JPH08303889A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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Publication number
JPH08303889A
JPH08303889A JP11054795A JP11054795A JPH08303889A JP H08303889 A JPH08303889 A JP H08303889A JP 11054795 A JP11054795 A JP 11054795A JP 11054795 A JP11054795 A JP 11054795A JP H08303889 A JPH08303889 A JP H08303889A
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JP
Japan
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cylinder
sliding contact
end position
stroke
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Withdrawn
Application number
JP11054795A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Kasahara
伸一 笠原
Toshiyuki Kurihara
利行 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP11054795A priority Critical patent/JPH08303889A/ja
Publication of JPH08303889A publication Critical patent/JPH08303889A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/006Gas cycle refrigeration machines using a distributing valve of the rotary type

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ5内に、蓄冷器48,49内蔵のデ
ィスプレーサ28と、ディスプレーサ28を往復動させ
るピストン21とを嵌装し、ディスプレーサ28の往復
動により、冷媒ガスをシリンダ5内の膨張室32,33
で膨張させて温度降下させる極低温冷凍機に対し、ディ
スプレーサ28の移動を微調整して冷凍機の性能及び信
頼性の向上を図る。 【構成】 シリンダ5上端を閉じるバルブステム10下
端面に嵌合穴55を同心に設け、ディスプレーサ28を
ピストン21に連結する連結部材41の上側部41aを
嵌合穴53に摺動可能に嵌挿し、嵌合穴53内周面に摺
動抵抗部材59,60を、また上側部41a外周面にテ
ーパ状摺接部54,56をそれぞれ設け、ディスプレー
サ28の上昇ストローク端位置への移動時に上側摺動抵
抗部材59に上側摺接部54を、また下降ストローク端
位置への移動時に下側摺動抵抗部材60に下側摺接部5
6をそれぞれ摺接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ内でのディス
プレーサ(置換器)の往復動により冷媒ガスを膨張させ
て寒冷を発生させる極低温冷凍機に関し、特に、ディス
プレーサの往復動を適正化する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧の冷媒ガスをシリンダ内
で膨張させて寒冷を発生させる膨張機を有する極低温冷
凍機として、例えば特開昭58−214758号公報等
に開示されているように、冷媒ガスとしてのヘリウムガ
スを圧縮する圧縮機に対し、その圧縮されたガスを膨張
させる膨張機を高圧配管及び低圧配管によって閉回路に
接続してなり、上記膨張機における切換バルブにより高
圧及び低圧配管を膨張機のシリンダ内に交互に連通させ
るとともに、この切換バルブの切換動作に応じてシリン
ダ内で駆動ピストンを往復動させ、このピストンにより
ディスプレーサを往復駆動してヘリウムガスをシリンダ
内で膨張させることにより、寒冷を発生させるようにし
たいわゆるG−Mサイクル(ギフォード・マクマホンサ
イクル)の極低温冷凍機が知られている。
【0003】このような冷凍機においては、シリンダ内
膨張室における冷媒ガスの断熱膨張に伴い、その温度が
低下して寒冷が発生する。そして、通常、膨張機のコン
パクト化を図る目的で、容器内に鉛の球や銅の網等の多
数の金属製蓄冷材を収容してなる蓄冷器をディスプレー
サに内蔵させており、先ず、膨張に伴って温度降下した
冷媒ガスをシリンダの膨張室から排出する排気行程で、
その冷媒ガスをディスプレーサ内の蓄冷器を通して排出
し、その通過の際に蓄冷器で冷媒ガスの寒冷の一部を蓄
冷する。次に、シリンダ内膨張室に高圧の常温冷媒ガス
を供給する吸気行程では、膨張室に至る冷媒ガスを上記
蓄冷器を通して供給して、その蓄冷器との熱交換により
ガス温度を低下させる。そして、この吸気行程及び排気
行程の繰返しによって膨張室周りのシリンダ壁部に次第
に極低温レベルの寒冷を得るようになされている。
【0004】ところで、この種の極低温冷凍機では、デ
ィスプレーサはシリンダ内にフリー状態に嵌装されて、
駆動ピストン等に対するガス圧によって往復動するの
で、ディスプレーサの往復動での挙動は、駆動ピストン
やディスプレーサ周りのガス圧と、ディスプレーサ外周
に配置したシールリングの摺動抵抗とによって決まる。
しかし、実際には、これら要因のみでディスプレーサを
最適な挙動が得られるように微調整することが困難であ
り、このため、PV線図においてサイクルの正確な角部
が得られずに冷凍能力が低下したり、或いはディスプレ
ーサがシリンダの端部に衝突してその内部の蓄冷器が損
傷し、信頼性が低下したりするという問題があった。
【0005】一方、米国特許第4,642,995号に
は、ディスプレーサの低温端側にばねを配置して、ディ
スプレーサの往復動に伴う振動や騒音をばねで吸収する
ようにしたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この提案のものでは、
ディスプレーサのシリンダ低温端への衝突は防ぐことは
できる。しかしながら、ディスプレーサの低温端は膨張
室に臨んで極低温レベルになる部分で、その低温端にば
ねが配置されるので、極低温レベルでも所定のばね力を
得るためにばねの材料が限定されるという問題が生じ
る。
【0007】しかも、提案例では、ディスプレーサのシ
リンダ高温端側への衝突は防ぐことができず、さらに、
ディスプレーサの挙動の微調整を行う点については何等
考慮されていない。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ディスプレーサをシリンダに対し所定
の支持構造で連結支持するようにすることにより、ディ
スプレーサの挙動を適正に調整して、冷凍機の性能を向
上させるとともに、ディスプレーサのシリンダの高温端
及び低温端への衝突を防いで、信頼性の向上を安定して
保持できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、この発明では、フリー状態にあるディスプレーサが
その往復動のストローク端位置に移動したときに、その
ディスプレーサに移動抵抗を与えるようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、図1及
び図2に示すように、基端が高温側とされる一方、先端
が低温側とされた密閉状のシリンダ(5)と、このシリ
ンダ(5)内に往復動可能にかつシリンダ(5)の内部
に膨張室(32),(33)を区画形成するように嵌装
され、蓄冷器(48),(49)が内蔵されたディスプ
レーサ(28)と、シリンダ(5)内に往復動可能にか
つ両側に圧力室(20),(31)を区画するように嵌
装され、両圧力室(20),(31)の圧力差により往
復動する駆動ピストン(21)と、上記ディスプレーサ
(28)を駆動ピストン(21)に対しディスプレーサ
(28)が駆動ピストン(21)に所定の位相遅れをも
って往復動するように連結する連結機構(39)とを備
え、この駆動ピストン(21)によるディスプレーサ
(28)の往復動により、高圧の冷媒ガスを上記膨張室
(32),(33)内で膨張させて温度降下させるとと
もに、該温度降下した冷媒ガスをディスプレーサ(2
8)の蓄冷器(48),(49)を通過させて蓄冷する
ようにした極低温冷凍機において、上記ディスプレーサ
(28)が往復動のストローク端位置にあるときの移動
抵抗をストローク中間位置にあるときに比べて増大させ
るディスプレーサ移動抵抗可変手段(71)を設ける。
【0011】請求項2の発明では、上記連結機構(3
9)は、駆動ピストン(21)に貫通形成されたシリン
ダ軸線方向に延びるピストン孔(25)と、ディスプレ
ーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部に同心状に
一体形成され、上記ピストン孔(25)に摺動可能に挿
通される連結部材(41)と、この連結部材(41)に
ディスプレーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部
と所定の間隔をあけて設けられ、駆動ピストン(21)
がディスプレーサ(28)から離れる方向に移動したと
きに該ピストンに係止する係止部(41b)とを備えて
なるものとする。
【0012】そして、ディスプレーサ移動抵抗可変手段
(71)は、シリンダ(5)の基端部又は上記連結部材
(41)の一方にシリンダ(5)と同心にその軸線方向
に延びるように設けられた嵌合穴(53)と、シリンダ
(5)の基端部又は連結部材(41)の他方に設けら
れ、上記嵌合穴(53)に摺動可能に嵌挿される嵌合部
(41a)とを備えていて、ディスプレーサ(28)が
往復動のストローク端位置にあるときにストローク中間
位置にあるときに比べて上記嵌合部(41a)の嵌合穴
(53)での移動抵抗が増大するように構成されている
ものとする。
【0013】請求項3の発明では、図1及び図6〜図8
に示すように、上記請求項2の発明の極低温冷凍機にお
いて、ディスプレーサ移動抵抗可変手段(71)は、嵌
合穴(53)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面の
一方に取付固定された摺動抵抗部材(59)〜(61)
と、嵌合穴(53)の内周面又は嵌合部(41a)の外
周面の他方に設けられ、ディスプレーサ(28)が往復
動のストローク端位置にあるときに上記摺動抵抗部材
(59)〜(61)に摺接する摺接部(54),(5
6),(57)とを備えている構成とする。
【0014】請求項4の発明では、図1及び図6に示す
如く、第1及び第2の2つの摺動抵抗部材(59),
(60)と、第1及び第2の2つの摺接部(54),
(56)とをそれぞれシリンダ軸心方向に所定の距離を
あけて配置し、ディスプレーサ(28)が往復動の一方
のストローク端位置に移動したときに上記第1の摺動抵
抗部材(59)に第1の摺接部(54)が摺接する一
方、他方のストローク端位置に移動したときに第2の摺
動抵抗部材(60)に第2の摺接部(56)が摺接する
ように構成する。
【0015】請求項5の発明では、図7に示すように、
第1及び第2の2つの摺動抵抗部材(59),(60)
をシリンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置する一
方、摺接部(57)は1つとする。そして、この1つの
摺接部(57)は、ディスプレーサ(28)が往復動の
一方のストローク端位置に移動したときに第1の摺動抵
抗部材(59)に摺接し、他方のストローク端位置に移
動したときに第2の摺動抵抗部材(60)に摺接するよ
うに構成する。
【0016】請求項6の発明では、図8に示す如く、第
1及び第2の2つの摺接部(54),(56)をシリン
ダ軸心方向に所定の距離をあけて配置する一方、摺動抵
抗部材(61)は1つとする。そして、この1つの摺動
抵抗部材(61)に対し、ディスプレーサ(28)が往
復動の一方のストローク端位置に移動したときに第1の
摺接部(54)が摺接し、他方のストローク端位置に移
動したときに第2の摺接部(56)が摺接するように構
成する。
【0017】請求項7の発明では、図1及び図6に示す
ように、摺接部(54),(56)は、ディスプレーサ
(28)が往復動のストローク中間位置からストローク
端位置に向かって移動するのに応じて摺動抵抗が増大す
るようにテーパ形状とされているものとする。
【0018】請求項8の発明では、図9〜図11に示す
ように、請求項2の発明の極低温冷凍機において、ディ
スプレーサ移動抵抗可変手段(71)は、嵌合部(41
a)又は嵌合穴(53)の内部の一方に設けられた受部
と、嵌合部(41a)又は嵌合穴(53)の内部の他方
に設けられ、ディスプレーサ(28)が往復動のストロ
ーク端位置に移動したときに上記受部と当接して嵌合部
(41a)の移動を制動する緩衝部材とを備えてなるも
のとする。
【0019】請求項9の発明では、図9に示すように、
上記緩衝部材はばね(63),(64)とする。請求項
10の発明では、図10に示す如く、緩衝部材はバンパ
部材(66),(67)とする。請求項11の発明で
は、図11に示す如く、緩衝部材はゴム部材(69),
(70)とする。
【0020】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、基本
的に、駆動ピストン(21)両側の圧力室(20),
(31)での圧力差により該駆動ピストン(21)がシ
リンダ(5)内で往復動し、この往復動に伴い、駆動ピ
ストン(21)に連結機構(39)を介して連結された
ディスプレーサ(28)が駆動ピストン(21)に対し
所定の位相遅れをもってシリンダ(5)で往復動する。
このディスプレーサ(28)の往復動により、ディスプ
レーサ(28)がシリンダ(5)先端側に移動したと
き、高圧の冷媒ガスがシリンダ(5)先端側内部の膨張
室(32),(33)にディスプレーサ(28)の蓄冷
器(48),(49)を経て冷却されながら供給され、
その後、ディスプレーサ(28)がシリンダ(5)基端
側に移動したとき、冷媒ガスが膨張室(32),(3
3)内で膨張して温度降下する。この温度降下した冷媒
ガスはディスプレーサ(28)の次のシリンダ(5)先
端側への移動によりその内部の蓄冷器(48),(4
9)を通過して該蓄冷器(48),(49)を冷却す
る。これらの繰返しで膨張室(32),(33)周りの
シリンダ(5)が極低温レベルに冷却される。
【0021】この場合、上記ディスプレーサ(28)の
往復動中、ディスプレーサ移動抵抗可変手段(71)に
より、ディスプレーサ(28)が往復動のストローク端
位置にあるときにはその移動抵抗がストローク中間位置
にあるときに比べて増大する。このディスプレーサ(2
8)の往復動ストロークでの移動抵抗の変化により、上
記のように、駆動ピストン(21)やディスプレーサ
(28)周りのガス圧、及びディスプレーサ(28)外
周のシールリング(29),(30)の摺動抵抗によっ
て決まるディスプレーサ(28)の挙動を微調整するこ
とができ、PV線図においてサイクルの正確な角部が得
られ、冷凍機の冷凍能力を向上させることができる。ま
た、ディスプレーサ(28)がストローク端位置では、
上記移動抵抗の増大によって制動されるので、そのシリ
ンダ(5)端部への衝突を安定して防ぐことができ、デ
ィスプレーサ(28)内部の蓄冷器(48),(49)
の損傷等を回避して、冷凍機の信頼性を向上させること
ができる。
【0022】請求項2の発明では、駆動ピストン(2
1)がシリンダ(5)基端側に移動するとき、ディスプ
レーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部に一体に
突設されている連結部材(41)の係止部(41b)が
駆動ピストン(21)のピストン孔(25)周縁部に係
止し、この係止によってディスプレーサ(28)が駆動
ピストン(21)に追従して位相遅れをもって一体的に
移動する。こうしたディスプレーサ(28)の往復動
中、シリンダ(5)の基端部又は連結部材(41)の一
方の側の嵌合穴(53)内で他方の側の嵌合部(41
a)が摺動し、ディスプレーサ(28)の往復動が確保
される。そして、このディスプレーサ(28)が往復動
のストローク端位置にあるときにストローク中間位置に
あるときに比べて上記嵌合部(41a)の嵌合穴(5
3)での移動抵抗が増大する。よって、ディスプレーサ
(28)の往復動におけるストローク端位置にあるとき
の移動抵抗の増大化が確保されて、ディスプレーサ移動
抵抗可変手段(71)の配置構造が具体的に得られる。
【0023】請求項3の発明では、ディスプレーサ(2
8)が往復動のストローク端位置にあるとき、嵌合穴
(53)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面の一方
に取付固定された摺動抵抗部材(59)〜(61)と、
嵌合穴(53)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面
の他方に設けられた摺接部(54),(56),(5
7)とが摺接し、この摺接に伴う抵抗によりディスプレ
ーサ(28)のストローク端位置での移動抵抗が増大す
る。よって、上記嵌合部(41a)の嵌合穴(53)で
の移動抵抗可変構造が具体的に得られる。
【0024】請求項4の発明では、ディスプレーサ(2
8)が往復動の一方のストローク端位置に移動したとき
に第1の摺動抵抗部材(59)に第1の摺接部(54)
が、また他方のストローク端位置に移動したときに第2
の摺動抵抗部材(60)に第2の摺接部(56)がそれ
ぞれ摺接する。また、請求項5の発明では、ディスプレ
ーサ(28)が往復動の一方のストローク端位置に移動
したときに1つの摺接部(57)が第1の摺動抵抗部材
(59)に、また他方のストローク端位置に移動したと
きに同じ摺接部(57)が第2の摺動抵抗部材(60)
にそれぞれ摺接する。さらに、請求項6の発明では、上
記とは逆に、ディスプレーサ(28)が往復動の一方の
ストローク端位置に移動したときに第1の摺接部(5
4)が摺動抵抗部材(61)に、また他方のストローク
端位置に移動したときに第2の摺接部(56)が同じ摺
動抵抗部材(61)にそれぞれ摺接する。よって、これ
ら請求項4〜6の発明では、上記嵌合部(41a)の嵌
合穴(53)での移動抵抗可変構造がさらに具体的に得
られる。
【0025】請求項7の発明では、摺接部(54),
(56)はテーパ形状とされているので、ディスプレー
サ(28)が往復動のストローク中間位置からストロー
ク端位置に向かって移動するのに応じて上記テーパ形状
の摺接部(54),(56)の摺動抵抗部材(59)〜
(61)に対する摺動抵抗が増大することになり、よっ
てディスプレーサ(28)のストローク端位置での移動
抵抗を可変とすることができる。
【0026】請求項8の発明では、ディスプレーサ(2
8)が往復動のストローク端位置に移動したとき、嵌合
部(41a)又は嵌合穴(53)の内部の一方に設けら
れた受部が他方側の緩衝部材と当接して嵌合部(41
a)の移動が制動され、この制動によりディスプレーサ
(28)のストローク端位置での移動抵抗が増大する。
よって、嵌合部(41a)の嵌合穴(53)での移動抵
抗可変構造が具体的に得られる。
【0027】請求項9の発明では、緩衝部材はばね(6
3),(64)で、また請求項10の発明では、緩衝部
材はバンパ部材(66),(67)で、さらに請求項1
1の発明では、緩衝部材はゴム部材(69),(70)
でそれぞれ構成されるので、緩衝部材を具体化すること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (実施例1)図2は本発明の実施例1に係るG−Mサイ
クルを持つヘリウム冷凍機の全体構成を示し、(1)は
図外の圧縮機で圧縮された冷媒ガスとしてのヘリウムガ
スを膨張させる膨張機であって、この膨張機(1)は圧
縮機に対し高圧及び低圧ガス配管(いずれも図示せず)
によって接続されて閉回路が形成されている。
【0029】上記膨張機(1)は、上記高圧ガス配管が
接続される高圧ガス入口(2)及び低圧ガス配管が接続
される低圧ガス出口(3)を有するバルブハウジング
(4)と、該バルブハウジング(4)の下部に上端部
(基端部)が一体的に気密接合され、下端側(先端側)
に上側の大径部(5a)及び下側の小径部(5b)を有
する2段構造の密閉状のシリンダ(5)とを備え、シリ
ンダ(5)の大径部(5a)下端は所定の極低温レベル
に冷却される第1冷却ステージ(51)に、また小径部
(5b)下端は第1冷却ステージ(51)よりも低い温
度レベルに冷却される第2冷却ステージ(52)にそれ
ぞれ設定されている。
【0030】上記バルブハウジング(4)の内部には上
記高圧ガス入口(2)に連通するモータ室(6)と、該
モータ室(6)に連通する上下方向の貫通孔(7)と、
上記低圧ガス出口(3)に補助オリフィス(図示せず)
を介して連通する中間圧室(9)とが形成されている。
【0031】また、上記バルブハウジング(4)とシリ
ンダ(5)上端部との接合部には該シリンダ(5)の上
側閉塞端部を構成するバルブステム(10)が嵌装さ
れ、該バルブステム(10)は上記バルブハウジング
(4)の貫通孔(7)下部に嵌合されたバルブシート部
(10a)と、シリンダ大径部(5a)の内径よりも小
径に形成され、該シリンダ大径部(5a)内上部に同心
状に垂下する垂下部(10b)とを備えてなり、バルブ
シート部(10a)上面と貫通孔(7)の壁面とで囲ま
れる空間が、上記高圧ガス入口(2)にモータ室(6)
を介して連通するバルブ室(11)とされている。バル
ブシート部(10a)は、貫通孔(7)下部に上下に間
隔をあけた2つのシール部材(12),(13)を介し
て気密嵌合され、この両シール部材(12),(13)
に挟まれたバルブシート部(10a)周りの環状空間
(14)は、バルブハウジング(4)に形成した連通路
(15)を介して上記低圧ガス出口(3)に連通されて
いる。上記バルブステム(10)には、各々上記バルブ
室(11)をシリンダ(5)内に連通させる2つの第1
ガス流路(17),(17)と、一端が該第1ガス流路
(17),(17)に後述するロータリバルブ(44)
の低圧ポート(46)を介して連通する一方、他端が上
記低圧ガス出口(3)に対し上記バルブシート部(10
a)周りの環状空間(14)ないしバルブハウジング
(4)の連通路(15)を介して連通する第2ガス流路
(18)とが貫通形成され、該両ガス流路(17),
(18)は、図3に示すように、バルブステム(10)
上面においてバルブ室(11)に対し、第2ガス流路
(18)にあってはバルブステム(10)の中心部(シ
リンダ中心)に、第1ガス流路(17),(17)にあ
っては上記第2ガス流路(18)の開口部に対して対称
な位置にそれぞれ開口されている。
【0032】一方、シリンダ(5)における大径部(5
a)内の上端部には、該シリンダ大径部(5a)内上部
に駆動空間(20)(一方の圧力室)を区画形成する駆
動ピストンとしての略カップ形状のスラックピストン
(21)がその内部に上端開口から上記バルブステム
(10)の垂下部(10b)を嵌挿した状態、具体的に
はピストン(21)の上端内周のシールリング(22)
を上記バルブステム(10)の垂下部(10b)外周面
に、また中間部外周のシールリング(23)をシリンダ
(5)の内周面にそれぞれ気密状に摺接せしめた状態で
往復動可能に嵌合され、上記駆動空間(20)は上記バ
ルブハウジング(4)内の中間圧室(9)にオリフィス
(図示せず)を介して常時連通している。上記スラック
ピストン(21)の底壁(21a)にはその中心部に断
面円形状のピストン孔(25)が、また周縁部に連通孔
(26)がそれぞれ貫通形成され、これらピストン孔
(25)及び連通孔(26)によりピストン(21)内
外が連通されている。
【0033】また、上記シリンダ(5)内にはディスプ
レーサ(28)が往復動可能に嵌合されている。該ディ
スプレーサ(28)は、シリンダ(5)の大径部(5
a)下半部内を摺動する密閉円筒状の大径部(28a)
と、該大径部(28a)下端に一体形成され、シリンダ
(5)の小径部(5b)内を摺動する密閉円筒状の小径
部(28b)とからなり、大径部(28a)の上端外周
にシリンダ(5)の大径部(5a)内面に摺接するシー
ルリング(29)が、また小径部(28b)の上端外周
にシリンダ(5)の小径部(5b)内面に摺接するシー
ルリング(30)がそれぞれ取り付けられており、この
ディスプレーサ(28)により、上記スラックピストン
(21)下方のシリンダ(5)内空間が上側から順に、
スラックピストン(21)内外周のシールリング(2
2),(23)からディスプレーサ(28)の上側シー
ルリング(29)までの範囲の中間室(31)(他方の
圧力室)と、該ディスプレーサ(28)の上側シールリ
ング(29)から下側シールリング(30)までの範囲
の第1段膨張室(32)と、該下側シールリング(3
0)からシリンダ(5)の下端部までの範囲の第2段膨
張室(33)とに区画されており、第1段膨張室(3
2)内のヘリウムガスでシリンダ(5)の上記第1冷却
ステージ(51)を、また第2段膨張室(33)内のヘ
リウムガスで第2冷却ステージ(52)をそれぞれ冷却
する。そして、上記ディスプレーサ(28)の大径部
(28a)の下端外周には該大径部(28a)内の空間
を上記第1段膨張室(32)に常時連通する連通孔(3
5),(35)が、また大径部(28a)及び小径部
(28b)の境界部分には小径部(28b)内の空間を
第1段膨張室(32)に常時連通する連通孔(36),
(36)が、さらに小径部(28b)の下端外周には該
小径部(28b)内の空間を第2段膨張室(33)に常
時連通する連通孔(37),(37)がそれぞれ形成さ
れている。
【0034】さらに、上記ディスプレーサ(28)はス
ラックピストン(21)に対し、ディスプレーサ(2
8)がスラックピストン(21)に位相遅れをもって往
復動するように連結機構(39)によって連結されてい
る。すなわち、上記ディスプレーサ(28)の大径部
(28a)上端には、その大径部(28a)内の空間を
上記中間室(31)(詳しくは主として上記第1ガス流
路(17),(17))に連通する通路(40)を有す
る断面略円形状の管材からなる連結部材(41)が一体
に突設され、該連結部材(41)は上記スラックピスト
ン底壁(21a)のピストン孔(25)を貫通してピス
トン(21)内部に所定寸法だけ延び、その中間部には
ピストン底壁(21a)に係合するフランジ状の係止部
(41b)が一体に形成されており、スラックピストン
(21)の昇降移動時、ピストン(21)が所定ストロ
ークだけ昇降した時点でその底壁(21a)内面と連結
部材(41)の係止部(41b)との当接、及びピスト
ン(21)の底壁(21a)外面とディスプレーサ(2
8)上端面の当接により、ディスプレーサ(28)をピ
ストン(21)によって駆動して昇降開始させるよう
に、つまりディスプレーサ(28)を所定ストロークの
遅れをもってピストン(21)に追従移動させるように
なされている。
【0035】また、上記バルブハウジング(4)のバル
ブ室(11)内には、モータ室(6)に配置したバルブ
モータ(43)によって回転駆動される切換バルブとし
ての略円柱状のロータリバルブ(44)が配設され、該
ロータリバルブ(44)の切換動作により、高圧ガス入
口(2)つまり該高圧ガス入口(2)に連通するバルブ
室(11)と、低圧ガス出口(3)つまり該低圧ガス出
口(3)に連通する連通路(15)とをシリンダ(5)
内の中間室(31)、第1及び第2段膨張室(32),
(33)に対し交互に連通するようになされている。
【0036】すなわち、上記ロータリバルブ(44)は
バルブモータ(43)の出力軸(43a)に回転不能に
かつ摺動可能に連結されている。また、バルブ(44)
上面とモータ(43)との間にはスプリング(図示せ
ず)が縮装されており、このスプリングのばね力及びバ
ルブ室(11)に導入された高圧ヘリウムガスの圧力に
よりロータリバルブ(44)下面をバルブステム(1
0)上面に対し一定の押圧力で押し付けるようになされ
ている。
【0037】一方、上記ロータリバルブ(44)の下面
には、図3で仮想線にて示すように、その半径方向に対
向する外周縁から中心方向に所定長さだけ切り込んでな
る1対の高圧ポート(45),(45)と、該高圧ポー
ト(45),(45)に対しロータリバルブ(44)の
回転方向に略90°の角度間隔をあけて配置され、バル
ブ(24)下面の中心から外周縁近傍に向かって直径方
向に切り抉ってなる低圧ポート(46)とが形成されて
いる。そして、バルブモータ(43)の駆動によりロー
タリバルブ(44)がその下面をバルブステム(10)
上面に圧接させながら回転して切換動作する際、このロ
ータリバルブ(44)の切換動作に応じてスラックピス
トン(21)及びディスプレーサ(28)をシリンダ
(5)内で往復動させ、バルブ(44)下面の高圧ポー
ト(45),(45)の内端がそれぞれバルブステム
(10)上面に開口する第1ガス流路(17),(1
7)に合致したときには、バルブ室(11)を高圧ポー
ト(45),(45)及び第1ガス流路(17),(1
7)を介してシリンダ(5)内の中間室(31)、第1
及び第2段膨張室(32),(33)に連通させて、こ
れら各室(31)〜(33)に高圧ヘリウムガスを導入
充填することにより、スラックピストン(21)及び該
ピストン(21)によって駆動されるディスプレーサ
(28)を上昇させる。一方、バルブステム(10)上
面に開口する第2ガス流路(18)に中央部にて常時連
通する低圧ポート(46)の外端が上記第1ガス流路
(17),(17)に合致したときには、上記シリンダ
(5)内の各室(31)〜(33)を第1ガス流路(1
7),(17)、低圧ポート(46)、第2ガス流路
(18)及び連通路(15)を介して低圧ガス出口
(3)に連通させて、各室(31)〜(33)に充填さ
れているヘリウムガスを低圧ガス出口(3)に排出する
ことにより、スラックピストン(21)及びディスプレ
ーサ(28)を下降させ、このディスプレーサ(28)
の下降移動に伴う膨張室(32),(33)内のヘリウ
ムガスの膨張によって寒冷を発生し、この寒冷をシリン
ダ(5)の冷却ステージ(51),(52)に伝達して
それらを極低温レベルに冷却するように構成されてい
る。
【0038】さらに、上記ディスプレーサ(28)の大
径部(28a)内の空間には第1段蓄冷器(48)が、
また小径部(28b)内の空間には第2段蓄冷器(4
9)がそれぞれ嵌装され、これら蓄冷器(48),(4
9)は同じ構成でいずれも蓄冷材(図示せず)を内蔵し
た蓄冷型の熱交換器からなり、ディスプレーサ(28)
内の各空間を流れるヘリウムガスの冷熱を蓄冷材に蓄え
るようにしている。すなわち、ディスプレーサ(28)
がシリンダ(5)内を上昇する吸気行程にあるときに
は、前の排気行程で温度降下している蓄冷材を中間室
(31)から第1又は第2段膨張室(32),(33)
に向かう常温のヘリウムガスと接触させて、両者の熱交
換によりそのガスを冷却する。一方、ディスプレーサ
(28)が下降する排気行程にあるときには、各膨張室
(32),(33)での膨張により温度降下したヘリウ
ムガスをシリンダ(5)外に排出する途中で蓄冷材と接
触させて、両者の熱交換によりその蓄冷材を再度冷却す
るように構成されている。
【0039】さらに、本発明の特徴として、上記シリン
ダ(5)の上側閉塞端部を構成するバルブステム(1
0)の垂下部(10b)下面の中心部にはシリンダ
(5)と同心にその軸線方向に延びる断面円形状の有底
の嵌合穴(53)が形成され、この嵌合穴(53)の底
面に上記2つの第1ガス流路(17),(17)が開口
されている。そして、上記連結機構(39)において、
ディスプレーサ(28)と一体の連結部材(41)の上
側部(41a)(係止部(41b)の上側部分)は嵌合
部とされて上記バルブステム(10)の垂下部(10
b)下面の嵌合穴(53)に所定の間隙をあけて摺動可
能に嵌挿されており、このディスプレーサ(28)側の
連結部材(41)の上側部(41a)とシリンダ(5)
側のバルブステム垂下部(10b)下面の嵌合穴(5
3)とにおいて、ディスプレーサ(28)が往復動のス
トローク端位置にあるときの移動抵抗をストローク中間
位置にあるときに比べて増大させるディスプレーサ移動
抵抗可変機構(71)が設けられている。
【0040】すなわち、図1に拡大詳示するように、上
記連結部材(41)の上側部(41a)には、連結部材
(41)の上端に位置しかつ下側に向かって径がテーパ
状に大きくなる上側摺接部(54)(第1の摺接部)
と、上端が該上側摺接部(54)の下端に連続し、上下
端に亘って同径円筒状の中間部(55)と、上端が該中
間部(55)の下端に連続し、下側に向かって径がテー
パ状に小さくなる下側摺接部(56)(第2の摺接部)
とが形成され、この下側摺接部(56)の下端が上記係
止部(41b)の上端に同心状に連続している。よって
上下2つの摺接部(54),(56)は互いにシリンダ
軸心方向に所定の距離をあけて配置されている。
【0041】一方、嵌合穴(53)の内周面には、その
奥端部側に位置する上側摺動抵抗部材(59)(第1の
摺動抵抗部材)と、開口部側に位置する下側摺動抵抗部
材(60)(第2の摺動抵抗部材)とが取付固定されて
いる。これら摺動抵抗部材(59),(60)は、その
内径が連結部材(41)の上側部(41a)における中
間部(55)の外径よりも小さくかつテーパ形状の各摺
接部(54),(56)の小径端の外径よりも大きいリ
ング状の高摩擦係数の樹脂材料等からなり、上下の摺動
抵抗部材(59),(60)はシリンダ軸心方向に所定
の距離をあけて配置されている。そして、ディスプレー
サ(28)が往復動において上昇ストローク端位置(上
側ストローク端位置)に移動したときに、その連結部材
(41)の上側部(41a)における上側摺接部(5
4)を嵌合穴(53)内周面の上側摺動抵抗部材(5
9)内周部に、また下降ストローク端位置(下側ストロ
ーク端位置)に移動したときに下側の摺接部(56)を
下側摺動抵抗部材(60)内周部にそれぞれ摺接させ
て、ディスプレーサ(28)の往復動のストローク端位
置での移動抵抗、つまり連結部材(41)の上側部(4
1a)の嵌合穴(53)での摺動抵抗をディスプレーサ
(28)のストローク中間位置にあるときに比べて増大
させるとともに、上記摺接部(54),(56)の摺動
抵抗部材(59),(60)への摺接状態では、その摺
接部(54),(56)のテーパ形状により、ディスプ
レーサ(28)が往復動のストローク中間位置からスト
ローク端位置に向かって移動するのに伴って摺動抵抗を
増大させるように構成されている。
【0042】尚、バルブステム(10)における第1ガ
ス流路(17),(17)とシリンダ(5)内の中間室
(31)とは上記連結部材(41)と嵌合穴(53)と
の間隙を経てヘリウムガスを流通可能に連通されてい
る。
【0043】次に、上記実施例の作動について説明す
る。冷凍機の作動は基本的に通常のものと同様に行われ
る。すなわち、先ず、膨張機(1)におけるシリンダ
(5)内の圧力が低圧であって、スラックピストン(2
1)とディスプレーサ(28)とが下降端位置にある状
態において、バルブモータ(43)の駆動によるロータ
リバルブ(44)の回転により、その高圧ポート(4
5),(45)がバルブステム(10)上面の第1ガス
流路(17),(17)に合致してロータリバルブ(4
4)が高圧側に開く。これに伴い、圧縮機から高圧ガス
入口(2)及び膨張機(1)のモータ室(6)を介して
バルブ室(11)に供給されている常温の高圧ヘリウム
ガスがロータリバルブ(44)の高圧ポート(45),
(45)、第1ガス流路(17),(17)、及びバル
ブステム(10)下面の嵌合穴(53)と連結部材(4
1)との間隙を介してスラックピストン(21)下方の
中間室(31)に導入される。さらに、このガスは第1
ガス流路(17),(17)(中間室(31))から連
結部材(41)内の通路(40)を経てディスプレーサ
(28)内に導入され、そのディスプレーサ(28)の
各蓄冷器(48),(49)を通って順次各膨張室(3
2),(33)に充填され、上記蓄冷器(48),(4
9)を通る間に前の排気行程で冷却されている蓄冷材と
の熱交換によって冷却される。
【0044】また、上記ヘリウムガスの供給に伴い、ピ
ストン(21)下側の中間室(31)のガス圧が上側の
駆動空間(20)よりも高くなるので、この駆動空間
(20)と中間室(31)との圧力差によってピストン
(21)が上昇する。そして、このピストン(21)の
上昇ストロークが所定値に達すると、該ピストン(2
1)の底壁(21a)内面とディスプレーサ(28)上
端の連結部材(41)の係止部(41b)とが係合し
て、ディスプレーサ(28)は圧力変化に対し遅れを持
ってピストン(21)により引き上げられ、このディス
プレーサ(28)の上昇移動によりその下方の膨張室
(32),(33)にさらに高圧ガスが充填される(吸
気行程)。
【0045】この後、上記ロータリバルブ(44)が閉
じると、その後もディスプレーサ(28)は慣性力によ
って上昇し、これに伴い、ディスプレーサ(28)下方
の中間室(31)内のヘリウムガスが第1及び第2段膨
張室(32),(33)に移動する。
【0046】そして、ディスプレーサ(28)が上昇端
位置に達した後、ロータリバルブ(44)の低圧ポート
(46)が上記バルブステム(10)上面の第1ガス流
路(17),(17)に合致してバルブ(24)が低圧
側に開き、この開弁に伴い、上記ディスプレーサ(2
8)下方の各膨張室(32),(33)内のヘリウムガ
スがサイモン膨張し、このヘリウムガスの膨張により寒
冷が発生して、この寒冷がシリンダ(5)の冷却ステー
ジ(51),(52)に伝達される(膨張行程)。
【0047】この低温状態となったヘリウムガスは、上
記ガス導入時とは逆に、ディスプレーサ(28)内の蓄
冷器(48),(49)を通って上記中間室(31)内
に戻り、その間に蓄冷器(48),(49)内の蓄冷材
を冷却しながら自身が常温まで暖められる。そして、こ
の常温のヘリウムガスは、さらに中間室(31)内のガ
スと共に第1ガス流路(17),(17)、バルブ(2
4)の低圧ポート(46)、連通路(15)を介して膨
張機(1)外に排出され、低圧ガス出口(3)を通って
圧縮機に流れてそれに吸入される。このガス排出に伴い
上記中間室(31)内のガス圧が低下してその駆動空間
(20)との圧力差によりスラックピストン(21)が
下降し、このピストン(21)の底壁(21a)外面が
ディスプレーサ(28)の上面に当接した後は該ディス
プレーサ(28)が押圧されて下降し、このディスプレ
ーサ(28)の下降移動により膨張室(32),(3
3)内のガスが膨張機(1)外にさらに排出される(排
気行程)。
【0048】次いで、ロータリバルブ(44)が閉じる
が、この後もディスプレーサ(28)は下降端位置まで
下降し、膨張室(32),(33)内のガスが排出され
て最初の状態に戻る。以上により膨張機(1)の動作の
1サイクルが終了し、以後は上記と同様な動作が繰り返
されて、シリンダ(5)の冷却ステージ(51),(5
2)が次第に極低温レベルに冷却される。
【0049】この実施例では、上記ディスプレーサ(2
8)の往復動に伴い、シリンダ(5)の上側閉塞端部を
構成するバルブステム(10)の垂下部(10b)下面
の嵌合穴(53)内で、ディスプレーサ(28)と一体
の連結部材(41)の上側部(41a)が移動しなが
ら、ディスプレーサ(28)が往復動する。このディス
プレーサ(28)の往復動時、上記連結部材(41)の
上側部(41a)上下端の外周面に互いに間隔をあけて
形成されている上側及び下側摺接部(54),(56)
が、それぞれ嵌合穴(53)の内周面に取付固定されて
いる上下の摺動抵抗部材(59),(60)に嵌挿され
てその内周部に摺接し、ディスプレーサ(28)が連結
部材(41)と共に上昇してその上昇ストローク端位置
に移動したときには、連結部材(41)側の上側摺接部
(54)が嵌合穴(53)内の上側摺動抵抗部材(5
9)の内周部に摺接する一方、ディスプレーサ(28)
が下降して下降ストローク端位置に移動したときには、
下側摺接部(56)が嵌合穴(53)内の下側摺動抵抗
部材(60)の内周部に摺接する。この摺接に伴い、図
4に示すように、ディスプレーサ(28)の往復動のス
トローク端位置での移動抵抗がディスプレーサ(28)
のストローク中間位置にあるときに比べて増大する。こ
のため、ディスプレーサ(28)の挙動が基本的に、ス
ラックピストン(21)やディスプレーサ(28)上下
のガス圧とディスプレーサ(28)外周のシールリング
(29),(30)の摺動抵抗とによって決まる構造で
あっても、そのディスプレーサ(28)の挙動を微調整
し、ディスプレーサ(28)の往復動のストローク端位
置での移動を上記増大した移動抵抗により遅らせて、ロ
ータリバルブ(44)の切換え直後のディスプレーサ
(28)の移動開始時期を遅く補正することができる。
その結果、図5に示すように、PV線図において実線に
示すようにサイクルの正確な角部が得られ、図5で破線
にて示す従来例(ディスプレーサの移動抵抗をストロー
ク中で一定としたもの)に比べて斜線部分のロスをなく
すことができ、よって冷凍機の冷凍能力を向上させるこ
とができる。
【0050】また、こうしてディスプレーサ(28)が
往復動のストローク端位置に移動すると、上記摺接部
(54),(56)の摺動抵抗部材(59),(60)
への摺接による移動抵抗を受けて減速されるので、ディ
スプレーサ(28)が速い速度のままでシリンダ(5)
の上下端部、つまりバルブステム(10)下面及びシリ
ンダ小径部(5b)の底部へ衝突することはなく、その
内部の蓄冷器(48),(49)の損傷等を回避でき、
冷凍機の信頼性を向上させることができる。しかも、上
記摺接部(54),(56)及び摺動抵抗部材(5
9),(60)はシリンダ(5)の上側つまり常温側に
配設されているので、それらをシリンダ(5)の低温側
に配置する場合に比べて、上記各効果を安定して得るこ
とができる。
【0051】また、上記連結部材(41)の上側部(4
1a)における上側摺接部(54)は上側に向かって径
が小さくなるように、また下側摺接部(56)は下側に
向かって径が小さくなるようにそれぞれテーパ形状であ
るので、この各摺接部(54),(56)がそれぞれ対
応する摺動抵抗部材(59),(60)へ摺接したと
き、図4に示す如く、ディスプレーサ(28)が往復動
のストローク中間位置からストローク端位置に向かって
移動するのに伴って次第に摺動抵抗が増大変化すること
となり、よって、ディスプレーサ(28)がストローク
端位置にあるときの移動抵抗を可変とし、上記冷凍機の
冷凍能力向上の効果をさらに有効に得ることができる。
【0052】(実施例2)図6は本発明の実施例2を示
し(尚、以下の各実施例では、図1及び図2と同じ部分
については同じ符号を付してその詳細な説明は省略す
る)、ディスプレーサ移動抵抗可変機構(71)の構造
を変えたものである。
【0053】すなわち、この実施例では、連結部材(4
1)の上側部(41a)における中間部(55)を、上
下中央部が上下端部よりも小径となるように略Vプーリ
形状としたものであり、その他の構成は上記実施例1と
同じである。よって、この実施例でも実施例1と同様の
作用効果が得られる。
【0054】(実施例3)図7は実施例3を示し、上記
実施例1では、連結部材(41)の上側部(41a)に
各々テーパ形状の上下2つの摺接部(54),(56)
を形成しているのに対し、1つの円筒形状の摺接部(5
7)を形成したものである。この実施例では、ディスプ
レーサ(28)の往復動に伴い1つの同じ摺接部(5
7)がそれぞれ上下の摺動抵抗部材(59),(60)
に交互に摺接し、ディスプレーサ(28)が上昇ストロ
ーク端位置に移動したときには摺接部(57)が上側摺
動抵抗部材(59)の内周部に、また下降ストローク端
位置に移動したときには同摺接部(57)が下側摺動抵
抗部材(60)の内周部にそれぞれ摺接する。従って、
この実施例でも実施例1と同様の作用効果を奏すること
ができ、さらに、1つの摺接部(57)の共用によって
ディスプレーサ移動抵抗可変機構(71)のコンパクト
化を図ることができる利点がある。
【0055】(実施例4)図8は実施例4を示し、上記
実施例3では、連結部材(41)(ディスプレーサ(2
8)側)の摺接部(57)を1つとし、嵌合穴(53)
内周面の摺動抵抗部材(59),(60)を上下2つと
しているのに対し、それとは逆に、嵌合穴(53)内周
面の摺動抵抗部材を1つとし、連結部材(41)の摺接
部を上下2つとしたものである。
【0056】すなわち、この実施例では、連結部材(4
1)の上側部(41a)外周面には、上下2つの同径円
筒状の摺接部(54),(56)が所定の間隔をあけて
形成され、これら摺接部(54),(56)間は小径部
とされている。一方、嵌合穴(53)の内周面には1つ
の摺動抵抗部材(61)が取付固定されており、ディス
プレーサ(28)が上昇ストローク端位置に移動したと
きには、連結部材(41)の上側の摺接部(54)を摺
動抵抗部材(61)の内周部に、また下降ストローク端
位置に移動したときには下側の摺接部(56)を上記と
同じ摺動抵抗部材(61)の内周部にそれぞれ摺接させ
るようになっている。
【0057】したがって、この実施例の場合、ディスプ
レーサ(28)の往復動に伴い、嵌合穴(53)内周面
の1つの同じ摺動抵抗部材(61)にディスプレーサ
(28)側の上下の摺接部(54),(56)がそれぞ
れ交互に摺接し、ディスプレーサ(28)が上昇ストロ
ーク端位置に移動したときには上側摺接部(54)が、
また下降ストローク端位置に移動したときには下側摺接
部(56)がそれぞれ摺動抵抗部材(61)の内周部に
摺接する。よって、この実施例でも実施例4と同様の作
用効果を奏することができる。
【0058】(実施例5)図9は実施例5を示し、上記
各実施例では、ディスプレーサ(28)がストローク端
位置に移動したときに、その連結部材(41)の上側部
(41a)外周部とシリンダ(5)側の嵌合穴(53)
内周部との摺動抵抗を増大させて、ディスプレーサ(2
8)の移動抵抗をストローク中間位置よりも増大させる
ようにしているが、ディスプレーサ(28)の移動抵抗
をばねの減衰力によって増大させるようにしたものであ
る。
【0059】すなわち、この実施例では、嵌合穴(5
3)の奥底面には上側コイルばね(63)(緩衝部材)
が連結部材(41)の上側部(41a)に対応して取付
固定されており、ディスプレーサ(28)が往復動の上
昇ストローク端位置に移動したときに連結部材(41)
の上側部(41a)上端(受部)を上側コイルばね(6
3)に当接させて連結部材(41)の上昇移動を制動す
るようにしている。
【0060】また、ディスプレーサ(28)側の連結部
材(41)の上側部(41a)外周面にはフランジ(6
5)(受部)が突設され、このフランジ(65)は嵌合
穴(53)内で摺動可能とされている。この嵌合穴(5
3)の下側開口部には内向フランジ形状の支持部(53
a)が突設され、この支持部(53a)上面には連結部
材(41)の上側部(41a)周りに配置した下側コイ
ルばね(64)(緩衝部材)が取り付けられており、デ
ィスプレーサ(28)が往復動の下降ストローク端位置
に移動したときにフランジ(65)を下側コイルばね
(64)と当接させて連結部材(41)の下降移動を制
動するようにしている。
【0061】この実施例では、ディスプレーサ(28)
が往復動の上昇ストローク端位置に移動したとき、連結
部材(41)の上側部(41a)上端が嵌合穴(53)
奥底部の上側コイルばね(63)に当接し、このことで
連結部材(41)つまりディスプレーサ(28)のそれ
以上の上昇移動が制動される。一方、ディスプレーサ
(28)が下降ストローク端位置に移動したとき、連結
部材(41)外周のフランジ(65)が嵌合穴(53)
開口部における支持部(53a)上の下側コイルばね
(64)と当接して、連結部材(41)及びディスプレ
ーサ(28)のそれ以上の下降移動が制動される。この
ような制動により、ディスプレーサ(28)がストロー
ク端位置に移動したときの移動抵抗が増大することとな
り、よって、上記実施例1と同様の作用効果が得られ
る。
【0062】(実施例6)図10は実施例6を示し、緩
衝部材を変えたものである。すなわち、この実施例で
は、嵌合穴(53)の奥底部に緩衝部材としての樹脂材
料等からなる円板状の上側バンパ(66)が固定されて
おり、この上側バンパ(66)に連結部材(41)のフ
ランジ(65)(受部)の上面を当接させることで、デ
ィスプレーサ(28)の上昇ストローク端位置での移動
抵抗を増大させるようになっている。
【0063】また、嵌合穴(53)の下側開口部におけ
るフランジ状の支持部(53a)上面には同様のリング
状の下側バンパ(67)(緩衝部材)が取り付けられて
おり、ディスプレーサ(28)が下降ストローク端位置
に移動したときに上記同じフランジ(65)を下側バン
パ(67)と当接させてディスプレーサ(28)の下降
ストローク端位置での移動抵抗を増大させる。従って、
この実施例でも、実施例5と同様の効果が得られる。
【0064】(実施例7)図11は実施例7を示す。こ
の実施例における連結部材(41)の構造は上記実施例
5と同じである。そして、その連結部材(41)外周の
フランジ(65)上面には緩衝部材としてのリング状の
上側緩衝ゴム(69)が連結部材(41)を取り囲むよ
うに配置されて取付固定されており、ディスプレーサ
(28)が上昇ストローク端位置に移動したときに上側
緩衝ゴム(69)を嵌合穴(53)の奥底部(受部)と
当接させてディスプレーサ(28)の上昇ストローク端
位置での移動抵抗を増大させる。
【0065】また、嵌合穴(53)の下側開口部におけ
る支持部(53a)上面には緩衝部材としてのリング状
の下側緩衝ゴム(70)が連結部材(41)を取り囲む
ように配置されて取付固定されており、ディスプレーサ
(28)が下降ストローク端位置に移動したときにフラ
ンジ(65)(受部)を下側緩衝ゴム(70)と当接さ
せてディスプレーサ(28)の下降ストローク端位置で
の移動抵抗を増大させるようになされており、この実施
例でも、実施例5と同様の効果が得られる。
【0066】尚、上記実施例1〜4の構成と実施例5〜
7の構成とを組み合わせてもよく、上記作用効果がさら
に相乗的に有効に得られる。
【0067】また、上記各実施例では、シリンダ(5)
の上側閉塞端部を構成するバルブステム(10)の垂下
部(10b)下面に嵌合穴(53)を形成し、一方、デ
ィスプレーサ(28)と一体の連結部材(41)の上側
部(41a)を嵌合穴(53)に嵌合する嵌合部として
いるが、これとは逆に、連結部材(41)の上端部上面
に嵌合穴(53)を、またバルブステム(10)の垂下
部(10b)下面に、上記嵌合穴(53)に嵌合される
嵌合部をそれぞれ設けて、両者を上記各実施例の如き構
造としてもよく、同様の作用効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、密閉状のシリンダ内に、蓄冷器が内蔵されたデ
ィスプレーサと、このディスプレーサに連結され、ディ
スプレーサを位相遅れをもって駆動する駆動ピストンと
をそれぞれ往復動可能に嵌装し、駆動ピストンによるデ
ィスプレーサの往復動により、高圧の冷媒ガスをディス
プレーサのシリンダ先端側にある膨張室内で膨張させて
温度降下させるとともに、その温度降下した冷媒ガスを
ディスプレーサの蓄冷器を通過させて蓄冷するようにし
た極低温冷凍機に対し、ディスプレーサが往復動のスト
ローク端位置に移動したときの移動抵抗をストローク中
間位置よりも大きくするようにしたことにより、ディス
プレーサの往復動における挙動を微調整でき、PV線図
で正確なサイクルを保つとともに、ディスプレーサのシ
リンダ端部への衝突を安定して防いで蓄冷器の損傷等を
防止でき、よって冷凍機の冷凍能力の向上及び作動信頼
性の向上を図ることができる。
【0069】請求項2の発明によると、駆動ピストンに
シリンダ軸線方向に延びるピストン孔を貫通形成する一
方、ディスプレーサのシリンダ基端側の端部に、上記駆
動ピストンのピストン孔に摺動可能に挿通される連結部
材を一体に突設し、この連結部材に、駆動ピストンがデ
ィスプレーサから離れる方向に移動したときに該ピスト
ンに係止する係止部を設けて、これらの構造によりディ
スプレーサを所定の位相遅れをもって往復動するように
駆動ピストンに連結し、さらに、シリンダの基端部又は
上記ディスプレーサと一体の連結部材の一方に嵌合穴を
シリンダと同心にその軸線方向に延びるように設ける一
方、他方に嵌合穴に摺動可能に嵌挿される嵌合部を設
け、ディスプレーサのストローク端位置で上記嵌合部の
嵌合穴での移動抵抗が増大するようにしたことにより、
ディスプレーサ移動抵抗可変手段の配置構造が具体的に
得られる。
【0070】請求項3の発明によると、嵌合穴の内周面
又は嵌合部の外周面の一方に摺動抵抗部材を取付固定す
る一方、他方に摺接部を設け、ディスプレーサが往復動
のストローク端位置にあるときに摺接部を摺動抵抗部材
に摺接させて嵌合部の嵌合穴での摺動抵抗を増大させる
ようにしたことにより、嵌合部の嵌合穴での移動抵抗可
変構造を具体化することができる。
【0071】請求項4の発明では、上記摺動抵抗部材及
び摺接部を何れも第1及び第2の2つとしてそれぞれシ
リンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置し、ディスプ
レーサが往復動の一方のストローク端位置に移動したと
きに第1の摺動抵抗部材に第1の摺接部を、また他方の
ストローク端位置に移動したときに第2の摺動抵抗部材
に第2の摺接部をそれぞれ摺接させるようにした。ま
た、請求項5の発明では、第1及び第2の2つの摺動抵
抗部材をシリンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置
し、1つの摺接部を、ディスプレーサが往復動の一方の
ストローク端位置に移動したときに第1の摺動抵抗部材
に、また他方のストローク端位置に移動したときに第2
の摺動抵抗部材にそれぞれ摺接させるようにした。さら
に、請求項6の発明では、第1及び第2の2つの摺接部
をシリンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置する一
方、摺動抵抗部材は1つとし、この摺動抵抗部材に対
し、ディスプレーサが往復動の一方のストローク端位置
に移動したときに第1の摺接部を、また他方のストロー
ク端位置に移動したときに第2の摺接部をそれぞれ摺接
させるようにした。従って、これら発明によると、上記
嵌合部の嵌合穴での移動抵抗可変構造のより一層の具体
化を図ることができる。
【0072】請求項7の発明によると、摺接部をテーパ
形状として、ディスプレーサが往復動のストローク中間
位置からストローク端位置に向かって移動するのに応じ
て摺動抵抗を増大させるようにしたことにより、ディス
プレーサのストローク端位置での摺動抵抗の可変化を図
ることができる。
【0073】請求項8の発明によると、嵌合部又は嵌合
穴の内部の一方に受部を設ける一方、他方に緩衝部材を
設け、ディスプレーサが往復動のストローク端位置に移
動したときに受部と緩衝部材とを当接させるようにした
ことにより、この受部と緩衝部材との当接によってディ
スプレーサのストローク端位置での移動抵抗を増大で
き、よって、嵌合部の嵌合穴での移動抵抗可変構造が具
体的に得られる。
【0074】請求項9の発明では、緩衝部材はばね材
で、また請求項10の発明では、緩衝部材はバンパ材
で、さらに請求項11の発明では、緩衝部材はゴム材で
それぞれ構成した。従って、これら発明によると、緩衝
部材を具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るディスプレーサ移動抵
抗可変機構の拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る極低温冷凍機の断面図
である。
【図3】バルブステムに対するロータリバルブの配置関
係を示す拡大平面図である。
【図4】ディスプレーサのストローク位置に対する摺動
抵抗の変化を示す特性図である。
【図5】PV線図である。
【図6】実施例2に係るディスプレーサ移動抵抗可変機
構の概略断面図である。
【図7】実施例3を示す図6相当図である。
【図8】実施例4を示す図6相当図である。
【図9】実施例5を示す図6相当図である。
【図10】実施例6を示す図6相当図である。
【図11】実施例7を示す図6相当図である。
【符号の説明】
(1) 膨張機 (5) シリンダ (10) バルブステム (20) 駆動空間(圧力室) (21) スラックピストン(駆動ピストン) (22),(23) シールリング (25) ピストン孔 (28) ディスプレーサ (29),(30) シールリング (31) 中間室(圧力室) (32),(33) 膨張室 (39) 連結機構 (41) 連結部材 (41a) 上側部(嵌合部) (41b) 係止部 (41c) 下側部 (48),(49) 蓄冷器 (53) 嵌合穴 (54),(56),(57) 摺接部 (59)〜(61) 摺動抵抗部材 (63),(64) コイルばね(緩衝部材) (65) フランジ (66),(67) バンパ(緩衝部材) (69),(70) 緩衝ゴム(緩衝部材) (71) ディスプレーサ移動抵抗可変機構(ディスプ
レーサ移動抵抗可変手段)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端が高温側とされる一方、先端が低温
    側とされた密閉状のシリンダ(5)と、 上記シリンダ(5)内に往復動可能にかつシリンダ
    (5)内部に膨張室(32),(33)を区画形成する
    ように嵌装され、蓄冷器(48),(49)が内蔵され
    たディスプレーサ(28)と、 上記シリンダ(5)内に往復動可能にかつ両側に圧力室
    (20),(31)を区画するように嵌装され、両圧力
    室(20),(31)の圧力差により往復動する駆動ピ
    ストン(21)と、 上記ディスプレーサ(28)を駆動ピストン(21)に
    対しディスプレーサ(28)が駆動ピストン(21)に
    所定の位相遅れをもって往復動するように連結する連結
    機構(39)とを備え、 上記駆動ピストン(21)によるディスプレーサ(2
    8)の往復動により、高圧の冷媒ガスを上記膨張室(3
    2),(33)内で膨張させて温度降下させるととも
    に、該温度降下した冷媒ガスをディスプレーサ(28)
    の蓄冷器(48),(49)を通過させて蓄冷するよう
    にした極低温冷凍機において、 上記ディスプレーサ(28)が往復動のストローク端位
    置にあるときの移動抵抗をストローク中間位置にあると
    きに比べて増大させるディスプレーサ移動抵抗可変手段
    (71)を設けたことを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の極低温冷凍機において、 連結機構(39)は、駆動ピストン(21)に貫通形成
    されたシリンダ軸線方向に延びるピストン孔(25)
    と、 ディスプレーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部
    に同心状に一体形成され、上記ピストン孔(25)に摺
    動可能に挿通される連結部材(41)と、 上記連結部材(41)にディスプレーサ(28)のシリ
    ンダ(5)基端側の端部と所定の間隔をあけて設けら
    れ、駆動ピストン(21)がディスプレーサ(28)か
    ら離れる方向に移動したときに該ピストン(21)に係
    止する係止部(41b)とを備えてなり、 ディスプレーサ移動抵抗可変手段(71)は、シリンダ
    (5)の基端部又は上記連結部材(41)の一方にシリ
    ンダ(5)と同心にその軸線方向に延びるように設けら
    れた嵌合穴(53)と、 シリンダ(5)の基端部又は連結部材(41)の他方に
    設けられ、上記嵌合穴(53)に摺動可能に嵌挿される
    嵌合部(41a)とを備えていて、 ディスプレーサ(28)が往復動のストローク端位置に
    あるときにストローク中間位置にあるときに比べて上記
    嵌合部(41a)の嵌合穴(53)での移動抵抗が増大
    するように構成されていることを特徴とする極低温冷凍
    機。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の極低温冷凍機において、 ディスプレーサ移動抵抗可変手段(71)は、嵌合穴
    (53)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面の一方
    に取付固定された摺動抵抗部材(59)〜(61)と、 嵌合穴(53)内周面又は嵌合部(41a)外周面の他
    方に設けられ、ディスプレーサ(28)が往復動のスト
    ローク端位置にあるときに上記摺動抵抗部材(59)〜
    (61)に摺接する摺接部(54),(56),(5
    7)とを備えていることを特徴とする極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の極低温冷凍機において、 第1及び第2の2つの摺動抵抗部材(59),(60)
    と、第1及び第2の2つの摺接部(54),(56)と
    がそれぞれシリンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置
    されていて、 ディスプレーサ(28)が往復動の一方のストローク端
    位置に移動したときに第1の摺動抵抗部材(59)に第
    1の摺接部(54)が摺接する一方、他方のストローク
    端位置に移動したときに第2の摺動抵抗部材(60)に
    第2の摺接部(56)が摺接するように構成されている
    ことを特徴とする極低温冷凍機。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の極低温冷凍機において、 第1及び第2の2つの摺動抵抗部材(59),(60)
    がシリンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置され、摺
    接部(57)は1つとされていて、 上記1つの摺接部(57)は、ディスプレーサ(28)
    が往復動の一方のストローク端位置に移動したときに第
    1の摺動抵抗部材(59)に摺接し、他方のストローク
    端位置に移動したときに第2の摺動抵抗部材(60)に
    摺接するように構成されていることを特徴とする極低温
    冷凍機。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の極低温冷凍機において、 第1及び第2の2つの摺接部(54),(56)がシリ
    ンダ軸心方向に所定の距離をあけて配置され、 摺動抵抗部材(61)は1つとされていて、 上記1つの摺動抵抗部材(61)に対し、ディスプレー
    サ(28)が往復動の一方のストローク端位置に移動し
    たときに第1の摺接部(54)が摺接し、他方のストロ
    ーク端位置に移動したときに第2の摺接部(56)が摺
    接するように構成されていることを特徴とする極低温冷
    凍機。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の極低温冷凍機において、 摺接部(54),(56)は、ディスプレーサ(28)
    が往復動のストローク中間位置からストローク端位置に
    向かって移動するのに応じて摺動抵抗が増大するように
    テーパ形状とされていることを特徴とする極低温冷凍
    機。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3記載の極低温冷凍機にお
    いて、 ディスプレーサ移動抵抗可変手段(71)は、嵌合部
    (41a)又は嵌合穴(53)の内部の一方に設けられ
    た受部と、 嵌合部(41a)又は嵌合穴(53)の内部の他方に設
    けられ、ディスプレーサ(28)が往復動のストローク
    端位置に移動したときに上記受部と当接して嵌合部(4
    1a)の移動を制動する緩衝部材とを備えてなることを
    特徴とする極低温冷凍機。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の極低温冷凍機において、 緩衝部材は、ばね(63),(64)からなることを特
    徴とする極低温冷凍機。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の極低温冷凍機におい
    て、 緩衝部材は、バンパ部材(66),(67)からなるこ
    とを特徴とする極低温冷凍機。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の極低温冷凍機におい
    て、 緩衝部材は、ゴム部材(69),(70)からなること
    を特徴とする極低温冷凍機。
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