JP2754978B2 - 6気筒内燃機関の制御装置 - Google Patents

6気筒内燃機関の制御装置

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JP2754978B2 JP26645691A JP26645691A JP2754978B2 JP 2754978 B2 JP2754978 B2 JP 2754978B2 JP 26645691 A JP26645691 A JP 26645691A JP 26645691 A JP26645691 A JP 26645691A JP 2754978 B2 JP2754978 B2 JP 2754978B2
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    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸・排気バルブの開閉
動作時期を調整する可変バルブタイミング機構を備えた
6気筒内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの運転状態に応じて吸・
排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を早
めたり遅らせたりするようにした可変バルブタイミング
装置がある。この装置では、低速・高負荷運転状態と、
アイドル運転時を含む低速軽負荷運転状態及び高速運転
状態とでバルブタイミングが切替えられる。すなわち、
エンジンの運転状態が前者の状態であれば、吸気バルブ
の閉弁時期を早めバルブオーバーラップを大きくし、吸
気の吹き返しを防止して高出力を得るようにする。ま
た、エンジンの運転状態が後者の状態であれば、吸気バ
ルブの閉弁時期を遅らせバルブオーバーラップを小さく
し、燃焼の安定と高出力を得るようにしている。
【0003】ところが、バルブオーバーラップ時には排
気バルブ及び吸気バルブがともに開弁しているため、気
筒内に残留している燃焼ガスが吸気ポートに逆流する
と、吸気行程時における実質吸入空気量が減少し、吸気
効率が低下する。この現象は特にバルブオーバーラップ
が拡大される低速・高負荷運転時に問題となる。
【0004】そこで、本出願人は先に、今回爆発する気
筒でのブローダウン(排気バルブの開弁直後に燃焼室内
の圧力の高い燃焼ガスが排気ポートへ勢いよく排出され
る現象)による圧力波を利用して前記不具合を解消する
ようにした技術を提案している(特願平2−23638
号参照)。
【0005】この技術では、図12で示すように、4気
筒内燃機関101の各気筒#1,#2,#3,#4に排
気枝管102,103,104,105が接続されてい
る。排気枝管102と排気枝管105とは下流側で合流
して第1合流管106が形成され、排気枝管103と排
気枝管104とは下流側で合流して第2合流管107が
形成されている。さらに、両合流管106,107は集
合部108にて合流され、排気本管109が形成されて
いる。集合部108の断面積は、第1合流管106及び
第2合流管107の各断面積よりも大きくなっており、
この集合部108で前記圧力波の向きを反転させて排気
バルブへ向かう負圧波にしている。
【0006】前記集合部108よりも上流側において、
第1合流管106と第2合流管107とは連通管110
によって接続され、この連通管110内に排気制御弁1
11が開閉可能に設けられている。この排気制御弁11
1が開弁されると、第1合流管106は連通管110を
介して第2合流管107に連通されるため、第1合流管
106の断面積は連通管110との接続部分で急激に拡
大される。そのため、排気制御弁111の開弁時にもブ
ローダウンによる圧力波の向きが反転されて、排気バル
ブへ向かう負圧波にされる。
【0007】そして、可変バルブタイミング装置112
によって吸気バルブの開閉時期が早められているとき
(バルブオーバーラップが拡大されているとき)に、機
関の運転状態に応じて排気制御弁111が開閉制御さ
れ、ブローダウンにより発生した圧力波の向きが反転さ
れて負圧波が排気バルブに到達するまでの経路(以下、
伝播経路という)の長さが切替えられる。すなわち、機
関の低回転時には排気制御弁111を閉弁することによ
り、今回爆発する気筒でのブローダウンによる圧力波を
集合部108で反転させ、伝播経路を長くする。また、
機関の中高回転時には排気制御弁111を開弁すること
により、今回爆発する気筒でのブローダウンによる圧力
波を連通管110部分で反転させ、伝播経路を短くす
る。これにより、バルブオーバーラップ時に負圧波が排
気バルブまで到達し、燃焼室内の燃焼ガスを排気ポート
から吸い出し、吸気ポートからシリンダ内に流入する新
気を増大させる。その結果、吸気効率が向上する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術を6気筒内燃機関に適用した場合、今回爆発する気筒
での点火時期から次回爆発する気筒での点火時期までの
間隔が、4気筒内燃機関ではクランク角で180度であ
ったものが、6気筒内燃機関ではクランク角で120度
になる。そのため、今回爆発する気筒でのブローダウン
による負圧波に対し、前回爆発した気筒でのブローダウ
ンによる負圧波や次回爆発する気筒でのブローダウンに
よる負圧波が与える影響が時期的に異なってくる。これ
により、前記伝播経路の長さを、6気筒内燃機関と4気
筒内燃機関とで変える必要がでてくる。従って、従来技
術をそのまま6気筒内燃機関に適用しても、同内燃機関
の出力等を十分なレベルにまで向上させることができな
い。
【0009】つまり、4気筒内燃機関の低速域において
は、所定気筒の爆発からクランク角で180度経過後に
次の気筒が爆発し、この次回爆発する気筒でのブローダ
ウン発生時期が、今回爆発する気筒でのバルブオーバー
ラップに丁度重なる。このため、次回爆発する気筒での
ブローダウンによる負圧波は、今回爆発する気筒でのバ
ルブオーバラップ開始後に到達することになる。これに
対し、6気筒内燃機関の低速域においては、今回爆発す
る気筒のバルブオーバーラップ時に、次回爆発する気筒
でのブローダウンによる負圧波を、その今回爆発する気
筒の排気バルブまで到達させることが可能である。従っ
て、6気筒内燃機関の場合、この次回爆発する気筒での
ブローダウンによる負圧波を積極的に利用すれば、低速
域でのトルク等の性能向上を図ることが可能である。
【0010】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、今回爆発する気筒のバルブオー
バーラップ時において、次回爆発する気筒でのブローダ
ウンによる負圧波を、その今回爆発する気筒の排気バル
ブまで到達させ、吸気効率及び機関出力を向上させるこ
とが可能な6気筒内燃機関の制御装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図1で示すように、6つの気筒(M1,M
2)を有する内燃機関M3に設けられ、同内燃機関M3
の燃焼室への吸気通路を開閉する吸気バルブ、及び燃焼
室からの2つの排気通路M4,M5を開閉する排気バル
ブのうち少なくともいずれか一方のバルブのバルブタイ
ミングを調整するための可変バルブタイミング機構M6
と、前記内燃機関M3の運転状態を検出する運転状態検
出手段M7と、前記運転状態検出手段M7による内燃機
関M3の運転状態に応じて前記バルブの目標バルブオー
バーラップを算出し、実際のバルブオーバーラップがそ
の目標バルブオーバーラップとなるように前記可変バル
ブタイミング機構M6を制御するタイミング制御手段M
8と、前記排気通路M4,M5に設けられ、前記各気筒
(M1,M2)における爆発・排気行程でのブローダウ
ンにより発生し、かつ前記排気通路M4,M5内を伝播
する圧力波の向きを反転させて前記気筒(M1,M2)
の排気バルブへ向かう負圧波とするための断面積拡大部
M9と、前記断面積拡大部M9よりも上流側において両
排気通路M4,M5間を連通させる連通路M10に開閉
可能に設けられ、その開閉動作にて同連通路M10での
前記圧力波の向きの反転を許容又は阻止するための排気
制御弁M11と、前記内燃機関M3の機関回転数を検出
する回転数検出手段M12と、今回爆発する気筒M1で
のブローダウンに基づく負圧波又は次回爆発する気筒M
2でのブローダウンに基づく負圧波を、前記可変バルブ
タイミング機構M6によるバルブオーバーラップ時にお
いて、今回爆発する気筒M1の排気バルブまで到達させ
るべく、前記回転数検出手段M12による機関回転数が
予め定めた第1の回転数以上のとき、及びその第1の回
転数よりも低い第2の回転数以下のときには、前記排気
制御弁M11を開弁させることにより、前記圧力波及び
負圧波の伝播経路の長さを所定長さとし、前記回転数検
出手段M12による機関回転数が前記第2の回転数より
も高くかつ前記第1の回転数よりも低いときには、前記
排気制御弁M11を閉弁させることにより、前記伝播経
路の長さを前記所定長さよりも長くする開閉制御手段M
13とを備えている。
【0012】
【作用】内燃機関M3の運転時には、その運転状態が運
転状態検出手段M7によって検出され、機関回転数が回
転数検出手段M12によって検出される。タイミング制
御手段M8は、前記運転状態検出手段M7による内燃機
関M3の運転状態に応じて前記バルブの目標バルブタイ
ミングを算出し、実際のバルブタイミングがその目標値
となるように、可変バルブタイミング機構M6によるバ
ルブのバルブタイミングを制御する。
【0013】このような可変バルブタイミング機構M6
によるバルブオーバーラップ時には、気筒(M1,M
2)内に残留している燃焼ガスが吸気通路側へ逆流する
おそれがある。ところが、本発明では、各気筒(M1,
M2)における爆発・排気行程でのブローダウンにより
発生する圧力波を利用して、前記燃焼ガスの吸気通路側
への逆流を防止する。
【0014】すなわち、開閉制御手段M13は、前記回
転数検出手段M12による機関回転数が予め定めた第1
の回転数以上のとき、及びその第1の回転数よりも低い
第2の回転数以下のときには、排気制御弁M11を開弁
させる。すると、前記ブローダウンによる圧力波の向き
が連通路M10部分で反転され、同圧力波は今回爆発し
た気筒M1の排気バルブへ向かう負圧波となる。このと
きの圧力波及び負圧波の伝播経路の長さは所定長さとな
る。
【0015】また、開閉制御手段M13は、前記回転数
検出手段M12による機関回転数が前記第2の回転数よ
りも高くかつ前記第1の回転数よりも低いときには、前
記排気制御弁M11を閉弁させる。すると、前記ブロー
ダウンによる圧力波の向きが断面積拡大部M9で反転さ
れ、同圧力波は今回爆発した気筒M1の排気バルブへ向
かう負圧波となる。このときの伝播経路の長さは前記所
定長さよりも長くなる。
【0016】このような可変バルブタイミング機構M6
によるバルブオーバーラップ時において、機関回転数に
応じて開閉制御弁M11が開閉されて伝播経路の長さが
切替えられると、今回爆発する気筒M1でのブローダウ
ンに基づく負圧波又は次回爆発する気筒M2でのブロー
ダウンに基づく負圧波を、今回爆発する気筒M1の排気
バルブまで到達させることが可能となる。
【0017】そして、前記のようにバルブオーバーラッ
プ時に排気バルブまで到達した負圧波は、今回爆発した
気筒M1内の燃焼ガスを排気通路M5側へ吸い出そうと
する。このため、同燃焼ガスが吸気通路側へ逆流するこ
とが防止される。その結果、吸気行程時での前記逆流に
基づく実質吸入空気量の減少、及び吸気効率の低下が全
機関回転数域にわたって防止され、燃焼室内の残留ガス
量が低減し、吸気効率が向上する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図2〜
図11に従って説明する。図2は6気筒内燃機関として
のV型6気筒エンジン1を上方から見た概略図である。
エンジン1のシリンダブロック2には前後方向(図の左
右方向)へ延びるクランクシャフト3が回転可能に支持
され、その前端にクランクプーリ4が一体回転可能に取
付けられている。前記シリンダブロック2はクランクシ
ャフト3を中心としてV字状に分岐され、その左側部分
(図の下側部分)が左バンク5を構成し、右側部分(図
の上側部分)が右バンク6を構成している。
【0019】右バンク6内には第1気筒#1、第3気筒
#3及び第5気筒#5が順に並設されている。右バンク
6内において、前記各気筒#1,#3,#5の上方に
は、互いに近接した状態で前後方向へ延びる吸気側カム
シャフト9及び排気側カムシャフト10がそれぞれ回転
可能に支持されている。両カムシャフト9,10上に
は、1気筒当たり2つのカム9a,10aが形成されて
いる。
【0020】また、左バンク5内には第2気筒#2、第
4気筒#4及び第6気筒#6が順に並設されている。左
バンク5内において、前記各気筒#2,#4,#6の上
方には、互いに近接した状態で前後方向へ延びる吸気側
カムシャフト7及び排気側カムシャフト8がそれぞれ回
転可能に支持されている。両カムシャフト7,8上に
は、1気筒当たり2つのカム7a,8aが形成されてい
る。
【0021】前記クランクシャフト3の回転を、左バン
ク5内のカムシャフト7,8及び右バンク6内のカムシ
ャフト9,10に伝達するために次に構成が採られてい
る。すなわち、左右両バンク5,6内の排気側カムシャ
フト8,10の前端にそれぞれカムプーリ11,12が
一体回転可能に取付けられている。そして、両カムプー
リ11,12と前記クランクプーリ4とにはタイミング
ベルト13が掛装され、このタイミングベルト13を介
してクランクシャフト3の回転が両排気側カムシャフト
8,10に伝達される。また、左右両バンク5,6内の
排気側カムシャフト8,10の後端部に駆動ギヤ14,
15が一体回転可能に取付けられるとともに、各吸気側
カムシャフト7,9の後端部に被動ギヤ16,17が設
けられている。そして、これらの駆動ギヤ14,15と
被動ギヤ16,17とが互いに噛合されている。そのた
め、排気側カムシャフト8,10が回転すると吸気側カ
ムシャフト7,9が反対方向へ回転する。
【0022】次に、左右両バンク5,6内において吸気
側カムシャフト7,9及び排気側カムシャフト8,10
によって駆動される動弁機構等について説明する。図3
で示すように前記右バンク6内には、紙面と直行する方
向に第1〜3の気筒#1,#3,#5(図では第1気筒
#1のみ図示)が並設されている。各気筒#1,#3,
#5内には、前記クランクシャフト3の回転にともない
上下動するピストン18が収容されている。ピストン1
8の上方には燃焼室19が形成され、この燃焼室19に
吸気通路B及び排気通路Cが連通している。燃焼室19
と吸気通路Bとの連通部分は吸気ポート21となってお
り、この吸気ポート21はシリンダヘッド22に上下動
可能に取付けられた吸気バルブ23によって開閉され
る。また、燃焼室19と排気通路Cとの連通部分は排気
ポート24となっており、この排気ポート24はシリン
ダヘッド22に上下動可能に取付けられた排気バルブ2
5によって開閉される。
【0023】吸気バルブ23及び排気バルブ25の上部
には圧縮状態のバルブスプリング26,27、バルブリ
フタ28,29等が組付けられている。一方のバルブス
プリング26は、バルブリフタ28が前記吸気側カムシ
ャフト9上のカム9aを常に押圧するように吸気バルブ
23を上方へ付勢している。また、他方のバルブスプリ
ング27は、バルブリフタ29が前記排気側カムシャフ
ト10上のカム10aを常に押圧するように排気バルブ
25を上方へ付勢している。これらの付勢方向は、いず
れも前記吸気ポート21及び排気ポート24を閉じる方
向である。
【0024】そのため、前記クランクシャフト3の回転
がタイミングベルト13を介してカムプーリ12に伝達
される(図2参照)と、排気側カムシャフト10及び吸
気側カムシャフト9が回転する。これにともない、カム
10a,9aがバルブスプリング27,26の付勢力に
抗してバルブリフタ29,28を周期的に押し下げる
と、これらのバルブリフタ29,28が排気バルブ25
及び吸気バルブ23を下方へ押圧して開閉動作を行わせ
る。
【0025】前記吸気通路Bにおいて、吸気ポート21
の近傍には燃料噴射弁31が取付けられている。また、
この燃料噴射弁31よりも上流の吸気通路B内には、ア
クセルペダル32の操作に連動して開閉動作するスロッ
トルバルブ33が設けられている。そして、このスロッ
トルバルブ33の開閉により、吸気通路Bへの吸入空気
量が調節される。さらに、燃料噴射弁31とスロットル
バルブ33との間には、吸入空気の脈動を平滑化させる
ためのサージタンク34が配設されている。
【0026】前記燃料噴射弁31から噴射される燃料と
吸気通路B内へ導入された外気とからなる混合気は、吸
気バルブ23の開かれる際に、吸気ポート21を通じて
燃焼室19内へ導入される。この燃焼室19に導入され
た混合気へ着火するために、シリンダヘッド22には点
火プラグ35が取付けられている。この点火プラグ35
はディストリビュータ36にて分配された点火信号に基
づいて駆動される。ディストリビュータ36はイグナイ
タ37から出力される高電圧をエンジン1のクランク角
に同期して点火プラグ35に分配するためのものであ
る。
【0027】そして、点火プラグ35の点火によって燃
焼室19内へ導入された混合気が爆発・燃焼され、ピス
トン18及びクランクシャフト3等を介してエンジン1
の駆動力が得られる。本実施例では、クランク角で12
0度毎に、点火プラグ35による点火が第1気筒#1、
第2気筒#2、第3気筒#3、第4気筒#4、第5気筒
#5、第6気筒#6の順に行われる。
【0028】前記のように燃焼室19にて混合気が燃焼
されることにより燃焼ガスが生ずる。この燃焼ガスは、
排気バルブ25が開かれる際に排気ポート24から排気
通路Cを通じて外部へ排出される。そして、この燃焼ガ
スの排出により排気通路Cへ向けて種々の圧力波からな
る排気脈動が伝播する。この排気脈動のうち最も大きな
圧力波はブローダウンによる圧力波である。このブロー
ダウンは、爆発・排気行程において排気ポート24より
も圧力の高くなっている燃焼室19内の燃焼ガスが、排
気バルブ25の開弁直後に排気ポート24へ勢いよく排
出され、同排気ポート24の圧力が急激に上昇する現象
である。本実施例のエンジン1は6気筒であるため、こ
のブローダウンがクランク角で120度毎に生じること
になる。
【0029】なお、左バンク5の内部構成は前述した右
バンク6と基本的に同一であるので、ここでは説明を省
略する。前記のようなエンジン1の基本的構成に加え、
本実施例では前記吸気バルブ23の開閉タイミングを調
整するための可変バルブタイミング機構51,52が、
左右各バンク5,6毎に搭載されている。次に、これら
の可変バルブタイミング機構51,52について詳述す
るが、いずれの機構51,52も基本的に同一構成のた
め、ここでは右バンク6側に搭載された可変バルブタイ
ミング機構52のみ説明する。
【0030】図4で示すように、吸気側カムシャフト9
の後端部(図4の右端部)には、前記被動ギヤ17が設
けられている。被動ギヤ17の外周には外歯17aが形
成され、この外歯17aが排気側カムシャフト10の駆
動ギヤ15に噛合している。被動ギヤ17の内周部には
ボス17bが形成され、このボス17bにおいて被動ギ
ヤ17が吸気側カムシャフト9の後端部外周に相対回動
可能に嵌合されている。
【0031】また、吸気側カムシャフト9の後端には前
面を開放したケーシング53がボルト54によって締付
固定され、このケーシング53と前記被動ギヤ17とに
よって環状空間55が形成されている。環状空間55内
にはほぼ円環状をなすリングギヤ56が配設され、この
リングギヤ56によって被動ギヤ17のボス17bとケ
ーシング53とが連結されている。リングギヤ56の内
外周にはヘリカル歯56a,56bが形成されており、
軸方向へ移動することによってリングギヤ56が吸気側
カムシャフト9に対し相対回動可能となっている。各ヘ
リカル歯56a,56bは被動ギヤ17におけるボス1
7b外周のヘリカル歯17c及びケーシング53内周面
のヘリカル歯53aにそれぞれ噛合している。
【0032】従って、クランクシャフト3の回転がカム
プーリ12、排気側カムシャフト10及び駆動ギヤ15
を介して被動ギヤ17に伝達されることにより(図2参
照)、リングギヤ56で連結された被動ギヤ17とケー
シング53とが一体的に回転され、吸気側カムシャフト
9が回転駆動される。
【0033】前記被動ギヤ17とケーシング53とによ
って囲まれる環状空間55において、リングギヤ56の
後側は圧力室57となっている。圧力室57には、吸気
側カムシャフト9内、シリンダヘッド22内等に形成さ
れたオイル通路58,59等を通じて加圧オイルが供給
される。同じく環状空間55においてリングギヤ56の
前側はばね室61となっており、このばね室61には、
前記加圧オイルに対向する釣り合い用の圧縮コイルばね
62が収容されている。
【0034】前記オイル通路59とオイルポンプ等の加
圧オイル源との間には油圧制御弁63が設けられてい
る。この油圧制御弁63は3つのポートを備え、入口側
のポートがオイル供給通路64を介して加圧オイル源に
接続されている。また、出口側の一方のポートが前記オ
イル通路59,58を介して前記圧力室57に接続さ
れ、他方のポートがオイル戻し通路65を介してオイル
パンに接続されている。
【0035】そして、エンジン1の運転中に油圧制御弁
63が開かれると、オイル通路58,59がオイル供給
通路64に連通され、加圧されたオイルが圧力室57内
に供給される。これにより、リングギヤ56の後面にオ
イルによる圧力が作用するため、同リングギヤ56は圧
縮コイルばね62の付勢力に抗して前方へ移動する。こ
の移動にとない、リングギヤ56は被動ギヤ17に対し
て同被動ギヤ17の回転方向へ向かって相対的に回転変
位させられる。さらに、前記移動にともない、ケーシン
グ53はリングギヤ56に対して同リングギヤ56の回
転方向に向かって相対的に回転変位される。
【0036】従って、リングギヤ56が前方へ移動する
と、吸気側カムシャフト9が被動ギヤ17に対してその
回転方向へ、リングギヤ56の回転変位量とケーシング
53の回転変位量の和だけ相対的に回転変位することと
なる。このため、吸気バルブ23の開弁時期及び閉弁時
期が吸気側カムシャフト9の変位量に応じて早められる
ことになる。このようにリングギヤ56が環状空間55
の前端位置にあるときの吸気バルブ23の開・閉弁時期
を、以後「早期タイミング」という。
【0037】一方、油圧制御弁63が閉じられるとオイ
ル通路58,59はオイル戻し通路65に連通される。
そして、圧力室57内の加圧オイルがオイル戻し通路6
5を介してオイルパンに戻される。この際、圧力室57
からオイルが流出してリングギヤ56に作用している圧
力が低下するため、同リングギヤ56は圧縮コイルばね
62の付勢力によって後方へ移動する。すると、前述し
た動作とは逆の動作によって、吸気側カムシャフト9は
被動ギヤ17に対してその回転方向と反対方向へ相対的
に回転変位することとなる。このため、吸気バルブ23
の開弁時期及び閉弁時期が吸気側カムシャフトの変位量
に応じて遅らされる。このようにリングギヤ56が環状
空間55の後端位置にあるときの吸気バルブ23の開・
閉弁時期を、以後「通常タイミング」という。
【0038】なお、前記のように油圧制御弁63の開閉
により吸気側カムシャフト9が相対的に回転変位する際
には、リングギヤ56にバックラッシが生じるが、その
バックラッシに基づくガタツキはビスカスカップリング
66の作用により緩衝されて異音の発生が抑えられる。
このビスカスカップリング66は、前記被動ギヤ17に
圧入固定されたアウタプレート67と、ケーシング53
外周に形成されたインナプレート68とからなり、両者
67,68の間に高粘度の粘性流体が封入されている。
【0039】また、前記圧力室57からばね室61へ漏
れ出たオイルをオイルパンへ戻すために、被動ギヤ1
7、吸気側カムシャフト9及びシリンダヘッド22には
ドレン通路69が形成されている。
【0040】図5(a),(b)には、前記のように構
成された可変バルブタイミング機構52(51)による
吸気バルブ23の開・閉弁時期と排気バルブ25の開・
閉弁時期とを示す。また、図6には吸気バルブ23及び
排気バルブ25の開・閉弁時期をバルブリフト量との関
係で示す。吸気バルブ23は「通常タイミング」におい
ては、排気上死点前の開弁時期a1 で開弁され、吸気下
死点後の閉弁時期b1で閉弁される。また、吸気バルブ
23は「早期タイミング」においては、前記開弁時期a
1 よりも所定角度早い開弁時期a2 で開弁され、前記閉
弁時期b1 よりも所定角度早い閉弁時期b2 で閉弁され
る。一方、排気バルブ25の開弁時期d及び閉弁時期c
は変更されず、「通常タイミング」においても「早期タ
イミング」においても常に一定である。
【0041】従って、吸気バルブ23及び排気バルブ2
5がともに開弁している期間であるバルブオーバーラッ
プは、「通常タイミング」よりも「早期タイミング」の
方が大きくなる。
【0042】図2及び図3で示すように、前記可変バル
ブタイミング機構51,52を装着したエンジン1の運
転状態を検出するために、回転数センサ71と絶対圧セ
ンサ72とが設けられている。回転数センサ71は前記
クランクプーリ4の近傍に配設され、クランクシャフト
3の回転からエンジン回転数NEを検出する。また、絶
対圧センサ72はサージタンク34に設けられ、その吸
気通路B内の吸気管圧力(絶対圧)Pを検出する。
【0043】次に、前記排気通路Cについて説明する。
図2で示すように、排気通路Cの最も上流側は、前記左
右両バンク5,6の外側面に取付けられた排気マニホル
ド38,39によって構成されている。各排気マニホル
ド38,39の下流端には第1排気枝管41及び第2排
気枝管42が接続されている。右側の排気マニホルド3
9は、前記気筒#1,#3,#5から排出される燃焼ガ
スを集合させて第2排気枝管42へ導くためのものであ
り、左側の排気マニホルド38は、前記気筒#2,#
4,#6から排出される燃焼ガスを集合させて第1排気
枝管41へ導くためのものである。
【0044】前記両排気枝管41,42は下流側で合流
して排気本管43となっている。この合流部分は、前記
第1排気管41又は第2排気枝管42の断面積よりも大
きな断面積を有する断面積拡大部44を構成している。
このため、右バンク6内の気筒#1,#3,#5でのブ
ローダウンによる圧力波は、排気マニホルド39、第2
排気枝管42を順に伝わり、断面積拡大部44に至ると
同部で反転され、負圧波となって前記気筒#1,#3,
#5へ向けて伝播してゆく。同様に、左バンク5内の気
筒#2,#4,#6でのブローダウンによる圧力波は、
排気マニホルド38、第1排気枝管41を順に伝わり、
断面積拡大部44に至ると同部で反転され、負圧波とな
って前記気筒#2,#4,#6へ向けて伝播してゆく。
【0045】前記第1排気枝管41と第2排気枝管42
とは、その中間部分で連通管45によって相互に連通さ
れている。連通管45内の連通路の断面積は、第1排気
枝管41及び第2排気枝管42の各断面積とほぼ同一で
ある。連通管45内には、その連通路を開閉する排気制
御弁46が回動可能に設けられている。排気制御弁46
が開弁されると、第1排気枝管41は連通管45を介し
て第2排気枝管42にも連通されるため、第1排気枝管
41の断面積は連通管45との接続部分で実質的にほぼ
2倍となり、断面積が急激に拡大されることとなる。こ
れは、第2排気枝管42についても同様である。
【0046】従って、排気制御弁46が開弁されると、
第1排気枝管41と連通管45との接続部分、及び第2
排気枝管42と連通管45との接続部分においてブロー
ダウンによる圧力波の向きが反転され負圧波となる。こ
の場合の排気脈動のエネルギーの大部分は連通管45部
分で反転されるため、前記断面積拡大部44で反転され
た負圧波は非常に小さくなり、実質的な影響を及ぼさな
い。
【0047】そして、本実施例では、今回爆発する気筒
でのブローダウンに基づく負圧波又は次回爆発する気筒
でのブローダウンに基づく負圧波がバルブオーバーラッ
プ時において、今回爆発する気筒の排気バルブ25まで
到達するように、前記断面積拡大部44から気筒#1〜
#6の各排気バルブ25(図3参照)までの長さL、及
び排気枝管41,42と連通管45との接続部分から各
排気バルブ25までの長さLを、次式に基づいて設定し
ている。
【0048】 t=(180/360)・{1/(N/60)}=2L
/v ここで、tは所定気筒でのブローダウン発生からバルブ
オーバーラップまでに要する時間である。また、360
はクランクシャフト3の1回転に要するクランク角であ
り、180は所定気筒でのブローダウン発生からバルブ
オーバーラップまでのクランク角である。Nはエンジン
回転数であり、1/(N/60)はクランクシャフト3
が1回転するのに要する時間である。さらに、2Lはブ
ローダウンによる圧力波及び負圧波の伝播経路の長さで
あり、vは音速である。
【0049】本実施例では上記式より、前記回転数セン
サ71によるエンジン回転数NEが予め定めた第1の回
転数α(例えば4400rpm)以上のとき、及びその
第1の回転数αよりも低い第2の回転数β(例えば20
00rpm)以下のときには、前記圧力波及び負圧波の
伝播経路の長さ2Lを所定長さ(約1.8m)に設定
し、前記エンジン回転数NEが前記第2の回転数βより
も高くかつ前記第1の回転数αよりも低いとき(200
0rpm<NE<4400rpm)には、前記伝播経路
の長さ2Lを前記所定長さよりも長く(約4.2m)設
定している。
【0050】前記第1排気枝管41及び第2排気枝管4
2において、各排気マニホルド38,39の近傍には触
媒コンバータ47,48が設けられている。さらに、両
排気枝管41,42において連通管45と断面積拡大部
44との間にも触媒コンバータ49,50が設けられて
いる。これらの触媒コンバータ47〜50は、燃焼ガス
中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び酸化窒
素(NOx)を触媒の作用によって浄化させるためのも
のである。
【0051】図2で示すように、前記回転数センサ71
及び絶対圧センサ72は電子制御装置(以下、単に「E
CU」という)73の入力側に電気的に接続されてい
る。また、前記両可変バルブタイミング機構51,52
の油圧制御弁63及び連通管45内の排気制御弁46
は、ECU73の出力側に電気的に接続されている。
【0052】ECU73は、タイミング制御手段及び開
閉制御手段としての中央処理装置(以下CPUという)
74と、読み出し専用メモリ(以下ROMという) 75
と、ランダムアクセスメモリ(以下RAMという)76
と、入力ポート77と、出力ポート78とを備え、これ
らは互いにバス79によって接続されている。CPU7
4は、予め設定された制御プログラムに従って各種演算
処理を実行し、ROM75はCPU74で演算処理を実
行するために必要な制御プログラムや初期データを予め
記憶している。また、RAM76はCPU74の演算結
果を一時記憶する。
【0053】前記回転数センサ71からの信号は入力ポ
ート77に入力される。また、絶対圧センサ72からの
信号はA/D変換器81を介して入力ポート77に入力
される。そして、CPU74はこれらの信号によりエン
ジン回転数NE及び絶対圧Pを検知する。一方、CPU
74は出力ポート78及び駆動回路82を介して油圧制
御弁63を開閉制御し、出力ポート78及び駆動回路8
3を介して排気制御弁46を開閉制御する。
【0054】次に、前記のように構成された本実施例の
作用を図8及び図7を参照して説明する。図8はCPU
74によって実行される各処理のうち、油圧制御弁63
及び排気制御弁46を開閉制御するためのフローチャー
トであり、所定時間毎の割り込みで実行される。また、
図7は、エンジン回転数NEと絶対圧Pとの関係におい
て、可変バルブタイミング機構51,52による吸気バ
ルブ23の通常タイミング領域及び早期タイミング領域
と、排気制御弁46の開弁領域及び閉弁領域とを示す図
である。
【0055】処理が図8の処理ルーチンへ移行すると、
CPU74はまずステップ101で絶対圧センサ72に
よる絶対圧Pを読み込み、この絶対圧Pが予め定めた圧
力PH以上であるか否かを判定する。また、CPU74
はステップ102で回転数センサ71によるエンジン回
転数NEを読み込み、このエンジン回転数NEが第3の
回転数γ(例えば6400rpm)以下であるか否かを
判定する。前記ステップ101で絶対圧Pが圧力PHよ
りも低い(P<PH)場合、又はステップ102でエン
ジン回転数NEが第3の回転数γよりも高い(NE>
γ)場合、CPU74はステップ103へ移行し、出力
ポート78及び駆動回路82を介して油圧制御弁63を
閉じるための駆動信号を出力する。すると、オイル通路
58,59がオイル戻し通路65に連通され、圧力室5
7内の加圧オイルがオイル戻し通路65を介してオイル
パンに戻される。これにより、リングギヤ56が圧縮コ
イルばね62の付勢力によって環状空間55の後端に位
置し、吸気バルブ23の開・閉弁時期が「通常タイミン
グ」になる。
【0056】また、CPU74は出力ポート78及び駆
動回路83を介して排気制御弁46を開くための駆動信
号を出力し、このルーチンを一旦終了する。これにより
排気制御弁46が開弁すると、各気筒における爆発・排
気行程でのブローダウンにより発生し、排気マニホルド
38,39、排気枝管41,42を伝播する圧力波が、
連通管45部分で反転されて負圧波となる。そして、こ
の負圧波はバルブオーバーラップ時に排気バルブ25ま
で到達する。
【0057】前記ステップ101において絶対圧Pが圧
力PH以上(P≧PH)であり、ステップ102におい
てエンジン回転数NEが第3の回転数γ以下(NE≦
γ)の場合、CPU74はステップ104へ移行する。
ステップ104でCPU74は出力ポート78及び駆動
回路82を介して油圧制御弁63を開くための駆動信号
を出力する。すると、オイル通路58,59がオイル供
給通路64に連通され、加圧されたオイルが圧力室57
内に供給される。これにより、リングギヤ56が圧縮コ
イルばね62の付勢力に抗して前方へ移動し、吸気バル
ブ23の開・閉弁時期が「早期タイミング」になって、
「通常タイミング」よりもバルブオーバーラップが拡大
する。
【0058】次に、CPU74はステップ105でエン
ジン回転数NEが第1の回転数α(この場合4400r
pm)よりも低いか否かを判定し、さらにステップ10
6でエンジン回転数NEが第2の回転数β(この場合2
000rpm)よりも高いか否かを判定する。両判定に
より、そのときのエンジン回転数NEが第2の回転数β
よりも高く第1の回転数αよりも低い(β<NE<α)
と、CPU74はステップ107で出力ポート78及び
駆動回路83を介して排気制御弁46を閉じるための駆
動信号を出力し、このルーチンを一旦終了する。これに
より排気制御弁46が閉弁すると、各気筒における爆発
・排気行程でのブローダウンにより発生し、排気マニホ
ルド38,39、排気枝管41,42を伝播する圧力波
が連通管45部分で反転されず断面積拡大部44で反転
されることになる。従って、このときの伝播経路の長さ
2Lは約4.2mとなる。
【0059】一方、前記ステップ105及びステップ1
06での判定により、エンジン回転数NEが第1の回転
数α以上(NE≧α)の場合、及び同エンジン回転数N
Eが第2の回転数β以下(NE≦β)の場合、CPU7
4はステップ108で出力ポート78及び駆動回路83
を介して排気制御弁46を開くための駆動信号を出力
し、このルーチンを一旦終了する。これにより排気制御
弁46が開弁すると、各気筒における爆発・排気行程で
のブローダウンにより発生し、排気マニホルド38,3
9、排気枝管41,42を伝播する圧力波が、連通管4
5部分で反転されることになる。従って、このときの伝
播経路の長さ2Lは約1.8mとなる。
【0060】そして、前記のように断面積拡大部44又
は連通管45で向きが反転された負圧波は、各気筒#1
〜#6でのバルブオーバーラップ時に排気バルブ25ま
で到達し、同気筒#1〜#6の燃焼室19内の燃焼ガス
を排気通路C側へ吸い出そうとする。このため、吸気ポ
ート21から各気筒#1〜#6内に流入する新気の量が
増大する。その結果、各気筒#1〜#6の吸気効率が向
上し、ひいてはエンジン1全体の出力が向上する。ま
た、吸気ポート21から各気筒#1〜#6内に流入する
新気の掃気作用によって燃焼室19内のガス温度が低下
するため、ノッキングの発生を抑制することもできる。
【0061】図9及び図10は、第4気筒#4の排気ポ
ート24での排気圧力とクランク角との関係をエンジン
回転数NE毎に測定した結果を示すグラフである。この
うち、図9は伝播経路の長さ2Lが一定の場合を示し、
図10はエンジン回転数NEに応じて排気制御弁46を
開弁又は閉弁させて伝播経路の長さ2Lを切替えた場合
を示している。これらの図では、排気ポート24での排
気圧力の目盛りが、エンジン回転数NEで800rpm
の場合のみ示され、他のエンジン回転数NEに関しては
省略されている。
【0062】図9において、エンジン回転数NEが例え
ば800rpmのときの排気ポート24での排気圧力を
見ると、第3気筒#3でのブローダウンによる圧力波P
3、第4気筒#4でのブローダウンによる圧力波P4、
第5気筒#5でのブローダウンによる圧力波P5、第6
気筒#でのブローダウンによる圧力波P6、第1気筒#
1でのブローダウンによる圧力波P1、第2気筒#2で
のブローダウンによる圧力波P2が所定間隔毎に発生し
ている。そして、エンジン回転数NEのほぼ全域にわた
って、第4気筒#4のバルブオーバーラップ時におい
て、その第4気筒#4の排気ポート24の排気圧力が正
圧又はほぼ零になっていることがわかる。従って、伝播
経路の長さ2Lが一定の場合(図9)では、負圧波によ
る吸気効率の向上は望めない。これに対し、伝播経路の
長さ2Lを切替えた場合(図10)において、エンジン
回転数NEが800rpm及び1200rpmについて
見ると、第5気筒#5でのブローダウンによる圧力波P
5の向きが反転したと思われる負圧波(図10の斜線部
分)が、第4気筒#4でのバルブオーバーラップに同期
していることがわかる。さらに、エンジン回転数NEが
2000rpmの場合には、第4気筒#4でのブローダ
ウンによる二次の負圧波が第4気筒#4でのバルブオー
バーラップに同期している。
【0063】また、エンジン回転数NEが2400rp
mの場合には、排気制御弁46を閉じ、伝播経路の長さ
2Lが約4.2mと長くなるため、第4気筒#4でのブ
ローダウンによる一次の負圧波がバルブオーバーラップ
に同期している。
【0064】さらに、エンジン回転数NEが4400r
pm以上の場合には、排気制御弁46が再び開かれ、伝
播経路の長さ2Lが1.8mのとき発生する第4気筒#
4でのブローダウンによる一次の負圧波が、第4気筒#
4でのバルブオーバーラップに同期する。
【0065】また、図11にはエンジン回転数とトルク
との関係を示す。同図において実線は前記のように吸気
バルブ23の開・閉弁時期及び伝播経路の長さ2Lを可
変とした本実施例を示し、破線は吸気バルブ23の開・
閉弁時期を一定にし、かつ伝播経路の長さ2Lを一定に
した比較例を示している。この図から、本実施例では広
範囲のエンジン回転数域にわたって比較例よりも出力ト
ルクが上昇していることがわかる。
【0066】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例では、可変バルブタイミング機構5
1,52として、通常タイミングと早期タイミングとの
2つのタイミングを切替え制御するタイプを用いたが、
これに代えて吸気バルブ23の開・閉弁時期を連続的に
調節することが可能なタイプを用いてもよい。 (2)本発明の6気筒内燃機関の制御装置は、V型6気
筒エンジン1以外にも直列6気筒エンジンに適用するこ
ともできる。 (3)前記実施例では可変バルブタイミング機構51,
52におけるリングギヤ56の内外周にヘリカル歯56
a,56bを形成したが、いずれか一方のみをヘリカル
歯としてもよい。 (4)前記実施例の可変バルブタイミング機構51,5
2では吸気バルブ23のみの開・閉弁時期を制御するよ
うにしたが、排気バルブ25のみの開・閉弁時期を制御
したり、吸気バルブ23及び排気バルブ25の両方の開
・閉弁時期を制御したりしてもよい。 (5)前記実施例では、連通管45及び排気制御弁46
をそれぞれ1つだけ設けているが、これを複数設けても
よい。 (6)前記実施例では第1排気枝管41及び第2排気枝
管42を合流させて、その合流部分を断面積拡大部44
としているが、両排気枝管41,42を合流させること
なく各々に断面積拡大部44を設けてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、今
回爆発する気筒のバルブオーバーラップ時において、今
回爆発する気筒でのブローダウンによる負圧波又は次回
爆発する気筒でのブローダウンによる負圧波を、その今
回爆発する気筒の排気バルブまで到達させるようにした
ので、広範囲の回転数域にわたり、吸気効率及び機関出
力を向上させることが可能になるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を示す図である。
【図2】本発明を具体化した一実施例の6気筒内燃機関
の制御装置を示す概略構成図である。
【図3】図2のA−A線方向の断面図である。
【図4】可変バルブタイミング機構を示す拡大断面図で
ある。
【図5】(a)は通常タイミングでの吸気バルブ及び排
気バルブの開・閉弁時期を示す図であり、(b)は早期
タイミングでの吸気バルブ及び排気バルブの開・閉弁時
期を示す図である。
【図6】クランク角とバルブリフト量との関係を示す図
である。
【図7】エンジン回転数と絶対圧との関係において、可
変バルブタイミング機構による吸気バルブの通常タイミ
ング領域及び早期タイミング領域と、排気制御弁の開弁
領域及び閉弁領域とを示す図である。
【図8】本実施例の作用を説明するためのフローチャー
トである。
【図9】排気制御弁を用いない場合のクランク角と、第
4気筒の排気ポートでの排気圧力との関係をエンジン回
転数毎に測定した結果を示すグラフである。
【図10】排気制御弁を用いた場合のクランク角と、第
4気筒の排気ポートでの排気圧力との関係をエンジン回
転数毎に測定した結果を示すグラフである。
【図11】エンジン回転数とトルクとの関係を示すグラ
フである。
【図12】従来技術を示す4気筒内燃機関及び排気系の
概略構成図である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、19…燃焼室、23…
吸気バルブ、25…排気バルブ、44…断面積拡大部、
45…連通路を構成する連通管、46…排気制御弁、5
1,52…可変バルブタイミング機構、71…運転状態
検出手段の一部及び回転数検出手段を構成する回転数セ
ンサ、72…運転状態検出手段の一部を構成する絶対圧
センサ、74…タイミング制御手段及び開閉制御手段を
構成するCPU、#1…第1気筒、#2…第2気筒、#
3…第3気筒、#4…第4気筒、#5…第5気筒、#6
…第6気筒、B…吸気通路、C…排気通路、L…伝播経
路の長さ、α…第1の回転数、β…第2の回転数

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6つの気筒を有する内燃機関に設けら
    れ、同内燃機関の燃焼室への吸気通路を開閉する吸気バ
    ルブ、及び燃焼室からの2つの排気通路を開閉する排気
    バルブのうち少なくともいずれか一方のバルブのバルブ
    タイミングを調整するための可変バルブタイミング機構
    と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段による内燃機関の運転状態に応じ
    て前記バルブの目標バルブオーバーラップを算出し、実
    際のバルブオーバーラップがその目標バルブオーバーラ
    ップとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御
    するタイミング制御手段と、 前記排気通路に設けられ、前記各気筒における爆発・排
    気行程でのブローダウンにより発生し、かつ前記排気通
    路内を伝播する圧力波の向きを反転させて前記気筒の排
    気バルブへ向かう負圧波とするための断面積拡大部と、 前記断面積拡大部よりも上流側において両排気通路間を
    連通させる連通路に開閉可能に設けられ、その開閉動作
    にて同連通路での前記圧力波の向きの反転を許容又は阻
    止するための排気制御弁と、 前記内燃機関の機関回転数を検出する回転数検出手段
    と、 今回爆発する気筒でのブローダウンに基づく負圧波又は
    次回爆発する気筒でのブローダウンに基づく負圧波を、
    前記可変バルブタイミング機構によるバルブオーバーラ
    ップ時において、今回爆発する気筒の排気バルブまで到
    達させるべく、前記回転数検出手段による機関回転数が
    予め定めた第1の回転数以上のとき、及びその第1の回
    転数よりも低い第2の回転数以下のときには、前記排気
    制御弁を開弁させることにより、前記圧力波及び負圧波
    の伝播経路の長さを所定長さとし、前記回転数検出手段
    による機関回転数が前記第2の回転数よりも高くかつ前
    記第1の回転数よりも低いときには、前記排気制御弁を
    閉弁させることにより、前記伝播経路の長さを前記所定
    長さよりも長くする開閉制御手段とを備えたことを特徴
    とする6気筒内燃機関の制御装置。
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