JPH0830262B2 - 有色性装飾体 - Google Patents
有色性装飾体Info
- Publication number
- JPH0830262B2 JPH0830262B2 JP2058715A JP5871590A JPH0830262B2 JP H0830262 B2 JPH0830262 B2 JP H0830262B2 JP 2058715 A JP2058715 A JP 2058715A JP 5871590 A JP5871590 A JP 5871590A JP H0830262 B2 JPH0830262 B2 JP H0830262B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractive material
- colored
- decorative body
- color
- film
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- Expired - Lifetime
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、物体の表面に干渉により色を生ずる有色
性装飾体に関する。
性装飾体に関する。
[従来の技術] 従来、ガラス等の部材を装飾部材として使用するため
に、部材表面にスパッタリング法やイオンプレーティン
グ法等によりTiO2,ZnS,ZrO2,Fe2O3,Si3N4などの高屈折
材をコーティングして、干渉色を呈する干渉被膜を形成
している。
に、部材表面にスパッタリング法やイオンプレーティン
グ法等によりTiO2,ZnS,ZrO2,Fe2O3,Si3N4などの高屈折
材をコーティングして、干渉色を呈する干渉被膜を形成
している。
[解決しようとする課題] しかしながら、TiO2,ZnS,ZrO2等の高屈折材をコーテ
ィングした場合には、その被膜自体は殆ど無色透明であ
り、干渉作用による干渉色が与えられるのみであり、こ
れを装飾体として使用しても高級感に欠けていた。
ィングした場合には、その被膜自体は殆ど無色透明であ
り、干渉作用による干渉色が与えられるのみであり、こ
れを装飾体として使用しても高級感に欠けていた。
また、Fe2O3,Si3N4等の高屈折材をコーティングした
場合には、膜自体に有色性を有するものの、その有色性
が強く、透明感が得られないという問題点があった。
場合には、膜自体に有色性を有するものの、その有色性
が強く、透明感が得られないという問題点があった。
そこで本発明の目的は、膜自体に有色性を有しかつ透
明感が得られる装飾性の高い有色性装飾体を提供するこ
とにある。
明感が得られる装飾性の高い有色性装飾体を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の有色性装飾体の
特徴は、有色性の高屈折材に無色性の添加材が添加して
ある混合高屈折材が、透明部材からなる多面体の表面に
コーティングされており、上記混合高屈折材のコーティ
ング膜は面によって膜厚が異なっているところにある。
特徴は、有色性の高屈折材に無色性の添加材が添加して
ある混合高屈折材が、透明部材からなる多面体の表面に
コーティングされており、上記混合高屈折材のコーティ
ング膜は面によって膜厚が異なっているところにある。
上記有色性の高屈折材は、酸化鉄または窒化ケイ素の
いずれかであることが好ましい。
いずれかであることが好ましい。
また、干渉被膜は混合高屈折材と低屈折材とを交互に
積層形成したものとしてもよい。
積層形成したものとしてもよい。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 スパッタ装置(図示省略)内に、可視光波長域におけ
る透過率が90%のガラス基板をセットし、またターゲッ
トとして、有色性の高屈折材であるFe2O3及び無色性の
添加材であるTiO2を下記の4通りの面積率で設け、それ
ぞれの占有率の場合において、装置内を1.0×10-3Paの
圧力まで排気した後、スパッタガスとしてアルゴンガス
を導入し、8W/cm2の高周波出力にてスパッタリングを行
い、ガラス基板上に膜厚0.25μmの被膜を得た。ここに
占有率は、Fe2O3:TiO2(wt%)が100:0の場合(サンプ
ルAとする),89:11の場合(サンプルBとする),78:22
の場合(サンプルCとする),60:40の場合(サンプルD
とする)の4通りとした。
る透過率が90%のガラス基板をセットし、またターゲッ
トとして、有色性の高屈折材であるFe2O3及び無色性の
添加材であるTiO2を下記の4通りの面積率で設け、それ
ぞれの占有率の場合において、装置内を1.0×10-3Paの
圧力まで排気した後、スパッタガスとしてアルゴンガス
を導入し、8W/cm2の高周波出力にてスパッタリングを行
い、ガラス基板上に膜厚0.25μmの被膜を得た。ここに
占有率は、Fe2O3:TiO2(wt%)が100:0の場合(サンプ
ルAとする),89:11の場合(サンプルBとする),78:22
の場合(サンプルCとする),60:40の場合(サンプルD
とする)の4通りとした。
この結果、第2図に示すように、サンプルAでは可視
光波長域の短波長での吸収が大きく、膜自体が赤茶色を
呈しているのに対して、サンプルB,C,Dによりわかるよ
うに、TiO2の割合が増加するとともに、短波長側の透過
率が上がり、サンプルBでは薄茶色,サンプルCでは黄
色,サンプルDでは薄黄色に色が変化し、透明感のある
有色性の膜が得られた。
光波長域の短波長での吸収が大きく、膜自体が赤茶色を
呈しているのに対して、サンプルB,C,Dによりわかるよ
うに、TiO2の割合が増加するとともに、短波長側の透過
率が上がり、サンプルBでは薄茶色,サンプルCでは黄
色,サンプルDでは薄黄色に色が変化し、透明感のある
有色性の膜が得られた。
実施例2 実施例1の結果を踏まえて、本実施例は図面に示すよ
うなガラス玉1に膜自体が薄黄色を呈する干渉被膜をコ
ーティングした。
うなガラス玉1に膜自体が薄黄色を呈する干渉被膜をコ
ーティングした。
ガラス玉1は透明ガラスからなる多面体であり、底面
を六角形の水平面とすると、この底面に連続する6面は
水平面に対して35°の傾斜面aとなり、さらにこの傾斜
面aに連続する6面は、水平面に対して70°の傾斜面b
となる。さらに上面の水平面からも同様の角度で次々に
傾斜面が変化している。
を六角形の水平面とすると、この底面に連続する6面は
水平面に対して35°の傾斜面aとなり、さらにこの傾斜
面aに連続する6面は、水平面に対して70°の傾斜面b
となる。さらに上面の水平面からも同様の角度で次々に
傾斜面が変化している。
ガラス玉1をスパッタ装置(図示省略)内にセット
し、ターゲットして有色性の高屈折材であるFe2O3及び
無色性の添加材であるTiO2を60:40(wt%)の占有率で
設けた。そして装置内を1.0×10-3Paの圧力まで排気し
た後、スパッタガスとしてアルゴンガスを6.0×10-1Pa
まで導入し、Fe2O3とTiO2との複合体ターゲットを8W/cm
2の高周波出力にて図示の成膜方向で10分間ココーティ
ングした。続いてターゲットをSiO2に代えて、アルゴン
ガスを6.0×10-1Paまで導入し8W/cm2の高周波出力で9
分間コーティングし、さらに続いて、第1層と同様の条
件でFe2O3とTiO2との複合体ターゲットを用い10分間コ
ーティングした。
し、ターゲットして有色性の高屈折材であるFe2O3及び
無色性の添加材であるTiO2を60:40(wt%)の占有率で
設けた。そして装置内を1.0×10-3Paの圧力まで排気し
た後、スパッタガスとしてアルゴンガスを6.0×10-1Pa
まで導入し、Fe2O3とTiO2との複合体ターゲットを8W/cm
2の高周波出力にて図示の成膜方向で10分間ココーティ
ングした。続いてターゲットをSiO2に代えて、アルゴン
ガスを6.0×10-1Paまで導入し8W/cm2の高周波出力で9
分間コーティングし、さらに続いて、第1層と同様の条
件でFe2O3とTiO2との複合体ターゲットを用い10分間コ
ーティングした。
この結果、第1図のa面では、高屈折材であるFe2O3
とTiO2との複合膜厚1370オングストロームと、低屈折材
であるSiO2の膜厚1370オングストロームと、さらにその
上に、Fe2O3とTiO2との複合膜厚1370オングストローム
が形成された。これらの膜厚で、a面では緑の干渉色を
呈した。またb面では上記3層がa面に対し82%の膜厚
で形成され、これらの膜厚で、b面で紫色の鮮やかな干
渉色が得られた。さらにコーティング膜自体が薄黄色を
呈しているために、ガラス玉1全体が透明感の高い薄黄
色となり、干渉色と複合膜による色とが混在して、従来
にない色調の装飾部材が得られた。
とTiO2との複合膜厚1370オングストロームと、低屈折材
であるSiO2の膜厚1370オングストロームと、さらにその
上に、Fe2O3とTiO2との複合膜厚1370オングストローム
が形成された。これらの膜厚で、a面では緑の干渉色を
呈した。またb面では上記3層がa面に対し82%の膜厚
で形成され、これらの膜厚で、b面で紫色の鮮やかな干
渉色が得られた。さらにコーティング膜自体が薄黄色を
呈しているために、ガラス玉1全体が透明感の高い薄黄
色となり、干渉色と複合膜による色とが混在して、従来
にない色調の装飾部材が得られた。
上記実施例の干渉膜を形成する部材はガラスからなる
透明体により構成してあるが、この透明体には半透明体
も含む。なお、仮に不透明な有色性の部材を用いた場合
には、部材固有の色が強いため、干渉色が面によって異
なっていても全体的には部材の固有の色調に視認され、
さほどカラフルな感じは出ない。しかし本発明では、部
材自体は透明であるため、干渉色の違いによって多面体
全体が非常にカラフルになり、しかも透明感に富んでい
るため、極めて装飾性の高いものである。
透明体により構成してあるが、この透明体には半透明体
も含む。なお、仮に不透明な有色性の部材を用いた場合
には、部材固有の色が強いため、干渉色が面によって異
なっていても全体的には部材の固有の色調に視認され、
さほどカラフルな感じは出ない。しかし本発明では、部
材自体は透明であるため、干渉色の違いによって多面体
全体が非常にカラフルになり、しかも透明感に富んでい
るため、極めて装飾性の高いものである。
また、部材の形状も様々な多面体形状を用いることが
可能である。さらに、コーティング法はスパッタリング
法のほか、真空蒸着法,イオンプレーティング法等を用
いることも可能である。
可能である。さらに、コーティング法はスパッタリング
法のほか、真空蒸着法,イオンプレーティング法等を用
いることも可能である。
[効果] 本発明の有色性装飾体は、有色性の高屈折材に無色性
の添加材を添加した干渉被膜が透明部材からなる多面体
の表面にコーティングされ、このコーティング膜は面に
よって膜厚が異なっている。従って、膜自体に有色性を
有すると同時にその有色性が淡く透明感が得られるとと
もに、干渉色の違いによって多面体全体が非常にカラフ
ルになり、透明感に富み、装飾効果が極めて高く、従来
にない色調の高級感を有する有色性装飾体が得られる。
の添加材を添加した干渉被膜が透明部材からなる多面体
の表面にコーティングされ、このコーティング膜は面に
よって膜厚が異なっている。従って、膜自体に有色性を
有すると同時にその有色性が淡く透明感が得られるとと
もに、干渉色の違いによって多面体全体が非常にカラフ
ルになり、透明感に富み、装飾効果が極めて高く、従来
にない色調の高級感を有する有色性装飾体が得られる。
第1図はガラス玉に干渉被膜を成膜する様子を示す説明
図、第2図は干渉被膜の透過率を示すグラフである。 1……有色性装飾体(ガラス玉) a……多面体の表面(傾斜面) b……多面体の表面(傾斜面)
図、第2図は干渉被膜の透過率を示すグラフである。 1……有色性装飾体(ガラス玉) a……多面体の表面(傾斜面) b……多面体の表面(傾斜面)
Claims (3)
- 【請求項1】有色性の高屈折材に無色性の添加材が添加
してある混合高屈折材が、透明部材からなる多面体の表
面にコーティングされており、上記混合高屈折材のコー
ティング膜は面によって膜厚が異なっていることを特徴
とする有色性装飾体。 - 【請求項2】上記有色性の高屈折材は酸化鉄または窒化
ケイ素のいずれかであることを特徴とする請求項1に記
載の有色性装飾体。 - 【請求項3】上記干渉被膜は上記混合高屈折材と低屈折
材とを交互に積層形成したものであることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の有色性装飾体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2058715A JPH0830262B2 (ja) | 1990-03-09 | 1990-03-09 | 有色性装飾体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2058715A JPH0830262B2 (ja) | 1990-03-09 | 1990-03-09 | 有色性装飾体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03260060A JPH03260060A (ja) | 1991-11-20 |
JPH0830262B2 true JPH0830262B2 (ja) | 1996-03-27 |
Family
ID=13092191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2058715A Expired - Lifetime JPH0830262B2 (ja) | 1990-03-09 | 1990-03-09 | 有色性装飾体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0830262B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5622953B1 (ja) * | 2014-03-18 | 2014-11-12 | 株式会社イザワピグメンツ | セラミック製品 |
CN106399926A (zh) * | 2015-07-31 | 2017-02-15 | 南昌欧菲光科技有限公司 | 渐变色基板制备装置及渐变色基板制备方法 |
CN111217536A (zh) * | 2020-01-06 | 2020-06-02 | 青岛锦绣前程节能玻璃有限公司 | 一种炫彩阳光控制镀膜玻璃及其制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5259077A (en) * | 1975-11-11 | 1977-05-16 | Seiko Instr & Electronics Ltd | Clock face for time piece |
JPS6362867A (ja) * | 1986-09-02 | 1988-03-19 | Seikosha Co Ltd | 有色物品 |
-
1990
- 1990-03-09 JP JP2058715A patent/JPH0830262B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03260060A (ja) | 1991-11-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090327 Year of fee payment: 13 |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100327 Year of fee payment: 14 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |