JPH05312422A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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JPH05312422A
JPH05312422A JP11623692A JP11623692A JPH05312422A JP H05312422 A JPH05312422 A JP H05312422A JP 11623692 A JP11623692 A JP 11623692A JP 11623692 A JP11623692 A JP 11623692A JP H05312422 A JPH05312422 A JP H05312422A
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JP
Japan
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cylinder
displacer
cold heat
gas
regenerator
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Application number
JP11623692A
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English (en)
Inventor
Katsuya Miura
克哉 三浦
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ(5)内でのディスプレーサ(1
8)の往復動により冷媒ガスを膨張空間(21)内で膨
張させて温度降下させるようにした極低温冷凍機におい
て、簡単な構造で、磁場中での磁性蓄冷材(31),
(31),…の移動に伴う磁化のヒステリシス損失をな
くし、冷凍機の冷凍能力を確保する。 【構成】 磁性蓄冷材(31),(31),…を充填し
た蓄冷器(29)を、ディスプレーサ(18)と共に移
動しないようにシリンダ(5)の周りに配置固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ内でのディス
プレーサ(置換器)の往復動により冷媒ガスを膨張させ
て寒冷を発生させる極低温冷凍機に関し、特に、発生し
た寒冷の一部を蓄える蓄冷器の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧の冷媒ガスをシリンダ内
で膨張させて寒冷を発生させる膨張機を有する極低温冷
凍機として、冷媒ガスとしてのヘリウムガスを圧縮する
圧縮機と、その圧縮されたガスを膨張させる膨張機とを
高圧配管及び低圧配管によって閉回路に接続してなり、
上記膨張機における切換バルブにより上記高圧及び低圧
配管を膨張機のシリンダ内に交互に連通させるととも
に、この切換バルブの切換動作に応じてシリンダ内でス
ラックピストンを往復動させ、このピストンによりディ
スプレーサを往復駆動してヘリウムガスを膨張させるこ
とにより、寒冷を発生させるようにしたG−Mサイクル
(ギフォード・マクマホンサイクル)のヘリウム冷凍機
が知られている。
【0003】このような冷凍機においては、シリンダ内
膨張空間における冷媒ガスの断熱膨張に伴い、その温度
が低下して寒冷が発生する。そして、通常、膨張機のコ
ンパクト化を図る目的で、容器内に鉛の球や銅の網等の
多数の金属製蓄冷材を収容してなる蓄冷器をディスプレ
ーサに内蔵させており、先ず、膨張に伴って温度降下し
た冷媒ガスをシリンダの膨張空間から排出する排気行程
で、その冷媒ガスをディスプレーサ内の蓄冷器を通して
排出し、その通過の際に蓄冷器で寒冷の一部を蓄冷す
る。次に、シリンダ内膨張空間に冷媒ガスを供給する吸
気行程では、膨張空間に至る冷媒ガスを上記蓄冷器を通
して供給して、その蓄冷器との熱交換によりガス温度を
低下させ、この吸気行程及び排気行程の繰返しによって
次第に極低温レベルの寒冷を得るようになされている。
【0004】ところで、上記蓄冷器の蓄冷能力を上げる
ために、例えばEr3 Ni等の磁性蓄冷材を用いた蓄冷
器が使用されるが、その場合、冷凍機で冷却しようとす
る冷却対象がリニアモータカー等の超電導材であると、
その超電導材の通電により発生する磁場中に蓄冷材が置
かれることとなる。このため、ディスプレーサの移動に
伴い、それに内蔵された磁性蓄冷材が磁場中を移動する
こととなり、その蓄冷材が磁化によりヒステリシスルー
プを描いてヒステリシス損失と呼ばれる熱損失が発生
し、その励磁曲線と減磁曲線とで囲まれた面積に相当す
る発熱が生じて冷凍能力が低下するという問題がある。
【0005】この問題を解決するために、従来、例えば
特開平2―161260号公報等に開示されるもので
は、蓄冷材の周りを磁気シールド材で覆うことにより、
磁場が蓄冷材に影響を及ぼさないようにすることが提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この提案のも
のでは、冷凍機の周りを磁気シールド材で覆うので、構
造が大掛かりになり、コストも増大する難がある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記した極低温冷凍機の蓄冷器の配置
構造を改良することにより、ディスプレーサの移動に拘
らず蓄冷材が移動しないようにし、簡単な構造で、磁場
中での磁性蓄冷材の磁化によるヒステリシス損失をなく
して冷凍機の冷凍能力を確保することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のため、
本発明の解決手段は、蓄冷器をディスプレーサ内ではな
く、シリンダの周りに配置することとした。
【0009】すなわち、本発明の極低温冷凍機は、図1
に示すように、シリンダ(5)内に往復動可能に嵌装さ
れ、かつシリンダ(5)内に膨張空間(21)を区画形
成するディスプレーサ(18)を備え、該ディスプレー
サ(18)の往復動により、圧縮機から供給された冷媒
ガスを上記膨張空間(21)内で膨張させて温度降下さ
せるとともに、この温度降下した冷媒ガスを磁性蓄冷材
(31),(31),…を充填した蓄冷器(29)を通
過させることによって蓄冷するようにした極低温冷凍機
であって、上記蓄冷器(29)がシリンダ(5)の周囲
に配設されていることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記の構成により、本発明では、蓄冷器(2
9)がシリンダ(5)の周りに配置されているので、デ
ィスプレーサ(18)がシリンダ(5)内で移動しても
蓄冷器(29)は移動しない。従って、蓄冷材(31)
として磁性蓄冷材を使用し、冷凍機で超電導材を冷却す
るような場合であっても、蓄冷材(31)の移動に伴う
磁化によるヒステリシス損失がなく、通常どおりの冷凍
能力が得られる。また、蓄冷器(29)をシリンダ
(5)の周りに配置するだけでよいので、磁気シールド
材で覆うといった大掛かりな構造が不要であり、コスト
も下げることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明をG−Mサイクルを持つヘリウム冷
凍機に適用した実施例を示し、(1)は図外の圧縮機で
圧縮された冷媒ガスとしてのヘリウムガスを膨張させる
膨張機であって、この膨張機(1)は圧縮機に対し高圧
及び低圧ガス配管(いずれも図示せず)によって接続さ
れて閉回路が形成されている。
【0012】上記膨張機(1)は、上記高圧ガス配管が
接続される高圧ガス入口(2)及び低圧ガス配管が接続
される低圧ガス出口(3)を有するバルブハウジング
(4)と、該バルブハウジング(4)の下部に一体的に
気密接合され、上側の大径部(5a)及び下側の小径部
(5b)よりなる2段構造のシリンダ(5)とを備え、
上記バルブハウジング(4)の内部には上記高圧ガス入
口(2)に連通するモータ室(6)と、該モータ室
(6)に連通する上下方向の貫通孔(7)と、上記低圧
ガス出口(3)に補助オリフィス(8)を介して連通す
るサージボリューム(9)とが形成されている。
【0013】また、上記バルブハウジング(4)とシリ
ンダ(5)との接合部には該シリンダ(5)の上側閉塞
端部を構成するバルブステム(10)が嵌装され、該バ
ルブステム(10)は上記バルブハウジング(4)の貫
通孔(7)に気密嵌合されたバルブシート部(10a)
と、シリンダ大径部(5a)の内径よりも小径に形成さ
れ、該シリンダ大径部(5a)内上部に垂下する垂下部
(10b)とを備えてなり、バルブシート部(10a)
の上面と貫通孔(7)の壁面とで囲まれる空間により、
上記高圧ガス配管にモータ室(6)を介して連通するバ
ルブ室(11)が形成されている。また、上記バルブス
テム(10)には、上半部が2つの分岐流路(12
a),(12a)に分岐されかつ上記バルブ室(11)
をシリンダ(5)内に連通する第1ガス流路(12)
と、一端が該第1ガス流路(12)に後述するロータリ
バルブ(24)の低圧ポート(27)を介して連通する
とともに、他端が上記低圧ガス出口(3)にバルブハウ
ジング(4)に形成した連通路(14)を介して連通す
る第2ガス流路(13)とが貫通形成され、該両ガス流
路(12),(13)は、バルブステム(10)上面に
おいてバルブ室(11)に対し、第2ガス流路(13)
にあってはバルブステム(10)中心部に、第1ガス流
路(12)の分岐流路(12a),(12a)にあって
は上記第2ガス流路(13)の開口部に対して対称な位
置にそれぞれ開口されている。
【0014】一方、シリンダ(5)における大径部(5
a)内の上端部には、該シリンダ大径部(5a)内上部
に駆動空間(15)を区画形成する略カップ形状のスラ
ックピストン(16)がその上端内側面を上記バルブス
テム(10)の垂下部(10b)に気密状に摺接せしめ
た状態で往復動可能に嵌合され、上記駆動空間(15)
は上記バルブハウジング(4)内のサージボリューム
(9)にオリフィス(17)を介して常時連通してい
る。上記スラックピストン(16)は底壁(16a)を
有し、該底壁(16a)にはピストン(16)内外を連
通する中心孔(16b)及び連通孔(16c)が貫通形
成されている。
【0015】また、上記シリンダ(5)内にはディスプ
レーサ(18)が往復動可能に嵌合されている。該ディ
スプレーサ(18)は、シリンダ(5)の大径部(5
a)の下半部内を摺動する密閉円筒状の大径部(18
a)と、該大径部(18a)下端に一体形成され、シリ
ンダ(5)の小径部(5b)内を摺動する密閉円筒状の
小径部(18b)とからなり、このディスプレーサ(1
8)により、上記スラックピストン(16)下方のシリ
ンダ(5)内空間が上側から順に中間空間(19)、第
1段膨張空間(20)及び第2段膨張空間(21)に区
画されている。そして、図示しない連通孔により、上記
ディスプレーサ(18)の大径部(18a)内の空間は
上記第1段膨張空間(20)に常時連通されている。ま
た、シリンダ(5)の小径部(5b)周りには、例えば
その壁部を二重構造として内側壁部を本来のシリンダと
することで、上記第1及び第2段膨張空間(20),
(21)同士を連通する円筒状のガス流路(32)が形
成されている。
【0016】さらに、上記ディスプレーサ(18)の大
径部(18a)上端にはその大径部(18a)内の空間
を上記中間空間(19)に連通する管状の係止片(2
2)が一体に突設され、該係止片(22)は上記スラッ
クピストン底壁(16a)の中心孔(16b)を貫通し
てピストン(16)内部に所定寸法だけ延び、その上端
部にはピストン底壁(16a)に係合するフランジ状の
係止部(22a)が一体に形成されており、スラックピ
ストン(16)の上昇移動時、ピストン(16)が所定
ストロークだけ上昇した時点でその底壁(16a)と係
止片(22)の係止部(22a)との係合により、ディ
スプレーサ(18)をピストン(16)によって駆動し
て上昇開始させるように,つまりディスプレーサ(1
8)を所定ストロークの遅れをもってピストン(16)
に追従移動させるようになされている。
【0017】また、上記バルブハウジング(4)のバル
ブ室(11)内にはモータ室(6)に配置したバルブモ
ータ(23)によって回転駆動される切換バルブとして
のロータリバルブ(24)が配設され、該ロータリバル
ブ(24)の切換動作により、高圧ガス配管つまり該高
圧ガス配管に連通するバルブ室(11)と、低圧ガス配
管つまり該低圧ガス配管に連通する連通路(14)とを
シリンダ(5)内の中間空間(19)、第1及び第2段
膨張空間(20),(21)に対し交互に連通するよう
になされている。
【0018】すなわち、上記ロータリバルブ(24)は
バルブモータ(23)の出力軸(23a)に回転不能に
かつ摺動可能に連結されている。また、バルブ(24)
上面とモータ(23)との間にはスプリング(25)が
縮装されており、このスプリング(25)のばね力及び
バルブ室(11)に導入された高圧ヘリウムガスの圧力
によりロータリバルブ(24)下面をバルブステム(1
0)上面に対し一定の押圧力で押し付けるようになされ
ている。
【0019】一方、上記ロータリバルブ(24)の下面
には、その半径方向に対向する外周縁から中心方向に所
定長さだけ切り込んでなる1対の高圧ポート(26),
(26)と、該高圧ポート(26),(26)に対しロ
ータリバルブ(24)の回転方向に略90°の角度間隔
をあけて配置され、バルブ(24)下面の中心から外周
縁近傍に向かって直径方向に切り欠いてなる低圧ポート
(27)とが形成されている。そして、バルブモータ
(23)の駆動によりロータリバルブ(24)がその下
面をバルブステム(10)上面に圧接させながら回転し
て切換動作する際、このロータリバルブ(24)の切換
動作に応じてスラックピストン(16)及びディスプレ
ーサ(18)をシリンダ(5)内で往復動させ、バルブ
(24)下面の高圧ポート(26),(26)の内端が
それぞれバルブステム(10)上面に開口する第1ガス
流路(12)に合致したときには、バルブ室(11)を
高圧ポート(26),(26)及び第1ガス流路(1
2)を介してシリンダ(5)内の中間空間(19)、第
1及び第2段膨張空間(20),(21)に連通させ
て、これら各空間(19)〜(21)に高圧ヘリウムガ
スを導入充填することにより、スラックピストン(1
6)及び該ピストン(16)によって駆動されるディス
プレーサ(18)を上昇させる。一方、バルブステム
(10)上面に開口する第2ガス流路(13)に央部に
て常時連通する低圧ポート(27)の外端が上記第1ガ
ス流路(12)に合致したときには、上記シリンダ
(5)内の各空間(19)〜(21)を第1ガス流路
(12)、低圧ポート(27)、第2ガス流路(13)
及び連通路(14)を介して低圧ガス出口(3)に連通
させて、各空間(19)〜(21)に充填されているヘ
リウムガスを低圧ガス配管に排出することにより、スラ
ックピストン(16)及びディスプレーサ(18)を下
降させ、このディスプレーサ(18)の下降移動に伴う
膨張空間(20),(21)内のヘリウムガスの膨張に
よって寒冷を発生するように構成されている。
【0020】さらに、上記ディスプレーサ(18)の大
径部(18a)内の空間には蓄冷型の熱交換器からなる
第1段蓄冷器(28)が嵌装されている。この第1段蓄
冷器(28)は、大径部(18a)の空間内に例えば銅
等の金属製メッシュからなる円板状の蓄冷材(30)を
多数枚積層して充填したもので、これら蓄冷材(3
0),(30),…のメッシュの網目がガス通路とされ
ており、このガス通路を流れるヘリウムガスの冷熱を各
蓄冷材(30)に蓄えるようにしている。
【0021】一方、本発明の特徴として、上記第1及び
第2段膨張空間(20),(21)同士を連通するガス
流路(32)の中間部は流路断面積が大にされていて、
その部分には第2段蓄冷器(29)が嵌装されている。
つまり、第2段蓄冷器(29)はシリンダ(5)の小径
部(5b)周囲に配設されている。この第2段蓄冷器
(29)は、ガス流路(32)内に例えばEr3 Ni等
の塊状の磁性蓄冷材(31)を多数充填したもので、こ
れら蓄冷材(31),(31)間の間隙で構成されるガ
ス通路(32)を流れるヘリウムガスの冷熱を各蓄冷材
(31)に蓄えるようにしている。
【0022】そして、ディスプレーサ(18)がシリン
ダ(5)内を上昇する吸気行程にあるときには、前の排
気行程で極低温レベルに温度降下した各蓄冷器(2
8),(29)を中間空間(19)から第1又は第2段
膨張空間(20),(21)に向かう常温のヘリウムガ
スと接触させて、両者の熱交換によりそのガスを極低温
レベル近くまで冷却する。一方、ディスプレーサ(1
8)が下降する排気行程にあるときには、各膨張空間
(20),(21)での膨張により極低温レベルに温度
降下したヘリウムガスをシリンダ(5)外に排出する途
中で各蓄冷材(28),(29)と接触させて、両者の
熱交換によりその蓄冷器(28),(29)を極低温レ
ベル近くまで再度冷却するように構成されている。
【0023】次に、上記実施例の作動について説明す
る。冷凍機の作動は基本的に通常のものと同様に行われ
る。すなわち、先ず、膨張機(1)におけるシリンダ
(5)内の圧力が低圧であって、スラックピストン(1
6)とディスプレーサ(18)とが下降端位置にある状
態において、バルブモータ(23)の駆動によるロータ
リバルブ(24)の回転により、その高圧ポート(2
6),(26)がバルブステム(10)上面の第1ガス
流路(12)に合致してロータリバルブ(24)が高圧
側に開く。これに伴い、圧縮機から高圧ガス配管及び膨
張機(1)のモータ室(6)を介してバルブ室(11)
に供給されている常温の高圧ヘリウムガスがロータリバ
ルブ(24)の高圧ポート(26),(26)及び第1
ガス流路(12)を介してスラックピストン(16)下
方の中間空間(19)に導入される。さらに、このガス
は中間空間(19)からディスプレーサ(18)の各蓄
冷器(28),(29)を通って順次各膨張空間(2
0),(21)に充填され、この蓄冷器(28),(2
9)を通る間に前の排気行程で冷却されている蓄冷器
(28),(29)との熱交換によって極低温レベル近
くまで冷却される。また、上記ピストン(16)上側の
駆動空間(15)と下側の中間空間(19)との圧力差
によってピストン(16)が上昇する。そして、このピ
ストン(16)の上昇ストロークが所定値に達すると、
該ピストン(16)の底壁(16a)とディスプレーサ
(18)上端の係止片(22)とが係合して、ディスプ
レーサ(18)は圧力変化に対し遅れを持ってピストン
(16)により引き上げられ、このディスプレーサ(1
8)の上昇移動によりその下方の膨張空間(20),
(21)にさらに高圧ガスが充填される(吸気行程)。
【0024】この後、上記ロータリバルブ(24)が閉
じると、その後もディスプレーサ(18)は慣性力によ
って上昇し、これに伴い、ディスプレーサ(18)下方
の中間空間(19)内のヘリウムガスが第1及び第2段
膨張空間(20),(21)に移動する。
【0025】そして、ディスプレーサ(18)が上昇端
位置に達した後、ロータリバルブ(24)の低圧ポート
(27)が上記バルブステム(10)上面の第1ガス流
路(12)に合致してバルブ(24)が低圧側に開き、
この開弁に伴い、上記ディスプレーサ(18)下方の各
膨張空間(20),(21)内のヘリウムガスが断熱膨
張し、このヘリウムガスの膨張によって寒冷が発生する
(膨張行程)。
【0026】この極低温状態となったヘリウムガスは、
上記ガス導入時とは逆に、ディスプレーサ(18)内の
蓄冷器(28),(29)を通って上記中間空間(1
9)内に戻り、その間に蓄冷器(28),(29)内の
各蓄冷材(30),(31)を極低温レベルまで冷却し
ながら自身が常温まで暖められる。そして、この常温の
ヘリウムガスは、さらに中間空間(19)内のガスと共
に第1ガス流路(12)、バルブ(24)の低圧ポート
(27)、連通路(14)を介して膨張機(1)外に排
出され、低圧ガス配管を通って圧縮機に流れてそれに吸
入される。このガス排出に伴い上記中間空間(19)内
のガス圧が低下して、その駆動空間(15)との圧力差
によりスラックピストン(16)が下降し、このピスト
ン(16)の底壁(16a)がディスプレーサ(18)
の上面に当接した後は該ディスプレーサ(18)が押圧
されて下降し、このディスプレーサ(18)の下降移動
により膨張空間(20),(21)内のガスが膨張機
(1)外にさらに排出される(排気行程)。
【0027】次いで、ロータリバルブ(24)が閉じる
が、この後もディスプレーサ(18)は下降端位置まで
下降し、膨張空間(20),(21)内のガスが排出さ
れて最初の状態に戻る。以上により膨張機(1)の動作
の1サイクルが終了し、以後は上記と同様な動作が繰り
返される。
【0028】この実施例では、第2段蓄冷器(29)が
シリンダ(5)の小径部(5b)周りのガス流路(3
2)に配置されているので、ディスプレーサ(18)が
シリンダ(5)内で往復動しても蓄冷器(29)は移動
しない。このため、冷凍機でリニアモータカー等の超電
導材を冷却する場合に、極低温レベルが発生するシリン
ダ(5)先端の第2段膨張空間(21)近傍に超電導材
が配設され、その超電導材への通電による磁場が発生し
ても、その磁場内で第2段蓄冷器(29)の各磁性蓄冷
材(31)は全く移動しないので、その蓄冷材(31)
の移動に伴う磁化のヒステリシス損失がなく、冷凍機は
通常どおりの冷凍能力が得られる。
【0029】また、シリンダ(5)の周りにガス流路
(32)を形成して、そこに蓄冷器(29)を配置する
だけで済むので、ヒステリシス損失の回避を、磁気シー
ルド材で覆うといった大掛かりな構造を要することなく
低コストで実現できる。
【0030】さらに、ディスプレーサ(18)の小径部
(18b)内に蓄冷器がないので、その小径部を円筒空
洞状としてディスプレーサ(18)の重さを軽減でき、
両側の圧力差が小さくてもディスプレーサ(18)をス
ムーズに移動させることができる。
【0031】尚、上記実施例では、磁性蓄冷材(31)
を塊状のものとしたが、塊状以外の適宜形状を採用する
ことができる。
【0032】また、本発明は、上記各実施例の如きG−
Mサイクルを持つヘリウム冷凍機に限らず、ヘリウムガ
ス以外の冷媒ガスを使用するものに対しても適用できる
のは勿論である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
極低温冷凍機における蓄冷器をディスプレーサと共に移
動しないようにシリンダ周りに配置固定したことで、磁
性蓄冷材を使用し、冷凍機で超電導材を冷却するような
場合であっても、簡単で安価な構造でもって、蓄冷材の
移動に伴う磁化によるヒステリシス損失を回避し、冷凍
機の冷凍能力を大に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る冷凍機における膨張機
の断面図である。
【符号の説明】
(1) 膨張機 (5) シリンダ (16) スラックピストン (18) ディスプレーサ (20),(21) 膨張空間 (28),(29) 蓄冷器 (30) 蓄冷材 (31) 磁性蓄冷材 (32) ガス流路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(5)内に往復動可能に嵌装さ
    れ、かつシリンダ(5)内に膨張空間(21)を区画形
    成するディスプレーサ(18)を備え、該ディスプレー
    サ(18)の往復動により、圧縮機から供給された冷媒
    ガスを上記膨張空間(21)内で膨張させて温度降下さ
    せるとともに、この温度降下した冷媒ガスを磁性蓄冷材
    (31),(31),…を充填した蓄冷器(29)を通
    過させることによって蓄冷するようにした極低温冷凍機
    であって、 上記蓄冷器(29)はシリンダ(5)の周囲に配設され
    ていることを特徴とする極低温冷凍機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02254264A (ja) * 1989-03-28 1990-10-15 Aisin Seiki Co Ltd 極低温蓄熱器

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