JPH08303888A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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Publication number
JPH08303888A
JPH08303888A JP11053795A JP11053795A JPH08303888A JP H08303888 A JPH08303888 A JP H08303888A JP 11053795 A JP11053795 A JP 11053795A JP 11053795 A JP11053795 A JP 11053795A JP H08303888 A JPH08303888 A JP H08303888A
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JP
Japan
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cylinder
peripheral surface
piston
connecting member
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JP11053795A
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English (en)
Inventor
Shinichi Kasahara
伸一 笠原
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ5内に、蓄冷器48,49内蔵のデ
ィスプレーサ28と、ディスプレーサ28を往復動させ
るピストン21とをそれぞれ嵌装し、ディスプレーサ2
8の往復動により、高圧冷媒ガスをシリンダ5先端側の
膨張室32,33内で膨張させて温度降下させる極低温
冷凍機に対し、外部振動等によりディスプレーサ28が
シリンダ5と相対回転して接触面が変わるのを防ぎ、冷
凍機の性能を安定維持する。 【構成】 シリンダ5上端を閉じるバルブステム10下
端面に断面円形状の嵌合穴55を同心に設け、ディスプ
レーサ28をピストン21に連結する連結部材41の上
側部41aを嵌合穴55に摺動可能に嵌挿し、上側部4
1a外周面にシリンダ軸線方向に延びる切欠部56を、
また嵌合穴55内周面に切欠部56に対応する膨出部5
7をそれぞれ設け、切欠部56及び膨出部57の嵌合に
より連結部材41の嵌合穴55での回転を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ内でのディス
プレーサ(置換器)の往復動により冷媒ガスを膨張させ
て寒冷を発生させる極低温冷凍機に関し、特に、ディス
プレーサの回転を防止する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧の冷媒ガスをシリンダ内
で膨張させて寒冷を発生させる膨張機を有する極低温冷
凍機として、例えば特開昭58−214758号公報等
に開示されているように、冷媒ガスとしてのヘリウムガ
スを圧縮する圧縮機に対し、その圧縮されたガスを膨張
させる膨張機を高圧配管及び低圧配管によって閉回路に
接続してなり、上記膨張機における切換バルブにより高
圧及び低圧配管を膨張機のシリンダ内に交互に連通させ
るとともに、この切換バルブの切換動作に応じてシリン
ダ内で駆動ピストンを往復動させ、このピストンにより
ディスプレーサを往復駆動してヘリウムガスをシリンダ
内で膨張させることにより、寒冷を発生させるようにし
たいわゆるG−Mサイクル(ギフォード・マクマホンサ
イクル)の極低温冷凍機が知られている。
【0003】このような冷凍機においては、シリンダ内
膨張室における冷媒ガスの断熱膨張に伴い、その温度が
低下して寒冷が発生する。そして、通常、膨張機のコン
パクト化を図る目的で、容器内に鉛の球や銅の網等の多
数の金属製蓄冷材を収容してなる蓄冷器をディスプレー
サに内蔵させており、先ず、膨張に伴って温度降下した
冷媒ガスをシリンダの膨張室から排出する排気行程で、
その冷媒ガスをディスプレーサ内の蓄冷器を通して排出
し、その通過の際に蓄冷器で冷媒ガスの寒冷の一部を蓄
冷する。次に、シリンダ内膨張室に高圧の常温冷媒ガス
を供給する吸気行程では、膨張室に至る冷媒ガスを上記
蓄冷器を通して供給して、その蓄冷器との熱交換により
ガス温度を低下させる。そして、この吸気行程及び排気
行程の繰返しによって膨張室周りのシリンダ壁部に次第
に極低温レベルの寒冷を得るようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の極
低温冷凍機では、極低温レベルの寒冷条件下で潤滑油は
凍結して不純物となることから、ディスプレーサの摺動
部分、詳しくはディスプレーサ外周に配置したシールリ
ングはシリンダ内面に対して無潤滑状態で接触するよう
になっている。
【0005】しかし、駆動ピストン及びディスプレーサ
をシリンダ内でフリー状態とし、それらをヘリウムガス
のガス圧で駆動しているので、冷凍機(膨張機)に対し
外部から振動が加わったとき、ディスプレーサがシリン
ダに対し相対回転してシールリングのシリンダ内面への
接触面が変化することがある。そして、シリンダ及びデ
ィスプレーサは必ずしも正確な真円形状ではなく、しか
もシリンダ内面の表面粗さが場所によって幾らかは異な
るので、上記相対回転によってシリンダ内面とディスプ
レーサ外周のシールリングとの接触面が変化すると、上
記無潤滑状態にある両接触面間の隙間が大きくなり、ヘ
リウムガスの洩れが生じ、PV仕事量が変化して冷凍機
の性能が不安定になるという問題が生じる。
【0006】また、駆動ピストンはその両側の圧力室の
ガス圧の差により往復動して、ディスプレーサを駆動し
ているが、このピストンが回転したときにも両圧力室間
でガス洩れが生じ、そのピストンのスムーズな移動が阻
害される。この駆動ピストンの移動不良によりディスプ
レーサの往復動作が悪影響を受けて正確に移動せず、こ
の場合もPV仕事量が変化して冷凍機の性能が不安定に
なる。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、少なくともディスプレーサのシリン
ダに対する支持構造を変えることにより、ディスプレー
サ等がシリンダと相対回転して両者の接触面が変わるの
を防ぎ、冷凍機の性能を安定して維持できるようにする
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、この発明では、フリー状態にあるディスプレーサが
シリンダに対し相対回転するのを規制する構造とした。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、図1及
び図2に示すように、基端が高温側とされる一方、先端
が低温側とされた密閉状のシリンダ(5)と、このシリ
ンダ(5)内に往復動可能にかつシリンダ(5)の内部
に膨張室(32),(33)を区画形成するように嵌装
され、蓄冷器(48),(49)が内蔵されたディスプ
レーサ(28)と、シリンダ(5)内に往復動可能にか
つ両側に圧力室(20),(31)を区画するように嵌
装され、両圧力室(20),(31)の圧力差により往
復動する駆動ピストン(21)と、上記ディスプレーサ
(28)を駆動ピストン(21)に対しディスプレーサ
(28)が駆動ピストン(21)に所定の位相遅れをも
って往復動するように連結する連結機構(39)とを備
え、この駆動ピストン(21)によるディスプレーサ
(28)の往復動により、高圧の冷媒ガスを上記膨張室
(32),(33)内で膨張させて温度降下させるとと
もに、該温度降下した冷媒ガスをディスプレーサ(2
8)の蓄冷器(48),(49)を通過させて蓄冷する
ようにした極低温冷凍機において、上記ディスプレーサ
(28)がシリンダ(5)に対し回転するのを規制する
ディスプレーサ回転規制手段(60)を設ける。
【0010】請求項2の発明では、上記連結機構(3
9)は、駆動ピストン(21)に貫通形成されたシリン
ダ軸線方向に延びるピストン孔(25)と、ディスプレ
ーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部に同心状に
一体形成され、上記ピストン孔(25)に摺動可能に挿
通される連結部材(41)と、この連結部材(41)に
ディスプレーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部
と所定の間隔をあけて設けられ、駆動ピストン(21)
がディスプレーサ(28)から離れる方向に移動したと
きに該ピストンに係止する係止部(41b)とを備えて
なるものとする。
【0011】そして、ディスプレーサ回転規制手段(6
0)は、シリンダ(5)の基端部又は上記連結部材(4
1)の一方にシリンダ(5)と同心にその軸線方向に延
びるように設けられた嵌合穴(55)と、シリンダ
(5)の基端部又は連結部材(41)の他方に設けら
れ、上記嵌合穴(55)に摺動可能に嵌挿される嵌合部
(41a)とを備えていて、上記嵌合部(41a)が嵌
合穴(55)で回転するのを規制するように構成された
ものとする。
【0012】請求項3〜7の発明は、上記請求項2の発
明におけるディスプレーサ回転規制手段(60)をさら
に具体的にしたものであり、請求項3の発明では、図4
に示すように、嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)は
断面円形状とする。そして、嵌合穴(55)の内周面又
は嵌合部(41a)の外周面の一方に形成されたシリン
ダ軸線方向に延びる凹部(58)と、嵌合穴(55)内
周面又は嵌合部(41a)外周面の他方に突設され、上
記凹部(58)に摺動可能に嵌合する凸部(59)とが
円周方向の少なくとも1箇所に備えられている構成とす
る。
【0013】請求項4の発明では、図1に示す如く、嵌
合穴(55)及び嵌合部(41a)は断面円形状とす
る。さらに、この嵌合部(41a)の外周面に形成さ
れ、該外周面の一部をシリンダ軸線方向に延びるように
切り欠いてなる切欠部(56)と、嵌合穴(55)の内
周面に形成され、該内周面の一部を上記切欠部(56)
に対応するように膨出させてなる膨出部(57)とが円
周方向の少なくとも1箇所に備えられた構成とする。
【0014】請求項5の発明では、図6に示すように、
上記嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)の断面形状は
互いに同じ角数を有する相似形の多角形状とする。ま
た、請求項6の発明では、図8に示す如く、嵌合穴(5
5)及び嵌合部(41a)の断面形状は相似形の楕円形
状とする。
【0015】請求項7の発明では、図5、図7及び図9
に示すように、上記請求項4、5又は6の発明の極低温
冷凍機において、請求項3の発明と同様に、嵌合穴(5
5)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面の一方に形
成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部(58)と、嵌
合穴(55)内周面又は嵌合部(41a)外周面の他方
に突設され、上記凹部(58)に摺動可能に嵌合する凸
部(59)とが円周方向の少なくとも1箇所に備えられ
た構成とする。
【0016】一方、請求項8の発明では、図2に示すよ
うに、請求項1の発明の極低温冷凍機において、さら
に、駆動ピストン(21)がシリンダ(5)と相対回転
するのを規制するピストン回転規制手段(61)を設け
る。
【0017】請求項9の発明では、上記ピストン回転規
制手段(61)は、上記ディスプレーサ(28)と一体
の連結部材(41)がピストン孔(25)で相対回転す
るのを規制するように構成されているものとする。
【0018】請求項10〜14の発明は、上記請求項9
の発明におけるピストン回転規制手段(61)を具体的
にしたものであり、請求項10の発明では、図4に示す
ように、請求項3の発明と同様に、ピストン孔(25)
及び連結部材(41)は断面円形状とする。また、ピス
トン孔(25)の内周面又は連結部材(41)の外周面
の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部(5
8)と、ピストン孔(25)内周面又は連結部材(4
1)外周面の他方に突設され、上記凹部(58)に摺動
可能に嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なくとも
1箇所に備えられた構成とする。
【0019】請求項11の発明では、図1に示すよう
に、請求項4の発明と同様に、ピストン孔(25)及び
連結部材(41)は断面円形状とする。そして、連結部
材(41)の外周面に形成され、その外周面の一部をシ
リンダ軸線方向に延びるように切り欠いてなる切欠部
(56)と、ピストン孔(25)の内周面に形成され、
その内周面の一部を上記切欠部(56)に対応するよう
に膨出させてなる膨出部(57)とが円周方向の少なく
とも1箇所に備えられた構成とする。
【0020】請求項12の発明では、図6に示す如く、
請求項5の発明と同様にピストン孔(25)及び連結部
材(41)の断面形状は互いに同じ角数を有する相似形
の多角形状とする。また、請求項13の発明では、図8
に示すように、請求項6の発明と同様に、ピストン孔
(25)及び連結部材(41)の断面形状は相似形の楕
円形状とする。
【0021】請求項14の発明では、図5、図7及び図
9に示す如く、請求項11、12又は13の発明の極低
温冷凍機において、請求項10の発明と同様に、ピスト
ン孔(25)の内周面又は連結部材(41)の外周面の
一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部(5
8)と、ピストン孔(25)内周面又は連結部材(4
1)外周面の他方に突設され、上記凹部(58)に摺動
可能に嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なくとも
1箇所に備えられている構成とする。
【0022】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、基本
的に、駆動ピストン(21)両側の圧力室(20),
(31)での圧力差により該駆動ピストン(21)がシ
リンダ(5)内で往復動し、この往復動に伴い、駆動ピ
ストン(21)に連結機構(39)を介して連結された
ディスプレーサ(28)が駆動ピストン(21)に対し
所定の位相遅れをもってシリンダ(5)で往復動する。
このディスプレーサ(28)の往復動により、ディスプ
レーサ(28)がシリンダ(5)先端側に移動したと
き、高圧の冷媒ガスがシリンダ(5)先端側内部の膨張
室(32),(33)にディスプレーサ(28)の蓄冷
器(48),(49)を経て冷却されながら供給され、
その後、ディスプレーサ(28)がシリンダ(5)基端
側に移動したとき、冷媒ガスが膨張室(32),(3
3)内で膨張して温度降下する。この温度降下した冷媒
ガスはディスプレーサ(28)の次のシリンダ(5)先
端側への移動によりその内部の蓄冷器(48),(4
9)を通過して該蓄冷器(48),(49)を冷却す
る。これらの繰返しで膨張室(32),(33)周りの
シリンダ(5)が極低温レベルに冷却される。
【0023】この場合、上記ディスプレーサ(28)が
回転するのを規制するディスプレーサ回転規制手段(6
0)が設けられているので、冷凍機に外部振動が作用し
たとしても、ディスプレーサ(28)はシリンダ(5)
に対し相対回転せず、その外周のシールリング(2
9),(30)のシリンダ(5)内面に対する接触部分
は常に同じに保持される。その結果、相対回転に伴うシ
リンダ(5)内面とシールリング(29),(30)と
の接触面の変化により両接触面間の隙間が大きくなって
冷媒ガスの洩れが生じることはなく、冷凍機の性能を安
定に保つことができる。
【0024】請求項2の発明では、駆動ピストン(2
1)がシリンダ(5)基端側に移動するとき、ディスプ
レーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部に一体に
突設されている連結部材(41)の係止部(41b)が
駆動ピストン(21)のピストン孔(25)周縁部に係
止し、この係止によってディスプレーサ(28)が駆動
ピストン(21)に追従して位相遅れをもって一体的に
移動する。こうしたディスプレーサ(28)の往復動
中、シリンダ(5)の基端部又は連結部材(41)の一
方の側の嵌合穴(55)内で他方の側の嵌合部(41
a)が摺動し、ディスプレーサ(28)の往復動が確保
される。そして、上記嵌合部(41a)は嵌合穴(5
5)で相対回転するのが規制される構造であるので、デ
ィスプレーサ(28)のシリンダ(5)に対する相対回
転が規制される。よって、ディスプレーサ回転規制手段
(60)の配置構造が具体的に得られる。
【0025】請求項3又は4の発明では、嵌合穴(5
5)及び嵌合部(41a)は断面円形状とされていて、
そのままでは相対回転可能である。しかし、請求項3の
発明では、嵌合穴(55)の内周面又は嵌合部(41
a)の外周面の一方にシリンダ軸線方向に延びる凹部
(58)が、また他方に上記凹部(58)と摺動可能に
嵌合する凸部(59)がそれぞれ設けられ、これら凹部
(58)及び凸部(59)の組が円周方向の少なくとも
1箇所に配設されているので、この凹部(58)と凸部
(59)との嵌合によって嵌合部(41a)の嵌合穴
(55)での回転が規制される。また、請求項4の発明
では、嵌合部(41a)の外周面にその一部をシリンダ
軸線方向に延びるように切り欠いてなる切欠部(56)
と、嵌合穴(55)の内周面にその一部を上記切欠部
(56)に対応するように膨出させてなる膨出部(5
7)とが設けられ、これら切欠部(56)及び膨出部
(57)の組が円周方向の少なくとも1箇所に配設され
ているので、この切欠部(56)と膨出部(57)との
嵌合によって嵌合部(41a)の嵌合穴(55)での回
転が規制される。よって、上記嵌合部(41a)の嵌合
穴(55)での回転規制構造が具体的に得られる。
【0026】請求項5の発明では嵌合穴(55)及び嵌
合部(41a)は同じ角数の断面多角形状であり、請求
項6の発明では嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)は
断面楕円形状であるので、嵌合部(41a)の嵌合穴
(55)での回転は規制され、よって嵌合部(41a)
の嵌合穴(55)での回転規制構造が具体的に得られ
る。
【0027】請求項7の発明では、嵌合部(41a)外
周面に切欠部(56)が、また嵌合穴(55)内周面に
切欠部(56)に対応する膨出部(57)がそれぞれ形
成されている場合、又は嵌合穴(55)及び嵌合部(4
1a)が断面多角形状もしくは断面楕円形状である場合
において、嵌合穴(55)の内周面又は嵌合部(41
a)の外周面の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延
びる凹部(58)と、嵌合穴(55)内周面又は嵌合部
(41a)外周面の他方に突設され、上記凹部(58)
に摺動可能に嵌合する凸部(59)とが円周方向の少な
くとも1箇所に配設されているので、嵌合部(41a)
の嵌合穴(55)での回転をさらに確実に規制すること
ができる。
【0028】請求項8の発明では、駆動ピストン(2
1)とシリンダ(5)との相対回転を規制するピストン
回転規制手段(61)が設けられているので、駆動ピス
トン(21)の回転に伴う両圧力室(20),(31)
間のガス洩れを防いでピストン(21)のスムーズな移
動を確保でき、ディスプレーサ(28)の正確な往復動
作を保ってPV仕事量の変化を防止し、冷凍機の性能を
さらに安定に保つことができる。
【0029】請求項9の発明では、ディスプレーサ(2
8)と一体の連結部材(41)はピストン(21)側の
ピストン孔(25)で相対回転するのが規制される構造
であるので、駆動ピストン(21)のディスプレーサ
(28)延いてはシリンダ(5)に対する相対回転が規
制される。よって、ディスプレーサ(28)と駆動ピス
トン(21)との連結構造を利用して、ピストン回転規
制手段(61)の配置構造が具体的に得られる。
【0030】請求項10又は11の発明では、駆動ピス
トン(21)のピストン孔(25)及びディスプレーサ
(28)側の連結部材(41)は断面円形状とされてい
て、そのままでは相対回転可能である。しかし、請求項
10の発明では、ピストン孔(25)内周面又はディス
プレーサ(28)側の連結部材(41)外周面の一方に
シリンダ軸線方向に延びる凹部(58)が、また他方に
上記凹部(58)と摺動可能に嵌合する凸部(59)が
それぞれ設けられ、これら凹部(58)及び凸部(5
9)の組が円周方向の少なくとも1箇所に配設されてい
るので、この凹部(58)及び凸部(59)間の嵌合に
よって連結部材(41)のピストン孔(25)での相対
回転が規制される。また、請求項11の発明では、連結
部材(41)の外周面に切欠部(56)が、またピスト
ン孔(25)内周面に上記切欠部(56)に対応する膨
出部(57)がそれぞれ設けられ、これら切欠部(5
6)及び膨出部(57)の組が円周方向の少なくとも1
箇所に配設されているので、この切欠部(56)及び膨
出部(57)間の嵌合によって連結部材(41)のピス
トン孔(25)での相対回転が規制される。よって、上
記ディスプレーサ(28)側の連結部材(41)と駆動
ピストン(21)のピストン孔(25)との相対回転規
制構造が具体的に得られる。
【0031】請求項12の発明ではピストン孔(25)
及びディスプレーサ(28)側の連結部材(41)の各
断面形状は同じ角数を持った多角形状であり、請求項1
3の発明ではピストン孔(25)及び連結部材(41)
は断面楕円形状であるので、ディスプレーサ(28)側
の連結部材(41)のピストン孔(25)での相対回転
は規制され、よってディスプレーサ(28)側の連結部
材(41)と駆動ピストン(21)のピストン孔(2
5)との相対回転規制構造が具体的に得られる。
【0032】請求項14の発明では、ディスプレーサ
(28)側の連結部材(41)外周面に切欠部(56)
が、またピストン孔(25)内周面に膨出部(57)が
それぞれ形成されている場合、又はピストン孔(25)
及びディスプレーサ(28)側の連結部材(41)が断
面多角形状もしくは断面楕円形状である場合において、
ピストン孔(25)内周面又はディスプレーサ(28)
側の連結部材(41)外周面の一方に形成されたシリン
ダ軸線方向に延びる凹部(58)と、ピストン孔(2
5)内周面又はディスプレーサ(28)側の連結部材
(41)外周面の他方に突設され、上記凹部(58)に
摺動可能に嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なく
とも1箇所に配置されているので、ディスプレーサ(2
8)側の連結部材(41)と駆動ピストン(21)のピ
ストン孔(25)との相対回転をさらに確実に規制する
ことができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (実施例1)図2は本発明の実施例1に係るG−Mサイ
クルを持つヘリウム冷凍機の全体構成を示し、(1)は
図外の圧縮機で圧縮された冷媒ガスとしてのヘリウムガ
スを膨張させる膨張機であって、この膨張機(1)は圧
縮機に対し高圧及び低圧ガス配管(いずれも図示せず)
によって接続されて閉回路が形成されている。
【0034】上記膨張機(1)は、上記高圧ガス配管が
接続される高圧ガス入口(2)及び低圧ガス配管が接続
される低圧ガス出口(3)を有するバルブハウジング
(4)と、該バルブハウジング(4)の下部に上端部
(基端部)が一体的に気密接合され、下端側(先端側)
に上側の大径部(5a)及び下側の小径部(5b)を有
する2段構造の密閉状のシリンダ(5)とを備え、シリ
ンダ(5)の大径部(5a)下端は所定の極低温レベル
に冷却される第1冷却ステージ(51)に、また小径部
(5b)下端は第1冷却ステージ(51)よりも低い温
度レベルに冷却される第2冷却ステージ(52)にそれ
ぞれ設定されている。
【0035】上記バルブハウジング(4)の内部には上
記高圧ガス入口(2)に連通するモータ室(6)と、該
モータ室(6)に連通する上下方向の貫通孔(7)と、
上記低圧ガス出口(3)に補助オリフィス(図示せず)
を介して連通する中間圧室(9)とが形成されている。
【0036】また、上記バルブハウジング(4)とシリ
ンダ(5)上端部との接合部には該シリンダ(5)の上
側閉塞端部を構成するバルブステム(10)が嵌装さ
れ、該バルブステム(10)は上記バルブハウジング
(4)の貫通孔(7)下部に嵌合されたバルブシート部
(10a)と、シリンダ大径部(5a)の内径よりも小
径に形成され、該シリンダ大径部(5a)内上部に同心
状に垂下する垂下部(10b)とを備えてなり、バルブ
シート部(10a)上面と貫通孔(7)の壁面とで囲ま
れる空間が、上記高圧ガス入口(2)にモータ室(6)
を介して連通するバルブ室(11)とされている。バル
ブシート部(10a)は、貫通孔(7)下部に上下に間
隔をあけた2つのシール部材(12),(13)を介し
て気密嵌合され、この両シール部材(12),(13)
に挟まれたバルブシート部(10a)周りの環状空間
(14)は、バルブハウジング(4)に形成した連通路
(15)を介して上記低圧ガス出口(3)に連通されて
いる。上記バルブステム(10)には、各々上記バルブ
室(11)をシリンダ(5)内に連通させる2つの第1
ガス流路(17),(17)と、一端が該第1ガス流路
(17),(17)に後述するロータリバルブ(44)
の低圧ポート(46)を介して連通する一方、他端が上
記低圧ガス出口(3)に対し上記バルブシート部(10
a)周りの環状空間(14)ないしバルブハウジング
(4)の連通路(15)を介して連通する第2ガス流路
(18)とが貫通形成され、該両ガス流路(17),
(18)は、図3に示すように、バルブステム(10)
上面においてバルブ室(11)に対し、第2ガス流路
(18)にあってはバルブステム(10)の中心部(シ
リンダ中心)に、第1ガス流路(17),(17)にあ
っては上記第2ガス流路(18)の開口部に対して対称
な位置にそれぞれ開口されている。
【0037】一方、シリンダ(5)における大径部(5
a)内の上端部には、該シリンダ大径部(5a)内上部
に駆動空間(20)(一方の圧力室)を区画形成する駆
動ピストンとしての略カップ形状のスラックピストン
(21)がその内部に上端開口から上記バルブステム
(10)の垂下部(10b)を嵌挿した状態、具体的に
はピストン(21)の上端内周のシールリング(22)
を上記バルブステム(10)の垂下部(10b)外周面
に、また中間部外周のシールリング(23)をシリンダ
(5)の内周面にそれぞれ気密状に摺接せしめた状態で
往復動可能に嵌合され、上記駆動空間(20)は上記バ
ルブハウジング(4)内の中間圧室(9)にオリフィス
(図示せず)を介して常時連通している。上記スラック
ピストン(21)の底壁(21a)にはその中心部に断
面円形状のピストン孔(25)が、また周縁部に連通孔
(26)がそれぞれ貫通形成され、これらピストン孔
(25)及び連通孔(26)によりピストン(21)内
外が連通されている。
【0038】また、上記シリンダ(5)内にはディスプ
レーサ(28)が往復動可能に嵌合されている。該ディ
スプレーサ(28)は、シリンダ(5)の大径部(5
a)下半部内を摺動する密閉円筒状の大径部(28a)
と、該大径部(28a)下端に一体形成され、シリンダ
(5)の小径部(5b)内を摺動する密閉円筒状の小径
部(28b)とからなり、大径部(28a)の上端外周
にシリンダ(5)の大径部(5a)内面に摺接するシー
ルリング(29)が、また小径部(28b)の上端外周
にシリンダ(5)の小径部(5b)内面に摺接するシー
ルリング(30)がそれぞれ取り付けられており、この
ディスプレーサ(28)により、上記スラックピストン
(21)下方のシリンダ(5)内空間が上側から順に、
スラックピストン(21)内外周のシールリング(2
2),(23)からディスプレーサ(28)の上側シー
ルリング(29)までの範囲の中間室(31)(他方の
圧力室)と、該ディスプレーサ(28)の上側シールリ
ング(29)から下側シールリング(30)までの範囲
の第1段膨張室(32)と、該下側シールリング(3
0)からシリンダ(5)の下端部までの範囲の第2段膨
張室(33)とに区画されており、第1段膨張室(3
2)内のヘリウムガスでシリンダ(5)の上記第1冷却
ステージ(51)を、また第2段膨張室(33)内のヘ
リウムガスで第2冷却ステージ(52)をそれぞれ冷却
する。そして、上記ディスプレーサ(28)の大径部
(28a)の下端外周には該大径部(28a)内の空間
を上記第1段膨張室(32)に常時連通する連通孔(3
5),(35)が、また大径部(28a)及び小径部
(28b)の境界部分には小径部(28b)内の空間を
第1段膨張室(32)に常時連通する連通孔(36),
(36)が、さらに小径部(28b)の下端外周には該
小径部(28b)内の空間を第2段膨張室(33)に常
時連通する連通孔(37),(37)がそれぞれ形成さ
れている。
【0039】さらに、上記ディスプレーサ(28)はス
ラックピストン(21)に対し、ディスプレーサ(2
8)がスラックピストン(21)に位相遅れをもって往
復動するように連結機構(39)によって連結されてい
る。すなわち、上記ディスプレーサ(28)の大径部
(28a)上端には、その大径部(28a)内の空間を
上記中間室(31)(詳しくは主として上記第1ガス流
路(17),(17))に連通する通路(40)を有す
る断面略円形状の管材からなる連結部材(41)が一体
に突設され、該連結部材(41)は上記スラックピスト
ン底壁(21a)のピストン孔(25)を貫通してピス
トン(21)内部に所定寸法だけ延び、その中間部には
ピストン底壁(21a)に係合するフランジ状の係止部
(41b)が一体に形成されており、スラックピストン
(21)の昇降移動時、ピストン(21)が所定ストロ
ークだけ昇降した時点でその底壁(21a)内面と連結
部材(41)の係止部(41b)との当接、及びピスト
ン(21)の底壁(21a)外面とディスプレーサ(2
8)上端面の当接により、ディスプレーサ(28)をピ
ストン(21)によって駆動して昇降開始させるよう
に、つまりディスプレーサ(28)を所定ストロークの
遅れをもってピストン(21)に追従移動させるように
なされている。
【0040】また、上記バルブハウジング(4)のバル
ブ室(11)内には、モータ室(6)に配置したバルブ
モータ(43)によって回転駆動される切換バルブとし
ての略円柱状のロータリバルブ(44)が配設され、該
ロータリバルブ(44)の切換動作により、高圧ガス入
口(2)つまり該高圧ガス入口(2)に連通するバルブ
室(11)と、低圧ガス出口(3)つまり該低圧ガス出
口(3)に連通する連通路(15)とをシリンダ(5)
内の中間室(31)、第1及び第2段膨張室(32),
(33)に対し交互に連通するようになされている。
【0041】すなわち、上記ロータリバルブ(44)は
バルブモータ(43)の出力軸(43a)に回転不能に
かつ摺動可能に連結されている。また、バルブ(44)
上面とモータ(43)との間にはスプリング(図示せ
ず)が縮装されており、このスプリングのばね力及びバ
ルブ室(11)に導入された高圧ヘリウムガスの圧力に
よりロータリバルブ(44)下面をバルブステム(1
0)上面に対し一定の押圧力で押し付けるようになされ
ている。
【0042】一方、上記ロータリバルブ(44)の下面
には、図3で仮想線にて示すように、その半径方向に対
向する外周縁から中心方向に所定長さだけ切り込んでな
る1対の高圧ポート(45),(45)と、該高圧ポー
ト(45),(45)に対しロータリバルブ(44)の
回転方向に略90°の角度間隔をあけて配置され、バル
ブ(24)下面の中心から外周縁近傍に向かって直径方
向に切り抉ってなる低圧ポート(46)とが形成されて
いる。そして、バルブモータ(43)の駆動によりロー
タリバルブ(44)がその下面をバルブステム(10)
上面に圧接させながら回転して切換動作する際、このロ
ータリバルブ(44)の切換動作に応じてスラックピス
トン(21)及びディスプレーサ(28)をシリンダ
(5)内で往復動させ、バルブ(44)下面の高圧ポー
ト(45),(45)の内端がそれぞれバルブステム
(10)上面に開口する第1ガス流路(17),(1
7)に合致したときには、バルブ室(11)を高圧ポー
ト(45),(45)及び第1ガス流路(17),(1
7)を介してシリンダ(5)内の中間室(31)、第1
及び第2段膨張室(32),(33)に連通させて、こ
れら各室(31)〜(33)に高圧ヘリウムガスを導入
充填することにより、スラックピストン(21)及び該
ピストン(21)によって駆動されるディスプレーサ
(28)を上昇させる。一方、バルブステム(10)上
面に開口する第2ガス流路(18)に中央部にて常時連
通する低圧ポート(46)の外端が上記第1ガス流路
(17),(17)に合致したときには、上記シリンダ
(5)内の各室(31)〜(33)を第1ガス流路(1
7),(17)、低圧ポート(46)、第2ガス流路
(18)及び連通路(15)を介して低圧ガス出口
(3)に連通させて、各室(31)〜(33)に充填さ
れているヘリウムガスを低圧ガス出口(3)に排出する
ことにより、スラックピストン(21)及びディスプレ
ーサ(28)を下降させ、このディスプレーサ(28)
の下降移動に伴う膨張室(32),(33)内のヘリウ
ムガスの膨張によって寒冷を発生し、この寒冷をシリン
ダ(5)の冷却ステージ(51),(52)に伝達して
それらを極低温レベルに冷却するように構成されてい
る。
【0043】さらに、上記ディスプレーサ(28)の大
径部(28a)内の空間には第1段蓄冷器(48)が、
また小径部(28b)内の空間には第2段蓄冷器(4
9)がそれぞれ嵌装され、これら蓄冷器(48),(4
9)は同じ構成でいずれも蓄冷材(図示せず)を内蔵し
た蓄冷型の熱交換器からなり、ディスプレーサ(28)
内の各空間を流れるヘリウムガスの冷熱を蓄冷材に蓄え
るようにしている。すなわち、ディスプレーサ(28)
がシリンダ(5)内を上昇する吸気行程にあるときに
は、前の排気行程で温度降下している蓄冷材を中間室
(31)から第1又は第2段膨張室(32),(33)
に向かう常温のヘリウムガスと接触させて、両者の熱交
換によりそのガスを冷却する。一方、ディスプレーサ
(28)が下降する排気行程にあるときには、各膨張室
(32),(33)での膨張により温度降下したヘリウ
ムガスをシリンダ(5)外に排出する途中で蓄冷材と接
触させて、両者の熱交換によりその蓄冷材を再度冷却す
るように構成されている。
【0044】そして、本発明の特徴として、上記シリン
ダ(5)の上側閉塞端部を構成するバルブステム(1
0)の垂下部(10b)下面の中心部にはシリンダ
(5)と同心にその軸線方向に延びる断面円形状の有底
の嵌合穴(55)が形成され、この嵌合穴(55)の底
面に上記2つの第1ガス流路(17),(17)が開口
されている。そして、上記連結機構(39)において、
ディスプレーサ(28)と一体の連結部材(41)の上
側部(41a)(係止部(41b)の上側部分)は嵌合
部とされて上記バルブステム(10)の垂下部(10
b)下面の嵌合穴(55)に所定の間隙をあけて摺動可
能に嵌挿されており、このディスプレーサ(28)側の
連結部材(41)の上側部(41a)とシリンダ(5)
側のバルブステム垂下部(10b)下面の嵌合穴(5
5)とにより、連結部材(41)の上側部(41a)が
バルブステム(10)の嵌合穴(55)に対し、つまり
ディスプレーサ(28)がシリンダ(5)に対し相対回
転するのを規制するディスプレーサ回転規制機構(6
0)が構成されている。
【0045】すなわち、図1に拡大詳示するように、上
記連結部材(41)の上側部(41a)の外周面には、
該上側部(41a)外周面の一部をシリンダ(5)の軸
線方向に延びるように平面状に切り欠いてなる1つの切
欠部(56)が形成されている。一方、上記バルブステ
ム(10)の垂下部(10b)下面における嵌合穴(5
5)内周面には、該嵌合穴(55)内周面の一部を上記
連結部材(41)の切欠部(56)に対応するように中
心側に平面状に膨出させてなる膨出部(57)が形成さ
れており、この連結部材(41)外周面の切欠部(5
6)と嵌合穴(55)内周面の膨出部(57)との嵌合
構造により、連結部材(41)と一体のディスプレーサ
(28)がシリンダ(5)と一体の嵌合穴(55)で回
転するのを規制するようにしている。
【0046】尚、バルブステム(10)における第1ガ
ス流路(17),(17)とシリンダ(5)内の中間室
(31)とは上記連結部材(41)と嵌合穴(55)と
の間隙を経てヘリウムガスを流通可能に連通されてい
る。
【0047】また、上記ディスプレーサ(28)と一体
の連結部材(41)がスラックピストン(21)のピス
トン孔(25)で回転するのを規制することで、スラッ
クピストン(21)のシリンダ(5)との相対回転を規
制するピストン回転規制機構(61)が設けられてい
る。
【0048】このピストン回転規制機構(61)は、上
記ディスプレーサ回転規制機構(60)と同じ構造のも
のであり(尚、図1を用いて説明し、ピストン回転規制
機構(61)に関する部分については符号に括弧を付
し、その他の部分については同じ符号を付して説明す
る)、図1に示すように、断面円形状の連結部材(4
1)の下側部(41c)(係止部41b)よりも下側部
分)の外周面にその一部をシリンダ(5)の軸線方向に
延びるように平面状に切り欠いて形成された切欠部(5
6)と、断面円形状のピストン孔(25)の内周面に形
成され、その内周面の一部を上記切欠部(56)に対応
するように平面状に膨出させてなる膨出部(57)とを
備えてなり、この膨出部(57)の切欠部(56)への
嵌合により、スラックピストン(21)が、ディスプレ
ーサ回転規制機構(60)によってシリンダ(5)に対
し回転規制されている連結部材(41)、よってシリン
ダ(5)と相対回転するのを規制するものである。
【0049】次に、上記実施例の作動について説明す
る。冷凍機の作動は基本的に通常のものと同様に行われ
る。すなわち、先ず、膨張機(1)におけるシリンダ
(5)内の圧力が低圧であって、スラックピストン(2
1)とディスプレーサ(28)とが下降端位置にある状
態において、バルブモータ(43)の駆動によるロータ
リバルブ(44)の回転により、その高圧ポート(4
5),(45)がバルブステム(10)上面の第1ガス
流路(17),(17)に合致してロータリバルブ(4
4)が高圧側に開く。これに伴い、圧縮機から高圧ガス
入口(2)及び膨張機(1)のモータ室(6)を介して
バルブ室(11)に供給されている常温の高圧ヘリウム
ガスがロータリバルブ(44)の高圧ポート(45),
(45)、第1ガス流路(17),(17)、及びバル
ブステム(10)下面の嵌合穴(55)と連結部材(4
1)との間隙を介してスラックピストン(21)下方の
中間室(31)に導入される。さらに、このガスは第1
ガス流路(17),(17)(中間室(31))から連
結部材(41)内の通路(40)を経てディスプレーサ
(28)内に導入され、そのディスプレーサ(28)の
各蓄冷器(48),(49)を通って順次各膨張室(3
2),(33)に充填され、上記蓄冷器(48),(4
9)を通る間に前の排気行程で冷却されている蓄冷材と
の熱交換によって冷却される。
【0050】また、上記ヘリウムガスの供給に伴い、ピ
ストン(21)下側の中間室(31)のガス圧が上側の
駆動空間(20)よりも高くなるので、この駆動空間
(20)と中間室(31)との圧力差によってピストン
(21)が上昇する。そして、このピストン(21)の
上昇ストロークが所定値に達すると、該ピストン(2
1)の底壁(21a)内面とディスプレーサ(28)上
端の連結部材(41)の係止部(41b)とが係合し
て、ディスプレーサ(28)は圧力変化に対し遅れを持
ってピストン(21)により引き上げられ、このディス
プレーサ(28)の上昇移動によりその下方の膨張室
(32),(33)にさらに高圧ガスが充填される(吸
気行程)。
【0051】この後、上記ロータリバルブ(44)が閉
じると、その後もディスプレーサ(28)は慣性力によ
って上昇し、これに伴い、ディスプレーサ(28)下方
の中間室(31)内のヘリウムガスが第1及び第2段膨
張室(32),(33)に移動する。
【0052】そして、ディスプレーサ(28)が上昇端
位置に達した後、ロータリバルブ(44)の低圧ポート
(46)が上記バルブステム(10)上面の第1ガス流
路(17),(17)に合致してバルブ(24)が低圧
側に開き、この開弁に伴い、上記ディスプレーサ(2
8)下方の各膨張室(32),(33)内のヘリウムガ
スがサイモン膨張し、このヘリウムガスの膨張により寒
冷が発生して、この寒冷がシリンダ(5)の冷却ステー
ジ(51),(52)に伝達される(膨張行程)。
【0053】この低温状態となったヘリウムガスは、上
記ガス導入時とは逆に、ディスプレーサ(28)内の蓄
冷器(48),(49)を通って上記中間室(31)内
に戻り、その間に蓄冷器(48),(49)内の蓄冷材
を冷却しながら自身が常温まで暖められる。そして、こ
の常温のヘリウムガスは、さらに中間室(31)内のガ
スと共に第1ガス流路(17),(17)、バルブ(2
4)の低圧ポート(46)、連通路(15)を介して膨
張機(1)外に排出され、低圧ガス出口(3)を通って
圧縮機に流れてそれに吸入される。このガス排出に伴い
上記中間室(31)内のガス圧が低下してその駆動空間
(20)との圧力差によりスラックピストン(21)が
下降し、このピストン(21)の底壁(21a)外面が
ディスプレーサ(28)の上面に当接した後は該ディス
プレーサ(28)が押圧されて下降し、このディスプレ
ーサ(28)の下降移動により膨張室(32),(3
3)内のガスが膨張機(1)外にさらに排出される(排
気行程)。
【0054】次いで、ロータリバルブ(44)が閉じる
が、この後もディスプレーサ(28)は下降端位置まで
下降し、膨張室(32),(33)内のガスが排出され
て最初の状態に戻る。以上により膨張機(1)の動作の
1サイクルが終了し、以後は上記と同様な動作が繰り返
されて、シリンダ(5)の冷却ステージ(51),(5
2)が次第に極低温レベルに冷却される。
【0055】この実施例では、上記ディスプレーサ(2
8)の往復動に伴い、シリンダ(5)の上側閉塞端部を
構成するバルブステム(10)の垂下部(10b)下面
の嵌合穴(55)内で、ディスプレーサ(28)と一体
の連結部材(41)の上側部(41a)が摺動しなが
ら、ディスプレーサ(28)が往復動する。そして、上
記連結部材(41)の上側部(41a)外周面に切欠部
(56)が形成されている一方、嵌合穴(55)の内周
面には上記切欠部(56)に対応して膨出した膨出部
(57)が設けられているので、この切欠部(56)と
膨出部(57)との嵌合によって連結部材(41)の嵌
合穴(55)での回転、つまり連結部材(41)と一体
のディスプレーサ(28)が嵌合穴(55)側のシリン
ダ(5)に対して相対回転するのが規制される。このた
め、冷凍機の膨張機(1)に外部振動が作用したとして
も、その振動に起因してディスプレーサ(28)はシリ
ンダ(5)に対し相対回転しないこととなり、その外周
のシールリング(29),(30)のシリンダ(5)内
面に対する接触部分は常に同じ対応位置に保持される。
よって、両者の相対回転に伴うシリンダ(5)内面とシ
ールリング(29),(30)との接触面の変化により
両接触面間の隙間が大きくなってヘリウムガスが膨張室
(32),(33)間や第1段膨張室(32)と中間室
(31)との間で洩れることはなく、PV仕事量の変化
をなくして冷凍機の性能を安定に保つことができる。
【0056】また、ディスプレーサ(28)をスラック
ピストン(21)に連結する連結機構(39)における
連結部材(41)の下側部(41c)外周面に切欠部
(56)が形成され、一方、スラックピストン(21)
のピストン孔(25)内周面には上記切欠部(56)に
対応して膨出した膨出部(57)が設けられているの
で、この切欠部(56)と膨出部(57)との嵌合によ
って連結部材(41)のピストン孔(25)での回転、
つまりスラックピストン(21)が連結部材(41)側
のディスプレーサ(28)、従ってシリンダ(5)に対
して相対回転するのが規制される。このため、ディスプ
レーサ(28)とスラックピストン(21)との連結機
構(39)を利用しつつ、スラックピストン(21)の
回転に伴う駆動空間(20)と中間室(31)との間の
ガス洩れを防いでスラックピストン(21)のスムーズ
な移動を確保でき、ディスプレーサ(28)の正確な往
復動作が維持されてPV仕事量の変化がなくなり、よっ
て、冷凍機の性能をさらに安定に保つことができる。
【0057】尚、この実施例では、ディスプレーサ回転
規制機構(60)における連結部材(41)の上側部
(41a)外周の切欠部(56)と嵌合穴(55)内周
の膨出部(57)との組を円周方向の1箇所に設けた
が、2箇所以上に設けてもよく、ディスプレーサ(2
8)の回転をさらに有効に防止することができる。ま
た、ピストン回転規制機構(61)における連結部材
(41)の下側部(41c)の切欠部(56)とピスト
ン孔(25)内周面の膨出部(57)との組についても
円周方向の2箇所以上に設けてもよい。
【0058】(実施例2)図4は本発明の実施例2を示
し(尚、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を
付してその詳細な説明は省略する)、ディスプレーサ回
転規制機構(60)及びピストン回転規制機構(61)
の構造を変えたものである。
【0059】すなわち、この実施例では、バルブステム
(10)の嵌合穴(55)及びスラックピストン(2
1)のピストン孔(25)の内周面において直径方向に
対向する位置にそれぞれシリンダ(5)の軸線方向に延
びる1対の凹溝(58),(58)(凹部)が形成さ
れ、一方、連結部材(41)の上側部(41a)外周面
及び下側部(41c)外周面において直径方向に対向す
る位置には、それぞれシリンダ(5)の軸線方向に延び
かつ上記凹溝(58),(58)に摺動可能に嵌合する
1対の凸条(59),(59)(凸部)が突設されてお
り、この各凸条(59)の凹溝(58)への嵌合によっ
て連結部材(41)の上側部(41a)の嵌合穴(5
5)での回転及び連結部材(41)の下側部(41c)
のピストン孔(25)での回転、つまりディスプレーサ
(28)及びスラックピストン(21)のシリンダ
(5)に対する回転を規制するようにしている。この実
施例でも上記実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0060】尚、上記とは逆に、ディスプレーサ回転規
制機構(60)における連結部材(41)の上側部(4
1a)外周面にシリンダ(5)の軸線方向に延びる凹溝
(58),(58)を形成し、バルブステム(10)の
垂下部(10b)下面の嵌合穴(55)内周面に凸条
(59),(59)を突設してもよい。また、両回転規
制機構の凹溝(58)及び凸条(59)の組は円周方向
の1箇所又は3箇所以上に配置することもできる。
【0061】(実施例3)図5は実施例3を示し、上記
実施例1の構成、すなわちディスプレーサ(28)側の
連結部材(41)の上側部(41a)及び下側部(41
c)外周面に切欠部(56)が形成されている一方、バ
ルブステム(10)の垂下部(10b)下面の嵌合穴
(55)内周面及びスラックピストン(21)のピスト
ン孔(25)内周面に膨出部(57)が形成されている
構成に加え、さらに、実施例2と同様に、膨出部(5
7)と反対側の嵌合穴(55)内周面及びピストン孔
(25)内周面にそれぞれシリンダ(5)の軸線方向に
延びる凹溝(58),(58)を、また切欠部(56)
と反対側の連結部材(41)の上側部(41a)外周面
及び下側部(41c)外周面に上記凹溝(58),(5
8)に摺動可能に嵌合する凸条(59),(59)をそ
れぞれ形成したものである。
【0062】こうすることで、ディスプレーサ(28)
側の連結部材(41)外周面の切欠部(56)とバルブ
ステム(10)側の嵌合穴(55)内周面及びピストン
孔(25)内周面の膨出部(57)との嵌合、及び嵌合
穴(55)内周面及びピストン孔(25)内周面の凹溝
(58)と連結部材(41)の外周面の凸条(59)と
の嵌合の双方によって連結部材(41)の嵌合穴(5
5)及びピストン孔(25)での相対回転をさらに確実
に規制することができる。
【0063】尚、連結部材(41)外周面に凹溝(5
8)を形成し、嵌合穴(55)及びピストン孔(25)
の各内周面に凸条(59)を突設してもよい。また、凹
溝(58)及び凸条(59)の組は円周方向の2箇所以
上に配置することもできる。
【0064】(実施例4)図6は実施例4を示し、上記
各実施例では、嵌合穴(55)及びピストン孔(25)
と連結部材(41)とを何れも断面円形状のままで、切
欠部(56)及び膨出部(57)、或いは凹溝(58)
及び凸条(59)を形成しているのに対し、嵌合穴(5
5)及びピストン孔(25)並びに連結部材(41)自
体の断面形状を変え、それらの断面形状をいずれも相似
形の正6角形状としたものである。この実施例でも、デ
ィスプレーサ(28)及びスラックピストン(21)の
回転を防止することができる。
【0065】(実施例5)図7は実施例5を示し、上記
実施例4と同様に、バルブステム(10)の嵌合穴(5
5)、スラックピストン(21)のピストン孔(25)
及びディスプレーサ(28)側の連結部材(41)の断
面形状はいずれも相似形の6角形状とした上で、さら
に、実施例2と同様に、嵌合穴(55)内周面及びピス
トン孔(25)内周面にシリンダ(5)の軸線方向に延
びる1対の凹溝(58),(58)を、また連結部材
(41)の上下側部(41a),(41c)外周面に上
記凹溝(58),(58)に摺動可能に嵌合する1対の
凸条(59),(59)をそれぞれ直径方向に対向して
形成したものである。
【0066】こうすることで、ディスプレーサ(28)
側の連結部材(41)とバルブステム(10)側の嵌合
穴(55)及びスラックピストン(21)のピストン孔
(25)との断面多角形状による嵌合、並びに嵌合穴
(55)内周面及びピストン孔(25)内周面の凹溝
(58),(58)と連結部材(41)の外周面の凸条
(59),(59)との嵌合の双方によりディスプレー
サ(28)及びスラックピストン(21)のシリンダ
(5)との相対回転をさらに確実に規制できる。
【0067】尚、連結部材(41)の外周面に凹溝(5
8),(58)を形成し、嵌合穴(55)及びピストン
孔(25)の内周面に凸条(59),(59)を突設し
てもよく、また、凹溝(58)及び凸条(59)の組は
円周方向の1箇所又は3箇所以上に配置することもでき
る。
【0068】また、上記実施例4又は5において、嵌合
穴(55)、ピストン孔(25)及び連結部材(41)
の上下側部(41a),(41c)の断面形状を6角形
状以外の相似形の多角形状に変えてもよいのは言うまで
もない。
【0069】(実施例6)図8は実施例6を示し、バル
ブステム(10)の嵌合穴(55)、スラックピストン
(21)のピストン孔(25)及びディスプレーサ(2
8)側の連結部材(41)の断面形状を相似形の楕円形
状としたものである。この実施例でも良好なディスプレ
ーサ回転防止効果が得られる。
【0070】(実施例7)図9は実施例7を示す。この
実施例では、上記実施例6と同様に、バルブステム(1
0)の嵌合穴(55)、スラックピストン(21)のピ
ストン孔(25)及びディスプレーサ(28)側の連結
部材(41)の断面形状をいずれも楕円形状とした上
で、さらに、実施例2と同様に、嵌合穴(55)及びピ
ストン孔(25)の内周面にシリンダ(5)の軸線方向
に延びる1対の凹溝(58),(58)を、また連結部
材(41)の外周面に上記凹溝(58),(58)に摺
動可能に嵌合する1対の凸条(59),(59)をそれ
ぞれ直径方向に対向して形成したものである。
【0071】こうすれば、連結部材(41)のと嵌合穴
(55)との断面楕円形状による嵌合、並びに嵌合穴
(55)内周面及びピストン孔(25)内周面の凹溝
(58),(58)と連結部材(41)外周面の凸条
(59),(59)との嵌合の双方によってディスプレ
ーサ(28)及びスラックピストン(21)とシリンダ
(5)との相対回転をさらに確実に規制できる。
【0072】尚、この場合も、連結部材(41)の外周
面に凹溝(58),(58)を形成し、嵌合穴(55)
内周面及びピストン孔(25)内周面に凸条(59),
(59)を突設してもよく、また、凹溝(58)及び凸
条(59)の組は円周方向の1箇所又は3箇所以上に配
置することもできる。
【0073】上記各実施例では、シリンダ(5)の上側
閉塞端部を構成するバルブステム(10)の垂下部(1
0b)下面に嵌合穴(55)を形成し、一方、ディスプ
レーサ(28)と一体の連結部材(41)の上側部(4
1a)を嵌合穴(55)に嵌合する嵌合部としている
が、これとは逆に、連結部材(41)の上端部上面に嵌
合穴を、またバルブステム(10)の垂下部(10b)
下面に、上記嵌合穴に嵌合される嵌合部をそれぞれ設け
て、両者を上記の如き嵌合構造としてもよく、同様の作
用効果が得られる。
【0074】また、上記各実施例では、ディスプレーサ
回転規制機構(60)及びピストン回転規制機構(6
1)の構造、つまりバルブステム(10)の垂下部(1
0b)下面の嵌合穴(55)と連結部材(41)の上側
部(41a)との嵌合構造、及びスラックピストン(2
1)のピストン孔(25)と連結部材(41)の下側部
(41c)との嵌合構造を互いに同じとしているが、両
者を互いに異ならせることもできる。例えば、バルブス
テム(10)の垂下部(10b)下面の嵌合穴(55)
と連結部材(41)の上側部(41a)との嵌合構造は
図1に示すものとするが、スラックピストン(21)の
ピストン孔(25)と連結部材(41)の下側部(41
c)との嵌合構造は図5に示すものとしたり、或いは前
者の嵌合構造は図1に示すものとするが、後者の嵌合構
造は図7に示すものとしたりする例である。
【0075】しかし、上記各実施例のように、バルブス
テム(10)の垂下部(10b)下面の嵌合穴(55)
と連結部材(41)の上側部(41a)との嵌合構造、
及びスラックピストン(21)のピストン孔(25)と
連結部材(41)の下側部(41c)との嵌合構造を互
いに同じとする方が嵌合穴(55)及びピストン孔(2
5)を、また連結部材(41)の上下側部(41a),
(41c)をそれぞれ同じ形状に加工すればよいので、
加工の容易化の点で有利である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、密閉状のシリンダ内に、蓄冷器が内蔵されたデ
ィスプレーサと、このディスプレーサに連結され、ディ
スプレーサを位相遅れをもって駆動する駆動ピストンと
をそれぞれ往復動可能に嵌装し、駆動ピストンによるデ
ィスプレーサの往復動により、高圧の冷媒ガスをディス
プレーサのシリンダ先端側にある膨張室内で膨張させて
温度降下させるとともに、その温度降下した冷媒ガスを
ディスプレーサの蓄冷器を通過させて蓄冷するようにし
た極低温冷凍機に対し、ディスプレーサがシリンダに対
し回転するのを規制するようにしたことにより、冷凍機
に作用する外部振動等によるディスプレーサとシリンダ
との相対回転を規制し、ディスプレーサ外周のシールリ
ングのシリンダ内面に対する接触部分を常に同じに保っ
て、シリンダ内面とシールリングとの接触面からの冷媒
ガスの洩れを防止でき、冷凍機の性能の安定保持を図る
ことができる。
【0077】請求項2の発明によると、駆動ピストンに
シリンダ軸線方向に延びるピストン孔を貫通形成する一
方、ディスプレーサのシリンダ基端側の端部に、上記駆
動ピストンのピストン孔に摺動可能に挿通される連結部
材を一体に突設し、この連結部材に、駆動ピストンがデ
ィスプレーサから離れる方向に移動したときに該ピスト
ンに係止する係止部を設けて、これらの構造によりディ
スプレーサを所定の位相遅れをもって往復動するように
駆動ピストンに連結し、さらに、シリンダの基端部又は
上記ディスプレーサと一体の連結部材の一方に嵌合穴を
シリンダと同心にその軸線方向に延びるように設ける一
方、他方に嵌合穴に摺動可能に嵌挿される嵌合部を設
け、嵌合部が嵌合穴に対し相対回転するのを規制するよ
うにしたことにより、ディスプレーサ回転規制手段の配
置構造が具体的に得られる。
【0078】請求項3の発明では、断面円形状とされた
嵌合穴の内周面又は嵌合部の外周面の一方にシリンダ軸
線方向に延びる凹部を形成し、他方に該凹部に摺動可能
に嵌合する凸部を突設し、これら凹部及び凸部の組を円
周方向の少なくとも1箇所に配置した。請求項4の発明
では、断面円形状とされた嵌合部の外周面にシリンダ軸
線方向に延びる切欠部を、また嵌合穴の内周面に上記切
欠部に対応する膨出部をそれぞれ設け、これら切欠部及
び膨出部の組を円周方向の少なくとも1箇所に配置し
た。請求項5の発明では、嵌合穴及び嵌合部を同じ角数
の断面多角形状に、また請求項6の発明では、嵌合穴及
び嵌合部は断面楕円形状にそれぞれ形成した。従って、
これら発明によると、嵌合部と嵌合穴との相対回転規制
構造が具体的に得られる。
【0079】請求項7の発明によると、上記請求項4〜
6の発明のように、嵌合部外周面に切欠部が、また嵌合
穴内周面に切欠部に対応する膨出部がそれぞれ形成され
ている場合、又は嵌合穴及び嵌合部が断面多角形状もし
くは断面楕円形状である場合において、さらに、請求項
3の発明と同様に、嵌合穴の内周面又は嵌合部の外周面
の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部と、
嵌合穴内周面又は嵌合部外周面の他方に突設され、上記
凹部に摺動可能に嵌合する凸部とを円周方向の少なくと
も1箇所に配置したことにより、嵌合部と嵌合穴との相
対回転をさらに確実に規制することができる。
【0080】請求項8の発明によると、上記ディスプレ
ーサの回転を規制する構成に加え、シリンダと駆動ピス
トンとの相対回転を規制するようにしたことにより、駆
動ピストンの回転に伴うピストン両側の圧力室間のガス
洩れを防いでピストンのスムーズな移動を確保でき、デ
ィスプレーサの正確な往復動作を保ってPV仕事量の変
化を防止し、冷凍機の性能の安定保持のより一層の確実
化を図ることができる。
【0081】請求項9の発明によると、ディスプレーサ
を駆動ピストンに連結する連結機構の連結部材がピスト
ン孔に対し相対回転するのを規制するようにしたことに
より、ディスプレーサと駆動ピストンとの連結構造を利
用したピストン回転規制手段の配置構造が具体的に得ら
れる。
【0082】請求項10の発明では、上記ピストン孔及
びディスプレーサ側の連結部材を断面円形状とし、ピス
トン孔の内周面又は連結部材の外周面の一方にシリンダ
軸線方向に延びる凹部を、また他方に凹部に摺動可能に
嵌合する凸部をそれぞれ形成して、これらの組を円周方
向の少なくとも1箇所に設けた。請求項11の発明で
は、ピストン孔及び連結部材は断面円形状とし、この連
結部材外周面に切欠部を、またピストン孔内周面に切欠
部に対応する膨出部をそれぞれ形成して、これらの組を
円周方向の少なくとも1箇所に設けた。請求項12の発
明ではピストン孔及び連結部材は同じ角数の断面多角形
状とし、請求項13の発明ではピストン孔及び連結部材
は断面楕円形状とした。従って、これら発明によると、
ディスプレーサ側の連結部材と駆動ピストン側のピスト
ン孔との相対回転規制構造が具体的に得られる。
【0083】請求項14の発明によると、請求項11〜
13の発明のように、ディスプレーサ側の連結部材外周
面に切欠部が、またピストン孔内周面に切欠部に対応す
る膨出部がそれぞれ形成されている場合、又はピストン
孔及び連結部材が断面多角形状もしくは断面楕円形状で
ある場合において、さらに、請求項10の発明と同様
に、ピストン孔の内周面又は連結部材の外周面の一方に
形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部と、ピストン
孔内周面又は連結部材外周面の他方に突設され、上記凹
部に摺動可能に嵌合する凸部とを円周方向の少なくとも
1箇所に配設したことにより、ディスプレーサ側の連結
部材とピストン側のピストン孔との相対回転をさらに確
実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI―I線拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る極低温冷凍機の断面図
である。
【図3】バルブステムに対するロータリバルブの配置関
係を示す拡大平面図である。
【図4】本発明の実施例2を示す図1相当図である。
【図5】実施例3を示す図1相当図である。
【図6】実施例4を示す図1相当図である。
【図7】実施例5を示す図1相当図である。
【図8】実施例6を示す図1相当図である。
【図9】実施例7を示す図1相当図である。
【符号の説明】
(1) 膨張機 (5) シリンダ (10) バルブステム (20) 駆動空間(圧力室) (21) スラックピストン(駆動ピストン) (22),(23) シールリング (25) ピストン孔 (28) ディスプレーサ (29),(30) シールリング (31) 中間室(圧力室) (32),(33) 膨張室 (39) 連結機構 (41) 連結部材 (41a) 上側部(嵌合部) (41b) 係止部 (41c) 下側部 (48),(49) 蓄冷器 (55) 嵌合穴 (56) 切欠部 (57) 膨出部 (58) 凹溝(凹部) (59) 凸条(凸部) (60) ディスプレーサ回転規制機構(ディスプレー
サ回転規制手段) (61) ピストン回転規制機構(ピストン回転規制手
段)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端が高温側とされる一方、先端が低温
    側とされた密閉状のシリンダ(5)と、 上記シリンダ(5)内に往復動可能にかつシリンダ
    (5)内部に膨張室(32),(33)を区画形成する
    ように嵌装され、蓄冷器(48),(49)が内蔵され
    たディスプレーサ(28)と、 上記シリンダ(5)内に往復動可能にかつ両側に圧力室
    (20),(31)を区画するように嵌装され、両圧力
    室(20),(31)の圧力差により往復動する駆動ピ
    ストン(21)と、 上記ディスプレーサ(28)を駆動ピストン(21)に
    対しディスプレーサ(28)が駆動ピストン(21)に
    所定の位相遅れをもって往復動するように連結する連結
    機構(39)とを備え、 上記駆動ピストン(21)によるディスプレーサ(2
    8)の往復動により、高圧の冷媒ガスを上記膨張室(3
    2),(33)内で膨張させて温度降下させるととも
    に、該温度降下した冷媒ガスをディスプレーサ(28)
    の蓄冷器(48),(49)を通過させて蓄冷するよう
    にした極低温冷凍機において、 上記ディスプレーサ(28)がシリンダ(5)に対し回
    転するのを規制するディスプレーサ回転規制手段(6
    0)を設けたことを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の極低温冷凍機において、 連結機構(39)は、駆動ピストン(21)に貫通形成
    されたシリンダ軸線方向に延びるピストン孔(25)
    と、 ディスプレーサ(28)のシリンダ(5)基端側の端部
    に同心状に一体形成され、上記ピストン孔(25)に摺
    動可能に挿通される連結部材(41)と、 上記連結部材(41)にディスプレーサ(28)のシリ
    ンダ(5)基端側の端部と所定の間隔をあけて設けら
    れ、駆動ピストン(21)がディスプレーサ(28)か
    ら離れる方向に移動したときに該ピストン(21)に係
    止する係止部(41b)とを備えてなり、 ディスプレーサ回転規制手段(60)は、シリンダ
    (5)の基端部又は上記連結部材(41)の一方にシリ
    ンダ(5)と同心にその軸線方向に延びるように設けら
    れた嵌合穴(55)と、 シリンダ(5)の基端部又は連結部材(41)の他方に
    設けられ、上記嵌合穴(55)に摺動可能に嵌挿される
    嵌合部(41a)とを備えていて、 上記嵌合部(41a)が嵌合穴(55)で回転するのを
    規制するように構成されていることを特徴とする極低温
    冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の極低温冷凍機において、 嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)は断面円形状とさ
    れ、 嵌合穴(55)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面
    の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部(5
    8)と、嵌合穴(55)内周面又は嵌合部(41a)外
    周面の他方に突設され、上記凹部(58)に摺動可能に
    嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なくとも1箇所
    に備えられていることを特徴とする極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の極低温冷凍機において、 嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)は断面円形状とさ
    れ、 嵌合部(41a)の外周面に形成され、該外周面の一部
    をシリンダ軸線方向に延びるように切り欠いてなる切欠
    部(56)と、嵌合穴(55)の内周面に形成され、該
    内周面の一部を上記切欠部(56)に対応するように膨
    出させてなる膨出部(57)とが円周方向の少なくとも
    1箇所に備えられていることを特徴とする極低温冷凍
    機。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の極低温冷凍機において、 嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)の断面形状は互い
    に同じ角数を有する相似形の多角形状とされていること
    を特徴とする極低温冷凍機。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の極低温冷凍機において、 嵌合穴(55)及び嵌合部(41a)の断面形状は相似
    形の楕円形状とされていることを特徴とする極低温冷凍
    機。
  7. 【請求項7】 請求項4、5又は6記載の極低温冷凍機
    において、 嵌合穴(55)の内周面又は嵌合部(41a)の外周面
    の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部(5
    8)と、嵌合穴(55)内周面又は嵌合部(41a)外
    周面の他方に突設され、上記凹部(58)に摺動可能に
    嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なくとも1箇所
    に備えられていることを特徴とする極低温冷凍機。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の極低温冷凍機において、 駆動ピストン(21)がシリンダ(5)と相対回転する
    のを規制するピストン回転規制手段(61)を設けたこ
    とを特徴とする極低温冷凍機。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の極低温冷凍機において、 ピストン回転規制手段(61)は、ディスプレーサ(2
    8)と一体の連結部材(41)がピストン孔(25)で
    相対回転するのを規制するように構成されていることを
    特徴とする極低温冷凍機。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の極低温冷凍機におい
    て、 ピストン孔(25)及び連結部材(41)は断面円形状
    とされ、 ピストン孔(25)の内周面又は連結部材(41)の外
    周面の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部
    (58)と、ピストン孔(25)内周面又は連結部材
    (41)外周面の他方に突設され、上記凹部(58)に
    摺動可能に嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なく
    とも1箇所に備えられていることを特徴とする極低温冷
    凍機。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の極低温冷凍機におい
    て、 ピストン孔(25)及び連結部材(41)は断面円形状
    とされ、 連結部材(41)の外周面に形成され、該外周面の一部
    をシリンダ軸線方向に延びるように切り欠いてなる切欠
    部(56)と、ピストン孔(25)の内周面に形成さ
    れ、該内周面の一部を上記切欠部(56)に対応するよ
    うに膨出させてなる膨出部(57)とが円周方向の少な
    くとも1箇所に備えられていることを特徴とする極低温
    冷凍機。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の極低温冷凍機におい
    て、 ピストン孔(25)及び連結部材(41)の断面形状は
    互いに同じ角数を有する相似形の多角形状とされている
    ことを特徴とする極低温冷凍機。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の極低温冷凍機におい
    て、 ピストン孔(25)及び連結部材(41)の断面形状は
    相似形の楕円形状とされていることを特徴とする極低温
    冷凍機。
  14. 【請求項14】 請求項11、12又は13記載の極低
    温冷凍機において、 ピストン孔(25)の内周面又は連結部材(41)の外
    周面の一方に形成されたシリンダ軸線方向に延びる凹部
    (58)と、ピストン孔(25)内周面又は連結部材
    (41)外周面の他方に突設され、上記凹部(58)に
    摺動可能に嵌合する凸部(59)とが円周方向の少なく
    とも1箇所に備えられていることを特徴とする極低温冷
    凍機。
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