JPH095502A - 反射防止膜の成膜方法 - Google Patents
反射防止膜の成膜方法Info
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- JPH095502A JPH095502A JP7149941A JP14994195A JPH095502A JP H095502 A JPH095502 A JP H095502A JP 7149941 A JP7149941 A JP 7149941A JP 14994195 A JP14994195 A JP 14994195A JP H095502 A JPH095502 A JP H095502A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温で吸収が無く、従来の基板加熱を行い成
膜した膜と同等な膜硬度を有する低屈折率フッ化物によ
る反射防止膜の成膜方法を提供する。 【構成】 本発明に係る反射防止膜の成膜方法は、低屈
折率フッ化物であるMgF2 又はAlF3 を蒸着材料に
用いた反射防止膜の成膜方法において、前記MgF2 又
はAlF3 を、抵抗加熱で蒸発させることにより蒸発粒
子を形成する工程と、前記蒸発粒子を、酸素ガス雰囲気
中で、蒸発源とガラス基板8との間に形成したプラズマ
領域12を通過させて活性化する工程と、前記活性化さ
せた蒸発粒子をガラス基板8上で再結合させて成膜する
工程とを有する。
膜した膜と同等な膜硬度を有する低屈折率フッ化物によ
る反射防止膜の成膜方法を提供する。 【構成】 本発明に係る反射防止膜の成膜方法は、低屈
折率フッ化物であるMgF2 又はAlF3 を蒸着材料に
用いた反射防止膜の成膜方法において、前記MgF2 又
はAlF3 を、抵抗加熱で蒸発させることにより蒸発粒
子を形成する工程と、前記蒸発粒子を、酸素ガス雰囲気
中で、蒸発源とガラス基板8との間に形成したプラズマ
領域12を通過させて活性化する工程と、前記活性化さ
せた蒸発粒子をガラス基板8上で再結合させて成膜する
工程とを有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射防止膜の成膜方法
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から単層反射防止膜を成膜するに
は、MgF2 等の低屈折率フッ化物材料を抵抗加熱や電
子銃を用いて基板に蒸着する手法が多く用いられてい
る。この場合、成膜する基板の温度を300℃近くまで
加熱しないと、成膜の硬度、密着性において実用に耐え
る反射防止膜を作製することはできなかった。
は、MgF2 等の低屈折率フッ化物材料を抵抗加熱や電
子銃を用いて基板に蒸着する手法が多く用いられてい
る。この場合、成膜する基板の温度を300℃近くまで
加熱しないと、成膜の硬度、密着性において実用に耐え
る反射防止膜を作製することはできなかった。
【0003】このため、基板加熱のできないプラスチッ
ク光学部品や高精度ガラス光学部品に従来からの手法で
実用に耐えられる単層反射防止膜を成膜することは困難
であった。
ク光学部品や高精度ガラス光学部品に従来からの手法で
実用に耐えられる単層反射防止膜を成膜することは困難
であった。
【0004】従来、このような問題を解決するための手
段として、特開平6−102401号公報には、MgF
2 を光学部品表面に反射防止膜として形成するときに、
光学部品の表面に電子線照射を行いながら、基板加熱を
行わず成膜する手法が開示されている。
段として、特開平6−102401号公報には、MgF
2 を光学部品表面に反射防止膜として形成するときに、
光学部品の表面に電子線照射を行いながら、基板加熱を
行わず成膜する手法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】低屈折率フッ化物を単
層反射防止膜として使用するには、基本的に成膜基板を
強制加熱するか、蒸発粒子のイオン化、成膜基板への電
子線照射等の手法が提案されているが、基板加熱に関し
ては耐熱温度の低いプラスチック基板への成膜は不可能
であり、基板を加熱せずに蒸発粒子のイオン化を利用し
たものでは成膜した膜のフッ素が解離し金属が多く含ま
れ吸収の多い膜となってしまう。
層反射防止膜として使用するには、基本的に成膜基板を
強制加熱するか、蒸発粒子のイオン化、成膜基板への電
子線照射等の手法が提案されているが、基板加熱に関し
ては耐熱温度の低いプラスチック基板への成膜は不可能
であり、基板を加熱せずに蒸発粒子のイオン化を利用し
たものでは成膜した膜のフッ素が解離し金属が多く含ま
れ吸収の多い膜となってしまう。
【0006】また、上記公報記載のように基板加熱を行
わずに電子線を照射する方法では吸収に関してはイオン
化方法に比べて膜の吸収は少ないが、基板加熱したこれ
までの蒸着方法に比べ膜の硬度は低いという問題点を有
している。
わずに電子線を照射する方法では吸収に関してはイオン
化方法に比べて膜の吸収は少ないが、基板加熱したこれ
までの蒸着方法に比べ膜の硬度は低いという問題点を有
している。
【0007】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、低温で吸収が無く、従来の基板加熱を
行い成膜した膜と同等な膜硬度を有する低屈折率フッ化
物による反射防止膜の成膜方法を提供することを目的と
する。
れたものであり、低温で吸収が無く、従来の基板加熱を
行い成膜した膜と同等な膜硬度を有する低屈折率フッ化
物による反射防止膜の成膜方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る反射防止膜の成膜方法は、蒸着材料として低屈折率フ
ッ化物を用い、これを抵抗加熱で蒸発させるとともに、
その蒸発粒子を、蒸発源と成膜基板との間に形成した酸
素プラズマ領域を通過させて成膜することを特徴とする
ものである。
る反射防止膜の成膜方法は、蒸着材料として低屈折率フ
ッ化物を用い、これを抵抗加熱で蒸発させるとともに、
その蒸発粒子を、蒸発源と成膜基板との間に形成した酸
素プラズマ領域を通過させて成膜することを特徴とする
ものである。
【0009】請求項2記載の発明に係る反射防止膜の成
膜方法は、前記低屈折率フッ化物が、MgF2 またはA
lF3 であることを特徴とするものである。
膜方法は、前記低屈折率フッ化物が、MgF2 またはA
lF3 であることを特徴とするものである。
【0010】請求項3記載の発明に係る反射防止膜の成
膜方法は、低屈折率フッ化物を蒸着材料に用いた反射防
止膜の成膜方法において、前記低屈折率フッ化物を、抵
抗加熱で蒸発させることにより蒸発粒子を形成する工程
と、前記蒸発粒子を、酸素ガス雰囲気中で、蒸発源と成
膜基板との間に形成したプラズマ領域を通過させて活性
化する工程と、前記活性化させた蒸発粒子を基板上で再
結合させて成膜する工程とを有することを特徴とするも
のである。
膜方法は、低屈折率フッ化物を蒸着材料に用いた反射防
止膜の成膜方法において、前記低屈折率フッ化物を、抵
抗加熱で蒸発させることにより蒸発粒子を形成する工程
と、前記蒸発粒子を、酸素ガス雰囲気中で、蒸発源と成
膜基板との間に形成したプラズマ領域を通過させて活性
化する工程と、前記活性化させた蒸発粒子を基板上で再
結合させて成膜する工程とを有することを特徴とするも
のである。
【0011】
【作用】本発明において、低屈折率フッ化物を使用する
理由は、広い波長域にわたり吸収が少なく、かつ膜の屈
折率が低く単層で充分な反射防止効果を有するためであ
る。抵抗加熱で蒸着するのは蒸発源の輻射熱を低くし、
輻射熱による基板の温度上昇を迎える上で有効となる。
また、蒸発源と、成膜基板との間にプラズマ領域を形成
する理由は、抵抗加熱で蒸発させた蒸発粒子を活性化す
るためである。
理由は、広い波長域にわたり吸収が少なく、かつ膜の屈
折率が低く単層で充分な反射防止効果を有するためであ
る。抵抗加熱で蒸着するのは蒸発源の輻射熱を低くし、
輻射熱による基板の温度上昇を迎える上で有効となる。
また、蒸発源と、成膜基板との間にプラズマ領域を形成
する理由は、抵抗加熱で蒸発させた蒸発粒子を活性化す
るためである。
【0012】さらに、プラズマ領域を酸素プラズマ空間
とするのは、プラズマ領域を通過することで、一部解離
したフッ素を基板上で再結合し易くするためである。
とするのは、プラズマ領域を通過することで、一部解離
したフッ素を基板上で再結合し易くするためである。
【0013】この作用により、高エネルギーを有する蒸
発粒子を、基板上で吸収のない状態で成膜することが可
能となり、膜硬度、密着性、吸収において従来方法によ
る基板を300℃近くまで加熱成膜した膜と同等品質の
単層反射防止膜が成膜可能となる。
発粒子を、基板上で吸収のない状態で成膜することが可
能となり、膜硬度、密着性、吸収において従来方法によ
る基板を300℃近くまで加熱成膜した膜と同等品質の
単層反射防止膜が成膜可能となる。
【0014】また、前記低屈折率フッ化物を、MgF2
又はAlF3 とすることにより、基板に対して吸収のな
い状態で反射防止膜を成膜でき、膜硬度、密着性、吸収
において従来方法による基板を300℃近くまで加熱成
膜した膜と同等品質の単層反射防止膜が成膜可能とな
る。
又はAlF3 とすることにより、基板に対して吸収のな
い状態で反射防止膜を成膜でき、膜硬度、密着性、吸収
において従来方法による基板を300℃近くまで加熱成
膜した膜と同等品質の単層反射防止膜が成膜可能とな
る。
【0015】さらに、前記低屈折率フッ化物を、抵抗加
熱で蒸発させることにより蒸発粒子を形成し、この蒸発
粒子を、酸素ガス雰囲気中で、蒸発源と成膜基板との間
に形成したプラズマ領域を通過させることにより活性化
し、活性化させた蒸発粒子を基板上で再結合させて成膜
するようにしたので、請求項1記載の発明と同様、高エ
ネルギーを有する蒸発粒子を、基板上で吸収のない状態
で成膜することが可能となり、膜硬度、密着性、吸収に
おいて従来方法による基板を300℃近くまで加熱成膜
した膜と同等品質の単層反射防止膜が成膜可能となる。
熱で蒸発させることにより蒸発粒子を形成し、この蒸発
粒子を、酸素ガス雰囲気中で、蒸発源と成膜基板との間
に形成したプラズマ領域を通過させることにより活性化
し、活性化させた蒸発粒子を基板上で再結合させて成膜
するようにしたので、請求項1記載の発明と同様、高エ
ネルギーを有する蒸発粒子を、基板上で吸収のない状態
で成膜することが可能となり、膜硬度、密着性、吸収に
おいて従来方法による基板を300℃近くまで加熱成膜
した膜と同等品質の単層反射防止膜が成膜可能となる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0017】(第1実施例)本実施例方法に用いる成膜
装置について図1を参照して説明する。
装置について図1を参照して説明する。
【0018】この成膜装置は、真空チャンバー1と、こ
の真空チャンバー1の壁面の中間部位置に対抗配置した
収束コイル7を有プラズマ銃4及び対抗電極5と、真空
チャンバー1内の上部に配置した基板ホルダー2と、真
空チャンバー1内の下部に前記基板ホルダー2と対峙す
る状態に配置した蒸発源である低屈折率フッ化物である
MgF2 を収納し蒸発源として機能するモリブデンボー
ト3と、真空チャンバー1内にガスを導入するガス導入
口6と、前記真空チャンバー1内からガスを排気するた
めの排気口9と、前記対抗電極5と接地間に接続した電
源10とを有し、前記基板ホルダー2にBK7からなる
ガラス基板8をセットするようになっている。また、基
板8と真空チャンバー1とは電気的には絶縁されてい
る。
の真空チャンバー1の壁面の中間部位置に対抗配置した
収束コイル7を有プラズマ銃4及び対抗電極5と、真空
チャンバー1内の上部に配置した基板ホルダー2と、真
空チャンバー1内の下部に前記基板ホルダー2と対峙す
る状態に配置した蒸発源である低屈折率フッ化物である
MgF2 を収納し蒸発源として機能するモリブデンボー
ト3と、真空チャンバー1内にガスを導入するガス導入
口6と、前記真空チャンバー1内からガスを排気するた
めの排気口9と、前記対抗電極5と接地間に接続した電
源10とを有し、前記基板ホルダー2にBK7からなる
ガラス基板8をセットするようになっている。また、基
板8と真空チャンバー1とは電気的には絶縁されてい
る。
【0019】次に、この成膜装置を用いた第1実施例の
反射防止膜の成膜方法を説明する。
反射防止膜の成膜方法を説明する。
【0020】前記真空チャンバー1内の基板ホルダー2
にガラス基板8をセットした後、真空チャンバー1内を
前記排気口9に連結した図示しない排気ポンプを用いて
排気する。真空チャンバー1内の圧力が1×10-3Pa
に達したとき、O2 ガスをガス導入口6から真空チャン
バー1内に導入し、真空チャンバー1内の圧力を6×1
0-2Paに設定する。
にガラス基板8をセットした後、真空チャンバー1内を
前記排気口9に連結した図示しない排気ポンプを用いて
排気する。真空チャンバー1内の圧力が1×10-3Pa
に達したとき、O2 ガスをガス導入口6から真空チャン
バー1内に導入し、真空チャンバー1内の圧力を6×1
0-2Paに設定する。
【0021】この後、真空チャンバー1の中間部位置に
設けた収束コイル7を有するプラズマ銃4からプラズマ
を発生させ、このプラズマを高電圧を印加している対向
電極5にむけて放射し、ガラス基板8と蒸発材料である
MgF2 を収納しているモリブデンボート3との間に酸
素プラズマ領域12を形成する。この際の対向電極5に
対する印加電圧は、1KeVから5KeVの間で適宜決
定する。
設けた収束コイル7を有するプラズマ銃4からプラズマ
を発生させ、このプラズマを高電圧を印加している対向
電極5にむけて放射し、ガラス基板8と蒸発材料である
MgF2 を収納しているモリブデンボート3との間に酸
素プラズマ領域12を形成する。この際の対向電極5に
対する印加電圧は、1KeVから5KeVの間で適宜決
定する。
【0022】このようにして酸素プラズマ領域12を形
成し、前記モリブデンボート3に予めセットされていた
MgF2 を抵抗加熱蒸着させ、ガラス基板8の表面に光
学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。成膜した
基板8の表面の反射率は波長540nmで1.2%であ
った。
成し、前記モリブデンボート3に予めセットされていた
MgF2 を抵抗加熱蒸着させ、ガラス基板8の表面に光
学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。成膜した
基板8の表面の反射率は波長540nmで1.2%であ
った。
【0023】さらに、成膜したガラス基板8を取り出
し、各種耐久試験を行った。ここに、耐久試験として
は、セロハンテープを成膜基板に密着させ、テープをガ
ラス基板8の表面から垂直に一気に剥がし、膜の剥離状
態を確認するテープ剥離試験、40℃相対湿度90%の
雰囲気に300時間放置する高温高湿試験、成膜したガ
ラス基板8上に径1/8インチのアルミナ・ボール圧子
を25gの加圧で20回往復運動させ、傷の有無を確認
する擦傷性試験を採用した。
し、各種耐久試験を行った。ここに、耐久試験として
は、セロハンテープを成膜基板に密着させ、テープをガ
ラス基板8の表面から垂直に一気に剥がし、膜の剥離状
態を確認するテープ剥離試験、40℃相対湿度90%の
雰囲気に300時間放置する高温高湿試験、成膜したガ
ラス基板8上に径1/8インチのアルミナ・ボール圧子
を25gの加圧で20回往復運動させ、傷の有無を確認
する擦傷性試験を採用した。
【0024】前記テープ剥離試験による膜密着性、高温
高湿試験の膜密着性、擦傷性試験による膜硬度評価を行
ったが、各種試験後の状態は従来の方法で成膜されたも
のと変わりはなかった。また膜の吸収に関しても可視域
で0.1%以下であり、まったく問題のないレベルであ
った。
高湿試験の膜密着性、擦傷性試験による膜硬度評価を行
ったが、各種試験後の状態は従来の方法で成膜されたも
のと変わりはなかった。また膜の吸収に関しても可視域
で0.1%以下であり、まったく問題のないレベルであ
った。
【0025】(第2実施例)第1実施例と同様の成膜装
置を使用した第2実施例の成膜方法を以下に説明する。
置を使用した第2実施例の成膜方法を以下に説明する。
【0026】第1実施例の成膜方法と同様、前記真空チ
ャンバー1内の基板ホルダー2にガラス基板8をセット
した後、真空チャンバー1内を前記排気口9に連結した
図示しない排気ポンプを用いて排気する。真空チャンバ
ー1内の圧力が1×10-3Paに達したとき、O2 ガス
をガス導入口6から真空チャンバー1内に導入し、真空
チャンバー1内の圧力を6×10-2Paに設定する。
ャンバー1内の基板ホルダー2にガラス基板8をセット
した後、真空チャンバー1内を前記排気口9に連結した
図示しない排気ポンプを用いて排気する。真空チャンバ
ー1内の圧力が1×10-3Paに達したとき、O2 ガス
をガス導入口6から真空チャンバー1内に導入し、真空
チャンバー1内の圧力を6×10-2Paに設定する。
【0027】この後、真空チャンバー1の中間部位置に
設けた収束コイル7を有するプラズマ銃4からプラズマ
を発生させ、このプラズマを高電圧を印加している対向
電極5にむけて放射し、ガラス基板8と蒸発材料である
AlF3 を収納しているモリブデンボート3との間に酸
素プラズマ領域12を形成する。この際の対向電極5に
対する印加電圧は、1KeVから5KeVの間で適宜決
定する。
設けた収束コイル7を有するプラズマ銃4からプラズマ
を発生させ、このプラズマを高電圧を印加している対向
電極5にむけて放射し、ガラス基板8と蒸発材料である
AlF3 を収納しているモリブデンボート3との間に酸
素プラズマ領域12を形成する。この際の対向電極5に
対する印加電圧は、1KeVから5KeVの間で適宜決
定する。
【0028】このようにして酸素プラズマ領域12を形
成し、前記モリブデンボート3に予めセットされていた
AlF3 を抵抗加熱蒸着させ、ガラス基板8の表面に光
学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。成膜した
基板8の表面の反射率は波長540nmで1.1%であ
った。
成し、前記モリブデンボート3に予めセットされていた
AlF3 を抵抗加熱蒸着させ、ガラス基板8の表面に光
学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。成膜した
基板8の表面の反射率は波長540nmで1.1%であ
った。
【0029】さらに成膜した基板を取り出し第1実施例
と同様な各種耐久試験を行った。テープ剥離試験による
膜密着性、高温高湿試験の膜密着性、擦傷性試験による
膜硬度評価を行ったが、各種試験後の状態はなんらこれ
までの方法で成膜された物と変わりはなかった。また膜
の吸収に関しても可視域で0.1%以下でありまったく
問題のないレベルであった。
と同様な各種耐久試験を行った。テープ剥離試験による
膜密着性、高温高湿試験の膜密着性、擦傷性試験による
膜硬度評価を行ったが、各種試験後の状態はなんらこれ
までの方法で成膜された物と変わりはなかった。また膜
の吸収に関しても可視域で0.1%以下でありまったく
問題のないレベルであった。
【0030】(第3実施例)第1実施例の成膜方法と同
様、前記真空チャンバー1内の基板ホルダー2にPMM
A(Polymethylmethacrylate)樹脂製のプラスチック基
板をセットした後、真空チャンバー1内を前記排気口9
に連結した図示しない排気ポンプを用いて排気する。真
空チャンバー1内の圧力が1×10-3Paに達したと
き、O2 ガスをガス導入口6から真空チャンバー1内に
導入し、真空チャンバー1内の圧力を6×10-2Paに
設定する。
様、前記真空チャンバー1内の基板ホルダー2にPMM
A(Polymethylmethacrylate)樹脂製のプラスチック基
板をセットした後、真空チャンバー1内を前記排気口9
に連結した図示しない排気ポンプを用いて排気する。真
空チャンバー1内の圧力が1×10-3Paに達したと
き、O2 ガスをガス導入口6から真空チャンバー1内に
導入し、真空チャンバー1内の圧力を6×10-2Paに
設定する。
【0031】この後、真空チャンバー1の中間部位置に
設けた収束コイル7を有するプラズマ銃4からプラズマ
を発生させ、このプラズマを高電圧を印加している対向
電極5にむけて放射し、ガラス基板8と蒸発材料である
MgF2 を収納しているモリブデンボート3との間に酸
素プラズマ領域12を形成する。この際の対向電極5に
対する印加電圧は、1KeVから5KeVの間で適宜決
定する。
設けた収束コイル7を有するプラズマ銃4からプラズマ
を発生させ、このプラズマを高電圧を印加している対向
電極5にむけて放射し、ガラス基板8と蒸発材料である
MgF2 を収納しているモリブデンボート3との間に酸
素プラズマ領域12を形成する。この際の対向電極5に
対する印加電圧は、1KeVから5KeVの間で適宜決
定する。
【0032】このようにして酸素プラズマ領域12を形
成し、前記モリブデンボート3に予めセットされていた
MgF2 を抵抗加熱蒸着させ、ガラス基板8の表面に光
学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。成膜した
基板8の表面の反射率は波長540nmで1.4%であ
った。
成し、前記モリブデンボート3に予めセットされていた
MgF2 を抵抗加熱蒸着させ、ガラス基板8の表面に光
学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。成膜した
基板8の表面の反射率は波長540nmで1.4%であ
った。
【0033】さらに成膜した基板を取り出し第1実施例
と同様な各種耐久試験を行った。テープ剥離試験による
膜密着性、高温高湿試験の膜密着性、擦傷性試験による
膜硬度評価を行ったが、各種試験後の状態はなんらこれ
までの方法で成膜された物と変わりはなかった。また膜
の吸収に関しても可視域で0.1%以下でありまったく
問題のないレベルであった。
と同様な各種耐久試験を行った。テープ剥離試験による
膜密着性、高温高湿試験の膜密着性、擦傷性試験による
膜硬度評価を行ったが、各種試験後の状態はなんらこれ
までの方法で成膜された物と変わりはなかった。また膜
の吸収に関しても可視域で0.1%以下でありまったく
問題のないレベルであった。
【0034】上述したような第1乃至第3の実施例によ
る反射防止膜成膜方法を用いることにより、これまで低
温で成膜した時に膜の硬度、耐久性、吸収の点において
問題のあったフッ化物の反射防止膜を、従来から用いら
れている基板加熱蒸着と同等の膜硬度、耐久性、吸収特
性を有するように成膜可能となる。
る反射防止膜成膜方法を用いることにより、これまで低
温で成膜した時に膜の硬度、耐久性、吸収の点において
問題のあったフッ化物の反射防止膜を、従来から用いら
れている基板加熱蒸着と同等の膜硬度、耐久性、吸収特
性を有するように成膜可能となる。
【0035】このため,従来使用が困難とされていたプ
ラスチック製光学部品、高精度光学部品へのフッ化物反
射防止膜の適用が可能となる。
ラスチック製光学部品、高精度光学部品へのフッ化物反
射防止膜の適用が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、これまで
低温で成膜した時に膜の硬度、耐久性、吸収の点におい
て問題のあったフッ化物の反射防止膜を、従来から用い
られている基板加熱蒸着と同等の膜硬度、耐久性、吸収
特性を有するように成膜可能な反射防止膜の成膜方法を
提供することができる。
低温で成膜した時に膜の硬度、耐久性、吸収の点におい
て問題のあったフッ化物の反射防止膜を、従来から用い
られている基板加熱蒸着と同等の膜硬度、耐久性、吸収
特性を有するように成膜可能な反射防止膜の成膜方法を
提供することができる。
【図1】本発明の反射防止膜の成膜方法に用いる成膜装
置の概略断面図である。
置の概略断面図である。
1 真空チャンバー 2 基板ホルダー 3 モリブデンボート 4 プラズマ銃 5 対抗電極 6 ガス導入口 7 収束コイル 8 ガラス基板 9 排気口 10 電源 12 酸素プラズマ領域
Claims (3)
- 【請求項1】 蒸着材料として低屈折率フッ化物を用
い、これを抵抗加熱で蒸発させるとともに、その蒸発粒
子を、蒸発源と成膜基板との間に形成した酸素プラズマ
領域を通過させて成膜することを特徴とする反射防止膜
の成膜方法。 - 【請求項2】 前記低屈折率フッ化物が、MgF2 また
はAlF3 であることを特徴とする請求項1記載の反射
防止膜の成膜方法。 - 【請求項3】 低屈折率フッ化物を蒸着材料に用いた反
射防止膜の成膜方法において、 前記低屈折率フッ化物を、抵抗加熱で蒸発させることに
より蒸発粒子を形成する工程と、 前記蒸発粒子を、酸素ガス雰囲気中で、蒸発源と成膜基
板との間に形成したプラズマ領域を通過させて活性化す
る工程と、 前記活性化させた蒸発粒子を基板上で再結合させて成膜
する工程と、 を有することを特徴とする反射防止膜の成膜方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7149941A JPH095502A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 反射防止膜の成膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7149941A JPH095502A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 反射防止膜の成膜方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH095502A true JPH095502A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15485923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7149941A Withdrawn JPH095502A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 反射防止膜の成膜方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH095502A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100445772C (zh) * | 2004-03-06 | 2008-12-24 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 透光元件结构与其制造方法 |
JP2022546072A (ja) * | 2019-08-30 | 2022-11-02 | ダイソン・テクノロジー・リミテッド | 堆積システム |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP7149941A patent/JPH095502A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100445772C (zh) * | 2004-03-06 | 2008-12-24 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 透光元件结构与其制造方法 |
JP2022546072A (ja) * | 2019-08-30 | 2022-11-02 | ダイソン・テクノロジー・リミテッド | 堆積システム |
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Legal Events
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