JP4723084B2 - 合成繊維製詰め綿用シリコーン処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維製詰め綿用シリコーン処理剤に関する。詳しくは、ポリエステル繊維のような合成繊維製詰め綿に良好な平滑性や反発性などの優れた特性を付与し得る合成繊維製詰め綿用シリコーン処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成繊維製詰め綿用処理剤として種々のオルガノポリシロキサンやその組成物からなる処理剤が使用されている。中でも、アミノ基含有オルガノポリシロキサンは、他のオルガノポリシロキサンに比較して優れた柔軟性や平滑性を発現することから、合成繊維製詰め綿の風合い改良剤として汎用されている。このアミノ基含有オルガノポリシロキサンの製造方法としては、例えば、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランの加水分解物とジメチルシクロポリシロキサンおよびデカメチルテトラシロキサンとを、水酸化カリウムのような塩基性触媒を用いて平衡重合反応させる方法(特開昭53−98499号公報参照)や、末端シラノール基封鎖オルガノポリシロキサンとアミノプロピルメチルジエトキシシランとを、Na3PO4のようなホウ酸ナトリウムとBa(OH)2・8H2Oのような水酸化バリウムなどの触媒を用いて縮合反応させる方法(特開平7−11000号公報参照)が知られている。
しかしながら、塩基性触媒を用いて平衡重合反応させる前者の方法では、得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサン中に副生物として、通常、約10%の揮発性の低分子オルガノシロキサンが存在する。そのため、これをそのまま繊維処理剤として用いると、処理後の乾燥時に低分子オルガノシロキサンが排気ファンなどに付着して油状の汚れとなったり、またその油状物が落下して繊維材料に付着してオイルスポットが発生するという問題点があった。さらに、平衡重合反応に用いた塩基性触媒は、通常、反応終了後に酸で中和されるが、この中和塩が残存していると高温下でシロキサン結合に作用して一部解重合を引き起こす。この結果、アミノ基含有オルガノポリシロキサンの高温安定性が低下するという問題点があった。これらの問題点は、高温・減圧下にて低分子オルガノシロキサンを除去したり、中和塩を精密なろ過装置を用いて除去することにより解決できるが、このような手段を採用すると生産性が低下するという欠点があった。
一方、後者の方法で用いる縮合触媒は、シロキサンの解重合を引き起こすほどの活性を有さないため低分子オルガノシロキサンの副生は少ないが、反応後に縮合触媒を長時間残存させると、経時で縮重合反応が進行してアミノ基含有オルガノポリシロキサンの粘度が上昇するという欠点があった。この粘度上昇は、残存する縮合触媒を精密なろ過装置を用いて除去する方法により回避できるが、これでは生産性が低下するという欠点があった。
さらに最近では、従来のアミノ基含有オルガノポリシロキサンよりも優れた平滑性や反発性を有する合成繊維製詰め綿用処理剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、分子鎖末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサンとアミノ基含有オルガノアルコキシシランとを触媒不存在下で反応させることにより、従来のアミノ基含有オルガノポリシロキサンに比較して優れた平滑性と保存安定性を有するアミノ基含有オルガノポリシロキサンが得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、合成繊維製詰め綿に非常に良好な平滑性や反発性を付与し、かつ、保存安定性に優れた合成繊維製詰め綿用シリコーン処理剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)一般式:
【化2】
(式中、Rは炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、xは5以上の整数である。)で示され、25℃における動粘度が250,000mm2/s未満の分子鎖末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサンと、
(B)一般式:RnR1Si(OR2)3−n
[式中、Rは前記と同じであり、R1は式:−R3−(NR4CH2CH2)a−NH−R5で表される基(式中、R3は炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、R4およびR5は水素原子または炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0〜5の整数である。)であり、R2は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、nは0または1である。]で示されるアミノ基含有オルガノアルコキシシランとを、縮重合反応促進触媒および平衡重合反応促進触媒の不在下で縮合反応させて得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサンを主成分とする合成繊維製詰め綿用シリコーン処理剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、25℃における動粘度が250,000mm2/s未満の上記一般式で示される分子鎖末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサンである。上式中、Rは炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の一価炭化水素基である。具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,テトラデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;ビニル基,アリル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基;フェニル基,トリル基,ナフチル基等の芳香族炭化水素基;およびこれらの基が部分的にハロゲン原子で置換されたハロゲン置換一価炭化水素基が例示される。このRは同一でも異なっていても良いが、メチル基が最も一般的である。xは5以上の整数であるが、10〜1,000の範囲が好ましく、20〜500の範囲がより好ましい。この(A)成分は、1種類のシロキサンを単独で使用してもよいが、重合度の異なる2種類以上のシロキサンを混合して使用してもよい。混合物の場合は、重合度xが100〜1,000のジオルガノポリシロキサンと重合度xが10〜99のジオルガノポリシロキサンとを1〜99:99〜1重量%の比率で配合するのが好ましい。
【0006】
(B)成分のアミノ基含有オルガノアルコキシシランは、
一般式:RnR1Si(OR2)3-nで示される。式中、Rは前記と同じであるが、メチル基またはエチル基が一般的である。R1は式:−R3−(NR4CH2CH2)a−NH−R5で示されるアミノ基である。R3は炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、アルキレン基,アリーレン基,アルケニレン基が挙げられるが、エチレン基またはプロピレン基が最も一般的である。R4およびR5は水素原子または炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、1価炭化水素基の具体例としては前記Rと同様の基を挙げることができる。このR4およびR5は同一でも異なっていてもよいが、水素原子であることが好ましい。aは0〜5の整数であるが、0または1が一般的である。R2は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、メチル基が最も一般的である。nは0または1の整数であるが、製造時の粘度制御の容易さや、繊維に対する柔軟性・平滑性などの特性付与の点から、n=1であることが好ましい。また、上記アミノ基含有オルガノアルコキシシランの部分加水分解物を用いることも可能である。
【0007】
上記(A)成分のジオルガノポリシロキサンと(B)成分のアミノ基含有オルガノアルコキシシランとの反応は、(A)成分中のシラノール基と(B)成分中のアルコキシ基の脱アルコール縮合反応によるものである。ここで、脱アルコール縮合反応は、(B)成分中のアミノ基の塩基性により進行するものと推定される。(A)成分と(B)成分の反応比率は、(A)成分中の末端シラノール基/(B)成分中のアルコキシ基=0.1〜10のモル比となるような比率が好ましく、0.2〜5のモル比がより好ましい。具体的には、(A)成分と(B)成分とを均一に混合分散した後、窒素を吹込みながら80℃程度に昇温してその温度を保ちながら副生するアルコールなどを除去することによって、アミノ基含有オルガノポリシロキサンを製造することができる。反応温度は50℃〜150℃の範囲が好ましい。また、(A)成分と(B)成分との反応をより均一に行うためには、(A)成分中の水分を加熱や減圧により予め十分に除去した後、(B)成分を加えて、窒素などを吹込みながら水分が混入しない状態で反応させることが好ましい。さらに、得られるアミノ基含有オルガノポリシロキサンの性能を阻害しない範囲であれば、(A)成分と(B)成分の反応時に、第3成分として、炭素原子数1〜20のアルコールや、式:RmSi(OR2)4 ― m(式中、RおよびR2は前記と同じであり、mは2または3である。)で表されるアルコキシシランなどを共存させても良い。このようにして得られるアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、25℃における動粘度が50〜50,000mm2/sの範囲であることが好ましく、100〜20,000mm2/sの範囲がより好ましい。
【0008】
本発明で得られるアミノ基含有オルガノポリシロキサンとしては、次式で表されるオルガノポリシロキサンが例示される。式中のAは、式:−C3H6NHC2H4NH2で示されるアミノ基を示し、Bは、式:−C3H6NH2で示されるアミノ基を示す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0009】
本発明で得られるアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、通常、(A)成分の分子量、(A)成分と(B)成分の反応比率や反応条件などの違いによって、前記したような各種構造を有する。例えば、(B)成分として、式:
【化14】
で示されるジアルコキシシランを用いた場合は、上式[1]から[5]に示したような構造のオルガノポリシロキサンの混合物、即ち、アミノアルキル基を分子鎖両末端、片末端あるいは側鎖に有するアミノ基含有オルガノポリシロキサンの混合物が得られると推定される。つまり本発明では、縮重合反応促進触媒や平衡重合反応促進触媒を使用しないため、得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、各種構造を有するシロキサンの混合物になると推定される。そしてこの混合物であるが故に、従来のアミノ基含有オルガノポリシロキサンに比べて、優れた柔軟性や平滑性効果を有するものと考えられる。例えば、上式[2]や[4]で示されるような片方の末端のみにアミノ基を有するアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、ポリシロキサン鎖がアミノ基に拘束されることなく分子レベルで自由に繊維表面を動くことができるので、結果として優れた平滑性を付与するものと推定される。
【0010】
本発明処理剤は上記アミノ基含有オルガノポリシロキサンを主成分とするものであり、反応生成物をそのまま合成繊維製詰め綿の処理に使用してもよいが、必要に応じて、帯電防止剤,非シリコーン系の有機系柔軟剤,非反応性基または反応性基を有するオルガノポリシロキサン(但し、Si−H基含有オルガノポリシロキサンは除く)、アミノ基やエポキシ基などの反応性基を有するオルガノアルコキシシラン類またはその部分加水分解物、アルキルアルコキシシラン類またはその部分加水分解物、錫や亜鉛などの有機金属塩、防腐剤、防黴剤などを添加することができる。また、アミノ基に起因する黄変が問題となる場合には、有機酸またはその酸無水物やエポキシ化合物などのアミノ基と反応し得る化合物を用いて、黄変低減処理を施してもよい。
【0011】
本発明処理剤を使用する際には、通常、上記アミノ基含有オルガノポリシロキサンを適当な溶剤で希釈して所望の濃度に調整するか、または、界面活性剤を用いて水中に乳化分散してエマルジョンにした後、水で希釈して所望の濃度に調整するとよい。特に、エマルジョンが好ましい。乳化に用いられる界面活性剤としては、ラウリル基,セチル基,ステアリル基,トリメチルノニル基等のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;ノニルフェニル基,オクチルフェニル基等のアルキルフェニル基を有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ステアリン酸,オレイン酸などの脂肪酸に酸化エチレンを付加重合させたポリエチレングリコール脂肪酸エステル類,ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤;第4級アンモニウム塩,アルキルアミン塩などのカチオン性界面活性剤;アルキルベタイン,アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤を挙げることができる。乳化機としては、ホモミキサー,ホモジナイザー,プロペラ型攪拌機,ラインミキサー,コロイドミルなどを使用することができる。処理方法としては、浸せき,スプレーなどの手段を用いて繊維に付着させた後、乾燥および熱処理を行う方法が挙げられる。繊維に対する付着量は、上記アミノ基含有オルガノポリシロキサンが0.1〜3重量%となるような量が好ましい。
【0012】
本発明処理剤が適用される合成繊維製詰め綿としては、ポリエステル,ナイロン,ポリアクリロニトリル,ポリ塩化ビニル,ビニロン,ポリエチレン,ポリプロピレンなどの繊維からなる詰め綿が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル繊維製詰め綿が好ましい。
【0013】
以上のような本発明処理剤は、分子鎖末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサンとアミノ基含有オルガノアルコキシシランとを触媒不存在下で反応させて得たアミノ基含有オルガノポリシロキサンを主成分とするので、詰め綿に優れた平滑性と反発性を付与するという特徴を有する。また、縮重合反応促進触媒や平衡重合反応促進触媒を使用しないので、反応後の中和工程や濾過工程が不要であり、かつ、経時的に反応が進行したり粘度が著しく上昇することがない。これらのことから、本発明処理剤は長期安定性に優れ、かつ、工業的生産に好適であるという利点を有する。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。実施例中、部とあるのは重量部を意味し、動粘度は25℃における値である。
【0015】
【実施例1】
1リットルの反応容器に、式:
【化15】
で表わされる両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン900g、および式:
【化16】
で表わされる両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン73gを仕込み、窒素を液中に浸した細管より500ml/分の流量で流しながら、50℃にて1時間保持した後、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン27gを加えた。さらに窒素の吹込みを継続しながら、液温を100℃に上げ、100℃で3時間保持して反応させて、動粘度2100mm2/sの半透明な外観を呈するオイルを調製した。得られたオイルを29Si−NMRにより分析したところ、このオイルは、平均分子式:
【化17】
で示されるアミノ基含有オルガノポリシロキサン(a)であることが判明した。このアミノ基含有オルガノポリシロキサン(a)を105℃の温風循環式オーブン中にて1時間静置して、揮発成分の含有量を測定したところ、1.8重量%であった。また、室温で6ヶ月放置した後の動粘度を測定したところ、2250mm2/sであり、優れた保存安定性を有することが判明した。このようにして得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサン(a)300部を、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレン(6モル)ラウリルエーテル40部を用いて、ホモミキサーにより水260部に乳化分散させて、アミノ基含有オルガノポリシロキサン(a)を50重量%含むエマルジョンaを調製した。次に、上記で得られたエマルジョンaを、繊度6デニール、繊維長65mmのポリエステル製の布団綿用ステープルファイバーに対して、アミノ基含有オルガノポリシロキサン(a)の付着量が0.5重量%になるようにスプレーで吹き付けた後、室温で乾燥した。次いで、150℃で15分間の加熱処理を施した。このようにして処理したポリエステル製布団綿をTEXTEST社製LABORMIXERにより解繊した後、それらを重ねて評価用の布団綿を作成した。得られた布団綿の平滑性および反発性を、手による感触により以下のように評価した。その結果を表1に示した。
[平滑性]
◎:極めて平滑性に富んだ羽毛様の風合いであった。
○:平滑性に富んだ風合いであった。
△:やや素硬で、平滑性にやや劣る風合いであった。
×:素硬で、平滑性に劣る風合いであった。
[反発性]
○:反発性は良好であった。
△:反発性は認められるものの、やや不十分であった。
×:反発性は不十分であった。
【0016】
【実施例2】
1リットルの反応容器に、式:
【化18】
で表わされる両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン890g、および式:
【化19】
で表わされる両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン100gを仕込み、窒素を液中に浸した細管より500ml/分の流量で流しながら、50℃にて1時間保持した後、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン10gを加えた。さらに窒素の吹込みを継続しながら、液温を80℃に上げて、80℃で3時間保持して反応させた。その後、ジメチルジメトキシシランを15g加えて、さらに80℃で2時間反応させたところ、動粘度1950mm2/sのほぼ透明な外観を呈するアミノ基含有オルガノポリシロキサン(b)を得た。このシロキサン(b)中の揮発分の含有量を実施例1と同様にして測定したところ、2.2重量%であった。また、室温で2ヶ月放置後の動粘度を測定したところ、2300mm2/sであり、保存安定性が良好であることが判明した。
このようにして得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサン(b)について、実施例1と同様に乳化分散してエマルジョンbを調製した。得られたエマルジョンbを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル製の布団綿用ステープルファイバーを処理して布団綿を作成し、その平滑性および反発性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0017】
【比較例1】
1リットルのフラスコに、ジメチルシクロポリシロキサン1000g、デカメチルテトラシロキサン14g、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを過剰の水で加水分解して得られた加水分解縮合物21g、水酸化カリウム0.01gを投入して、窒素雰囲気下140℃で6時間反応させた。次いで、酢酸を0.01g加えて中和して、平均分子式:
【化20】
で示される、動粘度1200mm2/sの白濁したアミノ基含有オルガノポリシロキサン(c)を得た。このシロキサン(c)中の揮発分の含有量を実施例1と同様にして測定したところ、11.0重量%であった。また、室温で6ヶ月放置後の動粘度を測定したところ1180mm2/sであり、シロキサンの一部解重合が認められた。このようにして得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサン(c)について、実施例1と同様に乳化分散してエマルジョンcを調製した。得られたエマルジョンcを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル製の布団綿用ステープルファイバーを処理して布団綿を作成し、その平滑性および反発性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0018】
【比較例2】
1リットルの反応容器に、動粘度100mm2/sの両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン1000gを仕込み85℃に加熱した後、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン30g、Na3PO4を0.25gおよびBa(OH)2を0.75g添加した。これらを大気圧下85℃にて2時間反応させた後、減圧下で揮発性の副生物を除去した。反応生成物の動粘度が900mm2/sに到達したところで減圧下のまま冷却して、40℃まで温度が低下してから常圧に戻した。このようにして、平均分子式:
【化21】
で示される、動粘度2500mm2/sの白濁したアミノ基含有オルガノポリシロキサン(d)を得た。このシロキサン(d)中の揮発分の含有量を実施例1と同様にして測定したところ、2.0重量%であった。また、室温で6ヶ月放置後の動粘度を測定したところ、12,000mm2/sと著しく上昇しており、これにより保存中に縮重合反応が起きたことが判明した。尚、製造直後のアミノ基含有オルガノポリシロキサン(d)をろ過して触媒成分を除去したところ、透明なシロキサンが得られ、このシロキサンの室温6ヶ月放置後の動粘度は2750mm2/sであった。このようにして得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサン(d)について、実施例1と同様に乳化分散してエマルジョンdを調製した。得られたエマルジョンdを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル製の布団綿用ステープルファイバーを処理して布団綿を作成し、その平滑性および反発性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例3〜4、比較例3〜4】
実施例1において得られたエマルジョンa10部を水990部に分散させて処理液Aを調製した。次いでこの処理液Aに、40cm×40cmの大きさのポリエステル加工糸織物を5秒間浸せき後、マングルロールで絞り率100%となるように絞って室温で乾燥した。乾燥後、150℃で15分間加熱処理した。エマルジョンb、c、dについても、上記と同様にして処理液B、C、Dを調製して、ポリエステル加工糸織物を処理した。このように処理した織物について、JIS L 1096−1990(6.21.2 滑脱抵抗力:糸引き抜き法 A法)に規定されている方法により糸の引き抜き抵抗値(g)を測定した。その結果を表2に示した。尚、引き抜き抵抗値は糸−糸間のすべり性を表わした指標であり、この値が小さい程、詰め綿用処理剤として使用した場合に良好な平滑性を示すと推定される。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】
本発明処理剤は、分子鎖末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサンとアミノ基含有オルガノアルコキシシランとを、縮重合反応促進触媒および平衡重合反応促進触媒の不在下で縮合反応させて得られたアミノ基含有オルガノポリシロキサンを主成分とするので、合成繊維製詰め綿に羽毛用の優れた平滑性と反発性を付与することができ、かつ、保存安定性に優れるという特徴を有する。
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