JPH0961603A - 反射防止膜の成膜方法 - Google Patents

反射防止膜の成膜方法

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JPH0961603A
JPH0961603A JP7215947A JP21594795A JPH0961603A JP H0961603 A JPH0961603 A JP H0961603A JP 7215947 A JP7215947 A JP 7215947A JP 21594795 A JP21594795 A JP 21594795A JP H0961603 A JPH0961603 A JP H0961603A
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JP
Japan
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film
substrate
forming
low
antireflection film
Prior art date
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Withdrawn
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JP7215947A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Oimizu
利明 生水
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温で吸収が無く、基板加熱を行って成膜し
た膜と同等な膜硬度を有する低屈折率フッ化物からなる
反射防止膜を成膜する。 【解決手段】 蒸着材料として低屈折率フッ化物を用
い、これを抵抗加熱で蒸発させる。チャンバー1の中間
部に設けた収束コイル5を有するプラズマ銃6とこれに
対向配置した対向電極7との間に高電圧を印加し、蒸発
源と基板3との間に形成したArと酸素のプラズマ領域
を形成させる。そして、前記蒸発粒子を前記プラズマ領
域中を通過させ、強制加熱しない基板3上に成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止膜の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から単層反射防止膜を成膜するに
は、MgF2 などの低屈折率材料を抵抗加熱や電子銃を
用いて蒸着する手法が多く用いられてきた。この場合、
成膜する基板の温度を300℃近くまで加熱しないと、
膜の硬度、密着性において実用に耐える反射防止膜を作
製することはできなかった。このため、基板加熱のでき
ないプラスチック光学部品や高精度ガラス光学部品に
は、従来からの手法で実用に耐えられる単層反射防止膜
を成膜することは困難であった。
【0003】従来、このような問題を解決する手法とし
て、例えば特開平6−102401号公報には、MgF
2 を光学部品表面に反射防止膜として形成するときに、
基板加熱を行わず、光学部品の表面に電子線照射を行い
ながら蒸着して成膜する手法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】低屈折率フッ化物を単
層反射防止膜として使用するには、基本的に成膜基板を
強制加熱するか、蒸発粒子のイオン化、成膜基板への電
子線照射などの手法が提案されているが、基板加熱の手
法では耐熱温度の低いプラスチック基板への成膜が不可
能であり、基板加熱せずに蒸発粒子のイオン化を利用す
る手法では成膜した膜のフッ素が解離し、金属が多く含
まれ吸収の多い膜となる。また、上記公報記載のような
基板加熱を行わずに電子線を照射する手法では、吸収に
関してはイオン化手法に比べて膜の吸収は少ないが、基
板加熱したこれまでの蒸着手法に比べ膜の硬度は低いと
いう問題点を有している。
【0005】本発明は、前述の問題点に鑑みてなされた
もので、低温で吸収が無く、基板加熱を行って成膜した
膜と同等な膜硬度を有する低屈折率フッ化物による反射
防止膜の成膜方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のように構成した。請求項1の発明
は、蒸着材料として低屈折率フッ化物を用い、これを抵
抗加熱で蒸発させるとともに、その蒸発粒子を蒸発源と
成膜基板との間に形成したArと酸素のプラズマ領域中
を通過させて、強制加熱しない成膜基板上に成膜するこ
ととした。
【0007】請求項2の発明は、請求項1における低屈
折率フッ化物が、MgF2 またはAlF3 であることと
した。
【0008】請求項3の発明は、低屈折率フッ化物を蒸
着材料に用いた反射防止膜の成膜方法において、前記低
屈折率フッ化物を、抵抗加熱で蒸発させることにより蒸
発粒子を形成する工程と、前記蒸発粒子を、蒸発源と成
膜基板との間に形成したArと酸素のプラズマ領域中を
通過させて活性化する工程と、前記活性化させた蒸発粒
子を強制加熱しない成膜基板上で再結合させて成膜する
工程とからなるようにした。
【0009】本発明の各請求項のフッ化物を使用する理
由は、広い波長域にわたり吸収が少なく、かつ膜の屈折
率が低く単層で充分な反射防止効果を有するためであ
る。そして、抵抗加熱で蒸着するのは蒸着源の輻射熱を
低くし、輻射熱による基板の温度上昇を抑える上で有効
となるためである。また、蒸着源と成膜基板との間、つ
まりプラズマ銃と対向した位置に設置された対向電極の
間に、すなわち、プラズマ銃から発生させたArと酸素
のプラズマ領域を形成している。蒸着源と成膜基板の間
にArのプラズマ領域を形成する理由は、プラズマ領域
を通過させることで蒸発粒子をイオン化させるためであ
る。さらに、酸素のプラズマ領域を形成する理由は、プ
ラズマ領域を通過させることで一部解離したフッ素を、
成膜基板上で再結合し易くするためである。この作用に
より、高エネルギーを有する蒸発粒子を成膜基板上で吸
収のない状態で成膜することが可能となり、膜硬度、密
着性および吸収に関して、従来手法による成膜基板を3
00℃近くまで加熱成膜した膜と同等品質の単層反射防
止膜が成膜可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]本発明の実施の形態1で用いる
成膜装置を図1に示す。真空チャンバー1内の上部に設
けた基板ホルダー2にBK7からなるガラス基板3をセ
ットし、その後チャンバー1内の排気を開始する。チャ
ンバー1内の圧力が1×10-3Paに達したならArガ
スとO2 ガスをガス導入口4からチャンバー1内に導入
し、内部圧力を6×10-2Paに設定する。その後、チ
ャンバー1の中間部位置に設けた収束コイル5を有する
プラズマ銃6から発生したプラズマを対向電極7に高電
圧を印加し、基板3と蒸発源との間にArと酸素のプラ
ズマ領域を形成させる。基板3とチャンバー1とは電気
的に絶縁されている。このような状態で、モリブデンボ
ート8にあらかじめセットされていたMgF2 を抵抗加
熱蒸着し、基板3上に光学膜厚で130nmになるまで
成膜を行った。
【0011】成膜した基板表面の反射率は波長540n
mで1.2%の光学特性を有していた。さらに、成膜し
た基板を取り出し、各種耐久試験を行った。以下に示す
ようなテープ剥離試験による膜密着性、高温高湿試験の
膜密着性、擦傷性試験による膜硬度評価を行ったが、各
試験後の状態は何らこれまでの手法で成膜された物と変
わりはなかった。また、膜の吸収に関しても可視域で
0.1%以下であり、まったく問題のないレベルであっ
た。
【0012】テープ剥離試験:セロハンテープを成膜基
板に密着させ、テープを基板表面から垂直に一気に剥が
し、膜の剥離状態を確認する。 高温高湿試験:40℃、相対湿度90%の雰囲気に30
0時間放置する。 擦傷性試験:成膜した基板上に径1/8インチのアルミ
・ボール圧子を25gの加圧で20回往復運動させ、傷
の有無を確認する。
【0013】[発明の実施の形態2]前記実施の形態1
と同様の成膜装置を使った成膜方法の実施の形態を示
す。真空チャンバー1内の上部に設けた基板ホルダー2
にBK7からなるガラス基板3をセットし、その後チャ
ンバー1内の排気を開始する。チャンバー1内の圧力が
1×10-3Paに達したならArガスとO2 ガスをガス
導入口4からチャンバー1内に導入し、内部圧力を6×
10-2Paに設定する。その後、チャンバー1の中間部
位置に設けた収束コイル5を有するプラズマ銃6から発
生したプラズマを対向電極7に高電圧を印加し、基板3
と蒸発源との間にArと酸素のプラズマ領域を形成させ
る。基板3とチャンバー1とは電気的に絶縁されてい
る。このような状態で、モリブデンボート8にあらかじ
めセットされていたAlF3 を抵抗加熱蒸着し、基板3
上に光学膜厚で130nmになるまで成膜を行った。
【0014】成膜した基板表面の反射率は波長540n
mで1.1%の光学特性を有した。さらに、成膜した基
板を取り出し、各種耐久試験を行った。前記実施の形態
1と同様のテープ剥離試験による膜密着性、高温高湿試
験の膜密着性、擦傷性試験による膜硬度評価を行った
が、各試験後の状態は何らこれまでの手法で成膜された
物と変わりはなかった。また、成膜の吸収に関しても可
視域で0.1%以下であり、まったく問題のないレベル
であった。
【0015】[発明の実施の形態3]前記実施の形態1
と同様の成膜装置を使った成膜方法の実施の形態を示
す。真空チャンバー1内の上部に設けた基板ホルダー2
にPMMAからなるプラスチック基板3をセットし、そ
の後チャンバー1内の排気を開始する。チャンバー1内
の圧力が1×10-3Paに達したならArガスとO2
スをガス導入口4からチャンバー1内に導入し、内部圧
力を6×10-2Paに設定する。その後、チャンバー1
の中間部位置に設けた収束コイル5を有するプラズマ銃
6から発生したプラズマを対向電極7に高電圧を印加
し、基板3と蒸発源との間にArと酸素のプラズマ領域
を形成させる。基板3とチャンバー1とは電気的に絶縁
されている。このような状態で、モリブデンボート8に
あらかじめセットされていたMgF2 を抵抗加熱蒸着
し、基板2上に光学膜厚で130nmになるまで成膜を
行った。
【0016】成膜した基板表面の反射率は波長540n
mで1.4%の光学特性を有していた。さらに、成膜し
た基板を取り出し、各種耐久試験を行った。前記実施の
形態1と同様のテープ剥離試験による膜密着性、高温高
湿試験の膜密着性、擦傷性試験による膜硬度評価を行っ
たが、各試験後の状態は何らこれまでの手法で成膜され
た物と変わりはなかった。また、成膜の吸収に関しても
可視域で0.1%以下であり、まったく問題のないレベ
ルであった。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明の反射防止膜の成
膜方法によれば、以下の効果を得ることができる。請求
項1,3の発明によれば、これまで低温で成膜した時に
膜の硬度、耐久性、吸収の点において問題のあったフッ
化物の反射防止膜を、成膜基板を強制加熱することな
く、従来から用いられている基板加熱蒸着で得られる膜
と同等の膜硬度、耐久性、吸収を有する反射防止膜が成
膜可能となる。このため、従来使用が困難とされていた
プラスチック製光学部品、高精度光学部品へのフッ化物
反射防止膜の適用が可能となる。
【0018】請求項2の発明によれば、成膜基板の強制
加熱を行わない状態で、硬度、耐久性および吸収におい
て、何ら問題のないMgF2 またはAlF3 の蒸着膜か
らなる反射防止膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態に用いる成膜装置を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 基板ホルダー 3 基板 4 ガス導入口 5 収束コイル 6 プラズマ銃 7 対向電極 8 モリブデンボート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着材料として低屈折率フッ化物を用
    い、これを抵抗加熱で蒸発させるとともに、その蒸発粒
    子を蒸発源と成膜基板との間に形成したArと酸素のプ
    ラズマ領域中を通過させて、強制加熱しない成膜基板上
    に成膜することを特徴とする反射防止膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】 前記低屈折率フッ化物が、MgF2 また
    はAlF3 であることを特徴とする請求項1記載の反射
    防止膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 低屈折率フッ化物を蒸着材料に用いた反
    射防止膜の成膜方法において、前記低屈折率フッ化物
    を、抵抗加熱で蒸発させることにより蒸発粒子を形成す
    る工程と、前記蒸発粒子を、蒸発源と成膜基板との間に
    形成したArと酸素のプラズマ領域中を通過させて活性
    化する工程と、前記活性化させた蒸発粒子を強制加熱し
    ない成膜基板上で再結合させて成膜する工程と、を有す
    ることを特徴とする反射防止膜の成膜方法。
JP7215947A 1995-08-24 1995-08-24 反射防止膜の成膜方法 Withdrawn JPH0961603A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007188870A (ja) * 2005-12-14 2007-07-26 Canon Inc 有機発光素子の製造方法および蒸着装置
JP2013108182A (ja) * 2005-12-14 2013-06-06 Canon Inc 蒸着装置

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Effective date: 20021105