JP3625511B2 - ガスサイクル冷凍機 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ヘリウム等の冷媒ガスを膨張させることで冷凍を発生させ、被冷却物を3〜70K(ケルビン)の極低温に冷却するガスサイクル冷凍機に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、クライオポンプ等に利用される極低温冷凍機としては、G−M(Gifford−McMahon)サイクル冷凍機、スターリングサイクル冷凍機等のシリンダ内に配置されたピストン(ディスプレーサ)の移動によって膨張室の体積を可変させるタイプの冷凍機が主に利用されていた。
【0003】
この従来の冷凍機では、1段目では通常70K程度までしか冷凍できないため、より低い温度まで冷凍する必要がある場合には、2〜3段程度に多段化して冷凍能力を向上させる必要があった。
また、冷凍機は、シリンダ内のピストンを移動させて膨張室の体積を可変して膨張室内にヘリウムガスを吸引・排出させることで、ヘリウムガスを膨張させて冷凍を発生させて被冷却物を冷却していた。
このため、膨張室内からヘリウムガスが漏れ出さないように、シリンダおよびピストン間を確実にシールする必要があった。この際、ガスサイクル冷凍機では、潤滑油タイプのシールを用いると、潤滑油が低温部分で固化してしまう問題が生じるため、ポリテトラフルオロエチレン(以下「テフロン(商品名)」と表記する)等の無潤滑タイプのシールを用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1段目の冷凍機ではピストンの高温(常温)側にシールを配置できるため、温度変化が小さくてシール材の収縮等の問題は発生しないが、2段目の冷凍機では、シールを配置した部分の温度変化(常温〜極低温)が大きくなるため、様々な問題が生じた。
すなわち、常温部分に配置されるシールでは、ばね性の鉄等の金属リングの周囲にテフロンを被覆したOリング等が用いられるが、熱変動する部分に配置されるシールは金属リングとテフロンとの熱収縮率の相違があるため、金属リングの外周側のみにテフロンを配置し、さらに金属リングおよびテフロンの各々にステップカット等の切れ目を設けた特別なものが必要であった。このため、シールのコストが高くなるとともに、シールの切れ目や金属リングとピストンとが接するシールの内側等を完全にシールすることができず、冷媒ガスの漏れが生じて冷凍能力が低下するおそれがあった。
【0005】
一方、ピストン等の可動部を無くした、つまりシールの問題が発生しないタイプの冷凍機としてパルス管冷凍機が知られている。
パルス管冷凍機は、理論解析が困難なため、冷凍効率を向上させることができず、長らく実用化できなかったが、近年実験等によって単段のパルス管冷凍機に関しては最適化が図られ、冷凍効率の高い冷凍機が実用化されつつあった。
【0006】
しかしながら、パルス管冷凍機においても、より一層の低温冷凍を実現するには多段化する必要があった。しかしながら、多段化した場合には、各段部分の相互干渉が発生し、最適化を図るには膨大な実験が必要となるため、冷凍効率を向上させることができず、実用化が困難であるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、多段化することができて冷凍能力を向上できるガスサイクル冷凍機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスサイクル冷凍機は、第1段冷凍部および第2段冷凍部の少なくとも2段の冷凍部を備えて多段化されたものである。具体的には、ヘリウムガス等の冷媒ガスが供給される第1段蓄冷器と、この第1段蓄冷器の低温側(前記冷媒ガスが供給される高温側とは反対側)に接続されたシリンダと、このシリンダ内に配置されてシリンダ内の膨張室の体積を可変するピストンとを備えて前記第1段冷凍部を構成し、前記第1段蓄冷器の低温側に接続された第2段蓄冷器と、この第2段蓄冷器の低温側(第1段蓄冷器に接続された高温側とは反対側)に接続された管とを備えて前記第2段冷凍部を構成したことを特徴とするものである。なお、本発明のピストンは、シリンダ内を圧縮させることなく移動するディスプレーサを含むものである。
【0009】
この際、前記冷媒ガスは、通常、コンプレッサと高圧バルブおよび低圧バルブとを組み合わせたり、圧縮ピストン等で構成されて冷媒ガスの圧力を高圧および低圧に変動させる冷媒ガス圧力変動発生器によって供給される。
また、本発明のガスサイクル冷凍機は、前記構成に加えて、第1段冷凍部の第1段蓄冷器の高温側およびシリンダの高温側とが連通され、前記第2段冷凍部の第2段蓄冷器の高温側および管の高温側とが連通されるとともに、前記第2段冷凍部の管の高温側にバッファが接続されていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記第1段蓄冷器は、前記ピストンの内部に同心状に配置されるものでもよい。また、前記管も前記第2段蓄冷器の内部に同心状に配置されるものでもよい。
【0011】
【作用】
本発明においては、第1段蓄冷器、シリンダおよびピストンによって第1段目の冷凍部が構成され、第2段蓄冷器および管によって第2段目の冷凍部が構成される。このため、多段式の冷凍機が構成されて、冷凍能力が向上する。
この際、第1段冷凍部は、従来のG−Mサイクル冷凍機などと同様にピストンによって膨張室の体積を変動させており、ピストン部分にはシールが必要となるが、このシールは高温側(常温側)に配置できるため、テフロン製等の一般的なシールで対応でき、ピストン部分は確実にかつ安価にシールされる。
【0012】
また、第2段冷凍部は、従来のパルス管冷凍機と同様に、低温部分に可動部分が無くシールが不要であるため、G−Mサイクル冷凍機を2段式にした場合のように、低温部分にシールを配置することで発生する問題が回避される。さらに、第1段冷凍部は、ピストンを移動させることで膨張室の体積を変動させているため、第1段蓄冷器の低温側における冷媒ガスの圧力変動を明確に解析することが可能である。このため、第2段冷凍部は、従来の単段式のパルス管冷凍機と同じ動作とみなすことが可能であり、冷凍能力の最適化が図れる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施例のガスサイクル冷凍機1の構成図が示されている。
ガスサイクル冷凍機1は、冷媒ガス圧力変動発生器2と、第1段冷凍部3と、第2段冷凍部4とを備えて構成されている。
【0014】
冷媒ガス圧力変動発生器2は、コンプレッサ5と、コンプレッサ5の高圧側に配置された高圧バルブ6と、コンプレッサ5の低圧側に配置された低圧バルブ7とで構成され、冷媒ガスであるヘリウムガスの圧力を変動させつつ供給できるように構成されている。
【0015】
第1段冷凍部3は、前記各バルブ6,7を介してコンプレッサ5に接続された第1段蓄冷器11と、この第1段蓄冷器11の低温側(図1においては下側であり、コンプレッサ5に接続された側とは反対側)に接続されたシリンダ12と、このシリンダ12内に配置されたピストン(ディスプレーサ)13とを備えて構成されている。なお、ピストン13は図示しないモータに接続されて往復駆動されるようにされている。
【0016】
シリンダ12内において、ピストン13の低温側(図1においては下側であり、蓄冷器11の低温側に接続された側)の空間によって膨張室14が構成されている。また、シリンダ12の高温側(膨張室14とは反対側)は、配管15によって第1段蓄冷器11の高温側に接続されている。
さらに、ピストン13の高温側部分およびピストンロッド部分には、シリンダ12内面に接触してピストン13およびシリンダ12間をシールするテフロン(商品名)等の無潤滑タイプのOリングで構成されたシール16,17が設けられている。
【0017】
一方、第2段冷凍部4は、前記第1段蓄冷器11の低温側に接続された第2段蓄冷器21と、この第2段蓄冷器21の低温側(図1においては下側であり、第1段蓄冷器11に接続された側とは反対側)に接続されたパルス管22とを備えて構成されている。なお、第2段蓄冷器21は第2段冷凍部4においてのみ作用するが、第1段蓄冷器11は第1段冷凍部3で冷却された冷媒ガスで冷却されるだけでなく、第2段冷凍部4からの冷媒ガスによっても冷却されるため、第1段蓄冷器11のほうが第2段蓄冷器21よりも容量が大きくされている。
【0018】
パルス管22の高温側(図1においては上側であり、第2段蓄冷器21の低温側に接続された側とは反対側)は、バイパス管23を介して第2段蓄冷器21の高温側に接続されている。また、パルス管22の高温側は、配管24を介してバッファ25に接続されている。
【0019】
なお、バイパス管23および配管24には、それぞれオリフィス26,27が設けられ、各管23,24の流量が調整されている。
また、第2段蓄冷器21およびパルス管22の低温側の部分によって、被冷却物を冷却するヒートステーション28が構成されている。
【0020】
なお、このような図1で構成されるガスサイクル冷凍機1の具体的な構成例は、冷凍機1の用途等に応じて適宜設定される。図2には、クライオポンプに組み込まれるガスサイクル冷凍機1の例が示されている。
このガスサイクル冷凍機1は、最下端に冷媒ガス圧力変動発生器2が設けられ、その上に第1段冷凍部3が設けられ、さらに最上段に第2段冷凍部4が設けられる構成とされている。
【0021】
冷媒ガス圧力変動発生器2は、図2では図示しないコンプレッサ5の高圧側に接続されるジョイント31と、低圧側に接続されるジョイント32と、駆動モータ33とを備えている。ジョイント31は、通気路34を介して第1段冷凍部3のシリンダ12に連通され、この流路はモータ33の出力軸に設けられたカム35でスライド移動される高圧バルブ6によって開閉されるように構成されている。
また、通気路34は、モータ33の出力軸が配置された空間を介してジョイント32に連通され、この流路もモータ33の出力軸に設けられたカム36でスライド移動される低圧バルブ7によって開閉されるように構成されている。
【0022】
モータ33の出力軸先端はクランク37とされ、このクランク37に嵌合するスコッチヨーク38によってシャフト39が上下動され、シリンダ12内のピストン13が上下動されるように構成されている。
【0023】
ピストン13内には第1段蓄冷器11が内蔵され、この蓄冷器11を通して前記通気路34とピストン13上方の膨張室14とが連通されている。なお、ピストン13内に蓄冷器11を配置した場合でも、高圧バルブ6側の連通路34が蓄冷器11およびピストン13の高温側(図2では下側)に連通され、さらに、蓄冷器11を通して膨張室14に連通されている点で、図1に示す構成図と同じである。
【0024】
また、シリンダ12の膨張室14には第2段冷凍部4の第2段蓄冷器21が連続して配置され、この蓄冷器21の高温側(膨張室14に隣接する下側)と低温側(上側)とはパルス管22の高温側(下側)および低温側(上側)にそれぞれ連通されている。また、パルス管22の高温側にはバッファ25が接続されている。そして、第2段冷凍部4の上端部によってヒートステーション28が構成されている。
【0025】
このように構成されたガスサイクル冷凍機1における冷凍動作について、図3,4を参照して説明する。
図3(A)に示すように、ピストン13が低温側にある状態で高圧バルブ6を開くと第1冷凍部3および第2冷凍部4内の圧力が高まる。
そして、図3(B)に示すように、第1冷凍部3において、ピストン13を移動させて膨張室14の体積を大きくすると、第1段蓄冷器11を通して冷却されたヘリウムガス(冷媒ガス)が膨張室14内に移動する。
一方、第2冷凍部4においても、第1段蓄冷器11を通して冷却された高圧のヘリウムガスが第2段蓄冷器21を通してさらに冷却され、パルス管22内に移動する。
【0026】
次に、図4(A)に示すように、高圧バルブ6を閉じて低圧バルブ7を開けると、第1段蓄冷器11の高温側が低圧となるため、膨張室14内のヘリウムガスは膨張しながら第1段蓄冷器11側に戻る。この際、膨張によって冷凍が発生し、ヘリウムガスは極低温となり、このガスが低圧バルブ7側に戻ることによって第1段蓄冷器11が冷却される。
【0027】
一方、第2段冷凍部4においても、第2段蓄冷器21の高温側が低圧となるため、パルス管22内のヘリウムガスは膨張して冷凍を発生し、被冷却物を冷却し、さらに第2段蓄冷器21を冷却しながら第1段蓄冷器11および低圧バルブ7側に戻る。
そして、図4(B)に示すように、ピストン12を下方に移動させて図3(A)の状態に戻す。
以上の動作を繰り返すことで第1段蓄冷器11および第2段蓄冷器21の低温側の温度が順次下げられ、第2段蓄冷器21のヒートステーション28では4K程度の極低温となり、被冷却物を冷却する冷凍能力が高まる。
【0028】
このような本実施例のガスサイクル冷凍機1によれば、第1段冷凍部3および第2段冷凍部4の2段式とされ、第1段冷凍部3で冷却された冷媒ガスを用いて第2段冷凍部4での冷凍を行うことができるので、特に第2段冷凍器21にEr3Ni(エルビウム3ニッケル)等の蓄冷材を使用することにより、第2段冷凍部4での最低到達温度を4K程度の極低温にでき、冷凍能力を向上することができる。このため、クライオポンプ等の極低温の冷却が必要となるガスサイクル冷凍機1としても利用でき、極低温に冷却する必要がある様々な用途や機器に適用することができる。
【0029】
また、極低温となる第2段冷凍部4は、可動部のないパルス管方式の冷凍部であるため、2段式のG−Mサイクル冷凍機のように低温部(熱変動部)にシールを配置する必要が無く、低温部にシールを配置することによる種々の問題、例えば熱変動に対応した高コストのシールを用いるために高価になったり、熱変動によるシールの収縮等で確実なシールが難しいといった問題を解消できる。このため、ガスサイクル冷凍機1を安価に提供でき、かつ冷媒ガスの漏れもない確実な冷凍動作を行うことができて冷凍能力の低下を防止することができる。
【0030】
さらに、第1段冷凍部3は、従来のG−Mサイクルと同様にピストン13によって膨張室14の体積を可変しているため、第2段冷凍部4に供給される冷媒ガスの圧力変動を明確に解析することができる。このため、パルス管22を用いた第2段冷凍部4の冷凍動作は、単段式のパルス管冷凍機と同様にみなすことができ、パルス管22の大きさやバイパス管23、配管24における絞り(ガス流量)等を最適化することができる。従って、ガスサイクル冷凍機1の冷凍能力をより一層向上することができる。
【0031】
また、冷媒ガス圧力変動発生器2として、コンプレッサ5および各バルブ6,7で構成されたものを用いたので、冷媒ガスを所定圧力で安定して供給することができ、この点でもガスサイクル冷凍機1の冷凍能力を向上することができる。
さらに、前記実施例では、第1段蓄冷器11およびシリンダ12間を配管15で連通しているので、ピストン13を移動した際にシリンダ12内のガスを圧縮することなく配管15などを介して排出することができるため、ピストン13の駆動力を小さくできる。このため、ピストン13を小型のモータ33でも駆動することができ、ガスサイクル冷凍機1全体を小型化することができる。
【0032】
また、前記実施例では、第2段蓄冷器21およびパルス管22間をバイパス管23で連通し、パルス管22の高温側にバッファ25を接続したので、第2段冷凍部4における冷凍能力をより一層向上することができる。
【0033】
以上、本発明について好適な実施例をあげて説明したが、本発明は前記実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
例えば、ガスサイクル冷凍機1としては、図5に示すように、第2冷凍部4においてパルス管22を第2段蓄冷器21内に配置し、バッファ25を第2段蓄冷器21および膨張室14間に配置してもよい。このようにすれば、ガスサイクル冷凍機1の配置スペースを少なくできてより一層の小型化が図れるという利点がある。
要するに、各蓄冷器11,21、ピストン13、パルス管22等の配置、大きさ、形状等は各種用途に応じたガスサイクル冷凍機1ごとに適宜設定すればよく、図1に示す構成に対応していればよい。
【0034】
また、ガスサイクル冷凍機1の第1段冷凍部3や第2段冷凍部4の構成は前記実施例のものに限らない。例えば、第1段冷凍部3においては、配管15を設けて第1段蓄冷器11の高温側とシリンダ12の高温側とを連通していたが、この配管15を無くしてもよい。但し、配管15を設ければ、前述の通り、ピストン13の駆動力を小さくでき、小さなモータ33で駆動することができる利点がある。
さらに、第2段冷凍部4においても、バッファ25を無くしたり、バイパス管23を無くしてもよい。但し、バッファ25やバイパス管23を設けたほうが、冷凍能力を向上できる利点がある。また、前記実施例では、バイパス管23および配管24にオリフィス26,27を設けていたが、バルブで代用してもよいし、さらには最適化がされて流量を変更する必要がなければ細管を用いて流量を設定してもよい。
【0035】
また、バッファ25はパルス管22の高温側に接続されているものに限らないが、第2段冷凍部4に設ければ温度が低いためバッファ25内に入るガスの体積を小さくでき、バッファ25の容積を小さくできるという利点がある。
【0036】
また、冷媒ガス圧力変動発生器2は、コンプレッサ5および各バルブ6,7で構成されたものに限らず、スターリングサイクル冷凍機のように圧縮ピストンによって圧力変動を発生させるものでもよく、これらは実施にあたって適宜選択すればよい。
さらに、蓄冷器11,21は、銅合金のメッシュ材や、鉛粒子や、鉛粒子およびEr3Ni(エルビウム3ニッケル)を混合したものなどが利用でき、これらは蓄冷器11,21に求められる性能に応じて適宜設定すればよい。
【0037】
前記実施例では、第1段冷凍部3および第2段冷凍部4の2段式のガスサイクル冷凍機1としていたが、第1段冷凍部3の前に例えばG−Mサイクル冷凍機を設けて3段以上のガスサイクル冷凍機としてもよい。このように構成すれば、第2段冷凍部4における冷却温度とは別に第1段冷凍部3においても別の温度(第2段冷凍部4よりも高い温度)で被冷却物を冷却することができ、被冷却物を複数の異なる温度で冷却する場合に適している。
要するに、本発明は、最も温度が低くなる最終段部分が管22を用いた第2段冷凍部4で構成され、その1つ前が第1段冷凍部3で構成されていればよい。なお、この場合、第1段冷凍部3におけるシールの問題が生じるが、第1段冷凍部3は第2段冷凍部4に比べて温度が高いため、熱の変化温度も小さくなり、シールの問題も影響が少なくなり、問題とはならない。
【0038】
【発明の効果】
本発明のガスサイクル冷凍機によれば、複数段のガスサイクル冷凍機を実現できて、冷凍能力を向上することができる。この際、第2段冷凍部を可動部のないパルス管形式の冷凍部で構成したので、温度変化が大きな低温部にシールを設ける必要が無く、ガスサイクル冷凍機を安価に提供できるとともに、冷媒ガスの漏れも防止できて確実に動作させることができる。
さらに、第1段冷凍部をG−Mサイクル冷凍機のように膨張室の体積をピストンで変動させる形式の冷凍部で構成したので、第2段冷凍部に対する圧力変動を確実に制御することができ、第2段冷凍部の冷凍能力を最適に設定することができる。このため、複数段のガスサイクル冷凍機を最適化でき、かつ確実に動作させることができ、冷凍能力を一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガスサイクル冷凍機を示す構成図である。
【図2】前記実施例をクライオポンプにおけるガスサイクル冷凍機に適用した一例を示す縦断面図である。
【図3】前記実施例のガスサイクル冷凍機の動作を説明する動作説明図である。
【図4】前記実施例のガスサイクル冷凍機の動作を説明する動作説明図である。
【図5】本発明のガスサイクル冷凍機の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ガスサイクル冷凍機
2 冷媒ガス圧力変動発生器
3 第1段冷凍部
4 第2段冷凍部
11 第1段蓄冷器
12 シリンダ
13 ピストン
14 膨張室
15 配管
21 第2段蓄冷器
22 パルス管
23 バイパス管
24 配管
25 バッファ
28 ヒートステーション
【産業上の利用分野】
本発明は、ヘリウム等の冷媒ガスを膨張させることで冷凍を発生させ、被冷却物を3〜70K(ケルビン)の極低温に冷却するガスサイクル冷凍機に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、クライオポンプ等に利用される極低温冷凍機としては、G−M(Gifford−McMahon)サイクル冷凍機、スターリングサイクル冷凍機等のシリンダ内に配置されたピストン(ディスプレーサ)の移動によって膨張室の体積を可変させるタイプの冷凍機が主に利用されていた。
【0003】
この従来の冷凍機では、1段目では通常70K程度までしか冷凍できないため、より低い温度まで冷凍する必要がある場合には、2〜3段程度に多段化して冷凍能力を向上させる必要があった。
また、冷凍機は、シリンダ内のピストンを移動させて膨張室の体積を可変して膨張室内にヘリウムガスを吸引・排出させることで、ヘリウムガスを膨張させて冷凍を発生させて被冷却物を冷却していた。
このため、膨張室内からヘリウムガスが漏れ出さないように、シリンダおよびピストン間を確実にシールする必要があった。この際、ガスサイクル冷凍機では、潤滑油タイプのシールを用いると、潤滑油が低温部分で固化してしまう問題が生じるため、ポリテトラフルオロエチレン(以下「テフロン(商品名)」と表記する)等の無潤滑タイプのシールを用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1段目の冷凍機ではピストンの高温(常温)側にシールを配置できるため、温度変化が小さくてシール材の収縮等の問題は発生しないが、2段目の冷凍機では、シールを配置した部分の温度変化(常温〜極低温)が大きくなるため、様々な問題が生じた。
すなわち、常温部分に配置されるシールでは、ばね性の鉄等の金属リングの周囲にテフロンを被覆したOリング等が用いられるが、熱変動する部分に配置されるシールは金属リングとテフロンとの熱収縮率の相違があるため、金属リングの外周側のみにテフロンを配置し、さらに金属リングおよびテフロンの各々にステップカット等の切れ目を設けた特別なものが必要であった。このため、シールのコストが高くなるとともに、シールの切れ目や金属リングとピストンとが接するシールの内側等を完全にシールすることができず、冷媒ガスの漏れが生じて冷凍能力が低下するおそれがあった。
【0005】
一方、ピストン等の可動部を無くした、つまりシールの問題が発生しないタイプの冷凍機としてパルス管冷凍機が知られている。
パルス管冷凍機は、理論解析が困難なため、冷凍効率を向上させることができず、長らく実用化できなかったが、近年実験等によって単段のパルス管冷凍機に関しては最適化が図られ、冷凍効率の高い冷凍機が実用化されつつあった。
【0006】
しかしながら、パルス管冷凍機においても、より一層の低温冷凍を実現するには多段化する必要があった。しかしながら、多段化した場合には、各段部分の相互干渉が発生し、最適化を図るには膨大な実験が必要となるため、冷凍効率を向上させることができず、実用化が困難であるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、多段化することができて冷凍能力を向上できるガスサイクル冷凍機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスサイクル冷凍機は、第1段冷凍部および第2段冷凍部の少なくとも2段の冷凍部を備えて多段化されたものである。具体的には、ヘリウムガス等の冷媒ガスが供給される第1段蓄冷器と、この第1段蓄冷器の低温側(前記冷媒ガスが供給される高温側とは反対側)に接続されたシリンダと、このシリンダ内に配置されてシリンダ内の膨張室の体積を可変するピストンとを備えて前記第1段冷凍部を構成し、前記第1段蓄冷器の低温側に接続された第2段蓄冷器と、この第2段蓄冷器の低温側(第1段蓄冷器に接続された高温側とは反対側)に接続された管とを備えて前記第2段冷凍部を構成したことを特徴とするものである。なお、本発明のピストンは、シリンダ内を圧縮させることなく移動するディスプレーサを含むものである。
【0009】
この際、前記冷媒ガスは、通常、コンプレッサと高圧バルブおよび低圧バルブとを組み合わせたり、圧縮ピストン等で構成されて冷媒ガスの圧力を高圧および低圧に変動させる冷媒ガス圧力変動発生器によって供給される。
また、本発明のガスサイクル冷凍機は、前記構成に加えて、第1段冷凍部の第1段蓄冷器の高温側およびシリンダの高温側とが連通され、前記第2段冷凍部の第2段蓄冷器の高温側および管の高温側とが連通されるとともに、前記第2段冷凍部の管の高温側にバッファが接続されていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記第1段蓄冷器は、前記ピストンの内部に同心状に配置されるものでもよい。また、前記管も前記第2段蓄冷器の内部に同心状に配置されるものでもよい。
【0011】
【作用】
本発明においては、第1段蓄冷器、シリンダおよびピストンによって第1段目の冷凍部が構成され、第2段蓄冷器および管によって第2段目の冷凍部が構成される。このため、多段式の冷凍機が構成されて、冷凍能力が向上する。
この際、第1段冷凍部は、従来のG−Mサイクル冷凍機などと同様にピストンによって膨張室の体積を変動させており、ピストン部分にはシールが必要となるが、このシールは高温側(常温側)に配置できるため、テフロン製等の一般的なシールで対応でき、ピストン部分は確実にかつ安価にシールされる。
【0012】
また、第2段冷凍部は、従来のパルス管冷凍機と同様に、低温部分に可動部分が無くシールが不要であるため、G−Mサイクル冷凍機を2段式にした場合のように、低温部分にシールを配置することで発生する問題が回避される。さらに、第1段冷凍部は、ピストンを移動させることで膨張室の体積を変動させているため、第1段蓄冷器の低温側における冷媒ガスの圧力変動を明確に解析することが可能である。このため、第2段冷凍部は、従来の単段式のパルス管冷凍機と同じ動作とみなすことが可能であり、冷凍能力の最適化が図れる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施例のガスサイクル冷凍機1の構成図が示されている。
ガスサイクル冷凍機1は、冷媒ガス圧力変動発生器2と、第1段冷凍部3と、第2段冷凍部4とを備えて構成されている。
【0014】
冷媒ガス圧力変動発生器2は、コンプレッサ5と、コンプレッサ5の高圧側に配置された高圧バルブ6と、コンプレッサ5の低圧側に配置された低圧バルブ7とで構成され、冷媒ガスであるヘリウムガスの圧力を変動させつつ供給できるように構成されている。
【0015】
第1段冷凍部3は、前記各バルブ6,7を介してコンプレッサ5に接続された第1段蓄冷器11と、この第1段蓄冷器11の低温側(図1においては下側であり、コンプレッサ5に接続された側とは反対側)に接続されたシリンダ12と、このシリンダ12内に配置されたピストン(ディスプレーサ)13とを備えて構成されている。なお、ピストン13は図示しないモータに接続されて往復駆動されるようにされている。
【0016】
シリンダ12内において、ピストン13の低温側(図1においては下側であり、蓄冷器11の低温側に接続された側)の空間によって膨張室14が構成されている。また、シリンダ12の高温側(膨張室14とは反対側)は、配管15によって第1段蓄冷器11の高温側に接続されている。
さらに、ピストン13の高温側部分およびピストンロッド部分には、シリンダ12内面に接触してピストン13およびシリンダ12間をシールするテフロン(商品名)等の無潤滑タイプのOリングで構成されたシール16,17が設けられている。
【0017】
一方、第2段冷凍部4は、前記第1段蓄冷器11の低温側に接続された第2段蓄冷器21と、この第2段蓄冷器21の低温側(図1においては下側であり、第1段蓄冷器11に接続された側とは反対側)に接続されたパルス管22とを備えて構成されている。なお、第2段蓄冷器21は第2段冷凍部4においてのみ作用するが、第1段蓄冷器11は第1段冷凍部3で冷却された冷媒ガスで冷却されるだけでなく、第2段冷凍部4からの冷媒ガスによっても冷却されるため、第1段蓄冷器11のほうが第2段蓄冷器21よりも容量が大きくされている。
【0018】
パルス管22の高温側(図1においては上側であり、第2段蓄冷器21の低温側に接続された側とは反対側)は、バイパス管23を介して第2段蓄冷器21の高温側に接続されている。また、パルス管22の高温側は、配管24を介してバッファ25に接続されている。
【0019】
なお、バイパス管23および配管24には、それぞれオリフィス26,27が設けられ、各管23,24の流量が調整されている。
また、第2段蓄冷器21およびパルス管22の低温側の部分によって、被冷却物を冷却するヒートステーション28が構成されている。
【0020】
なお、このような図1で構成されるガスサイクル冷凍機1の具体的な構成例は、冷凍機1の用途等に応じて適宜設定される。図2には、クライオポンプに組み込まれるガスサイクル冷凍機1の例が示されている。
このガスサイクル冷凍機1は、最下端に冷媒ガス圧力変動発生器2が設けられ、その上に第1段冷凍部3が設けられ、さらに最上段に第2段冷凍部4が設けられる構成とされている。
【0021】
冷媒ガス圧力変動発生器2は、図2では図示しないコンプレッサ5の高圧側に接続されるジョイント31と、低圧側に接続されるジョイント32と、駆動モータ33とを備えている。ジョイント31は、通気路34を介して第1段冷凍部3のシリンダ12に連通され、この流路はモータ33の出力軸に設けられたカム35でスライド移動される高圧バルブ6によって開閉されるように構成されている。
また、通気路34は、モータ33の出力軸が配置された空間を介してジョイント32に連通され、この流路もモータ33の出力軸に設けられたカム36でスライド移動される低圧バルブ7によって開閉されるように構成されている。
【0022】
モータ33の出力軸先端はクランク37とされ、このクランク37に嵌合するスコッチヨーク38によってシャフト39が上下動され、シリンダ12内のピストン13が上下動されるように構成されている。
【0023】
ピストン13内には第1段蓄冷器11が内蔵され、この蓄冷器11を通して前記通気路34とピストン13上方の膨張室14とが連通されている。なお、ピストン13内に蓄冷器11を配置した場合でも、高圧バルブ6側の連通路34が蓄冷器11およびピストン13の高温側(図2では下側)に連通され、さらに、蓄冷器11を通して膨張室14に連通されている点で、図1に示す構成図と同じである。
【0024】
また、シリンダ12の膨張室14には第2段冷凍部4の第2段蓄冷器21が連続して配置され、この蓄冷器21の高温側(膨張室14に隣接する下側)と低温側(上側)とはパルス管22の高温側(下側)および低温側(上側)にそれぞれ連通されている。また、パルス管22の高温側にはバッファ25が接続されている。そして、第2段冷凍部4の上端部によってヒートステーション28が構成されている。
【0025】
このように構成されたガスサイクル冷凍機1における冷凍動作について、図3,4を参照して説明する。
図3(A)に示すように、ピストン13が低温側にある状態で高圧バルブ6を開くと第1冷凍部3および第2冷凍部4内の圧力が高まる。
そして、図3(B)に示すように、第1冷凍部3において、ピストン13を移動させて膨張室14の体積を大きくすると、第1段蓄冷器11を通して冷却されたヘリウムガス(冷媒ガス)が膨張室14内に移動する。
一方、第2冷凍部4においても、第1段蓄冷器11を通して冷却された高圧のヘリウムガスが第2段蓄冷器21を通してさらに冷却され、パルス管22内に移動する。
【0026】
次に、図4(A)に示すように、高圧バルブ6を閉じて低圧バルブ7を開けると、第1段蓄冷器11の高温側が低圧となるため、膨張室14内のヘリウムガスは膨張しながら第1段蓄冷器11側に戻る。この際、膨張によって冷凍が発生し、ヘリウムガスは極低温となり、このガスが低圧バルブ7側に戻ることによって第1段蓄冷器11が冷却される。
【0027】
一方、第2段冷凍部4においても、第2段蓄冷器21の高温側が低圧となるため、パルス管22内のヘリウムガスは膨張して冷凍を発生し、被冷却物を冷却し、さらに第2段蓄冷器21を冷却しながら第1段蓄冷器11および低圧バルブ7側に戻る。
そして、図4(B)に示すように、ピストン12を下方に移動させて図3(A)の状態に戻す。
以上の動作を繰り返すことで第1段蓄冷器11および第2段蓄冷器21の低温側の温度が順次下げられ、第2段蓄冷器21のヒートステーション28では4K程度の極低温となり、被冷却物を冷却する冷凍能力が高まる。
【0028】
このような本実施例のガスサイクル冷凍機1によれば、第1段冷凍部3および第2段冷凍部4の2段式とされ、第1段冷凍部3で冷却された冷媒ガスを用いて第2段冷凍部4での冷凍を行うことができるので、特に第2段冷凍器21にEr3Ni(エルビウム3ニッケル)等の蓄冷材を使用することにより、第2段冷凍部4での最低到達温度を4K程度の極低温にでき、冷凍能力を向上することができる。このため、クライオポンプ等の極低温の冷却が必要となるガスサイクル冷凍機1としても利用でき、極低温に冷却する必要がある様々な用途や機器に適用することができる。
【0029】
また、極低温となる第2段冷凍部4は、可動部のないパルス管方式の冷凍部であるため、2段式のG−Mサイクル冷凍機のように低温部(熱変動部)にシールを配置する必要が無く、低温部にシールを配置することによる種々の問題、例えば熱変動に対応した高コストのシールを用いるために高価になったり、熱変動によるシールの収縮等で確実なシールが難しいといった問題を解消できる。このため、ガスサイクル冷凍機1を安価に提供でき、かつ冷媒ガスの漏れもない確実な冷凍動作を行うことができて冷凍能力の低下を防止することができる。
【0030】
さらに、第1段冷凍部3は、従来のG−Mサイクルと同様にピストン13によって膨張室14の体積を可変しているため、第2段冷凍部4に供給される冷媒ガスの圧力変動を明確に解析することができる。このため、パルス管22を用いた第2段冷凍部4の冷凍動作は、単段式のパルス管冷凍機と同様にみなすことができ、パルス管22の大きさやバイパス管23、配管24における絞り(ガス流量)等を最適化することができる。従って、ガスサイクル冷凍機1の冷凍能力をより一層向上することができる。
【0031】
また、冷媒ガス圧力変動発生器2として、コンプレッサ5および各バルブ6,7で構成されたものを用いたので、冷媒ガスを所定圧力で安定して供給することができ、この点でもガスサイクル冷凍機1の冷凍能力を向上することができる。
さらに、前記実施例では、第1段蓄冷器11およびシリンダ12間を配管15で連通しているので、ピストン13を移動した際にシリンダ12内のガスを圧縮することなく配管15などを介して排出することができるため、ピストン13の駆動力を小さくできる。このため、ピストン13を小型のモータ33でも駆動することができ、ガスサイクル冷凍機1全体を小型化することができる。
【0032】
また、前記実施例では、第2段蓄冷器21およびパルス管22間をバイパス管23で連通し、パルス管22の高温側にバッファ25を接続したので、第2段冷凍部4における冷凍能力をより一層向上することができる。
【0033】
以上、本発明について好適な実施例をあげて説明したが、本発明は前記実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
例えば、ガスサイクル冷凍機1としては、図5に示すように、第2冷凍部4においてパルス管22を第2段蓄冷器21内に配置し、バッファ25を第2段蓄冷器21および膨張室14間に配置してもよい。このようにすれば、ガスサイクル冷凍機1の配置スペースを少なくできてより一層の小型化が図れるという利点がある。
要するに、各蓄冷器11,21、ピストン13、パルス管22等の配置、大きさ、形状等は各種用途に応じたガスサイクル冷凍機1ごとに適宜設定すればよく、図1に示す構成に対応していればよい。
【0034】
また、ガスサイクル冷凍機1の第1段冷凍部3や第2段冷凍部4の構成は前記実施例のものに限らない。例えば、第1段冷凍部3においては、配管15を設けて第1段蓄冷器11の高温側とシリンダ12の高温側とを連通していたが、この配管15を無くしてもよい。但し、配管15を設ければ、前述の通り、ピストン13の駆動力を小さくでき、小さなモータ33で駆動することができる利点がある。
さらに、第2段冷凍部4においても、バッファ25を無くしたり、バイパス管23を無くしてもよい。但し、バッファ25やバイパス管23を設けたほうが、冷凍能力を向上できる利点がある。また、前記実施例では、バイパス管23および配管24にオリフィス26,27を設けていたが、バルブで代用してもよいし、さらには最適化がされて流量を変更する必要がなければ細管を用いて流量を設定してもよい。
【0035】
また、バッファ25はパルス管22の高温側に接続されているものに限らないが、第2段冷凍部4に設ければ温度が低いためバッファ25内に入るガスの体積を小さくでき、バッファ25の容積を小さくできるという利点がある。
【0036】
また、冷媒ガス圧力変動発生器2は、コンプレッサ5および各バルブ6,7で構成されたものに限らず、スターリングサイクル冷凍機のように圧縮ピストンによって圧力変動を発生させるものでもよく、これらは実施にあたって適宜選択すればよい。
さらに、蓄冷器11,21は、銅合金のメッシュ材や、鉛粒子や、鉛粒子およびEr3Ni(エルビウム3ニッケル)を混合したものなどが利用でき、これらは蓄冷器11,21に求められる性能に応じて適宜設定すればよい。
【0037】
前記実施例では、第1段冷凍部3および第2段冷凍部4の2段式のガスサイクル冷凍機1としていたが、第1段冷凍部3の前に例えばG−Mサイクル冷凍機を設けて3段以上のガスサイクル冷凍機としてもよい。このように構成すれば、第2段冷凍部4における冷却温度とは別に第1段冷凍部3においても別の温度(第2段冷凍部4よりも高い温度)で被冷却物を冷却することができ、被冷却物を複数の異なる温度で冷却する場合に適している。
要するに、本発明は、最も温度が低くなる最終段部分が管22を用いた第2段冷凍部4で構成され、その1つ前が第1段冷凍部3で構成されていればよい。なお、この場合、第1段冷凍部3におけるシールの問題が生じるが、第1段冷凍部3は第2段冷凍部4に比べて温度が高いため、熱の変化温度も小さくなり、シールの問題も影響が少なくなり、問題とはならない。
【0038】
【発明の効果】
本発明のガスサイクル冷凍機によれば、複数段のガスサイクル冷凍機を実現できて、冷凍能力を向上することができる。この際、第2段冷凍部を可動部のないパルス管形式の冷凍部で構成したので、温度変化が大きな低温部にシールを設ける必要が無く、ガスサイクル冷凍機を安価に提供できるとともに、冷媒ガスの漏れも防止できて確実に動作させることができる。
さらに、第1段冷凍部をG−Mサイクル冷凍機のように膨張室の体積をピストンで変動させる形式の冷凍部で構成したので、第2段冷凍部に対する圧力変動を確実に制御することができ、第2段冷凍部の冷凍能力を最適に設定することができる。このため、複数段のガスサイクル冷凍機を最適化でき、かつ確実に動作させることができ、冷凍能力を一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガスサイクル冷凍機を示す構成図である。
【図2】前記実施例をクライオポンプにおけるガスサイクル冷凍機に適用した一例を示す縦断面図である。
【図3】前記実施例のガスサイクル冷凍機の動作を説明する動作説明図である。
【図4】前記実施例のガスサイクル冷凍機の動作を説明する動作説明図である。
【図5】本発明のガスサイクル冷凍機の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ガスサイクル冷凍機
2 冷媒ガス圧力変動発生器
3 第1段冷凍部
4 第2段冷凍部
11 第1段蓄冷器
12 シリンダ
13 ピストン
14 膨張室
15 配管
21 第2段蓄冷器
22 パルス管
23 バイパス管
24 配管
25 バッファ
28 ヒートステーション
Claims (3)
- 冷媒ガスが供給される第1段蓄冷器、この第1段蓄冷器の低温側に接続されたシリンダ、及びこのシリンダ内に配置されてシリンダ内に形成された膨張室の体積を可変するピストンで構成された第1段冷凍部と、
前記第1段蓄冷器の低温側に接続された第2段蓄冷器、及びこの第2段蓄冷器の低温側に接続された管で構成された第2段冷凍部と、
を備えて構成されることを特徴とするガスサイクル冷凍機。 - 請求項1記載のガスサイクル冷凍機において、前記冷媒ガスの圧力を変動させて第1段蓄冷器に供給する冷媒ガス圧力変動発生器が設けられていることを特徴とするガスサイクル冷凍機。
- 請求項1又は請求項2記載のガスサイクル冷凍機において、前記第1段冷凍部の第1段蓄冷器の高温側およびシリンダの高温側とが連通され、前記第2段冷凍部の第2段蓄冷器の高温側および管の高温側とが連通されるとともに、前記第2段冷凍部の管の高温側にバッファが接続されていることを特徴とするガスサイクル冷凍機。
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