JP2755211B2 - 極低温冷凍機のシール装置 - Google Patents

極低温冷凍機のシール装置

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JP2755211B2
JP2755211B2 JP7114475A JP11447595A JP2755211B2 JP 2755211 B2 JP2755211 B2 JP 2755211B2 JP 7114475 A JP7114475 A JP 7114475A JP 11447595 A JP11447595 A JP 11447595A JP 2755211 B2 JP2755211 B2 JP 2755211B2
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昌和 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ内でのディス
プレーサ(置換器)の往復動により冷媒ガスを膨張させ
て寒冷を発生させる極低温冷凍機におけるディスプレー
サのシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧の冷媒ガスをシリンダ内
で膨張させて寒冷を発生させる膨張機を有する極低温冷
凍機として、例えば特開昭58−214758号公報等
に開示されているように、冷媒ガスとしてのヘリウムガ
スを圧縮する圧縮機に対し、その圧縮されたガスを膨張
させる膨張機を高圧配管及び低圧配管によって閉回路に
接続してなり、上記膨張機における切換バルブにより高
圧及び低圧配管を膨張機のシリンダ内に交互に連通させ
るとともに、この切換バルブの切換動作に応じてシリン
ダ内で駆動ピストンを往復動させ、このピストンにより
ディスプレーサを往復駆動してヘリウムガスをシリンダ
内で膨張させることにより、寒冷を発生させるようにし
たいわゆるGMサイクル(ギフォード・マクマホンサイ
クル)の極低温冷凍機が知られている。
【0003】このような冷凍機においては、シリンダ内
膨張室における冷媒ガスの断熱膨張に伴い、その温度が
低下して寒冷が発生する。そして、通常、膨張機のコン
パクト化を図る目的で、容器内に鉛の球や銅の網等の多
数の金属製蓄冷材を収容してなる蓄冷器をディスプレー
サに内蔵させており、先ず、膨張に伴って温度降下した
冷媒ガスをシリンダの膨張室から排出する排気行程で、
その冷媒ガスをディスプレーサ内の蓄冷器を通して排出
し、その通過の際に蓄冷器で冷媒ガスの寒冷の一部を蓄
冷する。次に、シリンダ内膨張室に高圧の常温冷媒ガス
を供給する吸気行程では、膨張室に至る冷媒ガスを上記
蓄冷器を通して供給して、その蓄冷器との熱交換により
ガス温度を低下させる。そして、この吸気行程及び排気
行程の繰返しによって膨張室周りのシリンダ壁部に次第
に極低温レベルの寒冷を得るようになされている。
【0004】ところで、上記膨張機のシリンダ内で膨張
室を区画する場合、ディスプレーサの外周にリング溝を
形成してシールリングを嵌装し、このシールリングでシ
リンダ内周とディスプレーサ外周との間をシールするこ
とが行われる。具体的には、例えばディスプレーサ外周
面のリング溝の開口側に1対のシールリングをディスプ
レーサの中心線方向に重ねて配置し、これら両シールリ
ングをリング溝底部に配置したバックアップリングによ
り半径方向外側に付勢して各シールリング外周面をシリ
ンダ内周面に押圧するようになされている。
【0005】しかし、その場合、両シールリングを1つ
のバックアップリングで押圧するので、各シールリング
が重合部分のみでバックアップリングから押され、ディ
スプレーサの摺動に伴って両シールリングが傾倒したり
して、両シールリングの外周面を互いに均等にシリンダ
内周面に押圧させることが難しく、良好なシール効果が
期待できないという問題がある。
【0006】そこで、従来、実開平2―16857号公
報に示されるように、ディスプレーサ外周面のリング溝
に収容される1対のシールリングの各々の内周面に、重
合されるシールリング側の端面に向かってリング内径が
大きくなるように傾斜する傾斜面を設け、両シールリン
グの傾斜面によって形成される凹部にバックアップリン
グとしてリング状丸棒ばねを着座させるようにしたもの
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この提案のものでは、
1つのバックアップリングの付勢力を両シールリングに
均等に分けることができるものの、各シールリングの外
周部において重合端と反対側端の隅角部を斜め又は段付
状に切り欠いてその部分に別部材を配置しているので、
シールリングが特殊な構造となる。
【0008】また、シールリングをリング状丸棒ばねで
押圧しているので、シールリングの外周面をシールリン
グ全周に亘って均一にシリンダ内周面に押圧することは
困難であり、良好なシール効果を得るには今1つ不十分
であった。
【0009】一方、上記ディスプレーサのリング溝に収
容される1対のシールリングは、リング溝内への装着を
容易にするために、その周方向の一部で切り離されてお
り、この各シールリングの切離し部が他方のシールリン
グの切離し部とディスプレーサの中心線方向で一致しな
いようにずらされた状態でリング溝内に収容される。
【0010】ところが、ディスプレーサの往復動に伴う
振動や冷凍機外部からの振動により、各シールリングが
リング溝内で回転することがあり、その回転に伴い、両
シールリングの切離し部同士が互いに一致して、その一
致した切離し部を経てヘリウムが通り易くなり、シール
性が低下するという問題もある。
【0011】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ディスプレーサ外周のリング溝に収容
される1対のシールリングの形状構造及びバックアップ
リングの構造を変えることにより、簡単な構造を採用し
ながら、両シールリングを互いに均等にかつ各シールリ
ングを全周に亘って均一にシリンダ内周面に押圧できる
ようにするとともに、そのバックアップリングを利用し
ながら、両シールリングの相対回転を防止して、良好な
シール効果を安定して得るようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明では、1対のシールリングの内周
バックアップリングとしてコイルリングばねを当接さ
せるとともに、このコイルリングばねを部分的にシール
リング内周面に起立状態で係合させるようにした。
【0013】すなわち、この発明では、図6に示す如
く、シリンダ(1)内に膨張室(5)を区画するディス
プレーサ(4)が往復動可能に嵌装されてなり、このデ
ィスプレーサ(4)の往復動により膨張室(5)内の冷
媒ガスを膨張させて極低温レベルの寒冷を発生させるよ
うにした極低温冷凍機が前提である。
【0014】そして、図1に示すように、上記ディスプ
レーサ(4)の外周面に形成された周方向に延びるリン
グ溝(18)と、このリング溝(18)の開口側にディ
スプレーサ(4)の中心線方向に重ねられて配置収容さ
れ、各々、周方向の一部で切り離されかつシリンダ
(1)内周面に摺接可能な外周面を有する1対のシール
リング(20),(20)と、リング溝(18)の底側
に、各シールリング(20)の内周面とリング溝(1
8)底面との間でループ部(25a)を側方から見て傾
倒させた状態で収容され、各シールリング(20)を半
径方向外側に付勢してシールリング(20)外周面をシ
リンダ(1)内周面に押圧するコイルリングばねからな
るバックアップリング(25)とを備える。
【0015】さらに、上記各シールリング(20)の内
周面に、バックアップリング(25)としてのコイルリ
ングばねの一部をループ部(25a)が起立状態となる
ように係合する係合凹部(23)を設ける。
【0016】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
の前提と同じ極低温冷凍機において、図2又は図7に示
すように、ディスプレーサ(4)の外周面に形成された
周方向に延びるリング溝(18)と、このリング溝(1
8)の開口側にディスプレーサ(4)の中心線方向に重
ねられて配置収容され、各々、周方向の一部で切り離さ
れかつシリンダ(1)内周面に摺接可能な外周面を有す
る1対のシールリング(20),(20)と、上記リン
グ溝(18)の底側に、各シールリング(20)の内周
面とリング溝(18)底面との間でループ部(25a)
を側方から見て傾倒させた状態で収容され、各シールリ
ング(20)を半径方向外側に付勢してシールリング
(20)外周面をシリンダ(1)内周面に押圧するコイ
ルリングばねからなるバックアップリング(25)とを
備えた構成とする。
【0017】さらに、各シールリング(20)の内周面
に、重ね合わされる両シールリング(20),(20)
間の当接部に向かってリング内径が大きくなるように略
傾斜しかつバックアップリング(25)の付勢力を受け
る受面(22)と、コイルリングばねの一部をループ部
(25a)が起立状態となるように係合する係合凹部
(23)とを設ける。
【0018】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、ディ
スプレーサ(4)外周面に形成されたリング溝(18)
の開口側に1対のシールリング(20),(20)がデ
ィスプレーサ(4)の中心線方向に重ねられて配置収容
され、これらシールリング(20),(20)がリング
溝(18)の底側のバックアップリング(25)により
半径方向外側に付勢されて、各シールリング(20)の
外周面がシリンダ(1)内周面に押圧され、このことで
シリンダ(1)内周とディスプレーサ(4)外周とがシ
ールされる。
【0019】そのとき、上記バックアップリング(2
5)は、素線をコイル状に巻いた多数のループ部(25
a),(25a),…からなるコイルリングばねであっ
て、各 シールリング(20)の内周面とリング溝(1
8)底面との間で上記各ループ部(25a)を側方から
見て傾倒させた状態で収容されているので、このループ
部(25a)が傾倒した分、リング溝(18)の円周方
向から見たコイルリングばねのループ形状が円形から楕
円形状に変化し、シールリング(20)に対するバック
アップリング(25)の付勢力の伝達面積が大きくな
る。そして、このループ部(25a)が起立状態に復元
しようとするばね力によって各シールリング(20)が
シリンダ(1)内周面に対し全周に亘って均一に押圧さ
れ、このことによってシール効果を向上させることがで
きる。
【0020】そして、各シールリング(20)の内周面
に係合凹部(23)が設けられているので、この係合凹
部(23)に上記コイルリングばねのループ部(25
a)が起立状態となるように係合される。つまり、この
状態では、1つの共通のバックアップリング(25)の
一部が2つのシールリング(20),(20)の係合凹
部(23)に係合し、各シールリング(20)について
はバックアップリング(25)との係合によって一体的
にディスプレーサ(4)回りに回動可能となるが、両シ
ールリング(20),(20)同士はバックアップリン
グ(25)により相対回転不能に係合されることとな
る。このため、ディスプレーサ(4)の往復動や外部か
らの振動が作用しても、両シールリング(20),(2
0)が相対回動して各々の切離し部(21),(21)
同士が互いに一致することはなくなり、切離し部(2
1),(21)同士の一致によるガス漏れを抑制でき、
シール性能を安定して向上維持することができる。
【0021】しかも、両シールリング(20),(2
0)を半径方向外側に付勢するバックアップリング(2
5)を利用して両シールリング(20),(20)の回
り止めを行っているので、構造が簡単で部品点数の増加
を招くこともなく、しかも既設のシール装置に対しても
簡単な変更のみで容易に適用することができる。
【0022】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
と同様に、ディスプレーサ(4)外周のリング溝(1
8)内に1対のシールリング(20),(20)が重合
状態で 収容され、これらのシールリング(20),(2
0)は、リング溝(18)の底側に各シールリング(2
0)の内周面とリング溝(18)底面との間でループ部
(25a)を側方から見て傾倒させた状態で収容されて
いるバックアップリング(25)により半径方向外側に
付勢されて、各シールリング(20)の外周面がシリン
ダ(1)内周面に押圧され、シリンダ(1)内周とディ
スプレーサ(4)外周とがシールされる。そして、上記
各シールリング(20)の内周面に、重ね合わされる両
シールリング(20),(20)間の当接部に向かって
リング内径が大きくなるように略傾斜する受面(22)
が設けられ、この受面(22)でバックアップリング
(25)の付勢力を受けるようにしているので、この傾
斜状受面(22)へのバックアップリング(25)の付
勢力の伝達により、バックアップリング(25)が1つ
であってもその付勢力は両シールリング(20),(2
0)に均等に分散されて伝達される。このことによっ
て、両シールリング(20),(20)を互いに均等に
かつ各々は円周方向に均一にシリンダ(1)内周面に押
圧でき、上記請求項1の発明の作用効果に加え、さらに
有効にシール性能を向上維持することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図6は本発明の実施例に係るGMサイクルを持つ
ヘリウム冷凍機における膨張機(A)の要部を示し、こ
の膨張機(A)には、図示しないが、圧縮機の吐出側に
高圧ガス配管を介して連通される高圧ガス入口と、圧縮
機の吸込側に低圧ガス配管を介して連通される低圧ガス
出口とが設けられている。
【0024】膨張機(A)は有底円筒状のシリンダ
(1)を備え、このシリンダ(1)の先端部(下端部)
は所定の極低温レベルに冷却される冷却ステージ(2)
に設定されている。上記シリンダ(1)内下部には密閉
円筒状のディスプレーサ(4)が往復動可能に嵌合され
ており、このディスプレーサ(4)により、シリンダ
(1)内部の空間をシリンダ(1)先端側の膨張室
(5)とシリンダ(1)基端側の圧力室(6)とに区画
され、膨張室(5)内で低温となったヘリウムガスによ
りシリンダ(1)の冷却ステージ(2)を冷却する。そ
して、上記ディスプレーサ(4)の下端外周にはディス
プレーサ(4)内の空間を上記膨張室(5)に常時連通
する連通孔(8),(8)が形成されている。
【0025】さらに、上記ディスプレーサ(4)はシリ
ンダ(1)内上部に上記圧縮室(6)を区画するように
摺動可能に嵌装したスラックピストン(10)に対し、
ディスプレーサ(4)がスラックピストン(10)に位
相遅れをもって往復動するように連結されている。すな
わち、ディスプレーサ(4)の上端には、ディスプレー
サ(4)内の空間を上記圧力室(6)に常時連通する通
路(12)を有する管材からなる連結片(13)が一体
に突設され、該連結片(13)はスラックピストン(1
0)に対し所定距離だけ相対的に摺動可能に係止されて
おり、スラックピストン(10)の昇降移動時、ピスト
ン(10)が所定ストロークだけ昇降した時点で、ディ
スプレーサ(4)をピストン(10)によって駆動して
昇降開始させるように、つまりディスプレーサ(4)を
所定ストロークの遅れをもってピストン(10)に追従
移動させるようになされている。
【0026】さらに、シリンダ(1)の内部は切換バル
ブ(図示せず)を介して上記高圧ガス入口及び低圧ガス
出口に連通されており、切換バルブの供給位置及び排気
位置への切換動作により、高圧ガス入口と低圧ガス出口
とをシリンダ(1)内の圧力室(6)及び膨張室(5)
に対し交互に連通させてスラックピストン(10)及び
ディスプレーサ(4)をシリンダ(1)内で往復動さ
せ、バルブを供給位置に切り換えたときには、高圧ガス
入口をシリンダ(1)内の圧力室(6)及び膨張室
(5)に連通させて、これら各室(6),(5)に高圧
ヘリウムガスを導入充填することにより、スラックピス
トン(10)及び該ピストン(10)によって駆動され
るディスプレーサ(4)を上昇させる。一方、切換バル
ブを排気位置に切り換えたときには、上記シリンダ
(1)内の各室(6),(5)を低圧ガス出口に連通さ
せて、各室(6),(5)に充填されているヘリウムガ
スをシリンダ(1)外に排出することにより、スラック
ピストン(10)及びディスプレーサ(4)を下降さ
せ、このディスプレーサ(4)の下降移動に伴う膨張室
(5)内のヘリウムガスの膨張によって寒冷を発生し、
この寒冷をシリンダ(1)の冷却ステージ(2)に伝達
してそれを極低温レベルに冷却するように構成されてい
る。
【0027】さらに、上記ディスプレーサ(4)内の空
間には蓄冷器(15)が嵌装され、この蓄冷器(15)
は蓄冷材(16)を内蔵した蓄冷型の熱交換器からな
り、ディスプレーサ(4)内の各空間を流れるヘリウム
ガスの冷熱を蓄冷材(16)に蓄えるようにしている。
すなわち、ディスプレーサ(4)がシリンダ(1)内を
上昇する吸気行程にあるときには、前の排気行程で温度
降下している蓄冷材(16)を圧力室(6)から膨張室
(5)に向かう常温のヘリウムガスと接触させて、両者
の熱交換によりそのガスを冷却する。一方、ディスプレ
ーサ(4)が下降する排気行程にあるときには、膨張室
(5)での膨張により温度降下したヘリウムガスをシリ
ンダ(1)外に排出する途中で蓄冷材(16)と接触さ
せて、両者の熱交換によりその蓄冷材(16)を再度冷
却するように構成されている。
【0028】本発明の特徴は、上記シリンダ(1)内周
面とディスプレーサ(4)外周面とのシール装置にあ
る。すなわち、ディスプレーサ(4)の上端外周面には
周方向に延びるリング溝(18)がディスプレーサ
(4)全周に亘り形成されている。このリング溝(1
8)内にはシリンダ(1)の内周面に摺接する外周面を
有する上下1対のシールリング(20),(20)が嵌
合され、この両シールリング(20),(20)は、図
1及び図2に示すように、リング溝(18)の開口側に
おいてディスプレーサ(4)の中心線方向(上下方向)
に重ねられて配置収容されている。また、各シールリン
グ(20)はその周方向の一部を半径方向に対し斜めに
切断分離した切離し部(21)を有し、この両シールリ
ング(20),(20)の切離し部(21),(21)
は直径方向に対向した位置(180°の角度間隔をあけ
た位置)に配置されている。
【0029】上記リング溝(18)の底側には、各シー
ルリング(20)を半径方向外側に付勢してその外周面
をシリンダ(1)内周面に押圧する1つのバックアップ
リング(25)が収容されている。このバックアップリ
ング(25)は、素線をコイル状に巻いて多数のループ
部(25a),(25a),…を形成してなるコイルリ
ングばね(尚、必要に応じてバックアップリングと同じ
符号(25)を付して説明する)からなる。このコイル
リングばね(25)は通常の状態では、各ループ部(2
5a)が側方から見て略起立状態に配列されるが、リン
グ溝(18)への装着状態では、各シールリング(2
0)の内周面とリング溝(18)底面との間で各ループ
部(25a)が側方視で傾倒した状態で収容されてお
り、このループ部(25a)が傾倒状態から起立状態へ
復元するときの復元力をばね力として、各シールリング
(20)を半径方向外側に付勢するようになっている。
【0030】さらに、図2に拡大詳示するように、各シ
ールリング(20)の内周面には、重ね合わされる両シ
ールリング(20),(20)間の当接部に向かって、
つまり上側シールリング(20)にあっては下側に向か
って、また下側シールリング(20)にあっては上側に
向かってそれぞれリング内径が大きくなるように傾斜し
た断面直線状の受面(22)が形成されており、この受
面(22)で、上記バックアップリング(25)として
のコイルリングばねの付勢力を受けるようにしている。
【0031】また、図1、図3〜図5に示す如く、各シ
ールリング(20)の内周面にはシールリング(20)
の円周方向の4等分位置で上記切離し部(21)とは異
なる位置に内周面を段状に切り欠いてなる4つの係合凹
部(23),(23),…が形成されている。この各係
合凹部(23)では、シールリング(20)の半径つま
りリング溝(18)底面からの間隔が他の部分よりも大
きいので、図1に示すように、この係合凹部(23)に
おいてコイルリングばね(25)の一部を各ループ部
(25a)が起立状態となるように係合させている。
【0032】次に、上記実施例の作動について説明す
る。冷凍機の作動は基本的に通常のものと同様に行われ
る。すなわち、先ず、膨張機(A)におけるシリンダ
(1)内の圧力が低圧であって、スラックピストン(1
0)とディスプレーサ(4)とが下降端位置にある状態
において、切換バルブが供給位置に切り換わると、これ
に伴い、圧縮機から高圧ガス入口に供給されている常温
の高圧ヘリウムガスがバルブを介してスラックピストン
(10)下方の圧力室(6)に導入される。さらに、こ
のガスは圧力室(6)から連結片(13)内の通路(1
2)を経てディスプレーサ(4)内に導入され、そのデ
ィスプレーサ(4)の蓄冷器(15)を通って膨張室
(5)に充填され、上記蓄冷器(15)を通る間に前の
排気行程で冷却されている蓄冷材(16)との熱交換に
よって冷却される。
【0033】また、上記ヘリウムガスの供給に伴い、ピ
ストン(10)下側の圧力室(6)のガス圧が高くなる
ので、この圧力室(6)の圧力によってピストン(1
0)が上昇し、このピストン(10)の上昇ストローク
が所定値に達すると、該ピストン(10)とディスプレ
ーサ(4)上端の連結片(13)とが係合して、ディス
プレーサ(4)は圧力変化に対し遅れを持ってピストン
(10)により引き上げられ、このディスプレーサ
(4)の上昇移動によりその下方の膨張室(5)にさら
に高圧ガスが充填される(吸気行程)。
【0034】この後、上記切換バルブが閉じると、その
後もディスプレーサ(4)は慣性力によって上昇し、こ
れに伴い、ディスプレーサ(4)下方の圧力室(6)内
のヘリウムガスが膨張室(5)に移動する。
【0035】そして、ディスプレーサ(4)が上昇端位
置に達した後、切換バルブが排気位置に切り換えられ、
ディスプレーサ(4)下方の膨張室(5)内のヘリウム
ガスがサイモン膨張し、このヘリウムガスの膨張により
寒冷が発生して、この寒冷がシリンダ(1)の冷却ステ
ージ(2)に伝達される(膨張行程)。
【0036】この低温状態となったヘリウムガスは、上
記ガス導入時とは逆に、ディスプレーサ(4)内の蓄冷
器(15)を通って圧力室(6)内に戻り、その間に蓄
冷器(15)内の蓄冷材(16)を冷却しながら自身が
常温まで暖められる。そして、この常温のヘリウムガス
は、さらに圧力室(6)内のガスと共に切換バルブを介
して膨張機(A)外に排出され、低圧ガス出口を通って
圧縮機に流れてそれに吸入される。このガス排出に伴い
上記圧力室(6)内のガス圧が低下してスラックピスト
ン(10)が下降し、このピストン(10)がディスプ
レーサ(4)の上面に当接した後は該ディスプレーサ
(4)が押圧されて下降し、このディスプレーサ(4)
の下降移動により膨張室(5)内のガスが膨張機(A)
外にさらに排出される(排気行程)。
【0037】次いで、切換バルブが閉じるが、この後も
ディスプレーサ(4)は下降端位置まで下降し、膨張室
(5)内のガスが排出されて最初の状態に戻る。以上に
より膨張機(A)の動作の1サイクルが終了し、以後は
上記と同様な動作が繰り返されて、シリンダ(1)の冷
却ステージ(2)が次第に極低温レベルに冷却される。
【0038】この実施例では、ディスプレーサ(4)外
周面におけるリング溝(18)の開口側に上下1対のシ
ールリング(20),(20)が重ねられて配置され、
これらシールリング(20),(20)がリング溝(1
8)の底側にあるバックアップリング(25)により半
径方向外側に付勢されて、各シールリング(20)の外
周面がシリンダ(1)内周面に押圧され、このことでシ
リンダ(1)内周とディスプレーサ(4)外周とがシー
ルされて、圧力室(6)と膨張室(5)との間の連通が
遮断されている。
【0039】そのとき、上記各シールリング(20)の
内周面に、重ね合わされる両シールリング(20),
(20)間の当接部に向かってリング内径が大きくなる
ように傾斜する受面(22)が設けられ、この受面(2
2)でバックアップリング(25)の付勢力を受けるよ
うにしているので、この受面(22)でのバックアップ
リング(25)の付勢力の伝達により、バックアップリ
ング(25)が1つであってもその付勢力は両シールリ
ング(20),(20)に均等に伝達される。しかも、
上記バックアップリング(25)は、素線をコイル状に
巻いた多数のループ部(25a),(25a),…から
なるコイルリングばねで、各シールリング(20)内周
面とリング溝(18)底面との間でループ部(25a)
を傾倒させた状態で収容されているので、その各ループ
部(25a)が傾倒した分だけ、リング溝(18)の円
周方向から見たコイルリングばね(25)のループ形状
が円形状から楕円形状に変化し(図2参照)、シールリ
ング(20)に対するバックアップリング(25)の付
勢力の伝達面積が大きくなる。そして、この各ループ部
(25a)が起立状態に復元しようとするばね力によっ
て各シールリング(20)がシリンダ(1)内周面に対
し全周に亘って均一に押圧される。その結果、シリンダ
(1)の内周面に対し両シールリング(20),(2
0)を互いに均等にかつ円周方向に均一に押圧すること
ができ、シール性能を向上させることができる。
【0040】さらに、上記各シールリング(20)の内
周面に4つの係合凹部(23),(23),…が等角度
間隔をあけて形成されているので、この各係合凹部(2
3)では、シールリング(20)の半径つまりリング溝
(18)底面からの間隔が他の部分よりも大きくなり、
図1に示すように、この係合凹部(23)においてコイ
ルリングばね(25)の一部をループ部(25a)が起
立状態となるように係合される。つまり、この状態で
は、1つの共通のバックアップリング(25)の一部が
2つのシールリング(20),(20)の各係合凹部
(23),(23)に係合し、各シールリング(20)
についてはバックアップリング(25)との係合によっ
て一体的にディスプレーサ(4)回りに回動可能となる
が、両シールリング(20),(20)同士はバックア
ップリング(25)により相対回転不能に係合されるこ
ととなる。このため、ディスプレーサ(4)の往復動に
よる振動や膨張機(A)外部からの振動が作用しても、
両シールリング(20),(20)が相対回動して各々
の切離し部(21),(21)同士が一致することはな
くなり、切離し部(21),(21)同士の一致による
ガス漏れを抑制して、高いシール性能を安定して保つこ
とができる。
【0041】また、両シールリング(20),(20)
を半径方向外側に付勢する既存のバックアップリング
(25)を利用して両シールリング(20),(20)
の相対回転を規制するので、シールリング(20),
(20)間の回り止め構造が簡単となり、部品点数が増
加することもない。しかも、各シールリング(20)の
内周面に傾斜状の受面(22)と係合凹部(23)とを
形成するだけでよいので、既設のシール装置に対しても
簡単な変更のみで容易に適用することができる。
【0042】尚、上記実施例では、各シールリング(2
0)内周の傾斜状受面(22)は断面直線状の面として
いるが、図7に示す如く、断面円弧状の面で受面(2
2)を形成してもよく、同様の効果が得られる。
【0043】また、各シールリング(20)内周に少な
くとも1つの係合凹部(23)のみを形成することもで
き、その場合には、両シールリング(20),(20)
の相対回転を防止するのみの効果が得られる。
【0044】また、本発明は、上記実施例の如きGM冷
凍機以外の極低温冷凍機において、シリンダとその内部
のディスプレーサとをシールリングによりシールする構
造であれば適用することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、シリンダ内に往復動可能に嵌装されるディスプ
レーサの外周にリング溝を形成し、このリング溝に1対
のシールリングをシリンダ軸線方向に重ねて収容し、こ
の両シールリングをリング溝底側のバックアップリング
により半径方向外側に付勢してシールリング外周面をシ
リンダ内周面に押圧させるようにした極低温冷凍機用の
シール装置に対し、バックアップリングを、シールリン
グ内周面とリング溝底面との間でループ部を傾倒させた
状態で収容されるコイルリングばねとし、かつ、各シー
ルリングの内周面に、コイルリングばねの一部をループ
部が起立状態となるように係合する係合凹部を設けたこ
とにより、バックアップリングとしてのコイルリングば
ねにおけるループ部を起立状態に復元しようとするばね
力により、各シールリングをその全 周に亘って均一にシ
リンダ内周面に対し押圧できるとともに、1つの共通の
コイルリングばねの一部を2つのシールリングの係合凹
部に係合させて両シールリング同士を相対回転不能とで
き、ディスプレーサの往復動による振動や外部振動等が
作用しても両シールリングの切離し部が互いに一致する
のを防いで、切離し部同士の一致によるガス漏れを抑制
でき、バックアップリングを利用した簡単な構造で、シ
ール性能の向上を安定して確保することができる。
【0046】請求項2の発明によると、上記請求項1の
発明に加えて、さらに、各シールリングの内周面に、重
ね合わされる両シールリング間の当接部に向かってリン
グ内径が大きくなるように略傾斜してバックアップリン
グの付勢力を受ける受面を設けたことにより、1つのバ
ックアップリングの付勢力を両シールリングに均等に伝
達でき、シール性能の向上維持をより一層有効に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図6のI―I線断面図である。
【図2】図1のII―II線拡大断面図である。
【図3】両シールリングの配置構造を示す斜視図であ
る。
【図4】両シールリングの配置構造を示す平面図であ
る。
【図5】両シールリングの配置構造を示す側面図であ
る。
【図6】本発明の実施例に係る極低温冷凍機用膨張機の
要部を示す断面図である。
【図7】シールリング内周面の構造の変形例を示す図2
相当図である。
【符号の説明】
(A) 膨張機 (1) シリンダ (4) ディスプレーサ (5) 膨張室 (18) リング溝 (20) シールリング (21) 切離し部 (22) 受面 (23) 係合凹部 (25) バックアップリング

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(1)内に膨張室(5)を区画
    するディスプレーサ(4)が往復動可能に嵌装されてお
    り、ディスプレーサ(4)の往復動により膨張室(5)
    内の冷媒ガスを膨張させて極低温レベルの寒冷を発生さ
    せるようにした極低温冷凍機において、 上記ディスプレーサ(4)の外周面に形成された周方向
    に延びるリング溝(18)と、 上記リング溝(18)の開口側にディスプレーサ(4)
    の中心線方向に重ねられて配置収容され、各々、周方向
    の一部で切り離されかつシリンダ(1)内周面に摺接可
    能な外周面を有する1対のシールリング(20),(2
    0)と、 上記リング溝(18)の底側に、各シールリング(2
    0)の内周面とリング溝(18)底面との間でループ部
    (25a)を側方から見て傾倒させた状態で収容され、
    各シールリング(20)を半径方向外側に付勢してシー
    ルリング(20)外周面をシリンダ(1)内周面に押圧
    するコイルリングばねからなるバックアップリング(2
    5)とを備え、 各シールリング(20)の内周面にバックアップリング
    (25)としてのコイルリングばねの一部をループ部
    (25a)が起立状態となるように係合する係合凹部
    (23)が設けられていることを特徴とする極低温冷凍
    機のシール装置。
  2. 【請求項2】 シリンダ(1)内に膨張室(5)を区画
    するディスプレーサ(4)が往復動可能に嵌装されてな
    り、ディスプレーサ(4)の往復動により膨張室(5)
    内の冷媒ガスを膨張させて極低温レベルの寒冷を発生さ
    せるようにした極低温冷凍機において、 上記ディスプレーサ(4)の外周面に形成された周方向
    に延びるリング溝(18)と、 上記リング溝(18)の開口側にディスプレーサ(4)
    の中心線方向に重ねられて配置収容され、各々、周方向
    の一部で切り離されかつシリンダ(1)内周面に摺接可
    能な外周面を有する1対のシールリング(20),(2
    0)と、 上記リング溝(18)の底側に、各シールリング(2
    0)の内周面とリング溝(18)底面との間でループ部
    (25a)を側方から見て傾倒させた状態で収容され、
    各シールリング(20)を半径方向外側に付勢してシー
    ルリング(20)外周面をシリンダ(1)内周面に押圧
    するコイルリングばねからなるバックアップリング(2
    5)とを備え、 各シールリング(20)の内周面には、重ね合わされる
    両シールリング(20),(20)間の当接部に向かっ
    てリング内径が大きくなるように略傾斜しかつバックア
    ップリング(25)の付勢力を受ける受面(22)と、
    コイルリングばねの一部をループ部(25a)が起立状
    態となるように係合する係合凹部(23)と が設けられ
    ていることを特徴とする極低温冷凍機のシール装置。
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