JPH08303248A - 船外機用2サイクルv型2気筒エンジン - Google Patents

船外機用2サイクルv型2気筒エンジン

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JPH08303248A
JPH08303248A JP7107343A JP10734395A JPH08303248A JP H08303248 A JPH08303248 A JP H08303248A JP 7107343 A JP7107343 A JP 7107343A JP 10734395 A JP10734395 A JP 10734395A JP H08303248 A JPH08303248 A JP H08303248A
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JP
Japan
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cylinder
exhaust
engine
exhaust port
port
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JP7107343A
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English (en)
Inventor
Yukinori Kashima
幸典 加島
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Yamaha Marine Co Ltd
Original Assignee
Sanshin Kogyo KK
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気通路が単純でかつ振動が小さくかつ排気
圧力波を用いて出力向上を図ることができる船外機用2
サイクル2気筒エンジンを得る。 【構成】 船外機用2サイクル多気筒エンジンをV型2
気筒エンジンによって形成する。両気筒の排気通路24
を平面視においてVバンク内であって排気ポート24a
より下側でかつ排気ポート24aの近傍となる部位で集
合させる。両気筒の爆発間隔を、#1の気筒の掃気ポー
ト開期間の終了近傍域と、#2気筒の排気ポート開期間
の開始近傍域とが重複するように不等間隔とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型船舶用船外機に搭
載する船外機用2サイクルV型2気筒エンジンに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、船外機に用いる多気筒2サイクル
エンジンとしては、排気通路中に排気ガスが排出される
ことにより生じる排気圧力波を利用して掃気行程終期に
新気が排気ポートから排気通路に流出するのを抑え、出
力向上を図るように構成したものがある。この種のエン
ジンのうち小型船舶用船外機に搭載可能なものは直列3
気筒エンジンである。
【0003】この直列3気筒エンジンは、クランク軸の
軸線が上下方向に向けられて気筒が上下に並べられてお
り、気筒の側部に開口した排気ポートから排気通路が気
筒の側方を通って下方へ延在され、この下方延在部にお
いて3つの排気通路が集合されていた。また、各気筒
は、クランク軸が1回転する間に3回爆発が生じるよう
に位相が120°ずつずらされていた。
【0004】このように構成することにより、排気圧力
波を他の気筒の排気ポートへ掃気ポート開期間の終了近
傍域となる時期に到達させることが可能になるので、上
昇するピストンによって押された新気が排気ポートから
排気通路へ流出するのを排気圧力波を利用して防ぎ、給
気効率を高めることが可能になる。
【0005】なお、上述した排気圧力波を利用する手法
は、大型船舶用船外機に搭載される2サイクルV型6気
筒エンジンにも採用されている。このV型6気筒エンジ
ンは、前記直列3気筒エンジンの気筒部分を各バンクに
配設した構成になっており、排気通路はVバンク内で各
バンク毎に集合されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】小型船舶用船外機で
は、搭載するエンジンを上述したように排気圧力波を利
用して出力向上を図れる構成を採りながらもさらに小型
化することが要請されている。前記直列3気筒エンジン
を小型化するには2気筒型へ変更することが最も有効で
あるが、2サイクル2気筒エンジンでは振動の観点から
爆発間隔を180°に設定しなければならず、このよう
にすると他の気筒で生じる排気圧力波を利用できなくな
ってしまう。
【0007】2サイクル直列2気筒エンジンにおいて排
気圧力波を利用して新気の流出を防ぐには、以下の2つ
の手法を採ることが考えられる。 (1)各気筒の排気通路を、自己の排気通路中に排気ガ
スが排出されることにより生じる排気圧力波を排気通路
中で正圧として反射させ、この反射波が掃気ポート開期
間の終了近傍域となる時期に排気ポートへ伝播するよう
に形成する。 (2)一方の気筒を他方の気筒に対して位相が約120
°進むように構成し、後から爆発する前記他方の気筒か
ら生じる排気圧力波を、先に爆発した前記一方の気筒の
排気ポートへ掃気ポート開期間の終了近傍域となる時期
に伝播させる。
【0008】しかるに、前記(1)の手法を採る場合に
は、排気通路を長く形成したり、副排気膨張室などに連
通させなければならず、排気通路の形状が複雑になって
しまう。このため、上下に並んだ気筒どうしの間隔を広
くとらなければならず、その結果エンジンが大型化して
しまう。また、前記(2)の手法を採った場合には、爆
発間隔が一定ではないために回転一次慣性力による振動
が大きくなってしまう。この振動をクランク軸と平行な
バランサー軸を有するバランサー装置によって相殺させ
ることは可能であるが、このバランサー装置の分だけ部
品点数が増えてコストアップになるとともに、このバラ
ンサー装置の取付スペースだけエンジンが大型化してし
まう。
【0009】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、排気通路が複雑になったり振動が大
きくなることを防ぎつつ排気圧力波を有効に利用して出
力向上を図ることができる船外機用2サイクル2気筒エ
ンジンを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明においては船
外機用2サイクル多気筒エンジンをV型2気筒エンジン
によって形成し、両気筒の排気通路を平面視においてV
バンク内であって排気ポートより下側でかつ排気ポート
の近傍となる部位で集合させ、両気筒の爆発間隔を、一
方の気筒の掃気ポート開期間の終了近傍域と、他方の気
筒の排気ポート開期間の開始近傍域とが重複するように
不等間隔とした。
【0011】第2の発明では、第1の発明に係る船外機
用2サイクルV型2気筒エンジンにおいて、上側の気筒
の掃気ポートの開期間の終了近傍域と、下側の気筒の排
気ポートの開期間の開始近傍域とを重複させた。
【0012】
【作用】第1の発明によれば、他方の気筒から生じる排
気圧力波が排気通路を伝播して一方の気筒の排気ポート
へその掃気行程終了直前に到達するから、この一方の気
筒の排気ポート内の圧力が掃気行程終了直前に上昇す
る。また、排気通路の集合部をVバンク内に配設したた
めにエンジンのカウリング内における占有スペースが拡
がることがない。さらに、V型の気筒配列とするととも
に爆発間隔が不等間隔とすることにより、シリンダ軸線
どうしがなす角度(Vバンク角)と、各気筒のクランク
ピンとクランク軸の軸心とを結ぶ仮想線どうしがなす角
度とが略一致する構成を採ることが可能になるので、ク
ランク軸に設けたバランスウェイトによって回転一次慣
性力を略相殺することができる。
【0013】第2の発明によれば、下側の気筒から生じ
る排気圧力波が排気通路中を伝播して上側の気筒の排気
ポートへその掃気行程終了直前に到達するから、この上
側の気筒の排気ポート内の圧力が掃気行程終了直前に上
昇する。このとき、排気圧力波の発生源となる気筒が下
側の気筒であり、この下側の気筒の排気ポートに連なる
排気通路は排気ポート側より排気集合部側の方が下側に
なるので、下側の気筒から排出された相対的に高圧な排
気ガスは排気通路の集合部から上側の気筒の排気ポート
へ向かうことなく下方へ排出される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図7に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る2サイクル
V型2気筒エンジンを搭載した船外機の側面図で、同図
は船外機上部のカウリングを想像線によって描いてあ
る。図2は本発明に係る2サイクルV型2気筒エンジン
における下側に位置する#2気筒の側断面図、図3は本
発明に係る2サイクルV型2気筒エンジンの横断面図、
図4は図3における船外機上部のIV−IV線断面図で、同
図ではピストンは省略してある。
【0015】図5は本発明に係る2サイクルV型2気筒
エンジンの排気、掃気時期を説明するための図、図6は
#1気筒の排気ポートでの圧力変化を示すグラフ、図7
は回転一次慣性力が略相殺されることを説明するための
図である。
【0016】これらの図において、1はこの実施例によ
る船外機で、この船外機1は、アッパーケーシング2の
上部にガイドエキゾースト3を介してエンジン4を搭載
し、前記アッパーケーシング2の下部に、プロペラ5を
有するロアケーシング6を装着している。そして、この
船外機1は、前記アッパーケーシング2およびガイドエ
キゾースト3の前端部にクランプ装置7を連結し、この
クランプ装置7を介して船体(図示せず)に操舵自在か
つチルト自在に取付けられるように構成している。な
お、エンジン4の周囲には図中二点鎖線で示すようにカ
ウリング8を設けている。
【0017】前記ガイドエキゾースト3は後述するエン
ジン4の排気出口と対応する部位に排気管9を取付けて
いる。なお、この船外機1は、排気管9の下端からアッ
パーケーシング2内に排出された排気ガスがアッパーケ
ーシング2内に形成した排気膨張室2a(図4参照)と
ロアケーシング6内に設けた排気通路(図示せず)とを
介して前記プロペラ5の軸心部分から水中に排出される
構造になっている。
【0018】前記エンジン4は2サイクル水冷V型2気
筒エンジンであり、クランク軸10の軸線を上下方向に
向けるとともに2つの気筒をクランク軸10より船外機
後側で左右に位置づけるようにしてガイドエキゾースト
3に固定している。左右の気筒のうち船外機右側の気筒
を本実施例では符号#1で示し、船外機左側の気筒を符
号#2で示す。なお、#1気筒は#2気筒よりクランク
軸方向上側に位置づけられている。
【0019】前記クランク軸10は、ガイドエキゾース
ト3、アッパーケーシング2を貫通してロアケーシング
6内に上方から臨むドライブシャフト11に結合してい
る。このドライブシャフト11の下端部には前後進切換
装置12を介してプロペラ駆動軸13を連結している。
このような動力伝達系によりプロペラ5がエンジン4に
よって駆動される。
【0020】エンジン4は図2〜図4に示すように、ク
ランク軸10に対して船外機前側に位置するクランクケ
ース14と、船外機後側に位置するシリンダボディ15
と、このシリンダボディ15の2つのVバンク毎に設け
たシリンダヘッド16,16などを備え、クランクケー
ス14とシリンダボディ15とによって軸受17を介し
てクランク軸10を回転自在に支持している。
【0021】前記クランクケース14における船外機前
側の端部には、リード弁装置18を内蔵した吸気マニホ
ールド19を介してサイレンサー付気化器20(図1)
が取付けてある。この吸気系は、1個の気化器20から
気筒毎の吸気通路に混合気を分配し、気筒毎のクランク
室に供給する構造になっている。#1気筒用クランク室
を図2中に符号21で示し、#2気筒用クランク室を符
号22で示す。なお、これらのクランク室21,22は
クランク軸10のクランクウエブ10a,10aによっ
て画成させている。
【0022】前記シリンダボディ15には各バンクにシ
リンダ孔15aを形成するとともに、前記クランク室2
1,22から混合気をシリンダ孔15a内に導く掃気通
路23と、排気ガスを前記ガイドエキゾースト3へ導く
ための排気通路24とを形成している。23aは掃気ポ
ート、24aは排気ポートを示す。また、このシリンダ
ボディ15は図3に示すように、各気筒のシリンダ軸線
(シリンダ孔15aの軸線)C1,C2どうしのなす角
度(バンク角)が60°となるように形成している。さ
らに、前記シリンダ孔15aにはピストン25を嵌挿さ
せ、このピストン25をコンロッド26によってクラン
ク軸10に連結している。
【0023】前記掃気通路23は図4に示すように1気
筒当たり3箇所に形成している。前記排気通路24は、
排気ポート24aを気筒のVバンク内側に開口させてこ
の排気ポート24aから延在させており、気筒毎の上流
部24b,24cを排気ポート24aから下流側へ向か
うにしたがって次第に下方に延在するように斜めに傾斜
させ、図3に示す平面視においてVバンク内となる部位
において集合させている。前記各上流部24b,24c
は、排気ポート24aから集合部へ向かって僅かに湾曲
している。前記集合部の上下方向の位置は、本実施例で
は図4に示すように両気筒の排気ポート24aより下側
であって、シリンダボディ15の上下範囲内に位置づけ
られている。また、この排気通路24は、前記集合部が
シリンダボディ15の下端面に開口し、シリンダボディ
15をガイドエキゾースト3に搭載することによってガ
イドエキゾースト3の排気通路形成穴3a内に連通する
ように構成している。なお、ガイドエキゾースト3の排
気通路形成穴3aの下側開口部には前記排気管9を接続
している。
【0024】各気筒のシリンダヘッド16に螺着した点
火プラグ27は、#1気筒と#2気筒の爆発間隔がクラ
ンク軸10の回転角度にして120°となるような点火
時期をもって各気筒を点火する構造になっている。ま
た、このエンジン4はVバンク角が60°であるので、
爆発間隔を120°とするために図3に示すように#1
気筒のクランクピン28に対して#2気筒のクランクピ
ン29をクランク軸10の回転角度にして左回りに60
°ずれた位置に配設している。なお、クランク軸10の
回転方向は図3において右回りとなるように設定してい
る。図においては矢印Rが回転方向を示している。すな
わち、#1気筒が爆発した後にクランク軸10が右回り
に120°回った時点で#2気筒が爆発する。
【0025】次に、このエンジン4の掃気、排気タイミ
ングをその動作説明をも合わせて図5および図6によっ
て説明する。図5はクランク軸10の回転を図示右回り
として掃気、排気タイミングを示しており、同図におい
て#1TDC、#2TDCはそれぞれ#1気筒の上死点
位置、#2気筒の上死点位置を示し、#1点火、#2点
火はそれぞれ#1気筒の点火時期、#2気筒の点火時期
を示している。
【0026】このエンジン4では、#1気筒の掃気ポー
ト23aが開いている期間の終了近傍域(図5中に右下
がりの平行斜線を施して示す)と、#2気筒の排気ポー
ト24aが開いている期間の開始近傍域(図5中に左下
がりの平行斜線を施して示す)とが重複するように構成
している。このように前記両者が一部において重複する
のは、両気筒の爆発間隔を120°としたからである。
【0027】ここで、#1気筒の点火からクランク軸1
0が1回転するまでのこのエンジン4の動作について説
明する。先ず、#1気筒が上死点位置より僅かに進角さ
れたタイミングをもって点火され、#1気筒のピストン
25が上死点を越えて下降しピストン上縁が排気ポート
24aの上縁を過ぎることによって#1気筒の排気ポー
ト24a、掃気ポート23aが順次開く。#1気筒の排
気ポート24aが開くことにより排気ガスが排気通路2
4に排出され、排気ポート24a内の圧力は図6中に符
号P1で示すように上昇する。なお、図6において#1
掃開、#1排開はそれぞれ#1気筒の掃気ポート23
a、排気ポート24aが開いている期間を示し、#2掃
開、#2排開はそれぞれ#2気筒の掃気ポート23a、
排気ポート24aが開いている期間を示している。
【0028】#1気筒が排気を開始するときには、#2
気筒は図5に示すように点火直前の状態であり、そのピ
ストン25が上死点前数°のところに位置していて排気
ポート24aが閉じているので、#2気筒は#1気筒か
ら排出された高圧な排気ガスの影響を受けることはな
い。
【0029】#2気筒のピストン25は#1気筒の掃気
ポート23aが開く直前に上死点を越えて下降を開始す
る。そして、この#2気筒が膨張行程に入った後、排気
行程中にある#1気筒のピストン25が下死点を越えて
上昇するようになり、#1気筒の排気ポート24aが閉
じる以前であって#1気筒の掃気ポート23aが開いて
いる期間の終了近傍域となる時期に#2気筒の排気ポー
ト24aが開く。
【0030】#2気筒の排気ポート24aが開くと、こ
の排気ポート24aから排気通路24中に高圧な排気ガ
スが排出されることに起因して排気圧力波が生じる。こ
の排気圧力波の一部は、図4中に矢印Pで示すように排
気通路24中を伝播して#1気筒の排気ポート24aに
到達する。このため、図6中に符号P2で示すように、
#1気筒の排気ポート24a内の圧力は#2気筒の排気
ポート24aが開くときに同期して昇圧される。
【0031】#2気筒の排気ポート24aが開くときに
は、#1気筒はピストン25が上昇しながらも掃気が行
われている状態にあるので、上述したように#1気筒の
排気ポート24a内の圧力が高まることによって、#1
気筒のシリンダ内から掃気が排気ポート24aを通って
排気通路24へ流出するのを防ぐことができる。この結
果、#1気筒の給気効率を高めることができる。
【0032】このとき、#2気筒の排気ポート24aか
ら排出された排気ガスは、この排気ポート24aが図4
に示すように#1気筒の排気ポート24aより下方に位
置づけられていることと、#2気筒に連なる排気通路2
4の上流部24cが下り勾配をもって傾斜していること
とにより、排気通路24の集合部を通ってガイドエキゾ
ースト3側へ排出される。すなわち、両気筒の排気ポー
ト24aがそれぞれ開いているときに#2気筒から#1
気筒へ排気圧力波を伝播させたとしても、#2気筒から
排出された高圧な排気ガスが#1気筒へ逆流することが
ない。
【0033】このように#2気筒の排気ポート24aが
開いた後、#1気筒のピストン25がさらに上昇するこ
とにより#1気筒の掃気ポート23aおよび排気ポート
24aが順次閉じる。これとともに、#2気筒ではピス
トン25がさらに下降し、掃気ポート23aが開いて掃
気がシリンダ内に流入する。この#2気筒のピストン2
5が下死点を越えて上昇するようになると、#1気筒は
圧縮行程の終期に達し、#2気筒の掃気ポート23aが
閉じた後に点火される。そして、#1気筒のピストン2
5が上死点を越えて下降を開始した直後に#2気筒の排
気ポート24aが閉じる。
【0034】このように、クランク軸10が1回転する
間に両気筒では120°の位相差をもって圧縮、点火、
爆発、排気が行われる。言い換えれば、このエンジン4
では、一方の気筒から生じる排気圧力波を他方の気筒に
伝播させて給気効率を高めるために、Vバンク角を60
°とするともにクランクピン角を60°として爆発間隔
を120°に設定しているのである。なお、この爆発間
隔は、#2気筒の排気ポート24aが閉じる以前に排気
圧力波が到達すればよいので、120°に限定されるこ
とはない。この場合にはVバンク角およびクランクピン
角が上記とは変わることはいうまでもない。
【0035】そして、このようにVバンク角およびクラ
ンクピン角を共に60°とすることにより、クランク軸
10と平行なバランサー軸を備えたバランサー装置など
を用いずにクランク軸10にバランスウェイトを設ける
ことのみによって、エンジン振動を爆発間隔が120°
となる直列3気筒エンジンと略同等に小さくすることが
できる。これを図7によって説明する。
【0036】図7はエンジン4の構成を模式的に描いた
もので、同図は#1気筒のピストン25が上死点前近傍
の位置にあり、#2気筒のピストン25が下死点を過ぎ
て僅かに上昇した位置にあるときの状態を示している。
また、図中F1はこのときの#1気筒のピストン25に
作用する回転一次慣性力、F2は#2気筒のピストン2
5に作用する回転一次慣性力である。
【0037】先ず、#1気筒のコンロッド26とクラン
クピン28の回転質量に起因する遠心力を相殺するため
に、クランク軸10におけるクランクピン28とは反対
側となる部位にバランスウェイトW1を設ける。このバ
ランスウェイトW1の質量は、これに作用する遠心力を
#1気筒のシリンダ軸線C1の方向と、これと直交する
方向とに分解したときのシリンダ軸線方向の分力Wa
が、#1気筒のピストン25に作用する回転一次慣性力
F1と釣り合うように設定する。すなわち、前記回転質
量と回転一次慣性力F1とがバランスウェイトW1によ
って相殺される。
【0038】このとき、バランスウェイトW1に作用す
る遠心力を前記二方向に分解した残りの分力Wbが不釣
り合い力として発生する。この分力Wbの方向は#2気
筒のクランクピン29を支持するクランクアームの延在
方向と略一致するので、この分力Wbを加味して#2気
筒のコンロッド26やクランクピン29の回転質量を相
殺するバランスウェイトW2を前記同様に#2気筒用の
クランクピン29とは反対側に設ける。
【0039】そして、このバランスウェイトW2の質量
を、このバランスウェイトW2に作用する遠心力を#2
気筒のシリンダ軸線C2の方向と、これと直交する方向
に分解したときにシリンダ軸方向の分力Wcが#2気筒
のピストン25に作用する回転一次慣性力F2と釣り合
うようにする。このとき、残りの分力Wdは#1気筒の
クランクアームと略同じ方向に作用するので、#1気筒
用バランスウェイトW1に作用する遠心力に加えること
ができる。
【0040】したがって、クランク軸10に設けたバラ
ンスウェイトW1,W2によってこのエンジン4の回転
一次慣性力を相殺することができる。
【0041】なお、このエンジン4の排気通路24とし
ては前記実施例に示した形態に限らず、図8(a)〜
(c)に示すように適宜変更することができる。図8
(a)〜(c)は排気通路形状の他の実施例を示す構成
図で、同図において前記図1ないし図7で説明したもの
と同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳
細な説明は省略する。
【0042】同図(a)に示した実施例では、排気通路
24における集合部より上流側となる気筒毎の上流部2
4b,24cを略一直線状に形成している。このように
すると排気抵抗が可及的小さくなる。同図(b)に示し
た実施例では、両気筒の掃気ポート通路23、掃気ポー
ト23aおよび排気ポート24aを位置関係が等しくな
るように形成し、#2気筒の排気ポート24aに連なる
排気通路24の上流部24cを前記実施例より長く形成
している。このように構成すると、#2気筒から生じる
排気圧力波が#1気筒の排気ポート24aに到達するま
で時間が前記実施例に較べて長くなるので、排気圧力波
の到達タイミングを前記実施例より遅らせることができ
る。なお、この実施例では、#2気筒の排気通路上流部
24cの一部と、排気通路24の合流部の一部とをガイ
ドエキゾースト3内に形成している。
【0043】同図(c)に示した実施例では、両気筒を
それぞれの排気ポート24aが下方に向けて開口するよ
うに形成し、排気通路24の上流部24b,24cをシ
リンダボディとガイドエキゾースト3との両方に形成し
ている。なお、これら上流部24b,24cにおけるシ
リンダボディに形成した部分は下方へ一直線状に延在し
ている。また、排気通路24の合流部もガイドエキゾー
スト3に形成している。このように構成すると、ガイド
エキゾースト3を交換することにより排気通路上流部2
4b,24cの形状を変えることができるので、排気圧
力波が#1気筒の排気ポート24aに到達するタイミン
グを適宜変更することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明において
は船外機用2サイクル多気筒エンジンを、V型2気筒エ
ンジンによって形成し、両気筒の排気通路を平面視にお
いてVバンク内であって排気ポートより下側でかつ排気
ポートの近傍となる部位で集合させ、両気筒の爆発間隔
を、一方の気筒の掃気ポート開期間の終了近傍域と、他
方の気筒の排気ポート開期間の開始近傍域とが重複する
ように不等間隔としたため、他方の気筒から生じる排気
圧力波が排気通路を伝播して一方の気筒の排気ポートへ
その掃気行程終了直前に到達するから、この一方の気筒
の排気ポート内の圧力が掃気行程終了直前に上昇する。
このため、エンジンを2気筒として小型化を図ることが
できるとともに、一方の気筒から掃気が排気通路へ流出
するのを排気圧力波を利用して防止できるので、給気効
率が高くなって出力向上、燃費低減などエンジン性能を
向上できる。
【0045】また、排気通路の集合部を平面視における
Vバンク内に配設したためにエンジンの占有スペースが
拡がることがないから、2気筒による小型化と相俟って
エンジンがより一層小型になる。
【0046】さらに、V型の気筒配列とするとともに爆
発間隔が不等間隔とすることにより、シリンダ軸線どう
しがなす角度(Vバンク角)と、各気筒のクランクピン
とクランク軸の軸心とを結ぶ仮想線どうしがなす角度
(クランクピン角)とが略一致する構成を採ることが可
能になるので、クランク軸に設けたバランスウェイトに
よって回転一次慣性力を略相殺することができる。この
ため、クランク軸とは別体のバランサー軸を用いたバラ
ンサー装置を用いることなく振動を抑えることができる
から低コストであり、しかも、エンジンが大型化するこ
ともない。
【0047】第2の発明は、第1の発明に係る船外機用
2サイクルV型2気筒エンジンにおいて、上側の気筒の
掃気ポートの開期間の終了近傍域と、下側の気筒の排気
ポートの開期間の開始近傍域とを重複させたため、下側
の気筒から生じる排気圧力波が排気通路中を伝播して上
側の気筒の排気ポートへその掃気行程終了直前に到達す
るから、この上側の気筒の排気ポート内の圧力が掃気行
程終了直前に上昇する。このとき、排気圧力波の発生源
となる気筒が下側の気筒であり、この下側の気筒の排気
ポートに連なる排気通路は排気ポート側より排気集合部
側の方が下側になるので、下側の気筒から排出された相
対的に高圧な排気ガスは排気通路の集合部から上側の気
筒の排気ポートへ向かうことなく下方へ排出される。
【0048】このため、一方の気筒から生じる排気圧力
波を他方の気筒の排気ポートへその掃気行程終了直前に
伝播させるに当たり、排気ガス圧力が相対的に高くなる
方の気筒から相対的に低くなる気筒へ排気ガスが逆流す
ることがないから、排気圧力波が到達する方の気筒の燃
焼安定性が損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る2サイクルV型2気筒エンジン
を搭載した船外機の側面図である。
【図2】 本発明に係る2サイクルV型2気筒エンジン
における下側に位置する#2気筒の側断面図である。
【図3】 本発明に係る2サイクルV型2気筒エンジン
の横断面図である。
【図4】 図3における船外機上部のIV−IV線断面図
で、同図ではピストンは省略してある。
【図5】 本発明に係る2サイクルV型2気筒エンジン
の排気、掃気時期を説明するための図である。
【図6】 #1気筒の排気ポートでの圧力変化を示すグ
ラフである。
【図7】 回転一次慣性力が略相殺されることを説明す
るための図である。
【図8】 排気通路形状の他の実施例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1…船外機、3…ガイドエキゾースト、4…エンジン、
10…クランク軸、15…シリンダボディ、15a…シ
リンダ孔、23a…掃気ポート、24…排気通路、24
a…排気ポート、24b,24c…上流部、25…ピス
トン、26…コンロッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 75/22 B63H 21/26 E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の軸線が上下方向に向けられ
    た船外機用2サイクル多気筒エンジンにおいて、前記2
    サイクル多気筒エンジンをV型2気筒エンジンによって
    形成し、両気筒の排気通路どうしを平面視においてVバ
    ンク内であって各気筒の排気ポートより下側でかつ排気
    ポートの近傍となる部位で集合させ、前記両気筒の爆発
    間隔を、一方の気筒の掃気ポート開期間の終了近傍域
    と、他方の気筒の排気ポートの開期間の開始近傍域とが
    重複するように不等間隔としたことを特徴とする船外機
    用2サイクルV型2気筒エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の船外機用2サイクルV型
    2気筒エンジンにおいて、上側の気筒の掃気ポートの開
    期間の終了近傍域と、下側の気筒の排気ポートの開期間
    の開始近傍域とが重複することを特徴とする船外機用2
    サイクルV型2気筒エンジン。
JP7107343A 1995-05-01 1995-05-01 船外機用2サイクルv型2気筒エンジン Pending JPH08303248A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111527298A (zh) * 2017-12-28 2020-08-11 马自达汽车株式会社 发动机

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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