(SiO2)は無機的性質が強いので金属
反射薄膜との密着性が向上する。また基体の金属薄膜へ
の直接的な影響が阻止される。
【0025】請求項2記載の発明では、合成樹脂基体上
にシリコン薄膜を形成したのち、傾斜組成構造を有する
シリコン酸化物(SiOx)層を形成し、その上に金属
薄膜を形成することにより各層間の密着性が向上する。
請求項3記載の発明では、シリコン薄膜の成膜工程前に
加熱温度90度、加熱脱気時間3時間の加熱脱気処理
(前処理)を行うことによって、あらかじめ合成樹脂基
体表面の脱気処理を行っておき、その後の成膜直前の脱
気処理時間を短縮する。
【0026】請求項4記載の発明では、シリコン薄膜の
成膜工程前の加熱脱気処理において、不純物の組成分析
をすることにより、加熱脱気処理工程を均一化する。請
求項5記載の発明では、シリコン薄膜の成膜直前にプラ
ズマを用いた乾式洗浄を行うことにより、合成樹脂表面
を改質および活性化しシリコンの付着性を高める。
【0027】請求項6記載の発明では、プラズマを用い
た乾式洗浄工程において、プラズマの特性状態をモニタ
ーすることにより、変動に対して生成条件を均一化す
る。請求項7記載の発明では、シリコン酸化物薄膜層を
形成する工程において、アルゴンガスプラズマと酸素ガ
スを導入して活性化反応性蒸着を行うことにより、低温
(90〜100℃)での成膜を可能として合成樹脂基体
の変形を防止する。
【0028】請求項8記載の発明では、活性化反応性蒸
着を行う際に、ホルダーに負のバイアス電圧(−30〜
−20V)を印加することにより、イオンの衝撃効果に
よる合成樹脂基体表面のマイグレーションを発生させて
蒸発堆積させる。請求項9記載の発明では、活性化反応
性蒸着を行う際に、反応ガスの分圧をモニターすること
によりシリコン酸化膜層が有する傾斜組成構造の再現性
を高める。
【0029】請求項10記載の発明では、金属反射薄膜
として、アルミニウムを用い、蒸発時にアルゴンイオン
を照射し、かつホルダーに負のバイアス電圧(−15〜
−5V)を印加することにより、アルミニウム粒子のマ
イグレーションを発生させて堆積させる。請求項11記
載の発明では、酸化物保護膜層を形成する工程におい
て、アルゴンガスプラズマと酸素ガス導入により活性化
反応性蒸着を行うことにより、低温(90〜100℃)
での成膜を可能として合成樹脂基体の変形を防止する。
【0030】請求項12記載の発明では、活性化反応性
蒸着を行う際に、ホルダーに負のバイアス電圧(−30
〜−20V)を印加することにより、イオンの衝撃効果
による金属反射層表面のマイグレーションを発生させて
蒸発堆積させる。請求項13記載の発明では、活性化反
応性蒸着を行う際に、酸素ガス導入量をモニターするこ
とにより、酸化物薄膜層の組成構造の再現性を高める。
【0031】請求項14記載の発明では、プラズマの生
成法として電子サイクロトロン共鳴法を用いることによ
り、電極等の劣化による不純物の発生を抑える。請求項
15記載の発明では、複数の合成樹脂基体をトレイに収
納し、加熱脱気室から成膜室を介して回収室へ移動、成
膜処理することにより、被処理物を外気に触れることな
く大量に処理する。
【0032】請求項16記載の発明では、製造装置の移
動手段として非磁性のスチールベルトを用いることによ
り、移動手段によるプラズマ状態への影響を抑える。
【0033】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は請求項1、2に記載の発明に係る合成樹脂製反射鏡
の一実施例を示す図である。同図において、合成樹脂基
体1、上にシリコン薄膜層5を、たとえば10〜20n
mの厚さで形成したのち、酸素の化合割合を徐々に増加
させた傾斜組成構造を有するシリコン酸化物(Si
x)薄膜層6を形成する。このシリコン薄膜層5とシ
リコン酸化物薄膜層6とをあわせてアンダーコート層と
する。アンダーコート層の全体の厚みを、たとえば30
〜40nmとしたのち、金属反射層7としてアルミニウ
ムの薄膜を、たとえば80〜100nmの厚みで形成す
る。次にアルミニウムの反射層7上に表面保護層8とし
て二酸化シリコン(SiO2)あるいは酸化物アルミニ
ウム(Al23)を光学的膜厚nd=λ0/2の条件を
満たす厚みで形成する。
【0034】次に上述した合成樹脂製反射鏡の製造方法
の一実施例を説明する。合成樹脂基体1たとえばポリカ
ーボネイト基板は、ターボ分子ポンプと冷却トラップを
備えた高真空排気装置により加熱温度90℃、脱気時間
3時間以内の条件で加熱脱気される。この加熱脱気の工
程においては、最初非加熱状態で10-5Pa(10-7
orr)程度の真空状態まで真空排気し、その後ランプ
ヒーターで加熱する。また、合成樹脂基体1表面から離
脱する水分や不純物ガス(加熱放出ガス)を質量分析計
等により組成分析して脱気処理の最終点を設定し、履歴
や汚れの程度の異なる基体に対して均一な処理を施す。
【0035】次に、電子サイクロトロン共鳴プラズマ源
により生成される荷電粒子(アルゴンガスプラズマ)を
合成樹脂基体1に照射してアルゴンイオンと電子の作用
によって基体表面の水分や不純物を物理的に除去すると
ともに、励起粒子(アルゴン−酸素混合プラズマ)を照
射して化学的作用によりを除去し表面の改質を行い低温
のまま活性化する。このプラズマによる乾式洗浄の工程
においては、たとえば静電プローグ測定法によりプラズ
マの特性状態を監視するとともに、圧力、マイクロ波電
力等のプラズマ生成条件を制御してプラズマ電子温度、
プラズマ電子密度等を適正な数値に保つようにする。
【0036】次に、シリコンを電子ビームにより加熱蒸
発させ、合成樹脂基体1上にシリコンの薄膜層5をたと
えば10〜20nmの厚さで真空蒸着する。この後酸化
シリコンを電子ビームにより加熱蒸発させ、電子サイク
ロトロン共鳴プラズマ源により生成されるアルゴン−酸
素混合プラズマを照射するとともに酸素ガスを導入し活
性化反応性蒸着法を用いてシリコンの酸化物(Si
x)薄膜層6をたとえば比較的高圧力の6×10-3
aで30〜40nmの厚みに形成する。ここで酸素ガス
導入量をゼロから徐々に増加させて酸素の反応度、すな
わち元素の存在比率を最終的には二酸化シリコン(Si
2)に近い特性を持つような傾斜組成構造のシリコン
酸化物薄膜とする。このシリコン薄膜層5とシリコン酸
化物薄膜層6とをあわせてアンダーコート層とする。
【0037】このシリコン酸化物薄膜層6を活性化反応
性蒸着により形成する工程においては、合成樹脂基体1
を固定するワークホルダーにたとえば−30〜−20V
のバイアス電圧を印加して、イオンの衝撃効果を利用し
て基体表面のマイグレーションを発生させて緻密な膜構
造を実現するとともに、酸素ガスの導入量を質量分析計
等により組成分析することによりシリコンの質量スペク
トルに対する酸素の質量スペクトルのピーク値を常時把
握して成膜条件を均一化できる。
【0038】次に、アルミニウムを電子ビームにより加
熱蒸発させ、アンダーコート層上に反射層7をたとえば
圧力6×10-3Paで80〜100nmの厚みに蒸着す
る。ここで、アルミニウムの真空蒸着においては、電子
サイクロトロン共鳴プラズマ源で生成したアルゴンガス
プラズマからアルゴンイオン(Ar+)のみを引出し、
アルミニウムの蒸発と同時に照射し、このアルゴンイオ
ンの照射効果を向上させるために合成樹脂基体1を固定
するワークホルダーにたとえば−15〜−5Vのバイア
ス電圧を印加、する。このときアルミニウム蒸着粒子が
蒸着堆積する際、マイグレーション効果により緻密で平
坦な膜構造を実現する。
【0039】次に、酸化シリコンまたはアルミニウムを
電子ビームにより加熱蒸発させると同時に、電子サイク
ロトロン共鳴プラズマ源で生成したアルゴン−酸素混合
プラズマを照射し、かつ酸素ガスを導入し活性化反応性
蒸着法を用いてアルミニウムの反射層7上に表面保護層
8として二酸化シリコン薄膜(SiO2)あるいは酸化
アルミニウム薄膜(Al23)を形成する。この表面保
護層8を活性化反応性蒸着により形成する工程において
は、合成樹脂基体1を固定するワークホルダーにたとえ
ば−30〜−20Vのバイアス電圧を印加して、イオン
の衝撃効果を向上させるとともに、電子によるアルミニ
ウム薄膜表面の変質を防止する。イオンの衝撃効果によ
りアルミニウムの反射層7表面のマイグレーションを発
生させて緻密な膜構造を実現するとともに、酸素ガスの
導入量を質量分析計等により組成分析することによりア
ルミニウムあるいはシリコンの質量スペクトルと酸素の
質量スペクトルのピーク値の変化をモニターして化学量
論比を所望の比率に適合させて成膜条件を元素の分圧と
して設定し均一化する。ここで表面保護層8、すなわち
オーバーコート層は光学的膜厚条件nd=λ0/2を満
たす膜厚で形成する。
【0040】このように本実施例の製造方法は、予備脱
気としての加熱脱気処理(水分等の除去)→成膜前のプ
ラズマ処理(不純物除去と表面改質)→アンダコート層
の形成(シリコン+シリコン酸化物)→反射層の形成
(アルミニウム)→保護層の形成(酸化アルミニウムま
たは二酸化シリコン)→取り出しの一連のインラインプ
ロセスとなり自動化することによって被処理物(合成樹
脂基体)を大気にさらすことなく効率的に反射鏡を製造
することができる。プラズマあるいはイオンのアシスト
効果によって従来では得られなかった密着力の大きい光
学薄膜を合成樹脂基体上に低温で形成できる。
【0041】上述した構成の合成樹脂製反射鏡の製造方
法を実現するため、本発明に係る製造装置の一実施例に
ついて図2〜8を用いて説明する。図2において、合成
樹脂基体の加熱脱気処理を行う前処理室10と、基体の
表面にシリコン、シリコン酸化物、アルミニウム及び表
面保護用の酸化物の各薄膜を形成する成膜室11と、成
膜工程後に製品を回収するアンロード室12とが気密性
を保つためにゲートバルブ13、14で仕切られてい
る。また各処理室には別個の真空排気装置が設けられて
いる。上述の実施例では、ターボ分子ポンプを主排気ポ
ンプとして使用している。ここで、アンロード室12の
排気装置17ではアンロード(搬出)機能のみが要求さ
れるので排気特性のやや劣るメカニカルブースターポン
プやロータリーポンプの使用が可能である。前処理室1
0と成膜室11には各々の処理条件を監視する質量分析
計26、27が設けられていて処理条件制御系28に接
続されている。成膜室11には導波管を介して2.45
GHzのマイクロ波を導入するためのマイクロ波電源1
9が設けられたプラズマ室18と、電源21に接続され
たプラズマ発生用の電磁石コイル20とが付設され、こ
れらにより電子サイクロトロン共鳴法を利用しプラズマ
を発生する。ここでマイクロ波導入には通常スリースタ
ブチューナ等の同調回路が付属しているが本図では省略
している。22はプラズマ室18からイオンを引き出す
ためのイオン引出し電極、23は酸素ガスプラズマ発生
用の酸素ガス導入系、24はアルゴンガスプラズマ発生
用のアルゴンガス導入系、29は成膜室11での活性化
反応性蒸着法で酸化物薄膜を形成する際に使用される酸
素ガス導入系である。合成樹脂基体は数枚毎にワークト
レイ30に収納され、前処理室10から成膜室11を介
してアンロード室12へ外気に触れることなく搬送され
る。
【0042】図3(a)および(b)は、上述した前処
理室10の概要を示す図である。両図において、ワーク
トレイ30に収納された合成樹脂基体(被処理物)3
0’はまず非磁性のスチールベルト32上に載せられた
後トレイホルダー35に把持、上方にて固定されトレイ
30下方の赤外線ランプ等のランプヒーター34によっ
て加熱されるとともに真空排気装置15により脱気処理
される。この後、再びスチールベルト32上に載せられ
省略されている駆動系によりドライブシャフト31が回
転しゲートバルブ13を介して成膜室11に搬送され
る。
【0043】ここで、26は加熱脱気処理において不純
物の除去の程度を定量的に把握するための質量分析計で
あり、これにより特に水分の質量スペクトルを目安にし
て加熱脱気処理の最終点を設定し処理工程の簡素化、再
現化を図る。また、33は水分子や油の分子を凝縮して
トラップする冷却トラップ装置であり、冷媒を循環させ
るか液体窒素トラップが利用でき、さらにターボ分子ポ
ンプと併用することで高価なクライオポンプにより排気
した場合と同様の真空状態を効率的にかつ安価に実現で
きる。
【0044】図5にこの前処理室10での加熱脱気処理
による真空排気特性を示す。ポリカーボネイト(PC)
樹脂を用い、加熱をしないで真空脱気した場合(PC基
板未処理(B))、次の工程で真空脱気をすると1.3
3×10-4Pa(1×10-6Torr)に達するのに約
300分を要するのに対し、初めに非加熱で1×10 -5
Pa(1×10-7Torr)程度の真空状態になるまで
排気処理を行い、その後90度、120分の条件設定で
加熱脱気処理をした場合(PC基板アニール処理後
(C))では、およそ1/10の30分で同等の真空排
気特性が実現できた。
【0045】図6(a)、(b)に質量分析計26を用
いた上記脱気処理時の組成分析の一例を示す。非加熱で
の真空脱気処理時の質量スペクトルを図6(a)に、加
熱脱気処理時の質量スペクトルを図6(b)に示す。両
図において質量数18の水イオン(H2+)に注目する
と、非加熱の場合平衡状態に達するまでに300分以上
を要するのに対し、加熱脱気の場合には60分程度で平
衡傾向が見られた。このように前処理室10において加
熱しながら高真空排気を予め行っておくことが、成膜前
の脱気時間を短縮するのに効果的である。
【0046】また前処理室10での加熱脱気処理は標準
的な条件では、90度、2〜3時間が適当であるが、加
熱脱気処理の質、即ち水分等の不純物がどのくらい除去
できたかを定量的に把握するために上述したように質量
分析計を用いる。これによって注目される水分等の挙動
を見ることができるためバックグラウンドスペクトルに
見られる変化しないスペクトルに対して水分の比率(水
のスペクトルの大きさ)を実験的に決めておけば加熱脱
気処理時間をエンドポイント(最終点)モニターの方法
で短縮することが可能である。具体的には加熱脱気処理
が十分であるときの水分等の不純物の質量スペクトルの
大きさを変化しない質量スペクトルのピーク(標識ピー
ク)を基準としてエンドポイントを決めておけば有効で
ある。
【0047】図4は、上述した成膜室11の概要を示す
図である。スチールベルト32により成膜室11に搬入
されたトレイ30はホルダー35’に把持、上方にて固
定される。ホルダー35’は成膜室11の枠体からは絶
縁されており、バイアス電圧を印加するための電源36
が付設されている。プラズマ室18において生成された
アルゴンなどのプラズマ流をトレイ30に収納されてい
る被処理物30’に照射し乾式洗浄処理をする。通常は
アルゴンイオンと電子の作用によって被処理物表面の水
分や不純物を物理的に除去するとともに、少量の酸素を
添加したアルゴンおよび酸素の混合プラズマを照射して
活性度の高い励起粒子やイオンの化学的作用によって合
成樹脂表面の弱い境界層(Weak Boundary
Layer:WBL)を除去し表面の改質を行う。W
BLは合成樹脂表面に薄膜を堆積させる場合に密着性の
阻害要因となるものである。
【0048】また、同図において、25はシリコン、ア
ルミニウム、酸化シリコンの3種の蒸発るつぼを有する
三連式電子ビーム蒸発源であり、22はプラズマ室18
からプラズマ中のイオンを引き出す電極系であり、39
はその電源装置である。37は成膜室11中のプラズマ
特性を測定する静電プローブであり、38はその電源で
ある。
【0049】次に図7(a)から(c)に成膜室11中
でのプラズマの特性を示す。ここで、図7(a)はコイ
ル電流とプラズマ電子温度、電子密度の関係を示し、図
7(a)はマイクロ波電力と電子温度、電子密度の関係
を示し、図7(a)は圧力と電子温度、電子密度の関係
を示したものである。いずれもプラズマを発生する条件
(磁場強さ、マイクロ波電力、圧力など)によりプラズ
マの特性が急激に変化するのでトレイ30などを挿入し
た時の状態変化に対してモニタリングが必要となる。
【0050】図8は成膜室11中での空間的なプラズマ
特性を示した一例である。静電プローブ37を空間的に
移動させた場合の場所によるプラズマ特性が示されてい
る。このようなプラズマの特性を事前に探索することに
より最適な処理条件(プラズマ電子温度、電子密度、空
間的分布)が設定でき、実際の特性の変動をリアルタイ
ムで計測、モニタリングしながらフィードバック制御が
可能となる。ここで成膜室11における成膜前のプラズ
マ処理はおおむね2×10-3Paの圧力下で実施する。
【0051】このように本実施例においては、ガラス基
体と異なり吸水性がある合成樹脂基体の表面に直接金属
薄膜を蒸着せずにシリコン薄膜層を設けることにより、
このシリコンが合成樹脂基体表面に侵入しシロキサン結
合(−Si−O−Si−)を形成する。ここで酸素原子
(O)は合成樹脂基体表面に存在する元素である。この
シロキサン結合は密着性向上のいわゆるアンカー効果を
果たすとともに無機と有機の両方の性質を兼ね備えてい
るので機械的性質をとってみても合成樹脂表面と無機薄
膜の中間層(バッファ層)として作用させ、接着層とし
ての効果が強いため界面による剥離を抑制することがで
きる。また従来のシリコン系あるいは紫外線系樹脂のア
ンダーコート層に対して平坦で膜質の均一性の良い薄膜
面を確保することができる。シリコン酸化物はシリコン
の薄膜層から見て無機物の性格が増すので次に蒸着する
アルミニウム等の金属薄膜が密着性良く蒸着でき金属薄
膜の変質を効果的に防止することができる。
【0052】また、合成樹脂基体上にアンダーコート層
としてシリコンをベースにした有機物薄膜層のみを形成
した場合では反射膜としての金属薄膜が蒸着しにくく付
着力が確保できないのに対して、シリコン薄膜を中間層
としてその上に有機物物性から徐々に無機物物性へと組
成を遷移させた膜構造(Si−SiOx−SiO2)を形
成することにより剥離しにくく、機械的強度に優れ、化
学的に安定性の高い膜構造を実現することができる。こ
こでシリコン酸化物(SiOX)、特に二酸化シリコン
(SiO2)は化学的に安定な上硬度も高い。(請求項
1) また、本実施例においては、上述したような合成樹脂基
体上にシリコン薄膜層と酸素の化合割合をゼロから徐々
に増加させて最終的には二酸化シリコンに近い特性を持
つような傾斜組成構造のシリコン酸化物薄膜(Si
X)層と金属薄膜から成る反射層を順次形成すること
により有機物物性から無機物物性への組成の遷移をスム
ーズに行い、各層間の付着力を向上させるとともに内部
応力が抑えられた膜構造を実現することができる。(請
求項2) また、本実施例においては、成膜前の加熱脱気処理を所
定の条件で行うことにより成膜直前の脱気処理時間を従
来の1/10程度に大幅に短縮することができる。また
真空排気装置としてターボ分子ポンプと冷却トラップを
併用することで水分やポンプ自体から逆拡散(バックデ
ィフュージョン)する油分子等の不純物を大幅に減少さ
せることができ、被処理物をクリーンに保つことができ
る。(請求項3) また、本実施例においては、成膜前の加熱脱気処理工程
における不純物気体の組成を分析することにより処理工
程の最終点(エンドポイント)を設定できるので無駄を
省いた加熱脱気処理が可能となり処理時間の短縮化が図
れる。また、従来の時間を管理するだけの処理方法では
汚れの程度が異なる被処理物に対して同一の処理しかで
きずバッチ毎に異なる条件に対応ができなかったが、被
処理物の清浄化プロセスの質をモニタリングできるた
め、汚れや履歴の異なる被処理物に対して同一の質の加
熱脱気処理を施すことができる。(請求項4) また、本実施例においては、加熱脱気処理後の洗浄時に
プラズマ中のイオンの衝撃作用で物理的に不純物を除去
するとともに、添加した酸素のプラズマ中の励起粒子
(ラジカル)の作用で合成樹脂基体表面の改質を図るこ
とができる。また、合成樹脂のガラス転移点よりも低い
温度(90〜100℃)で表面の活性化ができるため、
アンダーコート層(シリコン薄膜層及びシリコン酸化物
薄膜層)との密着性を確保することができる。(請求項
5) また、本実施例においては、加熱脱気処理後の洗浄時に
プラズマの特性状態を監視することにより、同一のプラ
ズマ特性値で乾式洗浄処理及び表面改質を施すことがで
きる。空間的に均一な処理条件を見つけることができる
ため面積の大きいワークトレイにおいても効果的にプラ
ズマ処理を施すことができる。また、プラズマは幾何学
的配置(真空容器内のものの配置)によってもその状態
が微妙に変わり得るのでモニタリングを行うことにより
同一のプラズマ処理条件を再現することができる。(請
求項6) さらに、本実施例においては、シリコン酸化物薄膜層の
形成時に同一の電子ビーム源にシリコン、酸化シリコ
ン、アルミニウムの三元のルツボを設置しているため、
酸素の導入量を変えることによりシリコンからシリコン
酸化物への傾斜組成構造を有する薄膜を容易に実現する
ことができる。また、プラズマを用いた活性化反応性蒸
着法を用いることにより低温(90〜100℃)で酸化
物薄膜を形成することができる。また、シリコンとシリ
コン酸化物の薄膜による混合層を形成しながら有機物物
性から無機物物性へ無段階の組成変化が実現できるので
膜構造として熱的、機械的強度を増大させることができ
る。(請求項7) また、本実施例においては、シリコン酸化物薄膜層形成
のための活性化反応性蒸着中に負のバイアス電圧を印加
することによりイオンの衝撃効果があり表面上のマイグ
レーションが発生して膜構造を緻密にすることができ、
通常の真空蒸着法で観察される柱状構造よりも緻密にし
て、化学的に安定な硬質膜を形成することができる。
(請求項8) また、本実施例においては、シリコン酸化物薄膜層形成
のための活性化反応性蒸着中に反応ガスの真空中におけ
る分圧をモニターすることにより酸素の増加量を定量的
に把握することができる。また、シリコンに対する酸素
の質量スペクトルのピーク値を把握して傾斜組成構造を
バッチ毎に正確に再現することができる。(請求項9) また、本実施例においては、金属反射層(アルミニウム
薄膜層)の形成時にアルミニウムの加熱蒸発と同時にア
ルゴンイオンの照射とバイアス電圧の印加を行うことに
よってアルミニウム蒸着粒子の蒸着時にマイグレーショ
ンを起こし、緻密で平坦な反射層を形成することができ
る。(請求項10) また、本実施例においては、表面保護膜層の形成時にア
ンダーコート層と金属反射層の蒸着原料(蒸発物質)と
して使用した酸化シリコンおよびアルミニウムを利用し
て二酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの薄膜を生成
することができる。また、この薄膜生成時には活性化反
応性蒸着法が用いられるためアルゴンプラズマ中に若干
の酸素を添加して酸素(混合)プラズマが生成されるの
で活性度を高くすることができ、反応用の酸素ガスとプ
ラズマにより励起された酸化シリコンおよびアルミニウ
ム粒子と容易に反応して合成樹脂上での0〜100℃の
低温プロセスを実現することができる。(請求項11) また、本実施例においては、表面保護膜層の形成時にバ
イアス電位を印加することによりイオンの衝撃効果が生
じ表面のマイグレーションの発生によって緻密な膜構造
を形成することができ耐擦傷性、耐摩耗性、平坦性、耐
候性(水分、光、紫外線等)に優れた薄膜を形成するこ
とができる。(請求項12) さらに、本実施例においては、表面保護膜層のための活
性化反応性蒸着中に酸素ガス導入量を監視することによ
り所望の化学量論比に適合した気相反応を実現できバッ
チ処理によらない再現性の良い二酸化シリコンおよび酸
化アルミニウムの薄膜を形成することができる。(請求
項13) また、本実施例においては、乾式洗浄、傾斜組成構造の
シリコン酸化膜形成、金属薄膜層形成、及び表面保護膜
層形成の各工程でのプラズマ生成手段として電子サイク
ロトロン共鳴法を用いることにより他の電極を用いた方
法に比べ電極の劣化の心配がなく、不純物物質の発生を
抑えたプラズマの生成ができるとともに装置のメンテナ
ンス上でも省力化を図ることができる。(請求項14) また、本実施例においては、インライン化によってトレ
イに多数個収納した被処理物(合成樹脂部材)を大量に
一括処理することができる。さらに、前処理、成膜、ア
ンロードの各処理室を気密性を保って接続し、各処理室
間にトレイを順次送ることにより被処理物が外気に触れ
ることなく一括して薄膜生成処理することができるた
め、膜の品質が恒常的に確保することができるととも
に、大量生産化、自動化に適した製造装置を実現するこ
とができる。(請求項15) また、本実施例においては、プラズマの状態に影響を与
えない非磁性のスチールベルトでトレイを移動させるこ
とにより安定したプラズマ処理や成膜処理を実現するこ
とができる。また、ラックアンドピニオン等の駆動方法
とは異なり真空中の発塵や潤滑油の使用が回避できるの
で、薄膜形成へのコンタミネーション(汚染)源がない
クリーンな製造装置を提供することができる。(請求項
16)
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、合成樹脂基体と金属反射薄膜との間にシリ
コン薄膜および酸素の化合割合が徐々に増す傾斜組成構
造を有するシリコン酸化物層を設けることにより、化学
的に安定性の高い膜構造を実現することができるととも
に、合成樹脂基体と金属反射薄膜の各々との密着性も向
上させることができるため、基体の影響による金属薄膜
の変質を防止することができるとともに機械的強度の優
れた高品質の合成樹脂製反射鏡を提供することができ
る。
【0054】請求項2記載の発明によれば、合成樹脂基
体上にシリコン薄膜を形成したのち、傾斜組成構造を有
するシリコン酸化物(SiOx)層を形成し、その上に
金属反射薄膜を形成することにより、各層間の密着性を
向上させることができるため、高品質の合成樹脂製反射
鏡を実現する製造方法を提供することができる。請求項
3記載の発明よれば、シリコン薄膜の成膜工程前に加熱
温度90度、加熱脱気時間3時間の加熱脱気処理を行う
ことにより、成膜直前の脱気処理時間を大幅に短縮する
ことができるため、生産効率の高い製造方法を提供する
ことができる。
【0055】請求項4記載の発明によれば、シリコン薄
膜の成膜工程前の加熱脱気処理において、不純物の組成
分析をすることにより、加熱脱気処理工程を均一化する
ことができるため、自動化生産に適した製造方法を提供
することができる。請求項5記載の発明よれば、シリコ
ン薄膜の成膜直前にプラズマを用いた乾式洗浄を行うこ
とにより、合成樹脂基体表面を改質および活性化するこ
とができるため、シリコン薄膜との密着性を向上させた
製造方法を提供することができる。
【0056】請求項6記載の発明よれば、プラズマを用
いた乾式洗浄工程において、プラズマの特性状態をモニ
ターすることにより、プラズマの生成条件を均一化する
ことができるため、品質の整った薄膜を再現性良く形成
する製造方法を提供することができる。請求項7記載の
発明によれば、シリコン酸化物薄膜層を形成する工程に
おいて、活性化反応性蒸着を行うことにより、低温で薄
膜を形成することができるため、合成樹脂基体の変形を
生じることなく傾斜組成構造の薄膜を形成する製造方法
を提供することができる。
【0057】請求項8記載の発明によれば、活性化反応
性蒸着を行う際に、ホルダーに負のバイアス電圧を印加
することにより、イオンの衝撃効果で合成樹脂基体表面
にマイグレーションを発生させて緻密な膜構造を実現す
ることができるため、化学的に安定な傾斜組成構造の薄
膜を形成する製造方法を提供することができる。請求項
9記載の発明によれば、活性化反応性形成条件を均一化
することができるため、蒸着を行う際に、反応ガスの分
圧をモニターすることにより、シリコン酸化物薄膜層の
傾斜組成構造の形成条件を均一化することができ、品質
の整った薄膜を再現性良く形成する製造方法を提供する
ことができる。
【0058】請求項10記載の発明によれば、金属反射
薄膜形成時にアルゴンイオンを照射し、かつホルダーに
負のバイアス電圧を印加することにより、アルミニウム
粒子のマイグレーションを発生させて緻密な膜構造を実
現することができるため、平坦性の高い金属薄膜を形成
する製造方法を提供することができる。請求項11記載
の発明によれば、保護膜層を形成する工程において、活
性化反応性蒸着を行うことにより、低温で薄膜を形成す
ることができるため、合成樹脂基体の変形を生じること
なく傾斜組成構造の薄膜を形成する製造方法を提供する
ことができる。
【0059】請求項12記載の発明によれば、活性化反
応性蒸着を行う際に、ホルダーに負のバイアス電圧を印
加することにより、イオンの衝撃効果で金属反射層表面
のマイグレーションを発生させて緻密な膜構造を実現す
ることができるため、耐環境性に優れた硬質の保護膜を
形成する製造方法を提供することができる。また、請求
項13記載の発明によれば、活性化反応性蒸着を行う際
に、酸素ガス導入量をモニターすることにより、薄膜の
生成条件を均一化することができるため、酸化物薄膜層
の組成構造を再現性良く形成する製造方法を提供するこ
とができる。
【0060】また、請求項14記載の発明によれば、プ
ラズマの生成法として電子サイクロトロン共鳴法を用い
ることにより、電極の摩耗や不純物の発生を抑えたプラ
ズマを生成することができるため、品質の高い薄膜を効
率的に生成する製造方法を提供することができる。さら
に、請求項15記載の発明によれば、複数の合成樹脂基
体を外気に触れることなく一括して工程処理することが
できるので、大量かつ自動化生産に適した製造装置を提
供することができる。
【0061】さらに、請求項16記載の発明によれば、
ワークトレイの搬送手段として非磁性のスチールベルト
を使用しているので、プラズマの特性に影響を与えるこ
とのない良質の製造装置を提供することができる。以上
のことより複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等
に搭載される光ビーム走査系の反射鏡(ハーフミラー、
平面鏡あるいはトロイダルミラー等)において、基体が
合成樹脂製であるものへの反射膜、保後膜生成に応用す
ることができるとともに、合成樹脂製光学レンズを製造
する場合の薄膜形成技術を提供することができる。また
自動車のドアミラー等の従来ガラスで作られていた反射
境を合成樹脂製に置き換えが可能であるので、表面反射
鏡として耐環境性に優れた製品を低コストで提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合成樹脂製反射鏡の一実施例を示
す図である。
【図2】本発明に係る合成樹脂製反射鏡の製造装置の一
実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る合成樹脂製反射鏡の製造装置の前
処理室の一実施例を示す図である。
【図4】本発明に係る合成樹脂製反射鏡の製造装置の成
膜室の一実施例を示す図である。
【図5】本発明に係る前処理工程での加熱脱気処理によ
る真空排気特性を示す図である。
【図6】本発明に係る前処理工程での加熱脱気処理によ
る組成分析特性を示す図である。
【図7】本発明に係る成膜工程でのプラズマ特性を示す
図である。
【図8】本発明に係る成膜工程での空間的なプラズマ特
性を示す図である。
【図9】従来技術に係る合成樹脂製反射鏡の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂基体 2 アンダーコート層 3 反射膜 4 オーバーコート層 5 シリコン薄膜層 6 シリコン酸化物薄膜層 7 金属反射層 8 表面保護層 10 前処理室 11 成膜室 12 アンロード室 13、14 ゲートバルブ 15、16、17 真空排気装置 18 プラズマ室 23、29 酸素ガス導入系 24 アルゴンガス導入系 25 電子ビーム蒸発源 26、27 質量分析計 30 ワークトレイ 30’ 被処理物(基体) 31 ドライブシャフト 32 非磁性スチールベルト 33 冷却トラップ装置 34 ランプヒーター 35、35’ トレイホルダー 37 静電プローブ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望の形状に加工した合成樹脂製光学部材
    の一面に形成されたシリコン薄膜層と、該シリコン薄膜
    層上に形成され、酸素の化合割合を徐々に増加させた傾
    斜組成構造を有するシリコン酸化物薄膜層と、該シリコ
    ン酸化物層上に形成された金属反射層と、該金属反射層
    上に形成された酸化物保護膜層と、を備えたことを特徴
    とする合成樹脂製反射鏡。
  2. 【請求項2】所望の形状に加工した合成樹脂製光学部材
    の一面にシリコン薄膜層を形成する工程と、該シリコン
    薄膜層上に酸素の化合割合を徐々に増加させた傾斜組成
    構造を有するシリコン酸化物薄膜層を形成する工程と、
    該シリコン酸化物層上に金属反射層を形成する工程と、
    該金属反射層上に酸化物保護膜層を形成する工程と、を
    備えたことを特徴とする合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  3. 【請求項3】前記シリコン薄膜層および前記シリコン酸
    化物薄膜層の形成前に、前記合成樹脂製光学部材を90
    ℃、3時間加熱脱気する工程を備えたことを特徴とする
    請求項2記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  4. 【請求項4】前記加熱脱気する工程において、前記合成
    樹脂製光学部材から離脱する不純物気体を組成分析し、
    該加熱脱気処理工程を均一化することを特徴とする請求
    項3記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  5. 【請求項5】前記合成樹脂製光学部材を加熱脱気する工
    程の後、前記合成樹脂製光学部材をプラズマ中に接し、
    該製光学部材表面を該プラズマにより乾式洗浄するとと
    もに、低温状態のまま活性化する工程を備えたことを特
    徴とする請求項3記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  6. 【請求項6】前記合成樹脂製光学部材表面をプラズマに
    より乾式洗浄するとともに、活性化する工程において、
    該プラズマの特性状態を監視し、該プラズマの特性状態
    が所定の特性値から変動した場合に該プラズマの生成条
    件を変更することにより、該プラズマ特性を適正な状態
    に保つように制御することを特徴とする請求項5記載の
    合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  7. 【請求項7】前記酸素の化合割合を徐々に増加させた傾
    斜組成構造のシリコン酸化物薄膜層を形成する工程にお
    いて、複数の所定の蒸着用蒸発物質を加熱蒸発させる同
    一の蒸発源を有し、該蒸発源から酸化シリコンを蒸発さ
    せると同時に、アルゴンガスプラズマと酸素ガス導入に
    よる活性化反応性蒸着を行い、前記酸素の導入量を徐々
    に増加させることを特徴とする請求項2記載の合成樹脂
    製反射鏡の製造方法。
  8. 【請求項8】前記シリコン酸化物薄膜層を活性化反応性
    蒸着する際に、前記合成樹脂製光学部材を固定するホル
    ダーに負のバイアス電圧を印加することを特徴とする請
    求項7記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  9. 【請求項9】前記シリコン酸化物薄膜層を活性化反応性
    蒸着する際に、前記酸素ガス導入量を組成分析し、所定
    の酸素化合割合を有する傾斜組成構造のシリコン酸化物
    薄膜層を形成することを特徴とする請求項7記載の合成
    樹脂製反射鏡の製造方法。
  10. 【請求項10】前記金属反射層を形成する工程におい
    て、該金属としてアルミニウムを用い、前記蒸発源から
    アルミニウムを蒸発させると同時にアルゴンイオンを照
    射し、かつ前記合成樹脂製光学部材を固定するホルダー
    に負のバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項
    2記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  11. 【請求項11】前記酸化物保護膜層を形成する工程にお
    いて、前記蒸発源から保護膜原料物質を蒸発させると同
    時に、前記合成樹脂製光学部材表面にアルゴンガスプラ
    ズマを照射し、かつ酸素ガス導入による活性化反応性蒸
    着を行うことを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製反
    射鏡の製造方法。
  12. 【請求項12】前記酸化物保護膜層を活性化反応性蒸着
    する際に、前記合成樹脂製光学部材を固定するホルダー
    に負のバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項
    11記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  13. 【請求項13】前記酸化物保護膜層を活性化反応性蒸着
    する際に、前記酸素ガス導入量を監視し、前記保護膜原
    料物質と前記酸素とが所定の化学量論比を有する酸化物
    保護膜層を形成することを特徴とする請求項11記載の
    合成樹脂製反射鏡の製造方法。
  14. 【請求項14】前記プラズマの生成において、電子サイ
    クロトロン共鳴法を用いることを特徴とする請求項5、
    7、10および11記載の合成樹脂製反射鏡の製造方
    法。
  15. 【請求項15】合成樹脂製光学部材を複数個収納する収
    納手段と、該合成樹脂製光学部材を加熱脱気する加熱脱
    気手段と、プラズマ発生源を有し、かつ該合成樹脂製光
    学部材の一面に真空蒸着法、または前記プラズマ発生源
    からのプラズマにより活性化反応性蒸着法により薄膜を
    生成する成膜手段と、該薄膜生成の後、前記収納手段を
    回収する回収手段と、前記加熱脱気手段と前記成膜手段
    と前記回収手段の各々を個別に真空排気する真空排気手
    段と、前記収納手段を前記加熱脱気手段から前記成膜手
    段を介して前記回収手段へ移動させる移動手段と、を備
    えたことを特徴とする合成樹脂製反射鏡の製造装置。
  16. 【請求項16】前記移動手段において、非磁性のスチー
    ルベルトを用いた搬送手段を有することを特徴とする請
    求項15記載の合成樹脂製反射鏡の製造方法。
JP11417995A 1995-05-12 1995-05-12 合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置 Expired - Fee Related JP3474312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11417995A JP3474312B2 (ja) 1995-05-12 1995-05-12 合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11417995A JP3474312B2 (ja) 1995-05-12 1995-05-12 合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08304614A true JPH08304614A (ja) 1996-11-22
JP3474312B2 JP3474312B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=14631173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11417995A Expired - Fee Related JP3474312B2 (ja) 1995-05-12 1995-05-12 合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3474312B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004079409A1 (ja) * 2003-03-03 2004-09-16 Tadahiro Ohmi 可視光反射部材
KR100464760B1 (ko) * 2001-05-12 2005-01-05 아주공업주식회사 자동차용 플라스틱 거울과 그 제조방법
JP2006295129A (ja) * 2005-02-03 2006-10-26 Corning Inc 耐久性を向上させたエキシマレーザ用素子
CN102213781A (zh) * 2010-04-07 2011-10-12 盛玉林 反射板
WO2015115249A1 (ja) * 2014-01-30 2015-08-06 株式会社島津製作所 構造体および成膜方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01177361A (ja) * 1988-01-07 1989-07-13 Nippon Kentetsu Co Ltd アルミニウム光反射膜の製造方法
JPH01186903A (ja) * 1987-09-24 1989-07-26 Nissin Electric Co Ltd 光学用反射鏡とその製造方法
JPH02501334A (ja) * 1987-08-27 1990-05-10 ヒューズ―ジェイブイシー・テクノロジー・コーポレーション 液晶光バルブ装置
JPH02287302A (ja) * 1989-04-27 1990-11-27 Copal Co Ltd シリカゲル保護膜付射鏡及びその製法
JPH03171503A (ja) * 1989-11-30 1991-07-25 Iwasaki Electric Co Ltd 反射鏡及びその製造方法
JPH03239201A (ja) * 1990-02-16 1991-10-24 Asahi Optical Co Ltd 表面反射鏡
JPH04235502A (ja) * 1991-01-10 1992-08-24 Nisshin Koki Kk 反射鏡
JPH04240802A (ja) * 1991-01-25 1992-08-28 Olympus Optical Co Ltd 合成樹脂製光学部品の裏面反射鏡およびその製造方法
JPH04260004A (ja) * 1991-02-14 1992-09-16 Olympus Optical Co Ltd 合成樹脂製反射鏡
JPH0886908A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Ricoh Co Ltd 光学部品の製造方法及び光学部品の製造装置
JPH08146208A (ja) * 1994-11-25 1996-06-07 Matsushita Electric Works Ltd 反射鏡およびその製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02501334A (ja) * 1987-08-27 1990-05-10 ヒューズ―ジェイブイシー・テクノロジー・コーポレーション 液晶光バルブ装置
JPH01186903A (ja) * 1987-09-24 1989-07-26 Nissin Electric Co Ltd 光学用反射鏡とその製造方法
JPH01177361A (ja) * 1988-01-07 1989-07-13 Nippon Kentetsu Co Ltd アルミニウム光反射膜の製造方法
JPH02287302A (ja) * 1989-04-27 1990-11-27 Copal Co Ltd シリカゲル保護膜付射鏡及びその製法
JPH03171503A (ja) * 1989-11-30 1991-07-25 Iwasaki Electric Co Ltd 反射鏡及びその製造方法
JPH03239201A (ja) * 1990-02-16 1991-10-24 Asahi Optical Co Ltd 表面反射鏡
JPH04235502A (ja) * 1991-01-10 1992-08-24 Nisshin Koki Kk 反射鏡
JPH04240802A (ja) * 1991-01-25 1992-08-28 Olympus Optical Co Ltd 合成樹脂製光学部品の裏面反射鏡およびその製造方法
JPH04260004A (ja) * 1991-02-14 1992-09-16 Olympus Optical Co Ltd 合成樹脂製反射鏡
JPH0886908A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Ricoh Co Ltd 光学部品の製造方法及び光学部品の製造装置
JPH08146208A (ja) * 1994-11-25 1996-06-07 Matsushita Electric Works Ltd 反射鏡およびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100464760B1 (ko) * 2001-05-12 2005-01-05 아주공업주식회사 자동차용 플라스틱 거울과 그 제조방법
WO2004079409A1 (ja) * 2003-03-03 2004-09-16 Tadahiro Ohmi 可視光反射部材
US7331695B2 (en) 2003-03-03 2008-02-19 Foundation For Advancement Of International Science Visible light-reflecting member
JP2006295129A (ja) * 2005-02-03 2006-10-26 Corning Inc 耐久性を向上させたエキシマレーザ用素子
CN102213781A (zh) * 2010-04-07 2011-10-12 盛玉林 反射板
WO2015115249A1 (ja) * 2014-01-30 2015-08-06 株式会社島津製作所 構造体および成膜方法
US20170067142A1 (en) * 2014-01-30 2017-03-09 Shimadzu Corporation Structure and film formation method

Also Published As

Publication number Publication date
JP3474312B2 (ja) 2003-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7880966B2 (en) Optical article including a layer siox as main component and manufacturing method of the same
JP3837159B2 (ja) 高度な耐摩耗性コーティングの蒸着のためのイオンビーム法
EP0754777B1 (en) Process for producing thin film, and thin film formed by the same
US20100103523A1 (en) Multilayer Antireflection Layer, Method for Producing the Same, and Plastic Lens
US5582879A (en) Cluster beam deposition method for manufacturing thin film
JP3474312B2 (ja) 合成樹脂製反射鏡、その製造方法および製造装置
US7820018B2 (en) Process and apparatus for applying optical coatings
US20120114875A1 (en) Surface contamination metrology
CN1550459A (zh) 玻璃光学元件的制造方法
KR102398357B1 (ko) 결합 광학 코팅 및 그 제조 방법(변형들)
JPH0665738A (ja) 成膜装置および成膜方法
JP4002713B2 (ja) 高分子基板用薄膜形成装置および高分子基板用薄膜形成方法
Zhu et al. Improving the laser-induced damage threshold of 532-nm antireflection coating using plasma ion cleaning
JP2007256654A (ja) 無機反射防止層付き製品およびその製造方法
JPH0886908A (ja) 光学部品の製造方法及び光学部品の製造装置
JPS61167903A (ja) 合成樹脂製光学部品のコ−テイング方法
JP3407911B2 (ja) レーザー用高耐力膜の製造方法
JPH095502A (ja) 反射防止膜の成膜方法
JPH03162561A (ja) プラスチック基板への成膜方法
Sarto et al. Dual ion beam sputtering coating of plastic substrates: improvement of film/substrate adhesion by minimizing the total stress at the interface
JPH09263936A (ja) 薄膜の製造方法および薄膜
JP3880006B2 (ja) 光学物品の製造方法
JPH1112375A (ja) 防汚性薄膜の形成方法
JPH10183332A (ja) 光学薄膜の製造方法及び製造装置
CN117013357A (zh) 致密性的检测方法及半导体激光器制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees