JPH08302573A - 合成繊維用処理剤 - Google Patents

合成繊維用処理剤

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JPH08302573A
JPH08302573A JP13865895A JP13865895A JPH08302573A JP H08302573 A JPH08302573 A JP H08302573A JP 13865895 A JP13865895 A JP 13865895A JP 13865895 A JP13865895 A JP 13865895A JP H08302573 A JPH08302573 A JP H08302573A
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JP
Japan
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parts
chemical formula
weight
fatty acid
treating agent
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Application number
JP13865895A
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English (en)
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Hisashi Tada
壽 多田
Yoshikazu Moriwaki
嘉数 森脇
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YOSHIMURA OIL CHEM
YOSHIMURA YUKAGAKU KK
Original Assignee
YOSHIMURA OIL CHEM
YOSHIMURA YUKAGAKU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】主成分として化学式1で示される変性オルガノ
ポリシロキサン及び化学式2で示されるアルコキシシラ
ンを含む合成繊維用処理剤に、更に化学式3で示される
脂肪酸石けんを第3の主成分として含有せしめることを
特徴とする合成繊維用処理剤である。 【化1】 【化2】 【化3】 【効果】本発明は主成分の1つとして脂肪酸石けんを含
むことを特徴とする合成繊維処理剤で、広範囲の合成繊
維に適用することができ、従来のポリシロキサン誘導体
及びアルコキシシラン系の処理剤と較べて著しく柔軟
性、平滑性が高く、弾力、圧縮回復性及び耐久性にも優
れ、且つ処理浴の安定性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維の処理剤に関す
るもので、更に詳しく述べると処理剤を合成繊維へ給油
した後、熱処理することにより、合成繊維に従来の処理
剤よりも著しく高い柔軟性、平滑性、その耐久性及び弾
力と圧縮回復性に富んだ風合を付与できる特徴を有する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維に柔軟性、平滑性、弾力
と圧縮回復性を付与するために、種々のシリコーン系仕
上剤が提供されてきた。例えば、柔軟性、防しわ性、弾
力と圧縮回復性を付与するため、ジメチルポリシロキサ
ン、メチル水素ポリシロキサン、両末端水酸基ジメチル
ポリシロキサン、ビニル基含有オルガノポリシロキサ
ン、エポキシ基含有オルガノポリシロキサン、アミノ基
含有オルガノポリシロキサン、エステル基含有オルガノ
ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン含有オルガノポ
リシロキサン等である。また、アルコキシシランの組合
せ及び/またはポリアクリルアミド樹脂や触媒からなる
処理剤等が知られていた。
【0003】例えば特公昭43-17514号公報には、1分子
当り少なくとも2個のエポキシ基を含有するオルガノポ
リシロキサンとアミノ基を含有するオルガノポリシロキ
サンからなる処理剤が、特公昭53-36079号公報には両末
端水酸基オルガノポリシロキサン、1分子中にアミノ基
とアルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、及
び/または、その部分加水分解物および縮合物からなる
処理剤が開示されている。
【0004】また、特公昭53-197159号公報及び特公昭
53-19716号公報には、エポキシ基を含有するオルガノポ
リシロキサンとアミノアルキルトリアルコキシシランか
らなる処理剤が、特公昭53-98499号公報には1分子中に
アミノ基2個以上を含有する両末端トリオルガノシロキ
シ基ジオルガノポリシロキサンが記載されている。特公
昭58-17310号公報には、1分子中に2個以上アミノ基を
含有するアミノポリシロキサンとアミノ基、エポキシ基
等の反応性基を1個以上含有するアルコキシシランから
なる処理剤が提案されている。
【0005】更に、特開昭55-152864 号公報には1分子
中に少なくとも2個以上のアミノ基を含有するジオルガ
ノシロキサンと、1分子中に少なくとも2個以上のエス
テル結合を含有するジオルガノポリシロキサンからなる
処理剤が、特開昭58-214585号公報にはアミノ基を含有
するポリシロキサン、末端水酸基ポリシロキサンと反応
性基を含有するアルキルアルコキシシランからなる処理
物剤が開示されている。特開昭59-144683 号公報にはエ
ポキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、アミノシ
ラン化合物及び硬化用触媒からなる処理剤が、特開昭60
-94680号公報には1分子中に少なくとも2個のエポキシ
基を含有するオルガノポリシロキサンと、ポリアクリル
アミド樹脂からなる処理剤が開示されている。
【0006】しかし、これらの従来から知られていた処
理剤はいずれも種々な問題点があった。例えば、ジメチ
ルポリシロキサンを主剤とする処理剤は、防しわ性や圧
縮回復性が不充分であり、かつ柔軟性や平滑性の耐久性
にも欠ける性質があった。また、メチル水素ポリシロキ
サンを主成分とする処理剤は、加熱処理工程で多量の水
素ガスが発生するため保安上問題があった。更に、触媒
を使用しないと充分硬化させることが困難であり、触媒
を使用すると処理浴の寿命が短くなる欠点があった。
【0007】エポキシ基含有のオルガノポリシロキサン
とアミノ基含有のオルガノポリシロキサンを主成分とす
る処理剤は、充分な加熱処理をしないと耐久性が得られ
ない。またポリアクリルアミド樹脂を含む処理剤は、風
合が硬すぎたり防しわ性がないという欠点がある。ヒド
ロキシポリシロキサンとアルコキシシランの2成分系処
理剤では、柔軟性、平滑性および弾性が概して不良で、
これらの耐久性も乏しくかつ、処理液の寿命や作業環境
上の問題もある。
【0008】アミノ基含有のポリシロキサンとアルコキ
シシランの2成分系処理剤は比較的良好な柔軟性および
平滑性を示すが、アルコキシシランがアミノアルコキシ
シランの場合には繊維の黄変を起し易く、アルコキシシ
ランがエポキシアルコキシシランの場合には処理液が不
安定である。
【0009】変性ポリシロキサンとアルコキシシランの
組合せにおいて、柔軟性、平滑性及びその耐久性向上の
目的のため種々の触媒を使用することもあるが、この場
合は処理液の安定性が悪く実用上問題がある(特開昭59
-144683 号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の様に従
来から知られている合成繊維処理剤が有する種々な問題
点を解決するため、高い柔軟性、平滑性ならびに弾力と
圧縮回復性を有すると共に優れた風合を合成繊維に付与
することができ、しかもこれらの性質の耐久性も良好な
合成繊維用処理剤を開発して提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の合成
繊維処理剤の組成とその性質について検討した結果、特
定の変性オルガノポリシロキサン及びアルコキシシラン
を主成分とする組成物に、更に第3の主成分として脂肪
酸石けんを加えると著しく高い柔軟性、平滑性ならびに
弾力と圧縮回復性を併せ持つと共に、優れた風合を合成
繊維に付与できることが分かった。更にこの風合の耐久
性が良好でその処理液の安定性も優れていることを見出
した。尚これらの組成物の成分と合成繊維処理剤の性質
について研究した結果本発明に到達した。
【0012】すなわち、主成分として化学式4で示され
る変性オルガノポリシロキサン及び化学式5で示される
アルコキシシランを含む合成繊維用処理剤に、更に化学
式6で示される脂肪酸石けんを第3の主成分として含有
せしめることを特徴とする合成繊維用処理剤である。
【0013】
【化4】
【0014】化学式4においてm 及び n は1以上の整
数とされているが、この式で示されている化合物はポリ
マーであるから、m 及び n は一般にはかなり大きな不
特定の数である。
【0015】
【化5】
【0016】ここで分子式中の符号Lは1〜3の整数と
されているが、化学式5で示されている化合物の中心の
Si 原子は4価であるから、L=3の場合の分子式は
R4−Si−(OR2 )3 となり (R3)0 の基は存在しない。
【0017】
【化6】
【0018】石けんは通常脂肪酸のアルカリ金属塩を指
し広義には脂肪酸の金属塩を意味することもあるが、こ
こでは化学式6の M としてアルカリ金属塩の他前記の
化学式に示すようにアンモニウム塩、アミン塩も含んで
いる。
【0019】更に本発明の合成繊維用処理剤は 100重量
部当たり、化学式4で示される変性オルガノポリシロキ
サンの含有量が50〜96部、化学式5で示されるアルコキ
シシランの含有量が2〜30部及び、化学式6で示される
脂肪酸石けんの含有量が2〜30部からなるものが好まし
い。
【0020】以下本発明について詳しく説明する。
【0021】本発明の合成繊維用処理剤には、その主成
分として化学式4で示されるポリマーである変性オルガ
ノポリシロキサンが含まれている。変性オルガノポリシ
ロキサンは前記の式で X が H または CH3となる場合
以外には、 X を含むモノマー残基には官能基であるエ
ポキシ基またはカルボキシル基、アミノ基または/及び
アミンが含まれている。これらのポリマーは1種類のみ
で使用出来る他、2種類以上のポリマーを混合して使用
することもできる。これらの変性オルガノポリシロキサ
ンとしては例えば次の様な化合物が挙げられる。
【0022】エポキシ変性オルガノポリシロキサン
【0023】
【化7】
【0024】ジアミン変性オルガノポリシロキサン
【0025】
【化8】
【0026】両末端ジメトキシアミノ変性オルガノポリ
シロキサン
【0027】
【化9】
【0028】両末端水酸基オルガノポリシロキサン
【0029】
【化10】
【0030】この化合物は化学式4の X が CH3である
場合に該当するものであり、m 及びn の括弧内のモノマ
ー残基は同一となっている。
【0031】カルボキシル変性オルガノポリシロキサン
【0032】
【化11】
【0033】本発明の合成繊維用処理剤にはその主成分
として更に化学式5で示されるアルコキシシランを含ん
でいる必要がある。このアルコキシシランは炭素数1〜
2のモノ、ジ及びトリアルコキシシランで、 R4 は官能
基であるアミノ基またはエポキシ基を含むアルキル基で
ある。これらのアルコキシシランも1種類のみを使用す
ることができる他、2種類以上のアルコキシシランを混
合して使用することもできる。これら化合物としては例
えば次の様なアルコキシシランが挙げられる。
【0034】γ−アミノプロピル・トリエトキシシラン
【0035】
【化12】
【0036】N −( β−アミノエチル)γ−アミノプロ
ピル・メチル・ジメトキシシラン
【0037】
【化13】
【0038】N −( β−アミノエチル)γ−アミノプロ
ピル・トリメトキシシラン
【0039】
【化14】
【0040】γ−グリシドキシプロピル・トリエトキシ
シラン
【0041】
【化15】
【0042】γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシ
シラン
【0043】
【化16】
【0044】本発明の合成繊維用処理剤は更に主成分の
1つとして脂肪酸石けんを含有させる必要がある。この
合成繊維用処理剤に主成分として、化学式4で示される
変性オルガノポリシロキサン及び化学式5で示されるア
ルコキシシランの2成分の他、更に第3の主成分として
化学式6で示される脂肪酸石けんを含有させたことは本
発明の最も大きな特徴である。
【0045】化学式6で示される第3の主成分は、炭素
数1〜22、好ましくは4〜18の飽和または不飽和、直鎖
または分岐を有する鎖状の脂肪酸石けんである。
【0046】これらの脂肪酸石けんは1種類のみを使用
することができる他、2種類以上の脂肪酸石けんを混合
して使用することもできる。これら脂肪酸石けんとして
は例えば次の様な化合物が挙げられる。
【0047】ラウリン酸カリウム
【0048】
【化17】
【0049】ステアリン酸ジエタノールアミン
【0050】
【化18】
【0051】ステアリン酸ナトリウム
【0052】
【化19】
【0053】イソステアリン酸アンモニウム
【0054】
【化20】
【0055】本発明は前述の様に主成分として化学式4
で示される変性オルガノポリシロキサン及び、化学式5
で示されるアルコキシシランを含む合成繊維用処理剤
に、更に第3の主成分として化学式6で示される脂肪酸
石けんを含有させたことが最も大きな特徴である。従来
の技術の欄で述べた様に種々のポリシロキサン誘導体ま
たはアルコキシシランを混合して、合成繊維用処理剤と
して使用することは以前から知られている。しかし、こ
れらの成分に更に化学式6で示される脂肪酸石けんを加
えた合成繊維用処理剤は知られていない。
【0056】そこで種々のポリシロキサン誘導体及びア
ルコキシシランの2成分系混合物に、更に第3の主成分
として脂肪酸石けんを加えた3成分系の処理剤について
その組成と効果を調べた。その結果、前述の様に特定の
変性オルガノポリシロキサン及びアルコキシシランの混
合物に、特定の脂肪酸石けんを加えることにより、従来
の2成分系の処理剤に較べて、合成繊維に著しく高い柔
軟性、平滑性および弾性・圧縮回復性を付与することが
できた。
【0057】尚、従来繊維の表面に付着した処理剤の硬
化用触媒として使用されている亜鉛、チタン、ジルコニ
ウム、錫、鉛、マグネシウムの脂肪酸塩は処理液の安定
性を阻害する問題があったが、本発明の第3成分である
脂肪酸石けんは処理液の安定性を阻害せず高い安定性を
保持している。
【0058】後述の実施例1〜5は本発明の3つの主成
分を含有した合成繊維用処理剤であり、比較例1〜3は
本発明の主成分である変性ポリシロキサン及びアルコキ
シシランは含んでいるが、第3の主成分である脂肪酸石
けんは含有しない処理剤である。表1にこれらの処理剤
の効果が示されているが、実施例1〜5の柔軟性及び平
滑性は第3の主成分である脂肪酸石けんを含有しない比
較例1〜3と較べて著しく優れている。また、実施例1
〜5はドライクリーニング後の柔軟性及び平滑性を表示
した耐久性も比較例1〜3と較べて格段に優れている。
【0059】また表1の結果より変性ポリシロキサン及
びアルコキシシランの他、第3の成分としてそれぞれ酢
酸亜鉛及びラウリン酸亜鉛を含む比較例2及び3は、脂
肪酸石けんを含有する実施例1〜5に較べて繊維を処理
する時の処理浴の安定性が低下していることが認められ
る。
【0060】本発明において合成繊維用処理剤 100重量
部当たり、化学式4で示される変性オルガノポリシロキ
サンの含有量が50〜96部、化学式5で示されるアルコキ
シシランの含有量が2〜30部及び、化学式6で示される
脂肪酸石けんの含有量が2〜30部の比率であることが好
ましい。変性オルガノポリシロキサンの含有量が50重量
部より少ないと繊維の柔軟性、平滑性が乏しくなる。こ
れは後述の実施例において合成繊維用処理剤の組成とそ
の効果を示した表1で、変性オルガノポリシロキサンの
含有量が30重量部である実施例6は、各成分の組成が好
ましい比率を有する実施例1〜5に較べて柔軟性、平滑
性及び耐久性が低いことからも分かる。また、96重量部
より増加するとアルコキシシラン及び脂肪酸石けんの含
有量が著しく低下するため、却って繊維の柔軟性、平滑
性及びそれらの耐久性が低下する。
【0061】アルコキシシランの含有量が2重量部より
少ないと繊維表面に付着した処理剤の架橋反応が不充分
となって、繊維表面に安定に保持されないため処理剤の
効果が乏しくなり、また30重量部より増加すると柔軟性
や平滑性が損なわれ、特にアルコキシシランにアミノ基
が含まれている場合には合成繊維の黄変をも引起こす傾
向が認められ好ましくない。後述の実施例において合成
繊維用処理剤の組成とその効果を示した表1において、
アルコキシシランの含有量が30重量部以上の実施例6及
び7は、各成分の組成が好ましい比率を有する実施例1
〜5に較べて柔軟性、平滑性及び耐久性が低下している
ことが認められる。
【0062】脂肪酸石けんを含有することは本発明の合
成繊維用処理剤の最も大きな特徴であり、前述において
化学式6に示した脂肪酸石けんを含有する実施例1〜5
の効果と、脂肪酸石けんを含まない比較例1〜3の効果
を比較して、脂肪酸石けんを含有する場合は柔軟性、平
滑性及びその耐久性の他、処理液の安定性も著しく優れ
ている旨述べた。しかし、脂肪酸石けんが含まれていて
も含有量が2重量部より少ないと柔軟性や平滑性がやや
乏しくなり、また、30重量部より増加するとシリコーン
特有の柔軟性、平滑性及び弾性・反発回復性がやや損な
われる傾向が認められる。
【0063】表1に示した合成繊維用処理剤の組成とそ
の効果において、脂肪酸石けんの含有量が30重量部以上
の実施例6及び8は、各成分の組成が好ましい比率を有
する実施例1〜5に較べて柔軟性、平滑性及び耐久性が
やや劣っていることが認められる。
【0064】本発明の合成繊維用処理剤による繊維の処
理方法は、特に限定しないが通常は処理剤の主成分であ
る3成分を含有するエマルジョンを、スプレーや浸漬な
どの方法で給油して繊維に均一に含浸させた後、熱処理
によって繊維表面に皮膜を形成させる方法が適用される
ことが多い。前記の方法の他合成繊維の表面にこの3成
分を含有する皮膜を均一に付着させることができればど
の様な方法でもよい。
【0065】合成繊維に対する処理剤の付着量は特に限
定しないが、 0.1〜2.0 重量%が好ましく、 0.3〜1.0
重量%がより好ましい。
【0066】本発明の処理剤を適用できる合成繊維は特
に限定せず、広範囲な合成繊維に使用可能である。例え
ば、ポリエステル系繊維、アクリロニトリル系繊維、ポ
リアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビ
ニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ポ
リウレタン繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン
繊維等である。
【0067】またこれらの繊維の形状は、フィラメン
ト、トウ、ステープル、織物または編み物、不織布また
は毛布その他の加工品でもよい。
【0068】これらの合成繊維に本発明の合成繊維用処
理剤を適用する場合、これらの繊維は一般に電気伝導率
が低く製綿工程等で摩擦等によって静電気が発生し易
い。繊維の表面に形成された本発明の処理剤の皮膜はか
なり高い制電効果を有するが、尚静電気が蓄積される場
合があるため制電剤を併用すれば一層制電効果を高める
ことができる。制電剤としては、第4級アンモニウム塩
等のカチオン活性剤、アルキルホスフェートのアルカリ
金属塩等が適している。
【0069】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0070】(実施例1〜8)下記の実施例1〜8に示
した組成を有する合成繊維処理剤のエマルジョンを、6d
(デニール) ×64 mm のポリエステルステープル洗浄綿
に処理剤の全固形分がステープル綿に対して0.5 %にな
る様に浸漬給油した後、150 ℃で15分間の加熱処理を行
なった。
【0071】前記の様にして得られた試験綿について、
後述の様に柔軟・平滑性、耐久性、制電性及び処理浴安
定性を評価した。その結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】 (1) 実施例1処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン─────85 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0074】
【化21】
【0075】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ─────10 重量部
【0076】
【化22】
【0077】 ラウリン酸カリウム石けん ───── 5 重量部
【0078】
【化23】
【0079】 (2) 実施例2処理剤 アミノ変性オルガノポリシロキサン ────80 重量部 粘度:3000cSt /25℃ アミン当量 : 2500
【0080】
【化24】
【0081】 N − (β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ────10 重量部
【0082】
【化25】
【0083】 ステアリン酸ナトリウム石けん ──── 5 重量部
【0084】
【化26】
【0085】 トリメチル・ラウリル・アンモニウムクロライド─ 5 重量部
【0086】
【化27】
【0087】この化合物は制電剤として作用する成分で
ある。
【0088】 (3) 実施例3処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン ────85 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0089】
【化28】
【0090】 γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン ──10 重量部
【0091】
【化29】
【0092】 ラウリン酸・ジエタノールアミン石けん ── 5 重量部
【0093】
【化30】
【0094】 (4) 実施例4処理剤 アミノ変性オルガノポリシロキサン ────30 重量部 粘度:3000cSt /25℃ アミン当量 : 2500
【0095】
【化31】
【0096】 両末端水酸基オルガノポリシロキサン ────55 重量部 粘度:1000cSt /25℃
【0097】
【化32】
【0098】 γ−アミノプロピル・トリエトキシシラン────10 重量部
【0099】
【化33】
【0100】 ラウリン酸カリウム石けん ──── 5 重量部
【0101】
【化34】
【0102】 (5) 実施例5処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン─────60 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0103】
【化35】
【0104】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ─────20 重量部
【0105】
【化36】
【0106】 ラウリン酸カリウム石けん ─────20 重量部
【0107】
【化37】
【0108】 (6) 実施例6処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン─────30 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0109】
【化38】
【0110】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ─────35 重量部
【0111】
【化39】
【0112】 ラウリン酸カリウム石けん ─────35 重量部
【0113】
【化40】
【0114】 (7) 実施例7処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン─────55 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0115】
【化41】
【0116】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ─────40 重量部
【0117】
【化42】
【0118】 ラウリン酸カリウム石けん ───── 5 重量部
【0119】
【化43】
【0120】 (8) 実施例8処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン─────50 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0121】
【化44】
【0122】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ─────10 重量部
【0123】
【化45】
【0124】 ラウリン酸カリウム石けん ─────40 重量部
【0125】
【化46】
【0126】(比較例1〜3)比較のため下記の比較例
1〜3に示した組成を有する合成繊維処理剤のエマルジ
ョンを、 6d ×64 mm のポリエステルステープル洗浄綿
に実施例1と同一の条件で浸漬給油、加熱処理を行なっ
た。
【0127】その試験綿について柔軟・平滑性、耐久
性、制電性及び処理浴安定性を評価した結果も併せて表
1に示す。
【0128】 (1) 比較例1処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン─────89.5 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0129】
【化47】
【0130】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ────10.5 重量部
【0131】
【化48】
【0132】 (2) 比較例2処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン ────85 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0133】
【化49】
【0134】 N −( β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ────10 重量部
【0135】
【化50】
【0136】 酢酸亜鉛 ──── 5 重量部
【0137】
【化51】
【0138】 (3) 比較例3処理剤 ジアミン変性オルガノポリシロキサン ────85 重量部 粘度:1000cSt /25℃ アミン当量 : 1800
【0139】
【化52】
【0140】 N − (β−アミノエチル) γ−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン ────10 重量部
【0141】
【化53】
【0142】 ラウリン酸亜鉛 ──── 5 重量部
【0143】
【化54】
【0144】尚実施例及び比較例の試験において、合成
繊維処理剤で給油、熱処理したポリエステルステープル
試験綿の柔軟・平滑性、耐久性、制電性及び処理浴安定
性は次の様な方法で評価した。
【0145】(1) 柔軟・平滑性:各処理剤にて給油、熱
処理した試験綿を触感で判定した。 (2) 耐久性 :ドライクリーニング後の柔軟・平滑
性で示した。すなわち「ドライクリーニングに対する染
色堅牢度試験方法」(JIS L 0860)に準じ、パークロー
ルエチレン、アニオン活性剤、非イオン活性剤を用いて
5回洗濯をした後、上記(1) の方法によって柔軟・平滑
性を評価して表示した。 (3) 制電性 :各給油綿の紡毛カード紡出時の静電
気発生量より判定した。(紡出条件:20℃、40% RH) (4) 処理浴安定性:該処理剤の4〜10%溶液について、
処理液作成1〜7日後の層分離の有無、沈殿物の有無等
で判定した。
【0146】評価の結果は下記の基準によって表示し
た。 ◎ ──────非常に良い ○ ──────良い ○〜△ ────普通 △ ──────悪い × ──────非常に悪い
【0147】
【発明の効果】本発明は主成分の1つとして脂肪酸石け
んを含むことを特徴とする合成繊維処理剤で、広範囲の
合成繊維に適用することができ、従来のポリシロキサン
誘導体及びアルコキシシラン系の処理剤と較べて著しく
柔軟性、平滑性を高めると共に、弾力、圧縮回復性及び
耐久性にも優れ、且つ処理浴の安定性も良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/184 D06M 13/24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として化学式1で示される変性オ
    ルガノポリシロキサン及び化学式2で示されるアルコキ
    シシランを含む合成繊維用処理剤に、更に化学式3で示
    される脂肪酸石けんを第3の主成分として含有せしめる
    ことを特徴とする合成繊維用処理剤。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 組成物 100重量部当たり化学式1で示さ
    れる変性オルガノポリシロキサンの含有量が50〜96部、
    化学式2で示されるアルコキシシランの含有量が2〜30
    部及び、化学式3で示される脂肪酸石けんの含有量が2
    〜30部からなる合成繊維用処理剤。
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